JP2016031939A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】層間絶縁膜の平坦性を良好にすること。
【解決手段】配線層32と配線層32を覆う層間絶縁膜40とを形成した後、層間絶縁膜40をCMP研磨する半導体装置の製造方法であって、前記CMP研磨後に配線層32上に残存させる層間絶縁膜40の厚さに応じて、配線層32のパターン幅を設定する工程と、半導体基板18上に、前記パターン幅の配線層32を形成する工程と、半導体基板18上に形成された配線層32を覆って、研磨レートの異なる第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bとを含む層間絶縁膜40を形成する工程と、配線層32を覆って形成された層間絶縁膜40を前記CMP研磨する工程と、を備える半導体装置の製造方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
配線層を覆って層間絶縁膜が形成される半導体装置が知られている。また、半導体装置の製造において、CMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨によって表面を平坦にすることが行われている。例えば、絶縁膜に形成した開口に導電膜を埋め込んだ後、CMP研磨を行うことによって、絶縁膜と導電膜との表面を平坦化することが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、CMP研磨において、被研磨物に光を照射し、被研磨物からの反射光を用いて、研磨の終点を検出する方法が知られている。
特開2005−210083号公報
しかしながら、配線層を覆って形成される層間絶縁膜が研磨レートの異なる第1絶縁膜と第2絶縁膜とを含む場合、層間絶縁膜にCMP研磨を行うと平坦性が悪くなってしまうことがある。
本半導体装置の製造方法は、層間絶縁膜の平坦性を良好にすることを目的とする。
本明細書に記載の半導体装置の製造方法は、配線層と前記配線層を覆う層間絶縁膜とを形成した後、前記層間絶縁膜をCMP研磨する半導体装置の製造方法であって、前記CMP研磨後に前記配線層上に残存させる前記層間絶縁膜の厚さに応じて、前記配線層のパターン幅を設定する工程と、半導体基板上に、前記パターン幅の前記配線層を形成する工程と、前記半導体基板上に形成された前記配線層を覆って、研磨レートの異なる第1絶縁膜と第2絶縁膜とを含む前記層間絶縁膜を形成する工程と、前記配線層を覆って形成された前記層間絶縁膜を前記CMP研磨する工程と、を備える。
本明細書に記載の半導体装置の製造方法によれば、層間絶縁膜の平坦性を良好にすることができる。
図1(a)は、実施例1に係るLCOS(Liquid Crystal On Silicon)デバイスの断面図、図1(b)は、LCOSデバイスの画素電極形成面の上面図である。 図2は、比較例1に係るLCOSデバイスの配線部の断面図である。 図3(a)から図3(d)は、比較例1に係るLCOSデバイスの配線部の製造方法を示す断面図である。 図4は、比較例1に係るLCOSデバイスの画素電極の上面を原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)で観察した結果を示す模式図である。 図5は、実施例1に係るLCOSデバイスの配線部の断面図である。 図6は、実施例1に係るLCOSデバイスの配線部の製造方法を示すフローチャートである。 図7(a)から図7(d)は、実施例1に係るLCOSデバイスの配線部の製造方法を示す断面図(その1)である。 図8(a)から図8(c)は、実施例1に係るLCOSデバイスの配線部の製造方法を示す断面図(その2)である。 図9は、配線層のパターン幅の設定方法の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
図1(a)は、実施例1に係るLCOS(Liquid Crystal On Silicon)デバイスの断面図、図1(b)は、LCOSデバイスの画素電極形成面の上面図である。LCOSデバイスとは、複数の画素電極をマトリクス状に設けた基板と透光性の共通電極を設けた基板との間に液晶を封入した、反射型液晶素子である。
図1(a)のように、実施例1のLCOSデバイス100は、第1基板10と第2基板50とを備える。第1基板10は、複数のトランジスタ12及び複数の保持容量14と、最上層に設けられた複数の画素電極16と、を含む。複数の画素電極16は、図1(b)のように、所定のギャップG(例えば200nm〜700nm程度)で、マトリクス状に配置されている。画素電極16には、例えばアルミニウム膜等の金属膜を用いることができる。第2基板50は、ガラス基板52と、ガラス基板52の表面に設けられたITO(Indium Tin Oxide)電極54と、を含む。
