JP2016038053A - 制振シートおよび制振シート製造装置 - Google Patents

制振シートおよび制振シート製造装置 Download PDF

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Toshiya Ikenaka
俊哉 池中
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貴子 平塚
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Mineaki Eto
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Abstract

【課題】シート状部材の表面に沿った複数の方向の各々における揺れに対する制振性能を向上させることができる制振シートやこのような制振シートを製造することができる制振シート製造装置を提供する。【解決手段】制振シート1は、シート状部材(具体的には、シート状のエンボス層10)と、シート状部材の表面に沿った複数の方向(例えば、互いに直交するx方向およびy方向)の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるようシート状部材の少なくとも片面に設けられた複数の凸部12とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の方向の各々における揺れに対して制振性能を有する制振シートおよびこのような制振シートを製造するための制振シート製造装置に関する。
従来から、冷蔵庫等の電化製品の制振を行ったり地震が発生したときの家具等の揺れを抑制したりするための制振シートとして様々なタイプのものが用いられている。例えば、特許文献1には、スチレン−イソプレンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体および無機粉体からなる制振シートが開示されている。また、特許文献2には、ゴム成分、熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性樹脂から選ばれる少なくとも1種ならびに充填剤を主成分とする樹脂シート基材の片面に、アクリル系樹脂層が設けられている制振シートが開示されている。特許文献1、2に開示される制振シートでは、薄い厚みであっても優れた制振性能を発現することができる。
また、被除振物を支持しながら、外部から伝わる振動を減衰させる除振部材として、例えば特許文献3に開示されるものが知られている。特許文献3に開示される除振部材は、上部支持体と、上部支持体と離間して配置された下部支持体と、上部支持体と下部支持体とに両端部が接触して配置されている圧縮コイルばねと、上部支持体と下部支持体との間に圧縮コイルばねと並列に設けられた吸収材収容部と、吸収材収容部に配置された粘弾性体とを有しており、粘弾性体の自然高さは、被除振物を支持して圧縮コイルばねが縮んだときに、吸収材収容部の高さと略同じ高さとなるように設定されている。
特開平10−183808号公報 特開平10−217389号公報 特開2010−230156号公報
特許文献1、2に開示される制振シートでは、樹脂組成物として側鎖や二重結合を含むエラストマーを使用しているため光により劣化しやすくなり、制振性能が失われてしまうという問題があった。また、制振シートの材料として耐光性を有するような樹脂組成物を用いる方法も考えられるが、制振性能やコスト面で不利になるおそれがある。
また、特許文献3に開示される除振部材において、圧縮コイルばねや粘弾性体は当該除振部材の高さ方向に沿って延びるよう配置されているため、除振部材の高さ方向に対する振動に対しては十分な制振性能を有するものの、除振部材の幅方向における様々な方向の揺れに対しては十分な制振性能を発揮することができないという問題があった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、シート状部材の表面に沿った複数の方向の各々における揺れに対する制振性能を向上させることができる制振シートを提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、このような制振シートを製造することができる制振シート製造装置を提供することにある。
本発明の制振シートは、シート状部材と、前記シート状部材の表面に沿った複数の方向の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるよう前記シート状部材の少なくとも片面に設けられた複数の凸部と、を備えたことを特徴とする。
このような制振シートによれば、シート状部材の表面に沿った複数の方向の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるようシート状部材の少なくとも片面に複数の凸部を設けることにより、シート状部材の表面に沿った複数の方向の各々における揺れに対する制振性能を向上させることができる。
本発明の制振シートにおいては、前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向は互いに直交する2つの方向からなっていてもよい。
本発明の制振シートにおいては、前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向の各々において、異なる高さの前記凸部が複数並ぶよう配置されていてもよい。
この場合、前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向の各々において、異なる高さの2種類の前記凸部が交互に並ぶよう配置されていてもよい。
また、前記シート状部材に設けられた各前記凸部は、前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向の各々における長さが互いに異なるようになっていてもよい。
この際に、前記シート状部材に設けられた各前記凸部は、前記シート状部材の表面に直交する方向に沿って当該シート状部材を見たときの形状が長方形形状または楕円形状となっていてもよい。
また、前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向の各々において、前記シート状部材の表面に直交する方向に沿って当該シート状部材を見たときに同じ形状で向きが異なる2種類の前記凸部が交互に並ぶよう配置されていてもよい。
あるいは、前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向の各々において、前記シート状部材の表面に直交する方向に沿って当該シート状部材を見たときの形状が異なる複数の種類の前記凸部が並ぶよう配置されていてもよい。
