JP2012072091A - 抗体の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 抗体のFc領域を高度に認識するタンパク質(Fc結合性タンパク質)をリガンドとしたアフィニティクロマトグラフィーによる、抗体を高純度に精製する方法を提供すること。
【解決手段】 Fc結合性タンパク質を固定化した固相に抗体を含む溶液を添加して前記固相に前記抗体を吸着させ、前記固相に吸着した前記抗体をpHが3.5以下の溶出液を用いて溶出させる、抗体の精製方法により、前記課題を解決する。
【選択図】 図4

Description

本発明は抗体を精製する方法に関する。特に本発明は、抗体のFc領域と特異的に結合する、Fc結合性タンパク質を用いて抗体を精製する方法に関する。
抗体はバイオテクノロジー産業の中心となる機能性タンパク質であり、抗体医薬や診断薬として広く利用されている。抗体は、遺伝子組換え技術を用いて得られる組換え動物細胞を培養することで大量に発現させることができ、発現した抗体は、細胞の分離や培養液の清澄化などの粗精製後、カラムクロマトグラフィーによる精製を経て、高純度に精製することができる。
カラムクロマトグラフィーによる抗体をはじめとするタンパク質の精製は、一般にイオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーなど分離モードが異なる各種クロマトグラフィーを組み合わせることで行なわれ、精製に用いるクロマトグラフィーの操作条件は、試行錯誤の上決定される。一方、精製対象のタンパク質と特異的に結合する物質(リガンド)を固相に固定化したものを用いた、アフィニティークロマトグラフィーによる精製も行なわれている。アフィニティークロマトグラフィーによる方法は、前述した各種クロマトグラフィーを組み合わせる方法とは異なり、夾雑物質を多く含む培養液中から一段階かつ高純度に目的タンパク質を精製可能な方法である。
抗体精製においては、従来より黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)由来のプロテインA(分子量約46000)をリガンドとするアフィニティークロマトグラフィーが多く用いられている。プロテインAは抗体(免疫グロブリン)のFc領域に結合する性質を有しているため、プロテインAを固相に固定化することで抗体を高純度に精製することが可能である。しかしながらプロテインAは病原菌である黄色ブドウ球菌由来のタンパク質であり、固定化した固相から漏れた場合における免疫原性発生のリスクが未だに否定できない。特に医薬品として抗体を製造するには、抗体発現時に用いた培養液に由来する物質や、抗体精製において混入する物質などを除去するとともに、これらの物質の安全性を徹底して高める必要がある。
黄色ブドウ球菌由来であるプロテインAよりも安全性が高く、かつ抗体と特異的に結合する物質として、ヒトFc受容体が知られている(例えば、非特許文献1参照)。Fc受容体は、免疫細胞の表面に存在する分子量数万のタンパク質であり、生体内で抗体と結合し免疫細胞内にシグナルを伝達し免疫機構を機能させる役割を担っている。すなわち、Fc受容体は生体内の複雑な環境においても抗体を高度に認識する機能を有する物質といえる。Fc受容体をリガンドとして固相に固定化し抗体を精製する方法についてはいくつか開示されているが(特許文献1から3参照)、抗体を高純度に精製する条件の記載はなく、未だ精製方法の確立には至ってはいない。
特表2002−531086号公報 特開2008−245580号公報 特開2010−126436号公報 特開2009−278948号公報
J.V.Ravetch等,Annu.Rev.Immunol.,9,457,1991 G.Urland等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77,4216,1980
抗体を製造するにあたり、前記抗体を発現可能な組換え体を培養することで得られた培養液から精製する必要があるが、精製する際、培養液由来の夾雑物質を確実に除去でき、回収率が高く、安全性が高く、かつ簡便な方法で精製できることが望まれている。しかしながら、従来より多く用いられているプロテインAをリガンドとした場合、前述したようにプロテインAが病原菌由来のタンパク質であることから安全性の面で疑問がある。またFc受容体をリガンドとして用いた場合は、安全性はプロテインAと比較し高いものの、抗体を高純度に精製する条件については確立されていない。
そこで本発明の目的は、Fc受容体といった、抗体のFc領域を高度に認識するタンパク質(以下、Fc結合性タンパク質)をリガンドとしたアフィニティクロマトグラフィーによる、抗体を高純度に精製する方法を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、Fc結合性タンパク質を固定化した固相に抗体を含む溶液を添加して、前記固相に前記抗体を吸着させ、前記固相に吸着した前記抗体を溶出液を用いて溶出させる、抗体の精製方法において、溶出液のpHを制御することで、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
