JP2016027198A - 石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用の耐食鋼 - Google Patents

石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用の耐食鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】石炭・鉱石兼用船ホールド特有の腐食環境である、乾湿繰返しかつ低pH環境下において、優れた耐食性を示す石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用の耐食鋼を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.01〜0.25%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.026〜0.035%、S:0.035%以下、Al:0.003〜0.10%、N:0.0010〜0.0080%、Cu:0.05〜0.35%、Ni:0.02〜0.40%、Sb:0.01〜0.2%、W:0.005〜0.5%、Nb:0.003〜0.025%およびCr:0.1%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる組成とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールドに用いられる耐食性に優れた鋼材に関するものである。
本発明の鋼材は、厚鋼板をはじめとして、薄鋼板、形鋼および棒鋼等を含むものとする。
エネルギー資源の運搬の多くに商船が用いられていて、その中でもばら積み貨物船は、その約30%の船腹量を占めている。このばら積み貨物船において、1990年代初頭に海難事故が相次いで発生し、国際問題となった。特に、石炭船や石炭・鉱石兼用船での事故が数多く報告されており、その原因の大部分は船倉(以下「ホールド」とも言う)内での損傷であった。
ばら積み貨物船では、積荷を直接ホールドに積載するため、腐食性の積荷の影響を受け易く、船倉内の腐食、特に石炭船や石炭・鉱石兼用船の船倉内の側壁部、肋骨部での孔食により、局所的に強度が減少することが問題と考えられている。実際、この孔食が著しく進行した事例や、船の強度を確保する肋骨部分の板厚が極端に減少している事例が報告されている。
上述したように孔食の発生するばら積み貨物船の側壁部、肋骨部では、結露水が生じ易い。こうした結露水が生じた場所に石炭の硫黄成分が溶け出し、結露水と反応して硫酸を生成するので、船倉内は硫酸腐食が生じ易い低pH環境となっている。
このような船倉内の腐食対策として、船倉内には変性エポキシ系塗装が被覆厚さ約150〜200μmで施されている。しかし、石炭や鉄鉱石によるメカニカルダメージや積荷搬出の際の重機による傷、磨耗により、塗装が剥がれる場合が多いため、十分な防食効果は得難かった。
そのため、さらなる腐食対策として、定期的に再塗装したり、一部補修するなどの方法が採られているが、このような方法は、非常に大きなコストがかかることから、船舶のメンテナンス費用を含め、ライフサイクルコストを低減させるために、新たな耐食鋼の開発が課題となっている。
ところで、船舶用の耐食鋼としては、カーゴオイルタンク用やバラストタンク用として開発された鋼が知られている。しかし、石炭船や石炭・鉱石兼用船のホールドの使用環境は、腐食環境(温度・湿度・腐食性物質など)および内容物によるメカニカルダメージの有無などの点で、カーゴオイルタンクやバラストタンクの使用環境と全く異なっている。このため、石炭船や石炭・鉱石兼用船ホールド用の鋼としては、独自の材料設計や特性評価が必要とされる。
石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用途に言及した従来技術としては、特許文献1〜3が知られている。特許文献1にはMgを必須成分とした鋼材が、また特許文献2および特許文献3にはSnを必須成分とした鋼材が開示されている。
特開2000−17381号公報 特開2007−262555号公報 特開2008−174768号公報
しかしながら、特許文献1に示された鋼材は、船舶外板やバラストタンク、カーゴオイルタンク、鉱石船カーゴホールド等の共通的使用環境での耐食性の改善を目指しているためか、鋼材の耐食性の評価として、カーゴオイルタンクとバラストタンクの腐食試験の結果が良好であることは挙げられているものの、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールド使用環境を考慮した試験結果については示されていない。
また、特許文献2,3では、石炭船や石炭・鉱石兼用船の使用環境を模擬した塗膜下における耐食性を評価しているものの、ホールド使用環境下では不可避といえる、石炭や鉄鉱石によるメカニカルダメージに起因した塗膜剥離が生じやすい状況を想定した評価試験は行われていない。
