JP2016029431A - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】表示品質を向上させると共に、かかるコストを抑えることが可能な電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器を提供する。【解決手段】素子基板10と、素子基板10と対向するように配置された対向基板20と、素子基板10と対向基板20との間にシール材14を介して挟持された液晶層15と、を備える液晶パネル100と、液晶パネル100を覆うように配置される見切り110と、見切り110を覆うように配置される反射防止層112と、を含む。【選択図】図7

Description

本発明は、電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する。
上記電気光学装置の一つとして、例えば、画素電極をスイッチング制御する素子としてトランジスターを画素ごとに備えたアクティブ駆動方式の液晶装置が知られている。液晶装置は、例えば、直視型ディスプレイやプロジェクターのライトバルブなどにおいて用いられている。
液晶装置は、例えば、素子基板と、素子基板と対向するように配置された対向基板と、素子基板と対向基板との間に挟持された液晶層と、を備えている。更に、素子基板の液晶層とは反対側、及び対向基板の液晶層とは反対側には、表示領域外の遮光、及び空気とパネルとの界面の反射防止などの機能を備える防塵ガラスが配置されている。
例えば、特許文献1には、液晶装置の厚みを薄くしたり、かかるコストを抑えたり、また放熱性を向上させたりするために、防塵ガラスを設けない構造の液晶装置が開示されている。
特開2000−347168号公報
しかしながら、防塵ガラスを省いた場合、例えば、迷光による駆動回路の動作不良や、空気とパネルとの界面における光の反射により、表示の明るさが低減するという課題がある。
本発明の態様は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る電気光学装置は、素子基板と、前記素子基板と対向するように配置された対向基板と、前記素子基板と前記対向基板との間に配置された電気光学層と、を備える電気光学パネルと、前記電気光学パネルを覆うように配置される遮光層と、前記遮光層を覆うように配置される反射防止層と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、電気光学パネルを覆うように遮光層及び反射防止層を配置する、言い換えれば、素子基板及び対向基板に直接遮光層及び反射防止層を配置するので、例えば、遮光層及び反射防止層を配置するために防塵基板を配置する場合と比較して、パネル全体の厚みを薄くすることができる。また、遮光層及び反射防止層も配置されているので、表示領域に不要な光が侵入したり、必要な光量が低下したりすることを抑えることができる。その結果、表示品質を向上させることが可能となると共に、かかるコストを抑えることができる。
[適用例2]上記適用例に係る電気光学装置において、前記反射防止層は、前記遮光層に接するように配置されることが好ましい。
本適用例によれば、遮光層に接するように反射防止層が配置されているので、遮光層と反射防止層との間に互いの膜を付着させるための膜を配置する場合と比較して、電気光学装置全体を薄くすることができる。また、プロセスを簡素化することが可能となり、かかるコストを抑えることができる。
[適用例3]上記適用例に係る電気光学装置において、前記反射防止層と前記遮光層との間に、絶縁層が配置されることが好ましい。
本適用例によれば、反射防止層と遮光層との間に絶縁層を配置するので、遮光層の段差を緩和させることが可能となり、平坦化することができる。また、遮光層の材料に対して付着性の悪い反射防止層の材料も用いることができる。言い換えれば、用いる使用材料の範囲を広げることができる。
[適用例4]上記適用例に係る電気光学装置において、前記反射防止層は、前記対向基板に接するように配置されることが好ましい。
本適用例によれば、対向基板に接するように反射防止層が配置されているので、防塵基板を省略することが可能となり、電気光学装置全体の厚みを薄くすることができる。よって、かかるコストを抑えることができる。
[適用例5]上記適用例に係る電気光学装置において、前記反射防止層と前記対向基板との間に、絶縁層が配置されることが好ましい。
本適用例によれば、反射防止層と対向基板との間に絶縁層が配置されているので、対向基板に対して付着性の悪い反射防止層の材料を用いることができる。よって、材料の選択肢を増やすことができる。また、絶縁層を介すことにより、反射防止層の段差を緩和させることができる。
[適用例6]上記適用例に係る電気光学装置において、前記電気光学パネルの少なくとも側面を囲うようにフレームが配置されており、前記フレームと、前記遮光層及び前記反射防止層と、の間に導電部材が配置されていることが好ましい。
本適用例によれば、電気光学パネルの周囲に、導電部材を介してフレームが配置されているので、電気光学パネルに蓄積された電荷を、フレームを介して逃がすことが可能となる。
[適用例7]上記適用例に係る電気光学装置において、前記フレームは開口部を有し、前記開口部の縁は、前記遮光層と平面視で重なるように配置されていることが好ましい。
本適用例によれば、フレームの開口部の縁が、遮光層と平面視で重なるように配置されているので、開口部から電気光学パネルを冷却することが可能となり、電気光学パネルの放熱性を向上させることができる。
