JP2017054025A - 液体現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents

液体現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリエチレンイミンのみで表面改質されたトナー粒子を含む液体現像剤に比較して、得られた定着画像のフィルム密着性に優れる液体現像剤を提供する。【解決手段】キャリア液と、少なくとも結着樹脂を含み、ポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、およびポリビニルアミン類のうちの少なくとも1つにより表面改質され、さらに塩化ビニル樹脂および塩化ビニル共重合体のうち少なくとも1つである塩化ビニル系樹脂により表面改質されたトナー粒子と、を含有する液体現像剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、液体現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、および画像形成装置に関する。
電子写真法など静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により像保持体上に潜像(静電潜像)を形成し(潜像形成工程)、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある。)を含む静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある。)で静電潜像を現像し(現像工程)、転写工程、定着工程を経て可視化される。乾式現像方式で用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とがある。
一方、湿式現像方式で用いられる液体現像剤は、絶縁性のキャリア液中にトナー粒子を分散させたものであり、揮発性のキャリア液中に熱可塑性樹脂を含むトナー粒子が分散されたタイプや、難揮発性のキャリア液中に熱可塑性樹脂を含むトナー粒子が分散されたタイプ等が知られている。
例えば、特許文献1には、有機または無機顔料および水よりなる含水ペーストを樹脂の有機溶媒溶液と混練した後、水および有機溶媒を除去する顔料樹脂組生成物からなる電子写真液体現像剤用着色剤の製造方法において、樹脂としてポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂等からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂を用いる電子写真液体現像剤用着色剤の製造方法が記載されている。
特許文献2には、a)着色剤を有する1つまたは複数の樹脂を含む樹脂系を製造し、樹脂系を粗粉砕することと、b)粗粉砕された樹脂系をキャリア液体で調製して、液体マーキング粒子混合物を生成することと、c)液体マーキング粒子混合物の樹脂系のガラス転移点またはそれより高く、樹脂系の融点よりも低い温度に加熱することと、d)加熱された液体マーキング粒子混合物の温度を保持することと、e)液体マーキング粒子混合物を室温に冷却することと、f)液体マーキング粒子混合物を剪断力で混合することと、を含み、樹脂系はキャリア液体に不溶である静電写真用液体現像剤の製造方法が記載され、樹脂は、ポリ(塩化ビニル)樹脂等から選択されることが記載されている。
特許文献3には、電気絶縁性可塑剤と、アクリル系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、およびスチレン系の少なくとも2種を含むビニル系共重合体粒子と、ビニル系共重合体粒子に可溶な電荷調節剤と着色剤とから構成された揮発成分を含まない液体現像剤が記載されている。
特公平3−52624号公報 特許第5191659号公報 特許第3627205号公報
本発明の目的は、ポリエチレンイミンのみで表面改質されたトナー粒子を含む液体現像剤に比較して、得られた定着画像のフィルム密着性に優れる液体現像剤、その液体現像剤を用いる現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、および画像形成装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、キャリア液と、少なくとも結着樹脂を含み、ポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、およびポリビニルアミン類のうちの少なくとも1つにより表面改質され、さらに塩化ビニル樹脂および塩化ビニル共重合体のうち少なくとも1つである塩化ビニル系樹脂により表面改質されたトナー粒子と、を含有する液体現像剤である。
請求項2に係る発明は、前記塩化ビニル系樹脂が、塩化ビニル樹脂である、請求項1に記載の液体現像剤である。
請求項3に係る発明は、前記キャリア液が、炭化水素系溶媒を含む、請求項1または2に記載の液体現像剤である。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体現像剤が収容されている現像剤カートリッジである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体現像剤が収容されているプロセスカートリッジである。
請求項6に係る発明は、像保持体と、前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、現像剤保持体の表面に保持された請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像手段と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着手段と、を備える画像形成装置である。
請求項1に係る発明によると、ポリエチレンイミンのみで表面改質されたトナー粒子を含む液体現像剤に比較して、得られた定着画像のフィルム密着性に優れる液体現像剤が提供される。
請求項2に係る発明によると、塩化ビニル/アクリル共重合体に比較して、得られた定着画像のフィルム密着性に優れる液体現像剤が提供される。
請求項3に係る発明によると、前記キャリア液が炭化水素系溶媒を含まない場合に比較して、フィルム密着性に優れる液体現像剤が提供される。
請求項4に係る発明によると、ポリエチレンイミンのみで表面改質されたトナー粒子を含む液体現像剤に比較して、得られた定着画像のフィルム密着性に優れる液体現像剤が収容されている現像剤カートリッジが提供される。
請求項5に係る発明によると、ポリエチレンイミンのみで表面改質されたトナー粒子を含む液体現像剤に比較して、得られた定着画像のフィルム密着性に優れる液体現像剤が収容されているプロセスカートリッジが提供される。
請求項6に係る発明によると、ポリエチレンイミンのみで表面改質されたトナー粒子を含む液体現像剤に比較して、得られた定着画像のフィルム密着性に優れる液体現像剤を用いる画像形成装置が提供される。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<液体現像剤>
本実施形態に係る液体現像剤は、キャリア液と、少なくとも結着樹脂を含み、ポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、およびポリビニルアミン類のうちの少なくとも1つにより表面改質され、さらに塩化ビニル樹脂および塩化ビニル共重合体のうち少なくとも1つである塩化ビニル系樹脂により表面改質されたトナー粒子と、を含有する。
液体現像の帯電メカニズムは、摩擦帯電を利用している乾式トナーとは根本的に異なる。液体現像で一般的な正帯電化のメカニズムは、キャリア液に意図的に存在させたプロトンをトナー粒子表面のプロトン受容層に吸着させることでトナー粒子自体を正帯電化している。このため、トナー粒子表面のプロトン受容層の設計が極めて重要となり、この設計が液体現像剤の性能を決定付けることになる。しかし、従来の液体現像剤は溶融混練した分散体をキャリアに混ぜ、さらに分散剤や帯電制御剤等を添加してビーズミル等で現像液化しているため、トナー粒子表面に意図的にプロトン受容層を設けることが困難なばかりか、分散剤や帯電制御剤等で使用できる材料種が少なく、キャリア液への溶解性も低い問題があった。
市販されている正帯電用の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ボントロンN−01」、「ボントロンN−04」、「ボントロンN−07」(以上、オリエント化学工業社製)、「CHUO CCA−3」(中央合成社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料;4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP−51」(オリエント化学工業社製)、「TP−415」(保土谷化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPYCHARGEPXVP435」(クラリアント社製)等が挙げられるが、カラーに適用可能な帯電制御剤は無色な4級アンモニウム塩化合物だけであり、その他は着色しているためブラックにしか適用できない。また、このような正帯電用の帯電制御剤は乾式トナーに適用した場合は効果を発揮することがあるが、液体トナーに適用してもほとんど効果が得られない。液体トナー用の正帯電用の帯電制御剤としては、Solsperse13940/11200やAntaronV220等のアミン系の材料を添加することが多いが、適用可能な材料種が極めて少なく、キャリア液への溶解性も低いため十分な正帯電性が得られない場合が多い。
本実施形態に係る液体現像剤は、トナー粒子表面がポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類と、塩化ビニル系樹脂とにより表面改質されているため、正帯電性に優れる。