以上述べたとおり、石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールドに用いられる耐食性に優れた鋼材の開発には、石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド特有の腐食環境を考慮すると同時に、塗膜が剥離して塗膜がない状態での鋼材の腐食の評価が重要であるにもかかわらず、従来は、これらの点に対して考慮が払われていなかった。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールドにおける腐食環境である、乾湿繰返しかつ低pH環境下において、優れた耐食性を示す石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用の耐食鋼を提供することを目的とする。
一般に、船舶は、厚鋼板や薄鋼板、形鋼、棒鋼等の鋼材を溶接して建造されており、その鋼材の表面には防食塗膜が施されて使用される。しかし、石炭船や石炭・鉱石兼用船のホールド使用環境では、石炭や鉄鉱石のメカニカルダメージで塗装は剥がれやすい状況にあり、鋼材は乾湿繰返しかつ低pH環境下に曝される。
そこで、発明者らは、鋼材の表面の防食塗膜が剥離した後も耐食性を発揮できる鋼材の開発を試みた。すなわち、発明者らは、石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド内の環境を模擬した試験法を開発し、その試験法を用いて各合金元素の影響を検討した。
その結果、Cu,Ni,Sb,WおよびNb等が、鋼材の耐食性の向上に有効に寄与することを見出した。
本発明は、上記の知見に立脚して完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、
C:0.01〜0.25%、
Si:0.01〜0.50%、
Mn:0.1〜2.0%、
P:0.026〜0.035%、
S:0.035%以下、
Al:0.003〜0.10%、
N:0.0010〜0.0080%、
Cu:0.05〜0.35%、
Ni:0.02〜0.40%、
Sb:0.01〜0.2%、
W:0.005〜0.5%、
Nb:0.003〜0.025%および
Cr:0.1%以下
を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用の耐食鋼。
2.前記鋼が、質量%で、さらに
Ti:0.001〜0.030%、
Zr:0.001〜0.030%および
V:0.002〜0.20%
のうちから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする前記1に記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用の耐食鋼。
3.前記鋼が、質量%で、さらに
Ca:0.0002〜0.005%
を含有することを特徴とする前記1または2に記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用の耐食鋼。
4.前記鋼が、質量%で、さらに
Mo:0.01〜0.5%、
Co:0.01〜0.5%および
B:0.0002〜0.0050%
のうちから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用の耐食鋼。
本発明によれば、石炭船や石炭・鉱石兼用船ホールド内の乾湿繰返しかつ低pH環境下において、塗膜剥離後の腐食を効果的に抑制することができる石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用の耐食鋼を得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において、鋼材の成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。なお、以下の成分組成を表す%は、特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.01〜0.25%
Cは、鋼の強度を上昇させるのに有効な元素であり、本発明では強度を確保するために0.01%以上含有させる。一方、Cを0.25%を超えて含有させると、溶接性および溶接熱影響部靭性を低下させる。よって、C量は0.01〜0.25%の範囲とする。好ましくは0.05〜0.18%の範囲である。
Si:0.01〜0.50%
Siは、脱酸剤として添加され、また鋼の強度を高める元素であるので、本発明では0.01%以上含有させる。しかしながら、Siを0.50%を超えて含有させると、鋼の靱性を劣化させるので、Si量の上限は0.50%とする。好ましくは0.05〜0.40%の範囲である。
Mn:0.1〜2.0%
Mnは、鋼の強度を上げることができるため、0.1%以上含有させる。しかしながら、Mnを2.0%を超えて含有させると、鋼の靱性および溶接性を低下させるため、Mn量の上限は2.0%とする。好ましくは0.5〜1.6%の範囲である。
P:0.026〜0.035%
Pは、鋼の母材靱性を低下させる有害な元素であるが、Pの低減は製造コストの上昇を招く。そこで、本発明では母材靭性および製造コストの観点から、P量は0.026〜0.035%の範囲とする。
S:0.035%以下
Sは、鋼の靭性および溶接性を劣化させる有害な元素であるので、極力低減することが好ましく、本発明では0.035%以下とする。
Al:0.003〜0.10%
Alは、脱酸剤として0.003%以上含有させるが、0.10%を超える含有は,溶接部靭性に悪影響を及ぼすので、Al量は0.10%以下とする。
N:0.0010〜0.0080%
