JP2016027690A - フィルタ装置とフィルタ特性の調整方法 - Google Patents

フィルタ装置とフィルタ特性の調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも高周波数化した周波数帯域に対応でき、高周波数化に伴って外部の影響を受け易くなることを防いだフィルタ装置と、その特性調整方法とを提供する。
【解決手段】誘電体ブロック21、外導体22、および、内導体23を有する誘電体共振素子2Aと、誘電体共振素子2Aの貫通孔24に正面側から挿入した端子具3Aと、端子具3Aを介して誘電体共振素子2Aと電気的に接続した板状回路素子4と、誘電体共振素子2Aおよび板状回路素子4を搭載した基板5と、を備えるフィルタ装置1であって、外導体22は、誘電体ブロック21の周面とともに背面も覆うように設けており、誘電体共振素子2Aは、正面で内導体23と外導体22とを分離する第1の電極非形成部25と、貫通孔24または誘電体ブロック21の背面で内導体23と外導体22とを分離する第2の電極非形成部26と、を有している、フィルタ装置1。
【選択図】図2

Description

本発明は、誘電体共振素子を利用したフィルタ装置と、その特性調整方法とに関する。
誘電体共振素子は、貫通孔を設けた誘電体ブロックの外面に外導体を形成し、貫通孔の内面に内導体を形成して構成される。誘電体共振素子は、内導体と外導体とを貫通孔の一端側で分離し他端側で短絡したλ/4共振器や、内導体と外導体とを貫通孔の両端それぞれで分離したλ/2共振器として構成される。また、誘電体共振素子は、貫通孔および内導体を1組のみ設けた単体型の構成(以下、該構成の誘電体共振素子をディスクリート共振素子という。)や、貫通孔および内導体を複数組設けた多段型の構成(以下、該構成の誘電体共振素子をバルク共振素子という。)とされる。
λ/4共振器を構成したディスクリート共振素子では、内導体と外導体とを短絡した短絡端の近傍に電流集中が生じてQ値が低下することがあり、電流集中を緩和するために、短絡端の近傍で外導体を厚手に構成することがあった。(例えば、特許文献1参照。)
また、一般に多段型のバルク共振素子を用いてフィルタ装置を構成する場合には、誘電体ブロックの内部に発生する内導体間の相互容量によって共振器間の結合が実現される。一方、単体型のディスクリート共振素子を用いてフィルタ装置を構成する場合には、貫通孔に開放端側から端子具を挿入し、端子具を介して内導体と容量素子等の他の回路素子とを接続することで共振器間の結合が実現される。
このように、誘電体共振素子と端子具とを用いてフィルタ装置を構成する場合には、任意の回路素子を組み合わせて所望のフィルタ特性を設定することが容易であり、フィルタ装置の設計自由度が高いという特徴があった。
また、誘電体共振素子と端子具とを用いてフィルタ装置を構成する場合には、端子具に接続するはんだや、端子具により、開放端付近の内導体と外導体とを導通させてしまうことを防ぐために、内導体と外導体とを分離する電極非形成部を誘電体共振素子の端面に設けることが一般的であった。そして、この場合には、誘電体共振素子の表面に外導体に覆われない箇所が露出するため、ディスクリート共振素子が外部影響を受けやすくなってしまう。そこで、ディスクリート共振素子を覆うようにシールド部材を設けることが一般的であった。また、ディスクリート共振素子の外導体や内導体の部分的なトリミング作業を行えるように、シールド部材はディスクリート共振素子の一部を露出させるように設けることが一般的であった。
特開平11−340713号公報
近年、無線通信帯域の高周波数化が進んでいる。これにより、以前は利用されることのなかった例えば5GHz帯などの周波数帯域も無線通信に利用されるようになってきている。このため、誘電体共振素子と端子具とを用いたフィルタにおいても、高周波数化した周波数帯域に対応することが望まれている。
しかしながら、誘電体共振素子と端子具とを用いたフィルタを高周波数化した周波数帯域に対応させるには、誘電体共振素子のサイズを従来よりも大幅に小型化する必要がある。これにより、各回路素子の実現が難しくなり、ひいてはフィルタ装置を高周波数化した周波数帯域に対応させることが困難になることがあった。
例えば、特許文献1のようなλ/4共振器を構成したディスクリート共振素子を大幅に小型化すると、誘電体共振素子同士を結合させる結合容量として必要な容量値が著しく小さくなる。このため、必要な結合容量を実現するためには、端子具に接続する回路素子(容量素子)において電極面積の微細化や、特殊な材料の使用などの大幅な設計変更が必要となってしまい、回路素子(容量素子)を一般的な構成や簡易な構成で実現することが難しくなってしまう。
また例えば、特許文献1のようなλ/4共振器を構成したディスクリート共振素子を大幅に小型化すると、シールド部材の小型化も必要になる。すると、誘電体共振素子が外部に露出し難くなるので、フィルタ装置の特性調整作業を行うことが困難になってしまう。
そこで、本発明の目的は、従来よりも高周波数化した周波数帯域に対応しても、回路素子を一般的な構成や簡易な構成で実現することができ、また、高周波数化に伴って外部影響を受け易くなることを防ぐことができるフィルタ装置と、その特性調整方法とを提供することにある。
