JP2016037676A - 綴織調ループパイル織物、及び、その綴織調ループパイル織物の製造方法 - Google Patents

綴織調ループパイル織物、及び、その綴織調ループパイル織物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製織過程において経糸の形成する杼口に投入する緯糸の長さを織前幅よりも長くして筬打ちすることによって緯糸の縮率を増やし、その織前幅よりも長くなった分だけ織り込まれる緯糸に余裕を与え、その余裕分だけ緯糸をループパイル状に膨らみ出た綴織物と同等の緯糸との接結点でパイル糸が膨らみ出た綴織調ループパイル織物を得る。【解決手段】ループパイルのパイル密度を細かくすると共にパイル長を極短くし、ループパイル織物の地組織の中に沈み込んだループパイルLPの根元12と同様にループパイルLPの曲折した頂端11をU字形状に固定セットし、ループパイルLPの捩れを防ぎ、ループパイルLPの頂端11を織幅方向Xと製織方向Yに格子状に揃え、パイル面を綴織調にする。【選択図】図6

Description

本発明は、衣料生地、履物生地、袋物生地、ブックカバー等に使用される綴織調ループパイル織物、及び、その綴織調ループパイル織物の製造方法に関するものである。
製織過程において経糸の形成する杼口に投入する緯糸の長さを織前幅よりも長くして筬打ちすることによって織り込まれる緯糸の縮率を増やし、その織前幅よりも長くなった分だけ織り込まれる緯糸に余裕を与え、その余裕分だけ緯糸をループパイル状に膨らみ出させ、その緯糸の膨らみの中に経糸を包み込んだ織物は、綴織物として公知である(例えば、特許文献1参照)。
製織過程において経糸を緊張し、パイル糸を経糸に比して弛め、筬の織前に向けた打込距離を複数本の緯糸を経糸やパイル糸の間の杼口に織り込む毎に変え、長い打込距離と短い打込距離の長短差に応じてパイル糸を織組織の表面に浮き出させてループパイルを形成したループパイル織物はタオル生地として公知である(例えば、特許文献2参照)。
複数本の緯糸をパイル糸や経糸の間の杼口に織り込む毎に、緯糸に代えてワイヤをパイル糸と経糸の間に挿入する製織過程において、その挿入したワイヤを抜き取り、その抜き取り跡にループパイルを形成したループパイル織物は、ウイルトンカーペットとして使用さている(例えば、特許文献3参照)。
基布にニードルによって差し込まれるパイル糸が形成する輪奈をルーパーに引っ掛け、ニードルが基布から引き抜かれた時点でルーパーから輪奈を解放してループパイルを形成したループパイル布帛は、タフテッドカーペットとして使用されている(例えば、特許文献4参照)。
実開昭52−087773号公報(実公平55−20785) 特開昭58−036240 実開昭58−192972(実公昭61−20056) 特開昭50−000953
綴織物を織成するために杼口に投入する緯糸の長さを織前幅よりも長くするためには、杼口を挟んで製織方向において前後する筬と織前との距離を織前幅よりも長くすることになるが、自動織機において筬と織前との距離を織前幅よりも長くすることは出来ず、製織は手織織機を使用した手作業によらざるを得ず、製織は非能率でコスト高になる。
タオル生地ではループパイルが緯糸に沿って横一列に形成されるが、そのパイル長は長い打込距離と短い打込距離の長短差ΔLに応じて設定されるので、パイル長が3mm以下の短いループパイルを形成することは出来ず、パイル長が3mm以下の綴織調ループパイル織物を得ることは出来ない。
ウイルトン織機では、ワイヤが幅2mm以上高さ5mm以上の矩形断面形状を成しており、パイル長が3mm以下の綴織調ループパイル織物は得られない。
タフテッドカーペットのパイル長を3mm以下にする場合には、基布に差し込まれたパイル糸の形成する輪奈も3mm以下にすべきことになるが、そのように細かい輪奈をルーパーで引っ掛けることは難しく、又、そのように細かい輪奈はニードルと共に基布から引き抜かれ易くなるから、タフテッド装置ではパイル長が3mm以下の綴織調ループパイル織物を得ることは出来ない。
本発明は、二枚のモケットを上下二重に織成するダブルモケット織機において、上下二重の二枚のモケットの中の何れか片方のモケットの緯糸に水溶性繊維を使用し、製織後に上下二重の二枚のモケットを連結しているパイル糸を切断することなく水溶性繊維を溶解するときは、その溶解して一方のモケットから外れた他方のモケットにループパイルが発生することになり、そのループパイルを緻密に形成し、そのループパイルのパイル長が2mm以下にすれば綴織調ループパイル織物が得られるとの知見に基づいて完成された。
本発明に係る綴織調ループパイル織物は、(イ) 起点を異にする2つの不規則2×1経畦織組織A・B(図1)を繋ぎ合わせて構成された3本の緯糸FD1・FD2・FD3と4本の経糸W1・W2・W3・W4に成る変化平織組織Cによって地組織17が構成され(図2)、(ロ) 地組織17を構成する2つの不規則2×1経畦織組織A・Bのそれぞれに隣り合わせにパイル糸P1・P2が配置されており(図3)、(ハ) その変化平織組織Cを構成する2つの各不規則2×1経畦織組織A・Bの製織方向Yにおいて、それぞれ2本の緯糸の上を連続して越える経糸W1・W3と2本の緯糸の下を連続して潜る経糸W2・W4の間で同時に挟持される緯糸FD2の上をパイル糸P1・P2が越えており(図3)、(ニ) そのパイル糸P1・P2が、製織方向Yおいて連続して越える経糸W1・W3と連続して潜る経糸W2・W4の間で同時に挟持される緯糸FD2に前後して織り込まれる2本の緯糸FD1と緯糸FD3の中の何れか一方の緯糸FD3の下に潜って迂回し、その2本の緯糸FD1と緯糸FD3の中の何れか他方の緯糸FD1の上を越え(図3)、(ホ) その下に潜って迂回するパイル糸P1・P2が、製織方向Yおいて前後する緯糸FD3と緯糸FD3’の間に織り込まれる2本の緯糸FD1と緯糸FD2の上を連続して越え、その下を迂回する前後の緯糸FD3・FD3’に係止されたループパイルLP1・LP2を形成していること(図4・図5・図6)を特徴とすることを第1の特徴とする。
本発明に係る綴織調ループパイル織物の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、(ヘ) 緯糸FD3の下に潜って迂回するループパイルLP1・LP2の根元12と、2本の緯糸FD1と緯糸FD2の上を連続して越えて隆起しているループパイルLP1・LP2の頂端11が、曲折したU字形状に共に固定セットされており、(ト) その固定セットされたループパイルLP1・LP2の織幅方向Xにおいて隣り合う頂端11・11’・11”………が、織幅方向Xに緯糸FDに平行に一直線状に揃って続く横畝18を形成し、(チ) 製織方向Yおいて前後する横畝18と横畝18’の間に織幅方向Xに緯糸FDに平行に一直線状に揃って続く谷溝13が形成さている(図3)点にある。
