JP2018039735A - 補体依存性細胞傷害活性が異なる抗体の分離方法 - Google Patents

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Yosuke Terao
陽介 寺尾
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Masato Kiyoshi
真人 木吉
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景 原園
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Akiko Ishii
明子 石井
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【課題】 補体依存性細胞傷害活性の異なる抗体を分離する方法を提供すること。【解決手段】 補体依存性細胞傷害活性が異なる抗体を含有する試料を、Fc結合性タンパク質(好ましくはヒトFcγRIIIa、より好ましくは糖鎖を有していないヒトFcγRIIIa)を不溶性担体に固定化して得られる吸着剤に接触させ、当該吸着剤に抗体を吸着させ、次いで、抗体とFc結合性タンパク質との相互作用を弱めることにより、CDC活性が異なる抗体を順次溶出させ、補体依存性細胞傷害活性の異なる抗体を分離する。【選択図】 図3

Description

本発明は、補体依存性細胞傷害活性が異なる抗体を分離する方法に関する。
近年、モノクローナル抗体が有する特異性を利用した医薬(抗体医薬)の開発が進められている。抗体医薬で用いるヒトIgGのうち、Fc領域の297番目のアスパラギン残基に付加するN型糖鎖の違いにより抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性や補体依存性細胞傷害(CDC)活性が変化することが知られており、特にCDC活性に関しては、糖鎖の非還元末端部分のガラクトースの付加がCDC活性に影響することや(非特許文献1)、非還元末端部分のガラクトース数が多いほど補体第一成分(C1q)への結合性が増加し、結果としてCDC活性が向上することが報告されている(非特許文献2)。
抗体医薬においては、抗体が有するCDC活性の強さに重要な意味がある。しかしながら、抗体医薬は通常、動物細胞を宿主とした遺伝子組換え技術を用いて製造しており、宿主内での糖鎖付加を制御できないことから、一定のCDC活性を有した抗体を発現させるのは困難である。また発現した抗体の中から、CDC活性の強さに基づき抗体を分離するには多くの時間と労力が必要である。
八木 有紀等,CHROMATOGRAPHY,34,83−88,2013 J.Hodoniczky等,Biotechnol.Prog.,21,1644−1652,2005
本発明の課題は、CDC活性が異なる抗体を分離する方法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、Fc結合性タンパク質および当該タンパク質におけるアミノ酸残基を置換した改良体を不溶性担体に固定化して得られる吸着剤が、CDC活性の異なる抗体を分離できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願は以下の(A)から(F)に記載の態様を包含する:
(A)CDC活性が異なる抗体を含有する試料を、
Fc結合性タンパク質を不溶性担体に固定化して得られる吸着剤に接触させ、
当該吸着材に抗体を吸着させ、
次いで、抗体とFc結合性タンパク質との相互作用を弱めることにより、CDC活性の異なる抗体を順次溶出させる、
ことを特徴とする、CDC活性が異なる抗体の分離方法。
(B)Fc結合性タンパク質がヒトFcγRIIIaである、(A)に記載の方法。
(C)ヒトFcγRIIIaが、
配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基に一つ以上の他のアミノ酸残基が挿入されたポリペプチド、又は
配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、但し前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換または欠失したポリペプチド
である、(B)に記載の方法。
