JP2016023152A - 抗体依存性細胞傷害活性の強さに基づき抗体を分離する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(A)Fc結合性タンパク質を不溶性担体に固定化して得られる吸着剤を用いた、抗体依存性細胞傷害活性の強さに基づき抗体を分離する方法。
(1)配列番号1の18番目のメチオニンがアルギニンに置換
(2)配列番号1の27番目のバリンがグルタミン酸、グリシン、リジン、スレオニン、アラニン、アルギニンのいずれかに置換
(3)配列番号1の29番目のフェニルアラニンがロイシン、イソロイシン、セリンのいずれかに置換
(4)配列番号1の30番目のロイシンがグルタミンに置換
(5)配列番号1の35番目のチロシンがアスパラギン酸、グリシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、セリン、スレオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、バリン、トリプトファンのいずれかに置換
(6)配列番号1の39番目のグルタミン酸がグリシンに置換
(7)配列番号1の46番目のリジンがイソロイシンまたはスレオニンに置換
(8)配列番号1の48番目のグルタミンがアルギニンまたはヒスチジンまたはロイシンに置換
(9)配列番号1の50番目のアラニンがヒスチジンに置換
(10)配列番号1の51番目のチロシンがアスパラギン酸またはヒスチジンまたはセリンに置換
(11)配列番号1の54番目のグルタミン酸がアスパラギン酸またはグリシンに置換
(12)配列番号1の56番目のアスパラギンがスレオニンに置換
(13)配列番号1の59番目のグルタミンがアルギニンに置換
(14)配列番号1の61番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(15)配列番号1の64番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
(16)配列番号1の65番目のセリンがアルギニンに置換
(17)配列番号1の71番目のアラニンがアスパラギン酸に置換
(18)配列番号1の75番目のフェニルアラニンがロイシン、セリン、チロシンのいずれかに置換
(19)配列番号1の77番目のアスパラギン酸がアスパラギンまたはグリシンに置換
(20)配列番号1の78番目のアラニンがセリンに置換
(21)配列番号1の82番目のアスパラギン酸がグルタミン酸またはバリンに置換
(22)配列番号1の90番目のグルタミンがアルギニンに置換
(23)配列番号1の92番目のアスパラギンがセリンに置換
(24)配列番号1の93番目のロイシンがアルギニンまたはメチオニンに置換
(25)配列番号1の95番目のスレオニンがアラニンまたはセリンに置換
(26)配列番号1の110番目のロイシンがグルタミンに置換
(27)配列番号1の112番目のグルタミンがロイシンに置換
(28)配列番号1の115番目のアルギニンがグルタミンに置換
(29)配列番号1の116番目のトリプトファンがロイシンに置換
(30)配列番号1の117番目のバリンがグルタミン酸に置換
(31)配列番号1の118番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(32)配列番号1の119番目のリジンがアスパラギンまたはグルタミン酸に置換
(33)配列番号1の120番目のグルタミン酸がバリンに置換
(34)配列番号1の121番目のグルタミン酸がアスパラギン酸、グリシン、リジン、アルギニン、ヒスチジンのいずれかに置換
(35)配列番号1の140番目のスレオニンがイソロイシンに置換
(36)配列番号1の142番目のロイシンがグルタミンに置換
(37)配列番号1の151番目のフェニルアラニンがセリンまたはチロシンに置換
(38)配列番号1の155番目のセリンがスレオニンに置換
(39)配列番号1の163番目のスレオニンがセリンに置換
(40)配列番号1の167番目のセリンがグリシンに置換
(41)配列番号1の169番目のセリンがグリシンに置換
(42)配列番号1の171番目のフェニルアラニンがセリンまたはチロシンに置換
(43)配列番号1の175番目のロイシンがアルギニンに置換
(44)配列番号1の180番目のアスパラギンがリジン、セリン、イソロイシンのいずれかに置換
(45)配列番号1の185番目のスレオニンがセリンに置換
(46)配列番号1の188番目のイソロイシンがバリンに置換
(47)配列番号1の192番目のグルタミンがリジンに置換
(E)ヒトFcγRIIIaが配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において少なくとも以下の(5)のアミノ酸置換が生じたポリペプチドである、(D)に記載の方法。
(5)配列番号1の35番目のチロシンがアスパラギン酸、グリシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、セリン、スレオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、バリン、トリプトファンのいずれかに置換
(F)ヒトFcγRIIIaが、配列番号27、配列番号31、配列番号33、配列番号37、配列番号41、配列番号43、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号55、配列番号59、配列番号63、配列番号67のいずれかに記載のアミノ酸配列のうち少なくとも33番目から208番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチドである、(E)に記載の方法。
(48)配列番号1の66番目のロイシンがヒスチジンまたはアルギニンに置換
(49)配列番号1の147番目のグリシンがアスパラギン酸に置換
(50)配列番号1の158番目のチロシンがヒスチジンに置換
(51)配列番号1の176番目のバリンがフェニルアラニンに置換
(I)ヒトFcγRIIIaが、以下の(48)から(51)のうちから選ばれる1つ以上のアミノ酸置換が生じたポリペプチドである、(C)に記載の方法。
(48)配列番号1の66番目のロイシンがヒスチジンまたはアルギニンに置換
(49)配列番号1の147番目のグリシンがアスパラギン酸に置換
(50)配列番号1の158番目のチロシンがヒスチジンに置換
(51)配列番号1の176番目のバリンがフェニルアラニンに置換
(J)Fc結合性タンパク質が配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含むポリペプチドである、(B)に記載の方法。
(i)配列番号1に記載の野生型Fc結合性タンパク質のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目から192番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチドや、
(ii)配列番号1に記載の野生型Fc結合性タンパク質のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸のうちの一つ以上が他のアミノ酸に置換、挿入または欠失したポリペプチド
があげられる。前記(ii)の一態様としては、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において以下の(1)から(47)のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換が生じている、ポリペプチド(特願2013−202245号、特願2014−133181号)があげられる。
(1)配列番号1の18番目のメチオニンがアルギニンに置換
(2)配列番号1の27番目のバリンがグルタミン酸、グリシン、リジン、スレオニン、アラニン、アルギニンのいずれかに置換
(3)配列番号1の29番目のフェニルアラニンがロイシン、イソロイシン、セリンのいずれかに置換
(4)配列番号1の30番目のロイシンがグルタミンに置換
(5)配列番号1の35番目のチロシンがアスパラギン酸、グリシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、セリン、スレオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、バリン、トリプトファンのいずれかに置換
(6)配列番号1の39番目のグルタミン酸がグリシンに置換
(7)配列番号1の46番目のリジンがイソロイシンまたはスレオニンに置換
(8)配列番号1の48番目のグルタミンがアルギニンまたはヒスチジンまたはロイシンに置換
(9)配列番号1の50番目のアラニンがヒスチジンに置換
(10)配列番号1の51番目のチロシンがアスパラギン酸またはヒスチジンまたはセリンに置換
(11)配列番号1の54番目のグルタミン酸がアスパラギン酸またはグリシンに置換
(12)配列番号1の56番目のアスパラギンがスレオニンに置換
(13)配列番号1の59番目のグルタミンがアルギニンに置換
(14)配列番号1の61番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(15)配列番号1の64番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
(16)配列番号1の65番目のセリンがアルギニンに置換
(17)配列番号1の71番目のアラニンがアスパラギン酸に置換
(18)配列番号1の75番目のフェニルアラニンがロイシン、セリン、チロシンのいずれかに置換
(19)配列番号1の77番目のアスパラギン酸がアスパラギンまたはグリシンに置換
(20)配列番号1の78番目のアラニンがセリンに置換
(21)配列番号1の82番目のアスパラギン酸がグルタミン酸またはバリンに置換
(22)配列番号1の90番目のグルタミンがアルギニンに置換
(23)配列番号1の92番目のアスパラギンがセリンに置換
(24)配列番号1の93番目のロイシンがアルギニンまたはメチオニンに置換
(25)配列番号1の95番目のスレオニンがアラニンまたはセリンに置換
(26)配列番号1の110番目のロイシンがグルタミンに置換
(27)配列番号1の112番目のグルタミンがロイシンに置換
(28)配列番号1の115番目のアルギニンがグルタミンに置換
(29)配列番号1の116番目のトリプトファンがロイシンに置換
(30)配列番号1の117番目のバリンがグルタミン酸に置換
(31)配列番号1の118番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(32)配列番号1の119番目のリジンがアスパラギンまたはグルタミン酸に置換
(33)配列番号1の120番目のグルタミン酸がバリンに置換