この発明のフィルタ装置は、第1端面と第2端面と外周面とを有し前記第1端面と前記第2端面とに開口する貫通孔を設けた誘電体ブロック、前記外周面を覆う外導体、および、前記貫通孔の内面を覆う内導体、を有する誘電体共振素子と、前記誘電体共振素子の前記貫通孔に前記第1端面側から挿入した端子具と、前記端子具を介して前記誘電体共振素子と電気的に接続した回路素子と、前記誘電体共振素子および前記回路素子を搭載した基板と、を備えるフィルタ装置である。そして、前記外導体は、前記外周面とともに前記第2端面も覆うように設けており、前記誘電体共振素子は、前記第1端面で前記内導体と前記外導体とを分離する第1の電極非形成部と、前記貫通孔または前記第2端面で前記内導体と前記外導体とを分離する第2の電極非形成部と、を有している。
この構成では、誘電体共振素子の端子具が挿入される第1端面に第1の電極非形成部を設けるので、端子具が内導体と外導体とを短絡させることを防ぎながら、端子具を介して任意の回路素子を接続することができる。したがって、所望のフィルタ特性を実現することが容易になる。そして、貫通孔または第2端面に第2の電極非形成部を設けるので、誘電体共振素子にλ/2共振器を構成することができる。λ/2共振器は、λ/4共振器と同じ共振周波数とする場合でも、誘電体ブロックのサイズを約2倍と大きくすることができる。また、λ/2共振器は、λ/4共振器と同じ共振周波数とする場合に、必要な結合容量の容量値が大きい。したがって、従来よりも高周波数化した周波数帯域にフィルタ装置を対応させても、容量素子等の回路素子を一般的な構成や簡易な構成で実現することができる。また、λ/2共振器では外導体と内導体とが完全に分離するので、外導体での電流集中を回避することができ、λ/4共振器よりも高いQ値を実現できる。
その上、この構成では、端子具の誘電体共振素子への挿入量を調整することにより、誘電体共振素子の配置を変更することができる。すると、誘電体共振素子の配置を適切に設定することにより、外部影響を受け難くすることができる。また、誘電体共振素子の第2端面側に第2の電極非形成部を設けても、誘電体共振素子の第2端面に外導体を設けるので、第2端面側で外部影響を受け難くすることができる。
また、この発明の前記第2の電極非形成部は、少なくとも一部を前記貫通孔に設けることが好ましい。このことにより、内導体が第2端面に露出することを防ぐことができる。したがって、フィルタ装置において第2端面側での外部影響を受け難くすることができる。また、貫通孔の内部で第2の電極非形成部の幅や位置などの形状を調整することにより、内導体の長さ(共振器長)を調整することができる。前述したように端子具の挿入量を調整すると、誘電体共振素子の共振器長にも変化が生じてしまうが、端子具の挿入量の調整とともに第2の電極非形成部の形状調整を行うことで、任意の共振器長を実現しながら、誘電体共振素子の位置を適切に設定して、外部影響を受け難くすることができる。
また、この発明の前記フィルタ装置は、前記誘電体共振素子の前記第1端面を覆うシールド部材を更に備えることが好ましい。このことにより、第1端面側で外部影響を受け難くすることができる。
また、この発明の前記シールド部材は、前記誘電体共振素子の第2端面側の端部を露出させることが好ましい。このことにより、誘電体共振素子への端子具の挿入量を調整したり、第2の電極非形成部の形状を調整したり、誘電体共振素子の第2端面をトリミングしたりして、誘電体共振素子の特性調整作業を行うことができる。
また、この発明の前記シールド部材は、前記誘電体共振素子の第1端面側の端部を露出させることが好ましい。このことにより、誘電体共振素子への端子具の挿入量を調整したり、誘電体共振素子の第1端面をトリミングしたりして、誘電体共振素子の特性調整作業を行うことができる。
また、この発明の前記誘電体共振素子は、前記第1端面と前記第2端面とのうち、前記第1端面のみにトリミング痕を有していてもよい。このようにすれば、第2端面の外導体に覆われる面積がトリミング痕によって減少することが無く、第2端面側で外部影響を受け難くすることができる。
また、この発明の前記誘電体共振素子は、前記第1端面と前記第2端面とのうち、前記第2端面のみにトリミング痕を有していてもよい。この場合には、シールド部材に誘電体共振素子の第1端面側を露出させる開口部を必ずしも設けなくてもよくなるので、第1端面側で外部影響を受け難くすることができる。
また、この発明の前記誘電体共振素子は、前記外周面にトリミング痕を有していてもよい。特には、前記トリミング痕は、前記第1端面と前記第2端面との間の中心位置に重なっていることが望ましい。これらの場合には、第1端面や第2端面にトリミング作業を施す場合よりも、共振器長や共振周波数の調整感度が高く、共振器長や共振周波数を大きく調整することができる。したがって、外周面へのトリミング作業によって共振周波数を大きく調整した後に、第1端面や第2端面へのトリミング作業によって共振周波数を微調整するようなことが可能になる。
また、この発明の前記回路素子は、前記端子具と前記基板との間の間隔と略同じ厚みを有し、前記端子具と前記基板とに接する板状回路素子を含むことが好ましい。このことにより、誘電体共振素子に接続する回路素子が、端子と基板との間の接続具を兼ねることになり、構成を簡易化できる。また、誘電体共振素子を高周波数化した周波数帯域に対応させても必要な結合容量が大幅に小さくなることが無いので、このような板状回路素子であっても必要とされる結合容量を実現することもできる。
