JP2004015113A - 誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサおよび通信装置 - Google Patents

誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサおよび通信装置 Download PDF

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Takahiro Okada
岡田 貴浩
Yasumasa Ishihara
石原 甚誠
Hideyuki Kato
加藤 英幸
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Abstract

【課題】大きな外部結合を確保するとともに、誘電体ブロック内に構成する共振器の共振周波数とは独立して所定の外部結合を得られるようにした誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサおよびそれらを備えた通信装置を構成する。
【解決手段】外形が略六面体形状を成し、その六面のうち対向する二面を貫通する孔2a,2b,2cを有する誘電体ブロック1を用い、孔2a,2b,2cの内面に内導体を形成し、誘電体ブロック1の外面に外導体4および入出力電極5a,5cを形成する。孔2a,2cの一方の開口端から孔内部へは所定深さだけ内導体非形成部gを設け、誘電体ブロック1の実装面から孔2a,2b,2cの開口面にかけて入出力電極5a,5cを形成するとともに、これらの入出力電極5a,5cを、その端縁の一部が孔2a,2cの開口端を所定周長に亘って臨むように配置する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は誘電体ブロックの内外に導電体膜や電極を形成して成る誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサおよびそれらを備えた通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
外形が略六面体形状を成す誘電体ブロックを用いた誘電体フィルタは、誘電体ブロックの六面のうち対向する二面を貫通する互いに略平行な複数な孔を有し、これらの孔の内面に内導体を形成し、誘電体ブロックの外面に外導体を形成することによって、複数の共振器を構成している。
【0003】
このような誘電体ブロックを用いた誘電体フィルタのうち、実装基板に対して表面実装可能な誘電体フィルタは、誘電体ブロックの実装面に入出力電極を形成している。
【0004】
誘電体ブロックに構成した複数の共振器と上記入出力電極とは、通常静電容量により結合させている。特に、孔の開口面から実装面にかけて入出力電極を形成したものとして特開平7−066608が開示されている。
【0005】
その誘電体フィルタの構成例を図14に示す。図14の(A)は外観斜視図、(B)は(A)におけるA−A′部分の断面図である。この例では、誘電体ブロック1に3つの孔2a,2b,2cを設け、それらの内面に内導体を形成し、誘電体ブロック1の外面に外導体4を形成している。孔2a〜2cの一方の開口面(図14の(A)における左手前の面)から実装面(同図における上面)にかけて入出力電極5a,5cを形成している。また、この孔の開口端から孔内部へ所定深さだけ内導体非形成部gを設けて、この部分で内導体を開放している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に示されているように、孔の開口面から実装面にかけて入出力電極を形成すれば、内導体の開放端付近と入出力電極との間に生じる静電容量を大きく稼ぐことができ、大きな外部結合をとることができる。
【0007】
ところが、図14に示したように、孔2a,2cの一方の開口端の全周囲を囲むように入出力電極に5a,5cを形成しているので、内導体3cの開放端と入出力電極5cとの間に生じる静電容量が或る範囲に限定されてしまう。すなわち、この静電容量は、内導体3cの開放端付近と入出力電極5cとの間の対向面積や間隔によって定まるので、その静電容量を変えるためには、内導体非形成部g部分の深さを調節して、内導体3cの開放端付近と入出力電極5cとの間隔を定めることになる。しかし、その結果、内導体3cの軸長(孔2cの貫通方向への内導体3cの長さであり、この内導体3cは共振器の主要部を構成するので、この長さを共振器長と呼ぶこともできる。)が変化してしまう。すなわち、外部結合の調整により共振周波数も変化してしまう。従って外部結合の採り得る自由度が低いという問題があった。