(34)配列番号1の121番目のグルタミン酸がアスパラギン酸、グリシン、リジン、アルギニン、ヒスチジンのいずれかに置換(35)配列番号1の140番目のスレオニンがイソロイシンに置換
(36)配列番号1の142番目のロイシンがグルタミンに置換
(37)配列番号1の151番目のフェニルアラニンがセリンまたはチロシンに置換
(38)配列番号1の155番目のセリンがスレオニンに置換
(39)配列番号1の163番目のスレオニンがセリンに置換
(40)配列番号1の167番目のセリンがグリシンに置換
(41)配列番号1の169番目のセリンがグリシンに置換
(42)配列番号1の171番目のフェニルアラニンがセリンまたはチロシンに置換
(43)配列番号1の175番目のロイシンがアルギニンに置換
(44)配列番号1の180番目のアスパラギンがリジン、セリン、イソロイシンのいずれかに置換
(45)配列番号1の185番目のスレオニンがセリンに置換
(46)配列番号1の188番目のイソロイシンがバリンに置換
(47)配列番号1の192番目のグルタミンがリジンに置換
なお野生型Fc結合性タンパク質には、以下の(48)から(51)から選ばれる1つ以上のアミノ酸置換が生じた変異体が知られているが、当該変異体も前記(ii)の一態様といえる。
(48)配列番号1の66番目のロイシンがヒスチジンまたはアルギニンに置換
(49)配列番号1の147番目のグリシンがアスパラギン酸に置換
(50)配列番号1の158番目のチロシンがヒスチジンに置換
(51)配列番号1の176番目のバリンがフェニルアラニンに置換
また前記(ii)の別の態様として、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、
前記(1)から(47)のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換、および
前記(48)から(51)のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換
が生じている、ポリペプチド(特願2014−133181号)があげられる。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、Val27Glu(この表記は、配列番号1の27番目のバリンがグルタミン酸に置換されていることを表す、以下同様)およびTyr35Asnのアミノ酸置換が生じているFc結合性タンパク質(配列番号27に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質)
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、Val27Glu、Tyr35AsnおよびPhe75Leuのアミノ酸置換が生じているFc結合性タンパク質(配列番号31に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質)
(c)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、Val27Glu、Tyr35Asn、Phe75LeuおよびGlu121Glyのアミノ酸置換が生じているFc結合性タンパク質(配列番号33に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質)
(d)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、Val27Glu、Tyr35Asn、Phe75Leu、Asn92SerおよびGlu121Glyのアミノ酸置換が生じているFc結合性タンパク質(配列番号37に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質)
(e)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、Val27Glu、Tyr35Asn、Glu54Asp、Phe75LeuおよびGlu121Glyのアミノ酸置換が生じているFc結合性タンパク質(配列番号41に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質)
(f)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、Val27Glu、Tyr35Asn、Glu54Asp、Phe75Leu、Asn92SerおよびGlu121Glyのアミノ酸置換が生じているFc結合性タンパク質(配列番号43に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質)
(g)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、Val27Glu、Tyr35Asn、Glu54Asp、Phe75Leu、Glu120ValおよびGlu121Glyのアミノ酸置換が生じているFc結合性タンパク質(配列番号47に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質)
(h)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、Val27Glu、Tyr35Asn、Glu54Asp、Phe75Leu、Asn92Ser、Glu120ValおよびGlu121Glyのアミノ酸置換が生じているFc結合性タンパク質(配列番号49に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質)。
(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、Val27Glu、Phe29Ile、Tyr35Asn、Phe75Leu、Asn92Ser、Val117GluおよびGlu121Glyのアミノ酸置換が生じているFc結合性タンパク質(配列番号51に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質)。
(j)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、Val27Glu、Phe29Ile、Tyr35Asn、Phe75Leu、Asn92Ser、Val117Glu、Glu121GlyおよびPhe171Serのアミノ酸置換が生じているFc結合性タンパク質(配列番号55に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質)。
(k)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、Val27Glu、Phe29Ile、Tyr35Asn、Gln48Arg、Phe75Leu、Asn92Ser、Val117Glu、Glu121GlyおよびPhe171Serのアミノ酸置換が生じているFc結合性タンパク質(配列番号59に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質)。
(l)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、Val27Glu、Phe29Ile、Tyr35Asn、Gln48Arg、Tyr51Ser、Phe75Leu、Asn92Ser、Val117Glu、Glu121GlyおよびPhe171Serのアミノ酸置換が生じているFc結合性タンパク質(配列番号63に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質)。
(m)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、Val27Glu、Phe29Ile、Tyr35Asn、Gln48Arg、Tyr51Ser、Phe75Leu、Gln90Arg、Asn92Ser、Val117Glu、Glu121GlyおよびPhe171Serのアミノ酸置換が生じているFc結合性タンパク質(配列番号67に記載のアミノ酸配列のうち33番目から208番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質)。
(1)配列番号1に記載のヒトFcγRIIIaアミノ酸配列のうち、17番目のグリシン(Gly)から192番目のグルタミン(Gln)までのアミノ酸配列を基に、DNAworks法(Nucleic Acids Res.,30,e43,2002)を用いて、コドンをヒト型から大腸菌型に変換したヌクレオチド配列を設計した。設計したヌクレオチド配列を配列番号2に示す。
(2)配列番号2に記載の配列を含むポリヌクレオチドを作製するために、配列番号3から20に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを合成し、前記オリゴヌクレオチドを用いて、下記に示す二段階PCRを行なった。
(2−1)一段階目のPCRは、表1に示す組成の反応液を調製し、当該反応液を98℃で5分熱処理後、98℃で10秒間の第1ステップ、62℃で5秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を10サイクル繰り返すことでポリヌクレオチドを合成し、これをFcRp1とした。なお表1中のDNAミックスとは、配列番号3から20に記載の配列からなる18種類のオリゴヌクレオチドをそれぞれ一定量サンプリングし混合した溶液を意味する。
(4)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンンを含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン製)を用いて、発現ベクターpET−eFcRを抽出した。
(5)(4)で作製した発現ベクターpET−eFcRのうち、ヒトFcγRIIIaをコードするポリヌクレオチドおよびその周辺の領域について、チェーンターミネータ法に基づくBig Dye Terminator Cycle Sequencing FS read Reaction kit(ライフサイエンス製)を用いてサイクルシークエンス反応に供し、全自動DNAシークエンサーABI Prism 3700 DNA analyzer(ライフサイエンス製)にてヌクレオチド配列を解析した。なお当該解析の際、配列番号23(5’−TAATACGACTCACTATAGGG−3’)または配列番号24(5’−TATGCTAGTTATTGCTCAG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをシークエンス用プライマーとして使用した。
実施例1で作製したFc結合性タンパク質発現ベクターpET−eFcRのうち、Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド部分に、エラープローンPCRによりランダムに変異導入を施した。