また、この発明の前記誘電体共振素子は、前記貫通孔および前記内導体が1組のみ設けられていること、即ち、いわゆるディスクリート共振素子であることが好ましい。一般に、誘電体共振素子はTEM(Transverse ElectroMagnetic mode)モードの共振を利用するが、スプリアスモードとしてTE(TransverseElectric mode)モードの共振も発生する。このTEモードの共振周波数は、誘電体ブロックの外形サイズに応じて定まるという特徴があり、バンドパスフィルタ特性を実現する場合に、多段型のバルク共振素子ではTEモードの共振周波数が通過帯域に近接してフィルタ特性の劣化が生じ易い傾向があった。これに対して、単体型のディスクリート共振素子は、バンドパスフィルタ特性を実現する場合にTEモードの共振周波数が通過帯域から離れる傾向があり、多段型のバルク共振素子に比べて、TEモードによるフィルタ特性の劣化が生じにくいという特徴がある。
また、この発明のフィルタ特性の調整方法は、上述のフィルタ装置に対して、前記端子具の前記誘電体共振素子への挿入量を調整するステップと、前記第2の電極非形成部の形状を調整するステップと、を含む。このことにより、誘電体共振素子の共振器長を任意に設定しながら、誘電体共振素子の配置を調整して、外部影響を受け難くすることができる。
また、この発明のフィルタ特性の調整方法は、前記第1端面と前記第2端面との少なくとも一方をトリミングするステップを更に含むことが好ましい。このことによっても、誘電体共振素子の共振器長を調整でき、所望のフィルタ特性の設定が容易となる。
本発明によれば、フィルタ装置を高周波数化した周波数帯域に対応させることが容易であり、高周波数化に伴ってフィルタ装置が外部影響を受け易くなることを防ぐことができる。
第1の実施形態に係るフィルタ装置を正面側から視た分解斜視図である。 第1の実施形態に係るフィルタ装置を背面側から視た外観斜視図である。 第1の実施形態に係るフィルタ装置の等価回路図である。 第1の実施形態に係るフィルタ装置の各種特性を示す図である。 第1の実施形態に係るフィルタ装置に特性調整作業を行った場合を示す平面図および背面図である。 第2の実施形態に係るフィルタ装置を背面側から視た外観斜視図である。 第3の実施形態に係るフィルタ装置を背面側から視た外観斜視図である。 第4の実施形態に係るフィルタ装置を正面側から視た分解斜視図である。 第5の実施形態に係るフィルタ装置を正面側から視た分解斜視図である。
以下、本発明を実施するための複数の形態を、バンドパスフィルタ特性を有するフィルタ装置を具体例として説明する。なお、本発明は、バンドパスフィルタ特性を有するフィルタ装置の他にも、帯域阻止フィルタ特性(BEF特性)や、高域通過フィルタ特性(HPF特性)、低域通過フィルタ特性(LPF特性)などを有するフィルタ装置にも適用することができる。また、以下に示す各実施形態はあくまで例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。
《第1の実施形態》
図1は、第1の実施形態に係るフィルタ装置を分解した状態で正面側から視た分解斜視図である。図2は、第1の実施形態に係るフィルタ装置を背面側から視た外観斜視図である。
第1の実施形態に係るフィルタ装置1は、誘電体共振素子2A,2B,2C,2Dと、端子具3A,3B,3C,3Dと、板状回路素子4と、基板5と、シールド部材6と、を備えている。
誘電体共振素子2A〜2Dは、基板5の天面に搭載されている。誘電体共振素子2A〜2Dは、基板5の左側面側から右側面側にかけて順番に配列されている。誘電体共振素子2A〜2Dは、正面および背面が正方形状であり、正面と背面との間を長手とする長方体である。誘電体共振素子2A〜2Dは、それぞれ、誘電体ブロック21と、外導体22と、内導体23とを備えている。
誘電体ブロック21は、LTCC(低温同時焼結セラミックス)などの誘電体材料からなる直方体である。誘電体ブロック21は、貫通孔24が設けられている。貫通孔24は、誘電体ブロック21の正面と背面とに開口し、誘電体ブロック21を貫通している。誘電体ブロック21の正面は、特許請求の範囲に記載の「第1端面」に相当している。誘電体ブロック21の背面は、特許請求の範囲に記載の「第2端面」に相当している。誘電体ブロック21の天面と底面と右側面と左側面とは、特許請求の範囲に記載の「周面」に相当している。
外導体22は、誘電体ブロック21の外面のうち、正面を除く他の五面それぞれの全面を覆うように設けられている。
内導体23は、貫通孔24の内面を覆うように設けられている。
誘電体共振素子2A〜2Dそれぞれには、内導体23と外導体22とを分離する電極非形成部25,26が設けられている。電極非形成部25は、図1に示すように誘電体ブロック21の正面全面に設けられている。電極非形成部26は、図2に示すように貫通孔24の背面側の端部に設けられている。電極非形成部25は、特許請求の範囲に記載の「第1の電極非形成部」に相当している。電極非形成部26は、特許請求の範囲に記載の「第2の電極非形成部」に相当している。貫通孔24内部で電極非形成部26の形成幅や形成位置を適宜調整することにより、誘電体共振素子2A〜2Dそれぞれの共振器長(内導体23の長さ)は変更することができる。