この場合、前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向の各々において、前記シート状部材の表面に直交する方向に沿って当該シート状部材を見たときの形状が異なる2種類の前記凸部が交互に並ぶよう配置されていてもよい。
本発明の制振シートにおいては、前記シート状部材における前記凸部が設けられた面とは反対側の面には当該シート状部材の材料よりも硬度が大きな材料からなるシート状の追加部材が設けられていてもよい。
本発明の制振シート製造装置は、凹凸形状の模様が施された凹凸面を外周に有するエンボスロールと、前記エンボスロールとの間でシート状部材を挟圧することによりこのシート状部材に凹凸形状の模様を付けるための受けロールと、を備え、前記エンボスロールと前記受けロールとの間で挟まれることにより前記シート状部材の表面に形成される複数の凸部が当該シート状部材の表面に沿った複数の方向の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるよう、前記エンボスロールの凹凸面が構成されていることを特徴とする。
このような制振シート製造装置によれば、上記の制振シートを製造することができる。
本発明の制振シート製造装置においては、前記エンボスロールと前記受けロールとの間で挟まれることにより前記シート状部材の表面に形成される複数の前記凸部が当該シート状部材の表面に沿った互いに直交する2つの方向の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるよう、前記エンボスロールの凹凸面が構成されていてもよい。
本発明の制振シートによれば、シート状部材の表面に沿った複数の方向の各々における揺れに対する制振性能を向上させることができる。
また、本発明の制振シート製造装置によれば、シート状部材の表面に沿った複数の方向の各々における揺れに対する制振性能を向上させることができる制振シートを製造することができる。
本発明の実施の形態による制振シートの構成を示す斜視図である。 図1に示す制振シートを上方から見たときの構成を示す上面図である。 図1に示す制振シートを前方から見たときの構成を示す側面図である。 図1に示す制振シートの様々な用途のうちの一つを示す側面図である。 図1に示す制振シートの様々な用途のうちの一つを示す側面図である。 図1に示す制振シートの様々な用途のうちの一つを示す側面図である。 本発明の実施の形態による制振シートの他の構成を示す斜視図である。 図7に示す制振シートを上方から見たときの構成を示す上面図である。 図7に示す制振シートを前方から見たときの構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態による制振シートの更に他の構成を示す上面図である。 図10に示す制振シートを前方から見たときの構成を示す側面図である。 参考例に係る制振シートの構成を示す上面図である。 図12に示す制振シートを前方から見たときの構成を示す側面図である。 別の参考例に係る制振シートの構成を示す上面図である。 図14に示す制振シートを前方から見たときの構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態による制振シート製造装置の構成を示す概略構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図6は、本実施の形態に係る制振シートの構成や当該制振シートの様々な用途を示す図である。
まず、本実施の形態による制振シート1の構成について図1乃至図3を用いて説明する。図1は、本実施の形態による制振シート1の構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示す制振シート1を上方から見たときの構成を示す上面図であり、図3は、図1に示す制振シート1を前方から見たときの構成を示す側面図である。
図1乃至図3に示すように、本実施の形態による制振シート1は、シート状のエンボス層10およびシート状の基材20からなる二層構造のものとなっている。ここで、シート状のエンボス層10の材料としては、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリカーボネート樹脂(PC)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂(ABS)、エチレン−アクリル酸共重合樹脂(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂(EMAA)、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ポリスチレン樹脂等が用いられ、好ましくはポリウレタン樹脂が用いられる。また、シート状の基材20の材料としては、上記のエンボス層10の材料よりも硬度が大きなものが用いられ、具体的には紙、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂(ABS)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリカーボネート樹脂(PC)、金属材料、セラミックス等が用いられ、好ましくはポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)が用いられる。
図1乃至図3に示すように、シート状のエンボス層10の表面には複数の凸部12が設けられている。ここで、エンボス層10の表面に設けられた複数の凸部12は、当該エンボス層10の表面に沿った複数の方向(具体的には、図2における左右方向(以下、x方向ともいう)および上下方向(以下、y方向ともいう)の2つの方向)の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるようエンボス層10の少なくとも片面に設けられている。より詳細には、エンボス層10の表面に設けられた複数の凸部12は、図2におけるx方向およびy方向においてそれぞれ交互に並ぶよう配置された2つの種類の凸部12a、12bから構成されている。ここで、凸部12aおよび凸部12bはそれぞれエンボス層10を上方から見たときに(すなわち、z方向に沿ってエンボス層10を見たときに)同じ大きさおよび形状の長方形形状のものからなり、その向きが互いに異なるようになっている。具体的には、一方の種類の凸部12aは図2においてy方向がx方向よりも長い長方形形状のものからなり、他方の種類の凸部12bは図2においてx方向がy方向よりも長い長方形形状のものからなる。また、図3に示すように、凸部12aの高さ(具体的には、図3におけるz方向の長さ)は凸部12bの高さよりも大きくなっている。