(1)鋳型として実施例1で作製したpET−eFcRを用いてエラープローンPCRを行なった。エラープローンPCRは、表3に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を95℃で2分間熱処理し、95℃で30秒間の第1ステップ、60℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を35サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。前記エラープローンPCRによりFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドに良好に変異が導入され、その平均変異導入率は1.26%であった。
(3)ライゲーション反応終了後、反応液をエレクトロポレーション法により大腸菌BL21(DE3)株に導入し、50μg/mLのカナマイシンを含むLBプレート培地で培養(37℃で18時間)後、プレート上に形成したコロニーをランダム変異体ライブラリーとした。
(1)実施例2で作製したランダム変異体ライブラリー(形質転換体)を、50μg/mLのカナマイシンを含む2YT液体培地(ペプトン16g/L、酵母エキス10g/L、塩化ナトリウム5g/L)200μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、30℃で一晩振とう培養した。
(2)培養後、5μLの培養液を500μLの0.05mMのIPTG(isopropyl−β−D−thiogalactopyranoside)、0.3%のグリシンおよび50μg/mLのカナマイシンを含む2YT液体培地に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養後、遠心操作によって得られた培養上清を150mMの塩化ナトリウムを含む20mMのトリス塩酸緩衝液(pH7.4)で2倍に希釈した。希釈した溶液を45℃で10分間熱処理を行なった。
(4)(3)の熱処理を行なったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性と、(3)の熱処理を行なわなかったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性を、それぞれ下記に示すELISA法にて測定し、熱処理を行なった時のFc結合性タンパク質の抗体結合活性を、熱処理を行なわなかったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで、残存活性を算出した。
(4−1)ヒト抗体であるガンマグロブリン製剤(化学及血清療法研究所製)を、96穴マイクロプレートのウェルに1μg/wellで固定化し(4℃で18時間)、固定化終了後、2%(w/v)のSKIM MILK(BD製)および150mMの塩化ナトリウムを含んだ20mMのトリス塩酸緩衝液(pH7.4)によりブロッキングした。
(4−2)洗浄緩衝液(0.05%[w/v]のTween 20、150mMのNaClを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4))で洗浄後、抗体結合活性を評価するFc結合性タンパク質を含む溶液を添加し、Fc結合性タンパク質と固定化ガンマグロブリンとを反応させた(30℃で1時間)。
(4−3)反応終了後、前記洗浄緩衝液で洗浄し、100ng/mLに希釈したAnti−6His抗体(Bethyl Laboratories製)を100μL/wellで添加した。
(4−4)30℃で1時間反応させ、前記洗浄緩衝液で洗浄した後、TMB Peroxidase Substrate(KPL製)を50μL/wellで添加した。1Mのリン酸を50μL/wellで添加することで発色を止め、マイクロプレートリーダー(テカン製)にて450nmの吸光度を測定した。
(5)(4)の方法で約2700株の形質転換体を評価し、その中から野生型(アミノ酸置換のない)Fc結合性タンパク質と比較して熱安定性が向上したFc結合性タンパク質を発現する形質転換体を選択した。前記選択した形質転換体を培養し、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン製)を用いて発現ベクターを調製した。
(6)得られた発現ベクターに挿入されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域の配列を実施例1(5)の記載と同様の方法によりヌクレオチド配列を解析し、アミノ酸の変異箇所を特定した。
実施例3で判明した、Fc結合性タンパク質の熱安定性向上に関与するアミノ酸置換を集積することで、さらなる安定性向上を図った。置換アミノ酸の集積は、主にPCRを用いて行ない、以下の(a)から(g)に示す7種類のFc結合性タンパク質を作製した。
(a)FcR2に対し、さらにPhe75Leuのアミノ酸置換を行なったFcR3
(b)FcR2に対し、さらにPhe75LeuおよびGlu121Glyのアミノ酸置換を行なったFcR4
(c)FcR4に対し、さらにAsn92Serのアミノ酸置換を行なったFcR5a
(d)FcR4に対し、さらにGlu54Aspのアミノ酸置換を行なったFcR5b
(e)FcR5aに対し、さらにGlu54Aspのアミノ酸置換を行なったFcR6a
(f)FcR5bに対し、さらにGlu120Valのアミノ酸置換を行なったFcR6b
(g)FcR6aに対し、さらにGlu120Valのアミノ酸置換を行なったFcR7
以下、各Fc結合性タンパク質の作製方法を詳細に説明する。
実施例3で明らかになった、熱安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Val27Glu、Tyr35AsnおよびPhe75Leuを選択し、それらの置換を野生型のFc結合性タンパク質に集積したFcR3を作製した。具体的には、FcR2をコードするポリヌクレオチドに対してPhe75Leuを生じさせる変異導入を行なうことにより、FcR3を作製した。
(a−1)実施例3で取得した、pET−FcR2を鋳型としてPCRを実施した。当該PCRにおけるプライマーは、配列番号24および配列番号29(5’−AGCCAGGCGAGCAGCTACCTTATTGATGCG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いた。PCRは、表5に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を98℃で5分間熱処理し、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。増幅したPCR産物をアガロースゲル電気泳動に供し、そのゲルからQIAquick Gel Extraction kit(キアゲン製)を用いて精製した。精製したPCR産物をm3Fとした。
(a−3)(a−1)および(a−2)で得られた2種類のPCR産物(m3F、m3R)を混合し、表6に示す組成の反応液を調製した。当該反応液を98℃で5分間熱処理後、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を5サイクル行なうPCRを行ない、m3Fとm3Rを連結したPCR産物m3pを得た。
(a−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して3箇所アミノ酸置換したポリペプチドである、FcR3をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpET−FcR3を得た。
(a−7)pET−FcR3のヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。
実施例3で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Val27Glu、Tyr35Asn、Phe75LeuおよびGlu121Glyを選択し、それらの置換を野生型のFc結合性タンパク質に集積したFcR4を作製した。具体的には、FcR2をコードするポリヌクレオチドに対してPhe75LeuおよびGlu121Glyを生じさせる変異導入を行なうことにより、FcR4を作製した。
(b−1)(a−2)と同様の方法でPCR産物m3Rを得た。また実施例3で取得した、Ala71Asp、Phe75LeuおよびGlu121Glyのアミノ酸置換を含んだFc結合性タンパク質(表4)を発現するプラスミドを鋳型とし、配列番号24および配列番号29に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、(a−1)と同様の方法でPCRを行なうことでPCR産物m4Rを得た。
(b−2)(b−1)により得られた2種類のPCR産物(m3R、m4R)を混合後、(a−3)と同様の方法にてPCRを行ない、m3Rとm4Rを連結した。得られたPCR産物をm4pとした。
(b−3)(b−2)で得られたPCR産物m4pを鋳型とし、配列番号23および配列番号24に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、(a−4)と同様の方法でPCRを行なった。これによりFcR4をコードするポリヌクレオチドを作製した。
(b−4)(b−3)で得られたポリヌクレオチドを精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(b−5)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して4箇所アミノ酸置換したポリペプチドである、FcR4をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpET−FcR4を得た。
(b−6)pET−FcR4のヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。
実施例3で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Val27Glu、Tyr35Asn、Phe75Leu、Asn92SerおよびGlu121Glyを選択し、それらの置換を野生型のFc結合性タンパク質に集積したFcR5aを作製した。具体的には、(b)で作製したFcR4をコードするポリヌクレオチドに対してAsn92Serを生じさせる変異導入を行なうことにより、FcR5aを作製した。
(c−1)(b)で作製した、pET−FcR4を鋳型とし、配列番号22および配列番号35(5’−GAATATCGTTGCCAGACCAGCCTGAGCACC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm5aFとした。