端子具3Aは、誘電体共振素子2Aの貫通孔24に正面側(電極非形成部25側)から挿入されている。端子具3Bは、誘電体共振素子2Bの貫通孔24に正面側(電極非形成部25側)から挿入されている。端子具3Cは、誘電体共振素子2Cの貫通孔24に正面側(電極非形成部25側)から挿入されている。端子具3Dは、誘電体共振素子2Dの貫通孔24に正面側(電極非形成部25側)から挿入されている。端子具3A〜3Dそれぞれの誘電体共振素子2A〜2Dへの挿入量を適宜調整することにより、誘電体共振素子2A〜2Dそれぞれの共振器長を変更するとともに、誘電体共振素子2A〜2Dそれぞれの正面−背面間方向での配置位置を変更することができる。
端子具3A〜3Dは、銅やアルミなどの素材からなる。端子具3A〜3Dは、それぞれ一体の金属板から構成されており、筒部31と舌部32とを備えている。筒部31は、金属板を筒状に湾曲させている。舌部32は、金属板から筒部31の軸方向に延伸する舌状である。筒部31は、誘電体ブロック21の貫通孔24に挿入され、貫通孔24の内部に設けられている内導体23にはんだ付けなどの接合法で接合されている。舌部32は、貫通孔24から誘電体ブロック21の正面側に突出している。
前述したように、誘電体共振素子2A〜2Dは、正面全面を電極非形成部25としているので、端子具3A〜3Dを誘電体共振素子2A〜2Dの貫通孔24に正面側から挿入しても、端子具3A〜3Dやはんだによって内導体23と外導体22とが導通してしまうことを防ぐことができる。
板状回路素子4は、基板5の天面に搭載されている。板状回路素子4は、誘電体共振素子2A〜2Dの正面側に配置されている。板状回路素子4は、天面および底面が長方形状の平板であり、左側面と右側面との間を長手としている。板状回路素子4は、低誘電率板41と、天面電極42A,42B,42C,42Dと、底面電極43A,43Bと、を備えている。
低誘電率板41は、LTCCやガラスエポキシなどからなり、天面および底面が長方形状の平板である。天面電極42A〜42Dは、低誘電率板41の天面に設けており、左側面側から右側面側にかけて順番に配列している。天面電極42Aは、端子具3Aの舌部32にはんだ付けなどの接合法で接合されている。天面電極42Bは、端子具3Bの舌部32にはんだ付けなどの接合法で接合されている。天面電極42Cは、端子具3Cの舌部32にはんだ付けなどの接合法で接合されている。天面電極42Dは、端子具3Dの舌部32にはんだ付けなどの接合法で接合されている。底面電極43A,43Bは、低誘電率板41の底面に設けている。底面電極43Aは、天面電極42Aと互いの一部領域同士が低誘電率板41を介して対向する。底面電極43Bは、天面電極42Dと互いの一部領域同士が低誘電率板41を介して対向する。
基板5は、フィルタ装置1の実装面を構成している。基板5は、板部51と、接続電極52A,52Bと、接地電極53と、を備えている。板部51は、ガラスエポキシなどからなる概略正方形状の平板である。接続電極52Aは、板部51の天面から左側面を経由して底面に至るように設けている。接続電極52Bは、板部51の天面から右側面を経由して底面に至るように設けている。接地電極53は、板部51の天面と底面とに設けている。なお、図示していないが、接地電極53は、板部51の底面側で接続電極52Aと接続電極52Bとの間に挟まれる正面側の端部まで到達している。
また、接続電極52Aは、板状回路素子4の底面電極43Aにはんだ付けなどの接合法で接合されている。接続電極52Bは、板状回路素子4の底面電極43Bにはんだ付けなどの接合法で接合されている。基板5の接地電極53は、誘電体共振素子2A〜2Dの外導体22にはんだ付けなどの接合法で接合されている。
シールド部材6は、誘電体共振素子2A〜2Dを覆うように基板5の天面側に取り付けている。シールド部材6は、金属等の導電材料からなる。シールド部材6は、正面板61と、天面板62と、側面板63A,63Bとを備えている。
正面板61は、下端部で基板5に固定されており、誘電体共振素子2A〜2D、端子具3A〜3D、および板状回路素子4の正面側に上端部で対向している。天面板62は、正面板61の上端部から屈曲して背面側に延び、端子具3A〜3D、板状回路素子4、および誘電体共振素子2A〜2Dの正面側端部の天面側に対向している。誘電体共振素子2A〜2Dの背面側端部は、天面板62よりも背面側に突出している。天面板62の背面側端部は、誘電体共振素子2A〜2Dの天面側の外導体22にはんだ付けなどの接合法で接合されている。側面板63A,63Bは、天面板62の左側面側および右側面側の両端部から屈曲して下方に延び、誘電体共振素子2A,2Dの外側面に対向している。側面板63A,63Bの下端部は、誘電体共振素子2A,2Dの外側面の外導体22にはんだ付けなどの接合法で接合されている。
また、シールド部材6の天面板62には、開口部64A,64Bを設けている。誘電体共振素子2A,2Bの正面側端部の天面、および端子具3A,3Bは、開口部64Aを介してシールド部材6の天面側に露出している。また、誘電体共振素子2C,2Dの正面側端部の天面、および端子具3C,3Dは、開口部64Bを介してシールド部材6の天面側に露出している。また、誘電体共振素子2A〜2Dの背面側端部は、シールド部材6の背面側に露出している。
図3は、第1の実施形態に係るフィルタ装置1の等価回路図である。
前述したように各誘電体共振素子2A〜2Dには電極非形成部25,26を設けている。これにより、内導体23は両端開放されている。したがって、誘電体共振素子2A〜2Dは、それぞれ単体のλ/2共振器を構成している。
