JP2016024430A - 正帯電用トナー、液体現像剤、現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)
(式(1)中、x,yはそれぞれ独立して1以上の整数を示す。式(1)におけるアミノ基は酸との塩構造を有していてもよい。)
本発明の実施形態に係る正帯電用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある。)は、少なくとも結着樹脂を含み、表面がポリビニルアミン類で表面改質されているトナー粒子を含有する。トナー粒子は、必要に応じて、着色剤、離型剤等のその他成分を含んでもよい。
ポリビニルアミン類は、構成単量体として少なくともビニルアミンを含む重合体である。ポリビニルアミン類は、例えば、N−ビニルホルムアミドを重合した後、N−ビニルホルムアミド重合体にアンモニアや1級アミンまたは2級アミン等を添加し、次いでアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物等を用いて塩基性加水分解させることで得られる。
(1)
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体やスチレン−メタクリル酸アルキル共重合体等のスチレン−アクリル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。これらのうち、定着性等の点から、ポリエステル樹脂およびスチレン−アクリル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。結着樹脂は、上記樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上の樹脂を混合して用いてもよい。
酸由来構成成分は、特に制限はなく、脂肪族ジカルボン酸、芳香族カルボン酸が好ましく用いられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、これらに限定されない。また芳香族カルボン酸としては例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類の低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。また、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類等が挙げられる。さらに良好な定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。また、前述のアルケニルコハク酸類の具体的なものとしては、ドデセニルコハク酸、ドデシルコハク酸、ステアリルコハク酸、オクチルコハク酸、オクセニルコハク酸等が挙げられる。
アルコール由来構成成分としては特に制限はないが、脂肪族ジオールとして、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられる。また、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどや、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が用いられる。また、良好な定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
本実施形態に係るトナー粒子は、着色剤、その他必要に応じて、離型剤、帯電制御剤、シリカ粉末、金属酸化物等の他の添加剤を含有してもよい。これら添加剤は、結着樹脂に混練するなどして内添してもよいし、粒子としてトナー粒子を得たのち混合処理を施すなどして外添してもよい。
本実施形態で用いるトナー粒子を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、混練粉砕法や、液中乳化法、重合法等の湿式製法が挙げられる。
本実施形態に係る表面改質トナー粒子は、例えば、トナー粒子をポリビニルアミン類により表面改質してトナー粒子表面を覆うポリビニルアミン類の層を形成する工程を含む方法等により作製される。ポリビニルアミン類は水溶性高分子であるので、液中で造粒する湿式製法では乾燥工程前の水洗浄後等にそのままポリビニルアミン類をトナー粒子表面に吸着すればよい。具体的な処理方法は、洗浄後のトナー粒子のスラリーを例えばpH2〜5に調整してトナー粒子表面を酸性状態にした後、過剰な酸をイオン交換水等で洗浄して取り除き、このスラリーにポリビニルアミン類を添加して酸塩基反応でトナー粒子表面にポリビニルアミン類を化学的に吸着させる。この後、イオン交換水等で洗浄して未反応のポリビニルアミン類を取り除けばよい。
(1)トナー粒子、水を含むスラリーに酸(1N程度の塩酸または硝酸)を添加してpH2〜5程度に調整してトナー粒子表面の酸サイトをできる限り酸に戻す
(2)イオン交換水等による洗浄、または遠心分離等により固液分離を行い、余分な酸を除去する
(3)リスラリーした後、水溶性のポリビニルアミン類を添加し、例えば液温20℃以上35℃以下の範囲で30分以上60分以下程度撹拌する
(4)イオン交換水等による洗浄、または遠心分離等により固液分離を行い、余分なポリビニルアミン類を除去する(例えば、導電率20μS/cm以下程度となるまで)
(5)ろ過した後、乾燥(例えば、35℃程度、最低24時間程度、水分率1%以下)し、解砕する
本実施形態に係る正帯電用トナーの体積平均粒径としては、3μm以上8μm以下の範囲が好ましく、3μm以上7μm以下の範囲がより好ましく、また、個数平均粒径としては、2μm以上7μm以下の範囲が好ましく、2μm以上6μm以下の範囲がより好ましい。
本実施形態において、乾式の現像剤は、前記本実施形態に係る正帯電用トナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとればよい。本実施形態における現像剤は、正帯電用トナーを、単独で用いると一成分系の現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の現像剤となる。
本実施形態において、液体現像剤は、前記本実施形態に係る正帯電用トナーと、キャリア液とを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとればよい。