その他、綴織調ループパイル織物は、(リ) 経糸Wとパイル糸Pがそれぞれ単繊維繊度0.1dtex以上5.0dtex以下のマルチフィラメント糸によって構成され、緯糸FDが単繊維繊度0.1dtex以上20.0dtex以下のマルチフィラメント糸によって構成され、(ヌ) ループパイル織物の単位面積内に介在するループパイルLPを構成しているパイル糸の合計繊度D(dtex/吋2 )が500000dtex以上800000dtex以下であり、(ル) 経糸密度NW(本/吋)と、緯糸密度NF(本/吋)と、パイル糸密度NP(本/吋)と、経糸総繊度DW(dtex)と、緯糸総繊度DF(dtex)と、パイル糸総繊度DP(dtex)の間に成立する関係式
K1=NW×(DW)1/2 + NF×(DF)1/2 +NP×(DP)1/2
によって算定されるループパイル織物のカバーファクターK1が2200以上3200以下であり、ループパイル織物の厚みであるループパイルの高さHが0.8mm以上1.2mm以下であり、(ワ) 製織方向Yにおいて前後するループパイルLPとループパイルLP’の間の距離であり、不規則2×1経畦織組織A・Bの一完全のサイズでもあるループパイルLPのステッチ間隔Sが0.6mm以上1.0mm以下であり、(カ) ループパイルLPの高さHがステッチ間隔Sの0.8倍以上2.0倍以下であるとしても良い。
又、綴織調ループパイル織物は、(ヨ) 製織方向Yにおいて前後するループパイルLPの根元12からループパイルLP’の根元12’までのループパイルLPの展開したループパイル展開全長Lが1.5mm以上3.0mm以下であり、(タ) そのループパイル展開全長Lに含まれるパイル糸の撚数が1回以下であり、(レ) パイル糸の撚数Tが400回/m以下であり、(ソ) パイル糸の総繊度DP(dtex)の平方根とパイル糸の撚数T(回/m)との積として示されるパイル糸の撚係数KTが2500以上4500以下であるとしても良い。
更に、綴織調ループパイル織物は、(a) 経糸W7・W8をループパイル織物の経糸W1・W2・W3・W4と同じ経糸密度で配列し、緯糸FUをループパイル織物の緯糸FDと同じ緯糸密度で打ち込み、不規則2×1経畦織組織Eで織成された捨て布24によってパイル面が被覆されており、(b) 起点を異にする2つの不規則2×1経畦織組織A・Bを繋ぎ合わせて構成された3本の緯糸FD1・FD2・FD3と4本の経糸W1・W2・W3・W4に成る変化平織組織Cによって地組織17が構成され、(c) 地組織17を構成する2つの不規則2×1経畦織組織A・Bのそれぞれに隣り合わせにパイル糸P1・P2が配置されており、(d) その変化平織組織Cを構成する2つの各不規則2×1経畦織組織A・Bの製織方向Yにおいて、それぞれ2本の緯糸の上を連続して越える経糸W1・W3と2本の緯糸の下を連続して潜る経糸W2・W4の間で同時に挟持される緯糸FD2の上をパイル糸P1・P2が越えており、(e) そのパイル糸P1・P2が、製織方向Yおいて連続して越える経糸W1・W3と連続して潜る経糸W2・W4の間で同時に挟持される緯糸FD2に前後して織り込まれる2本の緯糸FD1と緯糸FD3の中の何れか一方の緯糸FD3の下に潜って迂回し、その2本の緯糸FD1と緯糸FD3の中の何れか他方の緯糸FD1の上を越え、(f) その下に潜って迂回するパイル糸P1・P2が、製織方向Yおいて前後する緯糸FD3と緯糸FD3’の間に織り込まれる2本の緯糸FD1と緯糸FD2の上を連続して越え、その迂回する前後の緯糸FD3・FD3’に係止されたループパイルLP1・LP2を形成しており、(g) そのループパイルLP1・LP2の頂端11においてパイル糸Pが捨て布24の緯糸FUの上を越えて捨て布24に接結されて一体化されており、(h) 捨て布24の不規則2×1経畦織組織Eに従って順次織り込まれる3本の緯糸FUの中の2本の緯糸FUを2本1組に配列された捨て布24の2本の経糸W7・W8の中の何れか1本の経糸W7が連続して越え、次いで織り込まれる残りの1本の緯糸FUの下を潜り、2本の経糸W7・W8の中の何れか残りの1本の経糸W7が連続して2本の緯糸FUの下に潜り、次いで織り込まれる残りの1本の緯糸FUの上を越えており、(i) ループパイルLP1・LP2の頂端11が、その捨て布24の2本1組の何れか1本の経糸W7が連続して越え、何れか残りの1本の経糸W7が連続して越える2本の緯糸FUの中の何れか1本の上を越えて捨て布24に接結されており、(j) そのループパイルLP1・LP2の頂端11に接結する捨て布24の緯糸FUが水溶性緯糸FUSであり、(k) その捨て布24の水溶性緯糸FUSが溶解することで捨て布24から剥離可能となったり、
(m) 捨て布24に接結されたループパイルLP1・LP2の頂端11が経糸W7・W8と緯糸FUに囲まれた捨て布24の布目に嵌合しており、(n) ループパイルLP1・LP2の頂端11を接結していた水溶性緯糸FUSが溶解し、ループパイルLP1・LP2の頂端11が捨て布24の布目に抜糸自在に仮止めされていても良い。
本発明に係る綴織調ループパイル織物の製造方法は、(a’) 経糸W7・W8をループパイル織物の経糸W1・W2・W3・W4と同じ経糸密度で配列し、緯糸FUをループパイル織物の緯糸FDと同じ緯糸密度で打ち込み、不規則2×1経畦織組織Eで織成された捨て布24によってパイル面を被覆し、(b’) 起点を異にする2つの不規則2×1経畦織組織A・Bを繋ぎ合わせて構成された3本の緯糸FD1・FD2・FD3と4本の経糸W1・W2・W3・W4に成る変化平織組織Cによって地組織17を構成し、(c’) 地組織17を構成する2つの不規則2×1経畦織組織A・Bのそれぞれに隣り合わせにパイル糸P1・P2を配置し、(d’) その変化平織組織Cを構成する2つの各不規則2×1経畦織組織A・Bの製織方向Yにおいて、それぞれ2本の緯糸の上を連続して越える経糸W1・W3と2本の緯糸の下を連続して潜る経糸W2・W4の間で同時に挟持される緯糸FD2の上をパイル糸P1・P2が越し、(e’) そのパイル糸P1・P2が、製織方向Yおいて連続して越える経糸W1・W3と連続して潜る経糸W2・W4の間で同時に挟持される緯糸FD2に前後して織り込まれる2本の緯糸FD1と緯糸FD3の中の何れか一方の緯糸FD3の下に潜って迂回し、その2本の緯糸FD1と緯糸FD3の中の何れか他方の緯糸FD1の上を越し、(f’) その下に潜って迂回するパイル糸P1・P2が、製織方向Yおいて前後する緯糸FD3と緯糸FD3’の間に織り込まれる2本の緯糸FD1と緯糸FD2の上を連続して越え、その迂回する前後の緯糸FD3・FD3’に係止されたループパイルLP1・LP2を形成し、(g’) そのループパイルLP1・LP2の頂端11においてパイル糸Pが捨て布24の緯糸FUの上を越えて捨て布24に接結されて一体化し、(h’) 捨て布24の不規則2×1経畦織組織Eに従って順次織り込まれる3本の緯糸FUの中の2本の緯糸FUを2本1組に配列された捨て布24の2本の経糸W7・W8の中の何れか1本の経糸W7が連続して越え、次いで織り込まれる残りの1本の緯糸FUの下を潜り、2本の経糸W7・W8の中の何れか残りの1本の経糸W7が連続して2本の緯糸FUの下に潜り、次いで織り込まれる残りの1本の緯糸FUの上を越し、(i’) ループパイルLP1・LP2の頂端11が、その捨て布24の2本1組の何れか1本の経糸W7が連続して越え、何れか残りの1本の経糸W7が連続して越える2本の緯糸FUの中の何れか1本の上を越えて捨て布24に接結し、(j’) そのループパイルLP1・LP2の頂端11に接結する捨て布24の緯糸FUが水溶性緯糸FUSであり、(k’) その捨て布24の水溶性緯糸FUSが溶解することで捨て布24から剥離可能とすることを第1の特徴とする。