[適用例8]本適用例に係る電気光学装置の製造方法は、上記に記載の電気光学装置を製造することを特徴とする。
本適用例によれば、上記に記載の電気光学装置を製造するので、電気光学パネルの厚みを薄くすることができると共に、表示品質を向上させることができる。加えて、かかるコストを抑えて製造することができる。
[適用例9]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記に記載の電気光学装置を備えているので、表示品質が向上したり、かかるコストを抑えたりすることが可能な電子機器を提供することができる。
大型基板の構成を示す模式平面図。 図1に示す大型基板のA部を拡大して示す拡大平面図。 液晶パネルの構成を示す模式平面図。 図3に示す液晶パネルのH−H’線に沿う模式断面図。 液晶パネルの画素の構造を示す模式断面図。 液晶装置を上方から示す模式平面図。 図6に示す液晶装置のB−B’線に沿う模式断面図。 図7に示す液晶装置のC部を拡大して示す拡大断面図。 液晶装置の製造方法を工程順に示すフローチャート。 プロジェクターの構成を示す概略図。 変形例の液晶装置の構造を示す模式断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
本実施形態では、電気光学装置の一例として、薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
<電気光学パネルを含む大型基板の構成>
図1は、大型基板の構成を示す模式平面図である。図2は、図1に示す大型基板のA部を拡大して示す拡大平面図である。以下、大型基板の構成を、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、大型基板500は、例えば、電気光学パネルとしての液晶パネル100を同時に複数製造することができる。大型基板500には、液晶パネル100を構成する一対の基板が複数個分、マトリックス状に面付けされている。大型基板500の大きさは、例えば、8インチである。大型基板500のうち一方の基板(第1大型基板)の厚みは、例えば、1.2mmである。他方の基板(第2大型基板)の厚みは、例えば、0.7mmである。大型基板500の材質は、例えば、石英である。
大型基板500は、液晶パネル100のうち製品となる領域の有効チップ領域501と、有効チップ領域501の周囲の領域である、液晶パネル100のうち製品とならない領域のダミーチップ領域502とを有する。
図2に示すように、各液晶パネル100には、表示領域Eの周辺に、周辺回路としてのデータ線駆動回路22、走査線駆動回路24、及び外部接続用端子部35が形成されている。データ線駆動回路22及び走査線駆動回路24と外部接続用端子部35とは、互いに配線29によって、電気的に接続されている。
<電気光学パネルとしての液晶パネルの構成>
図3は、液晶パネルの構成を示す模式平面図である。図4は、図3に示す液晶パネルのH−H’線に沿う模式断面図である。以下、液晶パネルの構成を、図3及び図4を参照しながら説明する。
図3及び図4に示すように、本実施形態の液晶パネル100は、対向するように配置された素子基板10及び対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された電気光学層としての液晶層15とを有する。素子基板10を構成する第1基材10aは、例えば、ガラス基板、石英基板などの透明基板、あるいはシリコン基板が用いられ、対向基板20を構成する第2基材20aは、例えば、ガラス基板、石英基板などの透明基板が用いられている。
素子基板10は対向基板20よりも大きく、両基板10,20は、対向基板20の外周に沿って配置されたシール材14を介して接合されている。平面視で環状に設けられたシール材14の内側で、素子基板10は対向基板20の間に正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層15を構成している。シール材14は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール材14には、一対の基板の間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
シール材14の内縁より内側には、複数の画素Pが配列した表示領域Eが設けられている。表示領域Eは、表示に寄与する複数の画素Pに加えて、複数の画素Pを囲むように配置されたダミー画素を含むとしてもよい。また、図3及び図4では図示を省略したが、表示領域Eにおいて複数の画素Pをそれぞれ平面的に区分する遮光膜(ブラックマトリックス:BM)が対向基板20に設けられている。
素子基板10の1辺部に沿ったシール材14と該1辺部との間に、データ線駆動回路22が設けられている。また、該1辺部に対向する他の1辺部に沿ったシール材14と表示領域Eとの間に、検査回路25が設けられている。さらに、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿ったシール材14と表示領域Eとの間に走査線駆動回路24が設けられている。該1辺部と対向する他の1辺部に沿ったシール材14と検査回路25との間には、2つの走査線駆動回路24を繋ぐ複数の配線29が設けられている。
対向基板20における環状に配置されたシール材14と表示領域Eとの間には、遮光部材としての遮光膜18が設けられている。遮光膜18は、例えば、遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなり、遮光膜18の内側が複数の画素Pを有する表示領域Eとなっている。なお、図3では図示を省略したが、表示領域Eにおいても複数の画素Pを平面的に区分する遮光膜が設けられている。