【0008】
この発明の目的は、大きな外部結合を確保するとともに、誘電体ブロック内に構成する共振器の共振周波数とは独立して所定の外部結合を得られるようにした誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサおよびそれらを備えた通信装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の誘電体フィルタは、外形が略六面体形状を成し、該六面のうち対向する二面を貫通する互いに略平行な複数の孔を有する誘電体ブロックと、該誘電体ブロックの外面に形成した外導体と、前記孔の内面に形成した内導体とを備え、前記孔の少なくとも一方の開口端から孔内部へ所定深さだけ内導体非形成部を設け、誘電体ブロックの実装面から、孔開口面にかけて、外導体および内導体から絶縁した入出力電極を形成するとともに、入出力電極の端縁の一部が、内導体非形成部を設けた側の孔開口端を所定周長に亘って臨むように、入出力電極の形成範囲を定めたことを特徴としている。このような構造により、内導体の開放端付近と入出力電極との間の静電容量は、入出力電極の端縁の一部が孔の開口端を臨む周長によって定める。
【0010】
また、この発明の誘電体フィルタは、前記孔を3つ以上設け、入出力電極の端縁の一部を、複数の孔の内導体非形成部を設けた側の開口端をそれぞれ所定周長に亘って臨むように形成する。この構造により、複数の内導体の開放端付近との間でそれぞれ容量性結合する入出力電極をマルチパス電極として作用させる。
【0011】
また、この発明の誘電体フィルタは、前記孔の開口面に、当該開口面以外の面に形成されている外導体から絶縁された、入出力電極以外の電極を設ける。この構造により、孔の開口面の電極で共振器間の結合を図る。
【0012】
この発明の誘電体デュプレクサは、上記何れかの構造を備えた誘電体フィルタにおいて、内導体非形成部により開放された内導体の開放端付近との間で静電容量が生じる3つの入出力電極を設けたことを特徴としている。この構造により、3つの入出力電極のそれぞれを例えば送信信号入力端子、アンテナ端子、受信信号出力端子とする送受共用器として作用させる。
【0013】
この発明の通信装置は、前記何れかの構造からなる誘電体フィルタまたは誘電体デュプレクサを備えたことを特徴としている。例えば送信信号または受信信号の信号処理部の高周波フィルタとして用いる。
【0014】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に係る誘電体フィルタについて、図1〜図4を参照して説明する。
図1の(A)はその誘電体フィルタの外観斜視図、(B)は(A)におけるA−A′部分の断面図、(C)は部分正面図である。また、図2は同誘電体フィルタの三面図である。その(A)は背面図、(B)は上面図(C)は正面図である。但し、図2の(B)で現れている面が実装基板への実装面である。
【0015】
ここで1は、外形が略六面体形状を成す誘電体ブロックである。この誘電体ブロック1には、その互いに対向する二面を貫通する互いに略平行な孔2a,2b,2cを形成している。これらの孔2a,2b,2cの内面には、それぞれ内導体を形成している。また、誘電体ブロック1の外面(六面)には外導体4を形成している。これらの孔2a,2b,2cの一方の開口端おいて、内導体は外導体4に導通し、その部分を内導体の短絡端としている。また、その反対側の開口端から孔内部へ所定深さだけ内導体非形成部gを設けて、この部分で内導体を外導体4から開放している。すなわちこの部分を開放端としている。
【0016】
図1の(A)における上面が実装基板への実装面である。このように、誘電体ブロック1の実装面から孔2a,2b,2cの一方の開口面(図における左手前の端面)にかけて、外導体の非形成部を設けて、外導体4および内導体3a,3cから絶縁した入出力電極5a,5cをそれぞれ形成している。また、入出力電極5a,5cの端縁の一部が、孔2a,2cの内導体非形成部gを設けた側の開口端を、その周縁に沿って所定長に亘って臨むように、入出力電極5a,5cの形成範囲を定めている。以下、この入出力電極が臨む開口端周縁に沿った長さを「周長」と言う。
【0017】
このようにして、内導体3a,3cの開放端付近と入出力電極5a,5cとの間にそれぞれ外部結合容量としての静電容量を生じさせている。
【0018】
