JP2016026891A - 球体研磨装置及び球体研磨方法 - Google Patents

球体研磨装置及び球体研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被加工球体の研磨加工精度及び研磨加工効率を大幅に向上させることができる球体研磨装置及び球体研磨方法を提供する。【解決手段】球体研磨装置1の備える第一、第二及び第三研磨盤2,3,4は、各回転軸La,Lbが平行に配置され、それぞれ回転し、さらに第二及び第三研磨盤3,4は差動回転して1つの被加工球体Wを研磨加工している。これにより、被加工球体Wには、被加工球体Wの外周面において中心に向かう1つの力及びこの力に平行な方向の2つの力が発生するため、被加工球体Wを安定且つ良好に回転させることができる。さらに、被加工球体Wを3箇所で研磨加工を行っているので、被加工球体Wと第一、第二及び第三研磨盤2,3,4との接触機会が多くなり、被加工球体Wの研磨加工精度及び研磨加工効率を大幅に向上させることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、被加工球体を研磨加工する球体研磨装置及び球体研磨方法に関する。
従来、高精度な鋼球を製造する際に使用される球体研磨装置は、被加工球体を複数の回転盤体(砥石)の間で挟持し、回転盤体を回転させることにより被加工球体を研磨加工する。例えば、特許文献1に記載の球体研磨装置は、内周側と外周側に分割され、同軸で個別に回転される2つの下回転盤体(下部ラップ)と、下回転盤体と同軸で個別に回転される1つの上回転盤体(上部ラップ)とを備える。上回転盤体は、2つの下回転盤体の境界上方に配置される。そして、下回転盤体及び上回転盤体は、2つの下回転盤体の境界上に載置された被加工球体を挟持しそれぞれ回転することにより、被加工球体を研磨加工する。
また、特許文献2に記載の球体研磨装置は、個別に回転される3つの回転盤体(研磨ロール)を備える。3つの回転盤体は、回転軸線が正三角形の各辺上に位置するように、且つ回転軸線と直角なロール外周面を通る線が120度の等間隔で位置するように配置される。そして、3つの回転盤体は、被加工球体を各外周面で三点支持して回転することにより、被加工球体を研磨加工する。
また、特許文献3に記載の球体研磨装置は、個別に回転される一対の回転盤体と、一対の従動ローラとを備える。一対の回転盤体は、同軸で所定間隔をあけて対向配置される。一対の従動ローラは、回転盤体の回転軸線と所定間隔をあけて平行な2本の回転軸線上であって、外周面が一対の回転盤体の間隙で平行になるようにそれぞれ配置される。そして、一対の回転盤体は、一対の従動ローラとともに被加工球体を挟持し差動回転することにより、被加工球体を研磨加工する。また、特許文献4に記載のように、一対の回転盤体(駆動ローラ)及び一対の従動ローラ(支持ローラ)を備えた機構は、球体の外観検査装置にも適用されており、球体の自転軸を随時変化させながら回転させて外観検査するようになっている。
特開2008−161986号公報 特開2002−28851号公報 特開2012−71413号公報 特開2011−7540号公報
上述の特許文献1に記載の球体研磨装置は、複数の被加工球体を上回転盤の端面と2つの下回転盤体の端面との間に挟持して回転し研磨加工する装置である。従って、例えば1つの被加工球体を上回転盤と2つの下回転盤体との間に挟持した場合、上回転盤が傾斜し若しくは撓むおそれがあり、被加工球体の研磨加工精度及び研磨加工効率が悪化する場合がある。また、被加工球体は、2つの下回転盤体の境界上において遠心力を受けるため、回転盤の回転軸線と直角な軸線回りに回転し難くなる。このため、被加工球体の全面を均等に研磨加工できないおそれがあり、被加工球体の研磨加工精度及び研磨加工効率が悪化する場合がある。
また、特許文献2に記載の球体研磨装置は、1つの被加工球体を3つの回転盤体の各外周面で三点支持して回転し研磨加工する装置である。従って、被加工球体には、外周面において120度の等間隔で中心に向かう力が発生するため、被加工球体を安定的に回転させることが困難であり、被加工球体の研磨加工精度及び研磨加工効率が悪化する場合がある。
これに対し、特許文献3に記載の球体研磨装置は、1つの被加工球体を一対の回転盤体及び一対の従動ローラで挟持して差動回転し研磨加工する装置である。従って、被加工球体には、外周面において中心に向かう2つの力及びこれらの力に平行な方向の2つの力が発生するため、被加工球体を安定的に回転させることができ、被加工球体の研磨加工精度及び研磨加工効率を向上できる。しかし、近年、被加工球体の研磨加工精度及び研磨加工効率のさらなる向上が望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、1つの被加工球体の研磨加工精度及び研磨加工効率を大幅に向上できる球体研磨装置及び球体研磨方法を提供することを目的とする。
(球体研磨装置)