キャリア液は、トナー粒子を分散させるための絶縁性の液体であり、特に制限はないが、例えば、パラフィンオイル等の脂肪族炭化水素を主成分とする脂肪族系炭化水素溶媒(市販品では、松村石油社製モレスコホワイトMT−30P、モレスコホワイトP40、モレスコホワイトP70、エクソン化学社製アイソパーL、アイソパーM等)、ナフテン系オイル等の炭化水素系溶媒(市販品では、エクソン化学社製エクソールD80、エクソールD110、エクソールD130、日本石油化学社製ナフテゾールL、ナフテゾールM、ナフテゾールH、Newナフテゾール160、Newナフテゾール200、Newナフテゾール220、NewナフテゾールMS−20P等)が挙げられ、それらの中に、トルエン等の芳香族化合物等を含有させてもよい。また、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン等のシリコーンオイル(シリコーン系溶剤)が挙げられる。これらのうち、画像強度確保等の観点から、シリコーンオイルが好ましい。
本実施形態に係る液体現像剤は、上記トナー粒子とキャリア液とを、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル等の分散機を用いて混合し、粉砕して、トナー粒子をキャリア液中に分散することにより得られる。なお、トナー粒子のキャリア液中への分散は分散機に限られず、ミキサのごとく、特殊な撹拌羽根を高速で回転させ分散してもよいし、ホモジナイザとして知られるロータ・ステータの剪断力で分散してもよいし、超音波によって分散してもよい。
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、像保持体(以下、「感光体」という場合がある)と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、像保持体の表面に潜像(静電潜像)を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面に形成された潜像を、上記本実施形態に係る液体現像剤または現像剤により現像して、トナー像を形成する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着手段と、を備える。
(トナー粒子の調製)
本実施例のトナーは、以下の方法により得られる。すなわち、下記の樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液をそれぞれ調製した。次いで、これらを所定量混合撹拌しながら、これに無機金属塩の重合体を添加し、イオン的に中和させ、上記各粒子の凝集体を形成させて、所望のトナー粒子径を得た。次いで、無機水酸化物で系内のpHを弱酸性から中性の範囲に調整後、当該樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱し、合一融合させた。反応終了後、十分な洗浄、固液分離、乾燥の工程を経て所望のトナー粒子を得た。
フラスコに、セバシン酸1982質量部、エチレングリコール1490質量部、イソフタル酸ジメチル5−スルホン酸ナトリウム59.2質量部、およびジブチルスズオキシド0.8質量部を、窒素雰囲気下、180℃で5時間反応させ、続いて、減圧下220℃で縮合反応を行った。途中ポリマをサンプリングし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)にて分子量がMw(重量平均分子量)=20000、Mn(数平均分子量)=8500になったところで、反応を止め、結晶性ポリエステル樹脂を得た。溶解温度(DSCのピーク温度)は71℃であった。NMRによるイソフタル酸ジメチル5−スルホン酸ナトリウムの含有量の測定結果は1モル%(対全構成成分)であった。
結晶性ポリエステル樹脂160質量部と、酢酸エチル233質量部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.1質量部とを用意し、これらをセパラブルフラスコに入れ、75℃で加熱し、スリーワンモータ(新東科学株式会社製)により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373質量部を加え、転相乳化させ、10℃/分の降温速度にて40℃まで降温し、脱溶剤することにより結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(固形分濃度:30質量%)を得た。
加熱乾燥した二口フラスコに、テレフタル酸ジメチル200質量部と、1,3−ブタンジオール85質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3質量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気とし、機械撹拌にて180rpmで5時間撹拌を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、非結晶性ポリエステル樹脂(芳香族ジカルボン酸由来構成成分の含有量が100構成モル%である酸由来構成成分と、脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が100構成モル%であるアルコール由来構成成分と、を含む非結晶性ポリエステル樹脂)240質量部を合成した。
非結晶性ポリエステル樹脂(1)160質量部と、酢酸エチル233質量部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.1質量部とを用意し、これらをセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモータ(新東科学株式会社)により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373質量部を加え、転相乳化させ、1℃/分の降温速度にて40℃まで降温し脱溶剤することにより非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(固形分濃度:30質量%)を得た。
シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化製) 45質量部
イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬製) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散