(D)ヒトFcγRIIIaが、配列番号2(FcR2)、配列番号3(FcR3)、配列番号4(FcR4)、配列番号5(FcR5a)、配列番号6(FcR5b)、配列番号7(FcR6a)、配列番号8(FcR6b)、配列番号9(FcR7)、配列番号10(FcR7a)、配列番号11(FcR8)、配列番号12(FcR9)、配列番号13(FcR10)、配列番号14(FcR11)のいずれかに記載のアミノ酸配列の少なくとも33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸配列を含むポリペプチドである、(C)に記載の方法。
(E)ヒトFcγRIIIaが、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含むポリペプチドである、(B)に記載の方法。
(F)ヒトFcγRIIIaが糖鎖を有していないヒトFcγRIIIaである、(B)から(E)のいずれかに記載の方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてFc結合性タンパク質とは、抗体のFc領域に結合性を持つタンパク質であり、一例として糖鎖修飾のないヒトFcγRIIIaが好ましい。ヒトFcγRIIIaの例として、
(i)配列番号1に記載の野生型Fc結合性タンパク質のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目から192番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチドや、
(ii)配列番号1に記載の野生型Fc結合性タンパク質のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸酸基に一つ以上の他のアミノ酸残基が挿入されたポリペプチド、又は、配列番号1に記載の野生型Fc結合性タンパク質のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、但し前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換または欠失したポリペプチドがあげられる。
前記(ii)の一態様としては、特開2015−086216号公報、特開2016−023152号公報、およびWO2015/199154号に記載のポリペプチドがあげられる。前記(ii)の好ましい態様としては、配列番号2(FcR2)、配列番号3(FcR3)、配列番号4(FcR4)、配列番号5(FcR5a)、配列番号6(FcR5b)、配列番号7(FcR6a)、配列番号8(FcR6b)、配列番号9(FcR7)、配列番号10(FcR7a)、配列番号11(FcR8)、配列番号12(FcR9)、配列番号13(FcR10)、配列番号14(FcR11)のいずれかに記載のアミノ酸配列の少なくとも33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸配列を含むポリペプチドがあげられる。中でも配列番号5(FcR5a)または配列番号12(FcR9)に記載のアミノ酸配列の少なくとも33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明におけるFc結合性タンパク質として、より好ましい。
なお本発明におけるFc結合性タンパク質中、特定位置のアミノ酸残基については、抗体結合活性を有する限り前述したアミノ酸以外のアミノ酸に置換してもよい。その一例として、両アミノ酸の物理的性質と化学的性質またはそのどちらかが類似したアミノ酸間で置換する保守的置換があげられる。保守的置換は、Fc結合性タンパク質に限らず一般に、置換が生じているものと置換が生じていないものとの間でタンパク質の機能が維持されることが当業者において知られている。保守的置換の一例としては、グリシンとアラニン間、アスパラギン酸とグルタミン酸間、セリンとプロリン間、またはグルタミン酸とアラニン間に生じる置換があげられる(タンパク質の構造と機能,メディカル・サイエンス・インターナショナル社,9,2005)。
本発明におけるFc結合性タンパク質は、そのN末端側またはC末端側に、夾雑物質存在下の溶液から分離する際に有用なオリゴペプチドをさらに付加してもよい。前記オリゴペプチドとしては、ポリヒスチジン、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等があげられる。また本発明のFc結合性タンパク質をクロマトグラフィー用の支持体等の固相に固定化する際に有用な、システインを含むオリゴペプチドを、本発明のFc結合性タンパク質のN末端側またはC末端側にさらに付加してもよい。Fc結合性タンパク質のN末端側またはC末端側に付加するオリゴペプチドの長さは、本発明のFc結合性タンパク質のIgG結合性や安定性を損なわない限り特に制限はない。
