JP2016027396A - トナー製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 現像耐久性、保存安定性、環境安定性、耐部材汚染および低温定着性に優れたトナーを提供すること。
【解決手段】 粒子を含有する水系媒体中に、有機ケイ素化合物を添加して、該有機ケイ素化合物を重合させて得られる有機ケイ素重合体を含有するトナー粒子の製造方法であって、
該有機ケイ素化合物は特定の構造で示される化合物であり、
該有機ケイ素重合体は80.0℃以上105.0℃以下で重合させて得られたことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真および静電印刷などの画像形成方法に用いられる静電荷像(静電潜像)を現像するためのトナーの製造方法に関する。
近年、コンピュータおよびマルチメディアの発達により、オフィスから家庭まで幅広い分野で、高精細なフルカラー画像を出力する手段が要望されている。
また、複写またはプリントを多く行うようなオフィスでの使用においては、多数枚の複写またはプリントによっても画質低下のない高耐久性が求められている。一方で、スモールオフィスや家庭での使用においては、高画質な画像を得るとともに、省スペース・省エネルギー・軽量化の観点から装置の小型化が求められている。上記要求に対応するために、環境安定性、部材汚染、低温定着性、現像耐久性および保存安定性といったトナー性能のさらなる向上が必要となる。
特にフルカラー画像の場合は、カラートナーを重ね合わせ画像を形成しているが、各々の色のカラートナーが同じように現像されなければ色再現に劣り、色ムラが生じてしまう。トナーの着色剤として用いられている顔料や染料がトナー粒子の表面に析出した場合、現像性に影響が出てしまい、色ムラが生じてしまうことがある。
さらに、フルカラー画像においては定着時の定着性および混色性が重要である。例えば、要望されている高速化を達成するためには低温定着性にふさわしい結着樹脂が選択されるが、この結着樹脂がカラートナーの現像性および耐久性に与える影響も大きい。
さらに、温度および湿度が異なるような様々な環境において、長期使用可能の高精細なフルカラー画像を出力する手段が要望されている。このような要望に対応するためには、温度および湿度の使用環境の違いによって生じるトナーの帯電量の変化やトナー表面性の変化、また、現像ローラー、帯電ローラー、規制ブレードおよび感光ドラムなどの部材への汚染といった課題を解決する必要がある。よって、広範な環境に長期保存しても安定した帯電性や部材汚染が生じない安定した現像耐久性を有するトナーの開発が求められている。
温度および湿度によるトナーの保存安定性や帯電量の変動の原因の一つとしてトナーの離型剤や樹脂成分が、トナーの内部から表面に染み出す現象(以下、この現象をブリード(bleed)ともいう)が生じ、トナーの表面性を変化させることが挙げられる。
このような課題を解決する手段の一つとしてトナー粒子の表面を樹脂で覆う方法がある。
特許文献1では、高温保存性および印刷時の常温常湿環境下や高温高湿環境下における印字耐久性に優れたトナーとして、無機微粒子を表面に強く固着させたトナーが開示されている。しかしながら、無機微粒子をトナー粒子に強く固着させたとしても、無機微粒子同士の隙間から離型剤や樹脂成分によるブリードの発生や、耐久劣化による無機微粒子の遊離が生じる場合がある。これらにより、過酷環境における耐久性および部材汚染に対してはさらなる改善が必要となっている。
また、特許文献2では、着色剤や極性物質がトナー表面に露出することなく、狭い帯電量分布を有し、帯電量の湿度依存性が極めて少ないトナーを得るために、反応系にシランカップリング剤を添加することを特徴とする重合トナーの製造方法が開示されている。しかしながら、このような方法では、トナー表面へのシラン化合物の析出量やシラン化合物の加水分解重縮合が不十分であり、環境安定性および現像耐久性に対してはさらなる改善が必要となっている。
さらに、特許文献3では、トナーの帯電量制御を行い、温度、湿度の環境に左右されず良質な印刷画像を形成する手段として、表面部に連続した薄膜の形で施されたケイ素化合物を含んでいる重合トナーが開示されている。しかしながら、この重合トナーは、有機官能基の極性が大きく、トナー表面へのシラン化合物の析出量やシラン化合物の加水分解重縮合が不十分であり、架橋度が弱い。そのため、高温高湿下における帯電性の変化による画像濃度変化や耐久劣化による部材汚染に対してはさらなる改善が必要となっている。
さらに、特許文献4では、流動性、流動化剤の遊離、低温定着性、ブロッキング性を改善するトナーとして、ケイ素化合物を含む粒状塊同士が固着されることによって形成された被覆層を有する重合トナーが開示されている。しかしながら、この重合トナーは、ケイ素化合物を含む粒子塊の隙間から離型剤や樹脂成分が染み出すブリードが発生する場合がある。また、トナー表面へのシラン化合物の析出量やシラン化合物の加水分解重縮合が不十分になることがある。これらによって発生する高温高湿下における帯電性の変化による画像濃度変化、トナー融着による部材汚染の発生や保存安定性に対してさらなる改善が必要となっている。
特開2006−146056号公報 特開平03−089361号公報 特開平09−179341号公報 特開2001−75304号公報
本発明は、上記課題を解決したトナーの製造方法を提供する。より詳しくは、現像耐久性、保存安定性、環境安定性、耐部材汚染および低温定着性に優れたトナーの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、下記構成を採用することで上記課題を解決することが可能であることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
有機ケイ素重合体を表層に有するトナー粒子の製造方法であって、
該製造方法は、
(i)粒子を含有する水系媒体を調製する工程、
(ii)有機ケイ素化合物と該水系媒体とを混合する工程、及び
(iii)該有機ケイ素化合物を温度80.0℃以上105.0℃以下の条件にて重合する工程、
を有し、
該有機ケイ素化合物が、式(1)または式(2)で示される化合物であることを特徴とする。
Figure 2016027396
(式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基またはアルコキシ基である。)
Figure 2016027396
(式中、Rは、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基であり、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基またはアルコキシ基である。)
TEM観察で得られたトナー粒子断面の説明図。 本発明のトナー粒子の29Si−NMRの測定チャート。 本発明のトナーのDSC測定で得られたリバーシングヒートフロー曲線を示す図。 本発明で使用する画像形成装置の一例を示す概略構成図。
以下、本発明を詳細に説明するが、これら説明に限定されるわけではない。
本発明は、有機ケイ素重合体を表層に有するトナー粒子の製造方法であって、
該製造方法は、
(i)粒子を含有する水系媒体を調製する工程、
(ii)有機ケイ素化合物と該水系媒体とを混合する工程、及び
(iii)該有機ケイ素化合物を温度80.0℃以上105.0℃以下の条件にて重合する工程、
を有し、
該有機ケイ素化合物が、式(1)または式(2)で示される化合物であることを特徴とする。
Figure 2016027396
(式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基またはアルコキシ基である。)
Figure 2016027396
(式中、Rは、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基であり、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基またはアルコキシ基である。)
本発明において、トナー粒子の表面に、有機ケイ素重合体を含有する表層を設けることにより、有機構造による疎水性を向上させることができ、環境安定性に優れたトナーを得ることができる。
粒子(母粒子)を含有する水系媒体中に、重合性の有機ケイ素化合物を添加して、または、粒子(母粒子)を含有する水系媒体を、有機ケイ素化合物に添加して、該有機ケイ素化合物を重合して、重合させて得られる有機ケイ素重合体を表層に有するトナー粒子を得る。こうすることで、保存性や環境安定性に優れたトナーを得ることができる。粒子表面を前記有機ケイ素重合体で均一に覆うことができるためである。好ましくは、粒子を含有する水系媒体中に、有機ケイ素化合物を添加し、該有機ケイ素化合物を重合させることである。
また、前記有機ケイ素化合物は式(1)または式(2)で示される化合物であることにより環境安定性と耐久性が良化する。式(1)または式(2)の加水分解重縮合により架橋して耐久性と環境安定性が良化する。
式(1)に関し、好ましい有機ケイ素化合物としては、テトラヒドロシラン、テトラクロロシラン、テトラヒドロキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン、テトライソシアネートシラン、テトラアセトキシシランなどの4官能性のシランが挙げられる。
式(2)に関し、好ましい有機ケイ素化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシランなどの三官能性のメチルシラン。
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリアセトキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリアセトキシシラン、ブチルトリヒドロキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、ヘキシルトリヒドロキシシランなどの三官能性のシラン。
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリヒドロキシシランなどの三官能性のフェニルシラン。
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメトキシジクロロシラン、ビニルエトキシジクロロシラン、ビニルジメトキシクロロシラン、ビニルメトキシエトキシクロロシラン、ビニルジエトキシクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジアセトキシメトキシシラン、ビニルジアセトキシエトキシシラン、ビニルアセトキシジメトキシシラン、ビニルアセトキシメトキシエトキシシラン、ビニルアセトキシジエトキシシラン、ビニルトリヒドロキシシラン、ビニルメトキシジヒドロキシシラン、ビニルエトキシジヒドロキシシラン、ビニルジメトキシヒドロキシシラン、ビニルエトキシメトキシヒドロキシシラン、ビニルジエトキシヒドロキシシランなどの三官能性のビニルシラン。
アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルジエトキシメトキシシラン、アリルエトキシジメトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメトキシジクロロシラン、アリルエトキシジクロロシラン、アリルジメトキシクロロシラン、アリルメトキシエトキシクロロシラン、アリルジエトキシクロロシラン、アリルトリアセトキシシラン、アリルジアセトキシメトキシシラン、アリルジアセトキシエトキシシラン、アリルアセトキシジメトキシシラン、アリルアセトキシメトキシエトキシシラン、アリルアセトキシジエトキシシラン、アリルトリヒドロキシシラン、アリルメトキシジヒドロキシシラン、アリルエトキシジヒドロキシシラン、アリルジメトキシヒドロキシシラン、アリルエトキシメトキシヒドロキシシラン、アリルジエトキシヒドロキシシランなどの三官能性のアリルシラン。
γ−メタクリロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルジエトキシメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルエトキシジメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルトリクロロシラン、γ−メタクリロプロピルメトキシジクロロシラン、γ−メタクリロプロピルエトキシジクロロシラン、γ−メタクリロプロピルジメトキシクロロシラン、γ−メタクリロプロピルメトキシエトキシクロロシラン、γ−メタクリロプロピルジエトキシクロロシラン、γ−メタクリロプロピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロプロピルジアセトキシメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルジアセトキシエトキシシラン、γ−メタクリロプロピルアセトキシジメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルアセトキシメトキシエトキシシラン、γ−メタクリロプロピルアセトキシジエトキシシラン、γ−メタクリロプロピルトリヒドロキシシラン、γ−メタクリロプロピルメトキシジヒドロキシシラン、γ−メタクリロプロピルエトキシジヒドロキシシラン、γ−メタクリロプロピルジメトキシヒドロキシシラン、γ−メタクリロプロピルエトキシメトキシヒドロキシシラン、γ−メタクリロプロピルジエトキシヒドロキシシランなどの三官能性のγ−メタクリロプロピルシラン。
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリクロロシラン、3−メルカプトプロピルトリヒドロキシシランなどの三官能性の3−メルカプトプロピルシラン。
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリクロロシラン、3−アミノプロピルトリアセトキシシラン、3−アミノプロピルトリヒドロキシシランなどの三官能性の3−アミノプロピルシラン。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリクロロシラン、3−グリシドキシプロピルトリアセトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリヒドロキシシランなどの三官能性の3−グリシドキシプロピルシラン。
3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリエトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリクロロシラン、3−フェニルアミノプロピルトリアセトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリヒドロキシシランなどの三官能性の3−フェニルアミノプロピルシラン。