(請求項1)本発明の球体研磨装置は、回転可能に支持され、外周面で被加工球体の研磨加工が可能な第一研磨盤と、前記第一研磨盤の回転軸と平行に配置される回転軸回りに回転可能に支持され、外周面で前記被加工球体の研磨加工が可能な第二研磨盤と、前記第二研磨盤と同軸で配置される回転軸回りに回転可能に支持され、外周面で前記被加工球体の研磨加工が可能な第三研磨盤と、前記第一、第二及び第三研磨盤をそれぞれ回転する第一、第二及び第三回転装置と、前記第一回転装置の駆動を制御して前記第一研磨盤を回転するとともに、前記第二及び第三回転装置の駆動を制御して前記第二及び第三研磨盤を差動回転し、前記第一、第二及び第三研磨盤の外周面で挟持している前記被加工球体の研磨加工を行う制御装置と、を備える。
これにより、第一、第二及び第三研磨盤は、各回転軸が平行に配置され、それぞれ回転し、さらに第二及び第三研磨盤は差動回転して1つの被加工球体を研磨加工している。これにより、被加工球体には、被加工球体の外周面において中心に向かう1つの力及びこの力に平行な方向の2つの力が発生するため、被加工球体を安定且つ良好に回転でき、さらに3箇所で研磨加工を行っているので、被加工球体と第一、第二及び第三研磨盤との接触機会が多くなり、被加工球体の研磨加工精度及び研磨加工効率を大幅に向上できる。
(請求項2)前記制御装置は、前記第二研磨盤及び前記第三研磨盤の少なくとも一方を波状に変動する速度で回転するとよい。これにより、被加工球体の表面と第一、第二、第三研磨盤との接触範囲は、一定速度で回転させる場合よりも変動速度で回転させる場合の方が増加するので、被加工球体の研磨加工精度は、一定速度で回転させる場合よりも変動速度で回転させる場合の方が向上する。
(請求項3)前記制御装置は、前記第一研磨盤を一定速度で回転するとよい。これにより、制御装置は、第一研磨盤の回転制御を容易に行うことができる。
(請求項4)前記制御装置は、前記第二研磨盤及び前記第三研磨盤の他方を一定速度で回転するとよい。これにより、第二研磨盤と第三研磨盤との速度差が大きくなるので、被加工球体の研磨加工精度が高まる。
(請求項5)前記制御装置は、前記第二研磨盤及び前記第三研磨盤の一方を台形波状の変動速度で回転するとよい。台形波状の変動速度では、加速度が緩やかに変動するので、被加工球体の研磨盤上での滑りを防止できる。
(請求項6)前記制御装置は、前記第二研磨盤及び前記第三研磨盤の一方を正弦波状の変動速度で回転するとよい。正弦波状の変動速度では、加速度が緩やかに変動するように調整することで、被加工球体の研磨盤上での滑りを防止できる。
(請求項7)前記制御装置は、前記第二研磨盤及び前記第三研磨盤の一方の前記波状に変動する速度を、前記第二研磨盤及び前記第三研磨盤の他方の前記一定速度より所定速度だけ大きい速度と前記一定速度より前記所定速度だけ小さい速度との間で変動するように制御するとよい。これにより、被加工球体の中心軸線は、大きな角度範囲で往復変動するので、研磨精度を大幅に向上できる。
(請求項8)前記第一、第二及び第三研磨盤の各外周面で挟持した前記被加工球体に対し、前記各研磨盤の回転軸線に平行な直線に対して直角な方向に荷重を付加する荷重付加装置、を備えるとよい。これにより、研磨加工中における被加工球体の飛び跳ねを防止でき、被加工球体の研磨加工精度及び研磨加工効率をさらに向上できる。
(請求項9)前記荷重付加装置は、前記被加工球体に押圧して前記荷重の付加が可能な押圧部材を備え、前記押圧部材は、前記各研磨盤の回転軸線に平行な方向から見たとき、前記被加工球体とは反対側から前記被加工球体との接触部に向かって先細りとなる形状に形成されるとよい。これにより、押圧部材の接触部の縁部は、第一、第二、第三研磨盤の最外周面と接触することはなく、小径の被加工球体の研磨が可能となる。また、押圧部材の根元は、接触部より大径であるため、押圧部材の剛性を高めることができる。
(請求項10)前記第一研磨盤の外周面の軸方向断面形状が、円弧凹形状に形成されているとよい。これにより、被加工球体に対する研磨面積が大きくなるので、被加工球体の研磨加工精度及び研磨加工効率をさらに向上できる。
(請求項11)前記制御装置は、第一、第二及び第三研磨盤を一定速度で回転するとよい。これにより、被加工球体の安定した回転及び狙い通りの回転が可能となるので、被加工球体の研磨加工精度をさらに向上できる。
(球体研磨方法)
(請求項12)回転可能に支持され、外周面で被加工球体の研磨加工が可能な第一研磨盤と、前記第一研磨盤の回転軸と平行に配置される回転軸回りに回転可能に支持され、外周面で前記被加工球体の研磨加工が可能な第二研磨盤と、前記第二研磨盤と同軸で配置される回転軸回りに回転可能に支持され、外周面で前記被加工球体の研磨加工が可能な第三研磨盤と、を備えた球体研磨装置における球体研磨方法であって、前記第一研磨盤を回転するとともに、前記第二及び第三研磨盤を差動回転する状態において、前記第一、第二及び第三研磨盤の外周面で挟持している前記被加工球体の研磨加工を行う研磨加工工程と、を備える。これにより、上述した請求項1の球体研磨装置における効果と同様の効果を奏する。
(請求項13)前記球体研磨方法は、熱処理していない第一素材球体を成形する第一素材成形工程と、前記第一素材球体を前記第一、第二及び第三研磨盤の外周面で挟持した状態で、前記第一、第二及び第三研磨盤を回転して前記第一、第二及び第三研磨盤の成形を行う研磨盤成形工程と、前記第一素材球体を熱処理することにより前記被加工球体としての第二素材球体を成形する第二素材成形工程と、を備え、前記研磨加工工程は、前記研磨盤成形工程にて成形された前記第一、第二及び第三研磨盤を用いて、前記第二素材成形工程にて成形された前記第二素材球体の研磨加工を行うとよい。
