JP6888753B2 - 研磨装置、及び、研磨パッドのドレッシング方法 - Google Patents

研磨装置、及び、研磨パッドのドレッシング方法 Download PDF

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本発明は、例えば角型基板等のワークを研磨する研磨装置における研磨パッドのドレッシング技術に関するものである。
フォトマスク基板等の角型基板を遊星歯車方式の両面研磨装置を用いて研磨する場合、回転する角型基板の四隅部分の相対速度が最も速くなるため、この四隅部分が過剰に研磨されてしまい、基板全体の厚みを均一化することができないという問題がある。
そこで、例えば特許文献1には、上記の問題を解決するための角型基板用両面研磨装置が記載されている。
図11は、特許文献1に記載された角型基板用両面研磨装置の正面図であり、図12は、同じく平面図である。
これらの図において、101は上定盤、101aは研磨剤供給孔、102は下定盤、103,104は研磨パッド、105はキャリア、106は角型基板、107はサンギア、108はインターナルギアを示す。
この従来技術では、図12に示すように、角型基板106の四隅部分106aではキャリア105との間の隙間を小さくし、四隅部分106a以外の周辺部では隙間105aを大きくしている。
上記構造によれば、四隅部分106aでは研磨パッド103,104からの反力が小さくなると共に研磨剤の供給量も相対的に少なくなり、研磨が抑制されるのに対し、四隅部分106a以外の周辺部では、上記と逆の傾向になって研磨が促進される。
これにより、四隅部分106aの過剰研磨を防ぎ、基板全体にわたってほぼ均一の厚さに研磨することを目指している。
一方、上述したような基板の部分的な過剰研磨は、角型基板だけでなく円形基板においても生じ得る。そこで、特許文献2には、円形基板を均一の厚さに研磨するための片面研磨装置が開示されている。
図13は、特許文献2に記載された片面研磨装置の正面図である。この図13において、110は定盤、111は研磨パッド、111aはその中央部、111bは側壁部、112は研磨ヘッド、113は円形基板(ウェハ)、114は研磨剤供給用のノズルである。
円形基板113に当接する研磨パッド111の部分は断面凸形状となるように加工されており、円形基板113の中心部に近いほど研磨パッド111との接触面積が広くなるように考慮されている。
この片面研磨装置の背景として、従来では、円形基板113の中心部と周辺部との速度の相違や研磨パッドの材質等に起因して、長期の使用に伴って研磨パッドの厚さが不均一になり、結果的に円形基板113の均一な研磨が困難になるという問題があった。
そこで、特許文献2では、図13の研磨パッド111のように、円形基板113の中心部付近に対向する部分の摩耗状態を予測して膨らみを持たせた断面凸形状とすることにより、円形基板113の均一な研磨を可能としている。
なお、研磨パッド111を上記のような断面凸形状とするために、特許文献2には、図14に示すようなドレッシング装置が開示されている。図14において、115はモータ、116は送りねじ、117は送りねじ116に沿って移動するナット、118はカムフォロワ、119は研磨パッド111の表面に接触するドレス用工具、120は研磨パッド111の断面凸形状に対応した曲面を有するテンプレートである。
特開2007−301650号公報(段落[0033]〜[0035]、図2,図3等) 特開2001−47356号公報(段落[0014]〜[0020]、図1,図2等)
図11,図12に記載された両面研磨装置では、上定盤101及び研磨パッド103による角型基板106への押圧力を余り大きくすることができず、四隅部分106aの過剰研磨を抑制する効果を十分に得ることができない。
また、キャリア105の形状に制約があって任意に変更できないため、研磨パッドの材質や研磨パッドと角型基板との厚みの差、研磨剤の供給状態等の変化に対して柔軟に対応するのが困難であり、角型基板106を均一かつ高精度に平坦化することが難しい。