(c−2)(b)で作製したpET−FcR4を鋳型とし、配列番号21および配列番号36(5’−GATCGCTCAGGGTGCTCAGGCTGGTCTGGC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm5aRとした。
(c−3)(c−1)および(c−2)で得られた2種類のPCR産物(m5aF、m5aR)を混合後、(a−3)と同様の方法にてPCRを行ない、m5aFとm5aRを連結した。得られたPCR産物をm5apとした。
(c−4)(c−3)で得られたPCR産物m5apを鋳型とし、配列番号21および配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、(a−4)と同様の方法でPCRを行なった。これによりFcR5aをコードするポリヌクレオチドを作製した。
(c−5)(c−4)で得られたポリヌクレオチドを精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(c−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して5箇所アミノ酸置換したポリペプチドである、FcR5aをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpET−FcR5aを得た。
(c−7)pET−FcR5aのヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。
実施例3で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Val27Glu、Tyr35Asn、Glu54Asp、Phe75LeuおよびGlu121Glyを選択し、それらの置換を野生型のFc結合性タンパク質に集積したFcR5bを作製した。具体的には、(b)で作製したFcR4をコードするポリヌクレオチドに対してGlu54Aspを生じさせる変異導入を行なうことにより、FcR5bを作製した。
(d−1)(b)で作製した、pET−FcR4を鋳型とし、配列番号22および配列番号39(5’−CAGGGCGCGTATAGCCCGGATGATAACAGC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm5bFとした。
(d−2)(b)で作製したpET−FcR4を鋳型とし、配列番号21および配列番号40(5’−CACTGGGTGCTGTTATCATCCGGGCTATAC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm5bRとした。
(d−3)(d−1)および(d−2)で得られた2種類のPCR産物(m5bF、m5bR)を混合後、(a−3)と同様の方法でPCRを行ない、m5bFとm5bRを連結した。得られたPCR産物をm5bpとした。
(d−4)(d−3)で得られたPCR産物m5bpを鋳型とし、配列番号21および配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、(a−6)と同様の方法でPCRを行なった。これによりFcR5bをコードするポリヌクレオチドを作製した。
(d−5)(d−4)で得られたポリヌクレオチドを精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、これを用いて大腸菌E.coli BL21(DE3)株を形質転換した。
(d−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して5箇所アミノ酸置換したポリペプチドである、FcR5bをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpET−FcR5bを得た。
(d−7)pET−FcR5bのヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。
(e)FcR6a
実施例3で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Val27Glu、Tyr35Asn、Glu54Asp、Phe75Leu、Asn92SerおよびGlu121Glyを選択し、それらの置換を野生型のFc結合性タンパク質に集積したFcR6aを作製した。具体的には、(c)で作製したFcR5aをコードするポリヌクレオチドに対してGlu54Aspを生じさせる変異導入を行なうことにより、FcR6aを作製した。
(e−1)(c)で作製したpET−FcR5aを鋳型とし、配列番号22および配列番号39に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm6aFとした。
(e−2)(b)で作製したpET−FcR5aを鋳型とし、配列番号21および配列番号40に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm6aRとした。
(e−3)(e−1)および(e−2)で得られた2種類のPCR産物(m6aF、m6aR)を混合後、(a−3)と同様の方法でPCRを行ない、m6aFとm6aRを連結した。得られたPCR産物をm6apとした。
(e−4)(e−3)で得られたPCR産物m6apを鋳型とし、配列番号21および配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、(a−4)と同様の方法でPCRを行なった。これによりFcR6aをコードするポリヌクレオチドを作製した。
(e−5)(e−4)で得られたポリヌクレオチドを精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(e−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して6箇所アミノ酸置換したポリペプチドである、FcR6aをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpET−FcR6aを得た。
(e−7)pET−FcR6aのヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。
実施例3で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Val27Glu、Tyr35Asn、Glu54Asp、Phe75Leu、Glu120ValおよびGlu121Glyを選択し、それらの置換を野生型のFc結合性タンパク質に集積したFcR6bを作製した。具体的には、(d)で作製したFcR5bをコードするポリヌクレオチドに対してGlu120Valを生じさせる変異導入を行なうことにより、FcR6bを作製した。
(f−1)(d)で作製したpET−FcR5bを鋳型とし、配列番号22および配列番号45(5’−GTGTTCAAAGTGGGGGATCCGATTCATCTG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm6bFとした。
(f−2)(d)で作製したpET−FcR5bを鋳型とし、配列番号21および配列番号46(5’−AATCGGATCCCCCACTTTGAACACCCACCG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm6bRとした。
(f−3)(f−1)および(f−2)で得られた2種類のPCR産物(m6bF、m6bR)を混合後、(a−3)と同様の方法でPCRを行ない、m6bFとm6bRを連結した。得られたPCR産物をm6bpとした。
(f−4)(f−3)で得られたPCR産物m6bpを鋳型とし、配列番号21および配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−4)と同様の方法でPCRを行なった。これによりFcR6bをコードするポリヌクレオチドを作製した。
(f−5)(f−4)で得られたポリヌクレオチドを精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(f−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して6箇所アミノ酸置換したポリペプチドである、FcR6bをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpET−FcR6bを得た。
(f−7)pET−FcR6bのヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。
実施例3で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Val27Glu、Tyr35Asn、Glu54Asp、Phe75Leu、Asn92Ser、Glu120ValおよびGlu121Glyを選択し、それらの置換を野生型のFc結合性タンパク質に集積したFcR7を作製した。具体的には、(e)で作製したFcR6aをコードするポリヌクレオチドに対してGlu120Valを生じさせる変異導入を行なうことにより、FcR7を作製した。
(g−1)(e)で作製したpET−FcR6aを鋳型とし、配列番号22および配列番号45に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm7Fとした。
(g−2)(e)で作製したpET−FcR6aを鋳型とし、配列番号21および配列番号46に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm7Rとした。
(g−3)(g−1)および(g−2)で得られた2種類のPCR産物(m7F、m7R)を混合後、(a−3)と同様の方法にてPCRを行ない、m7Fとm7Rを連結した。得られたPCR産物をm7pとした。
(g−4)(g−3)で得られたPCR産物m7pを鋳型とし、配列番号21および配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−4)と同様のPCRを行なった。これによりFcR7をコードするポリヌクレオチドを作製した。
(g−5)(g−4)で得られたポリヌクレオチドを精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(g−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して7箇所アミノ酸置換したポリペプチドである、FcR7をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpET−FcR7を得た。
(g−7)pET−FcR7のヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。
実施例4(c)で作製したFcR5aをコードするポリヌクレオチド部分に、エラープローンPCRによりランダムに変異導入を施した。
