JP2016023732A - ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速回転に対応可能な保持器を備えたころ軸受を提供する。
【解決手段】ころ軸受1は、内輪2と、外輪3と、複数のころ4と、環状の保持器5とを備えている。保持器5は、円環部10、及び、この円環部10から軸方向に延びかつ周方向に間隔をあけて設けられている複数の柱部20を有し、周方向隣り合う柱部20の間にころ4を保持するポケット7が形成されている。柱部20は、ころ4の外周面と対向するポケット面24に、保持器5をころ案内させるためのころ案内面を有している。柱部20は、更に、径方向外側に、遠心力によって柱部20が径方向外側へ変形すると外輪3の内周面50に摺接する摺接部21を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】ころ軸受1は、内輪2と、外輪3と、複数のころ4と、環状の保持器5とを備えている。保持器5は、円環部10、及び、この円環部10から軸方向に延びかつ周方向に間隔をあけて設けられている複数の柱部20を有し、周方向隣り合う柱部20の間にころ4を保持するポケット7が形成されている。柱部20は、ころ4の外周面と対向するポケット面24に、保持器5をころ案内させるためのころ案内面を有している。柱部20は、更に、径方向外側に、遠心力によって柱部20が径方向外側へ変形すると外輪3の内周面50に摺接する摺接部21を有している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ころ軸受に関する。
例えば、工作機械において、主軸を回転可能に支持する軸受部には、高い加工精度を維持するために高い剛性が必要とされており、そのためにころ軸受(複列ころ軸受)が用いられている。さらに近年では、主軸の高速回転化が要求されていることから、高速回転に対応することのできるころ軸受が求められている。
ころ軸受は、内輪、外輪、これら内輪と外輪との間に設けられている複数のころ、及び、複数のころを周方向に間隔をあけて保持する環状の保持器を備えている。保持器には、櫛型に構成されているものがあり(例えば、特許文献1参照)、図9に示すように、その保持器90は、円環部91、及び、この円環部91の一側面から軸方向に延びかつ周方向に間隔をあけて設けられている複数の柱部92を有している。この保持器90では、図10に示すように、周方向で隣り合う柱部92,92の間が、ころ95を保持するポケット93となる。
また、柱部92は、ころ95の外周面96と対向するポケット面94の径方向外側と径方向内側に、ころ案内面97,98を有しており、ころ案内面97,98がころ95の外周面96に径方向から接触可能となることで、この保持器90は径方向について位置決めされる構成となる。
櫛型の保持器の場合、図9に示すように、柱部92が円環部91から軸方向に突出している片持ち梁状であるため、柱部92の先部側は、ある程度自由に変形できる。なお、図9では、変形前の柱部92を実線で示しており、変形後の柱部92を破線で示している。
このため、ころ軸受が回転した場合、特に高速回転した場合、遠心力により柱部92が径方向外側(図9の場合、上側)に弾性変形する。柱部92が径方向外側に大きく変形すると、柱部92の先部92a側の径方向内側の部分(前記ころ案内面98)が局部的に、ころ95の外周面96に強く接触する。
このため、ころ軸受が回転した場合、特に高速回転した場合、遠心力により柱部92が径方向外側(図9の場合、上側)に弾性変形する。柱部92が径方向外側に大きく変形すると、柱部92の先部92a側の径方向内側の部分(前記ころ案内面98)が局部的に、ころ95の外周面96に強く接触する。
ころ軸受の潤滑性を確保するためにころ95の外周面96等には潤滑油が付着しているが、柱部92の径方向内側の部分(前記ころ案内面98)が局部的に、ころ95の外周面96に強く接触すると、この接触部分において油膜切れが生じ、異常発熱や異常摩耗が発生するおそれがある。つまり、従来の櫛型の保持器は、高速回転に不向きである。
そこで、本発明は、高速回転に対応可能な保持器を備えたころ軸受を提供することを目的とする。
本発明は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられている複数のころと、複数の前記ころを周方向に間隔をあけて保持する環状の保持器とを備え、前記保持器は、円環部、及び、当該円環部の一側面から軸方向に延びかつ周方向に間隔をあけて設けられている複数の柱部を有し、周方向隣り合う当該柱部の間に前記ころを保持するポケットが形成され、前記柱部は、前記ころの外周面と対向するポケット面に、前記保持器をころ案内させるためのころ案内面を有し、前記柱部は、更に、径方向外側に、遠心力によって当該柱部が径方向外側へ変形すると前記外輪の内周面に摺接する摺接部を有している。