本発明に係る綴織調ループパイル織物の製造方法の第2の特徴は、経糸と緯糸によって構成される地組織17にパイル糸Pを織り込んでループパイルLPが形成される2枚の綴織調ループパイル織物を、それらのパイル面を向かい合わせに重ねて表裏二重に同時に織成する製造方法において、その向き合う2枚の綴織調ループパイル織物それぞれの地組織17に水溶性緯糸FUSをそれぞれ織り込み、その向き合う2枚の中の一方の地組織17に織り込まれる水溶性緯糸FUSに他方の綴織調ループパイル織物のパイル糸Pを引っ掛けて一方の地組織17に係止し、その他方の綴織調ループパイル織物のパイル糸Pを一方の水溶性緯糸FUSの周りに折り返してU字状に折れ曲がった他方のループパイルの頂端11を形成し、その向き合う2枚の中の他方の地組織17に織り込まれる水溶性緯糸FUSに一方の綴織調ループパイル織物のパイル糸Pを引っ掛けて他方の地組織17に係止し、その一方の綴織調ループパイル織物のパイル糸Pを他方の水溶性緯糸FUSの周りに折り返してU字状に折れ曲がった一方のループパイルの頂端11を形成し、それらの向き合う2枚の綴織調ループパイル織物それぞれの地組織17に織り込まれた水溶性緯糸FUSを介して向き合う2枚の綴織調ループパイル織物が連結された綴織調ループパイル織物原反を織成し、その後、水溶性緯糸FUSを溶解して向き合う2枚の綴織調ループパイル織物を分離する点にある。
不規則2×1経畦織組織は、変化平織組織の一種ではあるが、連続して越える経糸W1・W3と連続して潜る経糸W2・W4の間に2本の緯糸FDが挟持される組織点を有する点で斜紋(綾)織組織に近似し、平織組織よりは柔軟で斜紋(綾)織組織よりは安定している。本発明では、その不規則2×1経畦織組織を地組織17の基礎とするので、形崩れが起き難く、ドレープ性に優れ、衣料生地や袋物生地に適したループパイル織物が得られる。
そのように本発明のループパイル織物14の地組織17は、不規則2×1経畦織組織を基礎としていても、完全な不規則2×1経畦織組織によって構成されている訳ではなく、2つの不規則2×1経畦織組織A・Bの起点を変えて繋ぎ合わせた変化平織組織Cによって構成されている。そのため、製織過程において一方の不規則2×1経畦織組織Aの連続して越える経糸W1と連続して潜る経糸W2の間に打ち込まれる2本の緯糸FDの中の最後の緯糸FD2は、最初の緯糸FD1へと移動し易く、筬打ち時に織前16から強い反力は作用しない(図5a,図6a)。
反面、他方の不規則2×1経畦織組織Bの連続して越える経糸W4と連続して潜る経糸W3の間に打ち込まれる2本の緯糸FDの中の最初の緯糸FD2は、最前に杼口を閉じて交叉する経糸W3と経糸W4に阻まれて織前16へと移動し難く、筬打ち時に織前16から強い反力は受け、筬15と織前16の間で瞬時強く挟圧される(図5a,図6a)。
その緯糸FD2に次いで織り込まれる緯糸FD3は、一方の不規則2×1経畦織組織Aにおいては最前に杼口を閉じて交叉する経糸W1と経糸W2に阻まれて織前16へと移動し難く、筬打ち時に織前16(緯糸FD2)から強い反力は受け、筬15と織前16の間で瞬時強く挟圧される(図5b,図6b)。
その反面、最前の緯糸FD2に次いで織り込まれる緯糸FD3は、他方の不規則2×1経畦織組織Bの連続して越える経糸W3と連続して潜る経糸W4の間に打ち込まれる2本の緯糸FDの中の最後の緯糸であり、その最前の緯糸FD2へと移動し易く、筬打ち時に織前16から強い反力は受けない(図5b,図6b)。
このように本発明においては、起点を変えて2つの不規則2×1経畦織組織A・Bを繋ぎ合わせて地組織17を構成したので、筬打ち時に織前16へと押し込まれる全ての緯糸が、最前の杼口を閉じる全ての経糸からの強い反力を受けるのではなく、半数の経糸から筬打ち毎に交互に受けるので、緯糸が織前16へと打ち込み易く、緯糸密度NFを高密にし易くなり、ループパイルLPの根元12を地組織17に確り固定し易くなる。
因に、起点を揃えて2つの不規則2×1経畦織組織を繋ぎ合わせた織組織は、単なる不規則2×1経畦織組織であり、平織組織よりは柔軟で斜紋(綾)織組織よりは安定しているとしても本発明と同等の効果は生じない。即ち、隣り合う2つの不規則2×1経畦織組織それぞれのパイル糸P1・P2が、それぞれ2つの不規則2×1経畦織組織において連続して越える経糸W1・W3と連続して潜る経糸W2・W4の間で同時に挟持される2本の緯糸FD1と緯糸FD2の何れの緯糸(FD1)に係止され、その係止する緯糸(FD1)に続く2本の緯糸(FD2・FD3)の上を越えるループパイルLPを形成する場合は、図12に図示するように、筬打ち時の筬は織前から均等な反力を受け、筬からの衝撃力は全ての経糸W1・W2・W3・W4に均等に分散して伝わるので、緯糸密度NFを高密化する効果やループパイルLPの根元を地組織に確り固定する効果は期待されない。
特に、隣り合う2つの不規則2×1経畦織組織それぞれのパイル糸P1・P2が、それぞれ2つの不規則2×1経畦織組織において連続して越える経糸W1・W3と連続して潜る経糸W2・W4の間で同時に挟持される2本の緯糸FD1・FD2に前後して打ち込まれる緯糸FD3に係止され、その係止する緯糸FD3に続く2本の緯糸FD1・FD2の上を越えるループパイルLPを形成する場合は、図13に図示するように、その不規則2×1経畦織組織が係止する緯糸FD3に続く緯糸(FD1・FD2)を2本引き揃えに打ち込んだ平織組織の恰好になり、その係止する緯糸FD3に続いて2本の緯糸(FD1・FD2)を2つの杼口に分けて別々に打ち込むことが無意味になる。
