JP2016033854A - 非水電解液二次電池用正極活物質 - Google Patents

非水電解液二次電池用正極活物質 Download PDF

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Abstract

【課題】高い充電電圧による使用条件下において、高いサイクル特性及び出力特性を有し、且つ効率良く正極を製造可能な正極活物質を提供する。【解決手段】一般式LiaNi1−x−yCoxM1yM2zBwO2(1.00≦a≦1.50、0.00≦x≦0.50、0≦y≦0.50、0.000≦z≦0.020、0.002≦w≦0.020、0.00≦x+y≦0.70、M1はMn及びAlからなる群より選択される少なくとも一種、M2はZr、Ti、Mg、W及びVからなる群より選択される少なくとも一種)で表され、その比表面積が1.2m2/g以上であるリチウム遷移金属複合酸化物粒子からなるコア粒子と、前記コア粒子の表面に存在し、ホウ素及び酸素を含む被覆層とを含む、非水電解液二次電池用正極活物質を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池用正極活物質に関する。
近年小型電子機器の高機能化が進み、これら電子機器に用いられる二次電池には、より高いエネルギー密度が要求されている。リチウムイオン二次電池は、このような要求に応え得る二次電池として期待され、携帯電話、ラップトップコンピューター等の駆動電源として実用化されている。リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、コバルト酸リチウムが代表的に実用化されている。
コバルト酸リチウム以外にもリチウム遷移金属複合酸化物が正極活物質として提案されている。さらに、主要な金属元素以外に微量のホウ素を添加させる技術も存在する。
例えば特許文献1では、Ni及びMnを少なくとも含有するリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いた二次電池において、高い充電電位で且つ電解液が共存する状態での熱安定性向上を目的として、正極活物質にさらにホウ素を含有させる技術が提案されている。具体的に開示されているホウ素を含有させる方法は、リチウム化合物、ホウ素化合物並びにニッケル、マンガン及びコバルトの複合水酸化物を混合した後、焼成する、という方法である。
一方、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面にホウ素を存在させる技術も存在する。
例えば特許文献2では、二次電池の高容量化と二次電池の充放電効率向上を図る目的で、ニッケルまたはコバルトを必須としたリチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面に、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸リチウム等のホウ酸化合物等を被着させ、酸化性雰囲気下で加熱処理する技術が提案されている。具体的に開示されているリチウム遷移金属複合酸化物は、ニッケルの一部をコバルト及びアルミニウムで置換したニッケル酸リチウムである。
特開2004−281158号公報 特開2009−146739号公報
リチウムイオン二次電池の各種特性向上に伴い、非水電解液二次電池を電気自動車等のより大型の機器の駆動電源としても適用する動きが出始めている。このような大型機器の駆動電源に求められる重要な特性に、二次電池が蓄えるエネルギー密度がある。エネルギー密度は、より高い充電容量とより高い充電電圧によって高めることが可能である。
大型機器の駆動電源に求められる別の重要な特性に、出力特性がある。正極活物質における出力特性向上の方法の一つに、正極活物質の比表面積を高め、非水電解液と接触する正極活物質の面積を増やす、というものがある。