これらデータ線駆動回路22、走査線駆動回路24に繋がる配線は、該1辺部に沿って配列した複数の外部接続用端子部35に接続されている。以降、該1辺部に沿った方向をX方向とし、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向として説明する。
図4に示すように、第1基材10aの液晶層15側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極27およびスイッチング素子である薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor、以降、「TFT30」と呼称する)と、信号配線と、これらを覆う配向膜28とが形成されている。
また、TFT30における半導体層に光が入射してスイッチング動作が不安定になることを防ぐ遮光構造が採用されている。本発明における素子基板10は、少なくとも画素電極27、TFT30、配向膜28を含むものである。
対向基板20の液晶層15側の表面には、遮光膜18と、これを覆うように成膜された絶縁膜33と、絶縁膜33を覆うように設けられた対向電極31と、対向電極31を覆う配向膜32とが設けられている。本発明における対向基板20は、少なくとも絶縁膜33、対向電極31、配向膜32を含むものである。
遮光膜18は、図3に示すように、表示領域Eを取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路24、検査回路25と重なる位置に設けられている(図示簡略)。これにより対向基板20側からこれらの駆動回路を含む周辺回路に入射する光を遮蔽して、周辺回路が光によって誤動作することを防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が表示領域Eに入射しないように遮蔽して、表示領域Eの表示における高いコントラストを確保している。
絶縁膜33は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して遮光膜18を覆うように設けられている。このような絶縁膜33の形成方法としては、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
対向電極31は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなり、絶縁膜33を覆うと共に、図3に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通端子部26により素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極27を覆う配向膜28、および対向電極31を覆う配向膜32は、液晶パネル100の光学設計に基づいて選定される。配向膜28,32としては、気相成長法を用いてSiOx(酸化シリコン)などの無機材料を成膜して、負の誘電異方性を有する液晶分子に対して略垂直配向させた配向膜が挙げられる。
このような液晶パネル100は透過型であって、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも大きいノーマリーホワイトや、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも小さいノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
<液晶パネルを構成する画素の構成>
図5は、液晶パネルの画素の構造を示す模式断面図である。以下、液晶パネルの画素の構造を、図5を参照しながら説明する。なお、図5は、各構成要素の断面的な位置関係を示すものであり、明示可能な尺度で表されている。
図5に示すように、液晶パネル100は、素子基板10と、これに対向配置される対向基板20とを備えている。素子基板10を構成する第1基材10aは、上記したように、例えば、石英基板等によって構成されている。
図5に示すように、第1基材10a上には、例えば、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)等の材料を含む下側遮光層3cが形成されている。下側遮光層3cは、平面的に格子状にパターニングされており、各画素Pの開口領域を規定している。なお、下側遮光層3cは、導電性を有し、走査線3aの一部として機能するようにしてもよい。第1基材10a及び下側遮光層3c上には、酸化シリコン等からなる下地絶縁層11aが形成されている。
下地絶縁層11a上には、TFT30及び走査線3a等が形成されている。TFT30は、例えば、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、ポリシリコン(高純度の多結晶シリコン)等からなる半導体層30aと、半導体層30a上に形成されたゲート絶縁層11gと、ゲート絶縁層11g上に形成されたポリシリコン膜等からなるゲート電極30gとを有する。走査線3aは、ゲート電極30gとしても機能する。
半導体層30aは、例えば、リン(P)イオン等のN型の不純物イオンが注入されることにより、N型のTFT30として形成されている。具体的には、半導体層30aは、チャネル領域30cと、データ線側LDD領域30s1と、データ線側ソースドレイン領域30sと、画素電極側LDD領域30d1と、画素電極側ソースドレイン領域30dとを備えている。