本発明によると、前記の通り緯糸密度NFが高密化され、ループパイルLPの根元12が地組織17に確り固定され、織幅方向Xにおいて隣り合うループパイルLP1・LP2の頂端11・11’・11”………が緯糸FDに沿って一直線状に揃い、製織方向Yおいて前後するループパイルLP1・LP2の頂端11と頂端11の間の谷溝13も織幅方向Xに一直線状に揃い、高さ1.2mm以下でステッチ間隔Sの2.0倍以下の繊細なループパイルLPによってパイル面が清楚な綴織調の美観を呈した付加価値の高いループパイル織物が得られる。
そして、展開されるループパイルLPの全長を3.0mm以下にし、パイル糸の撚係数KTを4以下としてループパイル展開全長Lに含まれるパイル糸の撚数を1回以下にすると、ループパイルLPが形状の安定した正三角形状になり、パイル糸の解撚トルクによる捩れ(ビリ,スナール)が発生せず、清楚な綴織調のパイル面の美観が長期保たれて耐久性に優れた綴織調ループパイル織物が得られることになる。
本発明に係る綴織調ループパイル織物の組織図である。 本発明に係る綴織調ループパイル織物の地組織の斜視図である。 本発明に係る綴織調ループパイル織物の斜視図である。 本発明に係る綴織調ループパイル織物の側面図である。 本発明に係る綴織調ループパイル織物の製織過程での側面図である。 本発明に係る綴織調ループパイル織物の製織過程での拡大斜視図である。 本発明に係る綴織調ループパイル織物の製織過程での側面図である。 本発明に係る綴織調ループパイル織物の製織過程での切截斜視図である。 本発明に係る綴織調ループパイル織物の製織過程での側面図である。 本発明に係る綴織調ループパイル織物の製造過程での側面図である。 本発明に係る綴織調ループパイル織物から取り出されたパイル糸のマイクロスコープ写真を模写して示す側面図である。 ループパイル織物の参考側面図である。 ループパイル織物の参考側面図である。
ループパイルLP1・LP2の頂端11をループパイルLP1・LP2の根元12と同様に曲折したU字形状に固定セットするためには、ループパイル織物14のパイル面に重ねて水溶性緯糸FUSを非水溶性の通常の一般緯糸FUと共に折り込んだ捨て布24を同時に織成することとし(図7,図8)、その製織過程において捨て布24の水溶性緯糸FUSにループパイル織物のループパイルLP1・LP2の頂端11を係止し、捨て布とループパイル織物をパイル糸Pを介して一体化して織成後、捨て布24の水溶性緯糸FUSを溶解除去して捨て布24をループパイル織物14から分離除去する(図9)。
そうすると、捨て布24を分離除去するまでのループパイル織物の保管中に、地組織17に織り込まれたループパイルLP1・LP2の根元12と同様に捨て布24織り込まれたループパイルLP1・LP2の頂端11もU字形状に固定セットされる(図11)。
その場合、特に熱可塑性合成繊維をパイル糸に使用したループパイル織物14では、その保管中に高熱処理し、ループパイルLP1・LP2の頂端11とループパイルLP1・LP2の根元12の曲折したU字形状を熱セットすることも出来る。
ループパイル織物14は、パイル糸Pを介して捨て布24に接結した二重織物の状態で販売することも出来るし(図7)、パイル糸Pを介して捨て布24に仮止めした状態で販売することも出来る(図10)。捨て布24に接結された二重織物の状態で販売されたループパイル織物(図7)は、その使用時に加湿して水溶性緯糸FUSが溶解される。
水溶性緯糸FUSが溶解されて捨て布24の布目にループパイルLP1・LP2の頂端11が喰い込んで捨て布24に仮止めした状態で販売されたループパイル織物14は、その使用時に捨て布24が剥離される(図9)。
そのように、捨て布24を接結した二重織物の状態(図7)や捨て布24を仮止めした状態(図10)で、ループパイル織物14として販売することは、捨て布24が保護シートとなるので、その使用時まで清楚な綴織調のパイル面の美観を保つうえで好都合である。
二重織物の状態で織成されたループパイルLP1・LP2の頂端11は、捨て布24を突き抜け、捨て布24の一般緯糸FU1・FU3と経糸W7・W8に締束されて捨て布24の外側に膨らみ出ている(図10)。従って、その係止する水溶性緯糸FUSが溶解したと言うだけでは、直ちに捨て布24がループパイル織物14のパイル面から自然に剥離することはなく、その締束する一般緯糸FU1・FU3と経糸W7・W8に把持されて捨て布24がループパイル織物14のパイル面に仮止め状態に係止される。
それ故、捨て布24はループパイル織物14のパイル面に係止されて保護シートとして機能する。
捨て布24の織組織は、図1eに図示するように2×1経畦織組織にし、その経糸密度をループパイル織物14の経糸密度NWに合わせ、その緯糸密度をループパイル織物14の緯糸密度NFに合わせ、2本の緯糸の上を連続して越える経糸W7と2本の緯糸の下を連続して潜る経糸W8の間に一般緯糸FU1と水溶性緯糸FUSを順次打ち込み、次いで、1本の一般緯糸FU3の下を経糸W7が潜り、その1本の一般緯糸FU3の上を経糸W8が越える捨て布24の製織過程において、2本の緯糸の上を連続して越える経糸W7と2本の緯糸の下を連続して潜る経糸W8の間で挟持される2本の緯糸の中の1本の水溶性緯糸FUSの上をパイル糸P1・P2が越えるようにする(図7,図8)。
図1fは、ループパイル織物14の織組織に捨て布24の織組織を重ね合わせたループパイル織物14と捨て布24との二重織物の織組織である。
そのようにすると、水溶性緯糸FUSが溶解除去された捨て布24は、2本の経糸W7・W8が2本の一般緯糸FU1・FU2に分解せず、それらが交絡した平織物となり、その経糸W7・W8と一般緯糸FU1・FU2との布目からループパイルLP1・LP2の頂端11が抜き取られ、捨て布24からループパイル織物14が綺麗に剥離され、織幅方向Xと製織方向YにループパイルLP1・LP2の頂端11が綺麗に揃った綴織調ループパイル織物14が得られる(図9)。
本発明において、経糸Wとパイル糸Pの単繊維繊度を5.0dtex以下とするのは、経糸Wとパイル糸Pのそれぞれが交絡箇所で細かく曲折して緻密に織り込まれ易くするためであり、それらの単繊維繊度を0.1dtex以上とするのは、ループパイルLPの”立ち(腰)”を良くするためである。
緯糸FDの単繊維繊度は、経糸Wおよびパイル糸Pの単繊維繊度よりも太く、概して3.3dtex以上にし、緯糸FDを経糸Wやパイル糸Pよりも剛直にするとよい。
特に、ループパイルの頂端11を係止する捨て布24の水溶性緯糸FUSの単繊維繊度をパイル糸Pの単繊維繊度よりも太くすると、ループパイルの頂端11が水溶性緯糸FUSにシャープに折り返され、綴織調パイル面の美観を一層高まる。
本発明において、ループパイル織物の縦横25.4mm(=1インチ(1吋))の正方形となる単位面積内のパイル糸の合計繊度D(dtex/吋2 )を500000dtex以上800000dtex以下とするのは、その合計繊度Dが500000dtex以下にすると隣り合うループパイルLP・LPの間の凭れ合いが少なくなってループパイルLPが倒れ易くなるためであり、その合計繊度Dが800000dtexを越える場合はパイル層が固過ぎて風合いの柔らかいループパイル織物14が得難くなるからである。