本発明者の研究によると、特許文献1のようなホウ素を含有したリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いた正極スラリーは、その粘度が経時的に増加しやすいことが分かった。この傾向は、正極活物質の比表面積が大きい程、リチウム遷移金属複合酸化物におけるリチウムの遷移金属元素に対する比が大きい程、又は遷移金属におけるニッケルの比率が高い程強いことが分かった。正極スラリーが経時的に変化するということは、得られる正極の特性がばらつくことを意味する。また、サイクル特性も、電気自動車等の用途に於いてはより向上させる必要があった。
本発明はこれらの事情に鑑みなされたものである。本発明の目的は、高い充電電圧(4.3V程度かそれ以上)による使用条件下において、高いサイクル特性(高電圧サイクル特性)及び出力特性を有し、且つ効率良く正極を製造可能な正極活物質を提供することである。
上記目的を達成するために本発明者は鋭意検討を重ね、本発明を完成するに至った。本発明者は、リチウム遷移金属複合酸化物からなるコア粒子にホウ素と酸素を含有する被覆層を設けることで、コア粒子にホウ素が含有され且つコア粒子の比表面積が大きくとも正極スラリーの粘度増加が抑制されること、及び高電圧サイクル特性が向上することを見出した。
本発明の非水電解液二次電池用正極活物質は、一般式LiNi1−x−yCo (1.00≦a≦1.50、0.00≦x≦0.50、0≦y≦0.50、0.000≦z≦0.020、0.002≦w≦0.020、0.00≦x+y≦0.70、MはMn及びAlからなる群より選択される少なくとも一種、MはZr、Ti、Mg、W及びVからなる群より選択される少なくとも一種)で表され、その比表面積が1.2m/g以上であるリチウム遷移金属複合酸化物粒子からなるコア粒子と、前記コア粒子の表面に存在し、ホウ素及び酸素を含む被覆層とを含むことを特徴とする。
本発明の非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法は、前記コア粒子と、ホウ素及び酸素を含む被覆層原料化合物とを混合し、原料混合物を得る混合工程と、前記混合工程で得られる前記原料混合物を熱処理する熱処理工程とを含むことを特徴とする。
本発明の非水電解液二次電池用正極活物質は上記の特徴を備えているため、コア粒子にホウ素が含有され且つその比表面積が大きくとも、得られる正極スラリーの粘度増加を抑制することができる。その結果、高い出力特性及び高電圧サイクル特性を有する非水電解液二次電池を、効率良く製造することが可能になる。
図1は本実施形態に係る組成のコア粒子について、その比表面積と出力特性との関係を示したものである。 図2は複数種のコア粒子について、その比表面積と正極スラリーの粘度変化との関係を示したものである。
以下、本発明非水電解液二次電池用正極活物質及びその製造方法について、その実施形態を説明する。但し、本発明は以下の説明によって制限されるものではない。
まず本発明の非水電解液二次電池用正極活物質の実施形態について説明する。
本実施形態の非水電解液二次電池用正極活物質は、特定のリチウム遷移金属複合酸化物からなるコア粒子と、コア粒子表面に形成される被覆層とを含む。以下、これらを中心に説明する。
[コア粒子]
<組成>
コア粒子は、リチウム及びニッケルを主成分とし、さらにホウ素を必須としたリチウム遷移金属複合酸化物からなる。
ニッケルサイトの一部をコバルトで置換する場合、ニッケルの50mol%まで置換可能である。ニッケルサイトを置換するコバルトの量が多すぎれば製造コストの増加につながるので少ない方が好ましい。各種特性とのバランスを考慮すると、ニッケルサイトを置換するコバルトの量は5mol%以上35mol%以下が好ましい。
ニッケルサイトの一部をマンガン及びアルミニウムからなる群より選択される少なくとも一種で置換する場合、ニッケルの50mol%まで置換可能である。多すぎれば出力特性、充放電容量に悪影響を与える虞があるので注意する。なお、ニッケルサイトのニッケルが少なすぎると充放電容量が減少する傾向にあるので、ニッケルサイトの総置換量は70mol%以下にする。各種特性とのバランスを考慮すると、ニッケルサイトの総置換量は20mol%以上60mol%以下が好ましい。
