JP2005062619A - 液晶表示素子及びその製造方法並びに液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示素子及びその製造方法並びに液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 遮光の位置誤差を抑制し、画像周辺の色つき等の発生を防止する。
【解決手段】 透明電極26が一主面上に形成された透明基板22と、透明基板22と対向して配置され、透明電極26と対向する主面に各画素に対応した複数の反射画素電極35が形成された駆動回路基板23と、反射画素電極35の周囲に設けられ、透明基板22と駆動回路基板23との間の端縁部を封止するシール材25と、シール材25により封止された透明基板22と駆動回路基板23との間に液晶が封入されてなる液晶層24と、透明基板22の透明電極26が形成された主面上又は透明電極26が形成された主面とは反対側の主面上に、複数の反射画素電極35により形成される表示領域の外側の領域を覆う遮光層37とを備える。
【選択図】 図2


Description

本発明は、入射した光を変調し出射する液晶表示素子及びその製造方法、並びにそのような反射型液晶表示素子によって変調された光を用いて映像表示を行う液晶表示装置に関する。
従来より、プロジェクションディスプレイ(プロジェクタ)等の液晶表示装置は、ランプ等の光源と、ランプからの照明光を赤色光、緑色光、青色光に分離する分離光学素子と、分離された赤色光、緑色光、青色光を映像信号に応じて変調するライトバルブと、変調された赤色光、緑色光、青色光を合成する合成プリズムと、合成された光をスクリーンに投射することで映像表示を行う投射レンズとを備えることで画像表示を行う。このライトバルブには、液晶表示素子が用いられており、この液晶表示素子には、大別して透過型と反射型とがある。透過型液晶表示素子は、背面に配置されたバックライトからの光を変調し透過光として出射する。一方、反射型液晶表示素子は、入射した光を変調し反射光として出射するものであり、近年、プロジェクタの高精細化、小型化及び高輝度化が進むにつれて、高精細化及び小型化が可能であり且つ高い光利用効率が期待できる表示デバイスとして注目され、実用化されている。
例えば図15に示す反射型液晶素子100は、ITO(Indium-Tin Oxide)等の透明な導電材料からなる透明電極101が設けられたガラス基板102と、アルミニウムを主成分とする金属材料からなる反射画素電極103が設けられた駆動回路基板104とが互いに対向配置され且つその端縁部がシール材105によって封止されると共に、内部に液晶106aを封入することで液晶層106が形成された構造を有している。駆動回路基板104は、例えばC−MOS(Complementary-Metal Oxide Semiconductor)型の半導体スイッチング駆動回路をシリコン基板上に形成したものである。そして、この上に形成される反射画素電極103は、ガラス基板102側から入射した光を反射する機能及び液晶層106に対して電圧を印加する機能を有している。
この反射型液晶表示素子100では、互いに対向するガラス基板102の透明電極101と駆動回路基板104の反射画素領域103との間に電圧を印加することで、液晶層106に対して電圧が印加される。このとき、液晶層106では、電極間の電位差に応じて光学的な特性が変化し、通過する光を変調させる。これにより、反射型液晶表示素子100では、光変調による階調表示が可能となっている。
ところで、反射型液晶表示素子100では、素子の光利用効率を高めるための反射防止膜107がガラス基板102の光入射側に形成されている。また、反射型液晶表示素子100では、分離光学素子から出射された光は反射画素領域103に照射されている。このとき照射光は、光学系の加工精度や取付精度を考慮して、反射画素領域103よりも多少大きく照射するように設計されている。ここで、この反射型液晶表示素子100には、画像表示領域以外への光の照射による画像周辺の黒浮きに繋がるのを防ぐために画像部に合わせた遮光板108がガラス基板102の光入射側に配置されている。
この遮光板108は、台座109上に素子を固定したのちに、台座109と遮光板108の位置を制御しながら取り付けられている。
しかしながら、このような構造を有する反射型液晶素子100では、反射画素電極103以外の領域に入射する照明光を遮光するため、遮光板108の取付精度、加工精度をきわめて高くする必要がある。このため、反射型液晶素子100では、加工コストが高くなり、取り付けの際のコストが大幅に高くなるという問題があった。
さらに、このような反射型液晶素子100をR,G,Bライトバルブに用いた場合には、出来上がった画像周辺部において、画像表示領域に対して、遮光板の位置の誤差が約0.8mm程度発生するために、画像周辺に、赤、緑、青やその混ざったシアン、マゼンダ等の色つきとして現れる問題があった。
また、液晶表示素子としては、例えば、特許文献1に示すように、遮光層を形成した別のガラス板を配置し、接着剤により取り付けるものがある。
例えば、図16に示す反射型液晶表示素子120は、上述した反射型液晶素子100と同様に、透明電極101が設けられたガラス基板102と、反射画素電極103が設けられた駆動回路基板104とが互いに対向配置され且つその端縁部がシール材105によって封止されると共に、内部に液晶層106が形成された構造を有している。
この反射型液晶表示素子120において、ガラス基板102の光入射側には、液晶素子の画像表示領域以外への光の入射を防ぐために画像部に合わせてクロム、酸化クロムの積層等による遮光層122を形成した別のガラス板121を配置し、反射型液晶表示素子120上に屈折率を合わせた接着剤123により接着する。この接着剤123は、ガラス基板102及び別のガラス板121のガラスの屈折率に合わせたものが用いられ、画像周辺の遮光と界面反射を防止している。このガラス板121の光入射側には、素子の光利用効率を高めるために反射防止膜107が形成されている。