前記オリゴペプチドを本発明のFc結合性タンパク質に付加させる際は、前記オリゴペプチドをコードするポリヌクレオチドを作製後、当業者に周知の方法を用いて遺伝子工学的にFc結合性タンパク質のN末端側またはC末端側に付加させてもよいし、化学的に合成した前記オリゴペプチドを本発明のFc結合性タンパク質のN末端側またはC末端側に化学的に結合させて付加させてもよい。さらに本発明のFc結合性タンパク質のN末端側には、宿主での効率的な発現を促すためのシグナルペプチドを付加してもよい。宿主が大腸菌の場合における前記シグナルペプチドの例としては、PelB(特開2015−116185号公報)、DsbA、MalE(UniProt No.P0AEX9に記載のアミノ酸配列のうち1番目から26番目までの領域)、TorTなどといったペリプラズムにタンパク質を分泌させるシグナルペプチドを例示することができる(特開2011−097898号公報)。
本発明におけるFc結合性タンパク質は、当該Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターで宿主を形質転換して得られる組換え体から製造することができる。前記宿主に特に限定はなく、一例として、動物細胞(CHO(Chinese Hamster Ovary)細胞、HEK細胞、Hela細胞、COS細胞等)、酵母(Saccharomyces cerevisiae、Pichia pastoris、Hansenula polymorpha、Schizosaccharomyces japonicus、Schizosaccharomyces octosporus、Schizosaccharomyces pombe等)、昆虫細胞(Sf9、Sf21等)、大腸菌(JM109株、BL21(DE3)株、W3110株等)や枯草菌があげられる。
なお本発明におけるFc結合性タンパク質は、一例として糖鎖を有していないものが好ましい。糖鎖を有していないFc結合性タンパク質を得るためには、大腸菌等糖鎖付加が起こらない宿主として用いればよい。または、Fc結合性タンパク質を動物細胞、昆虫細胞等を宿主として発現し、糖鎖を有したFc結合性タンパク質から糖鎖を除去する操作を行なうことで、糖鎖を有していないFc結合性タンパク質を得ることもできる。
本発明における、Fc結合性タンパク質を固定化させるための不溶性担体としては特に限定はなく、アガロース、アルギネート(アルギン酸塩)、カラゲナン、キチン、セルロース、デキストリン、デキストラン、デンプンといった多糖質を原料とした担体や、ポリビニルアルコール、ポリメタクレート、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリウレタンといった合成高分子を原料とした担体や、シリカなどのセラミックスを原料とした担体が例示できる。中でも、多糖質を原料とした担体や合成高分子を原料とした担体が不溶性担体として好ましい。前記好ましい担体の一例として、トヨパール(東ソー製)等の水酸基を導入したポリメタクリレートゲル、Sepharose(GEヘルスケア製)等のアガロースゲル、セルファイン(JNC製)等のセルロースゲルがあげられる。不溶性担体の形状については特に限定はなく、粒状物または非粒状物、多孔性または非多孔性、いずれであってもよい。
本発明の分離方法は、例えば、Fc結合性タンパク質を不溶性担体に固定化して得られる吸着剤を充填したカラムに、CDC活性が異なる抗体を含む試料をポンプ等の送液手段を用いて添加することで、抗体を前記吸着剤に特異的に吸着させた後、適切な溶出液をカラムに添加することで、前記吸着した抗体をCDC活性の強さに基づき抗体を分離することができる。なお、CDC活性が異なる抗体を含む試料をカラムに添加する前に、適切な緩衝液を用いてカラムを平衡化すると、抗体をより高純度に分離できるため好ましい。緩衝液としてはリン酸緩衝液等、無機塩を成分とした緩衝液を例示することができる。なお緩衝液のpHは、pH3から10、好ましくはpH5から8である。
