JP2016031735A - 複数軸の加工精度を向上させるサーボモータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】円の径が変化する穴開け加工や、自由閉曲線形状の加工を行う場合でも、角度同期方式の学習制御を適用して高精度化が可能なサーボモータの制御装置を提供する。【解決手段】工作機械等におけるサーボモータの制御装置1に、加工対象を加工するための位置指令値を生成する上位制御装置24と、位置指令値でサーボモータ12,14を駆動して加工する工具を動作させるサーボ制御装置18.20と、サーボモータの位置、又は工具位置を検出する位置検出器27、31を設け、更に、位置偏差演算部で位置指令値と検出されたサーボモータの位置との偏差を演算し、基準角度生成部4で指令値が形成する閉じた図形の内側の任意の位置を中心点として閉じた図形上の基準点と、現在の加工点から単調増加または単調減少する基準角度θを計算し、学習制御部26,30に基準角度、及び位置偏差に基づいて角度同期方式の学習制御を行わせてサーボモータを制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、工作機械等の機械を制御するサーボモータの制御装置に関するものであり、特に、サーボモータにより駆動される複数軸が協調して、閉曲線、多角形を加工する場合の加工精度を向上させるサーボモータの制御装置に関する。
一般に、マシニングセンタなどの工作機械を使った穴開け加工では、精度を向上させるために専用工具を使ったボーリング加工が行われる。ボーリング加工で使われるボーリング工具は、開ける穴の直径に応じて選択する必要があり、複数の異なる直径の穴空け加工を行う場合は、複数のボーリング工具が必要となる。
通常、数値制御装置(CNC)を搭載したマシニングセンタでは、自動工具交換装置(ATC:オートツールチェンジャー)が搭載されており、ATCには複数の工具を装着することができるため、加工に応じて工具を自動的に交換することができる。しかし、ATCに装着できる工具数には制限があるので、ATCに装着されていない工具で行う加工が発生した場合は、工具を交換する時間が必要となり、生産性の悪化要因となるなどの課題がある。
これに対して、穴開け加工を行うボーリング加工をミーリング加工で代替えする方法がある。代替え加工のミーリング加工の方法の1つとして、ヘリカル加工がある。ヘリカル加工は、開ける穴の直径に応じたエンドミルで円弧動作を螺旋状に繰り返して穴を開ける加工である。ヘリカル加工では一般に、円弧動作はワークを搭載するテーブルを、サーボモータでX軸、Y軸方向に協調駆動する事で行う。
ヘリカル加工で穴を開ける場合、複数の異なる直径の穴開け加工においても、1つのエンドミルで対応できる利点がある。一方、ヘリカル加工はテーブルの円弧動作を伴うために、高速化するとテーブルを駆動するX軸、Y軸のサーボモータの応答遅れや機械のロストモーション(バックラッシュや捩れ)等の影響で、象限突起(駆動軸の反転時の遅れ)が発生し、精度が悪化する虞がある。
この精度悪化を改善する方法としては、ヘリカル加工におけるエンドミルが円弧動作を繰り返すことを利用して、X軸とY軸の駆動軸のサーボモータ制御に、学習制御を適用する方法が最も効果的である。特に、特許文献1に開示されたサーボモータ駆動制御装置による、加工速度の変動に対応できる角度同期方式の学習制御の適用が有効であるが、この場合、学習制御の周期の基準となる角度情報が必要になる。この基準角度は単調増加、若しくは単調減少させる必要があるが、X軸、Y軸の2軸によるエンドミルの円弧動作の場合、この基準角度として利用できる情報(信号)がない。
この課題を解決するために、特許文献2には、X軸若しくはY軸の指令値、或いはフィードバック値の絶対値を積算することにより、前述の基準角度にできる情報(信号)を基準信号生成部において作り出すサーボ制御システムが開示されている。
特許第4043996号公報
特許第4980453号公報
しかし、特許文献2に開示のサーボ制御システムは、徐々に円弧の直径が変化する場合には対応できないという課題がある。これは、学習制御は指令値の繰り返し周期に相当するメモリを確保するために、先見情報として学習の周期(例えば360度等)が必要であるが、指令値やフィードバック値から基準角度に相当する信号を作成する場合、信号が示す角度は中心からの角度ではなく、X軸及びY軸の移動量になるので、円の直径が変化するとその移動量が変化するからである。この結果、先見情報の周期と実際の移動量が一致しなくなり、正しい学習制御ができなくなる。