しかしながら、このような機能を有する液晶表示素子120では、追加するガラス板121をガラス基板102に接着する際に、気泡の混入を抑止しながら接着する必要があり、遮光層122の位置合わせを精度よく行うために取付時間が膨大にかかり、そのため高いコストがかかるという問題があった。また、この液晶表示素子120では、貼り合わせに使う接着剤123の透過率の低下や光による劣化により、光利用効率の低下や寿命の低下による光に対する信頼性の低下が問題となっていた。
特開平9−146075号公報
そこで、本発明の目的は、表示領域以外の領域に入射する光を適切に遮光することによって、性能及び信頼性の向上を図ると共に低コスト化を実現できる液晶表示素子を提供することにある。
また、本発明の目的は、そのような液晶表示素子を効率よく製造することによって、生産性を大幅に向上させた液晶表示素子の製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、そのような液晶表示素子を用いて適切な遮光を行うことを可能とし、この液晶表示素子の表示領域に対応する画像周辺に色ズレが生じることなく適切な画像表示を行うことができる液晶表示装置を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明に係る液晶表示素子は、透明電極が一主面上に形成された透明基板と、透明基板と対向して配置され、透明電極と対向する主面に各画素に対応した複数の駆動回路及び反射画素電極が形成された駆動回路基板と、上記反射画素電極の周囲に設けられ、透明基板と駆動回路基板との間を封止するシール材と、シール材により封止された透明基板と駆動回路基板との間に液晶が封入されてなる液晶層と、透明基板の透明電極が形成された主面上又は透明電極が形成された主面とは反対側の主面上に、複数の反射画素電極により形成される表示領域の外側の領域を覆う遮光層とを備えることを特徴としている。
以上のように、本発明に係る液晶表示素子によれば、透明基板の透明電極が形成された主面上又は透明電極が形成された主面とは反対側の主面上に、複数の反射画素電極により形成される表示領域を囲むように形成されるので、従来必要であった遮光板やカバーガラス等を設ける必要がなく、透明基板に形成された遮光層により表示領域以外の部分を適切に遮光することができる。
本発明に係る液晶表示素子の製造方法は、一主面上に透明電極を形成し、透明電極が形成された主面又は透明電極が形成された主面と反対側の主面に、各液晶表示素子に対応した複数の遮光層を各素子の表示領域の外側の領域を覆うように形成した透明基板を作製する透明基板作製工程と、一主面上に各液晶表示素子の表示領域における各画素に対応した複数の駆動回路及び複数の反射画素電極を形成し、複数の反射画素電極により形成される表示領域の外側の領域を囲むように各液晶表示素子に対応した複数のシール材を形成した駆動回路基板を作製する駆動回路基板作製工程と、透明基板の透明電極が形成された主面と駆動回路基板の反射画素電極が形成された主面とを互いに対向させながら、表示領域と上記シール材が形成された領域との間の領域に、透明基板の遮光層が位置するように、透明基板と駆動回路基板とをシール材により接合一体化する接合工程と、接合工程において接合一体化された透明基板及び駆動回路基板を各液晶表示素子毎に切断して、分割する分割工程と、分割工程において分割された各液晶表示素子の透明基板と駆動回路基板との間に液晶を注入する液晶注入工程とを有することを特徴としている。
以上のように、本発明に係る液晶表示素子の製造方法では、表示領域とシール材が形成された領域との間の領域に遮光層が位置するように透明基板と駆動回路基板とをシール材により接合一体化するので、正確に遮光した複数の液晶表示素子を一括して製造することができる。また、複数の遮光層の位置合わせを一度に済ますことができる。
本発明に係る液晶表示装置は、光源と、光源から出射された光を複数の色光に分離する光分離手段と、光分離手段により分離された複数の色光を映像信号に応じて変調する複数の液晶表示素子と、複数の液晶表示素子で変調された色光を合成する光合成手段と、光合成手段により合成された光をスクリーンに投射する投射手段とを備え、複数の液晶表示素子は、透明電極が一主面上に形成された透明基板と、透明基板と対向して配置され、透明電極と対向する主面に各画素に対応した複数の反射画素電極が形成された駆動回路基板と、反射画素電極の周囲に設けられ透明基板と駆動回路基板との間を封止するシール材と、シール材により封止された透明基板と駆動回路基板との間に液晶が封入されてなる液晶層と、透明基板の透明電極が形成された主面上又は透明電極が形成された主面とは反対側の主面上に、複数の反射画素電極により形成される表示領域を囲むように形成される遮光層とを有することを特徴としている。
以上のように、本発明に係る液晶表示装置では、液晶表示素子における遮光層が複数の反射画素電極により形成される表示領域を囲むように形成されるので、光合成手段により映像を一致させて合成するときの画像周縁部のズレ等の発生を防止できる。
以上のように、本発明によれば、透明基板の透明電極が形成された主面上又は透明電極が形成された主面とは反対側の主面上に、透明の反射画素電極により形成される表示領域を囲むように形成されるので、透明基板上の遮光層により表示領域以外の部分を適切に遮光することができ、素子としての性能を向上できる。さらに、透明基板上に遮光層を設けたので、従来必要であった遮光板やカバーガラス等を設ける必要がなくなる。
また、本発明によれば、表示領域とシール材が形成された領域との間の領域に遮光層が位置するように透明基板と駆動回路基板とをシール材により接合一体化するので、適切に遮光できる液晶表示素子を一度に複数製造することができる。また、接合工程において各液晶表示素子に対応する表示領域とシール材が形成された領域との間の領域に遮光層が位置するように接合させるので、緻密な位置合わせが必要である位置合わせ工程を複数の液晶表示素子に対して一度に行うことができる。複数の液晶表示素子に対して一度に位置合わせを行うので、コストの低減が可能となる。