Nは、靱性を低下させる元素であるので、極力低減することが望ましい。しかしながら、工業的には0.0010%未満に低減するのは難しい。一方、0.0080%を超えて含有させると靱性の著しい劣化を招く。よって本発明では、N量は0.0010〜0.0080%の範囲とする。
Cu:0.05〜0.35%
Cuは、腐食生成物を緻密にし、地鉄表面へのH2O、O2、SO4 2-の拡散を抑制する。これにより、鋼の耐食性が向上する。この効果は、Cu量が0.05%以上になると発現するが、0.35%を超えて過剰に含有されると溶接性や母材靭性が低下する。そのため、Cu量は0.05〜0.35%の範囲とする。好ましくは0.10〜0.30%の範囲である。
Ni:0.02〜0.40%
Niは、Cuと同様、腐食生成物を緻密にし、地鉄表面へのH2O、O2、SO4 2-の拡散を抑制する。これにより、鋼の耐食性が向上する。この効果は、Ni量が0.02%以上になると発現するが、0.40%を超えると効果が飽和するだけでなく、コストも上昇するため、Ni量は0.02〜0.40%の範囲とする。好ましくは0.04〜0.30%の範囲である。
Sb:0.01〜0.2%
Sbは、鋼材に合金元素として0.01%以上を含有させると、低pH環境において地鉄近傍に濃縮する。Sbは大きな水素過電圧を持つため、Sbが析出した部分では水素発生反応が抑制され、耐食性が向上する。またSbは、Cuと金属間化合物であるCu2Sbを形成することで、さらに耐食性が向上する。一方、Sbは0.2%を超えて含有させると靭性を低下させる。よって、Sbは0.01〜0.2%の範囲とする。好ましくは0.02〜0.15%の範囲である。
W:0.005〜0.5%
Wは、WO4 2-の生成により、地鉄表面へのSO4 2-の拡散を抑制すると共に、腐食生成物を緻密にして、地鉄表面へのH2O、O2、SO4 2-の拡散を抑制する。これらの効果を得るためには、Wを0.005%以上含有させる必要がある。しかし、Wが0.5%を超えて含有されると効果が飽和するだけでなく、コストも上昇するので、W量は0.005〜0.5%の範囲とする。好ましくは0.02〜0.2%の範囲である。
Nb:0.003〜0.025%
Nbは、腐食生成物を緻密にして、地鉄表面へのH2O、O2、SO4 2-の拡散を抑制する。この効果を得るためにはNbを0.003%以上含有させる必要がある。一方、Nbを0.025%を超えて含有させても効果は飽和する。よって、Nb量は0.003〜0.025%の範囲とする。好ましくは0.005〜0.020%の範囲である。
Cr:0.1%以下
Crは、低pH環境で加水分解を起こし、耐食性を低下させる元素であるので、極力低減することが好ましいが、0.1%以下であれば許容できる。
以上、基本成分について説明したが、本発明では、必要に応じて、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Ti:0.001〜0.030%、Zr:0.001〜0.030%、V:0.002〜0.20%
Ti,ZrおよびVはいずれも、鋼の強度を高める元素であり、必要とする強度に応じて選択して含有させることができる。このような効果を得るためには、TiおよびZrは0.001%以上、Vは0.002%以上含有させる必要がある。しかしながら、TiおよびZrはいずれも0.030%を超えて、またVは0.20%を超えて含有させると靱性が低下するため、Ti,ZrおよびVを含有させる場合には、それぞれ、上記の範囲で含有させることとする。
Ca:0.0002〜0.005%
Caは、介在物形態制御の効果があり、鋼の延性および靱性を高めることができる。この効果はCa量が0.0002%以上で発現する。一方、Caを0.005%を超えて含有させると、粗大な介在物を形成し、母材の靱性を劣化させる。そこで、Ca量は0.0002〜0.005%の範囲とする。好ましくは0.0005〜0.004%の範囲である。
Mo:0.01〜0.5%、Co:0.01〜0.5%、B:0.0002〜0.0050%
Mo,CoおよびBはいずれも、鋼の強度を高める元素であり、必要とする強度に応じて選択して含有させることができる。このような効果は、Mo、Coは0.01%以上で、またBは0.0002%以上で発現する。しかしながら、MoおよびCoはいずれも0.5%を超えて、またBは0.0050%を超えて含有させるとそれぞれ靱性が低下するため、Mo,CoおよびBを含有させる場合には、それぞれ、上記の範囲で含有させることとする。
本発明における成分組成のうち、上記以外の成分はFeおよび不可避的不純物である。ただし、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、上記以外の成分の含有を拒むものではない。
また、本発明において、所望とする強度は降伏強度YSで235MPa以上、390MPa未満である。従って、本発明では、CやSi,Mnなどの強度改善成分の含有量を、降伏強度が上記の範囲になるように適宜調整する必要がある。
次に、本発明に係る耐食鋼の好適製造方法について説明するが、製造方法はこれだけに限られるものではない。
上記した成分組成の溶鋼を、転炉、電気炉等の公知の方法で溶製し、連続鋳造法や造塊法等の公知の方法でスラブやビレット等の鋼素材とする。なお、溶鋼に、取鍋精錬や真空脱ガス等の処理を付加しても良いことは言うまでもない。
ついで、上記鋼素材を、結晶粒粗大化防止の観点から、好ましくは1050〜1250℃の温度に加熱したのち、所望の寸法形状に熱間圧延するか、あるいは鋼素材の温度が熱間圧延可能な程度に高温である場合には加熱することなく、あるいは均熱する程度で直ちに所望の寸法形状の鋼材に熱間圧延する。