第一の発明は、
Fc結合性タンパク質を固定化した固相に抗体を含む溶液を添加して前記固相に前記抗体を吸着させ、
前記固相に吸着した前記抗体を溶出液を用いて溶出させる、抗体の精製方法であって、
溶出液のpHが3.5以下である、前記精製方法である。
第二の発明は、Fc結合性タンパク質を固定化した固相に吸着した抗体を溶出液を用いて溶出させる前に、pH4.5以上の洗浄液を用いて前記固相に吸着した夾雑物質を除去する、第一の発明に記載の精製方法である。
第三の発明は、Fc結合性タンパク質がヒトFcγRIであり、抗体が完全ヒト抗体またはヒト化抗体である、第一または第二の発明に記載の精製方法である。
第四の発明は、ヒトFcγRIが、
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含むタンパク質、または
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含み、かつ前記アミノ酸のうちの一つ以上が他のアミノ酸に置換されたタンパク質
である、第三の発明に記載の精製方法である。
第五の発明は、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含み、かつ前記アミノ酸のうちの一つ以上が他のアミノ酸に置換されたヒトFcγRIを固定化した、抗体を精製するための固相である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の精製方法で精製する抗体は、免疫グロブリンの定常領域である、Fc領域を含むタンパク質のことをいい、免疫グロブリンそのものであってもよいし、Fc領域と他のタンパク質との融合タンパク質であってもよい。また、前記Fc領域には、例えばパパインなどのプロテアーゼの処理によって免疫グロブリンから生じる、ヒンジやCH2ドメインやCH3ドメインを含んでいてもよい。
Fc領域と他のタンパク質との融合タンパク質は、遺伝子組換え技術を用いて製造することができる。前記融合タンパク質は、抗体のFc領域と他のタンパク質とを直接結合させたタンパク質でもよいし、抗体のFc領域と他のタンパク質との間に適当なリンカー配列を介して結合させたタンパク質でもよい。また、他のタンパク質へのFc領域の融合位置は、前記他のタンパク質のN末端側でもよいし、C末端側でもよい。Fc領域と他のタンパク質との融合タンパク質は、遺伝子組換え技術を用いて得られた前記融合タンパク質を発現可能な宿主を培養することで製造することができる。前記融合タンパク質を発現させるための宿主としては、CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)などの動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、大腸菌やバチルス属細菌などの細菌、パン酵母やポンベ酵母などの酵母、麹菌などのカビが例示でき、生産性を評価し、適切な宿主を選択すればよい。一例として、融合タンパク質が表面に糖鎖を必要とするタンパク質の場合、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母、カビといった真核細胞が好ましく、CHO細胞がより好ましい。
本発明の精製方法で精製する抗体の由来に特に限定はなく、ヒト抗体、マウス抗体、ラット抗体、ウサギ抗体、ラクダ抗体を例示することができるが、Fc結合性タンパク質がヒトFc受容体である場合は、ヒト抗体が好ましい。本発明の精製方法で精製するヒト抗体の一例として、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4が例示できる。なお、ここでいうヒト抗体は、ヒト由来の抗体である完全ヒト抗体の他に、非ヒト抗体(例えば、マウス抗体、ラット抗体、ウサギ抗体)に由来した最小の配列を含むキメラ抗体である、ヒト化抗体も含まれる。ヒト化抗体の一例として、抗体のうち、要求される抗原への結合特異性や親和性を決定付ける領域である超可変領域(相補性決定領域、CDR)を構成するアミノ酸残基を、非ヒト抗体の前記領域を構成するアミノ酸残基に置換した抗体があげられる。ヒト化抗体の別の例として、ヒト抗体のFvフレームワーク領域(FR)を構成するアミノ酸残基を、前記領域を構成する非ヒト抗体のアミノ酸残基に置換した抗体があげられる。なお、前記ヒト化抗体は、受容抗体やドナー抗体中には存在しないアミノ酸を含んでもよい。
本発明の精製方法で精製する抗体の種類に特に限定はなく、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、一本鎖抗体、ダイアボディ、直鎖抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体(bispecific antibodies))、脱フコシル抗体、およびそれらの断片が例示できる。