コア粒子組成中のリチウム量は、多ければ出力特性が向上する傾向にあるが、多すぎるものは合成しにくい。また、合成出来たとしても焼結が進み、その後の取り扱いが困難になる傾向にある。これらを踏まえ、リチウム量はニッケルサイトの元素に対し100mol%以上150mol%以下とする。特性のバランス、合成のし易さ等を考慮すると、105mol%125mol%以下が好ましい。
コア粒子の組成には上記遷移金属以外に更にホウ素を含有させる。ホウ素の含有量は、多すぎると正極活物質全体の充放電容量低下につながる。また、正極スラリーの粘度上昇を招き、後述の被覆層でも抑制しきれなくなる。一方、少なすぎると高い充電電圧における使用条件下でのサイクル特性が不十分になる。これらを踏まえ、ホウ素の含有量はコア粒子に対して0.2mol%以上2.0mol%以下とする。好ましいホウ素の含有量はコア粒子に対して0.3mol%以上0.75mol%以下である。
コア粒子の組成に更に含有させる元素として、ジルコニウム、チタン、マグネシウム、タンタル、タングステン、バナジウム等が選択し得る。これら元素の含有量が2mol%までなら、他の元素による特性改善を妨げることなく各種目的を達成可能である。例えばジルコニウムは保存特性の改善、チタンやマグネシウムはサイクル特性のさらなる改善、タングステンは出力特性のさらなる改善、バナジウムは安全性の改善に好適である。
これらを踏まえ、コア粒子は一般式LiNi1−x−yCo (1.00≦a≦1.50、0.00≦x≦0.50、0≦y≦0.50、0.000≦z≦0.020、0.002≦w≦0.020、0.00≦x+y≦0.70、MはMn及びAlからなる群より選択される少なくとも一種、MはZr、Ti、Mg、W及びVからなる群より選択される少なくとも一種)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物を用いる。
<比表面積>
非水電解液と正極活物質との接触面積を増やし、出力特性を高めるため、コア粒子の比表面積はある程度以上必要である。図1は本実施形態に係ると組成のコア粒子において、その比表面積Ssと出力特性(詳細は後述)との関係を示したものである。コア粒子の組成によって詳細は異なるが、曲線の変曲点は、Ss=1.0m/g〜1.2m/g辺りに存在する。電気自動車の様な高出力を求められる用途に好適に利用できるよう、正極活物質の比表面積は1.2m/g以上とする。比表面積は窒素ガスを用いたガス吸着法によって測定される値(所謂BET比表面積)を用いる。
図2は複数種のコア粒子について、その比表面積と正極スラリーの粘度変化との関係を示したものである。図2から分かるように、コア粒子の組成にホウ素が含有し、且つその比表面積が大きいと、正極スラリーの粘度が経時的に増加しやすい。その原因は定かではないが、コア粒子中にリチウムとホウ素が共存していると、コア粒子からリチウムが液相へ溶出し易くなるためと推測される。液相が正極スラリーに用いられる有機溶液である場合、有機溶液中の有機溶媒、結着剤等が変化し、正極スラリーの粘度が増加するものと考えられる。コア粒子の比表面積が大きければ液相との接触面積が大きいので、その傾向はより強くなると考えられる。このため、コア粒子の表面に後述の被覆層を設ける。
[被覆層]
被覆層は、コア粒子の表面に存在し、ホウ素及び酸素を含んでいる。被覆層は、後述の実施形態で例示される、本発明の非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法によって形成する。被覆層の形態はその形成プロセスによって微妙に異なる。この違いは、オージェ電子分光法(AES)、X線光電子分光法(XPS)等によって区別可能である。
被覆層に含有されるホウ素は、少なすぎればその効果が十分発現せず、多すぎれば正極活物質において電気化学的に不活性な領域が多くなることを意味するので、適宜調節する。好ましいホウ素含有量の範囲はコア粒子に対して2.0mol%以下である。より好ましい範囲は0.2mol%以上1.5mol%以下である。
次に本発明の非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法の実施形態について説明する。
本実施形態の非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法は、混合工程と熱処理工程を主要工程として含む。以下、これらの工程を中心に説明する。