3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリクロロシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリアセトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリヒドロキシシランなどの三官能性の3−(2−アミノエチル)アミノプロピルシランが挙げられる。
上記式(1)および式(2)中のR、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、またはアルコキシ基である(以下、反応基ともいう)。これらの反応基が加水分解、付加重合および縮合重合して架橋構造を形成し、耐部材汚染および現像耐久性に優れたトナーを得ることができる。加水分解性が穏やかであり、トナー表面への析出性と被覆性の観点から、アルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基やエトキシ基であることがより好ましい。また、式(1)および式(2)中のR、R、R、R、R、RおよびRの加水分解、付加重合および縮合重合は、反応温度、反応時間、反応溶媒およびpHによって制御することができる。
式(2)のRのアルキル基、アルケニル基およびフェニル基により環境安定性が良化する。
に関し、Rの炭素数は6以下であることが好ましい。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ビニル基、アリル基およびアリール基が好ましい。しかし、Rの疎水性が大きいと広範な環境において帯電量変動が大きくなる傾向がある。特に環境安定性に優れている、炭素数が1以上5以下のアルキル基が好ましい。
本発明において、上記Rは炭素数が1以上3以下のアルキル基であることが、帯電性およびカブリ防止のさらなる向上のためにより好ましい態様である。帯電性が良好であると、転写性が良く転写残トナーが少ないためドラム、帯電部材および転写部材の汚染が良化する。
炭素数が1以上3以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、またはプロピル基が好ましく例示できる。さらに好ましくは、環境安定性と保存安定性の観点から、Rはメチル基である。
上記式(2)中のRの疎水性および帯電性により、表面よりも内部に存在する成分(例えば、低分子量(Mw1000以下)樹脂、低Tg(40℃以下)樹脂、離型剤)のブリードが抑えられる。その結果、トナーの撹拌性が良化し、保存安定性、ならびに、連続印字時の濃度低下変化が少ない現像性に優れたトナーを得ることができる。
また、本発明において、有機ケイ素重合体の含有量は、トナー粒子中に0.25質量%以上50.00質量%以下であることが好ましく、0.50質量%以上40.00質量%以下であることがより好ましい。
該有機ケイ素化合物の重合は、水系媒体の温度80.0℃以上105.0℃以下の条件にて行うことが好ましく、式(1)、式(2)の加水分解重縮合が進行し架橋して耐久性が良化する。
より好ましくは温度85.0℃以上100.0℃以下である。この場合、環境安定性がさらに良化する。
本発明において、好ましいトナー粒子は、下記の粒子A〜Dのいずれかであることが好ましい。
A.水系媒体中で重合性単量体を含有する重合性単量体組成物を形成して、該重合性単量体組成物を重合させて得られた粒子A
B.結着樹脂を溶融混練し、粉砕して得られた粒子B
C.水系媒体中で、結着樹脂と有機溶媒を含有する有機相が分散した分散液を形成して得られた粒子C
D.結着樹脂粒子を水系媒体中で凝集して得られた粒子D
上記粒子A〜Dであることにより、部材汚染が良化する。中でも、水系媒体中における粒子の分散性を考慮すると、粒子A、C、Dであることが好ましい。
本発明において、前記有機ケイ素化合物の重合は、水系媒体をpH4.0以上10.0以下に保持して行われることが好ましい。
pH4.0以上10.0以下であることにより加水分解と縮合が良好になる。より好ましくはpH6.0以上9.5以下である。加水分解重縮合が進行し架橋して耐久性と環境安定性が良化する。
また、本発明において、本発明の効果を損なわない範囲であれば、式(1)または式(2)で表される有機ケイ素化合物とともに、下記式(3)で表される一分子中に2つの反応基を有する有機ケイ素化合物(二官能性シラン)や下記式(4)で表される1つの反応基を有する有機ケイ素化合物(一官能性シラン)を併用してもよい。
Figure 2016027396
Figure 2016027396
(式中のR11、R12、R16は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基またはアルコキシ基である。R、R10、R13、R14およびR15はアルキル基、アルケニル基、フェニル基、3−グリシドキシプロピルメチル基、3−メタクリロキシプロピルメチル基、3−メルカプトプロピル基、3−アミノプロピル基、3−フェニルアミノプロピル基、3−(2−アミノエチル)アミノプロピル基である。)
併用してもよい有機ケイ素化合物としては以下のようなものが挙げられる。ジメチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、t−ブチルジメチルメトキシシラン、t−ブチルジメチルエトキシシラン、t−ブチルジフェニルクロロシラン、t−ブチルジフェニルメトキシシラン、t−ブチルジフェニルエトキシシラン、クロロ(デシル)ジメチルシラン、メトキシ(デシル)ジメチルシラン、エトキシ(デシル)ジメチルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、クロロトリメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、トリフェニルクロロシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、クロロメチル(ジクロロ)メチルシラン、クロロメチル(ジメトキシ)メチルシラン、クロロメチル(ジエトキシ)メチルシラン、ジ−tert−ブチルジクロロシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジブチルジクロロシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジクロロデシルメチルシラン、ジメトキシデシルメチルシラン、ジエトキシデシルメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジクロロ(メチル)−n−オクチルシラン、ジメトキシ(メチル)−n−オクチルシラン、ジエトキシ(メチル)−n−オクチルシランなどが挙げられる。
本発明に用いられる有機ケイ素重合体中の全ケイ素原子数をNSiとし、有機ケイ素重合体中における下式(TX1)〜(TX3)で表される部分構造に含まれるケイ素原子の合計数をNTXとしたとき、NSiに対するNTXの割合が50%以上100%以下であることが好ましい。より好ましくは、60%以上100%以下である。NSiに対するNTXの割合を50%以上にすることによって、流動性が良化することができ、さらに、トナーの環境安定性を向上させ、ベタ画像(トナーの載り量が0.40mg/cm)の連続印字時の濃度変化を小さくすることができる。尚、有機ケイ素重合体中における下式(TX1)〜(TX3)で表される部分構造は、式(2)で表される有機ケイ素化合物を重合することによって生じる構造である。
下記にTX1構造、TX2構造およびTX3構造を示す。TX1構造、TX2構造及びTX3構造をまとめてTX構造とする。
Figure 2016027396
Figure 2016027396
Figure 2016027396
(式中のRi、RjおよびRkは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基またはアルコキシ基である。R5Zは、アルキル基、アルケニル基、前記アルケニル基の重合体またはフェニル基である。)
本発明に用いられる有機ケイ素重合体の代表的な製造例としては、ゾルゲル法と呼ばれる方法が挙げられる。ゾルゲル法は、金属アルコキシドM(OR)n(M:金属、O:酸素、R:アルキル基、n:金属の酸化数)を出発原料に用いて、溶媒中で加水分解および縮合重合させ、ゾル状態を経て、ゲル化する方法である。例えば、ガラス、セラミックス、有機−無機ハイブリット、ナノコンポジットを合成する方法に用いられる。この製造方法を用いれば、表層、繊維、バルク体、微粒子などの種々の形状の機能性材料を液相から低温で作製することができる。
トナー粒子の表層に存在する有機ケイ素重合体は、具体的には、アルコキシシランに代表されるケイ素化合物の加水分解重縮合によって生成されることが好ましい。
この有機ケイ素重合体を含有する表層をトナー粒子に均一に設けることによって、従来のトナーのように、無機微粒子の固着や付着を行わなくても、環境安定性が向上する。また、長期使用時におけるトナーの性能低下が生じにくく、保存安定性に優れたトナーを得ることができる。
さらに、ゾルゲル法は、溶液から出発し、その溶液をゲル化することによって材料を形成しているため、様々な微細構造および形状をつくることができる。特に、トナー粒子が水系媒体中で製造される場合には、有機ケイ素化合物のシラノール基などの親水基による親水性によってトナー粒子表面に析出させやすくなる。しかし、有機ケイ素化合物の疎水性が大きい場合(例えば有機ケイ素化合物のアルキル基の炭素数が6を超えるアルキル基である場合)、トナー粒子の表面上に、トナー粒子の重量平均粒径(μm)の1/10以下である凝集体を形成しやすい傾向がある。一方、有機ケイ素化合物のアルキル基の炭素数が0の場合には疎水性が弱くなるため、トナーの帯電安定性が悪化する。上記微細構造および形状は反応温度、反応時間、反応溶媒、pHや有機ケイ素化合物の種類および量などによって調整することができる。
一般的に、ゾルゲル反応では、反応媒体の酸性度によって生成するシロキサン結合の結合状態が異なることが知られている。具体的には、反応媒体が酸性である場合には、水素イオンが一つの反応基(例えば、アルコキシ基(−OR基))の酸素に親電子的に付加する。次に、水分子中の酸素原子がケイ素原子に配位して、置換反応によってヒドロシリル基になる。水が十分に存在している場合には、Hひとつで反応基(例えば、アルコキシ基(−OR基))の酸素をひとつ攻撃するため、反応媒体中のHの含有率が少ないときには、ヒドロキシ基への置換反応が遅くなる。よって、シランに付いた反応基のすべてが加水分解する前に重縮合反応が生じ、比較的容易に、一次元的な線状高分子や二次元的な高分子が生成しやすい。
一方、反応媒体がアルカリ性の場合には、水酸化物イオンがケイ素に付加して5配位中間体を経由する。そのため全ての反応基(例えば、アルコキシ基(−OR基))が脱離しやすくなり、容易にシラノール基に置換される。特に、同一シランに3個以上の反応基を有するケイ素化合物を用いた場合には、加水分解および重縮合が3次元的に生じて、3次元の架橋結合の多い有機ケイ素重合体が形成される。また、反応も短時間で終了する。
したがって、有機ケイ素重合体を形成するには、反応媒体がアルカリ性の状態でゾルゲル反応を進めることが好ましく、水系媒体中で製造する場合には、具体的には、pH8.0以上であることが好ましい。これによって、より強度の高い、耐久性に優れた有機ケイ素重合体を形成することができる。また、ゾルゲル反応は、反応温度90℃以上、かつ、反応時間5時間以上で行うことが好ましい。
このゾルゲル反応を上記反応温度および反応時間で行うことによって、トナー粒子表面のゾルやゲルの状態のシラン化合物同士が結合した合一粒子の形成を抑制することができる。さらに、本発明の効果を損なわない程度に、上記有機ケイ素化合物とともに、有機チタン化合物や有機アルミ化合物を用いてもよい。
有機チタン化合物としては、以下のものが挙げられる。チタンメトキサイド、チタンエトキサイド、チタンn−プロポキサイド、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、チタンイソブトキサイド、チタンブトキシドダイマー、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート、チタニウムジ−2−エチルヘキソキシビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、チタンラクテート、チタンメタクリレートイソプロポキサイド、トリイソプロポキシチタネート、チタンメトキシプロポキサイド、チタンステアリルオキサイド。
有機アルミ化合物としては、以下のものが挙げられる。アルミニウム(III)n−ブトキサイド、アルミニウム(III)s−ブトキサイド、アルミニウム(III)s−ブトキサイドビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム(III)t−ブトキサイド、アルミニウム(III)ジ−s−ブトキサイドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)ジイソプロポキサイドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)エトキサイド、アルミニウム(III)エトキシエトキシエトキサイド、アルミニウムヘキサフルオロペンタンジオネート、アルミニウム(III)3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロネート、アルミニウム(III)イソプロポキサイド、アルミニウム−9−オクタデセニルアセトアセテートジイソプロポキサイド、アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオネート、アルミニウムフェノキサイド、アルミニウム(III)2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート。
なお、これらの化合物は単独で用いても、複数種用いてもよい。これらを適宜に組み合わせたり、添加量を変えたりすることで、帯電量を調節することができる。本発明のトナーは、トナー粒子の表面のX線光電子分光分析(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)を用いた測定において、トナー粒子表面の、ケイ素原子の濃度dSiと酸素原子の濃度dOと炭素原子の濃度dCの合計(dSi+dO+dC)に対するケイ素原子の濃度dSi(dSi/[dSi+dO+dC])が、2.5atomic%以上であることが好ましく、より好ましくは5.0atomic%以上であり、さらに好ましくは10.0atomic%以上である。