チャネル領域30cには、ボロン(B)イオン等のP型の不純物イオンがドープされている。その他の領域(30s1,30s,30d1,30d)には、リン(P)イオン等のN型の不純物イオンがドープされている。このように、TFT30は、N型のTFTとして形成されている。
ゲート電極30g及びゲート絶縁層11g上には、酸化シリコン等からなる第1層間絶縁層11bが形成されている。第1層間絶縁層11b上には、容量素子16が設けられている。具体的には、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域30d及び画素電極27に電気的に接続された画素電位側容量電極としての第1容量電極16aと、固定電位側容量電極としての容量線3b(第2容量電極16b)の一部とが、誘電体膜16cを介して対向配置されることにより、容量素子16が形成されている。
誘電体膜16cは、例えば、シリコン窒化膜である。第2容量電極16b(容量線3b)は、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)等の高融点金属のうち少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。或いは、Al(アルミニウム)膜から形成することも可能である。
第1容量電極16aは、例えば、導電性のポリシリコン膜からなり容量素子16の画素電位側容量電極として機能する。ただし、第1容量電極16aは、容量線3bと同様に、金属又は合金を含む単一層膜又は多層膜から構成してもよい。第1容量電極16aは、画素電位側容量電極としての機能のほか、コンタクトホールCNT1,CNT3,CNT4を介して、画素電極27とTFT30の画素電極側ソースドレイン領域30d(ドレイン領域)とを中継接続する機能を有する。
容量素子16上には、第2層間絶縁層11cを介してデータ線6aが形成されている。データ線6aは、ゲート絶縁層11g、第1層間絶縁層11b、誘電体膜16c、及び第2層間絶縁層11cに開孔されたコンタクトホールCNT2を介して、半導体層30aのデータ線側ソースドレイン領域30s(ソース領域)に電気的に接続されている。
データ線6aの上層には、第3層間絶縁層11dを介して画素電極27が形成されている。第3層間絶縁層11dは、例えば、シリコンの酸化物や窒化物からなり、TFT30が設けられた領域を覆うことによって生じる表面の凸部を平坦化する平坦化処理が施される。平坦化処理の方法としては、例えば化学的機械的研磨処理(Chemical Mechanical Polishing:CMP処理)やスピンコート処理などが挙げられる。第3層間絶縁層11dには、コンタクトホールCNT4が形成されている。
画素電極27は、コンタクトホールCNT4,CNT3を介して第1容量電極16aに接続されることにより、半導体層30aの画素電極側ソースドレイン領域30d(ドレイン領域)に電気的に接続されている。なお、画素電極27は、例えば、ITO膜等の透明導電性膜から形成されている。
画素電極27及び隣り合う画素電極27間の第3層間絶縁層11d上には、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着した配向膜28が設けられている。配向膜28の上には、シール材14(図3及び図4参照)により囲まれた空間に液晶等が封入された液晶層15が設けられている。
一方、第2基材20a上(液晶層15側)には、例えば、PSG膜(リンをドーピングした酸化シリコン)などからなる絶縁膜33が設けられている。絶縁膜33上には、その全面に渡って対向電極31が設けられている。対向電極31上には、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着した配向膜32が設けられている。対向電極31は、上述の画素電極27と同様に、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。
液晶層15は、画素電極27と対向電極31との間で電界が生じていない状態で配向膜28,32によって所定の配向状態をとる。シール材14は、素子基板10及び対向基板20を貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、素子基板10と対向基板20の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のスペーサーが混入されている。
<電気光学装置としての液晶装置の構造>
図6は、液晶装置を上方から見た模式平面図である。図7は、図6に示す液晶装置のB−B’線に沿う模式断面図である。図8は、図7に示す液晶装置のC部を拡大して示す拡大断面図である。以下、液晶装置の構造を、図6〜図8を参照しながら説明する。
図6及び図7に示すように、液晶パネル100は、上記したように、素子基板10と、素子基板10と対向するように配置された対向基板20と、を備えている。素子基板10と対向基板20との間には、液晶層15が挟持されている。
素子基板10における液晶層15と反対側には、遮光層としての見切り110aと反射防止層112aとが配置されている。対向基板20における液晶層15と反対側には、素子基板10と同様、見切り110bと反射防止層112bとが配置されている。なお、見切り110a,110bと反射防止層112a,112bとの間には、絶縁層としてのオーバーコート111a,111bが配置されている。