前記吸着剤に吸着したCDC活性が異なる抗体を順次溶出させるには、抗体とリガンド(Fc結合性タンパク質)との相互作用を弱めればよく、具体的には、溶出液における緩衝液等によるpHの低下、カウンターペプチドの添加、温度の上昇、塩濃度の上昇が例示できる。前記吸着剤に吸着したCDC活性が異なる抗体を、順次溶出させるための溶出液の具体例として、前記吸着剤に抗体を吸着させる際に用いた溶液よりも酸性側の緩衝液があげられる。この緩衝液の種類としては酸性側に緩衝能を有するクエン酸緩衝液、グリシン塩酸緩衝液、酢酸緩衝液を例示できる。緩衝液のpHは、抗体が有する機能を損なわない範囲で設定すればよく、好ましくはpH2.5から6.0、より好ましくはpH3.0から5.0である。
本発明は、CDC活性の異なる抗体の分離を、Fc結合性タンパク質(例えば糖鎖が付加されていないヒトFcγRIIIa)を不溶性担体に固定化して得られる吸着剤を用いて行なうことを特徴としており、本発明によりCDC活性の異なる抗体の分離が簡便かつ精度良く行なえる。したがって本発明は、抗体医薬製造の効率化や製造した抗体医薬の品質管理などに有用といえる。
Fc結合性タンパク質固定化ゲル(FcR9ゲル)を用いた抗体の溶出パターン(クロマトグラム)を示した図である。実線が溶出パターン、破線がグラジエントパターンである。 図1の溶出パターンのうち、溶出量18mLから24mLまでの領域を拡大した図である。溶出時間の早いものからピーク1、ピーク2、およびピーク3としている。 FcR9ゲルで分離した各ピーク画分に含まれる抗体のCDC活性を測定した結果を示した図である。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 Fc結合性タンパク質固定化ゲル(FcR9ゲル)の作製と抗体分離
(1)2mLの分離剤用親水性ビニルポリマー(東ソー社製:NPRゲル)の表面の水酸基をヨードアセチル基で活性化後、特開2016−023152号に記載の方法で調製したFc結合性タンパク質FcR9Cys(配列番号15)を4mg反応させることにより、Fc結合性タンパク質固定化ゲル(以下、FcR9ゲル)を得た。なおFcR9Cys(配列番号15)は、配列番号12(FcR9)に記載のアミノ酸配列のうち33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸配列(配列番号15では24番目から199番目までのアミノ酸配列に相当)からなるポリペプチドのN末端側にPelBシグナルペプチド(配列番号15の1番目のメチオニンから22番目のアラニンまでの領域)およびメチオニン(配列番号15の23番目のメチオニン)を、C末端側にシステインタグ(配列番号15の200番目のグリシンから207番目のグリシンまでの領域)を、それぞれ付加したポリペプチドである。
(2)(1)で調製したFcR9ゲル1.2mLをφ4.6mm×75mmのステンレスカラムに充填してFcR9ゲル充填カラム(以下、FcR9カラム)を作製した。
(3)(2)で作製したFcR9カラムを高速液体クロマトグラフィー装置に接続し、20mMの酢酸緩衝液(pH5.0)で平衡化した。
(4)PBS(Phosphate Buffered Saline)(pH7.4)で4.0mg/mLに希釈したモノクローナル抗体(リツキサン、全薬工業社製)を流速0.5mL/minにて0.15mLアプライした。
(5)流速0.5mL/minのまま平衡化緩衝液で4分洗浄後、10mMのグリシン塩酸緩衝液(pH3.0)によるpHグラジエント(18分で10mMのグリシン塩酸緩衝液(pH3.0)が100%となるグラジエント)で吸着したモノクローナル抗体を溶出した。
溶出パターン(クロマトグラム)を図1に示した。モノクローナル抗体はFcR9ゲルと相互作用するため、ゲルろ過クロマトグラフィーのような単一のピークではなく、複数のピークに分離された。溶出パターンのうち、溶出量18mLから24mLまでの領域を拡大したものを図2に示した。図2のうち、溶出時間の早いピークから、ピーク1、ピーク2、およびピーク3とした。
実施例2 分離抗体の補体依存性細胞傷害(CDC)活性測定
(1)実施例1に記載の方法でモノクローナル抗体を分離し、図2に示す溶出パターン(クロマトグラム)中のピーク1、ピーク2、およびピーク3の画分を分取した。これら3つのピークに含まれるモノクローナル抗体および分離前のモノクローナル抗体の濃度を280nmの吸光度で測定した。
(2)CDC活性測定
(2−1)ピーク1、ピーク2およびピーク3に含まれるモノクローナル抗体および分離前のモノクローナル抗体を、PBSを用いて10μg/mLから1/2希釈で7段階の希釈系列を調製した。