(1)鋳型として実施例4(c)で作製した発現ベクターpET−FcR5aを用いてエラープローンPCRを行なった。エラープローンPCRは、鋳型にpET−FcR5aを用いた以外は表3に示す組成と同様の反応液を調製後、当該反応液を95℃で2分間熱処理し、95℃で30秒間の第1ステップ、60℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を35サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。この反応によりFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドに良好に変異が導入された。
(2)(1)で得られたPCR産物を精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ同制限酵素で消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションした。
(3)ライゲーション反応終了後、反応液をエレクトロポレーション法により大腸菌BL21(DE3)株に導入し、50μg/mLのカナマイシンを含むLBプレート培地で培養後、プレート上に形成したコロニーをランダム変異ライブラリーとした。
(1)実施例5で作製したランダム変異ライブラリーを実施例3(1)から(2)に記載の方法で培養することでFc結合性タンパク質を発現させた。
(2)培養後、遠心操作によって得られた、Fc結合性タンパク質を含む培養上清を純水にて20倍に希釈し、更に0.1Mの炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.0)で20倍に希釈した。その後、希釈した溶液を40℃で15分間熱処理を行ない、1Mのトリス緩衝液(pH7.0)でpHを中性付近に戻した。
(3)(2)の熱処理を行なったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性と、(2)の熱処理を行なわなかったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性を、実施例3(4)に記載のELISA法にて測定し、熱処理を行なったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性を、熱処理を行なわなかったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで、残存活性を算出した。
(4)(3)の方法で約2700株の形質転換体を評価し、その中からFcR5aと比較して熱安定性が向上したFc結合性タンパク質を発現する形質転換体を選択した。選択した形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含む2YT液体培地にて培養し、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン製)を用いて発現ベクターを調製した。
(5)得られた発現ベクターに挿入されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域の配列を実施例1(5)に記載の方法によりヌクレオチド配列を解析し、アミノ酸の変異箇所を特定した。
実施例6で判明した、Fc結合性タンパク質の熱安定性向上に関与するアミノ酸置換をFcR7aに集積することで、さらなる安定性向上を行った。置換アミノ酸の集積は、主にPCRを用いて行ない、以下の(i)および(iv)に示す4種類のFc結合性タンパク質を作製した。
(i)FcR7aに対し、さらにPhe171Serのアミノ酸置換を行なったFcR8
(ii)FcR8に対し、さらにGln48Argのアミノ酸置換を行ったFcR9
(iii)FcR8に対し、さらにGln48ArgおよびTyr51Serのアミノ酸置換を行ったFcR10
(iv)FcR10に対し、さらにGln90Argのアミノ酸置換を行ったFcR11
以下に各改良Fc結合性タンパク質の作製方法を詳細に説明する。
(i−1)実施例6で取得した、pET−FcR7aを鋳型としてPCRを実施した。当該PCRにおけるプライマーは、配列番号23および配列番号53(5’−ACCAGCCCACGGCAGGAATAGCTGCCGCTG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いた。PCRは、表5に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を98℃で5分間熱処理し、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で5分間熱処理することで行なった。増幅したPCR産物をアガロースゲル電気泳動に供し、そのゲルからQIAquick Gel Extraction kit(キアゲン製)を用いて精製した。精製したPCR産物をm8Fとした。
(i−2)実施例6で取得した、pET−FcR7aを鋳型とし、配列番号54(5’−GACAGCGGCAGCTATTCCTGCCGTGGGCTG−3’)および配列番号24に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(i−1)と同様に行なった。精製したPCR産物をm8Rとした。
(i−3)(i−1)および(i−2)で得られた2種類のPCR産物(m8F、m8R)を混合し、表6に示す組成の反応液を調製した。当該反応液を98℃で5分間熱処理後、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を5サイクル行なうPCRを行ない、m8Fとm8Rを連結したPCR産物m8pを得た。
(i−4)(i−3)で得られたPCR産物m8pを鋳型とし、配列番号23および配列番号24に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCRを行なった。PCRは、表7に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を98℃で5分間熱処理し、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。これによりFcR7aに1箇所アミノ酸置換を導入したFcR8をコードするポリヌクレオチドを作製した。
(i−5)(i−4)で得られたポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、これを用いて大腸菌 BL21(DE3)株を形質転換した。
(i−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して8箇所アミノ酸置換したポリペプチドである、FcR8をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpET−FcR8を得た。
(i−7)pET−FcR8のヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。
実施例6で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Gln48Argを選択し、このアミノ酸置換をFcR8に導入したFcR9を作製した。
(ii−1)(i)で作製した、pET−FcR8を鋳型とし、配列番号24および配列番号57(5’−GTGACCCTTAAATGCCGGGGCGCGTATAGC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(i−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm9Fとした。
(ii−2)(i)で作製したpET−FcR8を鋳型とし、配列番号23および配列番号58(5’−CCGGGCTATACGCGCCCCGGCATTTAAGGG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(i−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm9Rとした。
(ii−3)(ii−1)および(ii−2)で得られた2種類のPCR産物(m9F、m9R)を混合後、(i−3)と同様の方法にてPCRを行ない、m9Fとm9Rを連結した。得られたPCR産物をm9pとした。
(ii−4)(ii−3)で得られたPCR産物m9pを鋳型とし、配列番号21および配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、(i−4)と同様の方法でPCRを行なった。これによりFcR9をコードするポリヌクレオチドを作製した。
(ii−5)(ii−4)で得られたポリヌクレオチドを精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、これを用いて大腸菌 BL21(DE3)株を形質転換した。
(ii−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して9箇所アミノ酸置換したポリペプチドである、FcR9をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpET−FcR9を得た。
(ii−7)pET−FcR9のヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。
実施例6で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Gln48ArgおよびTyr51Serを選択し、このアミノ酸置換をFcR8に導入したFcR10を作製した。
(iii−1)(i)で作製した、pET−FcR8を鋳型とし、配列番号22および配列番号61(5’−TGCCGGGGCGCGTCTAGCCCGGAAGATAAC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(i−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm10Fとした。
(iii−2)(i)で作製したpET−FcR8を鋳型とし、配列番号21および配列番号62(5’−GCTAGACGCGCCCCGGCATTTAAGGGTCAC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(i−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm10Rとした。
(iii−3)(iii−1)および(iii−2)で得られた2種類のPCR産物(m10F、m10R)を混合後、(i−3)と同様の方法にてPCRを行ない、m10Fとm10Rを連結した。得られたPCR産物をm10pとした。