[混合工程]
コア粒子と、ホウ素及び酸素を含む被覆層原料化合物とを混合し、原料混合物を得る。コア粒子は公知の手法を適宜用いて得れば良い。被覆層原料化合物は、ホウ素及び酸素を含む単一の化合物からなっても良いし、複数の化合物からなっても良い。また、ホウ素を含むが酸素を含まない単一の又は複数の化合物と、酸素を含むがホウ素を含まない単一の又は複数の化合物とを組み合わせても良い。あるいは、ホウ素及び酸素を含む化合物、ホウ素を含むが酸素を含まない化合物及び酸素を含むがホウ素を含まない化合物からなる群から選択される少なくとも二種について、それぞれ単一の又は複数の化合物を選択し、組み合わせても良い。被覆層原料化合物は、ホウ素及び酸素を含む単一の又は複数の化合物からなると、より好適な被覆層を形成し易い。
ホウ素及び酸素を含む化合物の例としては、酸化ホウ素等の酸化物、オルトホウ酸(所謂普通のホウ酸)、メタホウ酸等のホウ酸類、ホウ酸リチウム、ホウ酸アンモニウム等のホウ酸塩類等が挙げられる。特にホウ酸は入手、取り扱いが容易な上、被覆層の形態が最適になるため好ましい。
ホウ素を含むが酸素を含まない化合物の例としては、ホウ化アルミニウム等の金属ホウ化物、窒化ホウ素等が挙げられる。酸素を含むがホウ素を含まない化合物の例としては、各種酸化物、オキソ酸、オキソ酸塩等、常温で固体の多種多様の化合物が挙げられる。
コア粒子と被覆層原料化合物を目的に応じて選択し、その物質量比を調節したら、羽根式撹拌機、V型混合機等公知の撹拌手段で適宜混合する。こうして原料混合物を得、熱処理工程に用いる。
[熱処理工程]
得られた原料混合物を熱処理し、コア粒子表面に被覆層を形成する。被覆層は、被覆層原料化合物を構成する元素の少なくとも一部と、コア粒子を構成する元素の少なくとも一部とが化学的あるいは物理的に結合することで形成されると推測される。
熱処理温度は、低すぎれば目的の被覆層が形成されない。一方、高過ぎるとコア粒子を構成する元素の被覆層形成に供される割合が高くなり、コア粒子本来の特性が損なわれる虞がある。そのため、目的に応じて適宜調節する。好ましい熱処理温度の範囲は450℃以下、より好ましい範囲は200℃以上400℃以下である。
以下、実施例を用いてより具体的に説明する。なお、元素の比は特に断りが無い限り物質量比で表している。
共沈法によってNi:Co:Mn=1:1:1の複合水酸化物を得た。得られた複合水酸化物と、炭酸リチウム、ホウ酸及び酸化ジルコニウム(IV)とを、Li:(Ni+Co+Mn):B:Zr=1.15:1:0.005:0.005となるように混合し、原料混合物を得た。得られた原料混合物を大気雰囲気下910℃で10時間焼成し、焼結体を得た。得られた焼結体を粉砕し、乾式篩にかけ、一般式Li1.15Ni0.33Co0.33Mn0.330.005Zr0.005で表されるリチウム遷移金属複合酸化物からなるコア粒子を得た。
得られたコア粒子と、コア粒子に対して0.5mol%のホウ素に相当するホウ酸とを高速せん断型撹拌機で混合し、混合粒子を得た。得られた混合粒子を大気雰囲気下250℃で10時間熱処理し、目的の正極活物質を得た。
[比較例1]
実施例におけるコア粒子を比較用の正極活物質とした。
[比較例2]
原料混合物においてホウ酸を加えない以外実施例と同様にし、一般式Li1.15Ni0.33Co0.33Mn0.33Zr0.005で表されるリチウム遷移金属複合酸化物からなるコア粒子を得た。以降実施例1と同様にし、目的の正極活物質を得た。
[比較例3]
比較例2におけるコア粒子を比較用の正極活物質とした。
[粒径評価]
正極活物質について、レーザー回折法を用い、体積頻度の累積値が50%となる値を中心粒径D50とした。
[比表面積評価]
コア粒子のBET比表面積Ss及び正極活物質のBET比表面積Ssを測定した。
[被覆層の評価]
誘導結合プラズマ(ICP)分析等の化学分析を用い、被覆層中のホウ素含有量cを求めた。コア粒子の組成中にホウ素がある場合、正極活物質全体のホウ素含有量とコア粒子中のホウ素含有量との差分からcを求めた。
[粘度評価]
実施例及び比較例1〜6について、以下のように正極スラリーの粘度変化を測定した。