第1基板10と第2基板50とは、画素電極16が形成された面とITO電極54が形成された面とが対向するように配置されている。第1基板10と第2基板50との間には、液晶60(例えば垂直配向液晶)が封入されている。液晶60と第1基板10との間、及び、液晶60と第2基板50との間にはそれぞれ、配向膜62a、62b(例えば光安定無機配向膜)が形成されている。
第1基板10は、例えばシリコン基板からなる半導体基板18の複数の素子領域それぞれに、トランジスタ12と保持容量14とが形成されている。トランジスタ12は、ゲート絶縁膜20を介して形成されたゲート電極22と、ゲート電極22の両側の半導体基板18内に形成された不純物拡散領域であるソース領域24及びドレイン領域26と、を含む。なお、ゲート絶縁膜20及びゲート電極22の側壁にサイドウォールが形成されていてもよい。
ソース領域24及びドレイン領域26は、層間絶縁膜28を貫通するビア配線30を介して、層間絶縁膜28上に形成された配線層32に接続されている。層間絶縁膜28には、例えば酸化シリコン膜等の絶縁膜を用いることができる。ビア配線30には、例えばタングステン膜等の金属膜を用いることができる。配線層32には、例えばアルミニウム膜等の金属膜を用いることができる。
保持容量14は、半導体基板18内に形成された不純物拡散領域を下部電極34とし、下部電極34に対向して、誘電体層36となる絶縁膜を挟んで上部電極38が形成されている。上部電極38は、トランジスタ12のドレイン領域26に電気的に接続された配線層32に、ビア配線30を介して接続されている。
層間絶縁膜28及び配線層32上には、さらに層間絶縁膜40が形成され、この層間絶縁膜40上に、複数の画素電極16が形成されている。層間絶縁膜40には、例えば酸化シリコン膜等の絶縁膜を用いることができる。各画素電極16は、層間絶縁膜40を貫通するビア配線42を介して、トランジスタ12及び保持容量14に電気的に接続された配線層32に接続されている。ビア配線42には、例えばタングステン膜等の金属膜を用いることができる。なお、以下において、配線層32、層間絶縁膜40、及び画素電極16が積層された部分を配線部44と称すこととする。また、図1(a)では、図の明瞭化のために、1層の配線層32と1層の層間絶縁膜40とを図示しているが、複数層の配線層32と複数層の層間絶縁膜40とが積層されていてもよい。
実施例1のLCOSデバイス100では、第1基板10の各トランジスタ12のオン・オフ制御によって、各画素電極16をそれぞれ所定の電位に制御できる。保持容量14は、画素電極16の電位変動を抑える役割を果たす。また、LCOSデバイス100では、第2基板50のITO電極54を所定の電位に制御できる。このように、画素電極16とITO電極54との電位を制御することにより、それらの間に挟まれた液晶60の光学特性が変調される。
LCOSデバイス100では、第2基板50側から入射し、ITO電極54、配向膜62b、液晶60、及び配向膜62aを通過した光が、画素電極16で反射される。この際に、各画素電極16とITO電極54との電位を制御し、液晶60の光学特性を制御することで、第2基板50側から入射してくる光に対し、所望の画像を表示させることができる。
次に、比較例1に係るLCOSデバイスについて説明する。比較例1に係るLOCSデバイスは、配線部が実施例1のLCOSデバイス100と異なる点以外は、実施例1の図1(a)及び図1(b)と同じであるため、配線部についてのみ説明する。
図2は、比較例1に係るLCOSデバイスの配線部の断面図である。なお、図2では、図1(a)とは異なる位置における配線部を図示している。図2のように、比較例1のLCOSデバイスの配線部144は、層間絶縁膜128上に設けられた配線層132と、配線層132を覆って設けられた層間絶縁膜140と、層間絶縁膜140上に設けられた画素電極116と、を含む。画素電極116は、層間絶縁膜140を貫通するビア配線142を介して、トランジスタ及び保持容量に電気的に接続された配線層132に接続されている。
層間絶縁膜140は、配線層132を覆う第1絶縁膜140aと、第1絶縁膜140a上に設けられた第2絶縁膜140bと、を含む。第1絶縁膜140aと第2絶縁膜140bとは、CMP研磨における研磨レートが異なっている。例えば第2絶縁膜140bの研磨レートは、第1絶縁膜140aよりも速くなっている。層間絶縁膜140の上面であって、第1絶縁膜140aと第2絶縁膜140bとの境界部分に、第1絶縁膜140aが突出した段差が形成されている。この段差の影響を受けて、画素電極116の上面にも段差が形成されている。層間絶縁膜140の上面に形成された段差は、第1絶縁膜140aと第2絶縁膜140bの研磨レートの差に起因したものと考えられる。このことを、図3(a)から図3(d)を用いて説明する。