例えば、ヘリカル加工においてエンドミルが図1(a)に示すような円動作を示す場合、円Cの直径から学習周期に相当するエンドミルの移動量を計算することは可能(容易)である。ところが、ヘリカル加工においてエンドミルが、図1(b)に示すような単純な円でない自由閉曲線Lのような動作を行う場合、エンドミルの移動量を計算することは容易ではない。
そこで本発明は、徐々に円の直径が変化する穴開け加工を行う場合や、単純な円弧でない自由閉曲線のような形状加工を行う場合であっても角度同期方式の学習制御が適用でき、高精度化が可能になるサーボモータの制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明では、サーボモータによって駆動される互いに直交する2軸を含む複数軸の協調動作により、加工対象を閉じた図形、該閉じた図形が上底と下底に平行に位置する柱状体又は錐状体の形状に加工する工作機械又は産業機械におけるサーボモータの制御装置であって、加工対象を加工するための位置指令値を生成する上位制御装置と、位置指令値に基づいて各軸のサーボモータを駆動して、加工対象を加工する被駆動体を動作させるサーボ制御装置と、サーボモータの位置、又は被駆動体の位置を検出する位置検出器とを備え、更に、位置指令値と検出されたサーボモータの位置との偏差を演算する位置偏差演算部と、指令値が形成する閉じた図形の内側の任意の位置を中心とし、閉じた図形上の基準点と、現在の加工点から単調増加もしくは単調減少する基準角度を計算する基準角度生成部と、基準角度、及び位置偏差に基づいて角度同期方式の学習制御を行う学習制御部とを有するサーボモータの制御装置が提供される。
本発明のサーボモータの制御装置によれば、指令される閉曲線や多角形等の閉じた図形の内側の任意の点を中心にして、基準点から現在の加工点までの角度を逐次計算し、これを使って角度同期方式の学習制御を行うので、この場合、周期を360度とすれば円の直径が変化しても学習制御が可能となる。この結果、本発明のサーボモータの制御装置によれば、従来適用が難しかった任意の閉曲線や多角形のような形状加工でも、角度同期方式の学習制御が適用でき、高精度化が可能になるという効果がある。
(a)はヘリカル加工におけるエンドミルの円動作を示す図、(b)はヘリカル加工におけるエンドミルの閉曲線動作を示す図である。 (a)から(f)は本発明のサーボモータの制御装置を備える工作機械の加工対象物の形状を示すものであり、(a)は閉曲線、(b)は多角形、(c)は閉曲線で囲まれた面を上底と下底に備えた柱状体、(d)は多角柱、(e)は相似形の閉曲線を上底と下底に備える錐状体、(f)は相似形の多角形を上底と下底に備える錐状体である。 本発明のサーボモータの制御装置の一実施例のブロック図である。 加工形状が閉じた曲線である場合の、基準角度を演算する方法を示す図である。 図3に示したサーボモータの制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明のサーボモータの制御装置の他の実施例のブロック図である。
以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明の実施例を説明する前に、図2を用いて本発明のサーボモータの制御装置の加工対象物の加工形状について説明する。
本発明の加工対象物の加工形状は、図2(a)に示すような任意の平面にあってその曲線(導線)が交差しない円弧を含む閉曲線L、図2(b)に示すような多角形P、図2(c)に示すような交差しない円弧を含む閉曲線を上底と下底に持つ柱状体V1、図2(d)に示すような多角形の面を上底と下底に持つ柱状体V2、図2(e)に示すような相似形の閉曲線を上底と下底に備える錐状体V3、又は図2(f)に示すような相似形の多角形を上底と下底に備える錐状体V4等である。
ここで、本発明のサーボモータの制御装置1の一実施例の基本構成を図3を用いて説明する。本発明のサーボモータの制御装置1は、上位制御装置24、サーボ制御装置10及び位置検出器27、31を備える。サーボモータの制御装置1は、協調動作を行う互いに直交するX軸とY軸のような少なくとも2軸を含むマシニングセンタ等の工作機械又は産業機械において使用され、この場合にはサーボ制御装置10は、X軸サーボ制御装置18とY軸サーボ制御装置20を備える。