本発明によれば、ころ軸受が回転し遠心力によって柱部が変形しても、その柱部の径方向外側の摺接部が外輪の内周面に摺接することで、それ以上の柱部の変形が抑制される。このため、柱部のポケット面(ころ案内面)が局部的にころと強く接触するのを防ぐことができ、ころと柱部との間における異常発熱や異常摩耗の発生を防止することが可能となる。すなわち、ころ軸受を高速回転の条件でも使用することが可能となる。
また、前記外輪の内周面は、前記ころが転走する転走面と、前記ころと非接触である非転走面とを有し、前記摺接部は、前記非転走面と摺接する位置に設けられているのが好ましい。
外輪の内周面にはころ軸受の潤滑性を確保するための潤滑油が付着しており、摺接部が外輪の内周面に摺接するとその潤滑油が掻き取られる(剥がれる)おそれがあるが、前記構成によれば、摺接部は、ころが転走する転走面ではなく、ころと非接触である非転走面に摺接する。このため、転走面の油膜切れを生じさせず、ころ軸受の潤滑性能を低下させない。
外輪の内周面にはころ軸受の潤滑性を確保するための潤滑油が付着しており、摺接部が外輪の内周面に摺接するとその潤滑油が掻き取られる(剥がれる)おそれがあるが、前記構成によれば、摺接部は、ころが転走する転走面ではなく、ころと非接触である非転走面に摺接する。このため、転走面の油膜切れを生じさせず、ころ軸受の潤滑性能を低下させない。
また、非回転状態において、前記摺接部と前記外輪の内周面との間には隙間が形成されており、当該隙間を、前記柱部の前記ポケット面の径方向内側部と前記ころの外周面との間の径方向についての隙間よりも小さくするのが好ましい。
この場合、ころ軸受が回転し遠心力によって柱部が変形しても、柱部のポケット面の径方向内側部をころの外周面に接触させないで、摺接部を外輪の内周面に接触させることが可能となる。
この場合、ころ軸受が回転し遠心力によって柱部が変形しても、柱部のポケット面の径方向内側部をころの外周面に接触させないで、摺接部を外輪の内周面に接触させることが可能となる。
本発明によれば、ころ軸受が回転し遠心力によって柱部が変形しても、柱部のポケット面(ころ案内面)が局部的にころと強く接触するのを防ぐことができ、ころと柱部との間における異常発熱や異常摩耗の発生を防止することが可能となる。すなわち、ころ軸受を高速回転の条件でも使用することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のころ軸受の実施の一形態を示す縦断面図である。図1に示すころ軸受は、複列ころ軸受1であり、複数のころ4からなるころ列が、二列設けられている。
なお、この複列ころ軸受1は、例えば、汎用旋盤、CNC旋盤、マシニングセンタ、フライス盤等の工作機械の主軸6を支持する軸受として使用され、高速回転する主軸6を高い剛性で支持することが可能である。主軸6は、低速回転する場合や、高速回転する場合があり、また、低速又は停止状態から高速回転状態(最大回転数)へと急加速することがある。
図1は、本発明のころ軸受の実施の一形態を示す縦断面図である。図1に示すころ軸受は、複列ころ軸受1であり、複数のころ4からなるころ列が、二列設けられている。
なお、この複列ころ軸受1は、例えば、汎用旋盤、CNC旋盤、マシニングセンタ、フライス盤等の工作機械の主軸6を支持する軸受として使用され、高速回転する主軸6を高い剛性で支持することが可能である。主軸6は、低速回転する場合や、高速回転する場合があり、また、低速又は停止状態から高速回転状態(最大回転数)へと急加速することがある。
複列ころ軸受1は、内輪2と、外輪3と、これら内輪2と外輪3との間に設けられている複数のころ4と、これら複数のころ4を周方向に間隔をあけて保持する環状の保持器5,5とを備えている。この複列ころ軸受1には、独立した二つの保持器5,5が組み込まれている。ころ4は、複列状態(二列状態)で配置されており、保持器5,5それぞれは、列毎に独立して複数のころ4を保持している。ころ4の外周面は円筒形であり、この複列ころ軸受1は複列円筒ころ軸受である。
内輪2の外周面には、二列に配置されたころ4が転走する転走面55,55が形成されており、外輪3の内周面50の一部が、二列のころ4が転走する転走面51,51となる。外輪3が工作機械の軸受ハウジング8の内周面に取り付けられており、内輪2に主軸6が挿入されている。複列ころ軸受1はグリース潤滑されており、内輪2、外輪3、ころ4及び保持器5にはグリース(潤滑油)が付着している。
一方側のころ列用の保持器5と他方側のころ列用の保持器5とは、複列ころ軸受1への取り付け方向が異なるが、同じものである。これら保持器5,5は、軸方向に並べて組み込まれており、各保持器5の軸方向に向く一側面11が、複列ころ軸受1の軸方向外側へ向くように配置され、保持器5,5の対向する環状の背面14,14同士が接触可能となる。そして、保持器5,5それぞれは独立して各ころ列と共に回転することができる。