オーバーコート111a,111bは、見切り110a,110bの材料に対して反射防止層112a,112bの付着性が良くない場合、用いることが好ましい。これにより、反射防止層112の材料の選択肢を増やすことができる。なお、付着性があれば、オーバーコート111a,111bは配置しなくてもよい。
また、オーバーコート111a,111bを設けることにより、見切り110a,110bの段差を緩和させることが可能となり、平坦なオーバーコート111a,111b上に反射防止層112a,112bを形成することができる。
液晶装置101は、上記液晶パネル100と、液晶パネル100の周囲を囲むように開口部120aを有するフレーム120が設けられている。液晶パネル100とフレーム120との間には、導電部材としての導電性の接着剤113が配置されており、液晶パネル100に蓄積された電荷をフレーム120に逃がすことが可能になっている。これにより、液晶パネル100にゴミなどが付着することを抑えることができる。なお、見切り110はメタル部材で構成されている。
反射防止層112は、例えば、低屈折率と高屈折率との積層膜で構成されている。低屈折率の材料としては、例えば、酸化シリコンが挙げられる。高屈折率の材料としては、例えば、ジルコニア(二酸化ジルコニウム)が挙げられる。
見切り110周辺の構造は、図8に示すように、見切り110bと接着剤113との接触面積が多くなるように、見切り110bの上面は、オーバーコート111b及び反射防止層112bと重ならない領域があることが好ましい。これにより、見切り110bの側面のみが接着剤113と接触する場合と比較して、液晶パネル100に蓄積した電荷を、見切り110bからフレーム120により確実に逃がすことができる。
また、フレーム120の開口部120a端部は、例えば、見切り110bの内縁110b1より外側、かつ、オーバーコート111b及び反射防止層112bの外縁112b1より内側になるように配置されている。
このように、防塵ガラスを介すことなく、対向基板20及び素子基板10に直接、見切り110a,110bや反射防止層112a,112bを形成することにより、液晶装置101を薄型化することができ、かかるコストを抑えることができる。また、見切り110や反射防止層112が形成されているので、不要な光が表示されることなく、表示品質を向上させることができる。
<液晶装置の製造方法>
図9は、液晶装置の製造方法を工程順に示すフローチャートである。以下、液晶装置の製造方法を、図9を参照しながら説明する。
最初に、素子基板10側の製造方法を説明する。まず、ステップS11では、石英基板などからなる第1基材10a上にTFT30を形成する。具体的には、まず、第1基材10a上に、アルミニウムなどからなる下側遮光層3c(走査線)を成膜する。その後、周知の成膜技術を用いて、酸化シリコンなどからなる下地絶縁層11aを成膜する。
次に、下地絶縁層11a上に、TFT30を形成する。具体的には、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術、及びエッチング技術を用いて、TFT30を形成する。
ステップS12では、画素電極27を形成する。まず、TFT30などの上に複数の層間絶縁層11を形成する。その後、層間絶縁層11上に、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術、及びエッチング技術を用いて、画素電極27を形成する。
ステップS13では、配向膜28を形成する。具体的には、画素電極27などを覆うように配向膜28を斜方蒸着法により形成する。これにより、素子基板10の表面に、所定の角度に傾くように柱状に積み重ねられたカラム(図示省略)を有する配向膜28が形成される。以上により、素子基板10側が完成する。
次に、対向基板20側の製造方法を説明する。まず、ステップS21では、ガラス基板等の透光性材料からなる第2基材20a上に、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、対向電極31を形成する。
ステップS22では、対向電極31上に配向膜32を形成する。配向膜32の製造方法は、上記した配向膜28の場合と同様であり、例えば、斜方蒸着法を用いて形成する。以上により、対向基板20側が完成する。次に、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる方法を説明する。
ステップS31では、素子基板10上にシール材14を塗布する。具体的には、例えば、素子基板10とディスペンサー(吐出装置でも可能)との相対的な位置関係を変化させて、素子基板10における表示領域Eの周縁部に(表示領域Eを囲むように)シール材14を塗布する。
シール材14としては、例えば、紫外線硬化型エポキシ樹脂が挙げられる。なお、紫外線などの光硬化型樹脂に限定されず、熱硬化型樹脂などを用いるようにしてもよい。また、シール材14には、例えば、素子基板10と対向基板20との間隔(ギャップ或いはセルギャップ)を所定値とするためのスペーサー等のギャップ材が含まれている。
ステップS32では、シール材14で囲まれた中に液晶を滴下する。詳しくは、シール材14で囲まれた領域に液晶を滴下する(ODF(One Drop Fill)方式)。滴下する方法としては、例えば、インクジェットヘッドなどを用いることができる。また、液晶は、シール材14によって囲まれた領域(表示領域E)の中央部に滴下することが望ましい。