し、体積平均粒径170nmの着色剤分散液を得た。
アルキルワックスFNP0085(溶解温度86℃、日本精蝋社製) 45質量部
カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬製) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を90℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザで分散処理し、体積平均粒径200nm、固形分量24.3質量%の離型剤分散液を得た。
結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液 15質量部
非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液 80質量部
着色剤分散液(Y,M,C,Kそれぞれについて) 18質量部
離型剤分散液 18質量部
以上の成分に固形分量16質量%となるようイオン交換水を添加し、丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合、分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.36質量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら47℃まで加熱した。47℃で60分保持した後、ここに非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を緩やかに46質量部追加した。その後、0.55モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、3.5時間保持した。この時の粒子径を測定したところ体積平均粒径は2.3μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.24、数平均粒度分布指標GSDpは1.30であった。上記処理終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これをさらに40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで撹拌、洗浄した。これをさらに5回繰り返し、濾液の電気伝導度が9.7μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo4Aろ紙を用いて固液分離を行った。
得られたトナー粒子100質量部をイオン交換水900質量部に加えスラリー(固形分濃度10質量%)を調製した。そのスラリーに1N塩酸を添加してpH4に調整して、10分間撹拌した後、遠心分離により固液分離を行って上澄み液を捨て、余分な酸を除去した。その後、イオン交換水900質量部を添加してリスラリー化を行い、このスラリーにポリビニルアミンPVAM−0595B(三菱レイヨン社製、三菱レイヨン社製、重量平均分子量100000、pH12の水溶液)の10質量%水溶液10質量部を添加し、60分撹拌した。この後、遠心分離により固液分離を行い、上澄み液を捨て、余分なポリビニルアミンを除去した。洗浄液の導電率が20μS/cm以下となるまで、イオン交換水添加、10分の撹拌、遠心分離を繰り返した。ろ紙(アドバンテック社製、No4A)を用いてろ過し、イオン交換水で洗浄した後、35℃で24時間乾燥し、解砕して、表面改質トナー粒子を得た。
上記で得られた表面改質トナー粒子100質量部を、シリコーンオイル(信越化学工業社製、ジメチルシリコーン、20cs)233質量部と混合し、固形分濃度30質量%の液体現像剤を得た。
表面改質トナー粒子におけるポリビニルアミン類の検出は赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR−4100)を用いて行った。ポリビニルアミン類は、赤外吸収スペクトルにおいて−NH2の吸収が3500−3300cm−1、1640−1550cm−1付近に吸収特性がある。ポリビニルアミン類が−NHCHO基を有する場合には、−CHOの吸収が1740−1720cm−1付近に吸収特性がある。
[現像性]
図1に示すような画像形成装置を用いて、画像形成装置の現像ローラ上に各実施例および各比較例で得られた液体現像剤による液体現像剤層を形成した。次に、現像ローラの表面電位を300Vとし、感光体の表面電位を500Vでほぼ均一に帯電させ、感光体に露光を行い、感光体表面の帯電を減衰させ、表面電位を50Vとした。液体現像剤層が感光体と現像ローラとの間を通過した後の、現像ローラ上のトナー粒子と、感光体上のトナー粒子とをテープで採取した。採取に用いた各テープを記録紙上に貼り付け、それぞれのトナー粒子の濃度を測定した。測定後、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度を、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度と現像ローラ上で採取されたトナー粒子の濃度との総和で除した数値に100を掛けた値を現像効率として求め、以下の5段階の基準に従い評価した。結果を表1に示す。
A:現像効率が96%以上であり、現像効率に特に優れる
B:現像効率が91%以上96%未満であり、現像効率に優れる
C:現像効率が85%以上91%未満であり、実用上問題のない
D:現像効率が55%以上85%未満であり、現像効率に劣る
E:現像効率が55%よりも小さく、現像効率に特に劣る
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤について、マイクロチック・ニチオン社製の「顕微鏡式レーザーゼータ電位計」ZC−3000を用いて電位差を測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。測定は、液体現像剤を希釈溶媒で希釈して、□10mmの透明セルに入れ、電極間9mmで300Vの電圧をかけると同時に顕微鏡でセル内の粒子の移動速度を観察することで、移動速度を算出して、その値からゼータ電位を求めることにより行った。結果を表1に示す。
A:電位差が+100mV以上(非常に良い)
B:電位差が+85mV以上、+100mV未満(良い)