従って、例えば入出力電極5cについて示すと、図1の(C)のように、入出力電極5cの形成範囲に応じて、その端縁の一部が臨む孔2cの開口端の周長L′は変化する。内導体3cの開放端付近と入出力電極5cとの間に生じる静電容量は、周長L′が長くなるほど大きくなる。
【0019】
図4は、この周長L′に対する外部結合容量の関係を示している。ここでL′=0の時の外部結合容量は、実装面および孔開口面の入出力電極5a,5cと内導体の開放端付近との間に生じる静電容量である。入出力電極5a,5cの端縁の一部が臨む孔開口端の周長L′が小さい間は、そのL′の変化に対する外部結合容量の変化が大きい。従って、入出力電極5a,5cの形成範囲によって比較的広い範囲に亘って外部結合容量を定めることができる。
【0020】
図3はこの誘電体フィルタの等価回路図である。ここでRa,Rb,Rcは、孔2a,2b,2cによる共振器である。すなわち内導体3a,3b,3c、外導体4およびその間の誘電体ブロック1による共振器である。Ceは上記外部結合容量である。孔2a,2b,2cは開放端側の内径を太く、短絡端の内径を細くしたステップ孔形状であるので、隣接共振器間が容量性結合する。
【0021】
このようにして上記周長L′によって所定の外部結合容量Ceを定めることによって、内導体3a,3cの軸長(共振器長)を変えることなく所望のフィルタ特性を得る。すなわち、フィルタ特性が所定範囲内に収まるように入出力電極5a,5cの形成範囲を定める。例えば先行試験によりフィルタを作製し、そのフィルタ特性の測定により、所望のフィルタ特性を得るための入出力電極5a,5cの形成範囲を定め、量産時にはその定めた形成範囲に入出力電極5a,5cを形成すればよい。
【0022】
図1に示す構造の誘電体ブロックで2GHz帯の帯域通過フィルタを構成する場合の各部の寸法等は次のとおりである。
誘電体ブロックの比誘電率:47
厚み:2[mm]
幅:6[mm]
軸長:5[mm]
孔径:1.0[mm]
内導体非形成部の幅:0.3[mm]
図4(C)に示すL:0.6〜1.0[mm]
入出力電極形成のための外導体非形成部の幅:0.2〜0.5[mm]
次に、第2の実施形態に係る誘電体フィルタについて、図5および図6を参照して説明する。
図5は4つのタイプの誘電体フィルタについて、それぞれの外観斜視図を示している。これらのいずれの図においても上面が実装面である。図5の(A)は、図1の(A)に示した状態から、入出力電極5aを孔2bから遠ざかる方向に、その形成範囲を定めた例である。また図5の(B)は、入出力電極5aを図5の(A)に示した状態から、実装面の対向面方向へ延ばした例である。このように入出力電極の形成範囲を定めても、その入出力電極5aの端縁の一部が臨む孔開口部の周長が変化するので、同様にして外部結合容量を定めることができる。また、入出力電極の形成範囲を、隣接する孔から遠ざかる方向へずらせることにより、孔間隔が狭い場合でも、入出力電極の形成が可能となる。
【0023】
図5の(C)に示す例は、図1の(A)に示した状態から、入出力電極5cを孔2a,2b,2cの配列方向に沿って延ばした例である。また、図5の(D)は、更に実装面と孔開口面に対して共に垂直な面にまで入出力電極5cを形成している。このように孔2a,2b,2cの配列方向に入出力電極を延ばした場合には、前記周長は変化しないが、孔2c内面の内導体の開放端付近と入出力電極5cとの間の静電容量が増大するので、このことによって外部結合容量を微調整することができる。
【0024】
この図5に示した例でも、第1の実施形態の場合と同様に、誘電体セラミック材料の成型により得た誘電体ブロック1に対して内導体3a,3b,3c、外導体4、入出力電極5a,5cを形成することによって誘電体フィルタを構成し、そのフィルタ特性が所定範囲内に収まるように入出力電極5a,5cの形成範囲を定めればよい。
【0025】
図6は孔の開口面を見た部分正面図であり、入出力電極の形成範囲の異なる2つの例について示している。図6の(A)に示す例では、入出力電極5cの端縁の一部が臨む孔2c開口端の周長が半周以上あるが、図6の(B)に示す例では、入出力電極5cの形成範囲を縮小することによって、上記周長を短くしている。このように周長は半周以上に亘って形成してもよい。また、予め入出力電極の形成範囲を広めにしておき、外部結合容量によってフィルタ特性を調整する際に、図6に示すように入出力電極の端縁を部分的に削除することにより、調整するようにしてもよい。
【0026】
このように入出力電極の一部を切削することによって外部結合容量を調整すれば、外部結合容量の微調整が可能となり、入出力電極の形成範囲の寸法精度が低くても、調整後には所望のフィルタ特性を高精度に得ることができる。