(2−2)モノクローナル抗体(リツキサン、全薬工業社製)の抗原であるCD20を発現しているDaudi細胞をAssay Buffer(10mLのOptiMem培地と5mLの16%Human Serumとを混合して調製したBuffer)を用いて約1.1×10cells/mLに調製し、96ウェルプレート(3917:コーニング社製)に90μL/wellで加えた。
(2−3)Daudi細胞を加えたwellに(2−1)で調製したピーク1、ピーク2、ピーク3、分離前のモノクローナル抗体、又はブランクとしてのAssay Bufferのみを、それぞれ10μL/well加えた。
(2−4)測定抗体サンプルを添加した96ウェルプレートをCOインキュベーター(5%CO、37℃)に2時間静置した。
(2−5)Cytotox−Glo Assay(プロメガ社製)の手順に従って、基質を溶解したAssay Reagentを50μL/wellで加えた。
(2−6)Assay Reagentを添加した96ウェルプレートをプレート振とう機で数十秒撹拌し、室温で15分反応させた後、プレートリーダーEnsight(Perkin Elmer社製)で発光を測定した。
測定した発光強度からブランクの発光強度を引き、実施例1で分離したピーク1、ピーク2、ピーク3、ならびに分離前のモノクローナル抗体の各抗体濃度での発光強度を比較した結果を図3に示した。図3の結果において、発光強度が高い程CDC活性が高いことを示している。
また抗体濃度と発光強度から市販ソフトウェアPLA3.0(Stegmann Systems GmbH社製)を用いて半数効果濃度EC50を基に相対力価を計算、比較した結果を表1に示した。ピーク1のCDC活性は分離前の約45%に低下している一方、ピーク3のCDC活性は分離前の約120%に向上していた。この結果から、実施例1で分離する前のモノクローナル抗体、ならびに実施例1で分離した後のピーク1およびピーク2に含まれるモノクローナル抗体と比べて、実施例1で分離した後のピーク3に含まれるモノクローナル抗体はCDC活性が高いことが分かる。つまり実施例1で作製したFcR9カラムからの溶出が遅い(カラムに保持される時間が長い)方がよりCDC活性の高い抗体であるといえる。このことから、Fc結合性タンパク質固定化ゲルにより、CDC活性が異なるモノクローナル抗体を分離できることが確認できた。
Figure 2018039735

Claims (6)

  1. 補体依存性細胞傷害活性が異なる抗体を含有する試料を、
    Fc結合性タンパク質を不溶性担体に固定化して得られる吸着剤に接触させ、
    当該吸着剤に抗体を吸着させ、
    次いで、抗体とFc結合性タンパク質との相互作用を弱めることにより、補体依存性細胞傷害活性が異なる抗体を順次溶出させる、
    ことを特徴とする、補体依存性細胞傷害活性の異なる抗体の分離方法。
  2. Fc結合性タンパク質がヒトFcγRIIIaである、請求項1に記載の方法。
  3. ヒトFcγRIIIaが、
    配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基に一つ以上の他のアミノ酸残基が挿入されたポリペプチド、又は
    配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、但し前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換または欠失したポリペプチド
    である、請求項2に記載の方法。
  4. ヒトFcγRIIIaが、配列番号2(FcR2)、配列番号3(FcR3)、配列番号4(FcR4)、配列番号5(FcR5a)、配列番号6(FcR5b)、配列番号7(FcR6a)、配列番号8(FcR6b)、配列番号9(FcR7)、配列番号10(FcR7a)、配列番号11(FcR8)、配列番号12(FcR9)、配列番号13(FcR10)、配列番号14(FcR11)のいずれかに記載のアミノ酸配列の少なくとも33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項3に記載の方法。
  5. ヒトFcγRIIIaが、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含むポリペプチドである、請求項2に記載の方法。
  6. ヒトFcγRIIIaが糖鎖を有していないヒトFcγRIIIaである、請求項2から5のいずれかに記載の方法。
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