一方、液体現像では定着のときにキャリア液が存在するため、得られた定着画像の記録媒体、特にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム等のフィルムへの密着性が阻害されることが多い。本実施形態に係る液体現像剤は、ポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、およびポリビニルアミン類のうちの少なくとも1つにより表面改質され、さらに塩化ビニル樹脂および塩化ビニル共重合体のうち少なくとも1つである塩化ビニル系樹脂により表面改質されているため、ポリエチレンイミンのみで表面改質されたトナー粒子を含む液体現像剤に比較して、得られた定着画像のフィルム密着性に優れる。
従来法では、塩化ビニル系樹脂をトナー粒子の結着樹脂として使用する例はあるが、トナーの粘着性が高いため、クリーンング不良や画像のベタツキ等の問題があった。本実施形態に係る液体現像剤では、フィルム等の記録媒体への密着性を向上させるために、ポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類のトナー粒子表面へのコーティングの上に塩化ビニル系樹脂のコーティングが施されている。結着樹脂としてポリエステル樹脂やスチレン−アクリル樹脂を用いれば、塩化ビニル系樹脂はトナー粒子の表面にコーティングされているだけなので、塩化ビニル系樹脂を結着樹脂として用いた場合に問題となるクリーンング不良や画像のベタツキ等が低減されると考えられる。本実施形態に係る液体現像剤において、塩化ビニル系樹脂は補助的に使用するものであり、キャリア液が残留することによって発生するフィルム等の記録媒体への密着性の低下が抑制されると考えられる。
このように、本実施形態に係る液体現像剤では、トナー粒子表面にポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類と塩化ビニル系樹脂とが化学吸着しているため、安定した正帯電性と定着性(密着性)が得られると考えられる。トナー粒子表面にポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類がほぼ均一にコーティングされているため、結着樹脂や着色剤が持っている帯電の影響を受けにくくなると考えられる。さらにアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類がほぼ均一にコーティングされたトナー粒子表面に塩化ビニル系樹脂がコーティングされているため、記録媒体、特にフィルムへの密着性が向上すると考えられる。
以下、本実施形態に係る液体現像剤の構成成分について、詳細に説明する。
[トナー粒子]
本実施形態に係る液体現像剤に含まれるトナー粒子は、結着樹脂を含み、必要に応じて、着色剤、離型剤等のその他成分を含んでもよい。トナー粒子は、ポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、およびポリビニルアミン類のうちの少なくとも1つにより表面改質され、さらに塩化ビニル樹脂および塩化ビニル共重合体のうち少なくとも1つである塩化ビニル系樹脂により表面改質されたものである。トナー粒子は、例えば、ポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、およびポリビニルアミン類のうちの少なくとも1つにより表面改質されて(1段目の改質)トナー粒子表面を覆うポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、およびポリビニルアミン類のうちの少なくとも1つの層が形成され、さらに、塩化ビニル樹脂および塩化ビニル共重合体のうち少なくとも1つである塩化ビニル系樹脂により表面改質されて(2段目の改質)塩化ビニル系樹脂の層が形成されたものである。
(ポリアルキレンイミン類)
本実施形態で使用するポリアルキレンイミン類としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリブチレンイミン、ポリイソプロピレンイミン等が挙げられる。中でも、ポリエチレンイミンを用いるのが好ましい。これにより、トナー粒子の表面が、より好適に化学修飾され、トナーの正帯電の帯電特性がより優れる。さらに、ポリアルキレンイミンはほぼ無色透明であるため、カラートナーにも好適に適用される。
ポリエチレンイミンとしては、例えば、市販されているエポミンSP−003、SP−006、SP−012、SP−018、SP−200、P−1000(日本触媒社製)や、和光純薬社、純正化学社等の試薬が挙げられる。
ポリアルキレンイミン類の重量平均分子量は、5,000以上100,000以下の範囲であることが好ましく、10,000以上80,000以下の範囲であることがより好ましい。ポリアルキレンイミン類の重量平均分子量が5,000未満であると、帯電不良の場合があり、100,000を超えると、定着性が悪化する場合がある。
(ポリアリルアミン類)
ポリアリルアミン類としては、下記一般式(1),(2)で示されるポリアリルアミン類等が挙げられる。

(1)
(式(1)中、nは、20以上1,000以下の整数であり、20以上500以下の整数が好ましい。)

(2)
(式(2)中、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子または炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基を示し、mおよびnは、それぞれ独立して1以上1,000以下の整数を示す。)
およびRは、水素原子または炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基であり、炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基が好ましい。炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、直鎖または分岐のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
mおよびnは、それぞれ独立して1以上1,000以下の整数であり、1以上500以下の整数が好ましい。
ポリアリルアミン類は、アルカリ性のものであることが好ましい。ポリアリルアミン類がアルカリ性のものであれば、酸性になっているトナー粒子表面と酸塩基反応を起こしやすくなり、化学吸着が起こると考えられる。これとは逆にポリアリルアミン類が塩酸塩等になっている酸性のタイプであると、トナー粒子表面も酸性になっていることから、酸塩基反応はほとんど起こらず、トナー粒子表面にポリアリルアミン類が化学吸着されない可能性が高い。さらに、ポリアリルアミン類はほぼ無色透明であるため、カラートナーにも好適に適用される。
ポリアリルアミン類としては、例えば、市販されているPAA−01、PAA−03、PAA−05、PAA−08、PAA−15、PAA−15C、PAA−25、PAA−1112、PAA−N5000、PAA−U5000(以上、ニットーボーメディカル社製)等が挙げられる。
ポリアリルアミン類の重量平均分子量は、1,000以上25,000以下の範囲であることが好ましく、3,000以上25,000以下の範囲であることがより好ましく、15,000以上25,000以下の範囲であることがさらに好ましい。ポリアリルアミン類の重量平均分子量が1,000未満であると、正帯電性が弱く、目的とする現像性が得られない場合があり、25,000を超えると、トナー粒子の樹脂種類によっては正帯電性が十分に得られない場合がある。また、ポリアリルアミン類の重量平均分子量が25,000を超えると、トナーの転写性が悪化する場合がある。よって、ポリアリルアミン類の重量平均分子量を上記範囲内とすることで、より効果的に正帯電性に優れた液体現像剤が得られる。
(ポリビニルアミン類)
ポリビニルアミン類は、構成単量体として少なくともビニルアミンを含む重合体である。ポリビニルアミン類は、例えば、N−ビニルホルムアミドを重合した後、N−ビニルホルムアミド重合体にアンモニアや1級アミンまたは2級アミン等を添加し、次いでアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物等を用いて塩基性加水分解させることで得られる。
ポリビニルアミン類は、構成単量体として、ビニルアミンの他に、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルアセトアミド等を含んでもよい。
ポリビニルアミン類としては、下記一般式(3)で示されるポリビニルアミンであることが好ましい。下記一般式(3)で示されるポリビニルアミンは、構成単量体としてビニルアミンおよびN−ビニルホルムアミドを含む重合体である。

(3)
式(3)において、x,yはそれぞれ独立して1以上の整数を示す。また、x,yはそれぞれ独立して7,000以下の整数であることが好ましい。式(3)において、xとyとの比率は、例えば、x:y=99:1以上1:99以下の範囲である。
式(3)において、アミノ基(−NH)は、塩酸塩、硫酸塩等の塩構造を有していてもよい。
ポリビニルアミン類の重量平均分子量は、1,000以上300,000以下の範囲であることが好ましく、1,000以上200,000以下の範囲であることがより好ましい。ポリビニルアミン類の重量平均分子量が1,000未満であると、所望の正帯電性が得られない場合があり、300,000を超えると、定着性が悪化する場合がある。
ポリビニルアミン類はアルカリ性のものであることが好ましい。ポリビニルアミン類がアルカリ性のものであれば、酸性になっているトナー粒子表面と酸塩基反応を起こしやすくなり、化学吸着が起こると考えられる。さらに、ポリビニルアミン類はほぼ無色透明であるため、カラートナーにも好適に適用される。
ポリビニルアミン類としては、市販の材料を用いてもよい。市販されているポリビニルアミンの一例としては、PVAM−0595B(三菱レイヨン社製)等が挙げられる。また、ビニルアミンとN−ビニルホルムアミドの共重合体であるPVAM−0570BやKP8040(三菱レイヨン社製)、Lupamin1500/1595/3095/4595/9095(BASF社製)等も適用可能である。
