JP2015040984A - マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示品質を向上させることが可能なマイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、電気光学装置、及び電子機器を提供する。【解決手段】基材20a上にポリシリコン膜42を形成する工程と、基材20aの有効チップ領域501にマイクロレンズ51を形成するため、ポリシリコン膜42の有効チップ領域501に開口孔42aを形成する工程と、ポリシリコン膜42上における、有効チップ領域501の周囲の領域(ダミーチップ領域502)に保護膜45を形成する工程と、開口孔42aを介して基材20aにエッチング処理を施し、基材20aにマイクロレンズ51を形成する工程と、を有する。【選択図】図12
Description
本発明は、マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、電気光学装置、及び電子機器に関する。
上記電気光学装置として、例えば、画素電極をスイッチング制御する素子としてトランジスターを画素ごとに備えたアクティブ駆動方式の液晶装置が知られている。液晶装置は、例えば、直視型ディスプレイやライトバルブなどにおいて用いられている。
このような液晶装置では、例えば、特許文献1に記載のように、光の利用効率を高めるため、液晶装置の各画素に対応する位置に微小なマイクロレンズを設けたものが知られている。マイクロレンズを備えたマイクロレンズ基板は、例えば、複数の液晶装置を同時に形成するために、大型基板(マザー基板)から形成される。
マイクロレンズ基板の製造方法は、石英からなる基板(マザー基板)上に、例えば、ポリシリコンで構成された開口孔を有するマスクを形成し、開口孔を介して基板をエッチングすることにより、基板に凹状のマイクロレンズが形成される。
しかしながら、マイクロレンズ基板を形成する過程において、マザー基板の外周に形成されたポリシリコンが接触などにより損傷し膜が剥がれる場合があり、エッチングを施してマイクロレンズを形成する工程において、マイクロレンズと共に、基板の外周に凹部が形成される。これにより、シール材を介して一対の基板(素子側のマザー基板、対向側のマザー基板)を貼り合せた際、外周の凹部の上にシール材が載ると、マザー基板に形成された複数の液晶装置のセルギャップがばらつくという課題がある。
本発明の態様は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法は、基板の上に第1膜を形成する工程と、前記基板の有効チップ領域にマイクロレンズを形成するため、前記第1膜に開口孔を形成する工程と、前記有効チップ領域の周囲の領域の上の前記第1膜を覆うように保護膜を形成する工程と、前記開口孔を介して前記基板にエッチング処理を施し、前記基板に前記マイクロレンズを形成する工程と、を有することを特徴とする。
本適用例によれば、例えば、大型基板(マザー基板)から複数のマイクロレンズ基板を形成する際、周囲の領域の第1膜上に保護膜を形成するので、周囲の領域の第1膜が直接損傷することを抑えることができる。これにより、周囲の領域において、第1膜がマスクとなって基板(マザー基板)の外周がエッチングされない。その結果、基板の外周に凹部が形成されることを防ぐことが可能となり、マイクロレンズ基板の品質を向上させることができる。
[適用例2]上記適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法において、前記保護膜は、酸化膜であることが好ましい。
本適用例によれば、酸化膜の一例として、低温酸化膜(LTO:Low Temperature Oxide)で保護膜を構成する、言い換えれば、高温酸化膜(HTO:High Temperature Oxide(例えば、700℃〜1100℃程度のアニール処理を行った酸化膜))のように高温で加熱しないので、保護膜の下に形成された第1膜や基板にダメージ(例えば、割れる)を与えることを抑えることができる。
[適用例3]上記適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法において、前記マイクロレンズが形成された前記基板の上にレンズ層を形成する工程と、前記レンズ層の表面を平坦化処理する工程と、を有することが好ましい。
本適用例によれば、レンズ層を平坦化処理するので、マイクロレンズ基板を構成する複数のマイクロレンズと、例えば、電気光学装置の画素との位置を全体に亘って略均一にすることができる。これにより、表示品質を向上させることができる。
[適用例4]本適用例に係るマイクロレンズ基板は、上記に記載のマイクロレンズ基板の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本適用例によれば、例えば、大型基板(マザー基板)から複数のマイクロレンズ基板を得る際、周囲の領域の第1膜上に保護膜が設けられるので、周囲の領域の第1膜が直接損傷することを抑えることができる。これにより、周囲の領域において、第1膜がマスクとなって基板の外周がエッチングされない。その結果、基板の外周に凹部が形成されることを防ぐことが可能となり、マイクロレンズ基板の品質を向上させることができる。
[適用例5]本適用例に係る電気光学装置は、上記に記載のマイクロレンズ基板と、前記マイクロレンズ基板と対向配置された素子基板と、前記素子基板と前記マイクロレンズ基板との間に配置された電気光学層と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記に記載のマイクロレンズ基板を備えるので、基板の外周に凹部が形成されることを防ぐことが可能となり、素子基板を有する第1マザー基板と、マイクロレンズ基板を有する第2マザー基板とを、シール材を介して貼り合せた際、複数の電気光学装置のセルギャップを略均一にすることができる。その結果、電気光学装置の表示品質を向上させることができる。