C:電位差が+70mV以上、+85mV未満(普通)
D:電位差が+50mV以上、+70mV未満(やや悪い)
E:電位差が+50mV未満(非常に悪い)
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤10mLを試験管(口径12mm、長さ120mm)に入れ、14日間静置後の沈降した深さを測定し、以下の5段階の基準に従って評価した。結果を表1に示す。
A:沈降した深さが0mm
B:沈降した深さが0mmよりも大きく、2mm以下
C:沈降した深さが2mmよりも大きく、4mm以下
D:沈降した深さが4mmよりも大きく、6mm以下
E:沈降した深さが6mmよりも大きい
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤を用いて、それぞれ、図1に示すような画像形成装置により、所定パターンの画像を50,000枚の記録紙(富士ゼロックス社製、上質紙C2)上に形成した。この画像形成は、各色の液体現像剤タンクから対応する各色の撹拌装置への液体現像剤の供給を停止した状態で行った。50,000枚の記録紙への画像形成を行った後、固形分含有率が30質量%となるように、撹拌装置に回収されたトナー粒子を絶縁性液体で希釈することにより再生した液体現像剤(リサイクル液体現像剤)について、以下の方法で試験を行い、リサイクルについての適応性(リサイクル性)を評価した。
A:沈降した深さが1mm以下
B:沈降した深さが1mmよりも大きく、3mm以下
C:沈降した深さが3mmよりも大きく、5mm以下
D:沈降した深さが5mmよりも大きく、7mm以下
E:沈降した深さが7mmよりも大きい
ポリビニルアミンPVAM−0595Bの10質量%水溶液の使用量を1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
ポリビニルアミンPVAM−0595Bの10質量%水溶液の使用量を30質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
ポリビニルアミンをビニルアミンとN−ビニルホルムアミドの共重合体(塩酸塩)であるPVAM−0570B(三菱レイヨン社製、重量平均分子量40000、x:y=88:12、pH9の水溶液)に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
トナー粒子の結着樹脂をスチレン/アクリル樹脂(藤倉化成社製、重量平均分子量6500)に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。結着樹脂の酸価は10mgKOH/gであった。
ポリビニルアミンPVAM−0595Bの10質量%水溶液の使用量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
ポリビニルアミンPVAM−0595Bの10質量%水溶液の使用量を50質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
非結晶性ポリエステル樹脂を以下のように合成した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物618質量部(11.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物162質量部(2.5モル)、テレフタル酸241質量部(9.0モル)、イソフタル酸13質量部(0.5モル)、アジピン酸12質量部(0.5モル)、および縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3質量部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5kPa以上2.5kPa以下の減圧下で反応させ、酸価が2mgKOH/g以下になった時点で175℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸9質量部(0.3モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。ガラス転移温度、重量平均分子量、樹脂酸価を実施例1と同様に測定した。ガラス転移温度は58℃、重量平均分子量は4800、樹脂酸価は1mgKOH/gであった。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
非結晶性ポリエステル樹脂を以下のように合成した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。反応槽中に、エチレングリコール601質量部(20.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル470質量部(5.0モル)、イソフタル酸402質量部(5.0モル)、および縮合触媒としてチタン酸テトライソプロポキシド3質量部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら6時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するエチレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5kPa以上2.5kPa以下の減圧下で2時間反応させた。回収されたエチレングリコールは277質量部(9.2モル)であった。その後、175℃まで冷却し、無水トリメリット酸43質量部(0.5モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。ガラス転移温度、重量平均分子量、樹脂酸価を実施例1と同様に測定した。ガラス転移温度は57℃、重量平均分子量は5800、樹脂酸価は30mgKOH/gであった。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