ステップS33では、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる。具体的には、第1大型基板に塗布されたシール材14を介して第1大型基板と第2大型基板とを貼り合わせて、大型基板500を形成する。
ステップS34では、大型基板500に見切り110を形成する。具体的には、第1大型基板(素子基板10)の液晶層15と反対側、及び第2大型基板(対向基板20)の液晶層15と反対側に、見切り110を形成する。見切り110の製造方法としては、例えば、マスクを用いた真空蒸着法を用いることができる。
ステップS35では、大型基板500に反射防止層112を形成する。具体的には、まず、第1大型基板の液晶層15と反対側の面、及び第2大型基板の液晶層15と反対側の面に、オーバーコート111を形成する。その後、オーバーコート111を覆うように、反射防止層112を形成する。
反射防止層112は、例えば、真空蒸着法で形成することができる。このように、大型基板500の状態で反射防止層112を形成するので、1つの液晶パネル100に反射防止層112を形成する場合と比較して、製造方法の簡略化、及びかかるコストや工数を抑えることができる。
ステップS36では、大型基板500を切断する。具体的には、ダイシング処理を行ってスクライブし、その後に応力を加えてブレイクして、複数の液晶パネル100を形成する。その後、接着剤113を用いて液晶パネル100とフレーム120とを接着する。以上により、液晶装置101が完成する。
<電子機器の構成>
次に、上記液晶装置を備えた電子機器としてのプロジェクターについて、図10を参照しながら説明する。図10は、プロジェクターの構成を示す概略図である。
図10に示すように、本実施形態のプロジェクター1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。
このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述した液晶装置101が適用されたものである。液晶装置101は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このようなプロジェクター1000に、液晶ライトバルブ1210,1220,1230を用いているので、高い信頼性を得ることができる。
なお、液晶装置101が搭載される電子機器としては、プロジェクター1000の他、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートフォン、EVF(Electrical View Finder)、モバイルミニプロジェクター、電子ブック、携帯電話、モバイルコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ディスプレイ、車載機器、オーディオ機器、露光装置や照明機器など各種電子機器に用いることができる。
以上詳述したように、本実施形態の液晶装置101、液晶装置101の製造方法、及び電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)本実施形態の液晶装置101、及び液晶装置101の製造方法によれば、液晶パネル100を覆うように見切り110及び反射防止層112を形成する、言い換えれば、素子基板10及び対向基板20に直接見切り110及び反射防止層112を形成するので、例えば、見切り110及び反射防止層112を配置するために防塵基板を配置する場合と比較して、液晶パネル100全体の厚みを薄くすることができる。また、見切り110及び反射防止層112も従来と同様に形成するので、表示領域Eに不要な光が侵入したり、必要な光量が低下したりすることを抑えることができる。その結果、表示品質を向上させることが可能となると共に、かかるコストを抑えることができる。
(2)本実施形態の液晶装置101によれば、見切り110にメタル材料を用いて、フレーム120と導電性の接着剤113を介して電気的に接続させることにより、液晶パネル100に蓄積された電荷をフレーム120に逃がすことが可能となる。これにより、液晶パネル100にゴミが付着しにくくなり、表示品質を向上させることができる。加えて、液晶パネル100に蓄積された熱を、接着剤113からフレーム120に伝えて放熱させることができる。
(3)本実施形態の電子機器によれば、上記に記載の液晶装置101を備えているので、表示品質が向上したり、かかるコストを抑えたりすることが可能な電子機器を提供することができる。
なお、本発明の態様は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、本発明の態様の技術範囲に含まれるものである。また、以下のような形態で実施することもできる。
(変形例1)
上記した実施形態のように、フレーム120の開口部120a端部は、見切りの内縁120a1辺りになるように配置することに限定されず、例えば、図11に示すようにしてもよい。図11は、変形例の液晶装置102の構造を示す模式断面図である。変形例の液晶装置102は、上述の実施形態と比べて、フレーム121の開口部121a端部が、見切り110の外縁110b2に近い辺りになるように配置する部分が異なっている。その他の構成については概ね同様である。
図11に示すように、フレーム121の開口部121a端部は、見切り110の外縁110b2に近い部分になるようにフレーム121が配置されている。なお、開口部121a端部の位置としては、見切り110の内縁110b1から外縁110b2の間になるように配置することが好ましい。更に、好ましくは、見切り110bの外縁110b2に近い部分に開口部121a端部がくるように配置することが好ましい。