正極活物質30g、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)1.57g及びNMP(ノルマルメチル−2−ピロリドン)12.48gをポリエチレン容器に入れ、常温(約25℃)下で5分間混練し、正極スラリーを得た。得られた正極スラリーの初期粘度νを速やかにE型粘度計で測定した。E型粘度計のブレードはコーンブレードを用い、ローターの回転速度は5rpmで測定した。
測定後、正極スラリーをポリエチレン容器に戻し、60℃の恒温槽内で24時間静置した。静置後常温下で正極スラリーを2分間混練し、正極スラリーの粘度νを速やかにE型粘度計で測定した。こうして正極スラリーの粘度変化Δν(≡ν−ν)を求めた。いずれの測定においてもE型粘度計のブレードはコーンブレードを用い、ローターの回転速度は5rpmで測定した。
[サイクル特性評価]
実施例及び比較例1〜3について、以下のようにサイクル特性を評価した。
[1.正極の作製]
正極活物質85重量部、アセチレンブラック10重量部、及びPVDF(ポリフッカビニリデン)5.0重量部を、NMP(ノルマルメチル−2−ピロリドン)に分散、溶解させて正極スラリーを得た。得られた正極スラリーをアルミニウム箔に塗布し、乾燥後ロールプレス機で圧縮成形し、所定サイズに裁断して正極を得た。
[2.負極の作製]
人造黒鉛97.5重量部、CMC(カルボキシメチルセルロース)1.5重量部、及びSBR(スチレンブタジエンゴム)1.0重量部を水に分散させて負極スラリーを得た。得られた負極スラリーを銅箔に塗布し、乾燥後ロールプレス機で圧縮成形し、所定サイズに裁断して負極を得た。
[3.非水電解液の作製]
EC(エチレンカーボネイト)とMEC(メチルエチルカーボネイト)を体積比率3:7で混合し溶媒を得た。得られた溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)をその濃度が、1mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を得た。
[4.評価用電池の組み立て]
上記正極と負極の集電体にそれぞれリード電極を取り付け、120℃で真空乾燥を行った。次いで、正極と負極との間に多孔性ポリエチレンからなるセパレータを配し、袋状のラミネートパックにそれらを収納した。収納後60℃でラミネートパック全体を真空乾燥して各部材に吸着した水分を除去した。真空乾燥後、ラミネートパック内に、先述の非水電解液を注入、封止し、評価用のラミネートタイプの非水電解液二次電池を得た。
[5.測定]
得られた電池に微弱電流でエージングを行い、正極及び負極に電解質を十分なじませた。エージング後、電池を45℃に設定した恒温槽内に入れ、充電電位4.4V、充電電流2.0C(1Cは1時間で放電が終了する電流)での定電流定電圧充電と、放電電位2.75V、放電電流2.0Cでの定電流放電を1サイクルとして充放電を繰り返し、nサイクル目の放電容量Qd(n)を測定した。Qd(n)/Qd(1)をnサイクル目の放電容量維持率Rs(n)とした。
[出力特性評価]
実施例及び比較例1〜3、6について、以下のように出力特性を評価した。
[1.評価用二次電池の作製]
サイクル特性評価用二次電池と同様に評価用のラミネートタイプの非水電解液二次電池を得た。
[2.測定]
得られた電池に微弱電流を流してエージングを行い、正極及び負極に電解質を十分なじませた。その後、高電流での放電と、微弱電流での充電を繰り返した。10回目の充電における充電容量を電池の全充電容量とし、10回目の放電後、全充電容量の4割まで充電した。充電後、電池を−25℃に設定した恒温槽内に入れ、6時間置いた後、0.02A、0.04A、0.06Aで放電し、電圧を測定した。横軸に電流、縦軸に電圧をとって交点をプロットし、交点を結んだ直線の傾きの絶対値を−25℃における直流内部抵抗R(−25)とした。
実施例及び比較例1〜6について、製造条件を表1に、正極活物質の特性及び電池特性を表2に示す。
Figure 2016033854
Figure 2016033854
表1及び表2より、以下のことが分かる。