上記ESCAは、トナー粒子表面からトナー粒子中心(長軸の中点)に数nmの厚さで存在する表面の元素分析を行うものである。このトナー粒子表面におけるケイ素原子の濃度(dSi/[dSi+dO+dC])が2.5atomic%以上あることで、表面の表面自由エネルギーを小さくすることができる。該ケイ素原子の濃度を2.5atomic%以上に調整することによって、流動性がさらに向上し、部材汚染やカブリの発生をより抑制することができる。
一方、該トナー粒子表面におけるケイ素原子の濃度(dSi/[dSi+dO+dC])は、帯電性の観点より、33.3atomic%以下であることが好ましい。より好ましくは28.6atomic%以下である。
該トナー粒子表面におけるケイ素原子の濃度は、上記式(1)、式(2)中のRの構造、有機ケイ素重合体形成時のトナー粒子の製造方法、反応温度、反応時間、反応溶媒およびpHによって制御することができる。また、有機ケイ素重合体の含有量によっても制御することができる。なお、本発明においてトナー粒子の表面とは、トナー粒子表面からトナー粒子中心に向かって10.0nm以下の厚さの領域を意味する。
本発明において、下記の方法で測定される有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚みDav.が5.0nm以上150.0nm以下であることが、保存安定性の観点から好ましい。トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚みDav.は7.5nm以上125.0nm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは10.0nm以上100.0nm以下である。トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚みDav.が上記の範囲内であれば、保存安定性、環境安定性、低温定着性に関してより優れたトナーを得ることができる。
また、本発明において、有機ケイ素重合体を含有する表層とトナー粒子表層以外の部分(いわゆる芯部分)は、隙間なく接していることが好ましい。換言すれば特許文献4に開示されているような粒塊状の被覆層でないことが好ましい。これにより、トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層よりも内部の樹脂成分や離型剤等によるブリードの発生が抑えられ、保存安定性、環境安定性および現像耐久性に優れたトナーを得ることができる。
〔トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚みDav.〕
トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚みDav.は以下の方法で求めた。
まず、1つのトナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚みD(n)を以下の方法で求めた。
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断面の観察において、
i)前記トナー粒子断面の最長径を与える弦を長軸Lとし、
ii長軸Lをその中点で分割した際の一方の線分を線分aとし、
iii)該線分aを基準として、11.25°ずつずらして長軸Lの中点からトナー粒子表面まで引いた32本の線分をそれぞれAr(n=1〜32)とする。
更に、Ar(n=1〜32)上における表層の長さをFRA(n=1〜32)とする。
(n)=(FRA(n=1〜32)の合計)/32
この計算をトナー粒子10個に対して行った。得られたトナー粒子の表層の厚みD(n)(nは1から10の整数)から、トナー粒子1つあたりの平均値を下記式に従って計算し、トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚みDav.を求めた。
Dav.={D(1)+D(2)+D(3)+D(4)+D(5)+D(6)+D(7)+D(8)+D(9)+D(10)}/10
トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚みDav.は、上記式(1)、式(2)中のアルキル基の炭素数、親水性基の数によって制御することができる。また、有機ケイ素重合体形成時の付加重合および縮合重合の反応温度、反応時間、反応溶媒、pHによって制御することもできる。また、有機ケイ素重合体の含有量で制御することもできる。
本発明においては、得られたトナー粒子またはトナーを、熱風を用いて表面処理してもよい。熱風を用いてトナー粒子またはトナーの表面処理を行うことによって、トナー粒子の表面近傍の有機ケイ素化合物の縮重合を促進して、環境安定性と現像耐久性を向上させることができる。
上記熱風を用いた表面処理としては、熱風でトナー粒子またはトナーの表面を処理することができ、かつ、熱風で処理されたトナー粒子またはトナーを冷風で冷却できる方式を採用できる手段であればどのようなものであってもよい。
熱風を用いた表面処理を行う装置としては、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)が挙げられる。
上記製造方法において水系媒体とは、以下のものが挙げられる。水;メタノール、エタノール、およびプロパノールなどのアルコール類、ならびに、これらの混合溶媒である。本発明のトナー粒子の製造方法として、上述した製造方法の中でも、懸濁重合法が好ましい。懸濁重合法では有機ケイ素重合体がトナー粒子の表面に均一に析出しやすく、表層と内部との接着性に優れ、保存安定性、環境安定性および現像耐久性が良好になる。以下、懸濁重合法についてさらに説明する。
上記重合性単量体組成物には、必要に応じて着色剤、離型剤、極性樹脂、および低分子量樹脂を添加してもよい。また、重合工程終了後は、生成した粒子を洗浄、濾過により回収し、乾燥させてトナー粒子を得る。なお、上記重合工程の後半に昇温してもよい。さらに未反応の重合性単量体または副生成物を除去するために、重合工程後半または重合工程終了後に一部分散媒体を反応系から留去することも可能である。なお、以下に記載される材料は、懸濁重合法にのみ適用されるものではなく、上記他の製法にも適用できるものである。
上記懸濁重合法における重合性単量体として、以下に示すビニル系重合性単量体が好適に例示できる。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンなどのスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートなどのアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル、蟻酸ビニルなどのビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン。上記重合性単量体の重合に際して、重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系、またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドなどの過酸化物系重合開始剤。これらの重合開始剤は、重合性単量体に対して0.5質量%以上30.0質量%以下の添加が好ましく、単独でもまたは併用してもよい。
トナー粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールするために、重合性単量体の重合に際して、連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤の添加量としては、重合性単量体の0.001質量%以上15.000質量%以下であることが好ましい。一方、トナー粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールするために、重合性単量体の重合に際して、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、および以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの。
また、多官能の架橋剤としては以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート。架橋剤の添加量としては、重合性単量体に対して0.001質量%以上15.000質量%以下であることが好ましい。上記重合性単量体の重合の際に用いられる媒体が水系媒体の場合には、重合性単量体組成物の粒子の水系媒体中での分散安定剤として以下のものを使用することができる。
無機分散安定剤として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。
また、有機系分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンが挙げられる。
さらに、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。このような界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム。
本発明において、難水溶性無機分散安定剤を用い、水系媒体を調製する場合に、これらの分散安定剤の添加量は重合性単量体100.0質量部に対して、0.2質量部以上2.0質量部以下であることが好ましい。また、重合性単量体組成物100質量部に対して300質量部以上3,000質量部以下の水を用いて水系媒体を調製することが好ましい。
本発明において、上記のような難水溶性無機分散剤が分散された水系媒体を調製する場合には、市販の分散安定剤をそのまま用いてもよい。また、細かい均一な粒度を有する分散安定剤を得るためには、水などの液媒体中で、高速撹拌下、難水溶性無機分散剤を生成させてもよい。具体的には、リン酸三カルシウムを分散安定剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散安定剤を得ることができる。本発明において、トナー粒子に用いられる結着樹脂は、特段限定されず、従来公知のものを用いることができる。トナー粒子に用いられる結着樹脂はビニル系樹脂、ポリエステル樹脂などが好ましく例示できる。ビニル系樹脂は前述したビニル系重合性単量体の重合により生成するとよい。例えば、ビニル系樹脂は、環境安定性に優れている。また、ビニル系樹脂は、上記式(1)、式(2)で表される構造を有する有機ケイ素化合物を重合させて得られる有機ケイ素重合体をトナー粒子表面への析出性、表面均一性、長期保存安定性に優れているため好ましい。
一方、ポリエステル樹脂としては、下記に挙げるカルボン酸成分とアルコール成分とを縮合重合させたものを用いることができる。
カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、および、トリメリット酸が挙げられる。
アルコール成分としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、および、ペンタエリスリトールが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂は、ウレア基を含有したポリエステル樹脂であってもよい。
一方、上記ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂およびその他の結着樹脂として、以下の樹脂または重合体が例示できる。
ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。これら結着樹脂は単独または混合して使用できる。
本発明のトナーにおいては、高温時におけるトナーの粘度変化の改良を目的として樹脂が重合性官能基を有していてもよい。重合性官能基としては、ビニル基、イソシアナート基、エポキシ基、アミノ基、カルボン酸基、ヒドロキシ基が挙げられる。本発明において、トナー粒子は、極性樹脂を含有してもよい。該極性樹脂としては、飽和または不飽和のポリエステル樹脂が好ましく例示できる。
当該ポリエステル樹脂としては、下記に挙げるカルボン酸成分とアルコール成分とを縮合重合させたものを用いることができる。
カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、および、トリメリット酸が挙げられる。
アルコール成分としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、および、ペンタエリスリトールが挙げられる。
また、該ポリエステル樹脂は、ウレア基を含有したポリエステル樹脂であってもよい。
本発明において、極性樹脂の重量平均分子量は、4,000以上100,000未満であることが好ましい。また、極性樹脂の含有量は、トナー粒子に含有される結着樹脂成分を基準として、3.0質量%以上70.0質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、3.0質量%以上50.0質量%以下であり、さらに好ましくは5.0質量%以上30.0質量%以下である。本発明において、トナー粒子を構成する材料の一つとして、離型剤を含有することが好ましい。該トナー粒子に使用可能な離型剤としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油系ワックスおよびその誘導体、モンタンワックスおよびその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスおよびその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンワックスおよびその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスなどの天然ワックスおよびその誘導体、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油およびその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコ−ン樹脂が挙げられる。
なお、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
なお、離型剤の含有量は、結着樹脂または重合性単量体100.0質量部に対して5.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。本発明において、トナー粒子は着色剤を含有してもよい。該着色剤としては、特に限定されず、以下に示す公知のものを使用することができる。
黄色顔料としては、黄色酸化鉄、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が用いられる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー180。
橙色顔料としては以下のものが挙げられる。パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