[適用例6]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記電気光学装置を備えているので、表示品質を向上させることが可能な電子機器を提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
本実施形態では、電気光学装置の一例として、薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
<電気光学装置としての液晶装置を含む大型基板の構成>
図1は、大型基板の構成を示す模式平面図である。図2は、図1に示す大型基板のA部を拡大して示す拡大平面図である。以下、大型基板の構成を、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、大型基板の構成を示す模式平面図である。図2は、図1に示す大型基板のA部を拡大して示す拡大平面図である。以下、大型基板の構成を、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、大型基板500は、例えば、液晶装置100を同時に複数製造するために用いられる。大型基板500には、液晶装置100を構成する一対の基板が複数個分、マトリックス状に面付けされている。大型基板500の大きさは、例えば、8インチである。大型基板500のうち一方の基板(第1マザー基板、第2マザー基板)の厚みは、例えば、1.2mmである。大型基板500の材質は、例えば、石英である。
図2に示すように、各液晶装置100には、表示領域Eの周辺に、周辺回路としてのデータ線駆動回路22、走査線駆動回路24、及び外部接続用端子61が形成されている。データ線駆動回路22及び走査線駆動回路24と外部接続用端子61とは、互いに配線29によって、電気的に接続されている。
図3は、シール材を介して一対のマザー基板を貼り合せた状態の大型基板の構造を示す模式断面図である。以下、大型基板の構成を、図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、大型基板500は、素子基板10側の第1マザー基板510と、対向基板20側の第2マザー基板520と、第1マザー基板510と第2マザー基板520とを貼り合わせるためのシール材14と、シール材14で囲まれた領域に配置された電気光学層としての液晶層15と、を備えている。
第1マザー基板510には、液晶装置100を構成する素子基板10がマトリックス状に複数面付けされている。第2マザー基板520には、マイクロレンズ基板50を含む対向基板20がマトリックス状に複数面付けされている。
大型基板500は、液晶装置100のうち製品となる領域の有効チップ領域501と、有効チップ領域501の周囲の領域である、液晶装置100のうち製品とならない領域の周囲の領域であるダミーチップ領域502とを有する(図1、図3参照)。
有効チップ領域501の液晶装置100は、対向基板20にマイクロレンズ51が形成されている。一方、ダミーチップ領域502の液晶装置100’は、対向基板20にマイクロレンズ51が形成されていない。言い換えれば、マイクロレンズ51は、少なくとも第2マザー基板520における製品となる有効チップ領域501に設けられている。
液晶装置100は、シール材14を介して第1マザー基板510と第2マザー基板520とを貼り合わせた後、液晶装置100の外周を切断することにより完成される。次に、大型基板500から最終的に形成される液晶装置100の構成について、図4を参照しながら説明する。
<電気光学装置としての液晶装置、及びマイクロレンズ基板の構成>
図4は、液晶装置の構成を示す概略斜視図である。図5は、液晶装置のうちマイクロレンズ基板の構成を示す概略斜視図である。図6は、液晶装置の構成を示す模式平面図である。図7は、図6に示す液晶装置のH−H’線に沿う模式断面図である。図8は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。以下、液晶装置、及びマイクロレンズ基板の構成を、図4〜図8を参照しながら説明する。
図4は、液晶装置の構成を示す概略斜視図である。図5は、液晶装置のうちマイクロレンズ基板の構成を示す概略斜視図である。図6は、液晶装置の構成を示す模式平面図である。図7は、図6に示す液晶装置のH−H’線に沿う模式断面図である。図8は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。以下、液晶装置、及びマイクロレンズ基板の構成を、図4〜図8を参照しながら説明する。
図4に示すように、本実施形態の液晶装置100は、素子基板10と、素子基板10の光入射側に配置された対向基板20を備えている。対向基板20は、基板としての基材20aとレンズ層52とを有するマイクロレンズ基板50と、対向電極31、配向膜32、絶縁層33などとを備えている。
図5に示すように、マイクロレンズ基板50は、光の入射側に配置される基材20aと、光の出射側に配置されるレンズ層52とを備えている。基材20aには、凹状のマイクロレンズ51が形成されている。
基材20aは、例えば、石英で構成されている。レンズ層52は、例えば、透明度の高い酸化膜で構成されている。複数のマイクロレンズ51は、基材20aにおいてマトリックス状に配列されている。各マイクロレンズ51は、図5において、上側に凹状にへこんだ凹レンズとして構築されている。本実施形態では、基材20a側から光が入射する。
マイクロレンズ基板50は、その使用時には、各マイクロレンズ51が、例えば、後述する素子基板10の各画素Pに対応するように配置される。従って、各マイクロレンズ51に入射する入射光は、各マイクロレンズ51の屈折作用により、素子基板10における各画素Pに向けて集光される。