ここに、単位面積内のパイル糸の合計繊度Dとは、ループパイル織物の縦横25.4mmの正方形内に存在するループパイルLPの個数(n)と総鮮度(d)の積を2倍にして算定される値(dtex)であり、縦横25.4mmの正方形内に存在する全てのループパイルを寄せ集めて束ねた仮想の1本のパイル糸の総鮮度を意味する。
その場合、単位面積内のパイル糸の合計繊度DをループパイルLPの個数(n)と総鮮度(d)の積の2倍にするのは、1個のループパイルLPの根元(12)からは2本のパイル糸が起立していること、つまり各1個のループパイルLPは2本1対のパイル糸によって構成されていることによる。
本発明において、ループパイルの高さを0.8mm以上1.2mm以下とするのは、高過ぎるループパイルは”腰”が弱く押し倒され易く、ループパイルが低過ぎるときは製織方向Yにおいて隣り合うループパイル間の谷溝13が浅くなり、織幅方向Xに頂端11が一直線状に連なって発生すべき横畝18が目立たず、パイル面が清楚で綴織調のループパイル織物が得難くなるためである。
本発明において、ループパイルのステッチ間隔Sを0.6mm以上1.0mm以下とし、ループパイルの高さHをステッチ間隔Sの0.8倍以上2.0倍以下にし、ループパイル展開全長Lを1.5mm以上3.0mm以下にすることも同じ理由による。
本発明において、ループパイル展開全長Lに含まれるパイル糸の撚数を1回以下とし、パイル糸の撚数Tを400回/m以下とし、パイル糸の撚係数KTを2500以上4500以下とするのは、パイル糸の解撚トルクによるループパイルLPの傾倒を回避し、ループパイルLPの頂端11が枡目のように膨らみ出てパイル面が綴織調の外観を呈するようにするためである。
2本1組に配置される2本の経糸W1・W2の中の1本の経糸W1が順次織り込まれる3本の緯糸FD1・FD2・FD3の中の2本の緯糸FD1・FD2の上を連続して越え、次いで最後の1本の緯糸FD3の下を潜り、2本1組の経糸W1・W2の中の残りの1本の経糸W2が順次織り込まれる3本の緯糸FD1・FD2・FD3の中の2本の緯糸FD1・FD2の下を連続して潜り次いで最後の1本の緯糸FD3の上を越える不規則2×1経畦織組織A(図1a)と、2本1組に配置される2本の経糸W3・W4の中の1本の経糸W3が順次織り込まれる3本の緯糸FD1・FD2・FD3の中の最初の1本の緯糸FD1の下を潜り、次いで残りの2本の緯糸FD2・FD3の上を連続して越え、2本1組の経糸W3・W4の中の残りの1本の経糸W4が順次織り込まれる3本の緯糸FD1・FD2・FD3の中の最初の1本の緯糸FD1の上を越え、次いで残りの2本の緯糸FD2・FD3の下を連続して潜る不規則2×1経畦織組織B(図1b)を隣り合わせに繋ぎ合わせた変化平織組織C(図1c)を設計し、ループパイル織物の地組織図とする。
その地組織図(図1c)において、その変化平織組織Cを構成する2つの不規則2×1経畦織組織A・Bにそれぞれ順次織り込まれる3本の緯糸FD1・FD2・FD3の中の最初の2本の緯糸FD1・FD2の上を越え、次いで織り込まれる緯糸FD3の下に潜る2本のパイル糸P1・P1’(P2・P2’)を配置した変化平織組織D(図1d)を設計し、ループパイル織物の織組織図とする。
2本1組に配置される2本の経糸W7・W8の中の1本の経糸W7が、順次織り込まれる3本の緯糸FU1・FUS・FU3の中の2本の緯糸FU1・FUSの上を連続して越え、次いで最後の1本の緯糸FD3の下を潜り、2本1組の経糸W7・W8の中の残りの1本の経糸W8が、順次織り込まれる3本の緯糸FDU1・FUS・FU3の中の2本の緯糸FU1・FUSの下を連続して潜り、次いで最後の1本の緯糸FU3の上を越える不規則2×1経畦織組織E(図1e)を設計し、捨て布の織組織図とする。
ループパイル織物の変化平織組織Dに捨て布の不規則2×1経畦織組織Eを重ね合わせ、ループパイル織物の変化平織組織Dにおいてパイル糸P1・P1’(P2・P2)が緯糸FD2の上を越える組織点に先立って織り込まれる捨て布の水溶性緯糸FUSが上を越えることになる捨て布の上の組織点に水溶性緯糸FUSの接結点(■)を入れ、ループパイル織物の上に捨て布が重なった二重織組織図F(図1f)を設計する。
ループパイル織物の変化平織組織D(図1d)における経糸Wの経糸密度NW(本/吋)とパイル糸Pのパイル糸密度NP(本/吋)、および、捨て布の不規則2×1経畦織組織E(図1e)における経糸Wの経糸密度NW(本/吋)をそれぞれ92.00(本/吋)に設定する。
尚、ループパイル織物における経糸密度NWや、パイル糸密度NP、捨て布における経糸密度NWは、70.00(本/吋)以上130.00(本/吋)以下に設定しても良い。
ループパイル織物の変化平織組織D(図1d)における緯糸FDの緯糸密度NF(本/吋)、および、捨て布の不規則2×1経畦織組織E(図1e)における一般緯糸FUと水溶性緯糸FUSの緯糸密度NF(本/吋)をそれぞれ96.00(本/吋)に設定し、ループパイルのステッチ間隔(S)を0.79mmに設定し、ループパイルの頂端から根元に至るループパイル織物の厚み(H)をステッチ間隔(S)の1.2倍となる0.9mmに設定する。
尚、ループパイル織物における緯糸密度NFや、捨て布における一般緯糸FUと水溶性緯糸FUSの緯糸密度NFは、70.00(本/吋)以上130.00(本/吋)以下に設定しても良く、ステッチ間隔(S)は0.6mm以上1.0mm以下としたり、ループパイル織物の厚み(H)は、ステッチ間隔(S)の0.8倍以上2.0倍以下に設定しても構わない。
ループパイル織物と捨て布との二重織組織図F(図1f)に従って捨て布とループパイル織物のそれぞれに捨て布の一般緯糸FU1から始めて捨て布の緯糸FU・FUSとループパイル織物の緯糸FDを交互に織り込み、パイル糸Pを介して捨て布24に接結されたループパイル織物14を織成した。
ループパイル織物と捨て布の経糸Wには単繊維繊度が1.56dtex、総繊度(DW)56dtex、撚数(T)500回/m(S撚り)のポリエステルマルチフィラメント糸を使用する。
尚、ループパイル織物と捨て布の経糸Wに使用する糸は、単繊維繊度が0.1dtex以上5.0dtex以下であったり、総繊度(DW)が10dtex以上100dtex以下であったり、撚数(T)が400回/m以上600回/m以下であったり、S撚りかZ撚りかであっても良い。又、ループパイル織物と捨て布の経糸Wに使用する糸は、ポリエステルマルチフィラメント糸以外の何れの素材であっても構わない。
ループパイル織物の緯糸FDと捨て布の一般緯糸FUには単繊維繊度が4.58dtex、総繊度(DF)110dtexのポリエステルマルチフィラメント糸を使用する。