(iii−4)(iii−3)で得られたPCR産物m10pを鋳型とし、配列番号21および配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、(i−4)と同様の方法でPCRを行なった。これによりFcR10をコードするポリヌクレオチドを作製した。
(iii−5)(iii−4)で得られたポリヌクレオチドを精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、これを用いて大腸菌 BL21(DE3)株を形質転換した。
(iii−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して10箇所アミノ酸置換したポリペプチドである、FcR10をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpET−FcR10を得た。
(iii−7)pET−FcR10のヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。
実施例6で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Gln90Argを選択し、このアミノ酸置換をFcR10に導入したFcR11を作製した。
(iv−1)(iii)で作製した、pET−FcR10を鋳型とし、配列番号22および配列番号65(5’−GGCGAATATCGTTGCCGGACCAGCCTGAGC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(i−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm11Fとした。
(iv−2)(iii)で作製したpET−FcR10を鋳型とし、配列番号21および配列番号66(5’−GGTGCTCAGGCTGGTCCGGCAACGATATTC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(i−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物をm11Rとした。
(iv−3)(iv−1)および(iv−2)で得られた2種類のPCR産物(m11F、m11R)を混合後、(i−3)と同様の方法にてPCRを行ない、m11Fとm11Rを連結した。得られたPCR産物をm11pとした。
(iv−4)(iv−3)で得られたPCR産物m11pを鋳型とし、配列番号21および配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、(i−4)と同様の方法でPCRを行なった。これによりFcR11をコードするポリヌクレオチドを作製した。
(iv−5)(iv−4)で得られたポリヌクレオチドを精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、これを用いて大腸菌 BL21(DE3)株を形質転換した。
(iv−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して11箇所アミノ酸置換したポリペプチドである、FcR11をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpET−FcR11を得た。
(iv−7)pET−FcR11のヌクレオチド配列の解析を、実施例1(5)と同様の方法で行なった。
実施例3で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換のうち、配列番号1の27番目のバリン(Val)、35番目のチロシン(Tyr)および121番目のグルタミン酸(Glu)について、他のアミノ酸に置換したFc結合性タンパク質を、それぞれ下記の方法で作製した。
(A−1)実施例1で作製したpET−eFcRを鋳型とし、配列番号24および配列番号69(5’−CTGCCGAAAGCGNNKGTGTTTCTGGAACCG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、実施例4(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物を27pFとした。
(A−2)実施例1で作製したpET−eFcRを鋳型とし、配列番号23および配列番号70(5’−TTCCAGAAACACMNNCGCTTTCGGCAGATC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、実施例4(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物を27pRとした。
(A−3)(A−1)および(A−2)で得られた2種類のPCR産物(27pF、27pR)を混合後、実施例4(a−3)と同様の方法でPCRを行ない、27pFと27pRを連結した。得られたPCR産物を27pとした。
(A−4)(A−3)で得られたPCR産物27pを鋳型とし、配列番号23および配列番号24に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、実施例4(a−4)と同様の方法でPCRを行なった。これにより配列番号1の27番目のバリンを任意のアミノ酸に置換したFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを作製した。
(A−5)(A−4)で得られたポリヌクレオチドを精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(A−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出し、実施例1(5)と同様の方法でヌクレオチド配列解析を行なった。
(B−1)実施例1で作製したpET−eFcRを鋳型とし、配列番号24および配列番号71(5’−AACCGCAGTGGNNKCGCGTGCTGGAGAAAG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、実施例4(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物を35pFとした。
(B−2)実施例1で作製したpET−eFcRを鋳型とし、配列番号23および配列番号72(5’−AGCACGCGMNNCCACTGCGGTTCCAGAAAC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、実施例4(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物を35pRとした。
(B−3)(B−1)および(B−2)で得られた2種類のPCR産物(35pF、35pR)を混合後、実施例4(a−3)と同様の方法にてPCRを行ない、35pFと35pRを連結した。得られたPCR産物を35pとした。
(B−4)(B−3)で得られたPCR産物35pを鋳型とし、配列番号23および配列番号24に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、実施例4(a−4)と同様の方法でPCRを行なった。これにより配列番号1の35番目のチロシンを任意のアミノ酸に置換したFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを作製した。
(B−5)(B−4)で得られたポリヌクレオチドを精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(B−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出し、実施例1(5)と同様の方法でヌクレオチド配列解析を行なった。
(C−1)実施例1で作製したpET−eFcRを鋳型とし、配列番号24および配列番号73(5’−GTGTTCAAAGAGNNKGATCCGATTCATCTG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、実施例4(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物を121pFとした。
(C−2)実施例1で作製したpET−eFcRを鋳型とし、配列番号23および配列番号74(5’−AATCGGATCMNNCTCTTTGAACACCCACCG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、実施例4の(a−1)と同様の方法でPCRを行なった。精製したPCR産物を121pRとした。
(C−3)(C−1)および(C−2)により得られた2種類のPCR産物(121pF、121pR)を混合後、実施例4(a−3)と同様の方法にてPCRを行ない、121pFと121pRを連結した。得られたPCR産物を121pとした。
(C−4)(C−3)で得られたPCR産物121pを鋳型とし、配列番号23および配列番号24に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして実施例4(a−4)と同様のPCRを行なった。これにより配列番号1の121番目のグルタミン酸が任意のアミノ酸に置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを作製した。
(C−5)(C−4)で得られたポリヌクレオチドを精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、当該ライゲーション産物を用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(C−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した。回収した菌体(形質転換体)からプラスミドを抽出し、実施例1(5)と同様の方法でヌクレオチド配列解析を行なった。
(1)実施例1で作製した野生型Fc結合性タンパク質、および実施例8で作製した1箇所アミノ酸置換したFc結合性タンパク質を発現する形質転換体を、実施例3(1)および(2)と同様の方法でそれぞれ培養を行ない、野生型Fc結合性タンパク質および1アミノ酸置換したFc結合性タンパク質を発現させた。
(2)発現した1アミノ酸置換したFc結合性タンパク質を実施例3(4)に記載のELISA法にて抗体との結合活性を調べた。
発現ベクターpTrc99aに、配列番号75(MKYLLPTAAAGLLLLAAQPAMA)に記載のPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリン(P)がセリン(S)に置換されたシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを挿入し、シグナルペプチドを含む発現ベクターを作製した。