図6及び図7に示すように、本実施形態の液晶装置100は、対向配置された素子基板10及び対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された液晶層15とを有する。素子基板10を構成する基材10aは、例えば、ガラス基板、石英基板などの透明基板が用いられている。
素子基板10は対向基板20よりも大きく、両基板は、対向基板20の外周に沿って配置されたシール材14を介して接合されている。その隙間に、正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層15を構成している。
シール材14は、例えば、熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール材14には、一対の基板の間隔を一定に保持するためのスペーサー(ガラスビーズ)が混入されている。ガラスビーズは、セルギャップを出すために用いられる。
シール材14の内側には、表示に寄与する複数の画素Pが配列した表示領域Eが設けられている。表示領域Eの周囲には、表示に寄与しないダミー画素領域(図示せず)が設けられている。また、図6及び図7では図示を省略したが、表示領域Eにおいて複数の画素Pをそれぞれ平面的に区分する遮光部(ブラックマトリックス;BM)が対向基板20に設けられている。
素子基板10の1辺部に沿ったシール材14と該1辺部との間に、データ線駆動回路22が設けられている。また、該1辺部に対向する他の1辺部に沿ったシール材14と表示領域Eとの間に、検査回路25が設けられている。さらに、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿ったシール材14と表示領域Eとの間に走査線駆動回路24が設けられている。該1辺部と対向する他の1辺部に沿ったシール材14と検査回路25との間には、2つの走査線駆動回路24を繋ぐ複数の配線29が設けられている。
対向基板20側における額縁状に配置されたシール材14の内側には、同じく額縁状に遮光膜18(見切り部)が設けられている。遮光膜18は、例えば、遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなり、遮光膜18の内側が複数の画素Pを有する表示領域Eとなっている。なお、図6では図示を省略したが、表示領域Eにおいても複数の画素Pを平面的に区分する遮光膜が設けられている。
これらデータ線駆動回路22、走査線駆動回路24に繋がる配線29は、該1辺部に沿って配列した複数の外部接続用端子61に接続されている。以降、該1辺部に沿った方向をX方向とし、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向として説明する。なお、検査回路25の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路22に沿ったシール材14と表示領域Eとの間に設けてもよい。
図7に示すように、基材10aの液晶層15側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極27およびスイッチング素子である薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor、以降、「TFT30」と呼称する)と、信号配線と、これらを覆う配向膜28とが形成されている。
また、TFT30における半導体層に光が入射してスイッチング動作が不安定になることを防ぐ遮光構造が採用されている。本発明における素子基板10は、少なくとも画素電極27、TFT30、信号配線、配向膜28を含むものである。
対向基板20の液晶層15側の表面には、遮光膜18と、これを覆うように成膜された絶縁層33と、絶縁層33を覆うように設けられた対向電極31と、対向電極31を覆う配向膜32とが設けられている。本発明における対向基板20は、少なくとも遮光膜18、対向電極31、配向膜32を含むものである。
遮光膜18は、図6に示すように表示領域Eを取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路24、検査回路25と重なる位置に設けられている。これにより対向基板20側からこれらの駆動回路を含む周辺回路に入射する光を遮蔽して、周辺回路が光によって誤動作することを防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が表示領域Eに入射しないように遮蔽して、表示領域Eの表示における高いコントラストを確保している。
絶縁層33は、例えば、酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して遮光膜18を覆うように設けられている。このような絶縁層33の形成方法としては、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
対向電極31は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなり、絶縁層33を覆うと共に、図6に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部26により素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極27を覆う配向膜28および対向電極31を覆う配向膜32は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。配向膜28,32としては、気相成長法を用いてSiOx(酸化シリコン)などの無機材料を成膜して、負の誘電異方性を有する液晶分子に対して略垂直配向させた配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は、例えば透過型であって、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも大きいノーマリーホワイトや、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも小さいノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