青色顔料としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
緑色顔料としては、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGが挙げられる。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛が挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタイト、上記黄色系着色剤、赤色系着色剤および青色系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。これらの着色剤は、単独または混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
また、トナーの製造方法によっては、着色剤の持つ重合阻害性や分散媒体移行性に注意を払う必要がある。必要により、重合阻害のない物質による着色剤の表面処理を施して表面改質を行ってもよい。特に、染料やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。
また、染料を処理する好ましい方法として、あらかじめ染料の存在下に重合性単量体を重合させ、得られた着色重合体を重合性単量体組成物に添加する方法が挙げられる。一方、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質(例えば、オルガノシロキサン等)で処理を行ってもよい。
なお、着色剤の含有量は、結着樹脂または重合性単量体100.0質量部に対して3.0質量部以上15.0質量部以下であることが好ましい。本発明において、トナー粒子は荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、公知のものが使用できる。特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤として、トナー粒子を負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物およびキレート化合物として、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸およびダイカルボン酸系の金属化合物。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノおよびポリカルボン酸およびその金属塩、無水物、またはエステル類、ビスフェノールなどのフェノール誘導体類なども含まれる。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーンが挙げられる。
一方、トナー粒子を正荷電性に制御する荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。ニグロシンおよび脂肪酸金属塩などによるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、およびこれらの類似体であるホスホニウム塩などのオニウム塩およびこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;樹脂系荷電制御剤。
これら荷電制御剤は単独でまたは2種類以上組み合わせて含有することができる。これら荷電制御剤の中でも、含金属サリチル酸系化合物が好ましく、特にその金属がアルミニウムもしくはジルコニウムが好ましい。特に好ましい荷電制御剤としては、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物である。また、樹脂系荷電制御剤としては、スルホン酸系官能基を有する重合体が好ましい。スルホン酸系官能基を有する重合体とはスルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体である。
スルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体としては、側鎖にスルホン酸基を有する高分子型化合物等が挙げられる。特にスルホン酸基含有アクリルアミド系モノマーまたはスルホン酸基含有メタクリルアミド系モノマーを共重合比で2質量%以上用いた、かつガラス転移温度(Tg)が40℃以上90℃以下のスチレン系共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体またはスチレン−メタクリル酸エステル共重合体などの高分子型化合物が好ましい。この場合、高湿下での帯電安定性が良化する。また、スルホン酸基含有アクリルアミド系モノマーまたはスルホン酸基含有メタクリルアミド系モノマーの共重合比は、5質量%以上であることが好ましい。
上記のスルホン酸基含有アクリルアミド系モノマーまたはスルホン酸基含有メタクリルアミド系モノマーとしては、下記一般式(X)で表せるものが好ましく、具体的には、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン酸や2−メタクリルアミド−2−メチルプロパン酸等が挙げられる。
Figure 2016027396
[上記一般式(X)中、Rは水素原子、またはメチル基を示し、RとRは、それぞれ水素原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアルコキシ基を示し、nは1以上10以下の整数を示す。]
上記スルホン酸基を有する重合体は、トナー粒子において、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下含有させることにより、トナー粒子の帯電状態を一層良好なものとすることができる。
これらの荷電制御剤の添加量としては、結着樹脂または重合性単量体100.00質量部に対して、0.01質量部以上10.00質量部以下であることが好ましい。本発明のトナーは、各種特性付与を目的として、各種有機微粒子または無機微粒子でトナー粒子表面を処理し、トナーとすることができる。該有機微粒子または無機微粒子は、トナー粒子に添加したときの耐久性から、トナー粒子の重量平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。
有機微粒子または無機微粒子としては、以下のようなものが用いられる。
(1)流動性付与剤:シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラックおよびフッ化カーボン。
(2)研磨剤:チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化クロムなどの金属酸化物、窒化ケイ素などの窒化物、炭化ケイ素などの炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの金属塩。
(3)滑剤:フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩。
(4)荷電制御性粒子:酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナなどの金属酸化物、カーボンブラック。
有機微粒子または無機微粒子は、トナーの流動性の改良およびトナーの帯電均一化のためにトナー粒子の表面を処理する。有機微粒子または無機微粒子を疎水化処理することによって、トナーの帯電性の調整、高湿環境下での帯電特性の向上を達成することができるので、疎水化処理された有機微粒子または無機微粒子を用いることが好ましい。有機微粒子または無機微粒子の疎水化処理の処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独であるいは併用して用いられてもよい。
その中でも、シリコーンオイルにより処理された無機微粒子が好ましい。より好ましくは、無機微粒子をカップリング剤で疎水化処理すると同時にあるいは処理した後に、シリコーンオイルより処理したものである。シリコーンオイルで処理された疎水化処理無機微粒子が高湿環境下でもトナーの帯電量を高く維持し、選択現像性を低減する上で好ましい。
これら有機微粒子または無機微粒子の添加量は、トナー粒子100.00質量部に対し、0.01質量部以上10.00質量部以下であることが好ましい。より好ましくは、0.02質量部以上5.00質量部以下であることが好ましく、さらに好ましくは、0.03質量部以上1.00質量部以下である。添加量の適正化により、有機微粒子または無機微粒子のトナー粒子への埋め込みや遊離による部材汚染が良化する。これら有機微粒子または無機微粒子は、単独で用いても、また、複数併用してもよい。本発明において、有機微粒子または無機微粒子のBET比表面積は、10m/g以上450m/g以下であることが好ましい。
有機微粒子または無機微粒子の比表面積BETは、BET法(好ましくはBET多点法)に従って、動的定圧法による低温ガス吸着法により求めることができる。例えば、比表面積測定装置「ジェミニ2375 Ver.5.0」(島津製作所社製)を用いて、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて測定することにより、BET比表面積(m/g)を算出することができる。
有機微粒子または無機微粒子はトナー粒子表面に強固に固着や付着させてもよい。トナー粒子表面に有機微粒子または無機微粒子を強固に固着または付着させるための外添混合機としては、ヘンシェルミキサー、メカノフュージョン、サイクロミックス、タービュライザ、フレキソミックス、ハイブリタイゼーション、メカノハイブリット、ノビルタが挙げられる。また、回転周速を早めたり、処理時間を長めにしたりすることで有機微粒子または無機微粒子を強く固着や付着することができる。以下、トナーの物性について説明する。
本発明のトナーにおいて、定荷重押し出し方式の細管式レオメータにより測定された80℃における粘度は、1,000Pa・s以上40,000Pa・s以下であることが好ましい。この80℃粘度が1,000Pa・s以上40,000Pa・s以下であることで、トナーは低温定着性に優れる。80℃粘度は、より好ましくは2,000Pa・s以上20,000Pa・s以下である。なお、本発明において、上記80℃粘度は、低分子量樹脂の添加量や結着樹脂製造時の単量体種、開始剤量、反応温度および反応時間により調整することができる。
トナーの定荷重押し出し方式の細管式レオメータにより測定された80℃における粘度の値は以下の方法により求めることができる。
装置としては、フローテスターCFT−500D(株式会社島津製作所製)を用い、下記の条件で測定を行う。
サンプル:約1.0gのトナーを秤量し、これを100kg/cmの荷重で1分間加圧成型器を用いて成型してサンプルとする。
ダイ穴径:1.0mm
ダイ長さ:1.0mm
シリンダ圧力:9.807×10(Pa)
測定モード:昇温法
昇温速度:4.0℃/分
上記の方法により、30℃以上200℃以下におけるトナーの粘度(Pa・s)を測定し、80℃の粘度(Pa・s)を求める。当該値をトナーの定荷重押し出し方式の細管式レオメータにより測定された80℃粘度とする。
本発明のトナーの重量平均粒径(D4)は、4.0μm以上9.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは、5.0μm以上8.0μm以下であり、さらに好ましくは、5.0μm以上7.0μm以下である。本発明のトナーのガラス転移温度(Tg)は35℃以上100℃以下であることが好ましい。より好ましくは、40℃以上80℃以下であり、さらに好ましくは、45℃以上70℃以下である。ガラス転移温度が上記範囲であることによって、耐ブロッキング性、耐低温オフッセット性、オーバーヘッドプロジェクター用フィルムの透過画像の透明性をさらに向上させることができる。
本発明のトナーのテトラヒドロフラン不溶分の含有量は、トナーの着色剤および無機微粒子以外のトナー成分に対して50.0質量%未満であることが好ましい。より好ましくは、0.0質量%以上45.0質量%未満であり、さらに好ましくは、5.0質量%以上40.0質量%未満である。THF不溶分の含有量を50.0質量%未満とすることによって、低温定着性を向上させることができる。
上記トナーのTHF不溶分の含有量とは、THF溶媒に対して不溶性となった超高分子ポリマー成分(実質的に架橋ポリマー)の質量割合を意味する。本発明において、トナーのTHF不溶分の含有量とは、以下のように測定された値である。
トナー1.0gを秤量し(W1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF200mLを用いて20時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶成分を濃縮する。その後、40℃で数時間真空乾燥を行い、THF可溶樹脂成分量を秤量する(W2g)。トナー中の着色剤などの樹脂成分以外の成分の質量を(W3g)とする。THF不溶分の含有量は、下記式から求められる。
THF不溶分の含有量(質量%)={(W1−(W3+W2))/(W1−W3)}×100
トナーのTHF不溶分の含有量は、結着樹脂の重合度、架橋度によって調整することが可能である。
本発明において、トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された重量平均分子量(Mw)(以下、トナーの重量平均分子量ともいう)は、5,000以上50,000以下であることが好ましい。トナーの重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であることによって、耐ブロッキング性および現像耐久性と、低温定着性および画像の高グロスを成立させることができる。なお、本発明において、トナーの重量平均分子量(Mw)は、低分子樹脂の添加量および重量平均分子量(Mw)やトナー粒子製造時の反応温度、反応時間、重合開始剤量、連鎖移動剤量および架橋剤量により調整することができる。
本発明において、トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布において、重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比[Mw/Mn]は、5.0以上100.0以下であることが好ましく、より好ましくは5.0以上30.0以下である。[Mw/Mn]が上記範囲内であることによって、定着可能温度領域を広くすることができる。
(トナー粒子またはトナーの物性の測定方法)
[NMR測定用のトナー粒子のテトラヒドロフラン(THF)不溶分の分離法]
トナー粒子のテトラヒドロフラン(THF)不溶分は、以下のように分離した。
トナー粒子10.0gを秤量し、円筒濾紙(東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF200mLを用いて20時間抽出した。そして、円筒濾紙中の濾物を40℃で数時間真空乾燥を行って得られたものをNMR測定用のトナー粒子のTHF不溶分とした。なお、本発明において、上記有機微粒子または無機微粒子でトナー粒子表面が処理されている場合は、下記方法によって、該有機微粒子または無機微粒子を除去し、トナー粒子を得る。