トナー粒子に対するポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類の量は、例えば、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下の範囲であることが好ましく、0.5質量部以上3質量部以下の範囲であることがより好ましい。トナー粒子に対するポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類の量がトナー粒子100質量部に対して0.1質量部未満であると、帯電性に劣る場合があり、10質量部を超えると、帯電性が高すぎて、転写性が低下する場合がある。
ポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、およびポリビニルアミン類の中では、現像性、正帯電性、分散安定性、リサイクル性、および密着性に優れる点から、ポリアルキレンイミン類が好ましく、ポリエチレンイミンがより好ましい。
(塩化ビニル系樹脂)
塩化ビニル系樹脂の組成としては、例えば、塩化ビニル樹脂系、変性塩化ビニル樹脂系、塩化ビニル/アクリル共重合体等の種類があるが、使用するに当たり特に制限はない。塩化ビニル系樹脂として、日信化学工業社から市販されているビニブランシリーズ、住化ケムテックスから市販されているスミエリート等の塩化ビニル系樹脂のエマルジョン等が挙げられる。塩化ビニル系樹脂の市販品として、例えば、日信化学工業社製、塩化ビニル/アクリル共重合体であるビニブラン701FE35(塩化ビニル率35モル%)、701FE50(塩化ビニル率50モル%)、701FE65(塩化ビニル率65モル%)、塩化ビニル樹脂であるビニブラン985(塩化ビニル率100モル%)等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂における塩化ビニルの割合を示す塩化ビニル率は、35モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましく、100モル%(すなわち塩化ビニル樹脂である)が特に好ましい。塩化ビニル系樹脂の塩化ビニル率が35モル%未満であると、フィルム密着性が低下する場合がある。塩化ビニル系樹脂の塩化ビニル率が高いほど、フィルム密着性に優れる。
トナー粒子に対する塩化ビニル系樹脂の量は、例えば、トナー粒子100質量部に対して0.2質量部以上10質量部以下の範囲であることが好ましく、3質量部以上8質量部以下の範囲であることがより好ましい。トナー粒子に対する塩化ビニル系樹脂の量がトナー粒子100質量部に対して0.2質量部未満であると、フィルム密着性が低下する場合があり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が低下する場合がある。
塩化ビニル系樹脂の数平均分子量は、8,000以上60,000以下の範囲であることが好ましく、10,000以上50,000以下の範囲であることがより好ましい。塩化ビニル系樹脂の数平均分子量が8,000未満であると、接着面が脆くなる場合があり、60,000を超えると、トナー定着性を阻害する場合がある。
(結着樹脂)
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体やスチレン−メタクリル酸アルキル共重合体等のスチレン−アクリル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。これらのうち、定着性等の点から、ポリエステル樹脂およびスチレン−アクリル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。結着樹脂は、上記樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上の樹脂を混合して用いてもよい。
結着樹脂は、主成分としてポリエステル樹脂を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂は、酸(多価カルボン酸)成分とアルコール(多価アルコール)成分とから合成されるものであり、本実施形態において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。主成分とは、トナー粒子中の結着樹脂100質量部に対して50質量部以上のことをいう。
[酸由来構成成分]
酸由来構成成分は、特に制限はなく、脂肪族ジカルボン酸、芳香族カルボン酸が好ましく用いられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、これらに限定されない。また芳香族カルボン酸としては例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類の低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。また、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類等が挙げられる。さらに良好な定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。また、前述のアルケニルコハク酸類の具体的なものとしては、ドデセニルコハク酸、ドデシルコハク酸、ステアリルコハク酸、オクチルコハク酸、オクセニルコハク酸等が挙げられる。
[アルコール由来構成成分]
アルコール由来構成成分としては特に制限はないが、脂肪族ジオールとして、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられる。また、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどや、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が用いられる。また、良好な定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
ポリエステル樹脂の製造方法としては特に制限はなく、酸成分とアルコール成分を反応させる一般的なポリエステル重合法で製造すればよく、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、単量体の種類によって使い分けて製造すればよい。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
ポリエステル樹脂の製造は、例えば、重合温度180℃以上230℃以下の間で行えばよく、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させてもよい。単量体が、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、重合反応が部分的に早くなったり、遅くなる場合があり、無着色粒子を多く発生する場合があるため、高沸点の溶媒を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶媒を留去しながら行ってもよい。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合はあらかじめ相溶性の悪い単量体と、その単量体と重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させてもよい。
ポリエステル樹脂の製造時に使用してもよい触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、およびアミン化合物等が挙げられる。この中でも、例えば、スズ、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド等のスズ含有触媒を用いることが好ましい。
本実施形態においては、静電荷像現像用トナー用の樹脂として共重合可能なものであれは、親水性極性基を有する化合物を用いてもよい。具体例としては、仮に用いる樹脂がポリエステルである場合、スルホニル−テレフタル酸ナトリウム塩、3−スルホニルイソフタル酸ナトリウム塩等の芳香環に直接スルホニル基が置換したジカルボン酸化合物が挙げられる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwは5,000以上であることが好ましく、5,000以上50,000以下の範囲であることがより好ましい。このポリエステル樹脂を含むと、擦摺性に優位である。ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwが5,000を下回ると、場合によっては分離しやすくなることから、遊離した樹脂に由来する問題(フィルミング、脆さによる微粉増加、粉体流動性悪化など)が発生する場合がある。
本実施形態に係るトナーにおいて、ポリエステル樹脂以外の樹脂としては特に制限されないが、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体;さらにアクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン酸ナトリウム等のエチレン系不飽和酸単量体;さらにアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類単量体の単独重合体、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体、またはそれらの混合物、さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、または、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂の含有量は、例えばトナー粒子全体に対して65質量%以上95質量%以下の範囲である。