また、本発明によれば、液晶表示素子における遮光層が表示領域の外側を覆うように形成され、各液晶表示素子の遮光が適切であり、各液晶表示素子で変調された各画像が正確に投射されるので、光合成手段により映像を一致させて合成させたときの画像周縁部の色ズレ等の発生を防止でき、品質の高い画像が得られる。
また、本発明では、透明基板作製工程において、透明電極が形成された主面と反対側の主面を覆う反射防止膜を形成する。よって、本発明では、製造工程において疵が付きやすく処理が困難であった、反射防止膜を透明基板上に一括して設けることができ、駆動回路基板と接合された後に分割されるので、反射防止膜に疵が付く工程が少なくなり、製造された液晶表示素子の品質が向上する。
以下、本発明を適用した液晶表示素子及びその製造方法並びに液晶表示装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明を適用した液晶表示装置として、例えば図1に示す反射型液晶プロジェクタ1について説明する。
この反射型液晶プロジェクタ1は、いわゆる3板方式として、赤、緑、青の3原色に対応した3つのライトバルブに反射型液晶表示素子を使用し、スクリーン(図示せず。)上に拡大投影されたカラー映像を表示する投写型液晶表示装置である。
具体的に、この反射型液晶プロジェクタ1は、照明光を出射する光源であるランプ2と、ランプ2からの照明光を赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)に分離する光分離手段であるダイクロイック色分離フィルタ3及びダイクロイックミラー4と、分離された赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)をそれぞれ変調して反射する光変調手段であるRライトバルブ5R,Gライトバルブ5G及びBライトバルブ5Bと、変調された赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)を合成する光合成手段である合成プリズム6と、合成された照明光をスクリーンに投射する投射手段である投射レンズ7とを備えている。
ランプ2は、赤色光(R)、緑色光(G)及び青色光(B)を含む白色光を照射するものであり、例えばハロゲンランプや、メタルハイドランプ、キセノンランプ等からなる。
また、ランプ2とダイクロイック色分離フィルタ3との間の光路中には、ランプ2から出射された照明光の照度分布を均一化するフライアイレンズ8や、照明光のP,S偏光成分を一方の偏光成分(例えばS偏光成分)に変換する偏光変換素子9、照明光を集光させるコンデンサレンズ10等が配置されている。
ダイクロイック色分離フィルタ3は、ランプ2から照射された白色光を青色光(B)とその他の色光(R,G)とに分離する機能を有し、分離された青色光(B)とその他の色光(R,G)とを互いに逆向きに反射させる。
また、ダイクロイック色分離フィルタ3とBライトバルブ5Bとの間には、分離された青色光(B)Bライトバルブ5Bに向けて反射させる全反射ミラー11が配置され、ダイクロイック色分離フィルタ3とダイクロイックミラー4との間には、分離されたその他の色光(R,G)をダイクロイックミラー4に向けて反射させる全反射ミラー12が配置されている。
ダイクロイックミラー4は、その他の色光(R,G)を赤色光(R)と緑色光(G)とに分離する機能を有し、分離された赤色光(R)をRライトバルブ5Rに向かって透過させ、分離された緑色光(G)をGライトバルブ5Gに向かって反射させる。
また、各ライトバルブ5R,5G,5Bと合成プリズム6との間には、それぞれ分離された各色光R,G,Bを各ライトバルブ5R,5G,5Bに導くR,G,B偏光ビームスプリッタ13R,13G,13Bが配置されている。これらR,G,B偏光ビームスプリッタ13R,13G,13Bは、入射した各色光R,G,BをP偏光成分とS偏光成分とに分離する機能を有し、一方の偏光成分(例えばS偏光成分)をR,G,Bライトバルブ5R,5G,5Bに向かって反射させ、他方の偏光成分(例えばP偏光成分)を合成プリズム6に向かって透過させる。
R,G,Bライトバルブ5R,5G,5Bは、後述する本発明を適用した反射型液晶表示素子からなり、各偏光ビームスプリッタ13R,13G,13Bによって導かれた一方の偏光成分(例えばS偏光成分)の光を映像信号に応じて偏光変調させながら、その偏光変調された光を各偏光ビームスプリッタ13R,13G,13Bに向かって反射させる。
合成プリズム6は、いわゆるクロスキューブプリズムであり、各偏光ビームスプリッタ13R,13G,13Bを通過した他方の偏光成分(例えばP偏光成分)の各色光R,G,Bを合成する機能を有し、合成された光を投射レンズ7に向かって照射する。
投射レンズ7は、合成プリズム6からの光をスクリーンに向かって拡大投影する機能を有している。
以上のように構成される反射型液晶プロジェクタ1では、ランプ2から出射された白色光がダイクロイック色分離フィルタ3及びダイクロイックミラー4によって、赤色光(R),緑色光(G),青色光(B)に分離される。これら分離された赤色光(R),緑色光(G),青色光(B)は、S偏光成分の光であり、各偏光ビームスプリッタ13R,13G,13Bを通って各ライトバルブ5R,5G,5Bへと入射される。各ライトバルブ5R,5G,5Bに入射された赤色光(R),緑色光(G),青色光(B)は、各ライトバルブ5R,5G,5Bの各画素に印加される駆動電圧に応じて偏光変調された後、各偏光ビームスプリッタ13R,13G,13Bに向かって反射される。そして、これら変調された赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)は、P偏光成分の光のみが各偏光ビームスプリッタ13R,13G,13Bを透過し、合成プリズム6によって合成され、この合成された光が投射レンズ7によってスクリーン上に拡大投射される。