保持器5は、いわゆる櫛型の保持器であり、円環形状である円環部10と、複数の柱部20とを備えている。複数の柱部20は、周方向に間隔(等間隔)をあけて設けられており、各柱部20は、円環部10の一側面11から軸方向に向かって延びて設けられている。このため、柱部20は、円環部10から保持器5の中心線に平行な方向へ突出した片持ち梁状となる。なお、一側面11の軸方向反対側の面(他側面)が前記背面14となる。背面14は、円環状の滑らかな面により構成されており、軸方向の隣りに設置される別の保持器5の背面14と接触可能となる合わせ面となる。
本実施形態の保持器5は、樹脂製(合成樹脂製)であり、射出成型により製造され、円環部10と柱部20とは一体に成型されている。保持器5の材質は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)や、ポリアミドとすることができる。なお、保持器5は、黄銅等による金属製であってもよい。
図2は、保持器5の一部を保持器5の軸方向から見た断面図である。この図2では、ころ4を二点鎖線で示している。柱部20は周方向一定間隔おきに設けられており、円環部10の一側面11側であって周方向隣り合う柱部20,20の間に、ころ4を保持するポケット7が形成されている。各ポケット7は、周方向に隣接する柱部20,20の互いに対向するポケット面24,24と、円環部10の一側面11とで囲まれた空間からなる。ポケット面24,24は、ころ4の外周面34に対向する面である。各ポケット7は、軸方向外側に向かって開口しており、保持器5は全体として櫛歯形状となる。
本実施形態の複列ころ軸受1は、保持器5がころ4により案内されるころ案内の軸受である。つまり、柱部20は、ポケット面24の径方向外側の領域に、ころ4の外周面34と隙間を有して対向するころ案内面42を有しており、また、ポケット面24の径方向内側の領域に、ころ4の外周面34と隙間を有して対向するころ案内面43を有している。径方向外側のころ案内面42が、ころ4の外周面34に径方向外側から接触することができ、また、径方向内側のころ案内面43が、ころ4の外周面34に径方向内側から接触することができ、これによって、保持器5は径方向についての位置決めがされる。このように、径方向外側及び内側のころ案内面42,43は、保持器5をころ案内させるための面となっている。
図3は、保持器5及びその周囲を拡大して示す縦断面図である。図4は、図3に示す保持器5及びその周囲を軸方向から見た図である。この保持器5の柱部20は、更に、外輪3の内周面50に摺接可能となる摺接部21を有している。本実施形態では、図3に示すように、柱部20は、ころ4よりも軸方向に長い柱状の本体部20aを有しており、本体部20aの先部20bの径方向外側に摺接部21が設けられている。
なお、本体部20aの径方向寸法Bは、円環部10の径方向寸法bと同じに(又は小さく)設定されており、本体部20aの径方向外側面22と外輪3の内周面50との間には、空間部Kが形成されている。なお、図示しないが、本体部20aの径方向寸法Bは先部20bに向かうにしたがって小さくなっていてもよい。そして、この本体部20aから摺接部21が外輪3の内周面50側へ突出するようにして設けられている。
なお、本体部20aの径方向寸法Bは、円環部10の径方向寸法bと同じに(又は小さく)設定されており、本体部20aの径方向外側面22と外輪3の内周面50との間には、空間部Kが形成されている。なお、図示しないが、本体部20aの径方向寸法Bは先部20bに向かうにしたがって小さくなっていてもよい。そして、この本体部20aから摺接部21が外輪3の内周面50側へ突出するようにして設けられている。
ここで、外輪3に対して内輪2が回転すると、ころ4及び保持器5も回転する。この保持器5では、前記のとおり、柱部20が円環部10から突出した片持ち梁状であるため、保持器5の回転により遠心力が作用すると、柱部20(本体部20a)は先部20b側が基部20c側よりも径方向外側に大きく変形しようとする。すると、先部20bの径方向外側に設けられている摺接部21が、外輪3の内周面50に摺接する。
このように、遠心力により柱部20が変形すると(変形しようとすると)、先部20bに設けられている摺接部21が、外輪3の内周面50に接触することで、それ以上の柱部20の変形が抑制される。
このように、遠心力により柱部20が変形すると(変形しようとすると)、先部20bに設けられている摺接部21が、外輪3の内周面50に接触することで、それ以上の柱部20の変形が抑制される。