図3(a)から図3(d)は、比較例1に係るLCOSデバイスの配線部の製造方法を示す断面図である。図3(a)のように、層間絶縁膜128上に金属膜(例えばアルミニウム膜)を堆積した後、金属膜をパターニングして、配線層132を形成する。配線層132のパターン幅W1、W2、W3はそれぞれ、例えば2.2μm、0.5μm、0.5μmである。
その後、配線層132の間隙に埋め込まれ、配線層132を覆う第1絶縁膜140aを形成する。第1絶縁膜140aは、例えば高密度プラズマ化学気相成長(HDP−CVD:High Density Plasma−Chemical Vapor Deposition)法で形成された酸化シリコン膜である。高密度プラズマ化学気相成長法は、段差被覆性に優れ、良好な埋め込み特性を有するため、第1絶縁膜140aを配線層132の間隙に埋め込むことができる。また、第1絶縁膜140aは、配線層132上に凸部150が形成された形状となる。凸部150の突出量は、配線層132のパターン幅に依存し、パターン幅の広い配線層132上では大きく、パターン幅の狭い配線層132上では小さくなる。第1絶縁膜140aを形成した後、第1絶縁膜140a上にTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)膜からなる第2絶縁膜140bを形成する。これにより、第1絶縁膜140aと第2絶縁膜140bとからなる層間絶縁膜140が形成される。
図3(b)のように、配線層132上に位置する部分の層間絶縁膜140に、配線層132の上面が露出する貫通孔を形成する。貫通孔に埋め込まれるように、層間絶縁膜140上に金属膜(例えばタングステン膜)152を形成する。
図3(c)のように、層間絶縁膜140の上面が露出するように、金属膜152をCMP研磨によって除去する。これにより、貫通孔にのみ金属膜152が残存し、ビア配線142が形成される。金属膜152に対するCMP研磨と同時に、層間絶縁膜140もCMP研磨する。これは、配線層132上の層間絶縁膜140の厚さTを、電気的な要求に基づいて予め設計された厚さにするためである。層間絶縁膜140に対するCMP研磨では、パターン幅の広い配線層132上の第1絶縁膜140aの凸部150は突出量が大きいために、第2絶縁膜140bのみならず、第1絶縁膜140aもCMP研磨されることが生じ得る。第1絶縁膜140aと第2絶縁膜140bとは研磨レートが異なるため、この研磨レートの差に起因して、層間絶縁膜140の上面に段差が形成されてしまう。
図3(d)のように、層間絶縁膜140上に金属膜(例えばアルミニウム膜)を堆積した後、金属膜をパターニングして、画素電極116を形成する。層間絶縁膜140の上面に段差が形成されていることから、画素電極116にもこの段差の影響を受けて段差が形成されてしまう。
図4は、比較例1に係るLCOSデバイスの画素電極の上面を原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)で観察した結果を示す模式図である。図4のように、比較例1の画素電極116の上面をAFMで観察した所、1対(2本)の線154が複数組観察された。このことから、画素電極116の上面に、1対の線154で画定される段差が形成されていることが確認できた。なお、図示は省略するが、比較例1の画素電極116の上面を金属顕微鏡で観察した場合でも、同様に1対の線が複数組観察され、段差が形成されていることが確認できた。また、比較例1の画素電極116をSEM(Scanning Electron Microscope)観察した場合でも、段差が形成されていることが確認できた。
1対の線154は、パターン幅の広い配線層132に対応した位置に発生していることが認められたため、画素電極16に形成された段差は、層間絶縁膜140の上面の段差に起因して形成されたものであることが確認できた。画素電極116の上面にこのような方向性を持った段差が形成されると、画素電極116の表面に乱反射によるくもり現象が現れてしまい、画素電極116の表面の鏡面性が劣化してしまう。実際、比較例1の画素電極116の上面をグリーンライト(中心波長が緑色の波長体のライト)で観察した所、くもり現象を確認できた。画素電極116は、光を反射する機能を有するため、鏡面性が劣化すると、反射率が低下して歩留まりが悪化してしまう。
図5は、実施例1に係るLCOSデバイスの配線部の断面図である。なお、図5では、比較例1の図2に対応する位置における配線部を図示している。図5のように、実施例1のLCOSデバイスの配線部44においても、比較例1と同様に、層間絶縁膜40は、配線層32を覆う第1絶縁膜40aと、第1絶縁膜40a上に設けられた第2絶縁膜40bと、を含む。第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bとはCMP研磨における研磨レートが異なっていて、例えば第2絶縁膜40bの研磨レートは第1絶縁膜40aよりも速くなっている。