また、前述したように板状回路素子4において、天面電極42A〜42Dは互いに隣接している。これにより、天面電極42A〜42D間には静電容量Ckが形成されている。また、前述したように板状回路素子4において、底面電極43Aと天面電極42Aとは低誘電率板41を介して対向している。また、底面電極43Bと天面電極42Dとも低誘電率板41を介して対向している。これにより、底面電極43Aと天面電極42Aとの間、および、底面電極43Bと天面電極42Dとの間には静電容量Ceが形成されている。また、前述したように基板5の接地電極53は、接続電極52A,52Bの間に到達している。これにより、基板5の接地電極53は、基板5および板状回路素子4を介して、板状回路素子4の天面電極42A〜42Dと対向している。したがって、板状回路素子4の天面電極42A〜42Dと基板5の接地電極53との間には静電容量Csが形成されている。
そして、誘電体共振素子2Aが構成するλ/2共振器は、接続電極52Aと静電容量Ceを介して結合している。また、誘電体共振素子2Dが構成するλ/2共振器は、接続電極52Bと静電容量Ceを介して結合している。誘電体共振素子2A〜2Dが構成するλ/2共振器は、隣接するもの同士、静電容量Ckを介して結合している。また、誘電体共振素子2A〜2Dが構成するλ/2共振器それぞれは、静電容量Csを介して接地されている。フィルタ装置1は、このような等価回路を構成しており、バンドパスフィルタ特性を有している。
以上のように構成したフィルタ装置1では、板状回路素子4により静電容量Ck,Ce,Csを形成し、端子具3A〜3Dを介して板状回路素子4を誘電体共振素子2A〜2Dに接続するので、静電容量Ck,Ce,Csを誘電体共振素子2A〜2Dから独立した任意の容量値で構成することができる。したがって、フィルタ装置1のフィルタ特性を所望の設定にすることが容易となり、フィルタ装置1の設計自由度が高まる。また、誘電体共振素子2A〜2Dはそれぞれ単体型のディスクリート共振素子として構成しているので、誘電体共振素子2A〜2Dそれぞれに生じるTEモードの共振周波数が、フィルタ装置1の通過帯域から離れ、バンドパスフィルタ特性の劣化が生じにくい。
そして、フィルタ装置1では、誘電体共振素子2A〜2Dそれぞれをλ/2共振器として構成しているので、誘電体共振素子2A〜2Dをλ/4共振器として構成する場合よりも、誘電体ブロック21のサイズを大きくすることができる。したがって、従来よりも高周波数化した周波数帯域にフィルタ装置1を対応させても、誘電体共振素子2A〜2Dおよび板状回路素子4を大幅に小型化する必要が無い。したがって、誘電体共振素子2A〜2Dおよび板状回路素子4を実現可能なサイズで構成することができ、従来よりも高周波数化した周波数帯域に対応するフィルタ装置1を容易に実現することができる。
図4(A)は、フィルタ装置1を5.0GHz帯に対応させた場合の実施例において所望のフィルタ特性を実現するために必要な静電容量Ceおよび静電容量Ckの容量値を示す表である。外部結合を実現する静電容量Ceは、本実施形態のように誘電体共振素子それぞれをλ/2共振器として構成した実施例では0.167pFであった。一方、誘電体共振素子それぞれをλ/4共振器として構成した比較例では、静電容量Ceは0.150pFであった。また、共振器間結合を実現する静電容量Ckは、誘電体共振素子それぞれをλ/2共振器として構成した実施例では0.202pFであった。一方、誘電体共振素子それぞれをλ/4共振器として構成した比較例では、静電容量Ckは0.117pFであった。このように、フィルタ装置を5.0GHz帯に対応させた場合の実施例において、誘電体共振素子をλ/2共振器として構成する場合には、誘電体共振素子をλ/4共振器として構成する場合よりも、静電容量Ceおよび静電容量Ckとして大きな容量値が必要になる傾向が確認された。したがって、本実施形態のフィルタ装置1においては、板状回路素子4で形成すべき静電容量Ce,Ckの容量値が大きく、5.0GHz帯のような高周波数化した周波数帯域に対応する場合でも、電極面積の微細化や特殊な材料の使用などの大幅な設計変更が発生し難いことがわかる。
また、フィルタ装置1では、λ/2共振器を構成した誘電体共振素子2A〜2Dで内導体23と外導体22とが完全に分離されるために、外導体22で電流集中が殆ど発生せず、Q値の劣化が発生することもない。
図4(B)は、フィルタ装置1を5.0GHz帯に対応させた場合の実施例における誘電体共振素子のQ値を示すグラフである。誘電体共振素子のQ値は、本実施形態のように誘電体共振素子それぞれをλ/2共振器として構成した実施例では、5.0GHz帯の全般にわたって約650前後であった。一方、誘電体共振素子それぞれをλ/4共振器として構成した比較例では、誘電体共振素子のQ値は5.0GHz帯の全般にわたって約500前後であった。このように、フィルタ装置を5.0GHz帯に対応させた場合の実施例において、誘電体共振素子をλ/2共振器として構成する場合には、誘電体共振素子をλ/4共振器として構成する場合よりも、誘電体共振素子のQ値が大きくなる傾向が確認された。したがって、誘電体共振素子2A〜2Dをλ/2共振器として構成する本実施形態のフィルタ装置1においては、誘電体共振素子2A〜2DのQ値を改善できることがわかる。