更に、図13に記載された片面研磨装置において、研磨パッド111の断面凸形状の高さは数ミクロン〜数十ミクロン、大口径の定盤でも数百ミクロン程度であり、図14のドレッシング装置と定盤面との平行度を確保したうえでドレス用工具119を微小量昇降させる必要がある。従って、ドレッシング装置としては、剛性が十分に高く精密に制御可能であることが求められ、大掛かりかつ高価な装置となってしまう。
また、研磨パッド111の表面にドレス用工具119を接触させながら高精度にドレッシングするので、作業時間が長期化し、特に定盤面積が大きくなるとドレス用工具119の消耗が激しくなって頻繁に交換しなくてはならない。従って、ドレッシング効率が低いという問題がある。
そこで、本発明の解決課題は、既存のドレス用工具を使用して研磨パッドを高精度にドレッシングするドレッシング方法、及び、角型基板等の部分的な過剰研磨を防止して均一な厚さの研磨を可能にした研磨装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した研磨装置は、定盤の表面に取り付けた研磨パッドを平板状のワークの表面に圧接し、前記定盤と前記ワークとを相対的に回転させて前記研磨パッドにより前記ワークの表面を研磨する研磨装置において、
前記定盤を鉛直軸に対して傾動させる傾動機構を備え、
前記傾動機構により前記定盤を傾動させた状態で、前記ワークの代わりに配置されて前記研磨パッドに接触するドレス用工具と前記定盤とを相対的に回転させ、前記ドレス用工具によって前記研磨パッドの外周部付近及び内周部付近に作用する面圧を他の部分よりも大きくし、前記外周部付近及び内周部付近の厚さが他の部分よりも薄くなるように前記研磨パッドをドレッシングするものである。
請求項2に記載した研磨装置は、請求項1に記載した研磨装置において、前記ワークの上面に対向して配置された前記定盤としての回転可能な上定盤と、前記ワークの下面に対向して配置され、かつ、前記ワークの下面に圧接される研磨パッドが表面に取り付けられた回転可能な下定盤と、を有し、
前記上定盤の研磨パッドと前記下定盤の研磨パッドとにより前記ワークの表裏面を研磨する両面研磨装置として構成されるものである。
請求項3に記載した研磨装置は、請求項2に記載した研磨装置において、前記傾動機構により前記上定盤を傾動させた状態で、前記ワークの代わりに配置されたドレス用工具と前記上定盤及び前記下定盤とを相対的に回転させ、
前記ドレス用工具によって前記上定盤の研磨パッド及び前記下定盤の研磨パッドのそれぞれの外周部付近及び内周部付近に作用する面圧を他の部分よりも大きくし、各研磨パッドの外周部付近及び内周部付近の厚さが他の部分よりもそれぞれ薄くなるように各研磨パッドをドレッシングするものである。
請求項4に記載した研磨装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載した研磨装置が、遊星歯車運動により前記ワークが自転及び公転する研磨装置であり、前記研磨パッドのドレッシング時には、前記ドレス用工具が自転のみを行うものである。
請求項5に記載した研磨パッドのドレッシング方法は、研磨装置の定盤の表面に取り付けた研磨パッドを平板状のワークの表面に圧接し、前記定盤と前記ワークとを相対的に回転させて前記ワークの表面を研磨するために使用される前記研磨パッドのドレッシング方法において、
前記定盤を鉛直軸に対して傾動させた状態で、前記ワークの代わりに配置されて前記研磨パッドに接触するドレス用工具と前記定盤とを相対的に回転させ、前記ドレス用工具によって前記研磨パッドの外周部付近及び内周部付近に作用する面圧を他の部分よりも大きくし、前記外周部付近及び内周部付近の厚さが他の部分よりも薄くなるように前記研磨パッドをドレッシングするものである。
請求項6に記載した研磨パッドのドレッシング方法は、両面研磨装置の上定盤及び下定盤の表面にそれぞれ取り付けた研磨パッドを平板状のワークの表裏面に圧接し、前記上定盤及び下定盤と前記ワークとを相対的に回転させて前記ワークの表裏面を研磨するために使用される前記研磨パッドのドレッシング方法において、
前記上定盤を鉛直軸に対して傾動させた状態で、前記ワークの代わりに配置されて前記研磨パッドに接触するドレス用工具と前記上定盤及び下定盤とを相対的に回転させ、前記ドレス用工具によって各研磨パッドの外周部付近及び内周部付近に作用する面圧を他の部分よりも大きくし、各研磨パッドの前記外周部付近及び内周部付近の厚さが他の部分よりもそれぞれ薄くなるように各研磨パッドをドレッシングするものである。