熱処理していない第一素材球体は、第一、第二、第三研磨盤で加工を行うと切粉が粘って長く出るので、当該切粉は、第一、第二、第三研磨盤の砥粒間の空隙に溜まり易くなる。これにより、砥粒には、負荷が大きく掛かるので、出張った砥粒は、剥がれ落ちる。よって、第一、第二、第三研磨盤の砥石溝形状は、被加工球体の初期形状に近い形状となるので、被加工球体の研磨精度を向上できる。
本発明の実施の形態に係る球体研磨装置の全体構成を示す図である。 図1の球体研磨装置を上方から見た図である。 図1の球体研磨装置を左側方から見た図である。 図1の球体研磨装置を右側方から見た図である。 荷重負荷装置の押圧部材及びその付近の拡大図である。 押圧部材が研磨盤と接触する場合を説明するための図である。 研磨盤との接触を回避可能な押圧部材及びその付近の拡大図である。 図1の球体研磨装置の制御装置の構成ブロック図である。 図1の球体研磨装置の動作を説明するためのフローチャート図である。 研磨動作中の図2における被研磨球体付近の拡大図である。 図8のA−A線断面図である。 第一、第二研磨盤の回転速度を一定にし、第三研磨盤の回転速度を正弦波状に変動したときの各回転速度の波形図である。 第一、第二研磨盤の回転速度を一定にし、第三研磨盤の回転速度を矩形波状に変動したときの各回転速度の波形図である。 第一、第二研磨盤の回転速度を一定にし、第三研磨盤の回転速度を台形波状に変動したときの各回転速度の波形図である。 図8に対応させた別例の研磨動作中の被研磨球体付近の拡大図である。 第一、第二研磨盤の回転速度を一定にし、第三研磨盤の回転速度を一定、正弦波状の変動、矩形波状の変動、台形波状の変動にしたときの被加工球体の真球度及び偏差を示す図である。 第一研磨盤の回転速度を一定にし、第二、第三研磨盤の回転速度を台形波状に変動したときの各回転速度の波形図である。 第一、第二、第三研磨盤の回転速度を一定にしたとき、及び第一研磨盤の回転速度を一定、第二、第三研磨盤の回転速度を台形波状の変動にしたときの被加工球体の真球度及び偏差を示す図である。 ならし加工の動作を説明するためのフローチャート図である。
(球体研磨装置の機械構成)
実施形態の球体研磨装置1の機械構成について図1〜図4を参照して説明する。この球体研磨装置1は、例えば、鋼球、セラミックス球等の1つの被加工球体Wの表面を研磨する装置である。図1〜図4に示すように、この球体研磨装置1は、第一研磨盤2と、第二研磨盤3と、第三研磨盤4と、第一回転装置5と、第二回転装置6と、第三回転装置7と、荷重付加装置8と、制御装置9等とから概略構成される。なお、図2〜図4においては、荷重付加装置8の一部及び制御装置9を省略して示す。
第一研磨盤2は、円盤状に形成された2つの台座21と、台座21と略同一径の円盤状に形成され、2つの台座21の端面間に挟持され貼着された砥石22等とを備える。第一研磨盤2は、回転軸線La回りに回転可能に、第一回転装置5に支持される。砥石22は、例えば、白色アルミナ系砥粒をレジンボンドで固めて形成される。
砥石22の外周面22aの径方向断面形状は、被加工球体Wの径方向断面形状である円形状のうち半円分より若干小さい形状が収まる円弧凹形状に形成される。これにより、被加工球体Wに対する研磨面積が大きくなるので、被加工球体Wの研磨加工精度及び研磨加工効率を大幅に向上できる。なお、砥石22の外周面22aの径方向断面形状としては、V字凹形状や直線形状等であってもよい。
第二研磨盤3は、円盤状に形成された1つの台座31と、台座31と略同一径の円盤状に形成され、台座31の端面に貼着された砥石32等とを備える。第二研磨盤3は、回転軸線Laと水平方向に平行な回転軸線Lb回りに回転可能に、且つ砥石32が第一研磨盤2の砥石22と径方向に所定間隔をあけて対向するように、第二回転装置6に支持される。砥石32は、第一研磨盤2の砥石22と同一材料で形成される。砥石32の外周面32aの径方向断面形状は、被加工球体Wの径方向断面形状である円形状のうち四分の一円分より若干小さい形状が収まる円弧凹形状に形成される。
第三研磨盤4は、第二研磨盤3の台座31と同一形状の円盤状に形成された1つの台座41と、台座41と略同一径の円盤状に形成され、台座41の端面に貼着された砥石42等とを備える。第三研磨盤4は、第二研磨盤3と同一の回転軸線Lb回りに回転可能に、且つ砥石42が第二研磨盤3の砥石32と回転軸線Lb方向に所定間隔をあけて対向するように、第三回転装置7に支持される。砥石42は、第二研磨盤3の砥石32と同一材料で形成される。砥石42の外周面42aの径方向断面形状は、第二研磨盤3の砥石32の外周面32aの径方向断面形状と同一形状に形成される。
以上のような第一、第二、第三研磨盤2,3,4の形状及び配置により、第一研磨盤2の砥石22と、第二研磨盤3の砥石32と、第三研磨盤4の砥石42との間には、略円形状の隙間が形成される。この隙間の径は、被加工球体Wの径よりも若干小さくなるように第一、第二、第三研磨盤2,3,4は配置される。これにより、被加工球体Wは、第一研磨盤2の砥石22と、第二研磨盤3の砥石32と、第三研磨盤4の砥石42とにより挟持され研磨加工される。