より詳細には、凸部12aは、図2におけるy方向の長さ(図2における参照符号aの大きさ)が例えば500μm、図2におけるx方向の長さ(図2における参照符号bの大きさ)が例えば300μm、高さ(図3における参照符号eの大きさ)が例えば80μmである直方体形状のものからなる。また、凸部12bは、図2におけるy方向の長さが例えば300μm、図2におけるx方向の長さが例えば500μm、高さ(図3における参照符号fの大きさ)が例えば50μmである直方体形状のものからなる。また、互いに隣り合う凸部12a、12bの間の距離は、後述する家電製品や家具等の、所定の重量以上の対象物が各凸部12a、12bに乗せられてこれらの凸部12a、12bがz方向に圧縮されてx方向やy方向に膨張したときに隣り合う凸部12a、12bが互いに接触するような大きさに設定されている。具体的には、互いに隣り合う凸部12a、12bの間の距離として、図2におけるy方向の長さ(図2における参照符号cの大きさ)および図2におけるx方向の長さ(図2における参照符号dの大きさ)がそれぞれ150μmに設定されている。このようなシート状のエンボス層10およびシート状の基材20からなる制振シート1の製造装置および製造方法については後述する。
このような構成からなる制振シート1の用途としては、対象物のみが振動する場合と、対象物および制振シート1の両方が振動する場合とがある。対象物のみが振動する場合としては、例えば家屋の壁際に設置された冷蔵庫等の電化製品の振動を抑制するために当該家電製品の下に制振シート1を敷く場合が挙げられる。また、対象物および制振シート1の両方が振動する場合としては、地震が発生したときに家屋の壁際に設置された箪笥等の家具が転倒することを防止するために当該家具の下に制振シート1を予め敷いておく場合が挙げられる。どちらの場合でも、電化製品や家具等の対象物が制振シート1の上に載置されると、まず当該対象物の重量はエンボス層10の複数の凸部12のうち高さがより大きな凸部12aにかかるようになり、この対象物の重量により当該凸部12aがz方向において圧縮されるよう変形する。凸部12aがz方向において圧縮されるよう変形することにより、高さがより小さな凸部12bにも対象物の重量がかかるようになる。このことにより、対象物と凸部12bとの間に摩擦力が働くようになり、当該対象物に対して十分な制振性能を発揮することができるようになる。このように、本実施の形態では、シート状のエンボス層10の表面に沿った複数の方向(具体的には、図2におけるx方向およびy方向)の各々において、異なる高さの2種類の凸部12a、12bが交互に並ぶよう配置されているため、高さがより大きな凸部12aがz方向において圧縮されるよう変形したときに、高さがより小さな凸部12bに対象物の重量がかかるようになり、よって対象物と凸部12bとの間に摩擦力が働くようになるため当該対象物に対して十分な制振性能を発揮することができるようになる。
また、高さがより大きな凸部12aに対象物の重量がかかることにより当該凸部12aがz方向において圧縮されるよう変形する際に、この凸部12aがz方向において例えば30μ(=80μm−50μm)圧縮することによりx方向およびy方向に膨れるようになる。また、高さがより小さな凸部12bにも対象物の重量がかかるようになると、この凸部12bがz方向において圧縮されるよう変形し、この凸部12bはx方向およびy方向に膨れるようになる。このように、互いに隣り合う凸部12a、12bがそれぞれx方向およびy方向に膨れることにより、これらの凸部12a、12bが互いに接触するようになると、隣り合う凸部12a、12bが互いに離間している場合と比較して凸部12a、12bに載置された対象物に対する制振性能をより一層向上させることができる。
また、本実施の形態では、上述したように、凸部12aおよび凸部12bはそれぞれ、図2におけるx方向の長さおよびy方向の長さが互いに異なるような長方形形状のものからなっている。そして、図2におけるx方向およびy方向の各々において、エンボス層10の表面に直交する方向に沿って当該エンボス層10を見たときに同じ形状で向きが異なる2種類の凸部12a、12bが交互に並ぶよう配置されている。このことにより、図2においてx方向に延びる任意の仮想線上に、当該x方向の長さが比較的大きい凸部12bが概ね配置されるとともに、図2においてy方向に延びる任意の仮想線上に、当該y方向の長さが比較的大きい凸部12aが概ね配置されるようになるため、制振シート1は、エンボス層10の表面に沿った複数の方向(具体的には、図2におけるx方向およびy方向)の各々における揺れに対して十分な制振性能を有するようになる。言い換えると、図1乃至図3に示す制振シート1では、図2におけるx方向およびy方向の各々において、y方向の長さが比較的大きい凸部12aおよびx方向の長さが比較的大きい凸部12bが交互に並ぶよう配置されているため、x方向の揺れに対しては当該x方向の長さが比較的大きい凸部12bが十分な制振性能を発揮することができ、また、y方向の揺れに対しては当該y方向の長さが比較的大きい凸部12aが十分な制振性能を発揮することができるようになる。
次に、このような制振シート1の様々な用途について図4および図5を用いて説明する。制振シート1の通常の用途としては、一般的には図3に示すようにエンボス層10を上面として基材20を床面に接触させ、対象物をエンボス層10の各凸部12a、12b上に載置するようになっているが、制振シート1の他の用途としては、図4に示すようにエンボス層10を下面としてこの下面(具体的には、エンボス層10に設けられた各凸部12a、12b)と床面とを互いに接触させ、制振シート1の基材20上に電化製品や家具等の対象物を載置するようにしてもよい。また、制振シート1の更に他の用途としては、図5に示すようにエンボス層10(具体的には、エンボス層10に設けられた各凸部12a、12b)が互いに向き合うように2つの制振シート1を重ね合わせ、上側の制振シート1の基材20に電化製品や家具等の対象物を載置するようにしてもよい。これらの図4や図5に示すような用途で制振シート1を用いた場合でも対象物に対して十分な制振性能を発揮することができる。
また、図6に示すように基材20の両面にエンボス層10がそれぞれ設けられた制振シート2を用いてもよい。このような制振シート2を用いた場合には、上側のエンボス層10(具体的には、エンボス層10に設けられた各凸部12a、12b)上に電化製品や家具等の対象物が載置され、また、下側のエンボス層10の下面(具体的には、エンボス層10に設けられた各凸部12a、12b)と床面とが互いに接触するようになる。図6に示すような構成の制振シート2を用いた場合でも対象物に対して十分な制振性能を発揮することができる。