本発明によれば、研磨装置に定盤を傾動させる機構を設け、研磨対象であるワークとそのキャリアの代わりにドレス用工具及びドレス用キャリアをセットして研磨装置を駆動することにより、研磨パッドが断面凸形状となるようにドレッシングすることができる。
こうしてドレッシングした研磨パッドを使用すれば、角型基板等のワークの部分的な過剰研磨を防止することができ、特許文献1に比べて、一層高精度にワークの厚さを均一化することができる。
また、特許文献2のように専用かつ大掛かりなドレッシング装置を用いる必要がなく、研磨装置の主要部を利用して研磨パッドのドレッシングを行うので、コストの低減も可能である。
本発明の第1実施形態に係る両面研磨装置の正面図である。 第1実施形態において、研磨パッドの外周部付近をドレッシングする状態の説明図である。 第1実施形態において、研磨パッドの内周部付近をドレッシングする状態の説明図である。 第1実施形態において、研磨パッドを全体的になだらかな断面凸形状にドレッシングする場合の説明図である。 第1実施形態において、研磨パッドの内外周部付近のみを傾斜させた断面形状にドレッシングする場合の説明図である。 第1実施形態において、ドレッシング後の研磨パッドを用いてワークを研磨する場合の主要部の正面図である。 第1実施形態において、1枚または複数枚のワークを同時に研磨する場合の平面図である。 第1実施形態に係る両面研磨装置の正面図である。 第2実施形態に係る両面研磨装置の正面図である。 研磨パッドの従来のドレッシング方法を例示した平面図である。 特許文献1に記載された両面研磨装置の正面図である。 特許文献1に記載された両面研磨装置の平面図である。 特許文献2に記載された片面研磨装置の正面図である。 特許文献2に記載されたドレッシング装置の側面図である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る両面研磨装置の側面図である。以下の説明では、研磨パッドのドレッシング機能を中心に説明するが、この両面研磨装置は、ドレス用キャリア及びドレス用工具に代えてワーク用キャリア及びワークをセットすることにより、ワークの両面研磨が可能である。
図1において、研磨装置基台1の内部には、駆動装置支持ブロック2が配置されている。駆動装置支持ブロック2の底部には、それぞれモータを備えた下定盤駆動装置3、サンギア駆動装置8及びインターナルギア駆動装置14が取り付けられている。
下定盤駆動装置3の出力軸には、駆動ギア4,5及び下定盤駆動軸18を介して下定盤受台6が連結され、下定盤受台6の上面には中空円盤状の下定盤7が取り付けられている。図示されていないが、下定盤7の上面には、弾力性を有するリング状の研磨パッドが貼付されている。
サンギア駆動装置8の出力軸には、駆動ギア9,10、サンギア駆動軸11及び台座12を介してサンギア13が連結されている。
また、インターナルギア駆動装置14の出力軸には、駆動ギア15及びインターナルギア保持部16を介してインターナルギア17が連結されている。このインターナルギア17は、下定盤7を包囲するようにリング状に形成されている。
なお、下定盤7の上面の一部にはリング状のドレス用キャリア41が1個配置されており、このドレス用キャリア41は、その外周部がサンギア13とインターナルギア17とに噛み合っている。
ドレス用キャリア41の内部には、リング状のドレス用工具40が配置されている。このドレス用工具40は、例えば中空円盤状基板の表裏面に小円盤状のダイアモンドペレットを多数配置したものや、円盤状基板の表裏面に研削砥石を配置したもの等を用いることができ、何れにしても、ドレス用工具40の表裏面にそれぞれ圧接される上定盤及び下定盤の研磨パッドを同時にドレッシングできるように研削材が露出したものであれば良い。
一方、上定盤支持ブロック21の内部には、上定盤昇降装置22と、モータを備えた上定盤駆動装置23とが配置され、上定盤駆動装置23の出力軸には、駆動ギアを介して上定盤駆動軸24及び上定盤吊板28が連結されている。なお、25は上定盤駆動部支持ブロックである。