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、ショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブに上記ショ糖濃厚液を31.0gと、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6mL入れ分散液を作製する。この分散液にトナー1.0gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。
遠心分離用チューブをシェイカーにて350spm(strokes per min)、20分で振とうする。振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて3500rpm、30分の条件で分離する。トナーと水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラ等で採取する。採取したトナーを減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥させる。乾燥品をスパチュラで解砕してトナー粒子を得る。
(式(1)および式(2)で表される部分構造の確認方法)
トナー粒子に含有される有機ケイ素重合体における、式(1)および式(2)で表される部分構造の確認には以下の方法を用いる。
式(2)のRで表されるアルキル基、アルケニル基またはフェニル基の有無は、13C−NMRにより確認した。また、式(1)および式(2)の詳細な構造はH−NMR、13C−NMRおよび29Si−NMRにより確認した。使用した装置および測定条件を以下に示す。
(測定条件)
装置:BRUKER製 AVANCE III 500
プローブ:4mm MAS BB/1H
測定温度:室温
試料回転数:6kHz
試料:測定試料(NMR測定用のトナー粒子のTHF不溶分)150mgを直径4mmのサンプルチューブに入れた。
当該方法にて、式(2)のRで表されるアルキル基、アルケニル基またはフェニル基の有無を確認した。シグナルが確認できたら、式(1)および式(2)の構造は“あり”とした。
13C−NMR(固体)の測定条件)
測定核周波数:125.77MHz
基準物質:Glycine(外部標準:176.03ppm)
観測幅:37.88kHz
測定法:CP/MAS
コンタクト時間:1.75ms
繰り返し時間:4s
積算回数:2048回
LB値:50Hz
29Si−NMR(固体)の測定方法)
(測定条件)
装置:BRUKER製 AVANCE III 500プローブ:4mm MAS BB/1H
測定温度:室温
試料回転数:6kHz
試料:測定試料(NMR測定用のトナー粒子のTHF不溶分)150mgを直径4mmのサンプルチューブに入れる。
測定核周波数:99.36MHz
基準物質:DSS(外部標準:1.534ppm)
観測幅:29.76kHz
測定法:DD/MAS、CP/MAS
29Si 90° パルス幅:4.00μs−1dB
コンタクト時間:1.75ms〜10ms
繰り返し時間:30s(DD/MASS)、10s(CP/MAS)
積算回数:2048回
LB値:50Hz
式(1)の加水分解重縮合後の構造QX4の化学シフト値の一例
Figure 2016027396
(構造QX4の29Si−NMRにおける化学シフト値):−108ppm(式(3)または式(4)で表される部分構造の確認方法)
式(3)または式(4)で表される部分構造は、上記式(1)または式(2)で表される部分構造の確認方法と同様の方法で確認することができる。
(有機ケイ素重合体中のケイ素原子数に対する、有機ケイ素重合体中の式(2)を重合させて得られるTX1構造、TX2構造およびTX3構造のケイ素原子数の割合の算出方法)
有機ケイ素重合体中の式(2)を重合させて得られる前記TX1構造、TX2構造およびTX3構造は、IR、H−NMR、13C−NMRおよび29Si−NMRにより確認できる。
トナー粒子のTHF不溶分の29Si−NMR測定後に、トナー粒子における置換基および結合基の異なる複数のシラン成分をカーブフィティングにて、ケイ素に結合する(O1/2)の数が3.0であるTX3構造、ケイ素に結合する(O1/2)の数が2.0であるTX2構造、ケイ素に結合する(O1/2)の数が1.0であるTX1構造にピーク分離して、各ピークの面積比から各成分のモル%を算出する。
カーブフィティングは日本電子社製のJNM−EX400用ソフトのEXcalibur for Windows(登録商標) version 4.2(EX series)を用いる。メニューアイコンから「1D Pro」をクリックして測定データを読み込む。次に、メニューバーの「Command」から「Curve fitting functinon」を選択し、カーブフィティングを行う。その一例を図2に示す。合成ピーク(b)と測定結果(d)の差分である合成ピーク差分(a)のピークが最も小さくなるようにピーク分割を行う。トナー粒子のTHF不溶分の29Si−NMRからTX1構造の全面積STX1、TX2構造の全面積STX2、TX3構造の全面積STX3および有機ケイ素重合体の全面積Sを求める。
本発明では化学シフト値でシランモノマーを特定して、トナー粒子の29Si−NMRの測定において全ピーク面積からシランモノマー成分を取り除いた合計を有機ケイ素重合体の全ピーク面積Sとした。
(有機ケイ素重合体の有機ケイ素の全ピーク面積Sに対する有機ケイ素重合体中の式(2)を重合させて得られたTX1構造の有機ケイ素のピーク面積STX1、TX2構造の有機ケイ素のピーク面積STX2およびTX3構造の有機ケイ素のピーク面積STX3の割合)(mol%)=(STX1+STX2+STX3)×100/S
TX1構造、TX2構造およびTX3構造におけるケイ素の化学シフト値を以下に示す。
TX1構造の一例(Ri=Rj=−OC、R=−CH):−47ppm
TX2構造の一例(Rk=−OC、R=−CH):−56ppm
TX3構造の一例(R=−CH):−65ppm
(透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断面観察によって測定される、トナー粒子の表層の平均厚みDav.の測定)
本発明において、トナー粒子の断面観察は以下の方法により行う。
トナー粒子の断面を観察する具体的な方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分分散させた後、40℃の雰囲気下で2日間硬化させる。得られた硬化物からダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出す。このサンプルを透過型電子顕微鏡(FEI社製電子顕微鏡Tecnai TF20XT)(TEM)で1万〜10万倍の倍率に拡大し、トナー粒子の断面を観察する。
本発明においては、用いる樹脂と有機ケイ素化合物の中の原子の原子量の違いを利用し、原子量が大きいとコントラストが明るくなることを利用して確認を行っている。さらに、材料間のコントラストを付けるためには四酸化ルテニウム染色法および四酸化オスミウム染色法を用いる。トナー粒子中の各種元素の存在状態は、透過型電子顕微鏡を用いて各種元素のマッピングによって確認できる。
当該測定に用いた粒子は、上記TEMの顕微鏡写真より得られたトナー粒子の断面から円相当径Dtemを求め、その値が後述の方法により求めたトナー粒子の重量平均粒径の±10%の幅に含まれるものとした。
上述のように、FEI社製電子顕微鏡Tecnai TF20XTを用い、加速電圧200kVでトナー粒子断面の明視野像を取得する。次にGatan社製EELS検出器GIF Tridiemを用い、Three Window法によりSi−K端(99eV)のEFマッピング像を取得して表層に有機ケイ素重合体が存在することを確認する。次いで、円相当径Dtemがトナー粒子の重量平均粒径の±10%の幅に含まれるトナー粒子1個について、トナー粒子断面の長軸Lと、長軸Lの中心を通りかつ垂直な軸L90の交点を中心にして、トナー粒子断面を均等に16分割する(図1参照)。次に、該中心からトナー粒子の表層へ向かう分割軸をそれぞれAn(nは1から32までの整数)、分割軸の長さをRAn、有機ケイ素重合体を含有するトナー表層の厚みをFRAnとする。
そして、該分割軸上の32箇所の有機ケイ素重合体を含有するトナー粒子の表層の平均厚みDav.を求める。さらに、32本存在する各分割軸上における有機ケイ素重合体を含有するトナー粒子の表層の厚みが5.0nm以下である分割軸の数の割合を求める。
本発明では、平均化するため、トナー粒子10個の測定を行い、トナー粒子1個あたりの平均値を計算した。
[透過型電子顕微鏡(TEM)写真より得られたトナー粒子の断面から求めた円相当径(Dtem)]
TEM写真より得られたトナー粒子の断面から求めた円相当径(Dtem)は以下の方法で求める。まず、1つのトナー粒子に対して、TEM写真より得られるトナー粒子の断面から求めた円相当径(Dtem)を下記式に従って求める。
[TEM写真より得られたトナー粒子の断面から求めた円相当径(Dtem)]=(RA1+RA2+RA3+RA4+RA5+RA6+RA7+RA8+RA9+RA10+RA11+RA12+RA13+RA14+RA15+RA16+RA17+RA18+RA19+RA20+RA21+RA22+RA23+RA24+RA25+RA26+RA27+RA28+RA29+RA30+RA31+RA32)/16
トナー粒子10個の円相当径を求め、粒子1個あたりの平均値を計算してトナー粒子の断面から求めた円相当径(Dtem)とする。
[トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚み(Dav.)の測定]
トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚み(Dav.)は以下方法で求める。
まず、1つのトナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚みD(n)を以下の方法で求める。
(n)=(分割軸上における有機ケイ素重合体を含有する表層の厚みの32箇所の合計)/32
平均化するためトナー粒子10個のトナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚みD(n)(nは1から10までの整数)を求める。そして、トナー粒子1個あたりの平均値を計算してトナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚み(Dav.)とする。
Dav.={D(1)+D(2)+D(3)+D(4)+D(5)+D(6)+D(7)+D(8)+D(9)+D(10)}/10
(トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層に存在するケイ素元素の濃度(atomic%))
トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層に存在するケイ素原子の濃度[dSi](atomic%)、炭素原子の濃度[dC](atomic%)、および酸素原子の濃度[dO](atomic%)は、X線光電子分光分析(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)を用いた表面組成分析を行い算出した。本発明では、ESCAの装置および測定条件は、下記の通りである。
使用装置:ULVAC−PHI社製 Quantum2000
X線光電子分光装置測定条件:X線源 Al Kα
X線:100μm 25W 15kV
ラスター:300μm×200μm
PassEnergy:58.70eV StepSize:0.125eV
中和電子銃:20μA、1V Arイオン銃:7mA、10V
Sweep数:Si 15回、C 10回、O 5回
本発明では、測定された各元素のピーク強度から、PHI社提供の相対感度因子を用いて、トナー粒子の表面に存在する、ケイ素原子の濃度[dSi]、炭素原子の濃度[dC]、および酸素原子の濃度[dO](いずれも、atomic%)を算出した。
(トナー(粒子)および各種樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)およびメインピーク分子量(Mp)の測定)
トナー(粒子)および各種樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)およびメインピーク分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、下記条件により測定する。
[測定条件]
・カラム(昭和電工株式会社製):Shodex GPC KF−801、KF−802、KF−803、KF−804、KF−805、KF−806、KF−807(直径8.0mm、長さ30cm)の7連
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・温度:40℃
・流速:0.6mL/分
・検出器:RI
・試料濃度および量:0.1質量%の試料を10μL
[試料調製]
測定対象[トナー(粒子)、各種樹脂]0.04gをテトラヒドロフラン20mLに分散、溶解後、24時間静置し、0.2μmフィルター[マイショリディスクH−25−2(東ソー社製)]で濾過し、その濾液を試料として用いる。
検量線は、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料として、東ソー社製TSKスタンダードポリスチレンF−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500を用いる、このとき、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いる。
GPCの分子量分布の作成において、高分子量側はベースラインからクロマトグラムが立ち上がり開始点から測定を始め、低分子量側は分子量約400まで測定する。
(トナー(粒子)、各種樹脂のガラス転移温度(Tg)および熱量積分値の測定)
トナー(粒子)および各種樹脂のガラス転移温度(Tg)および熱量積分値は、示差走査熱量計(DSC)M−DSC(商品名:Q2000、TA−インストルメンツ社製)を用いて、下記手順にて測定する。測定する試料[トナー(粒子)、各種樹脂]3mgを精秤する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲20℃以上200℃以下の間で、昇温速度1℃/分、常温常湿下で測定を行う。このときのモジュレーション振幅±0.5℃、周波数1/分で測定する。得られるリバーシングヒートフロー曲線からガラス転移温度(Tg:℃)を計算する。Tgは、吸熱前後のベースラインと吸熱による曲線の接線との交点の中心値をTg(℃)として求めたものである。DSCによって測定される昇温時の吸熱チャートにおいて、吸熱メインピークのピーク面積で表されるトナー(粒子)1g当たりの熱量積分値(J/g)を測定する。トナーのDSC測定によって得られたリバーシングヒートフロー曲線の一例を図3に示す。