図8に示すように、液晶装置100は、少なくとも表示領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する複数の走査線3aおよび複数のデータ線6aと、容量線3bとを有する。走査線3aが延在する方向がX方向であり、データ線6aが延在する方向がY方向である。
走査線3aとデータ線6aならびに容量線3bと、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極27と、TFT30と、容量素子16とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線3aはTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6aはTFT30のデータ線側ソースドレイン領域(ソース領域)に電気的に接続されている。画素電極27は、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域(ドレイン領域)に電気的に接続されている。
データ線6aは、データ線駆動回路22(図6参照)に接続されており、データ線駆動回路22から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3aは、走査線駆動回路24(図6参照)に接続されており、走査線駆動回路24から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。
データ線駆動回路22からデータ線6aに供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6a同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路24は、走査線3aに対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極27に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極27を介して液晶層15に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極27と液晶層15を介して対向配置された対向電極31との間で一定期間保持される。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極27と対向電極31との間に形成される液晶容量と並列に容量素子16が接続されている。容量素子16は、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域と容量線3bとの間に設けられている。容量素子16は、2つの容量電極の間に誘電体層を有するものである。
<液晶装置を構成する画素の構成>
図9は、液晶装置のうち主に画素の構造を示す模式断面図である。以下、液晶装置のうち画素の構造を、図9を参照しながら説明する。なお、図9は、各構成要素の断面的な位置関係を示すものであり、明示可能な尺度で表されている。
図9は、液晶装置のうち主に画素の構造を示す模式断面図である。以下、液晶装置のうち画素の構造を、図9を参照しながら説明する。なお、図9は、各構成要素の断面的な位置関係を示すものであり、明示可能な尺度で表されている。
図9に示すように、液晶装置100は、素子基板10と、これに対向配置される対向基板20とを備えている。素子基板10を構成する基材10a、及び対向基板20を構成する基材20aは、例えば、石英基板等によって構成されている。
図9に示すように、基材10a上には、例えば、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)等の材料を含む下側遮光膜3cが形成されている。下側遮光膜3cは、平面的に格子状にパターニングされており、各画素Pの開口領域を規定している。なお、下側遮光膜3cは、導電性を有し、走査線3aの一部として機能するようにしてもよい。基材10a及び下側遮光膜3c上には、酸化シリコン等からなる下地絶縁層11aが形成されている。
下地絶縁層11a上には、TFT30及び走査線3a等が形成されている。TFT30は、例えば、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、ポリシリコン(高純度の多結晶シリコン)等からなる半導体層30aと、半導体層30a上に形成されたゲート絶縁層11gと、ゲート絶縁層11g上に形成されたポリシリコン膜等からなるゲート電極30gとを有する。走査線3aは、ゲート電極30gとしても機能する。
半導体層30aは、例えば、リン(P)イオン等のN型の不純物イオンが注入されることにより、N型のTFT30として形成されている。具体的には、半導体層30aは、チャネル領域30cと、データ線側LDD領域30s1と、データ線側ソースドレイン領域30sと、画素電極側LDD領域30d1と、画素電極側ソースドレイン領域30dとを備えている。
チャネル領域30cには、ボロン(B)イオン等のP型の不純物イオンがドープされている。その他の領域(30s1,30s,30d1,30d)には、リン(P)イオン等のN型の不純物イオンがドープされている。このように、TFT30は、N型のTFTとして形成されている。