結着樹脂の酸価は、1mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下の範囲であることが好ましく、7mgKOH/g以上、20mgKOH/g以下の範囲であることがより好ましい。結着樹脂の酸価が1mgKOH/g未満であると、表面改質剤として使用するポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、およびポリビニルアミン類の粒子表面吸着量が低下するため所望の正帯電量が得られない場合があったり、転相乳化を利用して造粒する際には造粒性が悪化してしまう場合がある。結着樹脂の酸価が30mgKOH/gを超えると、ポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、およびポリビニルアミン類を粒子表面に吸着させても正帯電性が阻害される場合がある。
(その他の成分)
本実施形態に係るトナー粒子は、着色剤、その他必要に応じて、離型剤、帯電制御剤、シリカ粉末、金属酸化物等の他の添加剤を含有してもよい。これら添加剤は、結着樹脂に混練するなどして内添してもよいし、粒子としてトナー粒子を得たのち混合処理を施すなどして外添してもよい。
着色剤としては、特に制限はなく、公知の顔料が用いられ、必要に応じて、公知の染料を含んでもよい。具体的には、以下に示すイエロー、マゼンタ、シアン、黒(ブラック)等の各顔料が用いられる。
イエローの顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物等に代表される化合物が用いられる。
マゼンタの顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が用いられる。
シアンの顔料としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が用いられる。
黒の顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、鉄黒等が用いられる。
着色剤の含有量は、例えばトナー粒子全体に対して1質量%以上20質量%以下の範囲である。
離型剤としては、特に制限はなく、例えば、カルナバワックス、木蝋、米糠蝋等の植物性ワックス;蜜ワックス、昆虫ワックス、鯨ワックス、羊毛ワックスなどの動物性ワックス;モンタンワックス、オゾケライトなどの鉱物性ワックス、エステルを側鎖に有するフィッシャートロプシュワックス(FTワックス)、特殊脂肪酸エステル、多価アルコールエステル等の合成脂肪酸固体エステルワックス;パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物等の合成ワックス;等が挙げられる。離型剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
離型剤の含有量は、例えばトナー粒子全体に対して0.1質量%以上15質量%以下の範囲である。
帯電制御剤としては、特に制限はなく、従来公知の帯電制御剤が使用される。例えば、ニグロシン染料、脂肪酸変性ニグロシン染料、カルボキシル基含有脂肪酸変性ニグロシン染料、四級アンモニウム塩、アミン系化合物、アミド系化合物、イミド系化合物、有機金属化合物等の正帯電性帯電制御剤;オキシカルボン酸の金属錯体、アゾ化合物の金属錯体、金属錯塩染料やサリチル酸誘導体等の負帯電性帯電制御剤;等が挙げられる。帯電制御剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
金属酸化物としては、特に制限はなく、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。金属酸化物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
<トナー粒子の製造方法>
本実施形態で用いるトナー粒子を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、混練粉砕法や、液中乳化法、重合法等の湿式製法が挙げられる。
例えば、結着樹脂、必要に応じて、着色剤、他の添加剤等をヘンシェルミキサ等の混合装置に投入して混合し、この混合物を二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミル、ニーダ等で溶融混練した後、ドラムフレーカー等で冷却し、ハンマーミル等の粉砕機で粗粉砕し、さらにジェットミル等の粉砕機で粉砕した後、風力分級機等を用いて分級することにより、粉砕トナーが得られる。
また、結着樹脂、必要に応じて、着色剤、他の添加剤を酢酸エチル等の溶剤に溶解し、炭酸カルシウム等の分散安定剤が添加された水中に乳化、懸濁し、溶剤を除去した後、分散安定剤を除去して得られた粒子を濾過、乾燥することによって液中乳化乾燥トナーが得られる。
また、結着樹脂を形成する重合性単量体、着色剤、重合開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、イソプロピルパーオキシカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、2,4−ジクロリルベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等)および他の添加剤等を含有する組成物を水相中に撹拌下で加えて造粒し、重合反応後、粒子を濾過、乾燥することによって重合トナーが得られる。
なお、トナーを得る際の各材料(結着樹脂、着色剤、その他の添加剤等)の配合割合は、要求される特性、低温定着性、色等を考慮して設定すればよい。得られたトナーは、ボールミル、ビーズミル、高圧湿式微粒化装置等の公知の粉砕装置を用いて、キャリアオイル中で粉砕することにより本実施形態の液体現像剤用のトナー粒子が得られる。
(表面改質方法)
本実施形態に係る表面改質トナー粒子は、例えば、トナー粒子をポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類により表面改質して、トナー粒子表面を覆うポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類の層を形成する工程と、塩化ビニル樹脂および塩化ビニル共重合体のうち少なくとも1つである塩化ビニル系樹脂により表面改質して、トナー粒子表面を覆う塩化ビニル系樹脂の層をさらに形成する工程と、を含む方法等により作製される。
ポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、およびポリビニルアミン類は水溶性高分子であるので、液中で造粒する湿式製法では乾燥工程前の水洗浄後にそのままポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類をトナー粒子表面に吸着すればよい。具体的な処理方法は、洗浄後のトナー粒子のスラリーを例えばpH3以上5以下に調整してトナー粒子表面を酸性状態にした後、過剰な酸をイオン交換水等で洗浄して取り除き、このスラリーにポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類を添加して酸塩基反応でトナー粒子表面にポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類を化学的に吸着させる。この後、イオン交換水等で洗浄して未反応のポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類を取り除けばよい。
その後、塩化ビニル系樹脂として、例えば塩化ビニル系樹脂のエマルジョンを使用して、さらに表面改質を行えばよい。例えば、ポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類で表面改質されたトナー粒子をイオン交換水等でリスラリー化した後、このスラリーに塩化ビニル系樹脂エマルジョンを添加することでトナー粒子表面にさらに塩化ビニル系樹脂を化学的に吸着させる。この後、イオン交換水等で洗浄して未反応の塩化ビニル系樹脂エマルジョンを取り除くことでトナー粒子の表面処理は完結する。
トナー粒子の表面改質は、具体的には、例えば、以下の方法により作製される。
(1)トナー粒子、水を含むスラリーに酸(1N程度の塩酸または硝酸)を添加してpH2以上5以下程度に調整してトナー粒子表面の酸サイトをできる限り酸に戻す。
(2)イオン交換水等による洗浄、または遠心分離等により固液分離を行い、余分な酸を除去する。
(3)リスラリーした後、水溶性のポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類を添加し、例えば液温20℃以上35℃以下の範囲で30分以上60分以下程度撹拌する。
(4)イオン交換水等による洗浄、または遠心分離等により固液分離を行い、余分なポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類を除去する(例えば、導電率20μS/cm以下程度となるまで)。
(5)リスラリーした後、塩化ビニル系樹脂のエマルジョンを添加し、例えば液温20℃以上35℃以下の範囲で30分以上60分以下程度撹拌する。
(6)ろ過した後、乾燥(例えば、35℃程度、最低24時間程度、水分率1質量%以下)し、解砕する。
トナー粒子の結着樹脂として酸価10程度のポリエステル樹脂を使用し、転相乳化を利用して造粒する場合は、洗浄後のろ液がアルカリ性になっていることから、トナー粒子表面の酸サイト(例えば−COOH基)が中和されて塩構造(例えば−COONa、−COONH )になっている部分が多いと思われる。よって、(1)の工程を行うことでトナー粒子表面の塩構造を酸(例えば−COOH基)に戻してポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、またはポリビニルアミン類が酸塩基反応でより吸着しやすいようにすることが好ましい。ただし、(1)や(2)の工程は必須ではなく所望の正帯電量が得られる場合は省略してもよい。