尚、ループパイル織物の緯糸FDと捨て布の一般緯糸FUに使用する糸は、単繊維繊度が0.1dtex以上20.0dtex以下であったり、総繊度(DF)が50dtex以上200dtex以下であっても良い。又、ループパイル織物の緯糸FDと捨て布の一般緯糸FUに使用する糸は、ポリエステルマルチフィラメント糸以外の何れの素材であっても構わない。
捨て布の水溶性緯糸FUSには、メートル番手で50/1の水溶性ビニロン糸(つまり、単繊維繊度が200dtexの水溶性ビニロン単糸)を使用する。
尚、捨て布の水溶性緯糸FUSに使用する糸は、単繊維繊度が100dtex以上300dtex以下であっても良い。又、捨て布の水溶性緯糸FUSに使用する糸は、水等の溶媒で溶解し得るのであれば、水溶性ビニロン製の糸(単糸、双糸等を問わず)以外の何れの素材であっても構わない。
ループパイル織物のパイル糸Pには単繊維繊度が1.15dtex、総繊度(DP)110dtex、撚数(T)300回/m(S撚り)、総繊度DPの平方根(=10.4880…≒10.5)と撚数T(300回/m)との積として示される撚係数(KT)が3146(詳解すれば、KT=3146.42…≒3146)のポリエステルマルチフィラメント糸を使用する。
尚、ループパイル織物のパイル糸Pに使用する糸は、単繊維繊度が0.1dtex以上5.0dtex以下であったり、総繊度(DP)が50dtex以上200dtex以下であったり、撚数(T)が200回/m以上400回/m以下であったり、S撚りかZ撚りかであったり、撚係数(KT)が2500以上4500以下であっても良い。又、ループパイル織物のパイル糸Pに使用する糸は、ポリエステルマルチフィラメント糸以外の何れの素材であっても構わない。
パイル糸Pによって接結して二重に織成した捨て布24とループパイル織物14を10日間常温にて保存してから捨て布側に散水し、捨て布に織り込んだ水溶性緯糸FUSを溶解し、乾燥してから剥離応力を作用すると、捨て布24がパイル面から綺麗に剥離され、ループパイルに捩れがなく、織幅方向Xにおいて隣り合うループパイルの頂端11が緯糸FDに沿って一直線状に揃い、製織方向Yおいて前後するループパイルの頂端11と頂端11の間の谷溝13も織幅方向Xに一直線状に揃い、ループパイルの頂端11が織幅方向Xと製織方向Yに綺麗に揃った綴織調のループパイル織物14が得られた。
このループパイル織物14の経糸密度NW(本/吋)と緯糸密度NF(本/吋)とパイル糸密度NP(本/吋)と経糸総繊度DW(dtex)と緯糸総繊度DF(dtex)とパイル糸総繊度DP(dtex)の間の関係式
K1=NW×(DW)1/2 + NF×(DF)1/2 +NP×(DP)1/2
に算定されるカバーファクターK1は2660(詳解すれば、K1=92×(56)1/2 +96×(110)1/2 +92×(110)1/2 =92×7.4833…+96×10.4880…+92×10.4880…=688.46…+1006.85…+964.90…=2660.22…≒2660)であった。
尚、カバーファクターK1は、2200以上3200以下と設定しても良い。
このループパイル織物14の縦横25.4mmの正方形内に存在するループパイルLPの個数(n)と総鮮度(d)の積を2倍にして算定される単位面積内のパイル糸の合計繊度D(dtex/吋2 )は647680(詳解すれば、D=パイルLの個数(パイル糸密度NP×緯糸密度NF×(1/3))×パイル糸総繊度×2=92×96×(1/3))×110×2=2944×220=647680)であった。
尚、合計繊度Dは、500000dtex以上800000dtex以下と設定しても良い。
このループパイル織物14を分解して取り出したパイル糸は、図11に図示するように、ループパイル頂端11と根元12で360度曲折してU字形状に固定セットされており、緊張して真っ直ぐして測定すると、そのループパイルLPの根元12から根元12までの平均ループパイル展開全長Lは2.0mmであり、そのループパイル展開全長Lに含まれるパイル糸の撚数が1回以下であった。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。ループパイル織物14等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
2枚のループパイル織物14から成るループパイル織物原反は、2枚のループパイル織物14が重なり合った二重構造にする場合、水溶性緯糸FUSを2枚のループパイル織物14の地組織17に織り込み、ループパイル織物原反の組織構造をダブルモケット原反の組織構造と同じとしても良い。
ループパイル織物原反をダブルモケット原反と同じ組織構造にする場合、例えば、その地組織17の織組織を地緯糸1本につき1個の割合でループパイルを係止する所謂「一越組織」としても良く、地緯糸複数本につき1個の割合でループパイルを係止する所謂「二越組織」や「三越組織」等の「多越組織」としても構わない。
本発明の綴織調ループパイル織物は、衣料生地、履物生地、袋物生地、ブックカバー等に使用される。
11:頂端
12:根元
13:谷溝
14:ループパイル織物
15:筬
16:織前
17:地組織
18:横畝
24:捨て布
A :不規則2×1経畦織組織
B :不規則2×1経畦織組織
C :不規則2×1経畦織組織
D :変化平織組織
E :不規則2×1経畦織組織
F :変化平織組織
H :パイル高
P :パイル糸
S :ステッチ間隔
X :織幅方向
Y :製織方向
W :経糸
LP:ループパイル
FD:緯糸
FU:一般緯糸
FUS:水溶性緯糸

Claims (9)

  1. (イ) 起点を異にする2つの不規則2×1経畦織組織(A・B)を繋ぎ合わせて構成された3本の緯糸(FD1・FD2・FD3)と4本の経糸(W1・W2・W3・W4)に成る変化平織組織(C)によって地組織(17)が構成され、
    (ロ) 地組織(17)を構成する2つの不規則2×1経畦織組織(A・B)のそれぞれに隣り合わせにパイル糸(P1・P2)が配置されており、
    (ハ) その変化平織組織(C)を構成する2つの各不規則2×1経畦織組織(A・B)の製織方向(Y)において、それぞれ2本の緯糸の上を連続して越える経糸(W1・W3)と2本の緯糸の下を連続して潜る経糸(W2・W4)の間で同時に挟持される緯糸(FD2)の上をパイル糸(P1・P2)が越えており、
    (ニ) そのパイル糸(P1・P2)が、製織方向(Y)おいて連続して越える経糸(W1・W3)と連続して潜る経糸(W2・W4)の間で同時に挟持される緯糸(FD2)に前後して織り込まれる2本の緯糸(FD1)と緯糸(FD3)の中の何れか一方の緯糸(FD3)の下に潜って迂回し、その2本の緯糸(FD1)と緯糸(FD3)の中の何れか他方の緯糸(FD1)の上を越え、