なお、上述した各ライトバルブ5R,5G,5Bを構成する液晶表示素子は、駆動電圧がゼロとなる場合、入射されたS偏光成分の光をそのままS偏光成分の光として反射することになる。この場合、赤色光(R),緑色光(G),青色光(B)が各偏光ビームスプリッタ13R,13G,13Bを透過せずに、いわゆるノーマリーブラック表示モードと呼ばれる黒表示を行う。また、後述する液晶表示素子では、駆動電圧の上昇と共に偏光変調されたP偏光成分の光が増加することで透過率が上昇することになることで階調表示を行う。
以上のようにして、この反射型液晶プロジェクタ1では、ライトバルブ5R,5G,5Bによって変調された光に応じた映像をスクリーン上に拡大投影することでカラー映像表示を行うことができる。
次に、上述したライトバルブ5R,5G,5Bを構成する本発明を適用したアクティブ型の液晶表示素子20について説明する。
図2に示すように、この液晶表示素子20は、互いに対向配置された透明基板22及び駆動回路基板23と、これら透明基板22と駆動回路基板23との間に液晶24aを注入することによって形成された液晶層24と、これら透明基板22と駆動回路基板23との端縁部を封止するシール材25とを備える。
透明基板22は、例えばガラス基板からなり、このガラス基板の駆動回路基板23と対向する一方の主面22a上に、光透過性を有する透明電極26が全面に亘って形成されている。この透明電極26は、例えば酸化すず(SnO)と酸化インジウム(In)との固溶体物質であるITO(Indium-Tin Oxide)等の透明な導電材料からなり、全画素領域で共通の電位(例えば接地電位)が印加されるようになっている。
透明基板22の透明電極26が形成された主面22aと反対側の他方の主面22bには、表示領域以外の部分に光が照射しないように、表示領域を囲むように形成された遮光層37がフォトリソグラフ技術によるパターニングにより設けられている。この遮光層37は、例えば、遮光性を表すOD値が3.5程度のもので、クロム(Cr)−酸化クロム(CrO)の積層膜のものを用いる。尚、この遮光層37には、酸化クロム(CrO)−クロム(Cr)−酸化クロム(CrO)を用いてもよい。遮光層37に酸化クロム(CrO)−クロム(Cr)−酸化クロム(CrO)を用いたときは、さらに遮光表面の反射を抑制できる。
液晶表示素子20の透明基板22には、図2に示すように、透明基板22と空気層との界面の反射を防止し、素子の光利用効率を向上させるために、光入射側、すなわち、他主面22b側に、蒸着により反射防止膜38が形成される。反射防止膜38には、屈折率がおよそ1.5の透明ガラス基板22と屈折率1の空気層の屈折率差による反射の約4%を可視光領域である400〜700nmにおいて、例えば反射率を0.5%以下に抑えるような層構造を持つものを使用する。液晶表示素子20は、反射防止膜38を設けたことにより、透明基板と空気層との界面の反射を防止し、素子の光利用効率を向上させることができる。
駆動回路基板23は、図2、図3及び図4に示すように、例えばC−MOS(Complementary-Metal Oxide Semiconductor)27と、液晶層24に電圧を供給する補助容量であるコンデンサ28とからなるスイッチング駆動回路29を、シリコン基板上の透明基板22と対向する主面に各画素毎にマトリクス状に複数配列して形成したものである。また、このシリコン基板上には、各FET27のソース電極と電気的に接続された信号線30と、各FET27のゲート電極と電気的に接続された走査線31とが互いに直交する方向に複数並んで形成されており、これら信号線30と走査線31との交差位置が各画素32aに対応した表示領域32となっている。さらに、これら表示領域32の外側には、各信号線30に表示電圧を印加する信号ドライバ33と、各走査線31に選択パルスを印加する走査ドライバ34とがロジック部として形成されている。尚、スイッチング駆動回路29は、液晶層24の駆動電圧に対応した耐圧がトランジスタに要求されるため、一般的にロジック部よりも高い耐圧プロセスで作製される。
また、シリコン基板上には、各FET27のドレイン電極と電気的に接続された略矩形状の反射画素電極35が各画素毎にマトリクス状に複数配列して形成されている。この反射画素電極35は、可視領域で高い反射率を有する。例えば、アルミニウム(Al)、具体的には、LSIプロセスで配線に用いられる銅(Cu)やシリコン(Si)を数重量%以下だけ添加したアルミニウム(Al)を主成分とする金属膜からなる。この反射画素電極35は、透明基板22側から入射した光を反射する機能及び液晶層24に対して電圧を印加する機能とを有しており、さらに反射率を上げるため、誘電体ミラーのような多層膜をAl膜上に積層したものであってもよい。尚、この反射画素電極25の厚みは、50〜500nm程度である。
遮光層37は、図5に示すように、反射画素電極35で構成される表示領域32の周辺を囲むように、換言すると表示領域の外側の領域を覆うように形成されている。また、遮光層37は、表示領域32とシール材が形成されたシール領域との間の領域に枠状に形成されている。すなわち、遮光層37は、反射画素電極35以外の駆動回路基板23面に照射する光を遮光する。
そして、透明電極26と反射画素電極35との間には、液晶層24が介在するようになされている。また、透明基板22と駆動回路基板23との互いに対向する対向面には、それぞれ透明電極26及び反射が素電極35を被覆する配向膜(図示せず。)が形成されている。これら配向膜は、液晶層24の液晶分子を所定の方向に配向させるため、例えば表面にラビング処理が施されたポリイミド等の高分子膜や、酸化珪素(SiO)等の無機材料をシリコン基板に対して斜め方向から蒸着させた遮光蒸着膜等からなる。
液晶層24は、負の誘電異方性を有するネマテッィク液晶を配向膜によって垂直配向させた、いわゆる垂直配向液晶であり、電圧が印加されると、液晶分子が所定の方向にティルトし、そのとき生じる複屈折により光の透過率を変化させることで階調表示を行う。