上定盤吊板28の下面には、上定盤連結ロッド29を介して、中空円盤状の上定盤30が連結されている。図示されていないが、この上定盤30の下面にも、適宜な材質のリング状の研磨パッドが取り付けられている。
上定盤支持ブロック21の底部側方には、上定盤傾動機構26が配置されている。
上定盤傾動機構26は、楔駆動装置26aと、この楔駆動装置26aにより水平方向に駆動される楔26bと、楔26bを案内する楔ガイド板26cと、上定盤支持ブロック21の片側の下端部に固定されて楔26bの斜面に対し当接可能な楔受け部26dと、によって構成されている。
また、楔受け部26dの反対側の上定盤支持ブロック21の下端部付近は、上定盤傾動機構26の動作時に傾動する上定盤支持ブロック21を支持するための上定盤支持支点27となっている。
なお、Lは、上定盤駆動軸24を鉛直にして上定盤30と下定盤7とを平行に配置した時の上定盤固定基準レベルを示す。
この両面研磨装置は、上定盤30及び下定盤7が個別に回転可能であると共に、周知のようにサンギア13及びインターナルギア17の回転によって後述のワーク用キャリアを自転及び公転させる遊星歯車方式の研磨装置を構成している。
なお、後述するが、研磨パッドのドレッシングは、上定盤30と下定盤7とを反対方向に回転させ、かつ、サンギア13とインターナルギア17とを反対方向に回転させてドレス用キャリア41(ドレス用工具40)を自転させた状態で行う。
前述した上定盤傾動機構26において、楔駆動装置26aによって楔26bを水平方向に移動させることにより、楔26bの斜面が楔受け部26dの下方に入り込む量が変化し、上定盤支持支点27に対して、上定盤支持ブロック21の楔受け部26d側の下端部が持ち上げられる距離が変化する。
このため、下定盤7に対して上定盤30を(言い換えれば、鉛直軸に対して上定盤30を)任意の角度だけ傾動させることが可能であり、上定盤30を下降させてドレス用工具40を介して下定盤7に圧接した場合に、ドレス用工具40から、上定盤30及び下定盤7の各研磨パッドの外周部付近または内周部付近に作用する面圧を所望の大きさに調整することができる。
次に、図2は、この実施形態において、研磨パッドの外周部付近をドレッシングする状態の説明図である。図2(a)において、30a,7aは、それぞれ上定盤30,下定盤7の研磨パッドを示している。
図2(b)に示すように、上定盤傾動機構26の楔26bの斜面を楔受け部26dに接触させながら上定盤支持ブロック21側に深く移動させると、上定盤支持ブロック21は装置正面から見て右回りに傾動し、研磨パッド30a,7aの外周部付近にドレス用工具40が圧接されるように上定盤30が傾動する。これにより、図2(a)における研磨パッド30a,7aの外周部付近(D部)が強くドレッシングされる。
図3は、この実施形態において、研磨パッドの内周部付近をドレッシングする状態の説明図である。
図3(b)に示すように、上定盤傾動機構26の楔26bを楔受け部26dに対して浅く(図2(b)とは逆方向に)移動させると、上定盤支持ブロック21は装置正面から見て左回りに傾動し、研磨パッド30a,7aの内周部付近にドレス用工具40が圧接されるように上定盤30が傾動する。これにより、図3(a)における研磨パッド30a,7aの内周部付近(D部)が強くドレッシングされることとなる。
図4は、この実施形態において、研磨パッドを全体的になだらかな断面凸形状にドレッシングする場合の説明図である。
ドレッシングの際には、まず、図4(a),(b1)に示すように、上定盤30を僅かに右回りに傾動させた状態で下降させ、上定盤30と下定盤7とによってドレス用工具40を挟み込む。この状態で上定盤30及び下定盤7を互いに反対方向に回転させると共に、ドレス用工具40を自転させる。
これにより、図4(b2)に示すごとく、上定盤30の研磨パッド30a及び下定盤7の研磨パッド7aは外周部付近がなだらかにドレッシングされる。なお、図4(b2)において、7bは下定盤7の研磨パッド7aの面圧分布を示している。
次に、上定盤30を上昇させ、図4(c1)に示すように上定盤30を僅かに左回りに傾動させた状態で下降させ、上定盤30と下定盤7とによってドレス用工具40を挟み込む。この状態で上定盤30及び下定盤7を互いに反対方向に回転させると共に、ドレス用工具40を自転させる。