<トナー粒子の特性>
本実施形態に係る正帯電用トナーの体積平均粒径としては、3μm以上8μm以下の範囲が好ましく、3μm以上7μm以下の範囲がより好ましく、また、個数平均粒径としては、2μm以上7μm以下の範囲が好ましく、2μm以上6μm以下の範囲がより好ましい。
前記体積平均粒径および個数平均粒径の測定は、コールターマルチサイザII型(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャ径で測定することにより行われる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒分散させた後に行う。
<液体現像剤>
本実施形態において、液体現像剤は、前記本実施形態に係る正帯電用トナーと、キャリア液とを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとればよい。
(キャリア液)
キャリア液は、トナー粒子を分散させるための絶縁性の液体であり、特に制限はないが、例えば、パラフィンオイル等の脂肪族炭化水素を主成分とする脂肪族系炭化水素溶媒(市販品では、松村石油社製モレスコホワイトMT−30P、モレスコホワイトP40、モレスコホワイトP70、エクソン化学社製アイソパーL、アイソパーM等)、ナフテン系オイル等の炭化水素系溶媒(市販品では、エクソン化学社製エクソールD80、エクソールD110、エクソールD130、日本石油化学社製ナフテゾールL、ナフテゾールM、ナフテゾールH、Newナフテゾール160、Newナフテゾール200、Newナフテゾール220、NewナフテゾールMS−20P等)等の鉱物油等の炭化水素系溶媒が挙げられ、それらの中に、トルエン等の芳香族化合物等を含有させてもよい。また、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン等のシリコーンオイル(シリコーン系溶剤)が挙げられる。これらのうち、フィルム密着性等の観点から、炭化水素系溶媒が好ましい。
本実施形態に係る液体現像剤に含まれるキャリア液は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。キャリア液を2種以上の混合系として用いる場合は、例えば、パラフィン系溶剤と植物油との混合系や、シリコーン系溶剤と植物油との混合系等が挙げられる。
キャリア液の体積抵抗率としては、例えば1.0×1010Ω・cm以上1.0×1014Ω・cm以下の範囲が挙げられ、1.0×1010Ω・cm以上1.0×1013Ω・cm以下の範囲であってもよい。
キャリア液は、各種副資材、例えば、分散剤、乳化剤、界面活性剤、安定化剤、湿潤剤、増粘剤、起泡剤、消泡剤、凝固剤、ゲル化剤、沈降防止剤、帯電制御剤、帯電防止剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、付香剤、粘着防止剤、離型剤等を含んでいてもよい。
(液体現像剤の製造方法)
本実施形態に係る液体現像剤は、上記トナー粒子とキャリア液とを、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル等の分散機を用いて混合し、粉砕して、トナー粒子をキャリア液中に分散することにより得られる。なお、トナー粒子のキャリア液中への分散は分散機に限られず、ミキサのごとく、特殊な撹拌羽根を高速で回転させ分散してもよいし、ホモジナイザとして知られるロータ・ステータの剪断力で分散してもよいし、超音波によって分散してもよい。
キャリア液中のトナー粒子の濃度は、現像剤の粘度を適性に制御し、現像機内の現像液循環を円滑にする等の観点から、0.5質量%以上40質量%以下の範囲とすることが好ましく、1質量%以上30質量%以下の範囲とすることがより好ましい。
その後、得られた分散液を、例えば孔径100μm程度の膜フィルタ等のフィルタ等を用いて濾過し、ゴミおよび粗大粒子等を除去してもよい。
<現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、像保持体(以下、「感光体」という場合がある)と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、像保持体の表面に潜像(静電潜像)を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面に形成された潜像を、上記本実施形態に係る液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着手段と、を備える。
また、本実施形態に係る画像形成方法は、例えば、像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程と、像保持体の表面に形成された潜像を、上記本実施形態に係る液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着工程と、を含む。
上記画像形成装置において、例えば現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着するカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。このプロセスカートリッジとしては、上記本実施形態に係る液体現像剤が収容されているものであればよく、特に制限はない。プロセスカートリッジは、例えば、上記本実施形態に係る液体現像剤を収容し、像保持体上に形成された潜像を液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるものである。
また、本実施形態に係る現像剤カートリッジは、上記本実施形態に係る液体現像剤が収容されているものであればよく、特に制限はない。現像剤カートリッジは、例えば、上記本実施形態に係る液体現像剤を収容し、像保持体上に形成された潜像を液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備える画像形成装置に着脱されるものである。
以下、本実施形態における、液体現像剤を用いた画像形成装置を例として、図面を参照しつつ説明するが、本構成に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。画像形成装置100は、感光体(像保持体)10と、帯電装置(帯電手段)20と、露光装置(潜像形成手段)12と、現像装置(現像手段)14と、中間転写体(転写手段)16と、クリーナ(清掃手段)18と、転写定着ローラ(転写手段、定着手段)28とを含んで構成される。感光体10は円筒形状を有し、感光体10の外周に、帯電装置20、露光装置12、現像装置14、中間転写体16、および、クリーナ18が順次に設けられている。
以下、この画像形成装置100の動作について説明する。
帯電装置20が感光体10の表面を予め定められた電位に帯電させ(帯電工程)、帯電された表面を画像信号に基づき、露光装置12が、例えばレーザ光線等によって露光して潜像(静電潜像)を形成する(潜像形成工程)。
現像装置14は、現像ローラ14aと現像剤収納容器14bとを含んで構成される。現像ローラ14aは、現像剤収納容器14bに収納される液体現像剤24に一部が浸るようにして設けられる。液体現像剤24は、絶縁性のキャリア液と、結着樹脂を含むトナー粒子とを含む。
液体現像剤24中では、トナー粒子は分散されているが、例えば液体現像剤24を、さらに現像剤収納容器14b内に設けられる撹拌部材によって撹拌し続けることで、液体現像剤24中のトナー粒子の濃度の位置ばらつきは低減される。これにより図の矢印A方向に回転する現像ローラ14aには、トナー粒子の濃度バラツキが低減された液体現像剤24が供給される。
現像ローラ14aに供給された液体現像剤24は、規制部材によって一定の供給量に制限された状態で感光体10に搬送され、現像ローラ14aと感光体10とが近接(あるいは接触)する位置で静電潜像に供給される。これによって静電潜像は顕像化されてトナー像26となる(現像工程)。
現像されたトナー像26は、図の矢印B方向に回転する感光体10に搬送され、用紙(記録媒体)30に転写されるが、本実施形態では、用紙30に転写する前に、感光体10からのトナー像の剥離効率を含めた記録媒体への転写効率を向上させ、さらに記録媒体への転写と同時に定着を行うため、一旦中間転写体16にトナー像を転写する(中間転写工程)。このとき、感光体10および中間転写体16間に周速差を設けてもよい。
次いで、中間転写体16により矢印C方向に搬送されたトナー像は、転写定着ローラ28との接触位置において用紙30に転写されると共に定着される(転写工程、定着工程)。転写定着ローラ28は、中間転写体16と共に用紙30を挟み、中間転写体16上のトナー像を用紙30に密着させる。これによって用紙30にトナー像を転写し、用紙上にトナー像が定着され、定着画像29となる。トナー像の定着は、転写定着ローラ28に発熱体を設けて加圧および加熱により行うことが好ましい。定着温度は、通常、120℃以上200℃以下の範囲である。
中間転写体16が図1に示すようにローラ形状であれば、転写定着ローラ28とローラ対を構成するため、中間転写体16、転写定着ローラ28が各々定着装置における定着ローラ、押圧ローラに準じた構成となって定着機能を発揮する。すなわち、用紙30が中間転写体16と転写定着ローラ28との間で形成されるニップを通過する際、トナー像が転写されると共に転写定着ローラ28により中間転写体16に対して加熱および押圧される。これにより、トナー像を構成するトナー粒子中の結着樹脂が軟化すると共に、トナー像が用紙30の繊維中に浸潤して、用紙30に定着画像29が形成される。
本実施形態では用紙30への転写とともに定着を行っているが、転写工程と定着工程とを別々として、転写を行った後に定着を行ってもよい。この場合には、感光体10からトナー像を転写する転写ローラが、中間転写体16に準じた機能を有することとなる。