(1)配列番号76(5’−CATGAAATACCTGCTGTCGACCGCTGCTGCTGGTCTGCTGCTCCTCGCTGCCCAGCCGGCGATGGC−3’)および配列番号77(5’−CATGGCCATCGCCGGCTGGGCAGCGAGGAGCAGCAGACCAGCAGCAGCGGTCGACAGCAGGTATTT−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを等量混合し、95℃に5分間加熱後、1分間で1℃毎に温度を下げ、15℃に達したところで保持することで二本鎖オリゴヌクレオチドを作製した。
(2)(1)で作製した二本鎖オリゴヌクレオチドを、あらかじめ制限酵素NcoIで処理した発現ベクターpTrc99にライゲーションし、これを用いて大腸菌JM109株(タカラバイオ製)を形質転換した。
(3)得られた形質転換体を100μg/mLのカルベニシリンを含むLB培地により培養後、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン製)を用いて発現ベクターpTrc−PelBV3を得た。
(1)実施例1で作製したpET−eFcRを鋳型としてPCRを実施した。当該PCRにおけるプライマーは、配列番号21および配列番号78(5’−CCCAAGCTTATCCGCAGGTATCGTTGCGGCACCCTTGGGTAATGGTAATATTCACGGTCTCGCTGC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いた。PCRは、表2に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を98℃で5分熱処理し、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。
(2)(1)で得られたポリヌクレオチドを精製し、制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例10で作製の発現ベクターpTrc−PelBV3にライゲーションし、当該ライゲーション産物を用いて大腸菌W3110株を形質転換した。
(3)得られた形質転換体を100μg/mLのカルベニシリンを含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン製)を用いて、発現ベクターpTrc−eFcRCysを得た。
(4)pTrc−eFcRCysのヌクレオチド配列の解析を、配列番号79(5’−TGTGGTATGGCTGTGCAGG−3’)または配列番号80(5’−TCGGCATGGGGTCAGGTG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをシーケンス用プライマーに使用した以外は、実施例1(5)と同様の方法で行なった。
(1)実施例4(c)で作製したpET−FcR5aを鋳型としてPCRを実施した。当該PCRにおけるプライマーは、配列番号21および配列番号78に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、実施例11(1)と同様の方法でPCRを行なった。
(2)実施例11(2)と同様の方法で(1)で作製したPCR産物をpTrc−PelBV3発現ベクターにライゲーションし大腸菌W3110株を形質転換した。
(3)得られた形質転換体を100μg/mLのカルベニシリンを含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン製)を用いて、発現ベクターpTrc−FcR5aCysを得た。
(4)pTrc−FcR5aCysのヌクレオチド配列の解析を、配列番号79または配列番号80に記載のオリゴヌクレオチドをシーケンス用プライマーに使用した以外は実施例1(5)と同様の方法で行なった。
(1)実施例7(ii)で作製したpET−FcR9を鋳型とし、配列番号21および配列番号78に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、実施例11(1)と同様の方法でPCRを行なった。
(2)実施例11(2)と同様な方法で(1)で作製したPCR産物をpTrc−PelBV3発現ベクターにライゲーションし大腸菌W3110株を形質転換した。
(3)得られた形質転換体を100μg/mLのカルベニシリンを含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン製)を用いて、発現ベクターpTrc−FcR9Cysを得た。
(4)pTrc−FcR9Cysのヌクレオチド配列の解析を、配列番号79または配列番号80に記載のオリゴヌクレオチドをシーケンス用プライマーに使用した以外は実施例1(5)と同様の方法で行なった。
(1)実施例11で作製したFcRCysを発現する形質転換体を2Lのバッフルフラスコに入った100μg/mLのカルベニシリンを含む400mLの2YT液体培地(ペプトン16g/L、酵母エキス10g/L、塩化ナトリウム5g/L)に接種し、37℃で一晩、好気的に振とう培養することで前培養を行なった。
(2)グルコース10g/L、酵母エキス20g/L、リン酸三ナトリウム十二水和物3g/L、リン酸水素二ナトリウム十二水和物9g/L、塩化アンモニウム1g/Lおよび硫酸カナマイシン50mg/Lを含む液体培地1.8Lに、(1)の培養液180mLを接種し、3L発酵槽(バイオット製)を用いて本培養を行なった。温度30℃、pH6.9から7.1、通気量1VVM、溶存酸素濃度30%飽和濃度の条件に設定し、本培養を開始した。pHの制御には酸として50%リン酸、アルカリとして14%アンモニア水をそれぞれ使用し、溶存酸素の制御は撹拌速度を変化させることで制御し、撹拌回転数は下限500rpm、上限1000rpmに設定した。培養開始後、グルコース濃度が測定できなくなった時点で、流加培地(グルコース248.9g/L、酵母エキス83.3g/L、硫酸マグネシウム七水和物7.2g/L)を溶存酸素(DO)により制御しながら加えた。
(3)菌体量の目安として600nmの吸光度(OD600nm)が約150に達したところで培養温度を25℃に下げ、設定温度に到達したことを確認した後、終濃度が0.5mMになるようIPTGを添加し、引き続き25℃で培養を継続した。
(4)培養開始から約48時間後に培養を停止し、培養液を4℃で8000rpm、20分間の遠心分離により菌体を回収した。
(5)回収した菌体を20mMのトリス塩酸緩衝液(pH7.0)に5mL/1g(菌体)となるように懸濁し、超音波発生装置(インソネーター201M(商品名)、久保田商事製)を用いて、4℃で約10分間、約150Wの出力で菌体を破砕した。菌体破砕液は4℃で20分間、8000rpmの遠心分離を2回行ない、上清を回収した。
(6)(5)で得られた上清を、あらかじめ20mMのリン酸緩衝液(8mMリン酸二水素ナトリウム、12mMリン酸水素二ナトリウム)(pH7.0)で平衡化した140mLのTOYOPEARL CM−650M(東ソー製)を充填したVL32×250カラム(メルクミリポア製)に流速5mL/分でアプライした。平衡化に用いた緩衝液で洗浄後、0.5Mの塩化ナトリウムを含む20mMのリン酸緩衝液(pH7.0)で溶出した。
(7)(6)で得られた溶出液を、あらかじめ150mMの塩化ナトリウムを含む20mMのトリス塩酸緩衝液(pH7.4)で平衡化したIgGセファロース(GEヘルスケア製)90mLを充填したXK26/20カラムカラム(GEヘルスケア製)にアプライした。平衡化に用いた緩衝液で洗浄後、0.1Mのグリシン塩酸緩衝液(pH3.0)で溶出した。なお溶出液は、溶出液量の1/4量の1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を加えることでpHを中性付近に戻した。
(1)2mLの分離剤用親水性ビニルポリマー(東ソー製:トヨパール)の表面の水酸基をヨードアセチル基で活性化後、実施例14で調製したFcRCysを4mg反応させることにより、FcR固定化ゲルを得た。
(2)(1)で作製したFcR固定化ゲル0.5mLをφ4.6mm×75mmのステンレスカラムに充填してFcRカラムを作製した。
(3)(2)で作製したFcRカラムを高速液体クロマトグラフィー装置(東ソー製)につなげ、20mMの酢酸緩衝液(pH4.5)で平衡化した。
(4)PBS(Phosphate Buffered Saline)(pH7.4)で4.0mg/mLに希釈したモノクローナル抗体(リツキサン、全薬工業製)を流速0.3mL/minにて0.15mLアプライした。
(5)流速0.3mL/minのまま平衡化緩衝液で2分洗浄後、10mMのグリシン塩酸緩衝液(pH3.0)によるpHグラジエント(38分で10mMのグリシン塩酸緩衝液(pH3.0)が100%となるグラジエント)で吸着したモノクローナル抗体を溶出した。
(1)実施例15に記載の溶出条件でモノクローナル抗体を分離し、図2に記載の溶出パターン中のフラクションA(FrA)およびフラクションB(FrB)の領域を分取した。
(2)分取したFrAおよびFrBを限外ろ過膜(メルクミリポア製)で濃縮しながらPBS(10mMリン酸水素二ナトリウム、1.76mMリン酸二水素カリウム、137mM塩化ナトリウム、2.7mM塩化カリウム)(pH7.4)に緩衝液を交換した。
(3)濃縮、緩衝液交換したFrAおよびFrBに含まれる抗体、ならびに分離前のモノクローナル抗体の濃度を280nmの吸光で測定した。
(4)以下に示す方法で、FrAおよびFrBに含まれる抗体ならびに分離前のモノクローナル抗体が有するADCC活性を測定した。
(4−1)1.4mLのLow IgG Serumと33.6mLのRPMI1640培地とを混合して調製したADCC Assay Bufferを用いてFrA、FrBに含まれるモノクローナル抗体ならびに分離前のモノクローナル抗体を3μg/mLから1/3希釈で8段階の希釈系列を調製した。
(4−2)Raji細胞をADCC Assay Bufferにて約5×105cells/mLに調製し、96ウェルプレート(3917:コーニング社)に25μL/wellで加えた。
(4−3)Raji細胞を加えたwellに(2)で調整したFrA、FrB、分離前のモノクローナル抗体、ブランクのADCC Assay Bufferのみを25μL/well加えた。
(4−4)Effector細胞(プロメガ社)をADCC Assay Bufferにて約3.0×105cells/mLに調製し、Raji細胞および抗体を加えたwellに25μL/wellで加えた。その後、CO2インキュベーター(5%CO2、37℃)に6時間静置した。