非結晶性ポリエステル樹脂を以下のように合成した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物721質量部(10.4モル)、テレフタル酸353質量部(10.0モル)、および縮合触媒としてジブチルスズオキシド3質量部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら10時間反応させ、次いで0.5kPa以上2.5kPa以下の減圧下で反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。ガラス転移温度、重量平均分子量、樹脂酸価を実施例1と同様に測定した。ガラス転移温度は55℃、重量平均分子量は5000、樹脂酸価は0.5mgKOH/gであった。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
非結晶性ポリエステル樹脂を以下のように合成した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物599質量部(11.5モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物150質量部(2.5モル)、テレフタル酸174質量部(7.0モル)、イソフタル酸25質量部(1.0モル)、アジピン酸44質量部(2.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3質量部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5kPa以上2.5kPa以下の減圧下で反応させ、酸価が2mgKOH/g以下になった時点で170℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸60質量部(2.1モル)を仕込み、170℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。ガラス転移温度、重量平均分子量、樹脂酸価を実施例1と同様に測定した。ガラス転移温度は56℃、重量平均分子量は4300、樹脂酸価は35mgKOH/gであった。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
ポリビニルアミンを用いなかった以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
ポリビニルアミンの代わりに、イエロー、マゼンタ、シアン顔料については4級アンモニウム塩(オリエント化学社製、BONTRON P−51)2質量部、ブラック顔料については1質量部を用い、乾燥後のトナー粒子に混合した以外は、実施例1と同様にして液体現像剤サンプルを調製し、評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例12]
実施例1で得られた表面改質トナー粒子10質量部を、正帯電用キャリア(日本画像学会標準キャリア P−01)190質量部と混合し、乾式現像剤を得た。
比較例1で得られたトナー粒子10質量部を、正帯電用キャリア(日本画像学会標準キャリア P−01)190質量部と混合し、乾式現像剤を得た。
比較例2で得られた表面改質トナー粒子10質量部を、正帯電用キャリア(日本画像学会標準キャリア P−01)190質量部と混合し、乾式現像剤を得た。
25℃、50%RHの環境下にて、実施例12および比較例3、4の各現像剤を、富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor400CP改造機(定着器のプロセススピードを外部電源コントロールにて行うように改造したもの)の現像器に充填し、富士ゼロックス(株)製A4用紙(J紙)にて白ベタ画像を10000枚出力した後、5cm×2cmのソリッドバッチを現像し、感光体表面の現像トナー画像を、粘着テープ表 面の粘着性を利用して採取し、その質量(W1)を測定した。次に、同様の現像トナー像を、紙(J紙)表面に転写させ、その転写画像の質量(W2)を測定した。これらの結果から、以下の式によって転写効率を求め、下記評価基準にしたがって評価した。結果を表1に示す。
転写効率(%)=(W2/W1)×100
A:転写効率が95%以上
B:転写効率が87.5%以上95%未満
C:転写効率が80%以上87.5%未満
D:転写効率が80%未満
実施例12および比較例3,4の各現像剤を、それぞれ上述した現像器に充填し、現像装置の規制ブレードに規制され、感光体に搬送されるトナーの帯電量を、現像ローラ上のトナーを分析することによって評価した。帯電量は、ホソカワミクロン(株)製のE−SPARTアナライザーによって測定した。測定条件は、吸引流量0.2リットル/分、集塵エアー流量0.6リットル/分、吹き付け窒素ガス圧0.02Mpaとし、トナー1個ごとの帯電量(Q/m)を測定して、3000個のトナーカウントで帯電量分布を求めた。結果を表1に示す。
A:差の絶対値が0.8未満
B:差の絶対値が0.8以上1.0未満
C:差の絶対値が1.0以上1.5未満
D:差の絶対値が1.5以上
Claims (9)
- 少なくとも結着樹脂を含み、表面がポリビニルアミン類で表面改質されているトナー粒子を含有することを特徴とする正帯電用トナー。
- 前記結着樹脂の酸価が、1mgKOH/g以上30mgKOH/g以下の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載の正帯電用トナー。
- 前記ポリビニルアミン類の含有量が、トナー粒子全体に対して0.1質量%以上3質量%以下の範囲であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の正帯電用トナー。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の正帯電用トナーと、キャリア液とを含むことを特徴とする液体現像剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の正帯電用トナーを含むことを特徴とする現像剤。
- 請求項5に記載の液体現像剤または請求項6に記載の現像剤が収容されていることを特徴とする、現像剤カートリッジ。
- 請求項5に記載の液体現像剤または請求項6に記載の現像剤が収容されていることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、請求項5に記載の液体現像剤または請求項6に記載の現像剤により現像して、トナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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