コア粒子の組成中にホウ素が含有されていないと高電圧サイクル特性が不十分である(比較例2及び3)。一方、コア粒子の組成中にホウ素が含有されている場合、その比表面積が大きくなると正極スラリー粘度が経時的に増加する(比較例1、4〜6)。コア粒子の組成中にホウ素が含有され、且つ被覆層が形成されていると、正極活物質の比表面積が高くとも正極スラリーの粘度上昇が抑えられ、得られる非水電解液二次電池の良好な高電圧サイクル特性と高い出力特性が両立できる(実施例)。
本願発明の非水電解液二次電池用正極活物質を用いると、高い充電電圧における使用条件下において、高いサイクル特性と高い出力特性を両立することができる。また、充電電圧を高められるので、エネルギー密度も向上させることが可能になる。さらに、そのような非水電解液二次電池を効率良く得ることができる。このようにして得られる非水電解液二次電池は、ハイブリッド自動車、電気自動車等の大型機器の駆動電源に好適に利用できる。

Claims (10)

  1. 一般式LiNi1−x−yCo (1.00≦a≦1.50、0.00≦x≦0.50、0≦y≦0.50、0.000≦z≦0.020、0.002≦w≦0.020、0.00≦x+y≦0.70、MはMn及びAlからなる群より選択される少なくとも一種、MはZr、Ti、Mg、W及びVからなる群より選択される少なくとも一種)で表され、その比表面積が1.2m/g以上であるリチウム遷移金属複合酸化物粒子からなるコア粒子と、
    前記コア粒子の表面に存在し、ホウ素及び酸素を含む被覆層と、
    を含む、非水電解液二次電池用正極活物質。
  2. 前記被覆層におけるホウ素の含有量が、コア粒子に対して2.0mol%以下である、請求項1に記載の正極活物質。
  3. 前記被覆層が、前記コア粒子と、ホウ素及び酸素を含む被覆層原料化合物とを混合し、熱処理することによって得られるものである、請求項1又は2に記載の正極活物質。
  4. 前記被覆層原料化合物が、酸化ホウ素、ホウ素のオキソ酸及びホウ素のオキソ酸塩からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項3に記載の正極活物質。
  5. 前記被覆層原料化合物がオルトホウ酸である、請求項4に記載の正極活物質。
  6. 前記熱処理における熱処理温度が450℃以下である、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の正極活物質。
  7. 一般式LiNi1−x−yCo (1.00≦a≦1.50、0.00≦x≦0.50、0≦y≦0.50、0.000≦z≦0.020、0.002≦w≦0.020、0.00≦x+y≦0.70、MはMn及びAlからなる群より選択される少なくとも一種、MはZr、Ti、Mg、W及びVからなる群より選択される少なくとも一種)で表され、その比表面積が1.2m/g以上であるリチウム遷移金属複合酸化物粒子からなるコア粒子と、前記コア粒子の表面に存在し、ホウ素及び酸素を含む被覆層とを含む非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法であって、
    前記コア粒子と、ホウ素及び酸素を含む被覆層原料化合物とを混合し、原料混合物を得る混合工程と、
    前記混合工程で得られる前記原料混合物を熱処理する熱処理工程と、
    を含む、非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法。
  8. 前記混合工程における前記被覆層原料化合物が、酸化ホウ素、ホウ素のオキソ酸及びホウ素のオキソ酸塩からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記混合工程における前記被覆原料化合物がオルトホウ酸である、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記熱処理工程における熱処理温度が450℃以下である、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の製造方法。
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