また、本実施の形態で用いられる制振シートの構成は、図1乃至図3に示すような凸部12a、12bが設けられたシート状のエンボス層10を用いたものに限定されることはない。本実施の形態で用いられる制振シートの他の構成について図7乃至図9を用いて説明する。図7は、本実施の形態による他の構成の制振シート3を示す斜視図であり、図8は、図7に示す制振シート3を上方から見たときの構成を示す上面図であり、図9は、図7に示す制振シート3を前方から見たときの構成を示す側面図である。
図7乃至図9に示す制振シート3も、図1乃至図3に示す制振シート1と同様に、シート状のエンボス層30およびシート状の基材40からなる二層構造のものとなっている。ここで、エンボス層30の材料としては、上記のエンボス層10の材料と同様のものが用いられるようになっており、また、基材40の材料としては、上記の基材20の材料と同様のものが用いられるようになっている。
また、シート状のエンボス層30の表面には複数の凸部32が設けられている。ここで、エンボス層30の表面に設けられた複数の凸部32は、当該エンボス層30の表面に沿った複数の方向(具体的には、図8におけるx方向およびy方向の2つの方向)の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるようエンボス層30の少なくとも片面に設けられている。より詳細には、エンボス層30の表面に設けられた複数の凸部32は、図8におけるx方向およびy方向においてそれぞれ交互に並ぶよう配置された2つの種類の凸部32a、32bから構成されている。ここで、凸部32aおよび凸部32bはそれぞれエンボス層30を上方から見たときに(すなわち、z方向に沿ってエンボス層30を見たときに)同じ大きさおよび形状の楕円形状のものからなり、その向きが異なるようになっている。具体的には、一方の種類の凸部32aは図8においてy方向がx方向よりも長い楕円形状のものからなり、他方の種類の凸部32bは図8においてx方向がy方向よりも長い楕円形状のものからなる。また、図9に示すように、凸部32aの高さ(具体的には、図9におけるz方向の長さ)は凸部32bの高さよりも大きくなっている。
より詳細には、凸部32aの寸法は、図8におけるy方向の長さ(図8における参照符号gの大きさ)が例えば500μm、図8におけるx方向の長さ(図8における参照符号hの大きさ)が例えば300μm、高さ(図9における参照符号kの大きさ)が例えば80μmとなっている。また、凸部32bの寸法は、図8におけるy方向の長さが例えば300μm、図8におけるx方向の長さが例えば500μm、高さ(図9における参照符号lの大きさ)が例えば30μmとなっている。また、互いに隣り合う凸部32a、32bの間の距離は、上記の家電製品や家具等の、所定の重量以上の対象物が各凸部32a、32bに乗せられてこれらの凸部32a、32bがz方向に圧縮されてx方向やy方向に膨張したときに隣り合う凸部32a、32bが互いに接触するような大きさに設定されている。具体的には、互いに隣り合う凸部32a、32bの間の距離として、図8におけるy方向の長さ(図8における参照符号iの大きさ)および図8におけるx方向の長さ(図8における参照符号jの大きさ)がそれぞれ例えば150μmとなっている。
図7乃至図9に示すような制振シート3の上に電化製品や家具等の対象物が載置されると、まず当該対象物の重量はエンボス層30の複数の凸部32のうち高さがより大きな凸部32aにかかるようになり、この対象物の重量により当該凸部32aがz方向において圧縮されるよう変形する。凸部32aがz方向において圧縮されるよう変形することにより、高さがより小さな凸部32bにも対象物の重量がかかるようになる。このことにより、対象物と凸部32bとの間に摩擦力が働くようになり、当該対象物に対して十分な制振性能を発揮することができるようになる。このように、図7乃至図9に示すような制振シート3では、図1乃至図3に示すような制振シート1と同様に、シート状のエンボス層30の表面に沿った複数の方向(具体的には、図8におけるx方向およびy方向)の各々において、異なる高さの2種類の凸部32a、32bが交互に並ぶよう配置されているため、高さがより大きな凸部32aがz方向において圧縮されるよう変形したときに、高さがより小さな凸部32bに対象物の重量がかかるようになり、よって対象物と凸部32bとの間に摩擦力が働くようになるため当該対象物に対して十分な制振性能を発揮することができるようになる。
また、高さがより大きな凸部32aに対象物の重量がかかることにより当該凸部32aがz方向において圧縮されるよう変形する際に、この凸部32aがz方向において例えば30μ(=80μm−50μm)圧縮することによりx方向およびy方向に膨れるようになる。また、高さがより小さな凸部32bにも対象物の重量がかかるようになると、この凸部32bがz方向において圧縮されるよう変形し、この凸部32bはx方向およびy方向に膨れるようになる。このように、互いに隣り合う凸部32a、32bがそれぞれx方向およびy方向に膨れることにより、これらの凸部32a、32bが互いに接触するようになると、隣り合う凸部32a、32bが互いに離間している場合と比較して凸部32a、32bに載置された対象物に対する制振性能をより一層向上させることができる。
また、本実施の形態では、凸部32aおよび凸部32bはそれぞれ、図8におけるx方向の長さおよびy方向の長さが互いに異なるような楕円形状のものからなっている。そして、図8におけるx方向およびy方向の各々において、エンボス層30の表面に直交する方向に沿って当該エンボス層30を見たときに同じ形状で向きが異なる2種類の凸部32a、32bが交互に並ぶよう配置されている。このことにより、図8においてx方向に延びる任意の仮想線上に、当該x方向の長さが比較的大きい凸部32bが概ね配置されるとともに、図8においてy方向に延びる任意の仮想線上に、当該y方向の長さが比較的大きい凸部32aが概ね配置されるようになるため、制振シート3は、エンボス層30の表面に沿った複数の方向(具体的には、図8におけるx方向およびy方向)の各々における揺れに対して十分な制振性能を有するようになる。言い換えると、図7乃至図9に示す制振シート3では、図8におけるx方向およびy方向の各々において、y方向の長さが比較的大きい凸部32aおよびx方向の長さが比較的大きい凸部32bが交互に並ぶよう配置されているため、x方向の揺れに対しては当該x方向の長さが比較的大きい凸部32bが十分な制振性能を発揮することができ、また、y方向の揺れに対しては当該y方向の長さが比較的大きい凸部32aが十分な制振性能を発揮することができるようになる。
また、本実施の形態で用いられる制振シートとして、図10および図11に示すような構成のものを用いてもよい。図10は、本実施の形態による更に他の構成の制振シート4を上方から見たときの構成を示す上面図であり、図11は、図10に示す制振シート4を前方から見たときの構成を示す側面図である。