    (ホ) その下に潜って迂回するパイル糸(P1・P2)が、製織方向(Y)おいて前後する緯糸(FD3)と緯糸(FD3’)の間に織り込まれる2本の緯糸(FD1)と緯糸(FD2)の上を連続して越え、その迂回する前後の緯糸(FD3・FD3’)に係止されたループパイル(LP1・LP2)を形成していることを特徴とする綴織調ループパイル織物。
  2. (ヘ) 緯糸(FD3)の下に潜って迂回するループパイル(LP1・LP2)の根元(12)と、2本の緯糸(FD1)と緯糸(FD2)の上を連続して越えて隆起しているループパイル(LP1・LP2)の頂端(11)が、曲折したU字形状に共に固定セットされており、
    (ト) その固定セットされたループパイル(LP1・LP2)の織幅方向(X)において隣り合う頂端(11・11’・11”………)が、織幅方向(X)に緯糸(FD)に平行に一直線状に揃って続く横畝(18)を形成し、
    (チ) 製織方向(Y)おいて前後する横畝(18)と横畝(18’)の間に、織幅方向(X)に緯糸(FD)に平行に一直線状に揃って続く谷溝(13)が形成されていることを特徴とする請求項1の綴織調ループパイル織物。
  3. (リ) 経糸(W)とパイル糸(P)がそれぞれ単繊維繊度0.1dtex以上5.0dtex以下のマルチフィラメント糸によって構成され、緯糸(FD)が単繊維繊度0.1dtex以上20.0dtex以下のマルチフィラメント糸によって構成され、
    (ヌ) ループパイル織物(14)の単位面積内に介在するループパイル(LP)を構成しているパイル糸の合計繊度(D(dtex/吋2 ))が500000dtex以上800000dtex以下であり、
    (ル) 経糸密度(NW(本/吋))と、緯糸密度(NF(本/吋))と、パイル糸密度(NP(本/吋))と、経糸総繊度(DW(dtex))と、緯糸総繊度(DF(dtex))と、パイル糸総繊度(DP(dtex))の間に成立する関係式
    K1=NW×(DW)1/2 + NF×(DF)1/2 +NP×(DP)1/2
    によって算定されるループパイル織物(14)のカバーファクター(K1)が2200以上3200以下であり、
    (オ) ループパイル織物(14)の厚みであるループパイル(LP)の高さ(H)が0.8mm以上1.2mm以下であり、
    (ワ) 製織方向(Y)において前後するループパイル(LP)とループパイル(LP’)の間の距離であり、不規則2×1経畦織組織(A・B)の一完全のサイズでもあるループパイル(LP)のステッチ間隔(S)が0.6mm以上1.0mm以下であり、
    (カ) ループパイル(LP)の高さ(H)がステッチ間隔(S)の0.8倍以上2.0倍以下であることを特徴とする請求項1と2の何れかの綴織調ループパイル織物。
  4. (ヨ) 製織方向(Y)において前後するループパイル(LP)の根元(12)からループパイル(LP’)の根元(12’)までのループパイル(LP)の展開したループパイル展開全長(L)が1.5mm以上3.0mm以下であり、
    (タ) そのループパイル展開全長(L)に含まれるパイル糸の撚数が1回以下であり、
    (レ) パイル糸の撚数(T)が400回/m以下であり、
    (ソ) パイル糸の総繊度(DP(dtex))の平方根とパイル糸の撚数(T(回/m))との積として示されるパイル糸の撚係数(KT)が2500以上4500以下であることを特徴とする請求項1と2と3の何れかの綴織調ループパイル織物。
  5. (a) 経糸(W7・W8)をループパイル織物の経糸(W1・W2・W3・W4)と同じ経糸密度で配列し、緯糸(FU)をループパイル織物の緯糸(FD)と同じ緯糸密度で打ち込み、不規則2×1経畦織組織(E)で織成された捨て布(24)によってパイル面が被覆されており、
    (b) 起点を異にする2つの不規則2×1経畦織組織(A・B)を繋ぎ合わせて構成された3本の緯糸(FD1・FD2・FD3)と4本の経糸(W1・W2・W3・W4)に成る変化平織組織(C)によって地組織(17)が構成され、
    (c) 地組織(17)を構成する2つの不規則2×1経畦織組織(A・B)のそれぞれに隣り合わせにパイル糸(P1・P2)が配置されており、
    (d) その変化平織組織(C)を構成する2つの各不規則2×1経畦織組織(A・B)の製織方向(Y)において、それぞれ2本の緯糸の上を連続して越える経糸(W1・W3)と2本の緯糸の下を連続して潜る経糸(W2・W4)の間で同時に挟持される緯糸(FD2)の上をパイル糸(P1・P2)が越えており、
    (e) そのパイル糸(P1・P2)が、製織方向(Y)おいて連続して越える経糸(W1・W3)と連続して潜る経糸(W2・W4)の間で同時に挟持される緯糸(FD2)に前後して織り込まれる2本の緯糸(FD1)と緯糸(FD3)の中の何れか一方の緯糸(FD3)の下に潜って迂回し、その2本の緯糸(FD1)と緯糸(FD3)の中の何れか他方の緯糸(FD1)の上を越え、
    (f) その下に潜って迂回するパイル糸(P1・P2)が、製織方向(Y)おいて前後する緯糸(FD3)と緯糸(FD3’)の間に織り込まれる2本の緯糸(FD1)と緯糸(FD2)の上を連続して越え、その迂回する前後の緯糸(FD3・FD3’)に係止されたループパイル(LP1・LP2)を形成しており、
    (g) そのループパイル(LP1・LP2)の頂端(11)においてパイル糸(P)が捨て布(24)の緯糸(FU)の上を越えて捨て布(24)に接結されて一体化されており、
    (h) 捨て布(24)の不規則2×1経畦織組織(E)に従って順次織り込まれる3本の緯糸(FU)の中の2本の緯糸(FU)を2本1組に配列された捨て布(24)の2本の経糸(W7・W8)の中の何れか1本の経糸(W7)が連続して越え、次いで織り込まれる残りの1本の緯糸(FU)の下を潜り、2本の経糸(W7・W8)の中の何れか残りの1本の経糸(W7)が連続して2本の緯糸(FU)の下に潜り、次いで織り込まれる残りの1本の緯糸(FU)の上を越えており、
    (i) ループパイル(LP1・LP2)の頂端(11)が、その捨て布(24)の2本1組の何れか1本の経糸(W7)が連続して越え、何れか残りの1本の経糸(W7)が連続して越える2本の緯糸(FU)の中の何れか1本の上を越えて捨て布(24)に接結されており、
    (j) そのループパイル(LP1・LP2)の頂端(11)に接結する捨て布(24)の緯糸(FU)が水溶性緯糸(FUS)であり、
    (k) その捨て布(24)の水溶性緯糸(FUS)が溶解することで捨て布(24)から剥離可能となることを特徴とする綴織調ループパイル織物。