ここで、本実施形態では、複列ころ軸受1が回転していない状態(非回転状態)において、摺接部21と外輪3の内周面50との間には隙間eが形成されている(図4参照)。また、ころ4のピッチ円45の中心と保持器5の中心とが一致した状態で、柱部20のポケット面24の径方向内側部25(前記ころ案内面43)と、ころ4の外周面34との間には、前記ピッチ円45の径方向についての隙間fが形成されている。
そして、ころ4のピッチ円45の中心と保持器5の中心とが一致した状態で、摺接部21と外輪3との間の前記隙間eは、ポケット面24の径方向内側部25(前記ころ案内面43)ところ4の外周面34との間の前記ピッチ円45の径方向についての前記隙間fよりも小さくなるように設定されている(e<f)。なお、前記ピッチ円45の径方向は、保持器5の径方向、内輪2の径方向、及び外輪3の径方向と一致し、更に、複列ころ軸受1の径方向とも一致する。
そして、ころ4のピッチ円45の中心と保持器5の中心とが一致した状態で、摺接部21と外輪3との間の前記隙間eは、ポケット面24の径方向内側部25(前記ころ案内面43)ところ4の外周面34との間の前記ピッチ円45の径方向についての前記隙間fよりも小さくなるように設定されている(e<f)。なお、前記ピッチ円45の径方向は、保持器5の径方向、内輪2の径方向、及び外輪3の径方向と一致し、更に、複列ころ軸受1の径方向とも一致する。
このように構成された保持器5によれば、複列ころ軸受1が回転し、遠心力によって柱部20が変形しても、その柱部20の径方向外側の摺接部21が外輪3の内周面50に摺接することで、それ以上の柱部20の変形が抑制される。このため、柱部20のポケット面24の径方向内側部25(ころ案内面43)が局部的に、ころ4と強く接触するのを防ぐことができる。この結果、ころ4と柱部20との間における異常発熱や異常摩耗の発生を防止することが可能となる。
特に、本実施形態では、非回転状態で、摺接部21と外輪3との間の前記隙間eは、ポケット面24ところ4との間の前記ピッチ円45の径方向についての前記隙間fよりも小さくなる(e<f)ように設定されている。このため、遠心力によって柱部20が変形しても、柱部20のポケット面24の径方向内側部25(ころ案内面43)を、ころ4の外周面34に接触させないで、摺接部21を外輪3の内周面50に接触させることが可能となる。なお、摺接部21は、遠心力により柱部20(先部20b)が前記隙間eの寸法以上について変形した場合にのみ外輪3の内周面50に接触する。
さらに、本実施形態において(図3参照)、外輪3の内周面50は、ころ4が接触して転走する転走面51の他に、ころ4と非接触である非転走面52を有している。そこで、摺接部21は、非転走面52と摺接する位置に設けられている。なお、外輪3の内周面50は、すべて仕上げ加工(研磨加工)が施されている。
外輪3の内周面50には、複列ころ軸受1の潤滑性を確保するための潤滑油が付着しているが、摺接部21が、外輪3の内周面50において、転走面51以外の領域(非転走面52)と接触することから、複列ころ軸受1の潤滑性能を低下させない。すなわち、摺接部21が外輪3の内周面50に摺接すると、内周面50に付着している潤滑油が掻き取られる(剥がれる)おそれがあるが、摺接部21は、ころ4が転走する転走面51ではなく、ころ4と非接触である非転走面52に摺接するため、転走面51の油膜切れを生じさせず、複列ころ軸受1の潤滑性能を低下させない。
図4に示す摺接部21では、その径方向外側面21aの形状は、保持器5の中心線を中心とする円弧面であり、摺接部21の径方向外側面21aと外輪3の内周面50との間には、非回転状態で径方向及び軸方向に均一の隙間eが形成される。この形状によれば、摺接部21は外輪3の内周面50と面接触することができ、接触面圧を小さくすることが可能となる。
図5と図6は、摺接部21の変形例を説明する図である。図5と図6に示す形態では、摺接部21は、径方向外側面22から突出して設けられている突起部21bからなる。図5と図6に示すように、この突起部21bの輪郭形状は、外輪3の内周面50よりも曲率半径の小さい球面の一部の形状を有しており、突起部21bは、外輪3の内周面50に点接触可能となっている。なお、図5に示す形態の場合、突起部21bからなる摺接部21と外輪3の内周面50との間の前記隙間eは、突起部21bの頂部と外輪3の内周面50との間の隙間となる。
図7と図8は、摺接部21の更に別の変形例を説明する図である。図7と図8に示す形態では、摺接部21は、径方向外側面22から突出して設けられている突起部21cからなるが、その輪郭形状(断面の輪郭形状)は、図7に示すように、保持器5の軸方向から見て、三角形となる部分を有している。さらに、図8に示すように、周方向から見た場合においても、この突起部21cの輪郭形状は、三角形状となる部分を有しており、突起部21cは、外輪3の内周面50に点接触可能となっている。なお、突起部21cの頂点は、丸み形状を有しているのが好ましい。この図7に示す形態の場合、突起部21cからなる摺接部21と外輪3の内周面50との間の前記隙間eは、突起部21cの頂部と外輪3の内周面50との間の隙間となる。