【0027】
図5に示した形状によれば、実装基板上の入出力電極の位置およびサイズが決定している場合においても、所望の外部結合を得ながら、入出力電極5a,5cの形成位置を実装基板上の入出力電極の位置に合わせることができる。従って、共通の誘電体ブロックを用いて、フィルタ特性の異なった多種類の誘電体フィルタを製造することができる。言い換えると、要求されるフィルタ特性に応じて誘電体ブロックの設計をやり直す必要が無く、製造コストを大幅に削減することができる。
【0028】
次に、第3の実施形態に係る誘電体フィルタについて、図7および図8を参照して説明する。
図7は2つの例について誘電体フィルタの外観斜視図を示している。この2つの誘電体フィルタの何れについても、誘電体ブロックの形状、孔2a,2b,2c内面の内導体および外面の外導体4の基本的な構成は第1・第2の実施形態で示したものと同様である。但し、入出力電極5aは、その端縁の一部が孔2aの開口端に臨むように形成している。また、もう1つの入出力電極5bcは、その端縁の一部が孔2b,2cに臨むように形成している。
【0029】
図8は、これらの誘電体フィルタの等価回路図である。ここでRa,Rb,Rcは、孔2a,2b,2cによる共振器である。孔2a,2b,2cは開放端側の内径を太く、短絡端の内径を細くしたステップ孔形状であるので、隣接共振器間が容量性結合する。Ceは外部結合容量である。また、Cmは入出力電極5bcと共振器Rbの開放端(孔2b内面の内導体の開放端付近)との間に生じる外部結合容量である。このように入出力電極5bcは、共振器間をマルチパス結合させるマルチパス電極として作用する。これにより、所望の周波数位置に減衰極を有する帯域通過フィルタとして作用させることができる。
【0030】
図7の(A)と(B)の違いは、(A)が、実装面(図における上面)においても、2つの孔開口端に一部が臨む入出力電極5bcを広い幅に亘って形成しているのに対し、(B)はそれを狭くしていることである。(A)のような形状であれば、入出力電極の形成が容易となる。(B)に示した形状では、実装面における入出力電極のサイズを変えることなく上記マルチパス電極を構成することができる。
【0031】
次に、第4の実施形態に係る誘電体フィルタについて、図9を参照して説明する。
図9は誘電体フィルタの斜視図である。ここで1は、外形が略六面体形状を成す誘電体ブロックであり、内面にそれぞれ内導体を形成した孔2a,2b,2cを平行に配列している。誘電体ブロックの外面には、図中sで示す面を除く五面に外導体4を形成している。誘電体ブロック1の実装面(図における上面)から孔2a,2b,2cの一方の開口面sにかけて入出力電極5a,5cを形成している。入出力電極5a,5cの端縁の一部が孔2a,2cの開口端に臨むように形成している。誘電体ブロック1の開口面sには外導体4から絶縁状態で結合用電極6を形成している。この結合用電極6は、孔2bの内面に形成した内導体に導通している。孔2a,2cの内面に形成した内導体の開放端付近と結合用電極6との間に静電容量が生じるので、この容量によって隣接共振器間が容量性結合する。このような構造によれば、孔2a,2b,2cは、その内径が開放端側と短絡端側とで等しいストレート孔であってもよい。
【0032】
図9に示した例では、誘電体ブロック1の孔開口面に結合用電極6を形成したが、外導体4を設けない孔の開口面に入出力電極以外に他の電極を形成しないタイプの誘電体フィルタについても同様に適用できる。
【0033】
次に、第5の実施形態に係る誘電体フィルタについて、図10を参照して説明する。
図10は、構造の異なる3つの誘電体フィルタの三面図である。(A),(B),(C)において、上部は背面図、中央は上面図、下部は正面図である。
【0034】
(A)に示す例では、六面体形状の誘電体ブロックに4つの孔2a〜2dを設け、それらの内面に内導体を形成している。誘電体ブロックの外面(六面)には外導体4を形成している。孔2a,2dのそれぞれの一方の開口端から孔内部へ所定深さだけ内導体非形成部gを設けている。また孔2b,2cの内部には、一方の開口端から所定深さだけ奥まった位置に内導体非形成部gを設けている。また、誘電体ブロックの外面には入出力電極5a,5dを形成している。
【0035】
この(A)に示した例では、内導体非形成部gにストレー容量が生じ、隣接共振器間がそれぞれ誘導性結合する。
このように、入出力電極5a,5dの端縁の一部が開口端に臨む孔2a,2d以外の孔(2b,2c)については、内導体非形成部gを孔の奥まった位置に形成してもよい。また、内面に内導体を形成する孔(共振器孔)は4つ以上であってもよい。