また、本発明のサーボモータの制御装置1では、Z軸サーボ制御装置は必須ではないので図示を省略してある。なお、Z軸サーボ制御装置を設ける場合は、その機能は従来のサーボ制御装置と同様で良い。即ち、Z軸サーボ制御装置は、所定の加工を行うための、上位制御装置から送られるZ軸の位置指令値と、Z軸サーボモータ又はZ軸サーボモータにより駆動される工具等の被駆動体の位置フィードバック値との偏差を求め、この偏差にゲインを与えてZ軸サーボ速度指令としてZ軸サーボモータの制御に使用する。位置フィードバック値は、Z軸サーボモータ又は被駆動体のZ位置を検出する位置検出器によって得られる。
サーボ制御装置10が、X軸サーボ制御装置18とY軸サーボ制御装置20とを備える場合、X軸サーボ制御装置18とY軸サーボ制御装置20は、数値制御装置(NC)等の上位制御装置24から送られる各軸の位置指令値(X軸指令とY軸指令)Pcに基づいて速度指令を作成し、この速度指令によって各サーボモータ12,14を制御する。
X軸サーボ制御装置18は、角度同期方式の学習制御部(学習制御器)26を有する。学習制御器26は、所定の加工を行うための、上位制御装置24から送られる周期的なX軸の位置指令値Pcと、X軸サーボモータ12又はX軸サーボモータ12により駆動される工具等の被駆動体(図示せず)の位置フィードバック値Pfとの偏差Erに基づいてX軸サーボモータ12の制御のための補正量を作成する。補正量は偏差Erに加算された後にゲインKpで増幅されてX軸サーボ速度指令値としてX軸サーボモータ12の制御に使用される。位置フィードバック値Pfは、X軸サーボモータ12又は被駆動体のX位置を検出する位置検出器27によって得られる。またX軸サーボ制御装置18は、上位制御装置24から送られる基準角度θに基づいて、学習制御器26が学習制御を行う。学習制御の詳細については後述する。
同様に、Y軸サーボ制御装置20は、角度同期方式の学習制御部(学習制御器)30を有する。学習制御器30は、所定の加工を行うための、上位制御装置24から送られる周期的なY軸の位置指令値Pcと、Y軸サーボモータ14又はY軸サーボモータ14により駆動される被駆動体(図示せず)の位置をフィードバック値Pfとの偏差Erに基づいてY軸サーボモータ14の制御のための補正量を作成する。補正量は偏差Erに加算された後にゲインKpで増幅されてY軸サーボ速度指令としてY軸サーボモータ14の制御に使用される。位置フィードバック値Pfは、Y軸サーボモータ14又は被駆動体のY位置を検出する位置検出部31によって得られる。またY軸サーボ制御装置20は、上位制御装置24から送られる基準角度θに基づいて、学習制御器30が学習制御を行う。学習制御の詳細については後述する。
ここで、X軸サーボ制御装置18にある学習制御器26の具体的構成例を説明する。X軸サーボ制御装置18において、上位制御装置24から送られる位置指令値Pcと、位置検出器27から送られる位置フィードバック値Pfとから加算器35にて位置偏差Erが演算される。学習制御器26は、X軸サーボモータ12又は被駆動体の位置偏差Erを第1の位置偏差として所定のサンプリング周期(例えば1ms)毎に取得する。第1の位置偏差Erは第1変換部(図3には時間→角度変換と記載されている)34に送られ、第1変換部34は、第1の位置偏差Erを、被駆動体の1周期分の基準角度位置(後述)毎の第2の位置偏差Er′に変換する。つまりサンプリング周期に対応付けられている第1の位置偏差Er(時間)が、基準角度位置に対応付けられた第2の位置偏差Er′(角度)に変換される。この変換手法自体は周知なので説明は省略する。
第2の位置偏差Er′は、通常360度分の遅延メモリ36に記憶された被駆動体の周期動作の1周期前の第1の補正量が加算された後、新たな第1の補正量c1として遅延メモリ36に記憶される。第1の補正量c1は第2変換部(図3には角度→時間変換と記載されている)38に送られ、第2変換部38は、基準角度位置毎の第1の補正量c1を、上記サンプリング周期毎の第2の補正量c2に変換する。つまり基準角度位置に対応付けられている第1の補正量c1(角度)が、サンプリング周期に対応付けられた第2の補正量c2(時間)に変換される。この変換手法自体は周知なので説明は省略する。