ここで、垂直配向とは、液晶の初期の分子配向が基板に対して垂直に配列された状態のことをいう。しかしながら、液晶分子が完全に垂直配向した場合、電圧の印加によって液晶分子がランダムな方向に傾き、明暗のムラが生じることになる。したがって、液晶分子の傾斜する方向を一様とするため、この液晶分子の長軸を基板の法線に対して傾けるプレティルト角を一定の方向(一般的には、デバイスの対角方向)に僅かに与えて垂直配向させる必要がある。また、プレティルト角があまり大きいと、垂直配向性が劣化し、黒レベルが上昇してコントラストを低下したり、V−T(駆動電圧−透過率)曲線に影響を与えることとなる。したがって、一般的には、プレティルト角を1°〜7°の角度範囲で制御している。
透明電極26には、上述のようにITOが用いられるが、屈折率が約1.9のITO層を用いた場合、ITO層−ガラス(屈折率が約1.5)、ITO層−液晶界面(屈折率が約1.5)となり、屈折率のミスマッチにより界面反射が発生してしまうおそれがある。この界面反射を防ぐため、透明電極には、酸化シリコンとITOとの積層を数層重ねたものを用いればよい。酸化シリコンとITOとを数層重ねた透明電極は、優れた反射防止機能を持つ。
以上のように構成される液晶表示素子20では、透明基板22側から入射した入射光が、液晶層24を通過しながら、駆動回路基板23側の反射画素電極35で反射された後に、反射光として入射光とは逆向きに、液晶層24及び透明基板22を通過して出射される。このとき、液晶層24は、透明電極26と反射画素電極35との間に印加される駆動電圧の電位差に応じて、その光学的な特性が変化し、通過する光を変調させることなる。したがって、この液晶表示素子20では、上述した光変調による階調表現が可能となり、その変調された反射光を映像表示に利用することが可能となっている。
ところで、この液晶表示素子20では、反射画素電極35に入射する入射光Sは、図6に示すように、拡がり角を有している。よって、遮光層37は、反射画素電極35が形成された表示領域32よりも僅かに広い開口を持つことになる。この遮光層37が設けられた領域と表示領域32との距離X1は、遮光層37と反射画素電極35の光軸方向の間隙X2及び上述の入射光Sの拡がり角により決定される。この反射型液晶表示素子20においては、X2は約0.7mmで形成されており、このとき遮光層37が設けられた領域と表示領域32の距離X1は約0.2mmである。
また、遮光層37は、図5に示すように、シール材25が形成されたシール領域より内側に形成される。すなわち、遮光層37は、シール材25に入射する入射光を遮光しないように構成される。よって、シール材25にUV硬化性の接着剤を使用するときもUV硬化性の接着剤は良好に接着効果を発揮できる。遮光層37が形成された領域とシール材25が形成されたシール領域の距離X3についての制限は特にない。
一方、シール材25が形成されたシール領域と反射画素電極35が形成された表示領域32との距離X4は、0.7mm以上とされている。これは、シール材25付近の液晶24は、液晶としての性能が発揮できず、距離X4を0.7mm未満とした場合には、この液晶表示素子を用いた液晶表示装置で得られる画像に悪影響を及ぼすおそれがある。これに対し、距離X4を0.7mm以上とした場合には、この液晶表示素子を用いた液晶表示装置で得られる画像は良好に表示される。このように、シール材25は、反射画素電極35が形成された表示領域32の周囲、すなわち外側に設けられている。ここでは、シール材25が、透明基板22と駆動回路基板23との間の端縁部に設けられているが、シール材が透明基板22と駆動回路基板23との間の端縁部より内側に設けられてもよい。
よって、遮光層37は、シール材25が形成されたシール領域及び反射画素電極35が形成された表示領域32の間の領域内に枠状に形成される。この液晶表示素子20において、遮光層37の幅X5は、0.5mm〜2.0mmとされる。遮光層37の幅X5が0.5mm以下のとき、遮光層37が設けられた領域と表示領域32との距離X1が約0.2mmとされ、シール領域と表示領域32の距離X4は、0.7mm以下となり、画像に悪影響を及ぼしてしまう。遮光層37の幅X5が2.0mm以上のとき、遮光層37が設けられた領域と表示領域32との距離X1が約0.2mmとされ、シール領域と表示領域32の距離X4は、2.2mm以上となり、画像は良好に表示されるが、各領域が必要以上に大きく形成され、この液晶表示素子を用いた液晶表示装置の大きさも大きくなるので、装置のコンパクト化に不利となるし、遮光層37や液晶層24も大きくなるので、コスト的にも問題となる。遮光層の幅X5が0.5mm以上2.0mm以下のときは、入射光の遮光としての機能を充分に発揮でき、且つ画像に悪影響を与えることなく、液晶表示素子の性能に必要最小限の大きさで液晶表示素子を構成できるので、この液晶表示素子を用いた液晶表示装置のコンパクト化に有利であり、さらに、この液晶表示素子を製作するコストも最大限に抑えることができる。
この液晶表示素子20では、遮光層37が表示領域32の外側の領域を覆うにフォトリソグラフ技術によるパターニングにより形成されているので、位置及び寸法精度を容易に管理することで画素表示領域32に対して優れた加工精度で透明基板22上に形成することができる。この画素表示領域32に対する遮光層37の位置誤差は数10μm程度に低減することができる。この数10μmという値は、従来のカバーガラスや遮光板を設けた液晶表示素子の遮光の位置誤差(約0.1mm)の約1/10である。
また、この液晶表示素子20を用いた液晶表示装置では、各色毎に分離して映像信号に応じて変調し、スクリーン上で映像を一致させて合成するときに画像表示領域に対する遮光の位置誤差が低減されるので、各色毎の画像周縁部にズレが生じることがなく適切に一致される。また、ズレが生じることにより発生する画像周縁部の色つき等の発生を防止することができる。
さらに、液晶表示素子20は、シール材25に入射する入射光を遮光しないので、透明電極26及び遮光層37を設けた透明基板22と駆動回路基板23との間の端縁部をシール材25で封止する際に、UV硬化性の接着剤を用いることができる。さらに、接着剤による素子の光利用効率の低下や、素子の信頼性の低下、品質の低下等を防ぐことができる。