その上、フィルタ装置1では、誘電体共振素子2A〜2Dの正面側をシールド部材6で覆うことで、誘電体共振素子2A〜2Dの正面全面が電極非形成部25であっても、誘電体共振素子2A〜2Dの正面側で外部影響を受け難くすることができる。そして、誘電体共振素子2A〜2Dの背面側に電極非形成部26を設けてλ/2共振器を構成していても、誘電体共振素子2A〜2Dの背面を外導体22で覆うことで、誘電体共振素子2A〜2Dの背面側で外部影響を受け難くすることができる。
図4(C)は、フィルタ装置1を5.0GHz帯に対応させた場合の実施例において、誘電体共振素子の背面側に外部金属を接近させた場合の挿入損失の変化量を示すグラフである。誘電体共振素子の挿入損失は、本実施形態のように誘電体共振素子の背面全面を外導体で覆った実施例では、外部金属の距離によらずに安定しており、外部金属を極めて近接させる場合でも0.05dB以下の変化量であった。一方、誘電体共振素子の背面全面を電極非形成部とした比較例では、誘電体共振素子の挿入損失は外部金属を極めて近接させた場合に不安定になり、0.35dB程度変化してしまうことがあった。このように、実施例において、誘電体共振素子の背面全面を外導体で覆う場合には、誘電体共振素子の背面全面を電極非形成部とする場合よりも、外部金属が近接した場合にも誘電体共振素子の挿入損失が安定であることが確認された。したがって、本実施形態のフィルタ装置1においても、誘電体共振素子2A〜2Dの背面を外導体22で覆っているので、外部影響を受け難いことがわかる。なお、ここで外部金属とは、本実施例のフィルタ装置が実装されるマザー基板のシールドケースを想定したものである。
そして、フィルタ装置1では、シールド部材6を設けたままでも、誘電体共振素子2A〜2Dに特性調整作業を施すことができる。
図5(A)は、誘電体共振素子2A〜2Dへの端子具3A〜3Dの挿入量の調整作業と、電極非形成部26の形状調整と、天面の外導体22へのトリミング作業と、を行った場合を示すフィルタ装置1の部分平面図である。誘電体共振素子2A〜2Dは、ここでは長手方向の寸法が互いに等しく、端子具3A〜3Dの挿入量がそれぞれ調整されている。このため、誘電体共振素子2A〜2Dは、正面−背面間方向での配置位置が互いに異なっている。また、誘電体共振素子2A〜2Dは、貫通孔24に設ける電極非形成部26の幅および位置がそれぞれ調整されている。このため、誘電体共振素子2A〜2Dは、内導体23の長さがそれぞれ異なっている。
このように、各誘電体共振素子2A〜2Dへの端子具3A〜3Dの挿入量の調整作業を行うとともに、電極非形成部26の形状調整を行うことで、各誘電体共振素子2A〜2Dにおいて任意の共振器長を実現しながら、各誘電体共振素子2A〜2Dの配置を調整することができる。このことにより、フィルタ装置1の背面側に外部金属が配置されるような場合でも、誘電体共振素子2A〜2Dの配置を外部影響を受け難い配置に調整することができる。
また、誘電体共振素子2A〜2Dは、シールド部材6の開口部64A,64Bを介して天面の外導体22にトリミング作業を行って、天面の外導体22を部分的に除去したトリミング痕28を形成している。このようなトリミング痕28は、レーザー加工、リュータ加工で実現することができる。
このように誘電体共振素子2A〜2Dの天面にトリミング作業を施すことで、誘電体共振素子2A〜2Dにおける共振器長や共振器間の結合度などの特性を変更することができる。より具体的には、共振器長を長くし、共振周波数を下げる方向に調整することができる。したがって、前述のように、各誘電体共振素子2A〜2Dへの端子具3A〜3Dの挿入量の調整作業や、電極非形成部26の形状調整を行った後からでも、トリミング作業を行って、フィルタ装置1の特性調整を行うことができる。すると、電極非形成部26の加工バラツキなどを補償して所望の共振器長を実現でき、所望のフィルタ特性を確実に得ることができる。
また、図5(B)は、誘電体共振素子2A〜2Dの背面へのトリミング作業を行った場合を示すフィルタ装置1の背面図である。誘電体共振素子2A〜2Dは、ここでは正面にはトリミング作業を行わず、背面の外導体22にのみトリミング作業を行って、背面の外導体22を部分的に除去したトリミング痕29を形成している。このようなトリミング痕29は、レーザー加工、リュータ加工、エッチングなどの加工法で実現することができる。
このように誘電体共振素子2A〜2Dの背面にトリミング作業を施すことでも、誘電体共振素子2A〜2Dにおける共振器長や共振器間の結合度などの特性を変更することができる。したがって、前述のように、各誘電体共振素子2A〜2Dへの端子具3A〜3Dの挿入量の調整作業や、電極非形成部26の形状調整、誘電体共振素子2A〜2Dの天面へのトリミング作業を行った後からでも、背面にトリミング作業を行って、フィルタ装置1の特性調整を行うことができる。すると、電極非形成部26の加工バラツキなどを補償して所望の共振器長を実現でき、所望のフィルタ特性を確実に得ることができる。
なお、誘電体共振素子2A〜2Dの天面にトリミング作業を行う場合には、トリミング痕28の位置は、およそ軸長方向の中間位置、例えば軸長方向の中心に重なることが好ましい。トリミング作業を施す位置が軸長方向の中心に近いほど、共振周波数の調整感度は高く、逆に上記位置から離れるほどトリミング作業に対する共振周波数の調整感度は低くなっていく。したがって、誘電体共振素子2A〜2Dの天面へのトリミング作業によって共振周波数をおおまかに調整した後、誘電体共振素子2A〜2Dの背面にトリミング作業を行って共振周波数を微調整することで、共振周波数を高精度に校正することができる。