比較例1と異なる点は、比較例1のパターン幅が広い配線層132(図3(a)におけるパターン幅W1の配線層132)が、2つの配線層32に分割されている点である。この2つに分割された配線層32のパターン幅の合計は、電気的な要求に基づいて予め設計された幅W1に等しくなることが好ましく、この2つに分割された配線層32は何れかの箇所で電気的に接合される。このように分割されているため、配線層32上での第1絶縁膜40aの凸部70の突出量は小さくなっている。これにより、層間絶縁膜40の上面には、第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bとの境界が現れず、段差は形成されていない。よって、層間絶縁膜40上に形成された画素電極16にも段差は形成されていない。
図6は、実施例1に係るLCOSデバイスの配線部の製造方法を示すフローチャートである。図7(a)から図8(c)は、実施例1に係るLCOSデバイスの配線部の製造方法を示す断面図である。なお、実施例1のLCOSデバイスにおいて、配線層32より下側の構成(トランジスタ12や保持容量14等)は、一般的な製造方法によって形成されるため、図1(a)を参照して説明する。即ち、トランジスタ12を構成するゲート絶縁膜20とゲート電極22とは、半導体基板18上に絶縁膜とゲート電極材料とを堆積し、これらをパターン化することで形成される。ソース領域24とドレイン領域26とは、半導体基板18に所定導電型の不純物をイオン注入して不純物拡散領域を形成することで形成される。
保持容量14を構成する下部電極34は、保持容量14を形成する領域の半導体基板18に選択的にイオン注入を行い、不純物拡散領域を形成することで形成される。誘電体層36と上部電極38とは、トランジスタ12のゲート絶縁膜20とゲート電極22の形成と同時にパターン化することで形成される。
層間絶縁膜28は、例えば酸化シリコン膜等の絶縁膜を堆積することで形成される。ビア配線30は、層間絶縁膜28に形成した貫通孔に埋め込まれるように、金属膜(例えばタングステン膜)を層間絶縁膜28上に形成した後、CMP研磨によって層間絶縁膜28上の金属膜を除去することで形成される。
配線部44の形成にあたっては、図6のように、まず、形成する配線層32のパターン幅の設定を行う(ステップS10)。ここで、図9を用いて、配線層32のパターン幅の設定について説明する。図9は、配線層のパターン幅の設定方法の一例を示すフローチャートである。図9のように、まず、CMP研磨後の層間絶縁膜40の上面に、第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bとの境界が現れるか否かの判断に用いる検量線を設定する(ステップS30)。検量線は、例えば第1絶縁膜40aの凸部70の頂上に所定の厚さの第2絶縁膜40bがあるとする場合の、配線層32のパターン幅と配線層32上の層間絶縁膜40の厚さとの関係を示す線である。このような検量線は、配線層32のパターン幅に対する第1絶縁膜40aの凸部70の突出量が概ね決まっているために設定することができる。
次いで、形成しようとする配線層32のパターン幅を求める(ステップS32)。最初の段階では、配線層32のパターン幅の設計値を、ステップS32におけるパターン幅とする。次いで、配線層32がステップS32のパターン幅(例えば設計値のパターン幅)の場合に、層間絶縁膜40の上面に第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bとの境界が現れるか否かを、検量線を用いて判断する(ステップS34)。上述したように、CMP研磨後に配線層32上に残存させる層間絶縁膜40の厚さは、電気的要求に基づいて予め設計されている。このため、検量線を用いて算出されたステップS32のパターン幅における層間絶縁膜40の厚さと、電気的要求に基づいて予め設計された層間絶縁膜40の厚さと、を比較することで、境界が現れるか否かを判断できる。即ち、検量線を用いて算出された層間絶縁膜40の厚さが予め設計された層間絶縁膜40の厚さよりも厚い場合には境界が現れ、薄い場合には境界が現れないと判断することができる。境界が現れない場合(ステップS34でNoの場合)、ステップS32におけるパターン幅(例えば設計値のパターン幅)を配線層32のパターン幅に設定する(ステップS36)。
一方、境界が現れる場合(ステップS34でYesの場合)、配線層32を複数に分割(例えば2つに分割)し(ステップS38)、各配線層32のパターン幅を求める(ステップS32)。そして、配線層32がステップS32のパターン幅(例えば分割後の各パターン幅)の場合に、層間絶縁膜40の上面に第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bとの境界が現れるか否かを判断する(ステップS34)。境界が現れなくなった場合(ステップS34でNoの場合)、ステップS32におけるパターン幅(例えば分割後の各パターン幅)を配線層32のパターン幅に設定する(ステップS36)。なお、ステップS38における配線層32の分割は、同じパターン幅の複数の配線層32に分割する場合に限らず、配線層32の形成領域に応じて、異なるパターン幅の複数の配線層32に分割する場合でもよい。