【0036】
図10の(B)に示す例では、略六面体形状の誘電体ブロックの内部に孔2a,2bを設けている。孔2a,2bの内面には、それぞれ内導体を形成していて、それぞれの一方の開口端から孔内部へ所定深さだけ内導体非形成部gを設け、他方の開口端で外導体4に導通(短絡)させている。この2つの孔2a,2bの内面に形成した内導体の開放端と短絡端とが互いに逆向きとなるように内導体非形成部gを設けている。また、内導体の開放端付近との間で静電容量が生じる入出力電極5a,5bを、これまでに示した各実施形態の場合と同様に形成している。このようにして、1/4波長共振器をインターデジタル結合させてもよい。
【0037】
図10の(C)の例では、孔2a,2bのそれぞれの両方の開口端から孔内部へ所定深さだけ内導体非形成部gを設けている。これにより、2つの半波長共振器を構成している。内導体非形成部g部分にはストレー容量が生じるので、この2つの共振器間は誘導性結合する。この例では、2つの孔2a,2bをそれぞれストレート孔としたが、開放端側の内径を太くし、等価的な短絡端側である中央部を細くすることによって、共振器間を容量性結合させることもできる。このように半波長共振器を構成する場合にも適用できる。
【0038】
次に、第6の実施形態に係る誘電体デュプレクサについて、図11を参照して説明する。
図11は誘電体デュプレクサの三面図であり、(A)は背面図、(B)は上面図、(C)は正面図である。但し、(B)は実装基板への実装面側から見た上面図である。外形が略六面体形状を成す誘電体ブロックの内部には、対向する2面を貫通する互いに略平行な複数の孔2a〜2gを配列している。これらの孔2a〜2gの内面にはそれぞれ内導体を形成している。誘電体ブロックの外面(六面)には外導体4を形成している。孔2a〜2gの一方の開口端から孔内部へ所定深さだけ内導体非形成部gを設けている。この内導体非形成部g部分を内導体の開放端としている。誘電体ブロックの実装面から孔開口面にかけて入出力電極5a,5cd,5gをそれぞれ形成している。入出力電極5aは、その端縁の一部が孔2aの開口端に臨むように形成している。入出力電極5cdは、その端縁の一部が孔2c,2dの開口端に臨むように形成している。更に、入出力電極5gは、その端縁の一部が孔2gの開口端に臨むように形成している。
【0039】
入出力電極5aは孔2aによる共振器と容量結合する。入出力電極5cdは孔2c,2dによる共振器とそれぞれ容量結合する。更に入出力電極5gは孔2gによる共振器と容量結合する。
【0040】
孔2a〜2cによる3つの共振器は誘導性結合して送信フィルタとして作用する。また、孔2d〜2gによる4つの共振器は誘導性結合して受信フィルタとして作用する。このようにして、入出力電極5aを送信信号入力端子、入出力電極5gを受信信号出力端子、入出力電極5cdをアンテナ端子とする、送受共用器としての誘電体デュプレクサとして作用する。
【0041】
次に、第7の実施形態に係る誘電体フィルタについて、図12を参照して説明する。
図12は誘電体フィルタの外観斜視図である。図1に示した誘電体フィルタと異なり、入出力電極5a,5cの孔開口面(図における左手前の面)での延びる向きが互いに非平行としている。このことにより、実装面(図における上面)での入出力電極5a,5cの位置を実装基板上の入出力電極の間隔に合わせている。このような構造であっても同様に適用できる。
【0042】
次に、第8の実施形態に係る通信装置の構成を、図13を参照して説明する。図13においてANTは送受信アンテナ、DPXはデュプレクサ、BPFa,BPFbはそれぞれ帯域通過フィルタ、AMPa,AMPbはそれぞれ増幅回路、MIXa,MIXbはそれぞれミキサ、OSCはオシレータ、SYNは周波数シンセサイザである。
【0043】
MIXaは送信中間周波信号IFと、SYNから出力された信号とを混合し、BPFaはMIXaからの混合出力信号のうち送信周波数帯域のみを通過させ、AMPaはこれを電力増幅してDPXを介しANTより送信する。AMPbはDPXから取り出した受信信号を増幅する。BPFbはAMPbから出力される受信信号のうち受信周波数帯域のみを通過させる。MIXbは、SYNから出力された周波数信号と受信信号とをミキシングして受信中間周波信号IFを出力する。
【0044】
図13に示したデュプレクサDPX部分には、第6の実施形態で示した誘電体デュプレクサを用いる。また帯域通過フィルタBPFa,BPFb,BPFcには、第1〜第5の実施形態で示した誘電体フィルタを用いる。
【0045】