図10および図11に示す制振シート4も、図1乃至図3に示す制振シート1や図7乃至図9に示す制振シート3と同様に、シート状のエンボス層50およびシート状の基材60からなる二層構造のものとなっている。ここで、エンボス層50の材料としては、上記のエンボス層10の材料と同様のものが用いられるようになっており、また、基材60の材料としては、上記の基材20の材料と同様のものが用いられるようになっている。
また、シート状のエンボス層50の表面には複数の凸部52が設けられている。ここで、エンボス層50の表面に設けられた複数の凸部52は、当該エンボス層50の表面に沿った複数の方向(具体的には、図10におけるx方向およびy方向)の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるようエンボス層50の少なくとも片面に設けられている。より詳細には、エンボス層50の表面に設けられた複数の凸部52は、図10におけるx方向およびy方向においてそれぞれ交互に並ぶよう配置された2つの種類の凸部52a、52bから構成されている。ここで、一方の種類の凸部52aは、図10においてy方向がx方向よりも長い楕円形状のものからなり、他方の種類の凸部52bは図10においてx方向がy方向よりも長い長方形形状のものからなる。また、図11に示すように、凸部52aの高さ(具体的には、図11におけるz方向の長さ)は凸部52bの高さよりも大きくなっている。また、互いに隣り合う凸部52a、52bの間の距離は、上記の家電製品や家具等の、所定の重量以上の対象物が各凸部52a、52bに乗せられてこれらの凸部52a、52bがz方向に圧縮されてx方向やy方向に膨張したときに隣り合う凸部52a、52bが互いに接触するような大きさに設定されている。
図10および図11に示すような制振シート4の上に電化製品や家具等の対象物が載置されると、まず当該対象物の重量はエンボス層50の複数の凸部52のうち高さがより大きな凸部52aにかかるようになり、この対象物の重量により当該凸部52aがz方向において圧縮されるよう変形する。凸部52aがz方向において圧縮されるよう変形することにより、高さがより小さな凸部52bにも対象物の重量がかかるようになる。このことにより、対象物と凸部52bとの間に摩擦力が働くようになり、当該対象物に対して十分な制振性能を発揮することができるようになる。このように、図10および図11に示すような制振シート4では、図1乃至図3に示すような制振シート1や図7乃至図9に示すような制振シート3と同様に、シート状のエンボス層50の表面に沿った複数の方向(具体的には、図10におけるx方向およびy方向)の各々において、異なる高さの2種類の凸部52a、52bが交互に並ぶよう配置されているため、高さがより大きな凸部52aがz方向において圧縮されるよう変形したときに、高さがより小さな凸部52bに対象物の重量がかかるようになり、よって対象物と凸部52bとの間に摩擦力が働くようになるため当該対象物に対して十分な制振性能を発揮することができるようになる。
また、高さがより大きな凸部52aに対象物の重量がかかることにより当該凸部52aがz方向において圧縮されるよう変形する際に、この凸部52aがz方向において圧縮することによりx方向およびy方向に膨れるようになる。また、高さがより小さな凸部52bにも対象物の重量がかかるようになると、この凸部52bがz方向において圧縮されるよう変形し、この凸部52bはx方向およびy方向に膨れるようになる。このように、互いに隣り合う凸部52a、52bがそれぞれx方向およびy方向に膨れることにより、これらの凸部52a、52bが互いに接触するようになると、隣り合う凸部52a、52bが互いに離間している場合と比較して凸部52a、52bに載置された対象物に対する制振性能をより一層向上させることができる。
また、本実施の形態では、上述したように、凸部52aは、図10におけるx方向の長さおよびy方向の長さが互いに異なるような楕円形状のものからなっており、凸部52bは、図10におけるx方向の長さおよびy方向の長さが互いに異なるような長方形形状のものからなっている。そして、図10におけるx方向およびy方向の各々において、エンボス層50の表面に直交する方向に沿って当該エンボス層50を見たときに異なる形状の2種類の凸部52a、52bが交互に並ぶよう配置されている。このことにより、図10においてx方向に延びる任意の仮想線上に、当該x方向の長さが比較的大きい凸部52bが概ね配置されるとともに、図10においてy方向に延びる任意の仮想線上に、当該y方向の長さが比較的大きい凸部52aが概ね配置されるようになるため、制振シート4は、エンボス層50の表面に沿った複数の方向(具体的には、図10におけるx方向およびy方向)の各々における揺れに対して十分な制振性能を有するようになる。言い換えると、図10および11に示す制振シート4では、図10におけるx方向およびy方向の各々において、y方向の長さが比較的大きい凸部52aおよびx方向の長さが比較的大きい凸部52bが交互に並ぶよう配置されているため、x方向の揺れに対しては当該x方向の長さが比較的大きい凸部52bが十分な制振性能を発揮することができ、また、y方向の揺れに対しては当該y方向の長さが比較的大きい凸部52aが十分な制振性能を発揮することができるようになる。
なお、参考例として、x方向の長さおよびy方向の長さが同じである凸部が当該エンボス層の表面に設けられたような制振シートの構成について図12および図13を用いて説明する。図12は、参考例に係る制振シート5を上方から見たときの構成を示す上面図であり、図13は、図12に示す制振シート5を前方から見たときの構成を示す側面図である。
図12および図13に示すように、参考例に係る制振シート5は、シート状のエンボス層70およびシート状の基材80からなる二層構造のものとなっている。また、シート状のエンボス層70の表面には複数の凸部72が設けられている。ここで、エンボス層70の表面に設けられた複数の凸部72は、その直径および高さがそれぞれ異なるような円柱形状の2つの種類の凸部72a、72bから構成されており、これらの凸部72a、72bは、図12におけるx方向およびy方向においてそれぞれ交互に並ぶよう配置されている。より詳細には、円柱形状の凸部72aの直径は、円柱形状の凸部72bの直径よりも小さくなっている。また、図13に示すように、凸部72aの高さ(具体的には、図13におけるz方向の長さ)は凸部72bの高さよりも大きくなっている。
このような制振シート5では、x方向の長さおよびy方向の長さが同じである凸部72a、72bが当該エンボス層70の表面に設けられているため、x方向の長さおよびy方向の長さが互いに異なるような形状の凸部がエンボス層の表面に設けられた制振シート(具体的には、上記の制振シート1、2、3、4)と比較して、エンボス層70の表面に沿った複数の方向(具体的には、図12におけるx方向およびy方向)の各々における揺れに対する制振性能が弱くなってしまう。言い換えると、図12および図13に示すような制振シート5では、図12においてx方向に延びる任意の仮想線上に、当該x方向の長さが大きい凸部が存在せず、また、図12においてy方向に延びる任意の仮想線上に、当該y方向の長さが大きい凸部が存在しないため、x方向およびy方向の各々の揺れに対する制振性能が十分ではない。