ゲート電極30g及びゲート絶縁層11g上には、酸化シリコン等からなる第1層間絶縁層11bが形成されている。第1層間絶縁層11b上には、容量素子16が設けられている。具体的には、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域30d及び画素電極27に電気的に接続された画素電位側容量電極としての第1容量電極16aと、固定電位側容量電極としての容量線3b(第2容量電極16b)の一部とが、誘電体膜16cを介して対向配置されることにより、容量素子16が形成されている。
誘電体膜16cは、例えば、シリコン窒化膜である。第2容量電極16b(容量線3b)は、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)等の高融点金属のうち少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。或いは、Al(アルミニウム)膜から形成することも可能である。
第1容量電極16aは、例えば、導電性のポリシリコン膜からなり容量素子16の画素電位側容量電極として機能する。ただし、第1容量電極16aは、容量線3bと同様に、金属又は合金を含む単一層膜又は多層膜から構成してもよい。第1容量電極16aは、画素電位側容量電極としての機能のほか、コンタクトホールCNT1,CNT3,CNT4を介して、画素電極27とTFT30の画素電極側ソースドレイン領域30d(ドレイン領域)とを中継接続する機能を有する。
容量素子16上には、第2層間絶縁層11cを介してデータ線6aが形成されている。データ線6aは、ゲート絶縁層11g、第1層間絶縁層11b、誘電体膜16c、及び第2層間絶縁層11cに開孔されたコンタクトホールCNT2を介して、半導体層30aのデータ線側ソースドレイン領域30s(ソース領域)に電気的に接続されている。
データ線6aの上層には、第3層間絶縁層11dを介して画素電極27が形成されている。なお、第3層間絶縁層11dの上層表面は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の平坦化処理が施されている。
画素電極27は、コンタクトホールCNT4、コンタクトホールCNT3、第1容量電極16aを介してコンタクトホールCNT1に接続されることにより、半導体層30aの画素電極側ソースドレイン領域30d(ドレイン領域)に電気的に接続されている。なお、画素電極27は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜等の透明導電膜から形成されている。
画素電極27及び第3層間絶縁層11d上には、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着した配向膜28が設けられている。配向膜28上には、シール材14(図6及び図7参照)により囲まれた空間に液晶等が封入された液晶層15が設けられている。
一方、マイクロレンズ51を有する基材20a上(液晶層15側)には、レンズ層52と、例えば、PSG膜(リンをドーピングした酸化シリコン)などからなる絶縁層33が設けられている。絶縁層33上には、その全面に渡って対向電極31が設けられている。対向電極31上には、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着した配向膜32が設けられている。対向電極31は、上述の画素電極27と同様に、例えばITO膜等の透明導電膜からなる。
液晶層15は、画素電極27と対向電極31との間で電界が生じていない状態で配向膜28,32によって所定の配向状態をとる。シール材14は、素子基板10及び対向基板20を貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、素子基板10と対向基板20の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のスペーサーが混入されている。
<液晶装置の製造方法>
図10は、液晶装置の製造方法を工程順に示すフローチャートである。図11〜図14は、液晶装置の製造方法のうち一部の製造方法を示す模式断面図である。以下、液晶装置の製造方法を、図10〜図14を参照しながら説明する。
図10は、液晶装置の製造方法を工程順に示すフローチャートである。図11〜図14は、液晶装置の製造方法のうち一部の製造方法を示す模式断面図である。以下、液晶装置の製造方法を、図10〜図14を参照しながら説明する。
最初に、素子基板10側の製造方法を説明する。まず、ステップS11では、石英基板などからなる基材10a上にTFT30を形成する。具体的には、まず、基材10a上に、アルミニウムなどからなる下側遮光膜3c(走査線)を成膜する。その後、周知の成膜技術を用いて、シリコン酸化膜などからなる下地絶縁層11aを成膜する。
次に、下地絶縁層11a上に、TFT30を形成する。具体的には、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術、及びエッチング技術を用いて、TFT30を形成する。
ステップS12では、画素電極27を形成する。具体的には、TFT30の上層に形成された絶縁層11(11b〜11d)上にITO膜を成膜し、ITO膜をパターニングすることにより画素電極27を形成する。
ステップS13では、配向膜28を形成する。具体的には、例えば、画素電極27などを覆うように配向膜28を形成する。配向膜28の製造方法としては、例えば、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着する斜方蒸着法が用いられる。以上により、素子基板10側が完成する。
次に、対向基板20側の製造方法を説明する。ステップS21及びステップS22では、対向基板20を構成するマイクロレンズ基板50を形成する。ステップS21では、マイクロレンズ基板50のうちマイクロレンズ51を形成する。ステップS22では、マイクロレンズ基板50のうちレンズ層52を形成する。具体的には、図11〜図14を参照しながら説明する。