熱量積分値(J/g)は、上記の測定から得られたリバーシングヒートフロー曲線を用いて求める。計算には解析ソフト Universal Analysis 2000 forWindows(登録商標) 2000/XP Version4.3A(TAインスツルメンツ社製)を用い、Integral Peak Linearの機能を用いて、35℃と135℃での測定点を結ぶ直線と吸熱曲線とで囲まれた領域から熱量積分値(J/g)を求める。
(トナー(粒子)の重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)の測定)
トナー(粒子)の重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定および測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー(粒子)約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー(粒子)を分散させた前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
(トナー(粒子)の平均円形度の測定方法)
トナー(粒子)の平均円形度の測定には、フロー式粒子像分析装置である「FPIA−3000型」(シスメックス社製)を用い、校正作業時の測定・解析条件で測定する。
イオン交換水20mLに、分散剤として界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩を適量加えた後、測定試料0.02gを加える。発振周波数50kHz、電気的出力150ワットの卓上型の超音波洗浄器分散機(「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製)を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用する。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー(粒子)を計測する。粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.98μm以上19.92μm以下に限定し、トナー(粒子)の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5100Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間ごとに焦点調整を実施することが好ましい。
また、トナー(粒子)の円形度分布において、モード円形度が0.98以上1.00以下であると、トナー(粒子)の多くが真球に近い形状を有することを意味している。鏡像力やファンデルワールス力等に起因するトナー(粒子)の感光体への付着力の低下がより一層顕著になり、転写効率は非常に高いものとなり好ましい。
ここで、モード円形度とは、0.40から1.00までの円形度を、0.40以上0.41未満、0.41以上0.42未満、…0.99以上1.00未満および1.00のように0.01ごとに61分割する。測定した各粒子の円形度をそれぞれ各分割範囲に割り振り、円形度頻度分布において頻度値が最大となる分割範囲の円形度をいう。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。なお、以下の配合における部数は、特に説明がない限り、質量部を示す。本発明で用いる荷電制御樹脂の製造例について述べる。
(荷電制御樹脂1の製造例)
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管、滴下装置および減圧装置を備えた反応容器に、溶媒としてメタノール250質量部、2−ブタノン150質量部および2−プロパノール100質量部、単量体としてスチレン88質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル6.0質量部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸5.0質量部を添加して撹拌しながら常圧の還流下で加熱した。重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.0質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して5時間撹拌を継続した。さらに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.0質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、さらに常圧の還流下で5時間撹拌して重合を終了した。
次に、重合溶媒を減圧留去した後に得られた重合体を150メッシュのスクリーンを装着したカッターミルにて100μm以下に粗粉砕し、さらにジェットミルにより微粉砕した。その微粒子を250メッシュの篩により分級し、60μm以下の粒子を分別して得た。次に該粒子を10%の濃度になるようにメチルエチルケトンを加え溶解し、得られた溶液をメチルエチルケトンの20倍量のメタノール中に徐々に投じ再沈殿した。得られた沈殿物を再沈殿に使用した量の2分の1のメタノールで洗浄し、濾過した粒子を35℃にて48時間真空乾燥を行った。
さらに前述の真空乾燥後の粒子を10%の濃度になるようにメチルエチルケトンを加え再溶解し、得られた溶液をメチルエチルケトンの20倍量のn−ヘキサン中に徐々に投じ再沈殿した。得られた沈殿物を再沈殿に使用した量の2分の1のn−ヘキサンで洗浄し、濾過した粒子を35℃にて48時間真空乾燥を行った。こうして得られた荷電制御樹脂はTgが約82℃であり、メインピーク分子量(Mp)が21,300、数平均分子量(Mn)が12,400、重量平均分子量(Mw)が20,900であり、酸価は15.9mgKOH/gであった。得られた樹脂を荷電制御樹脂1とする。
(ポリエステル樹脂(1)の製造例)
・テレフタル酸:11.4mol
・ビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物(PO−BPA):11.0mol
上記単量体をエステル化触媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置および撹拌装置をオートクレーブに装着した。そして、窒素雰囲気下、減圧しながら、常法に従って205℃でTgが64℃になるまで反応を行い、ポリエステル樹脂(1)を得た。重量平均分子量(Mw)は8,200、数平均分子量(Mn)は3,280であった。
(ポリエステル樹脂(2)の製造例)
(イソシアネート基含有プレポリマーの合成)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:730質量部
・フタル酸:300質量部
・ジブチルチンオキサイド:3.0質量部
220℃にて攪拌して7時間反応し、さらに減圧下で5時間反応させた後、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート190質量部と2時間反応し、イソシアネート基含有ポリエステル樹脂を得た。イソシアネート基含有ポリエステル樹脂を25質量部とイソホロンジアミン1質量部を50℃で2時間反応させ、ウレア基を含有するポリエステルを主成分とするポリエステル樹脂(2)を得た。得られたポリエステル樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)は23500、数平均分子量(Mn)は3120、ピーク分子量は7400であった。
(実施例1)
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた四つ口容器中にイオン交換水700質量部と0.1mol/LのNaPO水溶液1000質量部と1.0mol/LのHCl水溶液24.0質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、水温を60℃に保持した。ここに1.0mol/LのCaCl水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。
・スチレン:70.0質量部
・n−ブチルアクリレート:30.0質量部
・ジビニルベンゼン:0.02質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3)(P.B.15:3):6.5質量部
・ポリエステル樹脂(1):5.0質量部
・荷電制御剤1(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物):0.3質量部
・荷電制御樹脂1:0.3質量部
・離型剤(べヘン酸ベヘニル、融点:72.1℃):12.5質量部
上記材料をアトライターで3時間分散させて得られた重合性単量体組成物1を60℃で20分保持した。次いで、重合性単量体組成物1に重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート14.0質量部(トルエン溶液45%)を添加し、その後、重合性単量体組成物1を水系媒体中に投入した。そして、高速撹拌装置の回転数を12,000rpmに維持しつつ10分間かけて重合性単量体組成物1の粒子を形成(造粒)した。その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変え、水系分散媒体の温度を70℃に昇温させ、ゆっくり撹拌しながら5時間反応させた(以下、反応1工程とする)。このとき水系媒体のpHは5.1であった。次に、水系媒体中にメチルトリエトキシシラン 7.5質量部を加え、1.0mol/LのNaOH水溶液を8.0質量部加えてpH7.0にした。その後、容器内の水系分散媒体の温度を85℃に昇温して5時間維持した(以下、反応2工程とする)。次に、イオン交換水を300質量部添加して、還流管を取り外し、蒸留装置を取り付けた。容器内の水系分散媒体の温度が100℃の反応を5時間行って、重合体スラリー1を得た(以下、反応3工程とする)。留分は300質量部であった。30℃に冷却後の重合体スラリー1を含む容器内に希塩酸を添加して分散安定剤を除去した。さらに、濾別、洗浄、乾燥をして重量平均粒径が5.6μmのトナー粒子が得られた。このトナー粒子をトナー粒子1とした。トナー粒子1の処方および条件を表1に示し、物性を表5に示した。トナー粒子1のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表面に均一にケイ素原子が存在し、形成された被覆層が粒子が固着されて形成されたものではないことを確認した。以下の実施例および比較例においても、同様に有機ケイ素重合体を含有する表層はケイ素マッピングでも確認を行った。
(実施例2〜9、11、12、18〜21、26〜29)
実施例1において、製造条件、処方を表1〜3、5に記載したように変更した以外は同様にしてトナー粒子2〜9、11、12、18〜21、26〜29を得た。各トナー粒子の処方および条件を表1に示し、物性を表5に示した。トナー粒子2〜9、11、12、18〜21、26〜29のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一にケイ素原子が存在し、形成された被覆層が、粒子が固着されて形成されたものではないことを確認した。
(実施例10)
実施例1において、メチルトリエトキシシラン7.5質量部をメチルジエトキシクロロシラン7.5質量部に変更し、1.0mol/LのNaOH水溶液0.8質量部を用いてpHを5.1に調整した以外は、同様にしてトナー粒子10を得た。トナー粒子10の処方および条件を表1に示し、物性を表5に示した。トナー粒子10のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一にケイ素原子が存在し、形成された被覆層が、粒子が固着されて形成されたものではないことを確認した。
(実施例13)
実施例1において、1.0mol/LのNaOH水溶液を加えずに、1.0mol/LのHCl水溶液を2.0質量部添加することで、水系媒体のpHを3.8に変更した。それ以外は実施例1と同様にしてトナー粒子13を得た。トナー粒子13の処方および条件を表2に示し、物性を表5に示した。トナー粒子13のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一にケイ素原子が存在し、形成された被覆層が粒子の固着により形成されたものではないことを確認した。
(実施例14)
実施例1において、1.0mol/LのNaOH水溶液を加えずに、1.0mol/LのHCl水溶液を1.5質量部添加することで、水系媒体のpHをpH4.2に変更した。反応3工程もpH4.2で行った。それ以外は実施例1と同様にしてトナー粒子14を得た。トナー粒子14の処方および条件を表2に示し、物性を表5に示した。トナー粒子14のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一にケイ素原子が存在し、形成された被覆層が粒子の固着により形成されたものではないことを確認した。
(実施例15)
実施例1において、1.0mol/LのNaOH水溶液の添加量を14.0質量部に変更して、水系媒体のpHを8.9に変更した。反応3工程もpH8.9で行った。それ以外は実施例1と同様にしてトナー粒子15を得た。トナー粒子15の処方および条件を表2に示し、物性を表5に示した。トナー粒子15のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一にケイ素原子が存在し、形成された被覆層が粒子の固着により形成されたものではないことを確認した。
(実施例16)
実施例1において、1.0mol/LのNaOH水溶液の添加量を液17.0質量部に変更して、水系媒体のpHを10.0に変更した。反応3工程もpH10.0で行った。それ以外は実施例1と同様にしてトナー粒子16を得た。トナー粒子16の処方および条件を表2に示し、物性を表5に示した。トナー粒子16のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一にケイ素原子が存在し、形成された被覆層が粒子の固着により形成されたものではないことを確認した。
(実施例17)
実施例1において、1.0mol/LのNaOH水溶液の添加量を18.5質量部に変更し、水系媒体のpHを10.4に変更した。また、反応3工程をpH10.4で行った。それ以外は実施例1と同様にしてトナー粒子17を得た。トナー粒子17の処方および条件を表2に示し、物性を表5に示した。トナー粒子17のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一にケイ素原子が存在し、形成された被覆層が粒子の固着によって形成されたものではないことを確認した。