このように、配線層32の形成に先立ち、CMP研磨後に配線層32上に残存させる層間絶縁膜40の厚さに応じて、配線層32のパターン幅を設定することを行う。
図6のステップS12及び図7(a)のように、層間絶縁膜28上に、設定したパターン幅の配線層32を形成する。配線層32は、例えば層間絶縁膜28上にスパッタ法を用いて金属膜(例えばアルミニウム膜)を堆積した後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて金属膜をパターン化することで形成される。配線層32の幅W1、W2、W3、W4は全て、例えば0.5μmである。配線層32の厚さは、例えば0.25μmである。
図6のステップS14及び図7(b)のように、配線層32の互いの間隙に埋め込まれ、配線層32を覆う第1絶縁膜40aを形成する。第1絶縁膜40aは、例えば酸化シリコン膜であり、例えば高密度プラズマ化学気相成長法を用いて形成される。第1絶縁膜40aは、配線層32上に凸部70が形成されるが、配線層32のパターン幅が狭くなっているため、凸部70の突出量は小さく抑えられる。
図6のステップS16及び図7(c)のように、第1絶縁膜40a上に、第2絶縁膜40bを形成する。第2絶縁膜40bは、例えばTEOS膜からなり、例えば化学気相成長法を用いて形成される。第2絶縁膜40bを形成する理由は、処理時間の短縮による生産能力の向上、及び、原材料の削減によるコストダウン等の点から、高密度プラズマ化学気相成長法による成膜時間は短く抑えたく、その一方で、層間絶縁膜40はある程度の厚さを必要とするためである。これにより、第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bとからなる層間絶縁膜40が形成される。
図6のステップS18及び図7(d)のように、配線層32上に位置する部分の層間絶縁膜40に、配線層32の上面が露出する貫通孔72を形成する。貫通孔72は、例えばフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて形成される。貫通孔72の直径は、例えば0.3μmである。
図6のステップS20及び図8(a)のように、貫通孔72に埋め込まれるように、層間絶縁膜40上にビア配線材料である金属膜(例えばタングステン膜)74を形成する。金属膜74は、例えばスパッタ法を用いて形成される。
図6のステップS22及び図8(b)のように、層間絶縁膜40上の金属膜74が除去され、配線層32上の層間絶縁膜40の厚さが電気的要求に基づいて設計された厚さになるように、金属膜74と層間絶縁膜40とをCMP研磨する。CMP研磨は、研磨ヘッドに加工面が下向きになるようにウエハを貼り付け、シリカ系又はアルミナ系等からなるスラリーを用いて、ウエハを研磨パッドに押し付けることで行われる。これにより、貫通孔72にのみ金属膜74が残存してビア配線42が形成され、配線層32上の層間絶縁膜40の厚さTが電気的要求に基づいて予め設計された厚さとなる。配線層32上の層間絶縁膜40の厚さTは、例えば0.7μmである。
配線層32上における第1絶縁膜40aの凸部70は、その突出量が小さく抑えられていることから、CMP研磨は第2絶縁膜40bに対してのみ行われる。このため、層間絶縁膜40の上面には、第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bとの境界が現れず、段差が形成されない。
図6のステップS24及び図8(c)のように、層間絶縁膜40上に画素電極16を形成する。画素電極16は、例えば層間絶縁膜40上にスパッタ法を用いて金属膜(例えばアルミニウム膜)を堆積した後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて金属膜をパターン化することで形成される。画素電極16の厚さは、例えば0.2μm程度である。層間絶縁膜40の上面に段差は形成されていないことから、画素電極16にも段差は形成されない。なお、実施例1のLCOSデバイスの画素電極16の上面をAFM観察及び金属顕微鏡観察を行った所、図4のような1対の線154は観察されず、段差が形成されていないことが確認できた。