これによれば、フレーム121の開口部121aの領域が広いので、液晶パネル100に蓄積された熱が発熱しやすい。よって、例えば、液晶パネル100を上記したプロジェクター1000に適用した場合、開口部121aに風が当たりやすいので、光源からの熱を放熱しやすくできる。
また、接着剤113を介して、液晶パネル100とフレーム120とが接続されているので、液晶パネル100の熱をフレーム120に放熱しやすくなっている。これらにより、液晶パネル100の冷却性能を向上させることができる。
(変形例2)
上記した実施形態のように、素子基板10及び対向基板20の両方に見切り110や反射防止層112を設けたが、素子基板10又は対向基板20のどちらかに見切り110や反射防止層112を設けるようにしてもいい。
(変形例3)
上記したように、オーバーコート111aを介して素子基板10に反射防止層112aを形成したり、オーバーコート111bを介して対向基板20に反射防止層112bを形成したりすることに限定されず、オーバーコート111a,111bを介さずに素子基板10に反射防止層112aを形成したり、対向基板20に反射防止層112bを形成したりしてもよい。
(変形例4)
上記したように、電気光学装置として液晶装置101(液晶パネル100)を適用することに限定されず、例えば、有機EL装置、プラズマディスプレイ、電子ペーパー(EPD)等に適用するようにしてもよい。
3a…走査線、3b…容量線、3c…下側遮光層、CNT1〜CNT4…コンタクトホール、6a…データ線、10…素子基板、10a…第1基材、11…層間絶縁層、11a…下地絶縁層、11b…第1層間絶縁層、11c…第2層間絶縁層、11d…第3層間絶縁層、11g…ゲート絶縁層、14…シール材、15…電気光学層としての液晶層、16…容量素子、16a…第1容量電極、16b…第2容量電極、16c…誘電体膜、18…遮光膜、20…対向基板、20a…第2基材、22…データ線駆動回路、24…走査線駆動回路、25…検査回路、26…上下導通端子部、27…画素電極、28,32…配向膜、29…配線、30…TFT、30a…半導体層、30c…チャネル領域、30d…画素電極側ソースドレイン領域、30d1…画素電極側LDD領域、30g…ゲート電極、30s…データ線側ソースドレイン領域、30s1…データ線側LDD領域、31…対向電極、33…絶縁膜、35…外部接続用端子部、100…電気光学パネルとしての液晶パネル、101,102…液晶装置、110,110a,110b…遮光層としての見切り、111,111a,111b…絶縁層としてのオーバーコート、112,112a,112b…反射防止層、113…導電部材としての接着剤、120,121…フレーム、500…大型基板、501…有効チップ領域、502…ダミーチップ領域、1000…プロジェクター、1100…偏光照明装置、1101…ランプユニット、1102…インテグレーターレンズ、1103…偏光変換素子、1104,1105…ダイクロイックミラー、1106,1107,1108…反射ミラー、1201,1202,1203,1204,1205…リレーレンズ、1206…クロスダイクロイックプリズム、1207…投射レンズ、1210,1220,1230…液晶ライトバルブ、1300…スクリーン。

Claims (9)

  1. 素子基板と、前記素子基板と対向するように配置された対向基板と、前記素子基板と前記対向基板との間に配置された電気光学層と、を備える電気光学パネルと、
    前記電気光学パネルを覆うように配置される遮光層と、
    前記遮光層を覆うように配置される反射防止層と、
    を含むことを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1に記載の電気光学装置であって、
    前記反射防止層は、前記遮光層に接するように配置されることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項2に記載の電気光学装置であって、
    前記反射防止層と前記遮光層との間に、絶縁層が配置されることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記反射防止層は、前記対向基板に接するように配置されることを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記反射防止層と前記対向基板との間に、絶縁層が配置されることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記電気光学パネルの少なくとも側面を囲うようにフレームが配置されており、
    前記フレームと、前記遮光層及び前記反射防止層と、の間に導電部材が配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項6に記載の電気光学装置であって、
    前記フレームは開口部を有し、前記開口部の縁は、前記遮光層と平面視で重なるように配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電気光学装置を製造する工程を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  9. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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