これにより、上定盤30の研磨パッド30a及び下定盤7の研磨パッド7aは内周部付近がなだらかにドレッシングされるため、図4(c2)に示すごとく、研磨パッド30a,7aの断面形状は全体的になだらかな凸状となる。なお、図4(c2)において、7bは下定盤7の研磨パッド7aの面圧分布である。
また、図5は、研磨パッドの内外周部付近のみを傾斜させた断面形状にドレッシングする場合の説明図である。
この場合には、まず、図5(a),(b1)に示すように、上定盤30をある程度大きく右回りに傾動させた状態で下降させ、上定盤30と下定盤7とによってドレス用工具40を挟み込む。この状態で上定盤30及び下定盤7を互いに反対方向に回転させ、ドレス用工具40を自転させる。
これにより、図5(b2)に示すごとく、上定盤30の研磨パッド30a及び下定盤7の研磨パッド7aは外周部付近が傾斜状となるようにドレッシングされる。なお、図5(b2)において、7cは下定盤7の研磨パッド7aの面圧分布である。
次に、上定盤30を上昇させ、図5(c1)に示すように上定盤30を左回りに傾動させた状態で下降させ、上定盤30と下定盤7とによってドレス用工具40を挟み込む。この状態で上定盤30及び下定盤7を互いに反対方向に回転させ、ドレス用キャリア41を自転させる。
これにより、上定盤30の研磨パッド30a及び下定盤7の研磨パッド7aは内周部付近が傾斜状にドレッシングされるため、図5(c2)に示すごとく、研磨パッド30a,7aの断面形状は、内外周部付近のみが傾斜した凸状となる。なお、図5(c2)において、7cは下定盤7の研磨パッド7aの面圧分布である。
上記のように、上定盤傾動機構26を用いて上定盤30の傾動角度(傾動量)及び傾動方向(装置正面から見て右回りまたは左回り)を適宜調節すれば、ドレッシングによる研磨パッド30a,7aの断面凸形状を任意に設定することができる。
つまり、図4及び図5に例示したドレッシング方法に共通するのは、互いに平行に配置された上定盤30と下定盤7とによりドレス用工具40を表裏から圧接して研磨パッド30a,7aの全面に均一な面圧を与える状態を正規の負荷状態とした場合、研磨パッド30a,7aの外周部付近のドレス用工具40の一端部に与える負荷を大きくする工程と、研磨パッド30a,7aの内周部付近のドレス用工具40の他端部に与える負荷を大きくする工程とを前後して行うことにある。
なお、図4及び図5では、「研磨パッド30a,7aの外周部付近の負荷を大」→「研磨パッド30a,7aの内周部付近の負荷を大」という順序でドレッシングしているが、この順序は逆であっても良い。
また、図4,図5では、理解を容易にするために上定盤30の傾動角度を誇張してあるが、実際には、弾性体の研磨パッド30a,7aを上定盤30、下定盤7によりドレス用工具40を介して挟み込み、研磨パッド30a,7aに作用する面圧の分布を微調整してドレッシングするため、上定盤30の傾動量は微小量(数mm以下)である。
更に、下定盤7の研磨パッド7aには、上定盤30からの加圧負荷に対する反力が発生すると同時に、ドレス用工具40の自重による負荷が全体的に作用することになるが、研磨パッド7aの面圧分布の傾向は上定盤30の研磨パッド30aとほぼ同様であり、ドレッシング後の研磨パッド30a,7aの断面形状は対称になると考えて良い。
ちなみに、図10(a),(b)は、従来のドレッシング装置の一例を示した平面図であり、30bは上定盤の研磨パッド、7bは下定盤の研磨パッド、13A,13Bはサンギア、17A,17Bはインターナルギア、40A,40Bはドレス用工具、41A,41Bはドレス用キャリアである。
このドレッシング装置では、複数のドレス用工具40Aまたは40Bを円周方向に沿って均等に配置し、上定盤及び下定盤により均一に面圧を加えて研磨パッド30b,7bをドレッシングしているが、これによると、本実施形態のように、研磨パッドを所望の断面凸形状に加工することは不可能である。
なお、図6は、ドレッシング後の研磨パッド30a,7aを用いて角型基板等のワークを研磨する場合の主要部の正面図である。
図6において、Wはワーク、Cはワーク用キャリアであり、上定盤30及び下定盤7の各研磨パッドは図示を省略してある。これらの研磨パッドは、例えば、前述した図4(c2)や図5(c2)に示したように、ワークW側に凸状となった断面形状を有しており、図6に示す如く、互いに平行に配置された上定盤30と下定盤7とによりワークWを挟み込んだ状態で研磨加工が行われる。