なお、第1基板10を形成した後は、以下の工程を行うことによってLCOSデバイス100が形成される。即ち、第1基板10の画素電極16の形成面に所定の配向膜62a形成し、また、ガラス基板52上にITO電極54を形成した第2基板50のITO電極54の形成面にも所定の配向膜62bを形成する。そして、所定厚みのスペーサ等を挟んで第1基板10と第2基板50とを対向させ、スペーサ等によって設けられた第1基板10と第2基板50との間隙に所定の液晶60を注入することで、LCOSデバイス100が形成される。
以上のように、実施例1によれば、CMP研磨後に配線層32上に残存させる層間絶縁膜40の厚さに応じて配線層32のパターン幅を設定し、このパターン幅の配線層32を形成している。このため、研磨レートの異なる第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bとを含む層間絶縁膜40にCMP研磨を行っても、図8(b)のように、層間絶縁膜40の上面に段差が形成されることを抑制できる。よって、層間絶縁膜40の平坦性を良好にすることができる。
層間絶縁膜40の平坦性が良好になることから、図8(c)のように、層間絶縁膜40上に光を反射する画素電極16(反射金属層)を形成するLCOSデバイスにおいては、画素電極16の表面の鏡面性の悪化を抑制できる。よって、画素電極16の反射率の低下による歩留まりの悪化を抑制することができる。
図9で説明したように、CMP研磨後の層間絶縁膜40の上面に第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bとの境界が現れないように、配線層32のパターン幅を設定することが好ましい。これは、層間絶縁膜40の上面に第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bとの境界が現れると、第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bとの研磨レートが異なるため、層間絶縁膜40の上面に段差が形成され易くなってしまうためである。
図7(b)のように、配線層32を覆う第1絶縁膜40aには、段差被覆性に優れている等の点から、高密度プラズマ化学気相法によって形成された酸化シリコン膜を用いることが好ましい。第1絶縁膜40a上に形成される第2絶縁膜40bには、コスト等の点から、TEOS膜を用いることが好ましい。第1絶縁膜40a及び第2絶縁膜40bにこのような膜を用いた場合、第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bのCMP研磨における研磨レートが異なり、第2絶縁膜40bの研磨レートは第1絶縁膜40aよりも速くなる。したがって、第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bの両方にCMP研磨が行われると、研磨レートの差に起因して、層間絶縁膜40の上面に段差が形成されてしまう。よって、このような場合に、CMP研磨後に配線層32上に残存させる層間絶縁膜40の厚さに応じて、配線層32のパターン幅を予め設定することが好ましい。
なお、実施例1において、第1絶縁膜40aと第2絶縁膜40bとのCMP研磨における研磨レートが異なる場合であれば、第2絶縁膜40bの研磨レートが第1絶縁膜40aよりも速い場合に限らず、遅い場合でもよい。
実施例1では、図7(d)から図8(b)のように、配線層32上の層間絶縁膜40に形成した貫通孔72に金属膜74を埋め込んだ後、層間絶縁膜40上の金属膜74と層間絶縁膜40とをCMP研磨している。しかしながら、層間絶縁膜40へのCMP研磨は、層間絶縁膜40上に金属膜が形成されていない状態で行われる場合でもよい。
実施例1では、画素電極16から1層下の配線層32に対して、配線層32上に残存させる層間絶縁膜40の厚さに応じて、配線層32のパターン幅を設定しているが、さらに下層の配線層に対して行ってもよい。
実施例1では、LCOSデバイス100の場合を例に説明したが、この場合に限られる訳ではない。研磨レートの異なる第1絶縁膜と第2絶縁膜とを含む層間絶縁膜が配線層を覆って形成され、この層間絶縁膜にCMP研磨を行う半導体装置であれば、その他の半導体装置の場合でもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1)配線層と前記配線層を覆う層間絶縁膜とを形成した後、前記層間絶縁膜をCMP研磨する半導体装置の製造方法であって、
前記CMP研磨後に前記配線層上に残存させる前記層間絶縁膜の厚さに応じて、前記配線層のパターン幅を設定する工程と、
半導体基板上に、前記パターン幅の前記配線層を形成する工程と、
前記半導体基板上に形成された前記配線層を覆って、研磨レートの異なる第1絶縁膜と第2絶縁膜とを含む前記層間絶縁膜を形成する工程と、