また、液晶表示素子20は、枠状に設けた遮光層37を駆動回路基板23と透明基板22とを接着する際の位置合わせマークとして利用することができ、従来必要であった位置合わせマークが不要となり、製造に係る工程を削減し、コスト低減を可能とする。
上述したように、この反射型液晶プロジェクタ1では、各ライトバルブ5R,5G,5Bを構成する液晶表示素子の透明基板に設けられた遮光層が表示領域12を囲むように形成されているので、遮光の位置誤差を低減することができ、遮光の位置誤差による画像周縁部の色つき等の問題を解消することができる。よって、この反射型液晶プロジェクタ1では、画像周辺に赤、緑、青、もしくはこれらが混ざったシアン、マゼンダ等の色が現れることなく、高画質表示を行うことができる。
次に、上述した液晶表示素子20の製造方法について、図7〜図13を用いて説明する。
本発明を適用した液晶表示素子の製造方法は、透明基板に透明電極及び遮光層を設ける透明基板作製工程、ウェハに駆動回路及び反射画素電極を設ける駆動回路基板作製工程、透明基板作製工程により作製された透明基板及び駆動回路基板作製工程により作製された駆動回路基板を位置合わせして接合する接合工程、接合された接合ブロックを液晶表示素子に対応して分割する分割工程及び分割された複数の液晶表示素子に液晶を形成する液晶注入工程とからなる。
まず、透明基板作製工程では、図7及び図8に示すように、複数の液晶表示素子に対応する透明基板61の一主面側61aに、透明電極62を形成する。この透明電極62が形成された主面と反対側の主面61bに、各液晶表示素子に対応した複数の遮光層63をフォトリソグラフ技術によりパターニングする。また、透明電極62が形成された主面61aと反対側の主面61bに全面に渡って反射防止膜63を形成する。これにより、透明電極62及び遮光層63が形成された透明基板61が作製される。
また、駆動回路基板形成工程では、図9,図10に示すように、ウェハ65に各液晶表示素子の表示領域における各画素に対応した複数の駆動回路67を形成する。次に、図11に示すように、ウェハ65に各液晶表示素子の表示領域における各画素に対応した複数の反射画素電極68を形成する。次に、図12に示すように、各液晶表示素子の表示領域の外側の領域に各液晶表示素子に対応した複数のシール材69を形成される。これにより、駆動回路67及び反射画素電極68が形成された駆動回路基板66が作製される。
次に、接合工程では、図13に示すように、透明基板61の透明電極62と駆動回路基板67の反射画素電極68とが対向するようにし、且つ、各液晶表示素子の表示領域と各液晶表示素子のシール材69が形成されたシール領域との間の領域に各液晶表示素子の遮光層が位置するように、位置合わせする。このとき、各液晶表示素子の反射画素電極68が形成された表示領域、遮光層63が形成された領域及びシール材69が形成されたシール領域の関係は、図5を用いて説明した上述の液晶表示素子20の関係と同様とされる。具体的には、遮光層63は、反射画素電極が形成された表示領域の外側に形成され、且つ、シール材69が形成されたシール領域の内側に形成される。
次に、接合一体化工程では、透明基板61と駆動回路基板67の位置合わせは、透明基板61側に設けたマーキング70と駆動回路基板67側に設けたマーキング71とを合わせることで行う。位置合わせされた各液晶表示素子に対応する透明基板61と駆動回路基板67は、シール材69で封止された状態で貼り合わされ、一体化する。
次に、分割工程において、上述の接合一体化された透明基板67及び駆動回路基板67は、隣り合う液晶表示素子のシール材が形成された領域の間で切断され、各液晶表示素子毎に分割される。
次に、液晶注入工程では、分割された各液晶表示素子毎に液晶を注入し、液晶層を形成することで、上述した図2に示す液晶表示素子20を一括作製することができる。
本発明によれば、反射防止膜、遮光層、透明電極層を持つガラス基板を用いて、素子を形成する際に、駆動基板、ガラス基板を各素子に分割してから液晶パネル化するプロセスフローで行うのではなく、反射防止膜、パターニングされた遮光層、透明電極層を持つガラス基板を用意し、駆動基板側と位置合わせを事前に行った後に、両者を貼り付け固着させ、その後に、各素子に分割し、液晶注入を行い、液晶素子を形成するので、厳しい位置合わせが必要な表示領域に対する遮光層の取り付けを一度に行うことができるので、工程を簡略化でき、コスト的に非常に有意である。
また、本発明では、透明基板作製工程において、透明電極が形成された主面と反対側の主面を覆う反射防止膜を形成しているので、製造工程において疵が付きやすく処理が困難であった、反射防止膜を透明基板上に一括して設けることができ、駆動回路基板と接合された後に分割されるので、反射防止膜に疵が付く工程が少なくなり、製造された液晶表示素子の品質が向上する。
また、本発明を適用した液晶表示素子の製造方法において、遮光層は、半導体製造プロセス等で用いられれるフォトリソグラフ技術を用いることで、位置及び寸法精度を容易に管理することができるので、透明基板上に優れた加工精度で形成される。
よって、本発明を適用した液晶表示素子の製造方法により製造される液晶表示素子は、透明電極が形成された透明基板に遮光層を設けたので、遮光の位置誤差を数10μm程度に抑えることができる。
尚、接合工程において、透明基板61と駆動回路基板67の位置合わせは、透明基板61に形成された遮光層63を基準にし、駆動回路基板67に形成された表示領域の位置を決めて行うことができる。また、この透明基板61と駆動回路基板67の位置合わせは、駆動回路基板67に形成された表示領域を基準にし、透明基板61に形成された遮光層63の位置を決めて行ってもよい。この液晶表示素子の製造方法においては、従来必要であった透明基板61上のマーキング70及び駆動回路基板67上のマーキング71を設ける必要がなくなる。
次に、本発明を適用した液晶表示素子の他の例について、図14を用いて説明する。尚、図14に示す液晶表示素子41においては、上述の液晶表示素子20と同様に構成を示すものには、同じ符号を付すとともに説明は省略する。