図11(a)に示す工程では、基材20a上に酸化膜41(高温酸化膜、HTO:High Temperature Oxide(例えば、700℃〜1100℃程度のアニール処理を施した酸化膜))を形成し、酸化膜41上に第1膜としてのポリシリコン膜42を形成する。酸化膜41は、例えば、基材20aよりエッチングレートが早い、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって形成されたシリコン酸化膜が用いられる。ポリシリコン膜42は、後にマスクとして用いられる。
更に、ポリシリコン膜42の上に保護膜45を形成する。保護膜45としては、酸化膜である。具体的には、低温酸化膜(LTO:Low Temperature Oxide)であることが好ましく、例えば、BPSG膜(ボロン、リンをドープした二酸化珪素膜)である。
図11(b)に示す工程では、保護膜45をパターニングして、ダミーチップ領域502を覆うように保護膜45を形成する。特に、ダミーチップ領域502の外周を覆うように保護膜45を形成する。
図11(c)に示す工程では、ポリシリコン膜42に開口孔42aを形成する。具体的には、図示しないレジストパターンをマスクとして、画素Pに対応する位置のポリシリコン膜42をエッチングして、複数の開口孔42aを形成する。開口孔42aの大きさは、後のエッチング工程で凹部51aを広げることから、画素Pの開口領域より小さく形成する。これにより、開口孔42aを有するマスク42bが完成する。
ポリシリコン膜からなるマスク42bはエッチングされない条件を用いる。エッチング液は、例えば、フッ酸である。
図12(d)に示す工程では、マスク42bの開口孔42aを介して、酸化膜41及び基材20aに第1のエッチング処理を施し、酸化膜41を開孔し、基材20aに凹部51aを形成する。エッチング処理は、ドライエッチング処理(異方性エッチング)である。酸化膜41の役割として、エッチングレートを調整することにより、基材20aに形成される凹部51aの横幅や深さを変えることができる。
次に、マスク42bを介して、酸化膜41及び基材20aに第2のエッチング処理を施す。第2のエッチング処理は、ウエットエッチング処理(等方性エッチング)である。これにより、酸化膜41の開口孔が広がると共に、基材20aの凹部51aが等方的に広がる。その結果、基材20aにマイクロレンズ51が形成される。
また、ダミーチップ領域502におけるポリシリコン膜42を保護膜45で覆うので、酸化膜41や基材20aが、ドライエッチング及びウエットエッチングに晒されることを防ぎ、例えば、基材20aにマイクロレンズ51と同様な凹部51aが形成されることを抑えることができる。なお、望まない凹部51aは、この位置に形成されることに限定されない。
図12(e)に示す工程では、保護膜45、及びポリシリコン膜42からなるマスク42bを除去する。これにより、マイクロレンズ51が完成する。
図12(f)に示す工程では、マイクロレンズ51を有する基材20a上の全体に、レンズ層前駆体膜52aを成膜する。レンズ層前駆体膜52aは、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)である。成膜方法としては、例えば、プラズマCVD法を用いることができる。マイクロレンズ51の上のレンズ層前駆体膜52aは、マイクロレンズ51の起伏に倣って、凹凸状になっている。この凹凸状の領域(マイクロレンズ領域51’)は、凹凸の分、膜の密度が低くなっている。
図13(g)に示す工程では、レンズ層前駆体膜52aの一部を除去するためのレジストパターン43を形成する。レンズ層前駆体膜52aの一部の除去は、後の工程で、レンズ層前駆体膜52aを平坦化処理する際に、膜密度の違いによって凹凸が生じることを抑えるために、基材20a上の全体を均一に平坦化するためである。
具体的には、レンズ層前駆体膜52aにおけるマイクロレンズ51の上に、レジストパターン43を形成する。まず、レンズ層前駆体膜52aの全体にレジスト膜を成膜する。次に、レジスト膜にフォトリソグラフィ法を用いて、マイクロレンズ51の上にレジストパターン43を形成する。なお、マイクロレンズ51が形成されていないダミーチップ領域502には、レジストパターン43は形成しない。
図13(h)に示す工程では、マイクロレンズ51の上に形成したレジストパターン43をマスクとして、マイクロレンズ領域51’を除く領域(平面視で重ならない領域)のレンズ層前駆体膜52aの一部をエッチングして除去する。これにより、マイクロレンズ領域51’のレンズ層前駆体膜52aと比較して、マイクロレンズ領域51’を除く領域のレンズ層前駆体膜52aの厚みが薄くなる。
このように、レンズ層前駆体膜52aの厚みを、膜密度が疎の状態のマイクロレンズ領域51’と、膜密度が密の状態のマイクロレンズ領域51’を除く領域とで異ならせることにより、後の工程でレンズ層前駆体膜52aを平坦化した際に、全体に亘って略均一に平坦化することができる。
図13(i)に示す工程では、レジストパターン43を除去する。レジストパターン43を除去する方法としては、例えば、アッシング(灰化)処理が用いられる。
図14(j)に示す工程では、レンズ層前駆体膜52aを平坦化してレンズ層52を形成する。平坦化する方法としては、CMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨を用いることができる。上記したように、マイクロレンズ領域51’のレンズ層前駆体膜52aの厚みに対して、それ以外の領域のレンズ層前駆体膜52aの厚みを薄くするので、平坦化処理した際に、レンズ層52の表面を略均一に平坦化することができる。