【発明の効果】
この発明によれば、内導体の開放端付近と入出力電極との間の静電容量が、入出力電極の端縁の一部が孔の開口端を臨む周長によって定まるので、大きな外部結合を確保するとともに、誘電体ブロック内に構成する共振器の共振周波数とは独立して所定の外部結合が得られる。そのため、所望のフィルタ特性を備えた誘電体フィルタを容易に構成することができる。
【0046】
また、この発明によれば、孔を3つ以上設け、入出力電極の端縁の一部を、複数の孔の内導体非形成部を設けた側の開口端をそれぞれ所定周長に亘って臨むように形成することにより、入出力電極がマルチパス電極として作用し、所望の減衰極を備えたフィルタ特性を得ることができる。
【0047】
また、この発明によれば、前記孔の開口面に、当該開口面以外の面に形成されている外導体から絶縁された、入出力電極以外の電極を設けることにより、孔の開口面の電極で共振器間の結合が図れ、誘電体ブロックの形状を単純化することができ、誘電体ブロックの汎用性が更に高まる。
【0048】
この発明によれば、上記所望のフィルタ特性を備えた、例えば送受共用器として作用する誘電体デュプレクサを容易に構成することができる。
【0049】
この発明によれば、所望のフィルタ特性により例えば送信信号または受信信号に対しての所望の信号処理を行う通信装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る誘電体フィルタの構成を示す図
【図2】同誘電体フィルタの三面図
【図3】同誘電体フィルタの等価回路図
【図4】同誘電体フィルタにおける入出力電極の端縁の一部が臨む孔開口端の周長L′と外部結合容量との関係を示す図
【図5】第2の実施形態に係る誘電体フィルタの外観斜視図
【図6】誘電体フィルタの外部結合容量の調整方法を示す図
【図7】第3の実施形態に係る誘電体フィルタの外観斜視図
【図8】同誘電体フィルタの等価回路図
【図9】第4の実施形態に係る誘電体フィルタの外観斜視図
【図10】第5の実施形態に係る誘電体フィルタの三面図
【図11】第6の実施形態に係る誘電体デュプレクサの三面図
【図12】第7の実施形態に係る誘電体フィルタの外観斜視図
【図13】第8の実施形態に係る通信装置の構成を示すブロック図
【図14】従来の誘電体フィルタの外観斜視図および断面図
【符号の説明】
1−誘電体ブロック
2−孔
3−内導体
4−外導体
5−入出力電極
6−結合用電極
s−開口面
g−内導体非形成部

Claims (5)

  1. 外形が略六面体形状を成し、該六面のうち対向する二面を貫通する互いに略平行な複数の孔を有する誘電体ブロックと、該誘電体ブロックの外面に形成した外導体と、前記孔の内面に形成した内導体とを備えた誘電体フィルタにおいて、
    前記孔の少なくとも一方の開口端から孔内部へ所定深さだけ内導体非形成部を設け、前記誘電体ブロックの実装面から、前記孔の開口面にかけて、外導体および内導体から絶縁した入出力電極を形成するとともに、前記入出力電極の端縁の一部が、前記孔の前記内導体非形成部を設けた側の開口端を所定周長に亘って臨むように、当該入出力電極の形成範囲を定めたことを特徴とする誘電体フィルタ。
  2. 前記孔は3つ以上存在し、前記入出力電極の端縁の一部が、前記複数の孔の前記内導体非形成部を設けた側の開口端をそれぞれ所定周長に亘って臨むように、当該入出力電極の形成範囲を定めた請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  3. 前記孔の開口面には、当該開口面以外の面に形成されている前記外導体から絶縁された、前記入出力電極以外の電極を設けた請求項1または2に記載の誘電体フィルタ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の誘電体フィルタにおいて、それぞれ異なった孔の内導体非形成部により開放された内導体の開放端付近との間で静電容量が生じる3つの入出力電極を設けた誘電体デュプレクサ。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の誘電体フィルタまたは、請求項4に記載の誘電体デュプレクサを備えた通信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016027690A (ja) * 2014-07-07 2016-02-18 株式会社村田製作所 フィルタ装置とフィルタ特性の調整方法

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