第一回転装置5は、電気モータ51と、モータ支持板52等とを備える。電気モータ51のモータ軸51aは、第一研磨盤2の回転軸線Laと一致するように第一研磨盤2に取り付けられる。モータ支持板52は、板面方向が回転軸線Laと直角となるように固定台10上に立設される。そして、モータ軸51aがモータ支持板52を回転軸線La方向に貫通するように、電気モータ51がモータ支持板52の板面に取り付けられる。電気モータ51のモータ軸51aの回転により、第一研磨盤2は回転軸線La回りに回転可能となっている。
第二回転装置6は、電気モータ61と、モータ支持板62等とを備える。電気モータ61のモータ軸61aは、第二研磨盤3の回転軸線Lbと一致するように第二研磨盤3に取り付けられる。このモータ軸61aは、中空円筒状に形成され、モータ軸61aの内周部には、第三回転装置7の電気モータ71のモータ軸71aが同軸で貫通される。モータ支持板62は、板面方向が回転軸線Lbと直角となるように固定台10上に立設される。そして、モータ軸61aがモータ支持板62を回転軸線Lb方向に貫通するように、電気モータ61がモータ支持板62の板面に取り付けられる。電気モータ61のモータ軸61aの回転により、第二研磨盤3は回転軸線Lb回りに回転可能となる。
第三回転装置7は、電気モータ71と、モータ支持板72等とを備える。電気モータ71のモータ軸71aは、第三研磨盤4の回転軸線Lbと一致するように第三研磨盤4に取り付けられる。このモータ軸71aは、第二回転装置6の電気モータ61のモータ軸61aの内周部に同軸で貫通される。モータ支持板72は、板面方向が回転軸線Lbと直角となり、且つモータ支持板62に対し電気モータ61の軸方向長より若干大きい間隔をあけて平行となるように固定台10上に立設される。そして、モータ軸71aがモータ支持板72を回転軸線Lb方向に貫通するように、電気モータ71がモータ支持板72の板面に取り付けられる。電気モータ71のモータ軸71aの回転により、第三研磨盤4は回転軸線Lb回りに回転可能となる。
荷重付加装置8は、油圧シリンダ81と、押圧部材82と、シリンダ支持板83と、油圧供給装置84等とを備える。油圧シリンダ81のロッド81aの先端には、円筒状の押圧部材82がロッド81aの軸線と押圧部材82の軸線とが一致するように取り付けられる。シリンダ支持板83は、第一支持板83aと、第二支持板83bとを備える。第一支持板83aは、板面方向が回転軸線La(Lb)と直角となり、且つ2つのモータ支持板52,62との間で所定間隔をあけてモータ支持板52,62と平行となるように固定台10上に立設される。第二支持板83bは、第一支持板83aの上面から第一研磨盤2と第二研磨盤3との間まで水平に延びるように設けられる。
第二支持板83bの先端上面には、ロッド81aが第二支持板83bを貫通して垂直下方に延び、押圧部材82の下端面(接触部)が第一、第二、第三研磨盤2,3,4間に挟持される被加工球体Wと接触可能となるように、油圧シリンダ81が取り付けられる。油圧供給装置84は、油圧シリンダ81に接続されて油圧をシリンダ内に供給する。油圧シリンダ81のロッド81aの伸縮により、押圧部材82は第一、第二、第三研磨盤2,3,4間に挟持されている被加工球体Wを垂直下方に押圧可能となる。ロッド81aの移動方向及び押圧部材82の被加工球体Wに対する荷重付加方向は、第一研磨盤2の回転軸線La及び第二、第三研磨盤3,4の回転軸線Lbを通る平面に垂直(鉛直)な方向である。なお、ロッド81aの移動方向及び押圧部材82の被加工球体Wに対する荷重付加方向は、鉛直方向に限定されるものではなく、鉛直線に対し所定角度傾斜した方向でもよい。
ここで、本例では、図5Aに示すように、押圧部材82は円筒状に形成されるため、押圧部材82の直径daが少なくとも最終的な被加工球体Wの直径dwa以下であれば、押圧部材82の先端縁部82aは第一、第二、第三研磨盤2,3,4の最外周面と接触することはない。しかし、図5Bに示すように、最終的な被加工球体Wの直径dwbが上記直径dwaよりも小さくなってくると、押圧部材82の先端縁部82aが第一、第二、第三研磨盤2,3,4の最外周面と接触するおそれがある。そこで、押圧部材82は、第一、第二、第三研磨盤2,3,4の回転軸線La,Lbに平行な方向から見たとき、被加工球体Wとは反対側から被加工球体Wの接触部に向かって先細りとなる形状、すなわち先端部821側が先細りとなる形状に形成される。
具体的には、図5Cに示すように、押圧部材82の基部822は、直径daの円筒状に形成され、押圧部材82の先端部821は、上記直径daより小径dacの円筒状に形成され、基部822と先端部821との連結部823は、逆円錐台状(大径がda、小径がdac)に形成される。これにより、先端部821の先端縁部821a及び連結部823の外周823aは、第一、第二、第三研磨盤2,3,4の最外周面と接触することはなく、小径の被加工球体Wの研磨が可能となる。また、基部822は、先端部821より大径であるため、押圧部材82の剛性を高めることができる。