一方、中間転写体16にトナー像26を転写した感光体10では、転写されずに残留したトナー粒子がクリーナ18との接触位置まで運ばれ、クリーナ18によって回収される。なお、転写効率が100%に近く、残留トナーが問題とならない場合は、クリーナ18は設けなくてもよい。
画像形成装置100は、さらに、転写後かつ次の帯電までに感光体10の表面を除電する除電装置(図示せず)を備えていてもよい。
画像形成装置100に備えられる帯電装置20、露光装置12、現像装置14、中間転写体16、転写定着ローラ28、および、クリーナ18等は、例えば、すべてが感光体10の回転速度と同期をとって動作されてもよい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
本実施例のトナーは、以下の方法により得られる。すなわち、下記の樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液をそれぞれ調製した。次いで、これらを予め定めた量、混合撹拌しながら、これに無機金属塩の重合体を添加し、イオン的に中和させ、上記各粒子の凝集体を形成させて、所望のトナー粒子径を得た。次いで、無機水酸化物で系内のpHを弱酸性から中性の範囲に調整後、当該樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱し、合一融合させた。反応終了後、十分な洗浄、固液分離、乾燥の工程を経て所望のトナー粒子を得た。
(結晶性ポリエステル樹脂の合成)
フラスコに、セバシン酸1982質量部、エチレングリコール1490質量部、イソフタル酸ジメチル5−スルホン酸ナトリウム59.2質量部、およびジブチルスズオキシド0.8質量部を、窒素雰囲気下、180℃で5時間反応させ、続いて、減圧下220℃で縮合反応を行った。途中ポリマをサンプリングし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)にて分子量がMw(重量平均分子量)=20,000、Mn(数平均分子量)=8,500になったところで、反応を止め、結晶性ポリエステル樹脂を得た。溶解温度(DSCのピーク温度)は71℃であった。NMRによるイソフタル酸ジメチル5−スルホン酸ナトリウムの含有量の測定結果は1モル%(対全構成成分)であった。
(結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液)
結晶性ポリエステル樹脂160質量部と、酢酸エチル233質量部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.1質量部とを用意し、これらをセパラブルフラスコに入れ、75℃で加熱し、スリーワンモータ(新東科学株式会社製)により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373質量部を加え、転相乳化させ、10℃/分の降温速度にて40℃まで降温し、脱溶剤することにより結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(固形分濃度:30質量%)を得た。
(非結晶性ポリエステル樹脂の合成)
加熱乾燥した二口フラスコに、テレフタル酸ジメチル200質量部と、1,3−ブタンジオール85質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3質量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気とし、機械撹拌にて180rpmで5時間撹拌を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、非結晶性ポリエステル樹脂(芳香族ジカルボン酸由来構成成分の含有量が100構成モル%である酸由来構成成分と、脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が100構成モル%であるアルコール由来構成成分と、を含む非結晶性ポリエステル樹脂)240質量部を合成した。
GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)の結果、得られた非結晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は9,500であり、数平均分子量(Mn)は4,200であった。また、非結晶性ポリエステル樹脂(1)のDSCスペクトルを、前述の示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱量変化が観察された。階段状の吸熱量変化の中間点をとったガラス転移温度は55℃であった。なお、樹脂酸価は18mgKOH/gであった。
(非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液)
非結晶性ポリエステル樹脂(1)160質量部と、酢酸エチル233質量部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.1質量部とを用意し、これらをセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモータ(新東科学株式会社)により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373質量部を加え、転相乳化させ、1℃/分の降温速度にて40℃まで降温し脱溶剤することにより非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(固形分濃度:30質量%)を得た。
(着色剤分散液の調製)
シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化製) 45質量部
イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬製) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、体積平均粒径170nmの着色剤分散液を得た。
また、シアン顔料の分散液調整方法と同様にして、イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、大日精化製)、マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド269、大日精化製)、ブラック顔料(C.I.ピグメントブラック7、三菱化学製)を用いてそれぞれの着色剤分散液を得た。
(離型剤分散液の調製)
アルキルワックスFNP0085(溶解温度86℃、日本精蝋社製) 45質量部
カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬製) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を90℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザで分散処理し、体積平均粒径200nm、固形分量24.3質量%の離型剤分散液を得た。
(トナーの調製)
結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液 15質量部
非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液 80質量部
着色剤分散液 18質量部
離型剤分散液 18質量部
以上の成分に固形分量16質量%となるようイオン交換水を添加し、丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合、分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.36質量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら47℃まで加熱した。47℃で60分保持した後、ここに非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を緩やかに46質量部追加した。その後、0.55モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、3.5時間保持した。この時の粒子径を測定したところ体積平均粒径は2.3μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.24、数平均粒度分布指標GSDpは1.30であった。上記処理終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これをさらに40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで撹拌、洗浄した。これをさらに5回繰り返し、濾液の電気伝導度が9.7μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo4Aろ紙を用いて固液分離を行い、トナー粒子を得た。
(トナー粒子の表面改質)
得られたトナー粒子100質量部をイオン交換水900質量部に加えスラリー(固形分濃度10質量%)を調製した。そのスラリーに1N塩酸を添加してpH4に調整して、10分間撹拌した後、遠心分離により固液分離を行って上澄み液を捨て、余分な酸を除去した。その後、イオン交換水900質量部を添加してリスラリー化を行い、このスラリーにポリエチレンイミン70000(和光純薬社製、数平均分子量70,000)の10質量%水溶液10質量部を添加し、60分撹拌した。この後、遠心分離により固液分離を行い、上澄み液を捨て、余分なポリエチレンイミンを除去した。洗浄液の導電率が20μS/cm以下となるまで、イオン交換水添加、10分の撹拌、遠心分離を繰り返した。