また、別の参考例として、エンボス層の表面に沿った複数の方向(具体的には、x方向およびy方向)のうち一方の方向における揺れに対しては十分な制振性能を有しているが他方の方向における揺れに対しては十分な制振性能を有していないような高さ、形状および配置となっている凸部が当該エンボス層の片面に設けられた制振シートの構成について図14および図15を用いて説明する。図14は、別の参考例に係る制振シート6を上方から見たときの構成を示す上面図であり、図15は、図14に示す制振シート6を前方から見たときの構成を示す側面図である。
図14および図15に示すように、別の参考例に係る制振シート6は、シート状のエンボス層90およびシート状の基材100からなる二層構造のものとなっている。また、シート状のエンボス層90の表面には複数の凸部92が設けられている。より詳細には、エンボス層90の表面に設けられた複数の凸部92は、図14におけるx方向およびy方向においてそれぞれ交互に並ぶよう配置された2つの種類の凸部92a、92bから構成されている。ここで、凸部92aおよび凸部92bはそれぞれエンボス層90を上方から見たときに同じ大きさおよび形状の長方形形状のものからなり、各凸部92a、92bの向きも同じ向きとなっている。具体的には、凸部92aおよび凸部92bはそれぞれ図14においてx方向がy方向よりも長い長方形形状のものからなる。また、図15に示すように、凸部92aの高さ(具体的には、図15におけるz方向の長さ)は凸部92bの高さよりも大きくなっている。
このような制振シート6では、図14におけるx方向およびy方向の各々において、エンボス層90の表面に直交する方向に沿って当該エンボス層90を見たときに同じ形状および同じ向きの2種類の凸部92a、92bが交互に並ぶよう配置されている。このため、このような制振シート6では、図14においてx方向に延びる任意の仮想線上に、当該x方向の長さが比較的大きい凸部92a、92bが概ね配置されるが、図14においてy方向に延びる任意の仮想線上には、当該y方向の長さが大きい凸部が存在しない。このことにより、図14および図15に示す制振シート6では、x方向における揺れに対する制振性能は十分であるがy方向に対する揺れに対する制振性能が弱くなってしまう。言い換えると、図14および図15に示す制振シート6では、x方向の揺れに対しては当該x方向の長さが比較的大きい凸部92a、92bが十分な制振性能を発揮することができるが、y方向の揺れに対してはこれらの凸部92a、92bはy方向の長さが比較的小さいため十分な制振性能を発揮することができない。
以上のような本実施の形態による制振シート1、2、3、4と参考例に係る制振シート5、6とを比較することにより、シート状のエンボス層の表面に設けられた複数の凸部について、当該エンボス層の表面に沿った複数の方向(具体的には、x方向およびy方向の2つの方向)の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置を特定することができることが理解されよう。すなわち、シート状のエンボス層の表面に設けられた複数の凸部の配置により、効果的な制振方向の選択性を生じさせることが可能となる。より詳細に説明すると、例えば通常の家屋等の部屋は互いに直交した壁を有しているが、この部屋のコーナーに設置される、振動する家電製品等の効果的な制振方向はコーナーの壁に沿ったx方向およびy方向となる。このため、本実施の形態による制振シート1、2、3、4は、上記の家電製品等および壁の接触を効果的に抑制することができる。同様に、コーナーではない壁沿いに、振動する家電製品等を設置する場合においても、壁に沿った方向をx方向とすると、x方向の制振性により壁と家電製品等との間の擦れによる破損を防止することができ、また、y方向の制振性により壁および家電製品等の衝突による破損を防止することができる。
次に、上述した制振シート1、2、3、4の製造装置および製造方法について図16を用いて説明する。図16では、上述した制振シート1、2、3、4のうち制振シート1を製造することができる制振シート製造装置について図示されているが、それ以外の種類の制振シート2、3、4を製造する場合でも同様の構成の制振シート製造装置が用いられるようになっている。
図16に示す制振シート製造装置では、巻出ロール110から帯状のシート状のエンボス層10が巻き出されるようになっており、当該巻出ロール110から巻き出されたエンボス層10は、凹凸形状の模様が施された凹凸面を外周に有するエンボスロール112と当該エンボスロール112に対向して設けられた受けロール114との間を通過するようになっている。ここで、エンボスロール112の外周面には、エンボス層10に形成されるべき複数の凸部12に対応して複数の凹部112aが形成されており、また、当該エンボスロール112は受けロール114に対して押圧されるようになっている。このため、エンボス層10がエンボスロール112と受けロール114との間のニップ部に送られると、このエンボス層10がエンボスロール112と受けロール114との間で挟圧されることにより当該エンボスロール112の外周面に設けられた各凹部112aにエンボス層10が入り込むことによって当該エンボス層10に凸部12が形成されるようになる。ここで、本実施の形態では、エンボスロール112と受けロール114との間で挟まれることにより帯状のシート状のエンボス層10の表面に形成される複数の凸部12が当該エンボス層10の表面に沿った複数の方向の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるよう、エンボスロール112に設けられた凹部112aの形状や位置が決められるようになっている。
また、図16に示す製造装置において、巻出ロール110とは別に設けられた巻出ロール116から帯状のシート状の基材20が巻き出されるようになっており、エンボスロール112により複数の凸部12が形成されたエンボス層10と巻出ロール116から巻き出された基材20とが互いに重ね合わせられるようになっている。そして、エンボス層10と基材20とが互いに重ね合わせられた後、これらのエンボス層10および基材20は、押圧ロール118と当該押圧ロール118に対向して設けられた受けロール120との間に送られるようになる。ここで、押圧ロール118にはヒータ等の熱源が設けられており、押圧ロール118と受けロール120との間を通過するエンボス層10および基材20は、押圧ロール118により受けロール120側に押圧されるとともに加熱されることによって互いに接合するようになる。その後、押圧ロール118と受けロール120との間を通過したエンボス層10および基材20は制振シート1として巻取ロール122により巻き取られるようになる。このようにして巻取ロール122に巻き取られた制振シート1が最終製品として出荷される。そして、制振シート1を対象物の下に設置する際には、巻取ロール122から巻き出された制振シート1が適切な大きさに切断されるようになる。