従来技術について説明したように、角型基板等のワークWでは四隅部分の相対速度が最も速くなるため、この四隅部分が過剰に研磨される結果、ワーク全体を均一に研磨することができない。
一方、本発明の実施形態では、研磨パッド30a,7aがワークW側に凸状となった断面形状を有するので、ワークWの四隅部分に対する研磨作用がその他の部分に比べて相対的に抑制され、ワークWの全体にわたって厚みを均一にするように研磨することができる。
図7は、1つのワーク用キャリアにセットした1枚のワークを研磨する場合(図7(a))、及び、複数枚のワークを同時に研磨する場合(図7(b),(c),(d))の平面図である。
これらの図において、W〜Wは角型基板であるワーク、C〜Cはワーク用キャリアを示す。
ここで、研磨パッド30a,7aはドレッシングによって断面凸形状に加工されているので、ワークW〜Wの四隅部分が過剰研磨されるおそれはなく、全体的にほぼ均一な厚さに研磨することができる。
なお、ドレッシングのために上定盤30を傾動させる機構は、前述した上定盤傾動機構26のみに限定されるものではない。
ここで、図8は、第1実施形態に係る両面研磨装置であって、前述の上定盤傾動機構26(その主要部として楔26b及び楔ガイド板26cのみを図示する)を備えており、図7(a)に示す1枚のワークを研磨する場合の形態である。
ワークが1枚の場合は上定盤を下降させて下定盤と相互に挟持する時に、上下定盤を正確に平行状態に微調整する必要があり、本実施形態により上定盤の姿勢を精密に調整して保持し、この状態で研磨を行う。なお、この場合はワークは自転のみとする。
これに対し、図9は、第2実施形態に係る両面研磨装置を示していて、上定盤駆動軸24の直下に配置された球面部31a及びこれを包囲する軸受部31bからなる球面軸受構造の上定盤傾動機構31を備えており、図7(b),(c),(d)に示す複数枚のワークを同時に研磨する場合の形態である。
図9には図示しないが、本発明の図8の形態の上定盤傾動機構26が併設されており、ドレッシング時は予め球面軸受部(球面部31a及び軸受部31b)を固定状態としておき、図8の形態にて所望のドレッシングを行った後、球面軸受部の固定を解除して傾動自由な状態(回転方向は拘束状態)として円周上に配置されている各ワーク面に上定盤が倣う状態として研磨を行う。この場合は、各ワークは自転及び公転とする。
なお、複数枚のワークを同時に研磨した方が一般的に生産性は向上するが、研磨前の各ワークの厚みにばらつきがある場合は厚みが揃うまでに時間を要するので、ケースバイケースで研磨時の実施形態を選択することになる。
この上定盤傾動機構31によれば、第1実施形態の上定盤傾動機構26に比べて上定盤30の傾動(回動)の自由度が更に大きくなり、研磨パッドの断面凸形状を一層高精度に調整することができる。
また、本発明は、上定盤30の外周側または内周側に作用する負荷(面圧)の大きさを調整して研磨パッド30a,7aの所望の断面凸形状を得るものであり、上記の負荷を調節するための機構や装置は、上定盤傾動機構26,31に何ら限定されるものではない。
以上、研磨パッドのドレッシング機能を備えた両面研磨装置の実施形態について説明した。本発明は、両面研磨装置におけるワーク用キャリア及びワークをドレス用キャリア及びドレス用工具に置き換えることで、研磨パッドのドレッシング装置としても使用することができる。
上述した各実施形態は、本発明を両面研磨装置に適用した場合のものであるが、本発明は、単一の定盤に研磨パッドを貼付してワークの片面のみを研磨する片面研磨装置、及び、その片面研磨装置の研磨パッドをドレッシングするドレッシング方法としても利用することができる。
1:研磨装置基台
2:駆動装置支持ブロック
3:下定盤駆動装置
4,5,9,10,15:駆動ギア
6:下定盤受台
7:下定盤(研磨パッドを含む)
7a:研磨パッド(下定盤用)
7b,7b,7c,7c:圧力分布
8:サンギア駆動装置
11:サンギア駆動軸
12:台座
13:サンギア
14:インターナルギア駆動装置
16:インターナルギア保持部
17:インターナルギア
18:下定盤駆動軸
21:上定盤支持ブロック