(実施例22)
実施例1において、還流管、撹拌機、温度計、安全弁、バルブ、及び滴下装置を備えた加圧反応装置を用い、反応3における条件を以下のように変更した。
加圧することによって温度を104℃にして、常圧時の沸点が100℃未満の揮発成分をバルブから留去しながら反応を行った。それら以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子22を得た。トナー粒子22の処方および条件を表3に示し、物性を表5に示した。トナー粒子22のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一にケイ素原子が存在し、形成された被覆層が粒子の固着によって形成されたものでないことを確認した。
(実施例23)
反応工程1が終了するまで、実施例1と同様の操作を行う。反応工程1終了後、樹脂粒子が分散されている水系媒体を、メチルトリエトキシシラン7.5質量部が投入されている容器内に加えた。更に、そこに、1.0mol/LのNaOH水溶液を8.0質量部加えて水系媒体のpH7.0にした。その後、容器内の水系分散媒体の温度を85℃に昇温して5時間維持した(以下、反応2工程とする)。その後は実施例1と同様にして、トナー粒子23を得た。トナー粒子23の処方および条件を表3に示し、物性を表3,5に示した。トナー粒子23のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一にケイ素原子が存在し、形成された被覆層が、粒子が固着されて形成されたものではないことを確認した。
(実施例24)
・ポリエステル樹脂(1):65.0質量部
・ポリエステル樹脂(2):35.0質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3):6.5質量部
・荷電性制御剤1(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物):0.4質量部
・荷電制御樹脂1:0.4質量部
・離型剤(べヘン酸ベヘニル、融点:72.1℃):12.5質量部
上記材料を、トルエン400質量部に溶解して、溶解液を得た。
リービッヒ還流管を備え付けた四つ口容器中にイオン交換水700質量部と0.1mol/LのNaPO水溶液1000質量部と1.0mol/LのHCl水溶液24.0質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、容器内の水系媒体の温度を60℃に保持した。ここに1.0mol/LのCaCl水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。
次に上記溶解液100質量部をTK−ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、投入し5分間攪拌した。ついでこの混合液を70℃で5時間保持した。pHは5.1であった。ここに、メチルトリエトキシシラン 7.5質量部を加えてから、1.0mol/LのNaOH水溶液8.0質量部を加え、pHを7.0にした。つぎに、水系分散媒体と溶解液の混合液の温度を85℃まで昇温して5時間保持した。イオン交換水を300質量部添加して、還流管を取り外し、蒸留装置を取り付けた。次に、混合液の温度が100℃の反応を5時間行って重合体スラリー24を得た。留分は320質量部であった。重合体スラリー24を含む容器内に希塩酸を添加して分散安定剤を除去した。さらに、濾別、洗浄、乾燥をして重量平均粒径が5.6μmのトナー粒子が得られた。このトナー粒子をトナー粒子24とした。トナー粒子24の処方および条件を表3に示し、物性を表5に示した。トナー粒子24のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一にケイ素原子が存在し、形成された被覆層が粒子の固着によって形成されたものではないことを確認した。
(実施例25)
(非晶性ポリエステル樹脂(1)の合成)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:10モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:95モル部
・テレフタル酸:50モル部
・フマル酸:30モル部
・ドデセニルコハク酸:25モル部
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えたフラスコに上記のモノマーを仕込み、1時間で200℃まで上げて、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した。これらモノマーの総質量に対してジステアリン酸スズを1.0質量%投入した。さらに生成する水を留去しながら200℃から5時間かけて250℃まで温度を上げ、250℃でさらに2時間脱水縮合反応を行った。その結果、ガラス転移温度が59.4℃、酸価が14.7mgKOH/g、水酸基価が29.2mgKOH/g、重量平均分子量が13,200、数平均分子量が4,000、軟化点108℃の非晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。
(非晶性ポリエステル樹脂(2)の合成)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物(両末端換算2モル付加物):49モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物(両末端換算2モル付加物):49モル部
・テレフタル酸:65モル部
・ドデセニルコハク酸:30モル部
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えたフラスコに上記のモノマーを投入し、1時間で200℃まで上げて、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した。これらモノマーの総質量に対してジステアリン酸スズを0.8質量%投入した。さらに生成する水を留去しながら反応系内を200℃から5時間かけて240℃まで温度を上げ、反応系内の温度が240℃でさらに2時間脱水縮合反応を行った。次いで、反応系内の温度を190℃まで下げ、無水トリメリット酸の5モル部を徐々に投入し、190℃で1時間反応を継続した。その結果、ガラス転移温度が54.1℃、酸価が15.1mgKOH/g、水酸基価が23.1mgKOH/g、重量平均分子量が51,200、数平均分子量が5,100、軟化点104℃の非晶性ポリエステル樹脂(2)を得た。
(樹脂粒子分散液(1)の調製)
・非晶性ポリエステル樹脂(1):100質量部
・メチルエチルケトン:50質量部
・イソプロピルアルコール:20質量部
容器にメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを投入した。その後、上記樹脂を徐々に投入して、撹拌を行い、完全に溶解させて非晶性ポリエステル樹脂(1)溶解液を得た。この非晶性ポリエステル溶解液の入った容器を65℃に設定し、撹拌しながら10%アンモニア水溶液を合計で5質量部となるように徐々に滴下し、さらにイオン交換水230質量部を10mL/分の速度で徐々に滴下して転相乳化させた。さらにエバポレータで減圧して脱溶剤を行い、非晶性ポリエステル樹脂(1)の樹脂粒子分散液(1)を得た。この樹脂粒子の体積平均粒径は、130nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。
(樹脂粒子分散液(2)の調製)
・非晶性ポリエステル樹脂(2):100質量部
・メチルエチルケトン:50質量部
・イソプロピルアルコール:20質量部
容器にメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを投入した。その後、上記材料を徐々に投入して、撹拌を行い、完全に溶解させて非晶性ポリエステル樹脂(2)溶解液を得た。この非晶性ポリエステル樹脂(2)溶解液を40℃で、撹拌しながら10%アンモニア水溶液を合計で3.5質量部となるように徐々に滴下し、さらにイオン交換水230質量部を10mL/分の速度で徐々に滴下して転相乳化させた。さらに減圧して脱溶剤を行い、非晶性ポリエステル樹脂(2)の樹脂粒子分散液(2)を得た。樹脂粒子の体積平均粒径は、150nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。
(着色剤粒子分散液1の調製)
・銅フタロシアニン(ピグメントブルー15:3):45質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):5質量部
・イオン交換水:190質量部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA製ウルトラタラックス)により10分間分散させた。その後、アルティマイザー(対向衝突型湿式粉砕機:(株)スギノマシン製)を用い圧力250MPaで20分間分散処理を行い、着色剤粒子の体積平均粒径が115nmで、固形分量が20%の着色剤粒子分散液1を得た。
(離型剤粒子分散液の調製)
・オレフィンワックス(融点:84℃):60質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):2.0質量部
・イオン交換水:250質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで115℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径155nm、固形分量20%の離型剤粒子分散液を得た。
・樹脂粒子分散液(1):400質量部
・樹脂粒子分散液(2):300質量部
・着色剤粒子分散液1:50質量部
・離型剤粒子分散液:50質量部
フラスコ中にイオン性界面活性剤ネオゲンRKを2.2質量部加えた後、以上の材料を撹拌した。次いで、1mol/Lの硝酸水溶液を滴下してpH3.7にした後、これにポリ硫酸アルミニウム0.35質量部を加え、IKA製ウルトラタラックスで分散を行った。加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら水系媒体の温度を50℃まで加熱した。50℃で40分保持した。その後、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加して系内のpHを7.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、撹拌を継続しながら徐々に水系媒体の温度を85℃まで加熱し、85℃で5時間保持した。ここにメチルトリエトキシシラン12.0質量部を緩やかに追加した。さらに水系媒体の温度を95℃で7.5時間保持した。その後、イオン性界面活性剤ネオゲンRKを2.0質量部加え、100℃で5時間反応を行った。反応終了後、減圧蒸留により水系媒体の温度を85℃で300質量部の留分を回収した。その後、冷却、濾過、乾燥を行った。40℃のイオン交換水5Lに再分散させ、15分間撹拌翼(300rpm)で撹拌し、濾過を行った。
この再分散と濾過の洗浄を繰り返し、電気伝導度6.0μS/cm以下となったところで、洗浄を終了し、トナー粒子25を得た。トナー粒子25の処方および条件を表3に示し、物性を表5に示した。トナー粒子25のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一なケイ素原子が存在することを確認した。
(比較例1)
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた四つ口容器中にイオン交換水700質量部と0.1mol/LのNaPO水溶液1000質量部と1.0mol/LのHCl水溶液24.0質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、水温を60℃に保持した。ここに1.0mol/LのCaCl水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。
・スチレン:70.0質量部
・n−ブチルアクリレート:30.0質量部
・ジビニルベンゼン:0.02質量部
・メチルトリエトキシシラン:1.5質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3)(P.B.15:3):6.5質量部
・ポリエステル樹脂(1):5.0質量部
・荷電制御剤1(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物):0.3質量部
・荷電制御樹脂1:0.3質量部
・離型剤(べヘン酸ベヘニル、融点:72.1℃):12.5質量部
上記材料をアトライターで3時間分散させて得られた重合性単量体組成物1を60℃で20分保持した。その後、重合性単量体組成物1に重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート14.0質量部(トルエン溶液45%)を添加した重合性単量体組成物1を水系媒体中に投入した。そして、高速撹拌装置の回転数を12,000rpmに維持しつつ10分間かけて重合性単量体組成物1の粒子を形成(造粒)した。その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、水系分散媒体を30℃に降温させ、ゆっくり撹拌しながら5時間反応させた(反応1工程)。このとき水系媒体のpHは5.1であった。さらに、5時間維持して(反応2工程)、比較用重合体スラリー1を得た。比較用重合体スラリー1を含む容器内に希塩酸を添加して分散安定剤を除去した。さらに、濾別、洗浄、乾燥をして重量平均粒径が5.7μmのトナー粒子が得られた。このトナー粒子を比較トナー粒子1とした。比較トナー粒子1の処方および条件を表4に示し、物性を表6に示した。比較トナー粒子1のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表面に均一ではないがケイ素原子が存在することを確認した。以下の実施例および比較例においても、同様に有機ケイ素重合体を含有する表層はケイ素マッピングでも確認を行った。
(比較例2〜9)
比較例1において、製造条件、処方を表4に記載したように変更した以外は同様にして比較トナー粒子2〜9を得た。各比較トナー粒子の処方および条件を表4に示し、物性を表6に示した。
比較トナー粒子2のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層に均一ではないがケイ素原子が存在することを確認した。
比較トナー粒子3〜9のTEM観察においてケイ素マッピングを行ったところ、表層に少しケイ素原子が存在することを確認した。