なお、熱間圧延では、強度を確保するために、熱間仕上圧延終了温度および熱間仕上圧延終了後の冷却速度を適正化することが好ましく、熱間仕上圧延終了温度は700℃以上、熱間仕上圧延終了後の冷却は空冷または冷却速度150℃/s以下の加速冷却を行うことが好ましい。なお、冷却後、再加熱処理を施してもよい。
表1に示す成分組成になる鋼を、真空溶解炉で溶製後、インゴットとし、または転炉で溶製後、連続鋳造によりスラブとした。ついで、インゴットまたはスラブを加熱炉に装入して1150℃に加熱し、仕上圧延終了温度930℃の熱間圧延により、25mm厚の鋼板とした。
これらの鋼板について、母材の引張特性および衝撃特性(シャルピー衝撃試験により、−20℃での吸収エネルギーvE-20を測定)を調査した。また、溶接部靭性として,溶接入熱が50kJ/cmのサブマージアーク溶接した時の溶接継手における溶接熱影響部1mm(ヒュージョンラインから母材側に1mm入った箇所)相当の再現熱サイクルを付与し,シャルピー衝撃試験により0℃での吸収エネルギーvE0を測定した。
また、耐食性については、以下に示す条件で試験を行うことで、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールド内の腐食に大きな影響を及ぼす温湿度環境、結露状況を模擬した。
前記鋼板から、5mmt×50mmW ×75mmLの試験片を採取し、その表面をショットブラストして、表面のスケールや油分を除去した。この面を試験面として、塗膜剥離後の鋼材の耐食性を評価した。裏面と端面をシリコン系シールでコーティングした後、アクリル製の治具に嵌め込み、その上に石炭5gを敷き詰め、恒温恒湿器により、雰囲気A(温度60℃、相対湿度95%、20時間)⇔雰囲気B(温度30℃、相対湿度95%、3時間)、遷移時間0.5時間の温度湿度サイクルを84日間与えた。ここで、記号「⇔」は繰り返しを意味している。なお、石炭は5gを秤量し、常温で100mlの蒸留水に2時間浸漬したのち、ろ過を行い、200mlに希釈した石炭浸出液のpHが3.0になるものを用いた。
本実施例では、上記の条件で試験を行うことにより、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールド内の腐食に大きな影響を及ぼす温湿度環境、結露状況を模擬している。試験後、錆剥離液を用い、各試験片の錆を剥離し、鋼材の重量減少量を測定し腐食量とした。また、生じた最大孔食深さをデプスメーターを用いて測定した。
表2に機械的特性調査結果および耐食性試験結果を示す。
Figure 2016027198
Figure 2016027198
表2に示したとおり、発明例、比較例ともに良好な母材機械的特性および溶接部衝撃特性を示したが、耐食性については大幅な違いがみられた。
すなわち、発明例の重量減および最大孔食深さは、比較例であるベース鋼No.22の70%以下であり、良好な耐食性を示したのに対し、比較例であるNo.23〜28の重量減および最大孔食深さはベース鋼の90%以上であり、耐食性として不十分であった。
本発明に係る鋼材は、石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールドの構成部材として使用した場合、石炭や鉱石のメカニカルダメージにより塗膜が剥離した状況においても、優れた耐食性を発揮することができ、腐食による鋼材切替えを低減できるなどの効果を奏する。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.01〜0.25%、
    Si:0.01〜0.50%、
    Mn:0.1〜2.0%、
    P:0.026〜0.035%、
    S:0.035%以下、
    Al:0.003〜0.10%、
    N:0.0010〜0.0080%、
    Cu:0.05〜0.35%、
    Ni:0.02〜0.40%、
    Sb:0.01〜0.2%、
    W:0.005〜0.5%、
    Nb:0.003〜0.025%および
    Cr:0.1%以下
    を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用の耐食鋼。
  2. 前記鋼が、質量%で、さらに
    Ti:0.001〜0.030%、
    Zr:0.001〜0.030%および
    V:0.002〜0.20%
    のうちから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用の耐食鋼。
  3. 前記鋼が、質量%で、さらに
    Ca:0.0002〜0.005%
    を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用の耐食鋼。
  4. 前記鋼が、質量%で、さらに
    Mo:0.01-0.5%、
    Co:0.01〜0.5%および
    B:0.0002〜0.0050%
    のうちから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用の耐食鋼。
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