なお、誘電体共振素子2A〜2Dの正面や天面にトリミング作業を行わない場合には、シールド部材6の開口部64A,64Bは、必ずしも設けなくてもよい。シールド部材6に開口部64A,64Bを設けなければ、フィルタ装置1の正面側で外部影響を更に受け難くすることができる。《第2の実施形態》
図6は、本発明の第2の実施形態に係るフィルタ装置を背面側から視た外観斜視図である。第2の実施形態に係るフィルタ装置71は、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じであるが、第1の実施形態に係る構成とは異なる構成の誘電体共振素子72A,72B,72C,72Dを備えている。また、誘電体共振素子72A〜72Dは、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じであるが、第1の実施形態に係る構成とは異なる構成の第2の電極非形成部76を備えている。電極非形成部76は、誘電体ブロック21の背面に設けており、貫通孔24の周囲に間隔を空けずに囲むように設け、内導体23と外導体22とを分離している。このようにしても、誘電体共振素子72A〜72Dの背面を、面積比で見て50%程度以上を外導体22で覆うようにすれば、誘電体共振素子72A〜72Dの背面側で外部影響を受け難くすることができる。また、電極非形成部が誘電体ブロック21の背面に露出するため、その形状および位置の調整が容易になる。
《第3の実施形態》
図7は、本発明の第3の実施形態に係るフィルタ装置を背面側から視た外観斜視図である。第3の実施形態に係るフィルタ装置81は、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じであるが、第1の実施形態に係る構成とは異なる構成の誘電体共振素子82A,82B,82C,82Dを備えている。また、誘電体共振素子82A〜82Dは、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じであるが、第1の実施形態に係る構成とは異なる構成の第2の電極非形成部86を備えている。電極非形成部86は、誘電体ブロック21の背面に設けており、貫通孔24の周囲に間隔を空けて囲むように設け内導体23と外導体22とを分離している。このようにしても、誘電体共振素子82A〜82Dの背面を、面積比で見て50%程度以上を外導体22で覆うようにすることで、誘電体共振素子82A〜82Dの背面側で外部影響を受け難くすることができる。また、電極非形成部が誘電体ブロック21の背面に露出するため、その形状および位置の調整が容易になる。
《第4の実施形態》
図8は、本発明の第4の実施形態に係るフィルタ装置を正面側から視た分解斜視図である。第4の実施形態に係るフィルタ装置91は、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じであるが、第1の実施形態に係る構成とは異なる構成の誘電体共振素子92A,92B,92C,92Dを備えている。また、誘電体共振素子92A〜92Dは、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じであるが、第1の実施形態に係る構成とは異なる構成の第1の電極非形成部95を備えている。電極非形成部95は、誘電体ブロック21の正面の一部に設けており、貫通孔24の周囲に間隔を空けずに囲むように設け内導体23と外導体22とを分離している。そして、外導体22の一部は、誘電体ブロック21の正面にも設けている。このようにすると、誘電体共振素子92A〜92Dの正面にも外導体22の一部が設けられるために、誘電体共振素子92A〜92Dの正面側で外部影響を受け難くすることができる。また、シールド部材6の開口部64A,64Bを介してリュータ等を誘電体共振素子92A〜92Dの正面側に挿入し、誘電体共振素子92A〜92Dの正面の外導体22にトリミング作業を施し、外導体22の一部を除去したトリミング痕96を設けることで、特性調整することが可能になる。
なお、上記したように誘電体共振素子92A〜92Dの正面でトリミング作業を行う場合には、誘電体共振素子92A〜92Dの背面でトリミング作業を行わなくてもよい。この場合には、誘電体共振素子92A〜92Dの正面にのみトリミング痕96が形成されることになる。そして、誘電体共振素子92A〜92Dの背面における外導体22の面積がトリミング痕によって減少することがなくなり、フィルタ装置1の背面側で外部影響を受け難くすることができる。
《第5の実施形態》
図9は、本発明の第5の実施形態に係るフィルタ装置を正面側から視た分解斜視図である。第5の実施形態に係るフィルタ装置101は、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じであるが、第1の実施形態に係る構成とは異なる構成の誘電体共振素子102A,102B,102C,102Dを備えている。また、誘電体共振素子102A〜102Dは、第1の実施形態に係る構成とほとんど同じであるが、第1の実施形態に係る構成とは異なる構成の第1の電極非形成部105を備えている。電極非形成部105は、誘電体ブロック21の正面の一部に設けており、貫通孔24の周囲に間隔を空けて囲むように設けて、内導体23と外導体22とを分離している。このようにしても、誘電体共振素子102A〜102Dの正面側で外部影響を受け難くすることができる。また、シールド部材6の開口部64A,64Bを介してリュータ等を誘電体共振素子102A〜102Dの正面側に挿入し、誘電体共振素子102A〜102Dの正面で外導体22にトリミング作業を施して、外導体22の一部を除去したトリミング痕106を設けることで、特性調整することが可能になる。