次に、遠心分離後に得られたウエットケーキにイオン交換水を添加して固形分濃度10質量%に調整後、このスラリーに塩化ビニル樹脂のエマルジョンであるビニブラン985(日信化学工業社製、塩化ビニル率100モル%、数平均分子量25,000)の10質量%水溶液13.6質量部を添加して60分撹拌した。その後、アドバンテック社製、No4Aを用いてろ過し、イオン交換水で洗浄した後、35℃で24時間乾燥し(水分率0.5質量%)、解砕して、表面改質トナー粒子を得た。
(現像液作製)

得られた表面改質トナー粒子100質量部をジメチルシリコーン(信越シリコーン社製、20cs)233質量部と混合して液体現像液を作製した。
<実施例2>
ビニブラン985の10質量%水溶液の使用量を0.54質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。
<実施例3>
ビニブラン985の10質量%水溶液の使用量を27.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。
<実施例4>
ポリエチレンイミン70000の代わりに、ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル社製、PAA−25、上記式(1)において、m=440、重量平均分子量25,000)の10質量%水溶液10質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。
<実施例5>
ポリエチレンイミン70000の代わりに、ポリビニルアミン(三菱レイヨン社製、PVAM−0595B、重量平均分子量100,000)の10質量%水溶液10質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。
<実施例6>
ビニブラン985の代わりに、塩化ビニル/アクリル共重合体であるビニブラン701FE65(日信化学工業社製、塩化ビニル率65モル%、数平均分子量38,000)の10質量%水溶液13.6質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。
<実施例7>
ビニブラン985の代わりに、塩化ビニル/アクリル共重合体であるビニブラン701FE50(日信化学工業社製、塩化ビニル率50モル%、数平均分子量35,000)の10質量%水溶液13.6質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。
<実施例8>
ビニブラン985の代わりに、塩化ビニル/アクリル共重合体であるビニブラン701FE35(日信化学工業社製、塩化ビニル率35モル%、数平均分子量33,000)の10質量%水溶液13.6質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。
<実施例9>
ビニブラン985の10質量%水溶液の使用量を0.27質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。
<実施例10>
ビニブラン985の10質量%水溶液の使用量を29.9質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。
<実施例11>
非結晶性ポリエステル樹脂を以下のように合成した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物618質量部(11.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物162質量部(2.5モル)、テレフタル酸241質量部(9.0モル)、イソフタル酸13質量部(0.5モル)、アジピン酸12質量部(0.5モル)、および縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3質量部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5kPa以上2.5kPa以下の減圧下で反応させ、酸価が2mgKOH/g以下になった時点で175℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸9質量部(0.3モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。ガラス転移温度、重量平均分子量、樹脂酸価を実施例1と同様に測定した。ガラス転移温度は58℃、重量平均分子量は4800、樹脂酸価は1mgKOH/gであった。
<実施例12>
非結晶性ポリエステル樹脂を以下のように合成した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。反応槽中に、エチレングリコール601質量部(20.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル470質量部(5.0モル)、イソフタル酸402質量部(5.0モル)、および縮合触媒としてチタン酸テトライソプロポキシド3質量部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら6時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するエチレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5kPa以上2.5kPa以下の減圧下で2時間反応させた。回収されたエチレングリコールは277質量部(9.2モル)であった。その後、175℃まで冷却し、無水トリメリット酸43質量部(0.5モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。ガラス転移温度、重量平均分子量、樹脂酸価を実施例1と同様に測定した。ガラス転移温度は57℃、重量平均分子量は5800、樹脂酸価は30mgKOH/gであった。
<実施例13>
非結晶性ポリエステル樹脂を以下のように合成した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物721質量部(10.4モル)、テレフタル酸353質量部(10.0モル)、および縮合触媒としてジブチルスズオキシド3質量部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら10時間反応させ、次いで0.5kPa以上2.5kPa以下の減圧下で反応させた。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。ガラス転移温度、重量平均分子量、樹脂酸価を実施例1と同様に測定した。ガラス転移温度は55℃、重量平均分子量は5,000、樹脂酸価は0.5mgKOH/gであった。
<実施例14>
非結晶性ポリエステル樹脂を以下のように合成した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物599質量部(11.5モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物150質量部(2.5モル)、テレフタル酸174質量部(7.0モル)、イソフタル酸25質量部(1.0モル)、アジピン酸44質量部(2.0モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3質量部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5kPa以上2.5kPa以下の減圧下で反応させ、酸価が2mgKOH/g以下になった時点で170℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸60質量部(2.1モル)を仕込み、170℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。ガラス転移温度、重量平均分子量、樹脂酸価を実施例1と同様に測定した。ガラス転移温度は56℃、重量平均分子量は4300、樹脂酸価は35mgKOH/gであった。
<実施例15>
キャリア液として、ジメチルシリコーンの代わりに、脂肪族炭化水素を主成分とする脂肪族系炭化水素溶媒(エクソン化学社製、アイソパーL)233質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。
<比較例1>
ポリエチレンイミンおよび塩化ビニル樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子、液体現像剤を得た。
<比較例2>
塩化ビニル樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子、液体現像剤を得た。
<比較例3>
ポリエチレンイミンを用いなかった以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子、液体現像剤を得た。
<比較例4>
結着樹脂として、ポリエステル樹脂の代わりに、塩化ビニル樹脂(日信化学社製、TA3、数平均分子量24,000)を用い、表面改質剤として、塩化ビニル樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子、液体現像剤を得た。
[ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、塩化ビニル系樹脂の検出]