これら図5及び図7に示す各形態の場合、摺接部21の体積が小さくなることから重量も小さくなり、図4に示す形態と比べて遠心力の影響を小さくすることができる。また、図5及び図7に示す形態の場合、遠心力により柱部20が変形すると、摺接部21が外輪3の内周面50と点接触することから、摺動抵抗を小さくすることが可能となる。
以上、前記各形態の複列ころ軸受1によれば(例えば図2参照)、保持器5の柱部20は、ころ4の外周面34と対向するポケット面24に、この保持器5をころ案内させるためのころ案内面42,43を有している。つまり、この複列ころ軸受1は、ころ案内のための構成を基本構成として有している。さらに、この複列ころ軸受1では、柱部20の自由端側である先部20bの径方向外側に摺接部21を有しており、この摺接部21は、遠心力によって柱部20が径方向外側へ変形すると、外輪3の内周面50に摺接する。つまり、複列ころ軸受1が回転すると(特に高速回転すると)、保持器5は、柱部20の先部20b側において、外輪3によって案内される外輪案内としての機能も有することができる。
このように、複列ころ軸受1が回転し遠心力によって柱部20が変形しても、摺接部21が、柱部20の変形を抑制するガイド部材として機能し、柱部20のポケット面24が局部的にころ4と強く接触するのを防ぐことができる。このため、ころ4と柱部20との間における異常発熱や異常摩耗の発生を防止することが可能となる。この結果、低昇温であり、高速回転の環境下でも使用可能となり、また、軸受寿命を長くすることができる。
また、本発明の複列ころ軸受1は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。例えば、前記実施形態では、複列円筒ころ軸受の場合について説明したが、自動調心ころ軸受であってもよい。更には、ころ列を二列有するころ軸受の場合について説明したが、ころ列が一列のころ軸受であってもよい。
また、複列ころ軸受1は、工作機械の主軸6の支持以外の用途であってもよい。
また、複列ころ軸受1は、工作機械の主軸6の支持以外の用途であってもよい。
1:複列ころ軸受(ころ軸受) 2:内輪 3:外輪
4:ころ 5:保持器 7:ポケット
10:円環部 11:一側面 20:柱部
21:摺接部 24:ポケット面 25:径方向内側部
34:外周面 42:ころ案内面 43:ころ案内面
50:内周面 51:転走面 52:非転走面
隙間:e 隙間:f
4:ころ 5:保持器 7:ポケット
10:円環部 11:一側面 20:柱部
21:摺接部 24:ポケット面 25:径方向内側部
34:外周面 42:ころ案内面 43:ころ案内面
50:内周面 51:転走面 52:非転走面
隙間:e 隙間:f
Claims (3)
- 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられている複数のころと、複数の前記ころを周方向に間隔をあけて保持する環状の保持器と、を備え、
前記保持器は、円環部、及び、当該円環部の一側面から軸方向に延びかつ周方向に間隔をあけて設けられている複数の柱部を有し、周方向隣り合う当該柱部の間に前記ころを保持するポケットが形成され、
前記柱部は、前記ころの外周面と対向するポケット面に、前記保持器をころ案内させるためのころ案内面を有し、
前記柱部は、更に、径方向外側に、遠心力によって当該柱部が径方向外側へ変形すると前記外輪の内周面に摺接する摺接部を有している
ことを特徴とするころ軸受。 - 前記外輪の内周面は、前記ころが転走する転走面と、前記ころと非接触である非転走面とを有し、
前記摺接部は、前記非転走面と摺接する位置に設けられている請求項1に記載のころ軸受。 - 非回転状態において、前記摺接部と前記外輪の内周面との間には隙間が形成されており、当該隙間は、前記柱部の前記ポケット面の径方向内側部と前記ころの外周面との間の径方向についての隙間よりも小さい請求項1又は2に記載のころ軸受。
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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---|---|---|---|
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2014
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