以上の各実施形態に示したように本発明は実施することができる。なお、本発明は上述した実施形態の他にも、多様な形態で実施することができる。例えば、端子具を介して誘電体共振素子に接続する回路素子としては、板状回路素子の他にも、空芯コイル、角型コンデンサ、チップ部品などを設けることもできる。また、誘電体共振素子としては単体型のディスクリート共振素子の他、多段型のバルク共振素子を用いることもできる。また、第2の電極非形成部は、貫通孔の内面と誘電体ブロックの背面とにかけて連続するように設けてもよい。また、シールド部材は必ずしも設けなくてもよく、その場合には、誘電体共振素子の正面側にも外導体の一部を設けるようにするとよい。また、シールド部材は誘電体共振素子の背面側の端部を覆うように構成してもよい。
1…フィルタ装置
2A,2B,2C,2D…誘電体共振素子
21…誘電体ブロック
22…外導体
23…内導体
24…貫通孔
25,26…電極非形成部
29,96,106…トリミング痕
3A,3B,3C,3D…端子具
31…筒部
32…舌部
4…板状回路素子
41…低誘電率板
42A,42B,42C,42D…天面電極
43A,43B…底面電極
5…基板
51…板部
52A,52B…接続電極
53…接地電極
6…シールド部材
61…正面板
62…天面板
63A,63B…側面板
64A,64B…開口部

Claims (13)

  1. 第1端面と第2端面と外周面とを有し、前記第1端面と前記第2端面とに開口する貫通孔を設けた誘電体ブロック、
    前記外周面を覆う外導体、および、
    前記貫通孔の内面を覆う内導体、を有する誘電体共振素子と、
    前記誘電体共振素子の前記貫通孔に前記第1端面側から挿入した端子具と、
    前記端子具を介して前記誘電体共振素子と電気的に接続した回路素子と、
    前記誘電体共振素子および前記回路素子を搭載する基板と、
    を備えるフィルタ装置であって、
    前記外導体は、前記外周面とともに前記第2端面も覆うように設けており、
    前記誘電体共振素子は、
    前記第1端面で前記内導体と前記外導体とを分離する第1の電極非形成部と、
    前記貫通孔または前記第2端面で前記内導体と前記外導体とを分離する第2の電極非形成部と、
    を有している、
    フィルタ装置。
  2. 前記第2の電極非形成部は、少なくとも一部を前記貫通孔に設けている、
    請求項1に記載のフィルタ装置。
  3. 前記誘電体共振素子の前記第1端面を覆うシールド部材を更に備える、
    請求項1または請求項2に記載のフィルタ装置。
  4. 前記シールド部材は、前記誘電体共振素子の第2端面側の端部を露出させる、
    請求項3に記載のフィルタ装置。
  5. 前記誘電体共振素子は、前記第1端面と前記第2端面とのうち、前記第2端面のみにトリミング痕を有している、
    請求項4に記載のフィルタ装置。
  6. 前記シールド部材は、前記誘電体共振素子の第1端面側の端部を露出させる、
    請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のフィルタ装置。
  7. 前記誘電体共振素子は、前記第1端面と前記第2端面とのうち、前記第1端面のみにトリミング痕を有している、
    請求項6に記載のフィルタ装置。
  8. 前記誘電体共振素子は、前記外周面にトリミング痕を有している、
    請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のフィルタ装置。
  9. 前記トリミング痕は、前記第1端面と前記第2端面との間の中心位置に重なっている、請求項8に記載のフィルタ装置。
  10. 前記回路素子は、前記端子具と前記基板との間の間隔と略同じ厚みを有し、前記端子具と前記基板とに接する板状回路素子を含む、
    請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のフィルタ装置。
  11. 前記誘電体共振素子は、前記貫通孔および前記内導体が1組のみ設けられている、
    請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のフィルタ装置。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のフィルタ装置に対して、前記第2の電極非形成部の形状を調整するステップと、前記端子具の前記誘電体共振素子への挿入量を調整するステップとを含む、フィルタ特性の調整方法。
  13. 前記第1端面と前記第2端面との少なくとも一方をトリミングするステップを更に含む、請求項12に記載のフィルタ特性の調整方法。
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