表面改質トナー粒子におけるポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミンの検出は赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR−4100)を用いて行った。ポリエチレンイミンの検出は、赤外吸収スペクトルにおいて、NHの吸収が3500−3300cm−1、1640−1550cm−1、NHの吸収が3450−3300cm−1付近に吸収特性があり、ポリアリルアミンやポリビニルアミンと比較するとその強度が高い。ポリアリルアミンの検出は、赤外吸収スペクトルにおいて、CHの吸収が2890cm−1、CHの吸収が2930cm−1、2850cm−1、NHの吸収が3500−3300cm−1、1640−1550cm−1付近に吸収特性がある。ポリビニルアミンの検出は、赤外吸収スペクトルにおいて、CHOの吸収が1740−1720cm−1、NHの吸収が3500−3300cm−1、1640−1550cm−1付近に吸収特性がある。塩化ビニル系樹脂の検出は、赤外吸収スペクトルにおいて、CHとCHの吸収が2800−3000cm−1付近に、これ以外に1430、1330、1250、1100、960cm−1付近に吸収特性がある。また、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、塩化ビニル系樹脂がトナー粒子の表面に存在することは、蛍光染料であるフルオレセインイソチオシアネート(FITC)をトナー表面に存在するポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、塩化ビニル系樹脂に吸着させ、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所製、UV−1800型)を用いて確認した。
なお、表面改質トナー粒子は液体現像剤から以下の方法により採取することができる。液体現像剤を遠心分離(3000rpm×5分)により沈降させ、上澄み液をデカンテーションによって取り除き、トナー粒子を取り出す。採取したトナー粒子をアルコール類で洗浄することによりトナー粒子表面のポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、塩化ビニル系樹脂を脱離させ、その洗浄後の液を高速液体クロマトグラフィ(東ソー製、HLC−8320GPC型)を用いて、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、塩化ビニル系樹脂の重量平均分子量Mwを求め、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所製、UV−1800型)を用いて、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、塩化ビニル系樹脂の含有量を求め、JIS K0070の方法により、電位差滴定装置(平沼産業製、COM−1700型)を用いて、結着樹脂の酸価を求める。
(評価)
[現像性]
図1に示すような画像形成装置を用いて、画像形成装置の現像ローラ上に各実施例および各比較例で得られた液体現像剤による液体現像剤層を形成した。次に、現像ローラの表面電位を300Vとし、感光体の表面電位を500Vでほぼ均一に帯電させ、感光体に露光を行い、感光体表面の帯電を減衰させ、表面電位を50Vとした。液体現像剤層が感光体と現像ローラとの間を通過した後の、現像ローラ上のトナー粒子と、感光体上のトナー粒子とをテープで採取した。採取に用いた各テープを記録紙上に貼り付け、それぞれのトナー粒子の濃度を測定した。測定後、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度を、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度と現像ローラ上で採取されたトナー粒子の濃度との総和で除した数値に100を掛けた値を現像効率として求め、以下の5段階の基準に従い評価した。結果を表1に示す。
A:現像効率が96%以上であり、現像効率に特に優れる
B:現像効率が91%以上96%未満であり、現像効率に優れる
C:現像効率が85%以上91%未満であり、実用上問題のない
D:現像効率が55%以上85%未満であり、現像効率に劣る
E:現像効率が55%よりも小さく、現像効率に特に劣る
[正帯電性]
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤について、マイクロチック・ニチオン社製の「顕微鏡式レーザーゼータ電位計」ZC−3000を用いて電位差を測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。測定は、液体現像剤を希釈溶媒で希釈して、□10mmの透明セルに入れ、電極間9mmで300Vの電圧をかけると同時に顕微鏡でセル内の粒子の移動速度を観察することで、移動速度を算出して、その値からゼータ電位を求めることにより行った。結果を表1に示す。
A:電位差が+100mV以上(非常に良い)
B:電位差が+85mV以上、+100mV未満(良い)
C:電位差が+70mV以上、+85mV未満(普通)
D:電位差が+50mV以上、+70mV未満(やや悪い)
E:電位差が+50mV未満(非常に悪い)
[分散安定性]
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤10mLを試験管(口径12mm、長さ120mm)に入れ、14日間静置後の沈降した深さを測定し、以下の5段階の基準に従って評価した。結果を表1に示す。
A:沈降した深さが0mm
B:沈降した深さが0mmよりも大きく、2mm以下
C:沈降した深さが2mmよりも大きく、4mm以下
D:沈降した深さが4mmよりも大きく、6mm以下
E:沈降した深さが6mmよりも大きい
[リサイクル性]
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤を用いて、それぞれ、図1に示すような画像形成装置により、予め定めたパターンの画像を50,000枚の記録紙(富士ゼロックス社製、上質紙C)上に形成した。この画像形成は、各色の液体現像剤タンクから対応する各色の撹拌装置への液体現像剤の供給を停止した状態で行った。50,000枚の記録紙への画像形成を行った後、固形分含有率が30質量%となるように、撹拌装置に回収されたトナー粒子を絶縁性液体で希釈することにより再生した液体現像剤(リサイクル液体現像剤)について、以下の方法で試験を行い、リサイクルについての適応性(リサイクル性)を評価した。
各実施例および各比較例についてのリサイクル液体現像剤10mLを試験管(口径12mm、長さ120mm)に入れ、10日間静置後の沈降した深さを測定し、以下の5段階の基準に従って評価した。結果を表1に示す。
A:沈降した深さが1mm以下
B:沈降した深さが1mmよりも大きく、3mm以下
C:沈降した深さが3mmよりも大きく、5mm以下
D:沈降した深さが5mmよりも大きく、7mm以下
E:沈降した深さが7mmよりも大きい
[フィルム密着性 テープ剥離試験]
旧JIS K 5400に従って、フィルム密着性を評価した。PETフィルム(東洋紡製、P2241、フィルム厚20μm)とOPPフィルム(東レ製、VM−PET 1011HG−AS、フィルム厚12μm)に、各実施例および各比較例で得られた液体現像剤を用いて、それぞれ図1に示すような画像形成装置により、予め定めたパターンの画像を印刷した後、印字面にカッターナイフを用いて素地に達する11本の切り傷(切り傷の間隔は1mm)をつけ、100個の碁盤目を作製した。次に、この碁盤目部分にセロテープ(セロハン粘着テープ 24mm幅 JIS Z1522)を、消しゴムを使用して強く圧着させたのち、テープの端を45°の角度で一気に引き剥がして、下記基準で評価した。
結果を表1に示す。
A:どの格子の目もはがれがない。
B:カットの交差点における塗膜の小さなはがれあり。はがれが全碁盤目の5%を明確に上回らない。
C:塗膜がカットの線に沿って、交差点においてはがれている。はがれが全碁盤目の5%以上15%未満。
D:塗膜がカットの線に沿って部分的、全面的にはがれている。はがれが全碁盤目の15%以上35%未満。
E:塗膜がカットの線に沿って部分的、全面的に大はがれを生じている。はがれが全碁盤目の35%以上65%未満。
このように、実施例の液体現像剤は、比較例の液体現像剤に比較して、得られた定着画像のフィルム密着性に優れていた。特に、実施例の液体現像剤は、ポリエチレンイミンのみで表面改質されたトナー粒子を含む比較例2の液体現像剤に比較して、得られた定着画像のフィルム密着性に優れていた。
10 感光体(像保持体)、12 露光装置(潜像形成手段)、14 現像装置(現像手段)、14a 現像ローラ(現像剤保持体)、14b 現像剤収納容器、16 中間転写体(転写手段)、18 クリーナ(清掃手段)、20 帯電装置(帯電手段)、24 液体現像剤、26 トナー像、28 転写定着ローラ(転写手段、定着手段)、29 定着画像、30 用紙(記録媒体)、100 画像形成装置。

Claims (6)

  1. キャリア液と、
    少なくとも結着樹脂を含み、ポリアルキレンイミン類、ポリアリルアミン類、およびポリビニルアミン類のうちの少なくとも1つにより表面改質され、さらに塩化ビニル樹脂および塩化ビニル共重合体のうち少なくとも1つである塩化ビニル系樹脂により表面改質されたトナー粒子と、
    を含有することを特徴とする液体現像剤。
  2. 前記塩化ビニル系樹脂が、塩化ビニル樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の液体現像剤。
  3. 前記キャリア液が、炭化水素系溶媒を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の液体現像剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体現像剤が収容されていることを特徴とする現像剤カートリッジ。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体現像剤が収容されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 像保持体と、
    前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、現像剤保持体の表面に保持された請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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