なお、押圧部材82の形状は、基部822に対し一段の連結部823及び先端部821を有する形状に限定されるものではなく、基部822に対し段階的に小径となる複数段の連結部及び先端部を有する形状でもよく、また、連結部823を設けずに基部822に先端部821を直接連結した形状や基部822に対し徐々に小径となる複数段の先端部を順に連結した形状でもよい。また、基部822に対し徐々に小径となるテーパ状の先端部を直接連結した形状でもよい。
制御装置9は、第一、第二、第三研磨盤2,3,4間に挟持され、押圧部材82に押圧された状態の被加工球体Wを、第一、第二、第三回転装置5,6,7の動作を制御し、第一研磨盤2を回転軸線La回りに回転させ、第二、第三研磨盤3,4を回転軸線Lb回りに第一研磨盤2と同一方向に差動回転させることで研磨加工を行う。
(制御装置の構成)
図6に示すように、制御装置9は、第一回転制御部91と、第二回転制御部92と、第三回転制御部93と、油圧制御部94等とを備える。ここで、各部91〜94は、それぞれ個別のハードウエアにより構成することもできるし、ソフトウエアによりそれぞれ実現する構成とすることもできる。
第一回転制御部91は、第一回転装置5の電気モータ51の回転を開始し、第一研磨盤2を回転軸線La回りに一定回転速度Vsで図1の時計回りもしくは半時計回りに回転させ、また、所定の加工時間が経過したら、電気モータ51の回転を停止する。
第二回転制御部92は、第二回転装置6の電気モータ61の回転を開始し、第二研磨盤3を回転軸線Lb回りに第一研磨盤2と同一の一定回転速度Vsで第一研磨盤2と同一方向に回転させ、また、所定の加工時間が経過したら、電気モータ61の回転を停止する。
第三回転制御部93は、第三回転装置7の電気モータ71の回転を開始し、第三研磨盤4を回転軸線Lb回りに第一研磨盤2の回転速度Vsより低速もしくは高速の一定回転速度Vtで第一研磨盤2と同一方向に回転させ、また、所定の加工時間が経過したら、電気モータ71の回転を停止する。第二研磨盤3と第三研磨盤4とは、差動回転されることになる。
油圧制御部94は、荷重付加装置8の油圧シリンダ81に油圧供給し、押圧部材82を第一、第二、第三研磨盤2,3,4間に挟持されている被加工球体Wに対して接近する垂直下方に移動させ、押圧部材82で被加工球体Wを押圧する。
(研磨加工の動作)
次に、制御装置9による被加工球体Wの研磨加工の動作を図7のフローチャートを参照して説明する。ここで、1つの被加工球体Wは、図8及び図9に示すように、予め作業者により第一、第二、第三研磨盤2,3,4間に載置され挟持されているものとする。このとき、被加工球体Wの中心Cは、第一研磨盤2の回転軸線Laと第二、第三研磨盤3,4の回転軸線Lbとを結ぶ直線Lよりも上方に位置するので、被加工球体Wは、第一、第二、第三研磨盤2,3,4間に載置され挟持される。
先ず、荷重付加装置8により被加工球体Wに荷重を付加する(図7のステップS1)。すなわち、図8及び図9に示すように、油圧制御部94は、油圧供給装置84を動作させ、油圧シリンダ81のロッド81aを垂直下方に移動させ、押圧部材82で第一、第二、第三研磨盤2,3,4間に挟持されている被加工球体Wを押圧する。これにより、研磨加工中における被加工球体Wの飛び跳ねを防止でき、被加工球体Wの研磨加工精度及び研磨加工効率を大幅に向上できる。
次に、第一、第二、第三回転装置5,6,7により第一研磨盤2を回転させるとともに、第二、第三研磨盤3,4を差動回転させる(図7のステップS2)。すなわち、図8及び図9に示すように、第一回転制御部91は、第一回転装置5の電気モータ51の回転を開始し、第一研磨盤2を回転軸線La回りに一定速度Vsで図1の時計回りに回転させる。第二回転制御部92は、第二回転装置6の電気モータ61の回転を開始し、第二研磨盤3を回転軸線Lb回りに一定速度Vsで図1の時計回りに回転させる。第三回転制御部93は、第三回転装置7の電気モータ71の回転を開始し、第三研磨盤4を回転軸線Lb回りに速度Vsより低速の一定速度Vtで図1の時計回りに回転させる。
これにより、第一、第二、第三研磨盤2,3,4間に挟持され、押圧部材82に押圧された状態の被加工球体Wの研磨加工が開始される。このように、第一、第二及び第三研磨盤2,3,4を一定速度Vs,Vs,Vtで回転するので、被加工球体Wの安定した回転及び狙い通りの回転が可能となり、被加工球体Wの研磨加工精度を大幅に向上できる。
次に、研磨加工開始から所定時間が経過したか否かを判断し(図7のステップS3)、研磨加工開始から所定時間が経過していない場合、ステップS2に戻って上述の処理を繰り返す。一方、研磨加工開始から所定時間が経過した場合、研磨加工を停止する(図7のステップS4)。すなわち、第一、第二、第三回転制御部91,92,93は、第一、第二、第三回転装置5,6,7の各電気モータ51,61,71の回転を停止し、油圧制御部94は、油圧供給装置84を動作させ、油圧シリンダ81のロッド81aを垂直上方に移動させる。
そして、作業者は、球体研磨装置1から被加工球体Wを取り出し、当該被加工球体Wの真球度を測定する。被加工球体Wの真球度が所定値でない場合は、当該被加工球体Wを球体研磨装置1に再度セットし、ステップS1からの処理を行わせる。一方、被加工球体Wの真球度が所定値である場合は、全ての処理を終了する。