(4−5)96穴プレートを室温で5分から30分間静置した後、Luciferase Assay Reagent(プロメガ製)を75μL/wellで加えた。室温で30分反応させたのち、GloMax Multi Detection System(プロメガ社)で発光を測定した。
(1)実施例12で作製したFcR5aCysを発現する形質転換体を用いて実施例14と同様な方法で調製することで、高純度のFcR5aCysを約20mg得た。
(2)実施例15(1)と同様な方法でFcR5aCys固定化ゲルを得た後、当該ゲル0.5mLをφ4.0mm×40mmのステンレスカラムに充填しFcR5aカラムを作製した。
(3)FcR5aカラムを用いて実施例15の(3)から(5)と同様の方法でモノクローナル抗体(リツキサン、全薬工業製)を分離した。
(1)実施例17に記載の溶出条件でモノクローナル抗体を分離し、図4に記載の溶出パターン中のフラクションA(FrA)およびフラクションB(FrB)の領域を分取した。
(2)分取したFrAおよびFrBを実施例16(2)と同様な方法で濃縮および緩衝液交換を行なった。
(3)濃縮、緩衝液交換したFrAおよびFrBに含まれる抗体、ならびに分離前のモノクローナル抗体の濃度を280nmの吸光で測定した。
(4)FrAおよびFrBに含まれる抗体ならびに分離前のモノクローナル抗体が有するADCC活性を実施例16(4)と同様の方法にて測定した。
(1)実施例13で作製したFcR9Cysを発現する形質転換体を用いて実施例14と同様な方法で調製することで、高純度のFcR9Cysを約150mg得た。
(2)実施例15(1)と同様な方法でFcR9Cys固定化ゲルを得た後、当該ゲル0.5mLをφ4.0mm×40mmのステンレスカラムに充填しFcR9カラムを作製した。
(3)FcR9カラムを用いて実施例15の(3)から(5)と同様の方法でモノクローナル抗体(リツキサン、全薬工業製)を分離した。
(1)実施例19に記載の溶出条件でモノクローナル抗体を分離し、図6に記載の溶出パターン中のフラクションA(FrA)、フラクションB(FrB)およびフラクションC(FrC)の領域を分取した。
(2)分取したFrA、FrBおよびFrCを実施例16(2)と同様な方法で濃縮および緩衝液交換を行なった。
(3)濃縮、緩衝液交換したFrA、FrBおよびFrCに含まれる抗体、ならびに分離前のモノクローナル抗体の濃度を280nmの吸光で測定した。
(4)FrA、FrB、FrCに含まれる抗体ならびに分離前のモノクローナル抗体が有するADCC活性を実施例16(4)と同様の方法にて測定した。
Claims (13)
- Fc結合性タンパク質を不溶性担体に固定化して得られる吸着剤を用いた、抗体依存性細胞傷害活性の強さに基づき抗体を分離する方法。
- Fc結合性タンパク質がヒトFcγRIIIaである、請求項1に記載の方法。
- ヒトFcγRIIIaが配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入または欠失したポリペプチドである、請求項2に記載の分離方法。
- ヒトFcγRIIIaが配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において以下の(1)から(47)のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換が生じたポリペプチドである、請求項3に記載の方法。
(1)配列番号1の18番目のメチオニンがアルギニンに置換
(2)配列番号1の27番目のバリンがグルタミン酸、グリシン、リジン、スレオニン、アラニン、アルギニンのいずれか置換
(3)配列番号1の29番目のフェニルアラニンがロイシン、イソロイシン、セリンのいずれかに置換
(4)配列番号1の30番目のロイシンがグルタミンに置換
(5)配列番号1の35番目のチロシンがアスパラギン酸、グリシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、セリン、スレオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、バリン、トリプトファンのいずれかに置換
(6)配列番号1の39番目のグルタミン酸がグリシンに置換
(7)配列番号1の46番目のリジンがイソロイシンまたはスレオニンに置換
(8)配列番号1の48番目のグルタミンがアルギニンまたはヒスチジンまたはロイシンに置換
(9)配列番号1の50番目のアラニンがヒスチジンに置換
(10)配列番号1の51番目のチロシンがアスパラギン酸またはヒスチジンまたはセリンに置換
(11)配列番号1の54番目のグルタミン酸がアスパラギン酸またはグリシンに置換
(12)配列番号1の56番目のアスパラギンがスレオニンに置換
(13)配列番号1の59番目のグルタミンがアルギニンに置換
(14)配列番号1の61番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(15)配列番号1の64番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
(16)配列番号1の65番目のセリンがアルギニンに置換
(17)配列番号1の71番目のアラニンがアスパラギン酸に置換
(18)配列番号1の75番目のフェニルアラニンがロイシン、セリン、チロシンのいずれかに置換
(19)配列番号1の77番目のアスパラギン酸がアスパラギンまたはグリシンに置換
(20)配列番号1の78番目のアラニンがセリンに置換
(21)配列番号1の82番目のアスパラギン酸がグルタミン酸またはバリンに置換
(22)配列番号1の90番目のグルタミンがアルギニンに置換
(23)配列番号1の92番目のアスパラギンがセリンに置換
(24)配列番号1の93番目のロイシンがアルギニンまたはメチオニンに置換
(25)配列番号1の95番目のスレオニンがアラニンまたはセリンに置換
(26)配列番号1の110番目のロイシンがグルタミンに置換
(27)配列番号1の112番目のグルタミンがロイシンに置換
(28)配列番号1の115番目のアルギニンがグルタミンに置換
(29)配列番号1の116番目のトリプトファンがロイシンに置換
(30)配列番号1の117番目のバリンがグルタミン酸に置換
(31)配列番号1の118番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(32)配列番号1の119番目のリジンがアスパラギンまたはグルタミン酸に置換
(33)配列番号1の120番目のグルタミン酸がバリンに置換
(34)配列番号1の121番目のグルタミン酸がアスパラギン酸、グリシン、リジン、アルギニン、ヒスチジンのいずれかに置換
(35)配列番号1の140番目のスレオニンがイソロイシンに置換
(36)配列番号1の142番目のロイシンがグルタミンに置換
(37)配列番号1の151番目のフェニルアラニンがセリンまたはチロシンに置換
(38)配列番号1の155番目のセリンがスレオニンに置換
(39)配列番号1の163番目のスレオニンがセリンに置換
(40)配列番号1の167番目のセリンがグリシンに置換
(41)配列番号1の169番目のセリンがグリシンに置換
(42)配列番号1の171番目のフェニルアラニンがセリンまたはチロシンに置換
(43)配列番号1の175番目のロイシンがアルギニンに置換
(44)配列番号1の180番目のアスパラギンがリジン、セリン、イソロイシンのいずれかに置換
(45)配列番号1の185番目のスレオニンがセリンに置換
(46)配列番号1の188番目のイソロイシンがバリンに置換
(47)配列番号1の192番目のグルタミンがリジンに置換 - ヒトFcγRIIIaが配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において少なくとも以下の(5)のアミノ酸置換が生じたポリペプチドである、請求項4に記載の方法。
(5)配列番号1の35番目のチロシンがアスパラギン酸、グリシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、セリン、スレオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、バリン、トリプトファンのいずれかに置換 - ヒトFcγRIIIaが、配列番号27、配列番号31、配列番号33、配列番号37、配列番号41、配列番号43、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号55、配列番号59、配列番号63のいずれかに記載のアミノ酸配列のうち少なくとも33番目から208番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチドである、請求項5に記載の方法。
- ヒトFcγRIIIaが、配列番号27、配列番号31、配列番号33、配列番号37、配列番号41、配列番号43、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号55、配列番号59、配列番号63のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドである、請求項6に記載の方法。
- ヒトFcγRIIIaが、さらに以下の(48)から(51)のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換が生じたポリペプチドである、請求項4から7のいずれかに記載の方法。
(48)配列番号1の66番目のロイシンがヒスチジンまたはアルギニンに置換
(49)配列番号1の147番目のグリシンがアスパラギン酸に置換
(50)配列番号1の158番目のチロシンがヒスチジンに置換
(51)配列番号1の176番目のバリンがフェニルアラニンに置換 - ヒトFcγRIIIaが、以下の(48)から(51)のうちから選ばれる1つ以上のアミノ酸置換が生じたポリペプチドである、請求項3に記載の方法。
(48)配列番号1の66番目のロイシンがヒスチジンまたはアルギニンに置換
(49)配列番号1の147番目のグリシンがアスパラギン酸に置換
(50)配列番号1の158番目のチロシンがヒスチジンに置換
(51)配列番号1の176番目のバリンがフェニルアラニンに置換 - Fc結合性タンパク質が配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含むポリペプチドである、請求項2に記載の方法。
- ヒトFcγRIIIaが糖鎖を有していないヒトFcγRIIIaである、請求項2から10に記載の方法。
- ヒトFcγRIIIaが、ヒトFcγRIIIaをコードするポリヌクレオチドを含むベクターで大腸菌を形質転換して得られる組換え大腸菌で製造されたヒトFcγRIIIaである、請求項11に記載の方法。
- 請求項1から12のいずれかに記載の方法で得られる抗体。
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