以上のような構成からなる本実施の形態の制振シート1、2、3、4によれば、シート状のエンボス層10、30、50(シート状部材)の表面に沿った複数の方向の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるよう複数の凸部12、32、52が当該エンボス層10、30、50の少なくとも片面に設けられている。このことにより、本実施の形態の制振シート1、2、3、4の各凸部12、32、52に家電製品や家具等の対象物を乗せたときに、当該エンボス層10の表面に沿った複数の方向(具体的には、x方向およびy方向)の各々における揺れに対する制振性能を向上させることができる。
また、本実施の形態の制振シート1、2、3、4においては、上述したように、シート状のエンボス層10、30、50(シート状部材)の表面に沿った複数の上記の方向は互いに直交する2つの方向(具体的には、x方向およびy方向)からなっている。なお、本実施の形態では、シート状のエンボス層10、30、50の表面に沿った複数の上記の方向は互いに直交する2つの方向に限定されることはない。シート状のエンボス層10、30、50の表面に沿った複数の上記の方向として、例えばその間の角度が45°であるような2つの方向が用いられてもよい。
また、本実施の形態の制振シート1、2、3、4においては、上述したように、シート状のエンボス層10、30、50(シート状部材)の表面に沿った複数の上記の方向(具体的には、x方向およびy方向)の各々において、異なる高さの凸部12、32、52が複数並ぶよう配置されている。具体的には、シート状のエンボス層10、30、50の表面に沿った複数の上記の方向の各々において、異なる高さの2種類の凸部12a、12b、32a、32b、52a、52bが交互に並ぶよう配置されている。この場合には、制振シート1、2、3、4の上に電化製品や家具等の対象物が載置されると、まず当該対象物の重量はエンボス層10、30、50の複数の凸部12、32、52のうち高さがより大きな凸部12a、32a、52aにかかるようになり、この対象物の重量により当該凸部12a、32a、52aがz方向において圧縮されるよう変形する。そして、凸部12a、32a、52aがz方向において圧縮されるよう変形することにより、高さがより小さな凸部12b、32b、52bにも対象物の重量がかかるようになる。このことにより、対象物と凸部12b、32b、52bとの間に摩擦力が働くようになり、当該対象物に対して十分な制振性能を発揮することができるようになる。
また、本実施の形態の制振シート1、2、3、4においては、上述したように、シート状のエンボス層10、30、50(シート状部材)に設けられた各凸部12、32、52は、当該エンボス層10、30、50の表面に沿った複数の上記の方向(具体的には、x方向およびy方向)の各々における長さが互いに異なるようになっている。具体的には、エンボス層10、30、50に設けられた各凸部12、32、52は、エンボス層10、30、50の表面に直交する方向に沿って当該エンボス層10、30、50を見たときの形状が長方形形状または楕円形状となっている。
また、本実施の形態の制振シート1、2、3においては、シート状のエンボス層10、30の表面に沿った複数の上記の方向の各々において、エンボス層10、30の表面に直交する方向に沿って当該エンボス層10、30を見たときに同じ形状で向きが異なる2種類の凸部12a、12b、32a、32bが交互に並ぶよう配置されている。この場合には、x方向に延びる任意の仮想線上に、当該x方向の長さが比較的大きい凸部12b、32bが概ね配置されるとともに、y方向に延びる任意の仮想線上に、当該y方向の長さが比較的大きい凸部12a、32aが概ね配置されるようになるため、制振シート1、2、3は、エンボス層10、30の表面に沿った複数の上記の方向(具体的には、x方向およびy方向)の各々における揺れに対して制振性能を有するようになる。言い換えると、このような制振シート1、2、3では、x方向およびy方向の各々において、y方向の長さが比較的大きい凸部12a、32aおよびx方向の長さが比較的大きい凸部12b、32bが交互に並ぶよう配置されているため、x方向の揺れに対しては当該x方向の長さが比較的大きい凸部12b、32bが十分な制振性能を発揮することができ、また、y方向の揺れに対しては当該y方向の長さが比較的大きい凸部12a、32aが十分な制振性能を発揮することができるようになる。
また、本実施の形態の制振シート4においては、シート状のエンボス層50の表面に沿った複数の上記の方向の各々において、エンボス層50の表面に直交する方向に沿って当該エンボス層50を見たときの形状が異なる凸部52が複数並ぶよう配置されている。具体的には、シート状のエンボス層50の表面に沿った複数の上記の方向の各々において、エンボス層50の表面に直交する方向に沿って当該エンボス層50を見たときの形状が異なる2種類の凸部52a、52bが交互に並ぶよう配置されている。この場合には、x方向に延びる任意の仮想線上に、当該x方向の長さが比較的大きい凸部52bが概ね配置されるとともに、y方向に延びる任意の仮想線上に、当該y方向の長さが比較的大きい凸部52aが概ね配置されるようになるため、制振シート4は、エンボス層50の表面に沿った複数の上記の方向(具体的には、x方向およびy方向)の各々における揺れに対して制振性能を有するようになる。言い換えると、このような制振シート4では、x方向およびy方向の各々において、y方向の長さが比較的大きい凸部52aおよびx方向の長さが比較的大きい凸部52bが交互に並ぶよう配置されているため、x方向の揺れに対しては当該x方向の長さが比較的大きい凸部52bが十分な制振性能を発揮することができ、また、y方向の揺れに対しては当該y方向の長さが比較的大きい凸部52aが十分な制振性能を発揮することができるようになる。
また、本実施の形態の制振シート1、2、3、4においては、上述したように、シート状のエンボス層10、30、50(シート状部材)における凸部12、32、52が設けられた面とは反対側の面には当該シート状部材の材料よりも硬度が大きな材料からなる基材20、40、60がシート状の追加部材として設けられている。このことにより、シート状のエンボス層10、30、50だけを用いた場合と比較して、制振シート1、2、3、4全体の強度を増加させることができる。なお、本実施の形態では、基材20、40、60を設けることは必須の要件ではなく、シート状のエンボス層10、30、50の裏面に基材20、40、60が設けられていないような制振シートが用いられてもよい。