(被加工球体Wの動き)
上述した研磨加工における非加工球体Wの動きについて、図8及び図9を参照して説明する。本実施形態においては、上述したように、第二、第三研磨盤3,4を差動回転させる。しかし、説明の容易化のため、第二、第三研磨盤3,4を差動回転させていない場合を説明した後に、第二、第三研磨盤3,4を差動回転させた場合について説明する。
第二、第三研磨盤3,4が差動回転しない場合には、被加工球体Wは、図8及び図9に図示する中心軸線C1回りに回転する。中心軸線C1は、被加工球体Wの中心Cを通り、第一、第二、第三研磨盤2,3,4の回転軸線La,Lbに平行な軸である。従って、被加工球体Wが中心軸線C1回りのみに回転するだけでは、被加工球体Wの表面の一部が、第一、第二、第三研磨盤2,3,4に接触しない場合がある。これでは、被加工球体Wの真球度が向上し難くなる。
しかし、本実施形態においては、第二、第三研磨盤3,4が差動回転している。ここで、第一研磨盤2における被加工球体Wとの接触点P1における周速度と、第三研磨盤4における被加工球体Wとの接触点P3における周速度とは、同一であるとし、第二研磨盤3における被加工球体Wとの接触点P2における周速度が他より大きいとする。
この場合、上記差動回転によって、被加工球体Wの回転は、第二研磨盤3における被加工球体Wとの接触点P2の周速方向に回転する成分を有する。つまり、図8に示すように、被加工球体Wの回転は、中心軸線C1を中心Cを中心に所定角度θだけ傾斜させた中心軸線C2回りに回転する成分を有する。従って、被加工球体Wの回転は、中心軸線C1回りに回転する成分に加えて、中心軸線C2回りに回転する成分を合成した回転となる。そのため、被加工球体Wの表面全部が、第一、第二、第三研磨盤2,3,4と接触し、被加工球体Wの真球度を大幅に向上できる。
なお、中心軸線C2の傾斜角度θは、第二、第三研磨盤3,4の差動回転速度を変更することにより変化させることができるので、被加工球体Wの材質によって最適な傾斜角度θに調整することが可能となる。
(研磨加工による効果)
本実施形態の球体研磨装置1によれば、第一、第二及び第三研磨盤2,3,4は、各回転軸が平行に配置され、それぞれ回転し、さらに第二及び第三研磨盤3,4は差動回転して1つの被加工球体Wを研磨加工している。これにより、被加工球体Wには、被加工球体Wの外周面において中心に向かう1つの力Fa及びこの力Faに平行な方向の2つの力Fb,Fcが発生するため、被加工球体Wを安定且つ良好に回転できる。さらに、被加工球体Wを3箇所で研磨加工を行っているので、被加工球体Wと第一、第二及び第三研磨盤2,3,4との接触機会が多くなり、被加工球体Wの研磨加工精度及び研磨加工効率を大幅に向上できる。
(研磨加工の動作の別例)
上述の研磨加工の動作は、第一、第二及び第三研磨盤2,3,4を一定速度Vs,Vs,Vtで回転して被加工球体Wを研磨する場合を説明したが、研磨加工の動作の別例としては、第一研磨盤2を一定の速度で回転し、差動回転する第二、第三研磨盤3,4の一方を波状に変動する速度で回転し、他方を一定の速度で回転するようにしてもよい。
波状に変動する速度としては、例えば、図10A,図10B,図10Cの実線で示すように、1周期が時間2tの正弦波状に変動する速度、矩形波状に変動する速度、台形波状に変動する速度、もしくは図示していないが三角波状に変動する速度とする。そして、図10A,10B,10C及び図11に示すように、第一研磨盤2は、一点鎖線で示す一定速度Vaで反時計回りに回転し、第二研磨盤3は、第一研磨盤2の速度Vaより小さい二点鎖線で示す一定速度Vbで反時計回りに回転し、第三研磨盤4は、第一研磨盤2の速度Vaより小さい実線で示す所定の速度範囲内Vc1〜Vc2で一定周期で波状に変動する速度で反時計回りに回転する。第三研磨盤4の上限の速度Vc1は、第一研磨盤2の速度Vaより小さく第二研磨盤3の速度VbよりΔV大きい速度(Vc1=Vb+ΔV)とし、下限の速度Vc2は、第二研磨盤3の速度VbよりΔV小さい速度(Vc2=Vb−ΔV)とする。
この場合、図8に対応させて示す図11に示すように、被加工球体Wの回転は、第二、第三研磨盤3,4の変動する差動回転によって、中心軸線C1が中心Cを中心に所定角度φの間で往復変動する中心軸線C1回りの回転となる。このため、被加工球体Wの表面と第一、第二、第三研磨盤2,3,4との接触範囲は、一定速度で回転させる場合よりも変動速度で回転させる場合の方が増加するので、図12から明らかなように、被加工球体Wの真球度及び偏差は、一定速度で回転させる場合よりも変動速度で回転させる場合の方が向上する。
そして、図12に示すように、被加工球体Wの真球度及び偏差は、第三研磨盤4の回転速度を台形波状にしたときが最も良好であり、以下、矩形波状、正弦波状、一定の順となる。台形波状の変動速度が被加工球体Wの真球度及び偏差において最も良好となる理由は、加速度が急激に変動すると被加工球体Wは第二研磨盤3上で滑って研磨し難くなるが、台形波状の変動速度では加速度が緩やかに変動するので、被加工球体Wの第二研磨盤3上での滑りを防止して良好に研磨できるためと考えられる。