学習制御器26は、第1の補正量c1の帯域を制限する帯域制限フィルタ40と、第2変換部38からの第2の補正量c2の位相補償及びゲイン補償を行う位相進みフィルタ42とを備えても良いが、これらのフィルタは必須の構成要素ではない。なお、帯域制限フィルタ40は、具体的には、ある周波数領域における高周波領域の信号をカットするためのローパスフィルタであり、制御系の安定性を向上させる効果がある。また、位相進みフィルタ42は、具体的には、ある周波数領域における高周波領域の信号の位相を進ませ、さらにゲインを上げるフィルタであり、位置制御、速度制御及び電流制御等の制御系の遅れやゲイン低下を補償する効果がある。なお、Y軸サーボ制御装置20の学習制御器30も学習制御器26と同様の構成とすることができる。
上位制御装置24には、X軸指令部2とY軸指令部3及び基準角度生成部4がある。X軸指令部2とY軸指令部3は、予め定めた指令分配周期T(例えばT=1ms)毎にX軸とY軸の位置指令値Pcを生成する。基準角度生成部4には、X軸指令部2とY軸指令部3からのX軸とY軸の位置指令値Pcが入力される。そして、基準角度生成部4は、X軸とY軸の位置指令値PcからX軸とY軸の基準角度θを生成し、これをX軸の学習制御器26とY軸の学習制御器30に入力する。
ここで、基準角度生成部4によるX軸とY軸の基準角度θの生成について図4を用いて説明する。図4は位置指令値Pcが、例えば閉曲線Lを形成する場合の例である。基準角度生成部4は、位置指令値Pcが形成する閉曲線Lの内側の任意の位置を中心とし、その曲線上の基準点と、現在の加工点から単調増加もしくは単調減少する基準角度θを計算する。例えば、図4に示す直交するX,Y軸の平面の閉曲線Lを繰り返し加工する場合、閉曲線Lの内側の任意の位置Pを中心点に定め、この座標をP(Xo,Yo)とする。加工を行う被駆動体は閉曲線Lに沿って一方向に繰り返し回転する。角度同期方式の学習制御は、所定のサンプリング周期で行われるので、ここで使用する基準角度θも同じサンプリング周期毎に計算する。
ここで,現在の加工点よりも1サンプリング前の閉曲線上の加工点をS(Xs、Ys)とし、現在加工を行っている加工点をM(Xm、Ym)とする。なお、基準点は閉曲線Lの上の加工開始点(初期値)とする。以上の3つの点M,P,Sを使って、ある時刻nの基準角度θnを求める。3つの点を結ぶ3角形のそれぞれの辺の長さPS、SM、MPは、下記の式1,式2及び式3で求められる(但し、√はカッコ内全体の平方根を示す)。
PS=√((Xs−Xo)2+(Ys−Yo)2)・・・(1)
SM=√((Xm−Xs)2+(Ym−Ys)2)・・・(2)
MP=√((Xo−Xm)2+(Yo−Ym)2)・・・(3)
また、求める基準角度θの1サンプリング当たりの変化量Δθは余弦定理から下記の式4で求めることができる。
Δθ=arccos(MP2+PS2−SM2)/(2*MP*PS)・・・(4)
そして、サンプリング時間nにおける求める基準角度θnは、式4で求めたΔθの積算値として、θn=Σ(Δθ)から計算される。被駆動体による加工では、被駆動体は常に一方向に回転し、途中で逆方向には回転しないので、求める基準角度θは単調増加、もしくは単調減少になる。このようにして計算された基準角度θは、前述のように、基準角度生成部4からX軸サーボ制御装置18の学習制御器26とY軸サーボ制御装置20の学習制御器30に送られ、学習制御器26、30の動作によりサーボモータ12,14が制御される。なお、図2(a)に示した閉曲線L、図2(b)に示した多角形P、及び図2(c)、(d)に示した柱状体V1、V2にも中心点、基準点及び加工点を示した。
次に、以上説明したサーボモータの制御装置1における処理の流れについて、図5に示すフローチャートを用いて説明する。なお、説明を分かりやすくするために、図3に示したサーボモータの制御装置1における構成部材の符号を付して処理を説明する。ステップ501では、上位制御装置24は、予め定めた指令分配周期T(例えばT=1ms)毎に、直交する座標平面上にある閉曲線、多角形を加工する指令(各軸の位置指令値Pc)を、X軸サーボ制御装置18とY軸サーボ制御装置20(以後各サーボ制御装置18、20と記す)のサーボ制御装置10にそれぞれ分配する。
続くステップ502では、各サーボ制御装置18、20は、サーボモータ12、14の位置もしくは被駆動体の位置(位置フィードバック値Pf)を検出する。次に、各サーボ制御装置18,20は、ステップ503において、指令(位置指令値Pc)及び位置(位置フィードバック値Pf)から偏差(位置偏差Er)を計算する。偏差(位置偏差Er)は、X軸とY軸の学習制御器26,30に入力される。