また、本実施の形態による制振シート製造装置は、上述したように、凹凸形状の模様が施された凹凸面(具体的には、凹部112a)を外周に有するエンボスロール112と、エンボスロール112との間でシート状のエンボス層10、30、50(シート状部材)を挟圧することによりエンボス層10、30、50に凹凸形状の模様を付けるための受けロール114とを備えている。そして、エンボスロール112の凹凸面は、当該エンボスロール112と受けロール114との間で挟まれることによりエンボス層10、30、50の表面に形成される複数の凸部12、32、52が当該エンボス層10、30、50の表面に沿った複数の上記の方向の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるよう、構成されている。このような制振シート製造装置によれば、上記の特徴を有する制振シート1、2、3、4を製造することができるようになる。
なお、本実施の形態による制振シートおよび制振シート製造装置は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、制振シートにおけるシート状のエンボス層(シート状部材)に設けられた複数の凸部の構成としては、上述した制振シート1、2、3、4におけるエンボス層10、30、50に設けられた凸部12、32、52に限定されることはない。シート状のエンボス層の表面に沿った複数の方向の各々における揺れに対して制振性能を有するものであれば、上述した制振シート1、2、3、4における凸部12、32、52以外の高さ、形状および配置の凸部を、エンボス層の片面または両面に設けてもよい。また、シート状のエンボス層の表面に、高さや形状が互いに異なる3種類以上の凸部を設けてもよい。
また、本実施の形態による制振シートを製造するにあたり、上記の実施の形態ではエンボスロールを用いたエンボス加工により複数の凸部をエンボス層に形成した例について述べたが、制振シートの表面に複数の凸部を形成する方法としては、エンボスロールを用いたエンボス加工に限定されることはなく、他の様々な方法により制振シートの表面に複数の凸部を形成してもよい。
1、2、3、4 本実施の形態による制振シート
5、6 参考例としての制振シート
10 エンボス層
12、12a、12b 凸部
20 基材
30 エンボス層
32、32a、32b 凸部
40 基材
50 エンボス層
52、52a、52b 凸部
60 基材
70 エンボス層
72、72a、72b 凸部
80 基材
90 エンボス層
92、92a、92b 凸部
100 基材
110 巻出ロール
112 エンボスロール
112a 凹部
114 受けロール
116 巻出ロール
118 押圧ロール
120 受けロール
122 巻取ロール

Claims (12)

  1. シート状部材と、
    前記シート状部材の表面に沿った複数の方向の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるよう前記シート状部材の少なくとも片面に設けられた複数の凸部と、
    を備えた、制振シート。
  2. 前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向は互いに直交する2つの方向からなる、請求項1記載の制振シート。
  3. 前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向の各々において、異なる高さの前記凸部が複数並ぶよう配置されている、請求項1または2記載の制振シート。
  4. 前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向の各々において、異なる高さの2種類の前記凸部が交互に並ぶよう配置されている、請求項3記載の制振シート。
  5. 前記シート状部材に設けられた各前記凸部は、前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向の各々における長さが互いに異なるようになっている、請求項3または4記載の制振シート。
  6. 前記シート状部材に設けられた各前記凸部は、前記シート状部材の表面に直交する方向に沿って当該シート状部材を見たときの形状が長方形形状または楕円形状となっている、請求項5記載の制振シート。
  7. 前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向の各々において、前記シート状部材の表面に直交する方向に沿って当該シート状部材を見たときに同じ形状で向きが異なる2種類の前記凸部が交互に並ぶよう配置されている、請求項5または6記載の制振シート。
  8. 前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向の各々において、前記シート状部材の表面に直交する方向に沿って当該シート状部材を見たときの形状が異なる複数の種類の前記凸部が並ぶよう配置されている、請求項5または6記載の制振シート。
  9. 前記シート状部材の表面に沿った複数の前記方向の各々において、前記シート状部材の表面に直交する方向に沿って当該シート状部材を見たときの形状が異なる2種類の前記凸部が交互に並ぶよう配置されている、請求項8記載の制振シート。
  10. 前記シート状部材における前記凸部が設けられた面とは反対側の面には当該シート状部材の材料よりも硬度が大きな材料からなるシート状の追加部材が設けられている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の制振シート。
  11. 凹凸形状の模様が施された凹凸面を外周に有するエンボスロールと、
    前記エンボスロールとの間でシート状部材を挟圧することによりこのシート状部材に凹凸形状の模様を付けるための受けロールと、
    を備え、
    前記エンボスロールと前記受けロールとの間で挟まれることにより前記シート状部材の表面に形成される複数の凸部が当該シート状部材の表面に沿った複数の方向の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるよう、前記エンボスロールの凹凸面が構成されている、制振シート製造装置。
  12. 前記エンボスロールと前記受けロールとの間で挟まれることにより前記シート状部材の表面に形成される複数の前記凸部が当該シート状部材の表面に沿った互いに直交する2つの方向の各々における揺れに対して制振性能を有するような高さ、形状および配置となるよう、前記エンボスロールの凹凸面が構成されている、請求項11記載の制振シート製造装置。
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