(比較例10)
高速攪拌装置TK−ホモミキサーを備えた四つ口フラスコ中に、イオン交換水900質量部とポリビニルアルコール95質量部を添加し、回転数1400rpmにて攪拌しながら、55℃に加熱して水系分散媒とした。
(モノマー分散液の組成)
・スチレン:70.0質量部
・n−ブチルアクリレート:30.0質量部
・カーボンブラック:10.0質量部
・離型剤(べヘン酸ベヘニル、融点:72.1℃):12.5質量部
上記材料をアトライターで3時間分散させた後、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート14.0質量部を添加してモノマー分散液を調製した。
次に、得られたモノマー分散液を、上記の四つ口フラスコ内の分散媒中に投入し、上記の回転数を維持しつつ10分間かけてモノマー分散液の粒子を形成(造粒)した。続いて、50rpmの攪拌下において、55℃で1時間、次に、65℃で4時間、さらに、80℃で5時間の重合を行った。上記の重合の終了後、スラリーを冷却し、精製水で洗浄を繰り返すことにより分散剤を除去した。さらに洗浄、乾燥を行うことにより、母体となるブラックトナー粒子を得た。重量平均粒子径は5.5μmであった。
酢酸イソアミル2質量部とケイ素化合物としてテトラエトキシシラン4.0質量部、メチルトリエトキシシラン0.5質量部を混合した溶液に0.3質量部%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液を3質量部投入し、超音波ホモジナイザーを用いて撹拌することにより、酢酸イソアミル、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシランのシラン混合溶液Aを調製した。
0.3質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液30質量部に母体のブラックトナー粒子1.0質量部を加えてブラックトナー粒子分散液Aを調製した。次にブラックトナー粒子分散液Aに、上記シラン混合溶液Aを投入し、次いで30質量%NHOH水溶液5質量部を投入して室温(25℃)で24時間撹拌し反応を行った。得られた反応物をエタノールで洗浄後、精製水で洗浄し、粒子を濾別、乾燥させることにより、比較トナー粒子10を得た。得られたトナー粒子の重量平均粒子径は5.6μmであった。比較トナー粒子10のTEM観察においてケイ素マッピングを行い、粒状塊同士が固着されることによって形成された被覆層に少しケイ素原子が存在することを確認した。
(トナー1の調製例)
トナー粒子1 100質量部に対し、BET法による比表面積が180m/gであり、ヘキサメチルジシラザン3.0質量%、100cpsのシリコーンオイル2質量%で表面を疎水化処理された疎水性シリカ0.5質量部とBET法による比表面積が50m/gの酸化アルミニウム0.1質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合して得られたトナーをトナー1とする。
(トナー2〜29の調製例)
トナー1の調製例においてトナー粒子1をトナー粒子2〜29に変更した以外は同様にして、トナー2〜29を得た。
(比較トナー1〜10の調製例)
トナー1の調製例においてトナー粒子1を比較トナー粒子1〜10に変更した以外は同様にして、比較トナー1〜10を得た。
(評価)
得られた各トナーを用いて以下の評価を行った。評価結果を表7〜10に示した。
(環境安定性および現像耐久性の評価)
図4のような構成を有するタンデム方式のキヤノン製レーザービームプリンタLBP9600Cのトナーカートリッジに、トナー200gを装填した。そして、そのトナーカートリッジを低温低湿L/L(温度10℃/湿度15%RH)、常温常湿N/N(25℃/50%RH)、高温高湿H/H(32.5℃/85%RH)の各環境下で24時間放置した。各環境下で24時間放置後のトナーカートリッジを上記LBP9600Cに取り付け、5.0%の印字比率のベタ画像部を含む画像をA4用紙(70g/m)横方向で5,000枚までプリントアウトして、初期と5,000枚出力時のベタ画像濃度(トナー載り量0.40mg/cm)とカブリ、5,000枚出力時の部材汚染(フィルミング、現像スジ、ドラム融着)の評価を行った。
また、トナーを装填したLBP9600Cのトナーカートリッジを、過酷環境(40℃/90%RH)下に48時間放置し、その後、超高温高湿SHH(35.0℃/85%RH)環境下に24時間放置した。放置後、超高温高湿SHH環境下で、上記の評価と同様の評価を行った。
(画像濃度の評価)
画像濃度は、SPI補助フィルターを装着した、マクベス濃度計(RD−914;マクベス社製)を用いて、測定した。
なお、画像濃度の評価基準は下記のとおりである。
A:1.45以上
B:1.40以上1.45未満
C:1.30以上1.40未満
D:1.25以上1.30未満
E:1.20以上1.25未満
F:1.20未満
(カブリの評価)
初期および、5,000枚耐久出力後に、0%の印字比率の画像をプリントアウトし、「リフレクトメータ」(東京電色社製)により、画像の白地部分の白色度(%))を測定した。また、画像形成に用いていない転写紙の白色度(%)を同様に「リフレクトメータ」(東京電色社製)を用いて測定した。画像の白地部分の白色度をAとし、転写紙の白色度をBとしたときの差(B−A)をカブリ濃度(%)とした。また、そのカブリ濃度を下記の基準で画像カブリとして評価した。
A:1.0%未満
B:1.0%以上1.5%未満
C:1.5%以上2.0%未満
D:2.0%以上2.5%未満
E:2.5%以上3.0%未満
F:3.0%以上
(部材汚染評価)
5,000枚耐久出力後に、前半部分がハーフトーン画像(トナー載り量0.25mg/cm)であり、後半部分がベタ画像(トナー載り量0.40mg/cm)であるミックス画像を出力して、下記基準に従い評価した。
A:現像ローラー上にも、ハーフトーン部、ベタ部の画像上にも排紙方向の縦スジや濃度の異なるポチは見られない。
B:現像ローラーの両端に周方向の細いスジが1本以上2本以下見られる。または感光ドラム上に1個以上3個以下の融着物がある。但し、ハーフトーン部、ベタ部の画像上に排紙方向の縦スジや濃度の異なるポチは見られない。
C:現像ローラーの両端に周方向の細いスジが3本以上5本以下見られる。または感光ドラム上に3個以上5個以下の融着物ある。またはハーフトーン部、ベタ部の画像上に排紙方向の縦スジや濃度の異なるポチがほんの少し見られる。
D:現像ローラーの両端に周方向の細いスジが6本以上20本以下見られる。または感光ドラム上に6個以上20個以下の融着物がある。またはハーフトーン部、ベタ部の画像上に数本の縦スジや明らかな濃度の異なるポチが見られる。
E:現像ローラーの両端に周方向のスジが21本以上見られる。または感光ドラム上に21個以上の融着物がある。またはハーフトーン部、ベタ部の画像上に著しくスジや濃度の異なるポチが見られる。
(低温定着性の評価(低温オフセット終了温度))
キヤノン製レーザービームプリンタLBP9600Cを、定着ユニットの定着温度を調整できるように改造した。この改造後のLBP9600Cを用いて、プロセススピード230mm/秒で、トナー載り量が0.40mg/cmの未定着トナー画像の定着を行った。
定着性は、キムワイプ〔S−200(株式会社クレシア)〕用いて、75g/cmの荷重をかけて定着画像を10回こすり、こすり前後の濃度低下率が5%未満になる温度を低温オフセット終了温度とした。評価は、常温常湿(25℃/50%RH)で実施した。
(保存安定性の評価)
(保存性の評価)
10gのトナーを100mLガラス瓶にいれ、温度50℃、湿度20%で15日間放置した後に目視で判定した。
A:変化なし
B:凝集体があるが、すぐにほぐれる
C:ほぐれにくい凝集体が発生
D:流動性なし
E:明白なケーキングが発生
(長期保存性の評価)
10gのトナーを100mLガラス瓶にいれ、温度45℃、湿度95%で3カ月間放置した後に目視で判定した。
A:変化なし
B:凝集体があるが、すぐにほぐれる
C:ほぐれにくい凝集体が発生
D:流動性なし
E:明白なケーキングが発生
(連続印字時の濃度差D(1−10)の評価)
5,000枚出力後に、ベタ画像(トナー載り量0.40mg/cm)を10枚連続で印字して、1枚目と10枚目の画像濃度の差を測定した。
(濃度差D(1−10))=(1枚目のベタ画像濃度)−(10枚目のベタ画像濃度)
A:0.05未満
B:0.05以上0.10未満
C:0.10以上0.15未満
D:0.15以上0.20未満
E:0.20以上
(トナー粒子1を用いた評価)
トナー粒子1を用いる以外は、上記評価と同様の評価を行った。その結果を表9に示した。トナー1とトナー粒子1の評価結果は遜色ない結果であった。
(フルカラー画像形成)
図4のような構成を有するタンデム方式のキヤノン製レーザービームプリンタLBP9600Cのトナーカートリッジを用い、トナー1(シアン)200gを装填した。同様にトナー27(ブラック)、トナー28(マゼンタ)、トナー29(イエロー)をそれぞれLBP9600Cのトナーカートリッジに200gずつ充填した。前記4色のカートリッジセットをそれぞれ低温低湿L/L(10℃/15%RH)、常温常湿N/N(25℃/50%RH)、高温高湿H/H(32.5℃/85%RH)の各環境下で24時間放置した。各環境下で24時間放置後にシアン、ブラック、マゼンタ、イエローのカートリッジをLBP9600Cにセットして、5.0%の印字比率の画像をA4用紙横方向で5,000枚までプリントアウトして、初期と5,000枚出力時のベタ画像濃度とカブリ、5,000枚出力時の部材汚染(フィルミング、現像スジ、ドラム融着)の評価を行った。その結果、良好な結果が得られた。
また、4色のカートリッジセットを過酷環境(40℃/90%RH)で48時間放置後、超高温高湿SHH(35.0℃/85%RH)に24時間放置し、その後、シアン、ブラック、マゼンタ、イエローのカートリッジをLBP9600Cにセットして、超高温高湿SHH環境下で同様の評価を行った。その結果、良好な結果が得られた。
Figure 2016027396
Figure 2016027396
Figure 2016027396
Figure 2016027396
Figure 2016027396
Figure 2016027396
Figure 2016027396
Figure 2016027396
Figure 2016027396
Figure 2016027396
1 感光体
2 現像ローラー
3 トナー供給ローラー
4 トナー
5 規制ブレード
6 現像装置
7 レーザー光
8 帯電装置
9 クリーニング装置
10 クリーニング用帯電装置
11 撹拌羽根
12 駆動ローラー
13 転写ローラー
14 バイアス電源
15 テンションローラー
16 転写搬送ベルト
17 従動ローラー
18 紙
19 給紙ローラー
20 吸着ローラー
21 定着装置

Claims (8)

  1. 有機ケイ素重合体を表層に有するトナー粒子の製造方法であって、
    該製造方法は、
    (i)粒子を含有する水系媒体を調製する工程、
    (ii)有機ケイ素化合物と該水系媒体とを混合する工程、及び
    (iii)該有機ケイ素化合物を温度80.0℃以上105.0℃以下の条件にて重合する工程、
    を有し、
    該有機ケイ素化合物は、式(1)または式(2)で示される化合物である、
    Figure 2016027396

    (式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基またはアルコキシ基である。)
    Figure 2016027396

    (式中、Rは、アルキル基、アルケニル基またはフェニル基であり、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基またはアルコキシ基である。)
    ことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 該有機ケイ素化合物の重合が、温度85.0℃以上100.0℃以下の水系媒体中で行われる、請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 該粒子は下記の粒子A、粒子B、粒子Cまたは粒子Dである、請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
    A.水系媒体中で重合性単量体を含有する重合性単量体組成物を形成して、該重合性単量体組成物を重合させて得られた粒子A
    B.結着樹脂を溶融混練し、粉砕して得られた粒子B
    C.水系媒体中で、結着樹脂と有機溶媒を含有する有機相が分散した分散液を形成して得られた粒子C
    D.結着樹脂粒子を水系媒体中で凝集して得られた粒子D
  4. 該有機ケイ素化合物の重合が、該水系媒体をpH4.0以上10.0以下に保持して行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 該有機ケイ素化合物が、該式(2)で表される化合物であって、該式(2)中のRの炭素数が6以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  6. 前記式(2)中のRが、メチル基、エチル基、プロピル基またはアリール基である、請求項5に記載のトナーの製造方法。
  7. 該有機ケイ素化合物が、該式(2)で表される化合物であって、該式(2)中のR、RおよびRは、それぞれ独立して、メトキシ基またはエトキシ基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  8. 該有機ケイ素重合体中の全ケイ素原子数をNSiとし、該有機ケイ素重合体中における下式(TX1)〜(TX3)で表される部分構造に含まれるケイ素原子の合計数をNTXとしたとき、該NSiに対する該NTXの割合が50%以上100%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
    Figure 2016027396

    (式中、RiおよびRjは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基またはアルコキシ基であり、R5Zは、アルキル基、アルケニル基、前記アルケニル基の重合体またはフェニル基である。)
    Figure 2016027396

    (式中、Rkは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基またはアルコキシ基であり、R5Zは、アルキル基、アルケニル基、前記アルケニル基の重合体またはフェニル基である。)
    Figure 2016027396

    (式中、R5Zは、アルキル基、アルケニル基、前記アルケニル基の重合体またはフェニル基である。)
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