なお、第一研磨盤2は、回転制御の容易化のため一定の速度で回転させるように設定しているが、例えば波状に変動させるように設定してもよい。
また、第一研磨盤2の回転速度Vaは、第二、第三研磨盤3,4の回転速度Vb,Vc1〜Vc2より大きくなるように設定しているが、第一、第二及び第三研磨盤2,3,4を反時計回りに回転させているため、回転速度Vaが回転速度Vb,Vc1〜Vc2より小さくなると、被加工球体Wに下向きの力が加わって落下するおそれがあるためである。よって、第一、第二及び第三研磨盤2,3,4を時計回りに回転させる場合は、第一研磨盤2の回転速度Vaを、第二、第三研磨盤3,4の回転速度Vb,Vc1〜Vc2より小さくなるように設定する。
また、第三研磨盤4の回転速度Vc1(=Vb+ΔV)〜Vc2(=Vb−ΔV)は、第二研磨盤3の速度Vbを中心に同一振幅幅で変動するように設定しているが、上述のように被加工球体Wの中心軸線C1を、大きな角度範囲、すなわち角度φの間で往復変動でき、研磨精度を大幅に向上できるからである。よって、研磨精度は多少落ちるが、第三研磨盤4の回転速度Vc1(=Vb+ΔV)〜Vc2(=Vb−ΔV)は、第二研磨盤3の速度Vbからずれた速度を中心に同一振幅幅又は異なる振幅幅で変動するように設定してもよい。
また、別例として、図13に示すように、第一研磨盤2を一定の速度で回転し、差動回転する第二、第三研磨盤3,4の両方を上述と同様の台形波状に変動する速度で回転した場合について検討した。この場合、第二研磨盤3の変動速度の波形の位相は、第三研磨盤4の変動速度の波形の位相に対し180度ずれるように設定した。
図14から明らかなように、被加工球体Wの真球度は、第二、第三研磨盤3,4を一定速度で回転させる場合と、第二、第三研磨盤3,4の両方を変動速度で回転させる場合とに大きな違いはなく、被加工球体Wの真球度の偏差は、第二、第三研磨盤3,4を一定速度で回転させる場合よりも第二、第三研磨盤3,4の両方を変動速度で回転させる場合の方が若干向上するにとどまった。以上から、被加工球体Wの真球度及び偏差は、第二、第三研磨盤3,4の両方を変動速度で回転させる場合よりも第二、第三研磨盤3,4の一方を変動速度で回転させる場合の方が向上することが判明した。
また、本実施形態の球体研磨装置1は、熱処理された被加工球体Wを研磨する装置である。この被加工球体Wは、棒部材を所定長に切断して切断部材とし、切断部材を鍛造してフラッシング(ばり取り)を行って鍛造部材(以下、第一素材球体W1という)とし、第一素材球体W1を熱処理しスケール除去して研削することにより製造される。なお、以下の説明では、被加工球体Wは、第二素材球体W2と称する。
第一、第二、第三研磨盤2,3,4の初期の砥石溝形状は、第二素材球体W2の初期形状との差が大きく、研磨加工の際の第二素材球体W2の自転軸変動が安定しないため、研磨加工精度が悪化する傾向にある。そこで、第一、第二、第三研磨盤2,3,4の初期の砥石溝は、第一素材球体W1を用いてならし加工を行って上記形状の差を小さくする。第一素材球体W1は、熱処理されていないので、ならし加工を行うと切粉が粘って長く出る。そして、当該切粉は、第一、第二、第三研磨盤2,3,4の砥粒間の空隙に溜まり易くなる。これにより、砥粒には、負荷が大きく掛かるので、出張った砥粒は、剥がれ落ちる。よって、第一、第二、第三研磨盤2,3,4の砥石溝形状は、第二素材球体W2の初期形状に近い形状となるので、第二素材球体W2の研磨精度を向上できる。
このならし加工方法を図15のフローチャートを参照して説明する。先ず、棒部材を所定長に切断し鍛造してフラッシングを行うことにより第一素材球体W1を成形する(図15のステップS11、本発明の「第一素材成形工程」に相当)。次に、第一素材球体W1を第一、第二、第三研磨盤2,3,4間に載置して挟持させ、荷重付加装置8により第一素材球体W1に荷重を付加し第一、第二、第三研磨盤2,3,4を回転させてならし加工を行う(図15のステップS12、本発明の「研磨盤成形工程」に相当)。そして、球体研磨装置1から第一素材球体W1を取り出して廃棄し、別の第一素材球体W1を熱処理しスケール除去して研削して第二素材球体W2を成形する(図15のステップS13、本発明の「第二素材成形工程」に相当)。そして、第二素材球体W2に対し前述の研磨加工(図7参照)を行う。
(その他)
上述の実施形態では、第二及び第三研磨盤3,4は、同一方向に回転速度を異ならせることにより差動回転させる構成としたが、異なる方向に回転速度を異ならせることにより差動回転させる構成としてもよい。また、第二、第三研磨盤3,4の差動回転速度を時間によって変化させてもよい。すなわち、第二、第三研磨盤3,4を一定速度で所定時間差動回転させたら当該速度を変化させ、第二、第三研磨盤3,4を変化させた一定速度で所定時間差動回転させるという動作を所定回数繰り返す。これによって、被加工球体Wに異なる回転を与えることができ、被加工球体Wの真球度が向上する。