一方、上位制御装置24にある基準角度生成部4は、ステップ504において加工される閉曲線、多角形の内側の任意の位置を中心(中心点)と定め、ステップ505において導線上の基準点と現在の加工点から基準角度θを計算して求める。求められた基準角度θは、X軸とY軸の学習制御器26,30に入力される。
偏差(位置偏差Er)と基準角度θがX軸とY軸の学習制御器26,30に入力されると、X軸とY軸の学習制御器26,30は、ステップ506において、偏差(位置偏差Er)と基準角度θを使って角度同期学習制御を実行する。角度同期学習制御については周知であるので、説明は省略する。
X軸とY軸の学習制御器26,30において角度同期学習制御が実行されると、基準信号θ毎の第1の補正量c1が、サンプリング周期毎の第2の補正量c2に変換されてX軸とY軸の学習制御器26,30から出力される。各サーボ制御装置18,20は、ステップ507において、X軸とY軸の学習制御器26,30の出力を偏差(位置偏差Er)に加算してサーボモータ12,14の速度指令を生成する。サーボモータ12,14はこの速度指令によって駆動制御される。
なお、以上説明した実施例では、基準角度生成部4が上位制御装置24に設けられているが、基準角度生成部4は、図6に示す別の実施例のように、基準角度生成部5,6として、X軸サーボ制御装置18とY軸サーボ制御装置20にそれぞれ設けることができる。図6に示した実施例のサーボモータの制御装置1Aは、基準角度生成部5,6を除いて図3に示した実施例のサーボモータの制御装置1と同じ構成であるので、同じ構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
このように、本発明のサーボモータの制御装置によれば、指令される閉曲線や多角形等の閉じた図形の内側の任意の点を中心にして、基準点から現在の加工点までの角度を逐次計算し、これを使って角度同期方式の学習制御を行うので、この場合、周期360度とすれば円の直径が変化しても学習制御が可能となる。この結果、本発明のサーボモータの制御装置によれば、従来適用が難しかった任意の閉曲線や多角形のような形状加工でも、角度同期方式の学習制御が適用でき、高精度化が可能になる。
1、1A サーボモータの制御装置
2 X軸指令部
3 Y軸指令部
4,5,6 基準角度生成部
10 サーボ制御装置
12、14 サーボモータ
18 X軸サーボ制御装置
20 Y軸サーボ制御装置
24 上位制御装置
26、30 学習制御部(器)
27、31 位置検出器
θ 基準信号
Pc 位置指令値
Pf 位置フィードバック値

Claims (4)

  1. サーボモータによって駆動される互いに直交する2軸を含む複数軸の協調動作により、加工対象を閉じた図形、該閉じた図形が上底と下底に平行に位置する柱状体又は錐状体の形状に加工する工作機械又は産業機械におけるサーボモータの制御装置であって、
    前記加工対象を加工するための位置指令値を生成する上位制御装置と、
    前記位置指令値に基づいて各軸の前記サーボモータを駆動して、前記加工対象を加工する被駆動体を動作させるサーボ制御装置と、
    前記サーボモータの位置、又は前記被駆動体の位置を検出する位置検出器とを備え、
    更に、
    前記位置指令値と検出された前記サーボモータの位置との偏差を演算する位置偏差演算部と、
    前記指令値が形成する閉じた図形の内側の任意の位置を中心とし、前記閉じた図形上の基準点と、現在の加工点から単調増加もしくは単調減少する基準角度を計算する基準角度生成部と、
    前記基準角度、及び前記位置偏差に基づいて角度同期方式の学習制御を行う学習制御部とを有するサーボモータの制御装置。
  2. 前記位置偏差演算部と前記学習制御部が前記サーボ制御装置に設けられている請求項1に記載のサーボモータの制御装置。
  3. 前記基準角度生成部が前記上位装置に設けられている請求項1または2に記載のサーボモータの制御装置。
  4. 前記基準角度生成部が前記サーボ制御装置に設けられている請求項1または2に記載のサーボモータの制御装置。
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