  6. (m) 捨て布(24)に接結されたループパイル(LP1・LP2)の頂端(11)が経糸(W7・W8)と緯糸(FU)に囲まれた捨て布(24)の布目に嵌合しており、
    (n) ループパイル(LP1・LP2)の頂端(11)を接結していた水溶性緯糸(FUS)が溶解し、ループパイル(LP1・LP2)の頂端(11)が捨て布(24)の布目に抜糸自在に仮止めされていることを特徴とする請求項5の綴織調ループパイル織物。
  7. 経糸(W)とパイル糸(P)がそれぞれ単繊維繊度0.1dtex以上5.0dtex以下のマルチフィラメント糸によって構成され、緯糸(FD)が単繊維繊度0.1dtex以上20.0dtex以下のマルチフィラメント糸によって構成され、
    ループパイル織物(14)の単位面積内に介在するループパイル(LP)を構成しているパイル糸の合計繊度(D(dtex/吋2 ))が500000dtex以上800000dtex以下であり、
    経糸密度(NW(本/吋))と、緯糸密度(NF(本/吋))と、パイル糸密度(NP(本/吋))と、経糸総繊度(DW(dtex))と、緯糸総繊度(DF(dtex))と、パイル糸総繊度(DP(dtex))の間に成立する関係式
    K1=NW×(DW)1/2 + NF×(DF)1/2 +NP×(DP)1/2
    によって算定されるループパイル織物(14)のカバーファクター(K1)が2200以上3200以下であり、
    ループパイル織物(14)の厚みであるループパイル(LP)の高さ(H)が0.8mm以上1.2mm以下であり、
    製織方向(Y)において前後するループパイル(LP)とループパイル(LP’)の間の距離であり、不規則2×1経畦織組織(A・B)の一完全のサイズでもあるループパイル(LP)のステッチ間隔(S)が0.6mm以上1.0mm以下であり、
    ループパイル(LP)の高さ(H)がステッチ間隔(S)の0.8倍以上2.0倍以下であることを特徴とする綴織調ループパイル織物。
  8. (a’) 経糸(W7・W8)をループパイル織物の経糸(W1・W2・W3・W4)と同じ経糸密度で配列し、緯糸(FU)をループパイル織物の緯糸(FD)と同じ緯糸密度で打ち込み、不規則2×1経畦織組織(E)で織成された捨て布(24)によってパイル面を被覆し、
    (b’) 起点を異にする2つの不規則2×1経畦織組織(A・B)を繋ぎ合わせて構成された3本の緯糸(FD1・FD2・FD3)と4本の経糸(W1・W2・W3・W4)に成る変化平織組織(C)によって地組織(17)を構成し、
    (c’) 地組織(17)を構成する2つの不規則2×1経畦織組織(A・B)のそれぞれに隣り合わせにパイル糸(P1・P2)を配置し、
    (d’) その変化平織組織(C)を構成する2つの各不規則2×1経畦織組織(A・B)の製織方向(Y)において、それぞれ2本の緯糸の上を連続して越える経糸(W1・W3)と2本の緯糸の下を連続して潜る経糸(W2・W4)の間で同時に挟持される緯糸(FD2)の上をパイル糸(P1・P2)が越し、
    (e’) そのパイル糸(P1・P2)が、製織方向(Y)おいて連続して越える経糸(W1・W3)と連続して潜る経糸(W2・W4)の間で同時に挟持される緯糸(FD2)に前後して織り込まれる2本の緯糸(FD1)と緯糸(FD3)の中の何れか一方の緯糸(FD3)の下に潜って迂回し、その2本の緯糸(FD1)と緯糸(FD3)の中の何れか他方の緯糸(FD1)の上を越し、
    (f’) その下に潜って迂回するパイル糸(P1・P2)が、製織方向(Y)おいて前後する緯糸(FD3)と緯糸(FD3’)の間に織り込まれる2本の緯糸(FD1)と緯糸(FD2)の上を連続して越え、その迂回する前後の緯糸(FD3・FD3’)に係止されたループパイル(LP1・LP2)を形成し、
    (g’) そのループパイル(LP1・LP2)の頂端(11)においてパイル糸(P)が捨て布(24)の緯糸(FU)の上を越えて捨て布(24)に接結されて一体化し、
    (h’) 捨て布(24)の不規則2×1経畦織組織(E)に従って順次織り込まれる3本の緯糸(FU)の中の2本の緯糸(FU)を2本1組に配列された捨て布(24)の2本の経糸(W7・W8)の中の何れか1本の経糸(W7)が連続して越え、次いで織り込まれる残りの1本の緯糸(FU)の下を潜り、2本の経糸(W7・W8)の中の何れか残りの1本の経糸(W7)が連続して2本の緯糸(FU)の下に潜り、次いで織り込まれる残りの1本の緯糸(FU)の上を越し、
    (i’) ループパイル(LP1・LP2)の頂端(11)が、その捨て布(24)の2本1組の何れか1本の経糸(W7)が連続して越え、何れか残りの1本の経糸(W7)が連続して越える2本の緯糸(FU)の中の何れか1本の上を越えて捨て布(24)に接結し、
    (j’) そのループパイル(LP1・LP2)の頂端(11)に接結する捨て布(24)の緯糸(FU)が水溶性緯糸(FUS)であり、
    (k’) その捨て布(24)の水溶性緯糸(FUS)が溶解することで捨て布(24)から剥離可能とすることを特徴とする綴織調ループパイル織物の製造方法。
  9. 経糸と緯糸によって構成される地組織(17)にパイル糸(P)を織り込んでループパイル(LP)が形成される2枚の綴織調ループパイル織物を、それらのパイル面を向かい合わせに重ねて表裏二重に同時に織成する製造方法において、
    その向き合う2枚の綴織調ループパイル織物それぞれの地組織(17)に水溶性緯糸(FUS)をそれぞれ織り込み、
    その向き合う2枚の中の一方の地組織(17)に織り込まれる水溶性緯糸(FUS)に他方の綴織調ループパイル織物のパイル糸(P)を引っ掛けて一方の地組織(17)に係止し、その他方の綴織調ループパイル織物のパイル糸(P)を一方の水溶性緯糸(FUS)の周りに折り返してU字状に折れ曲がった他方のループパイルの頂端(11)を形成し、
    その向き合う2枚の中の他方の地組織(17)に織り込まれる水溶性緯糸(FUS)に一方の綴織調ループパイル織物のパイル糸(P)を引っ掛けて他方の地組織(17)に係止し、その一方の綴織調ループパイル織物のパイル糸(P)を他方の水溶性緯糸(FUS)の周りに折り返してU字状に折れ曲がった一方のループパイルの頂端(11)を形成し、
    それらの向き合う2枚の綴織調ループパイル織物それぞれの地組織(17)に織り込まれた水溶性緯糸(FUS)を介して向き合う2枚の綴織調ループパイル織物が連結された綴織調ループパイル織物原反を織成し、
    その後、水溶性緯糸(FUS)を溶解して向き合う2枚の綴織調ループパイル織物を分離することを特徴とする綴織調ループパイル織物の製造方法。
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