前記配線層を覆って形成された前記層間絶縁膜を前記CMP研磨する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2) 前記パターン幅を設定する工程は、前記CMP研磨後の前記層間絶縁膜の上面に前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との境界が現れないように、前記配線層のパターン幅を設定することを特徴とする付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記3) 前記パターン幅を設定する工程は、前記CMP研磨後の前記層間絶縁膜の上面に前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との境界が現れないような前記配線層のパターン幅と前記配線層上の前記層間絶縁膜の厚さとの関係を示す検量線を用いて、前記配線層のパターン幅を設定することを特徴とする付記1または2記載の半導体装置の製造方法。
(付記4) 前記層間絶縁膜を形成する工程は、前記配線層を覆う前記第1絶縁膜を形成した後、前記第1絶縁膜上に前記第1絶縁膜よりも研磨レートの速い前記第2絶縁膜を形成することを特徴とする付記1から3のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
(付記5) 前記第1絶縁膜は高密度プラズマ化学気相成長法によって形成された酸化シリコン膜であり、前記第2絶縁膜はTEOS膜であることを特徴とする付記4記載の半導体装置の製造方法。
(付記6) 前記CMP研磨を行った後、前記層間絶縁膜上に、光を反射する反射金属層を形成する工程を備えることを特徴とする付記1から5のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
(付記7) 前記層間絶縁膜に、前記配線層の上面が露出する貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔を埋め込むように、前記層間絶縁膜上に金属膜を形成する工程と、を備え、
前記CMP研磨する工程は、前記金属膜と前記層間絶縁膜とを研磨することを特徴とする付記1から6のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
10 第1基板
12 トランジスタ
14 保持容量
16、116 画素電極
18 半導体基板
20 ゲート絶縁膜
22 ゲート電極
24 ソース領域
26 ドレイン領域
28、128 層間絶縁膜
30 ビア配線
32、132 配線層
34 下部電極
36 誘電体層
38 上部電極
40、140 層間絶縁膜
40a、140a 第1絶縁膜
40b、140b 第2絶縁膜
42、142 ビア配線
44、144 配線部
50 第2基板
52 ガラス基板
54 ITO電極
60 液晶
62a、62b 配向膜
70、150 凸部
72 貫通孔
74 金属膜
100 LCOSデバイス

Claims (5)

  1. 配線層と前記配線層を覆う層間絶縁膜とを形成した後、前記層間絶縁膜をCMP研磨する半導体装置の製造方法であって、
    前記CMP研磨後に前記配線層上に残存させる前記層間絶縁膜の厚さに応じて、前記配線層のパターン幅を設定する工程と、
    半導体基板上に、前記パターン幅の前記配線層を形成する工程と、
    前記半導体基板上に形成された前記配線層を覆って、研磨レートの異なる第1絶縁膜と第2絶縁膜とを含む前記層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記配線層を覆って形成された前記層間絶縁膜を前記CMP研磨する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記パターン幅を設定する工程は、前記CMP研磨後の前記層間絶縁膜の上面に前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との境界が現れないように、前記配線層のパターン幅を設定することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記層間絶縁膜を形成する工程は、前記配線層を覆う前記第1絶縁膜を形成した後、前記第1絶縁膜上に前記第1絶縁膜よりも研磨レートの速い前記第2絶縁膜を形成することを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第1絶縁膜は高密度プラズマ化学気相成長法によって形成された酸化シリコン膜であり、前記第2絶縁膜はTEOS膜であることを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記CMP研磨を行った後、前記層間絶縁膜上に、光を反射する反射金属層を形成する工程を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
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