この液晶表示素子41は、液晶表示素子20において遮光層37が透明基板22の他方の主面22bに形成されているのに対し、遮光層42が透明基板22の一方の主面22aに形成されている。
この遮光層42は、反射画素電極35で構成される表示領域32の周辺を囲むように、表示領域の外側に形成されている。すなわち、遮光層42は、反射画素電極35以外の駆動回路基板23面に照射する光を遮光する。この遮光層42は、反射画素電極35が形成された表示領域32よりも僅かに大きい開口を持つことになる。この遮光層42が設けられた領域と表示領域32の隙間は約0.01mm程度とされる。これは、上述の液晶表示素子20の遮光層37に比べて、遮光層42と反射画素電極35の光軸方向の間隙がほとんどなく、遮光層のパターニング精度と駆動回路基板23と透明基板22の位置合わせ精度のみを考慮したものである。
また、遮光層42は、シール材25が形成されたシール領域より内側に形成される。すなわち、遮光層37は、シール材25に入射する入射光を遮光しないように構成される。よって、シール材25にUV硬化性の接着剤を使用するときもUV硬化性の接着剤は良好に接着硬化を発揮できる。遮光層42が形成された領域とシール材25が形成された領域の隙間についての制限は特にない。
一方、シール材25が形成されたシール領域と反射画素電極35が形成された表示領域32との隙間は、上述の液晶表示素子20の場合と同様に、0.7mm以上とされている。
よって、遮光層42は、シール材25が形成されたシール領域及び反射画素電極35が形成された表示領域32の間の領域内に枠状に形成される。この液晶表示素子41において、遮光層42の幅は、0.69mm〜2.0mmとされる。遮光層42の幅が0.69mm以下のとき、遮光層42が設けられた領域と表示領域32の隙間が0.01mmとされ、シール領域と表示領域32の隙間が0.7mm以下となり、画像に悪影響を及ぼすおそれがある。遮光層42の幅が2.0mm以上のとき、遮光層42が設けられた領域と表示領域の隙間が0.01mmとされ、シール領域と表示領域32の隙間は、2.01mm以上となり、画像は良好に表示されるが、各領域が必要以上に大きく形成され、この液晶表示素子を用いた液晶表示装置の大きさも大きくなるので、装置のコンパクト化に不利となるし、遮光層42や液晶層24も大きくなるので、コスト的にも問題となる。遮光層の幅が0.69mm以上2.0mm以下のときは、入射光の遮光としての機能を充分に発揮でき、且つ画像に悪影響を与えることなく、液晶表示素子の性能に必要最小限の大きさで液晶表示素子を構成できるので、この液晶表示素子を用いた液晶表示装置のコンパクト化に有利であり、さらに、この液晶表示素子を製作するコストも最大限に抑えることができる。
以上のように構成される液晶表示素子41では、液晶表示素子20と同様に、透明基板22側から入射した入射光が、液晶層24を通過しながら、駆動回路基板23側の反射画素電極35で反射された後に、反射光として入射光とは逆向きに、液晶層24及び透明基板22を通過して出射される。このとき、液晶層24は、透明電極26と反射画素電極35との間に印加される駆動電圧の電位差に応じて、その光学的な特性が変化し、通過する光を変調させることなる。したがって、この液晶表示素子41では、上述した光変調による階調表現が可能となり、その変調された反射光を映像表示に利用することが可能となっている。
液晶表示素子41では、透明基板22に設けられた遮光層42が表示領域32を囲むように形成されているので、駆動回路基板23上の反射画素電極35により構成される画素表示領域32以外の部分には入射光が入射しないように構成されるので、表示領域32に対する遮光の位置誤差を数10μm程度に低減することができる。この数10μmという値は、従来のカバーガラスや遮光板を設けた液晶表示素子の遮光の位置誤差(約0.1mm)の約1/10である。
また、この液晶表示素子41を用いた液晶表示装置では、各色毎に分離して映像信号に応じて変調し、映像を一致させて合成するときに画像表示領域に対する遮光の位置誤差が低減されるので、各色毎の画像周縁部にズレが生じることがなく、ズレが生じることにより発生する画像周縁部の色つき等の発生を防止することができる。
さらに、液晶表示素子41は、シール材25に入射する入射光を遮光しないので、透明電極26及び遮光層37を設けた透明基板22と駆動回路基板23との間の端縁部をシール材25で封止する際に、UV硬化性の接着剤を用いることができる。さらに、接着剤による素子の光利用効率の低下や、素子の信頼性の低下等を防ぐことができる。
また、液晶表示素子41は、枠状に設けた遮光層37を駆動回路基板23と透明基板22とを接着する際の位置合わせマークとして利用することができ、従来必要であった位置合わせマークが不要となり、製造に係る工程を削減し、コスト低減を可能とする。
さらに、液晶表示素子41は、液晶表示素子20に比べて、遮光層42と反射画素電極35との間隔が狭いので、さらに適切に遮光することができる。
また、この液晶表示素子41を用いた液晶表示装置では、さらに、スクリーン上での画像周辺に赤、緑、青、もしくはこれらが混ざったシアン、マゼンダ等の色にじみを極小化でき、高画質表示を行うことができる
尚、本発明は、上述した反射型の液晶表示素子20,41及びこれを用いた反射型液晶プロジェクタ1に限定されるものではなく、透過型の液晶表示素子及びこれを用いた液晶表示装置等に適用可能である。