22:上定盤昇降装置
23:上定盤駆動装置
24:上定盤駆動軸
25:上定盤駆動部支持ブロック
26:上定盤傾動機構
26a:楔駆動装置
26b:楔
26c:楔ガイド板
26d:楔受け部
27:上定盤支持支点
28:上定盤吊板
29:上定盤連結ロッド
30:上定盤(研磨パッドを含む)
30a:研磨パッド(上定盤用)
31:上定盤傾動機構
31a:球面部
31b:軸受部
40:ドレス用工具
41:ドレス用キャリア
:上定盤固定基準レベル
C,C〜C:ワーク用キャリア
W,W〜W:ワーク(角型基板)

Claims (6)

  1. 定盤の表面に取り付けた研磨パッドを平板状のワークの表面に圧接し、前記定盤と前記ワークとを相対的に回転させて前記研磨パッドにより前記ワークの表面を研磨する研磨装置において、
    前記定盤を鉛直軸に対して傾動させる傾動機構を備え、
    前記傾動機構により前記定盤を傾動させた状態で、前記ワークの代わりに配置されて前記研磨パッドに接触するドレス用工具と前記定盤とを相対的に回転させ、前記ドレス用工具によって前記研磨パッドの外周部付近及び内周部付近に作用する面圧を他の部分よりも大きくし、前記外周部付近及び内周部付近の厚さが他の部分よりも薄くなるように前記研磨パッドをドレッシングすることを特徴とする研磨装置。
  2. 請求項1に記載した研磨装置において、
    前記ワークの上面に対向して配置された前記定盤としての回転可能な上定盤と、
    前記ワークの下面に対向して配置され、かつ、前記ワークの下面に圧接される研磨パッドが表面に取り付けられた回転可能な下定盤と、
    を有し、
    前記上定盤の研磨パッドと前記下定盤の研磨パッドとにより前記ワークの表裏面を研磨する両面研磨装置として構成されていることを特徴とする研磨装置。
  3. 請求項2に記載した研磨装置において、
    前記傾動機構により前記上定盤を傾動させた状態で、前記ワークの代わりに配置されたドレス用工具と前記上定盤及び前記下定盤とを相対的に回転させ、
    前記ドレス用工具によって前記上定盤の研磨パッド及び前記下定盤の研磨パッドのそれぞれの外周部付近及び内周部付近に作用する面圧を他の部分よりも大きくし、各研磨パッドの外周部付近及び内周部付近の厚さが他の部分よりもそれぞれ薄くなるように各研磨パッドをドレッシングすることを特徴とする研磨装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した研磨装置が、遊星歯車運動により前記ワークが自転及び公転する研磨装置であり、前記研磨パッドのドレッシング時には、前記ドレス用工具が自転のみを行うことを特徴とする研磨装置。
  5. 研磨装置の定盤の表面に取り付けた研磨パッドを平板状のワークの表面に圧接し、前記定盤と前記ワークとを相対的に回転させて前記ワークの表面を研磨するために使用される前記研磨パッドのドレッシング方法において、
    前記定盤を鉛直軸に対して傾動させた状態で、前記ワークの代わりに配置されて前記研磨パッドに接触するドレス用工具と前記定盤とを相対的に回転させ、前記ドレス用工具によって前記研磨パッドの外周部付近及び内周部付近に作用する面圧を他の部分よりも大きくし、前記外周部付近及び内周部付近の厚さが他の部分よりも薄くなるように前記研磨パッドをドレッシングすることを特徴とする研磨パッドのドレッシング方法。
  6. 両面研磨装置の上定盤及び下定盤の表面にそれぞれ取り付けた研磨パッドを平板状のワークの表裏面に圧接し、前記上定盤及び下定盤と前記ワークとを相対的に回転させて前記ワークの表裏面を研磨するために使用される前記研磨パッドのドレッシング方法において、
    前記上定盤を鉛直軸に対して傾動させた状態で、前記ワークの代わりに配置されて前記研磨パッドに接触するドレス用工具と前記上定盤及び下定盤とを相対的に回転させ、前記ドレス用工具によって各研磨パッドの外周部付近及び内周部付近に作用する面圧を他の部分よりも大きくし、各研磨パッドの前記外周部付近及び内周部付近の厚さが他の部分よりもそれぞれ薄くなるように各研磨パッドをドレッシングすることを特徴とする研磨パッドのドレッシング方法。
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