なお、従来の製造方法は、ダミーチップ領域502のポリシリコン膜42上に保護膜45が形成されてなく、基材20aの外周のポリシリコン膜42が損傷しやすい状態であった。よって、仮想線(図12(d)参照)で示すように、ポリシリコン膜42の無い部分からエッチングが進行し、凹部が形成されるという課題があった。
しかしながら、上記したように、ダミーチップ領域502のポリシリコン膜42上に保護膜45を形成するので、製造過程で基材20aの外周にダメージが加わったとしても、保護膜45があるため、直接ポリシリコン膜42を損傷しない。よって、マイクロレンズ51を形成する際にエッチング処理を施しても、ポリシリコン膜42がマスクとなり、酸化膜41や基材20aがエッチングされることを防ぐことができる。
ステップS23では、レンズ層52の上に、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、対向電極31を形成する。具体的には、ITOなどの透明導電性膜をスパッタし、これをエッチングすることによって形成することができる。
ステップS24では、対向電極31上に配向膜32を形成する。配向膜32の製造方法は、配向膜28と場合と同様であり、例えば、斜方蒸着法を用いて形成する。以上により、対向基板20側が完成する。次に、素子基板10(第1マザー基板510)と対向基板20(第2マザー基板520)とを貼り合わせる方法を説明する。
ステップS31では、素子基板10上にシール材14を塗布する。具体的には、素子基板10と、例えばディスペンサー(吐出装置でも可能)との相対的な位置関係を変化させて、素子基板10における表示領域Eの周縁部に(表示領域Eを囲むように)シール材14を塗布する。なお、シール材14は、有効チップ領域501及びダミーチップ領域502に形成する。ダミーチップ領域502に形成するシール材14は、例えば、一対の基板間を真空状態にするために用いられる。シール材14としては、例えば、紫外線硬化型エポキシ樹脂が挙げられる。
ステップS32では、シール材14で囲まれた中に液晶を滴下する。具体的には、液晶滴下方式(ODF(One Drop Fill)方式)を用いる。滴下する方法としては、例えば、インクジェットヘッドなどを用いることができる。また、液晶は、シール材14によって囲まれた領域(表示領域E)の中央部に滴下することが望ましい。
ステップS33では、第1マザー基板510と第2マザー基板520とを貼り合わせる。具体的には、素子基板10に塗布されたシール材14を介して素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる。
ステップS34では、貼り合わせた一対のマザー基板(510,520)を切断して、個々の液晶装置100を完成させる。具体的には、一対のマザー基板(510,520)を貼り合せた後、シール材14を硬化させる。その後、貼り合わされている大型基板500を液晶装置100の単位ごとに切り出す。以上により、液晶装置100が完成する。
<電子機器の構成>
次に、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置について、図15を参照しながら説明する。図15は、上記した液晶装置を備えた投射型表示装置の構成を示す概略図である。
次に、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置について、図15を参照しながら説明する。図15は、上記した液晶装置を備えた投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図15に示すように、本実施形態の投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。
このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述した液晶装置100が適用されたものである。液晶装置100は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230を用いているので、高い信頼性を得ることができる。
なお、液晶装置100が搭載される電子機器としては、投射型表示装置1000の他、EVF(Electrical View Finder)、モバイルミニプロジェクター、ヘッドアップディスプレイ、スマートフォン、携帯電話、モバイルコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ディスプレイ、車載機器、オーディオ機器、露光装置や照明機器など各種電子機器に用いることができる。
以上詳述したように、本実施形態のマイクロレンズ基板50の製造方法、マイクロレンズ基板50、液晶装置100、及び電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)本実施形態のマイクロレンズ基板50の製造方法、マイクロレンズ基板50、液晶装置100によれば、大型基板500(第1マザー基板510、第2マザー基板520)から複数の液晶装置100(マイクロレンズ基板50)を形成する際、マイクロレンズ51を形成する前に、ダミーチップ領域502のポリシリコン膜42を保護膜45で覆うので、ポリシリコン膜42、酸化膜41、及び基材20aが、ドライエッチング及びウエットエッチングに晒されることを防ぐことができる。よって、ダミーチップ領域502の外周(端部)に、マイクロレンズ51と同様な凹部51aが形成されることを抑えることができる(言い換えれば、基板の全体に亘って平坦化ができる)。これにより、ダミーチップ領域502の凸凹に起因して、一対のマザー基板510,520間のセルギャップがばらつくことを抑えることができる(バウンド現象を抑えることができる)。これにより、品質の高いマイクロレンズ基板50を形成することができ、表示品質の高い液晶装置100を形成することができる。