本発明を適用した反射型液晶プロジェクタの構成を示すブロック図である。 本発明を適用した液晶表示素子の構成を示す断面図である。 駆動回路基板の構成を示す模式図である。 スイッチング駆動回路の構成を示す回路図である。 本発明を適用した液晶表示素子の構成を示す平面図である。 本発明を適用した液晶表示素子における遮光層の構成を説明するための断面図である。 本発明を適用した液晶表示素子の製造方法において、透明基板が形成される工程を説明するための斜視図である。 本発明を適用した液晶表示素子の製造方法において、透明基板上に透明電極及び複数の遮光層が形成されたことを示す斜視図である。 本発明を適用した液晶表示素子の製造方法において、駆動回路基板が形成される工程を説明するための斜視図である。 本発明を適用した液晶表示素子の製造方法において、駆動回路基板上に駆動回路が形成されたことを示す斜視図である。 本発明を適用した液晶表示素子の製造方法において、駆動回路基板上に駆動回路及び反射画素電極が形成されたことを示す斜視図である。 本発明を適用した液晶表示素子の製造方法において、駆動回路基板上に各液晶表示素子に対応したシール材が形成されたことを示す斜視図である。 本発明を適用した液晶表示素子の製造方法において、透明基板及び駆動回路基板を接合一体化する工程を示す斜視図である。 本発明を適用した液晶表示素子の他の構成を示す断面図である。 従来の液晶表示素子の構成を示す断面図である。 従来の液晶表示素子の他の構成を示す断面図である。
符号の説明
1 反射型液晶プロジェクタ、2 ランプ、3 ダイクロイック色分離フィルタ、4 ダイクロイックミラー、5R,5G,5B R,G,Bライトバルブ、6 合成プリズム、7 投射レンズ、13R,13G,13B R,G,B偏光ビームスプリッタ、20 液晶表示素子、22 透明基板、23 駆動回路基板、24 液晶層、25 シール材、26 透明電極、29 スイッチング駆動回路、32 表示領域、35 反射画素電極、37 遮光層、38 反射防止膜、

Claims (10)

  1. 透明電極が一主面上に形成された透明基板と、
    上記透明基板と対向して配置され、上記透明電極と対向する主面に各画素に対応した複数の駆動回路及び反射画素電極が形成された駆動回路基板と、
    上記反射画素電極の周囲に設けられ、上記透明基板と上記駆動回路基板との間を封止するシール材と、
    上記シール材により封止された上記透明基板と上記駆動回路基板との間に液晶が封入されてなる液晶層と、
    上記透明基板の上記透明電極が形成された主面上又は上記透明電極が形成された主面とは反対側の主面上に、上記複数の反射画素電極により形成される表示領域の外側の領域を覆う遮光層とを備える液晶表示素子。
  2. 上記遮光層は、上記表示領域と上記シール材が形成された領域との間の領域に形成されていることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 上記表示領域と上記シール材が形成された領域との間の距離が0.7mm以上であることを特徴とする請求項2記載の液晶表示素子。
  4. 上記透明基板の上記透明電極が形成された主面と反対側の主面とを覆う反射防止膜を備えることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  5. 上記遮光層は、フォトリソグラフ技術により上記透明基板上に形成されていることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  6. 一主面上に透明電極を形成し、上記透明電極が形成された主面又は上記透明電極が形成された主面と反対側の主面に、各液晶表示素子に対応した複数の遮光層を各素子の表示領域の外側の領域を覆うように形成した透明基板を作製する透明基板作製工程と、
    一主面上に各液晶表示素子の表示領域における各画素に対応した複数の駆動回路及び複数の反射画素電極を形成し、上記複数の反射画素電極により形成される表示領域の外側の領域を囲むように各液晶表示素子に対応した複数のシール材を形成した駆動回路基板を作製する駆動回路基板作製工程と、
    上記透明基板の透明電極が形成された主面と上記駆動回路基板の反射画素電極が形成された主面とを互いに対向させながら、上記表示領域と上記シール材が形成された領域との間の領域に上記透明基板の遮光層が位置するように、上記透明基板と上記駆動回路基板とを上記シール材により接合一体化する接合工程と、
    上記接合工程において接合一体化された透明基板及び駆動回路基板を各液晶表示素子毎に切断して、分割する分割工程と、
    上記分割工程において分割された各液晶表示素子の上記透明基板と上記駆動回路基板との間に液晶を注入する液晶注入工程とを有する液晶表示素子の製造方法。
  7. 上記透明基板作製工程において、上記透明電極が形成された主面と反対側の主面とを覆う反射防止膜を形成することを特徴とする請求項6記載の液晶表示素子の製造方法。
  8. 上記接合工程において、上記透明基板に形成された上記遮光層を基準にし、上記駆動回路基板に形成された上記表示領域の位置を決めることを特徴とする請求項6記載の液晶表示素子の製造方法。
  9. 上記透明基板作製工程において、上記透明基板に上記複数の遮光層をフォトリソグラフ技術により形成することを特徴とする請求項6記載の液晶表示素子の製造方法。
  10. 光源と、
    上記光源から出射された光を複数の色光に分離する光分離手段と、
    上記光分離手段により分離された複数の色光を映像信号に応じて変調する複数の液晶表示素子と、
    上記複数の液晶表示素子で変調された色光を合成する光合成手段と、
    上記光合成手段により合成された光をスクリーンに投射する投射手段とを備え、
    上記複数の液晶表示素子は、透明電極が一主面上に形成された透明基板と、上記透明基板と対向して配置され、上記透明電極と対向する主面に各画素に対応した複数の反射画素電極が形成された駆動回路基板と、上記反射画素電極の周囲に設けられ上記透明基板と上記駆動回路基板との間を封止するシール材と、上記シール材により封止された上記透明基板と上記駆動回路基板との間に液晶が封入されてなる液晶層と、上記透明基板の上記透明電極が形成された主面上又は上記透明電極が形成された主面とは反対側の主面上に、上記複数の反射画素電極により形成される表示領域を囲むように形成される遮光層とを有することを特徴とする液晶表示装置。
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