また、第二回転装置6の電気モータ61及び第三回転装置7の電気モータ71は、第二研磨盤3及び第三研磨盤4の一方の側、すなわち第一回転装置5の電気モータ51と同じ側に配置する構成としたが、第三回転装置7の電気モータ71を第二研磨盤3及び第三研磨盤4の他方の側、すなわち2つの電気モータ61,71が2つの研磨盤3,4を挟むように配置する構成としてもよい。この場合、電気モータ61のモータ軸61aは、電気モータ71のモータ軸71aと同様に中実円筒状に形成される。また、第一、第二及び第三研磨盤2,3,4は、同一径としたが、異なる径としてもよい。また、荷重付加装置8を備えない構成としても、被加工球体Wを高精度に研磨加工することができる。例えば、第一、第二及び第三研磨盤2,3,4の回転速度が遅く、被加工球体Wの自重が十分に重い場合は、荷重付加装置8で被加工球体Wに荷重を付加しなくても研磨加工中における被加工球体Wの飛び跳ねのおそれはないので、被加工球体Wの高精度な研磨加工が可能である。
1:球体研磨装置、 2:第一研磨盤、 3:第二研磨盤、 4:第三研磨盤、 5:第一回転装置、 6:第二回転装置、 7:第三回転装置、 8:荷重付加装置、 82:押圧部材、 9:制御装置、 W:被加工球体

Claims (13)

  1. 回転可能に支持され、外周面で被加工球体の研磨加工が可能な第一研磨盤と、
    前記第一研磨盤の回転軸と平行に配置される回転軸回りに回転可能に支持され、外周面で前記被加工球体の研磨加工が可能な第二研磨盤と、
    前記第二研磨盤と同軸で配置される回転軸回りに回転可能に支持され、外周面で前記被加工球体の研磨加工が可能な第三研磨盤と、
    前記第一、第二及び第三研磨盤をそれぞれ回転する第一、第二及び第三回転装置と、
    前記第一回転装置の駆動を制御して前記第一研磨盤を回転するとともに、前記第二及び第三回転装置の駆動を制御して前記第二及び第三研磨盤を差動回転し、前記第一、第二及び第三研磨盤の外周面で挟持している前記被加工球体の研磨加工を行う制御装置と、
    を備える、球体研磨装置。
  2. 前記制御装置は、前記第二研磨盤及び前記第三研磨盤の少なくとも一方を波状に変動する速度で回転する、請求項1の球体研磨装置。
  3. 前記制御装置は、前記第一研磨盤を一定速度で回転する、請求項2の球体研磨装置。
  4. 前記制御装置は、前記第二研磨盤及び前記第三研磨盤の他方を一定速度で回転する、請求項2又は3の球体研磨装置。
  5. 前記制御装置は、前記第二研磨盤及び前記第三研磨盤の一方を台形波状の変動速度で回転する、請求項2〜4の何れか一項の球体研磨装置。
  6. 前記制御装置は、前記第二研磨盤及び前記第三研磨盤の一方を正弦波状の変動速度で回転する、請求項2〜4の何れか一項の球体研磨装置。
  7. 前記制御装置は、前記第二研磨盤及び前記第三研磨盤の一方の前記波状に変動する速度を、前記第二研磨盤及び前記第三研磨盤の他方の前記一定速度より所定速度だけ大きい速度と前記一定速度より前記所定速度だけ小さい速度との間で変動するように制御する、請求項4〜6の何れか一項の球体研磨装置。
  8. 前記第一、第二及び第三研磨盤の各外周面で挟持した前記被加工球体に対し、前記各研磨盤の回転軸線に平行な直線に対して直角な方向に荷重を付加する荷重付加装置、を備える、請求項1〜7の何れか一項の球体研磨装置。
  9. 前記荷重付加装置は、前記被加工球体を押圧して前記荷重の付加が可能な押圧部材を備え、
    前記押圧部材は、前記各研磨盤の回転軸線に平行な方向から見たとき、前記被加工球体とは反対側から前記被加工球体との接触部に向かって先細りとなる形状に形成される、請求項8の球体研磨装置。
  10. 前記第一研磨盤の外周面の軸方向断面形状が、円弧凹形状に形成されている、請求項1〜9の何れか一項の球体研磨装置。
  11. 前記制御装置は、第一、第二及び第三研磨盤を一定速度で回転する、請求項1〜3の何れか一項の球体研磨装置。
  12. 回転可能に支持され、外周面で被加工球体の研磨加工が可能な第一研磨盤と、
    前記第一研磨盤の回転軸と平行に配置される回転軸回りに回転可能に支持され、外周面で前記被加工球体の研磨加工が可能な第二研磨盤と、
    前記第二研磨盤と同軸で配置される回転軸回りに回転可能に支持され、外周面で前記被加工球体の研磨加工が可能な第三研磨盤と、
    を備えた球体研磨装置における球体研磨方法であって、
    前記第一研磨盤を回転するとともに、前記第二及び第三研磨盤を差動回転する状態において、前記第一、第二及び第三研磨盤の外周面で挟持している前記被加工球体の研磨加工を行う研磨加工工程を備える、球体研磨方法。
  13. 前記球体研磨方法は、
    熱処理していない第一素材球体を成形する第一素材成形工程と、
    前記第一素材球体を前記第一、第二及び第三研磨盤の外周面で挟持した状態で、前記第一、第二及び第三研磨盤を回転して前記第一、第二及び第三研磨盤の成形を行う研磨盤成形工程と、
    前記第一素材球体を熱処理することにより前記被加工球体としての第二素材球体を成形する第二素材成形工程と、
    を備え、
    前記研磨加工工程は、前記研磨盤成形工程にて成形された前記第一、第二及び第三研磨盤を用いて、前記第二素材成形工程にて成形された前記第二素材球体の研磨加工を行う、請求項12の球体研磨方法。
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