(2)本実施形態のマイクロレンズ基板50の製造方法、マイクロレンズ基板50、液晶装置100によれば、第2マザー基板520の外周(端部)が凹状に削れないので、第2マザー基板520の全体を広い範囲に亘って平坦化することができる。よって、有効チップ領域501の領域を広げることが可能となり、製品となる液晶装置100を多く製造することができる。
(3)本実施形態の電子機器によれば、表示品質を向上させることが可能な電子機器を提供することができる。
なお、本発明の態様は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、本発明の態様の技術範囲に含まれるものである。また、以下のような形態で実施することもできる。
(変形例1)
上記したように、液晶滴下法(ODF)を用いる液晶装置100に限定されず、例えば、シール材14の一部の注入口から液晶を注入する方式(液晶注入法)の液晶装置に適用するようにしてもよい。
上記したように、液晶滴下法(ODF)を用いる液晶装置100に限定されず、例えば、シール材14の一部の注入口から液晶を注入する方式(液晶注入法)の液晶装置に適用するようにしてもよい。
(変形例2)
上記したように、対向基板20にマイクロレンズ51を備える液晶装置100に適用することに限定されず、例えば、素子基板10にマイクロレンズを備える液晶装置に適用するようにしてもよい。
上記したように、対向基板20にマイクロレンズ51を備える液晶装置100に適用することに限定されず、例えば、素子基板10にマイクロレンズを備える液晶装置に適用するようにしてもよい。
(変形例3)
上記したように、電気光学装置として液晶装置100に適用することに限定されず、例えば、有機EL装置、プラズマディスプレイ、電子ペーパー等に適用するようにしてもよい。
上記したように、電気光学装置として液晶装置100に適用することに限定されず、例えば、有機EL装置、プラズマディスプレイ、電子ペーパー等に適用するようにしてもよい。
3a…走査線、3b…容量線、3c…下側遮光膜、CNT1〜CNT4…コンタクトホール、6a…データ線、10…素子基板、10a…基材、11…絶縁層、11a…下地絶縁層、11b…第1層間絶縁層、11c…第2層間絶縁層、11d…第3層間絶縁層、11g…ゲート絶縁層、14…シール材、15…液晶層、16…容量素子、16a…第1容量電極、16b…第2容量電極、16c…誘電体膜、18…遮光膜、20…対向基板、20a…基板としての基材、22…データ線駆動回路、24…走査線駆動回路、25…検査回路、26…上下導通部、27…画素電極、28,32…配向膜、29…配線、30…TFT、30a…半導体層、30c…チャネル領域、30d…画素電極側ソースドレイン領域、30d1…画素電極側LDD領域、30g…ゲート電極、30s…データ線側ソースドレイン領域、30s1…データ線側LDD領域、31…対向電極、33…絶縁層、41…酸化膜、42…第1膜としてのポリシリコン膜、42a…開口孔、42b…マスク、43…レジストパターン、45…保護膜、50…マイクロレンズ基板、51…マイクロレンズ、51a…凹部、52…レンズ層、52a…レンズ層前駆体膜、61…外部接続用端子、100…液晶装置、500…大型基板、501…有効チップ領域、502…周囲の領域であるダミーチップ領域、510…第1マザー基板、520…第2マザー基板、1000…投射型表示装置、1100…偏光照明装置、1101…ランプユニット、1102…インテグレーターレンズ、1103…偏光変換素子、1104,1105…ダイクロイックミラー、1106,1107,1108…反射ミラー、1201,1202,1203,1204,1205…リレーレンズ、1206…クロスダイクロイックプリズム、1207…投射レンズ、1210,1220,1230…液晶ライトバルブ、1300…スクリーン。
Claims (6)
- 基板の上に第1膜を形成する工程と、
前記基板の有効チップ領域にマイクロレンズを形成するため、前記第1膜に開口孔を形成する工程と、
前記有効チップ領域の周囲の領域の上の前記第1膜を覆うように保護膜を形成する工程と、
前記開口孔を介して前記基板にエッチング処理を施し、前記基板に前記マイクロレンズを形成する工程と、
を有することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。 - 請求項1に記載のマイクロレンズ基板の製造方法であって、
前記保護膜は、酸化膜であることを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。 - 請求項1又は請求項2に記載のマイクロレンズ基板の製造方法であって、
前記マイクロレンズが形成された前記基板の上にレンズ層を形成する工程と、
前記レンズ層の表面を平坦化処理する工程と、
を有することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法により製造されたことを特徴とするマイクロレンズ基板。
- 請求項4に記載のマイクロレンズ基板と、
前記マイクロレンズ基板と対向配置された素子基板と、
前記素子基板と前記マイクロレンズ基板との間に配置された電気光学層と、
を備えることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項5に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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JP2021033110A (ja) * | 2019-08-27 | 2021-03-01 | セイコーエプソン株式会社 | 電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 |
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