本発明の精製方法における抗体を含む溶液として、抗体を発現可能な宿主(動物細胞、昆虫細胞、細菌、酵母、カビなど)の培養液、抗体を発現可能な植物の破砕液、動物の乳などが例示できる。なお、抗体を含む溶液には、抗体を発現可能な宿主の細胞を含んでいてもよいし、あらかじめ前処理により前記細胞を除去してもよい。前記前処理は、遠心分離操作、精密ろ過膜や限外ろ過膜による濾過操作、といった当業者にとって周知な操作により行なえばよい。
本発明の精製方法において固相に固定化する(リガンドとして使用する)Fc結合性タンパク質は、抗体のFc領域を高度に認識し、特異的に結合するタンパク質のことをいう。Fc結合性タンパク質がヒトFc受容体である場合、ヒトFcγRI、ヒトFcγRIIa、ヒトFcγRIIb、ヒトFcγRIIIが例示できる。前記Fc受容体は、それぞれ、免疫細胞表面に存在し抗体(IgG)と結合し免疫信号を細胞質内に伝達し、免疫システムを機能させる役割を担っている。前記Fc受容体のうちヒトFcγRIは、抗体と結合するα鎖と、α鎖と作用し免疫信号を細胞質内に伝達するγ鎖からなるタンパク質である。ヒトFcγRIのα鎖の概略構造を図1に示す。ヒトFcγRIのα鎖は、N末端側から、15アミノ酸からなるシグナルペプチド(SS、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち1番目のメチオニンから15番目のグリシンまでの領域)、277アミノ酸からなる細胞外領域(EC、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち16番目のグルタミンから292番目のヒスチジンまでの領域)、21アミノ酸からなる細胞膜貫通領域(TM、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち293番目のバリンから313番目のイソロイシンまでの領域)、61アミノ酸からなる細胞内領域(C、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち314番目のアルギニンから374番目のスレオニンまでの領域)から構成される。
本発明の精製方法における、リガンドとして使用するFc結合性タンパク質は、必ずしもFc結合性タンパク質の全領域を含むタンパク質である必要はなく、少なくとも抗体のFc領域と結合可能な領域のアミノ酸残基を含むタンパク質であればよい。また、前記抗体のFc領域と結合可能な領域のアミノ酸残基を含むタンパク質は、天然型のFc結合性タンパク質のうち抗体のFc領域と結合可能な領域のアミノ酸残基を含むタンパク質そのものであってもよいし、前記領域のアミノ酸残基のうちの一つ以上を置換、欠失、挿入したタンパク質であってもよい。なお、前記アミノ酸の置換、欠失、挿入を行なう箇所およびその数は、抗体結合活性を失わない限り任意設定が可能である。また、前記アミノ酸の置換、欠失、挿入には、ヒドロキシアミン法やPCR法といった従来より用いられる方法で行なえばよい。
Fc結合性タンパク質がヒトFcγRIの場合、本発明の精製方法においてリガンドとして使用可能なFc結合性タンパク質の第一の態様として、配列番号1に記載のヒトFcγRIα鎖のアミノ酸配列のうち、16番目のグルタミンから292番目のヒスチジンまでの細胞外領域(図1のEC領域)中にある抗体結合ドメイン領域、すなわち95番目のプロリンから184番目のスレオニンまでのアミノ酸を少なくとも含むタンパク質があげられる。また、リガンドとして使用可能なFc結合性タンパク質の第二の態様として、配列番号1に記載のヒトFcγRIα鎖のアミノ酸配列のうち少なくとも95番目のプロリンから184番目のスレオニンまでのアミノ酸を含み、かつ前記アミノ酸のうちの一つ以上が他のアミノ酸に置換されたタンパク質があげられる(特願2009−274352号)。リガンドとして使用可能なFc結合性タンパク質の第三の態様として、配列番号1に記載のヒトFcγRIα鎖のアミノ酸配列のうち、16番目のグルタミンから292番目のヒスチジンまでの細胞外領域(図1のEC領域)中の、少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含むタンパク質があげられる。また、リガンドとして使用可能なFc結合性タンパク質の第四の態様として、配列番号1に記載のヒトFcγRIα鎖のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含み、かつ前記アミノ酸のうちの一つ以上が他のアミノ酸に置換されたタンパク質があげられる。前記第四の態様の具体例として、配列番号1に記載のヒトFcγRIα鎖のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含むタンパク質であって、
(ア)配列番号1の20番目のスレオニンがプロリンに置換
(イ)配列番号1の25番目のスレオニンがリジンに置換
(ウ)配列番号1の38番目のスレオニンがアラニンまたはセリンに置換
(エ)配列番号1の46番目のロイシンがアルギニンまたはプロリンに置換
(オ)配列番号1の62番目のアラニンがバリンに置換
(カ)配列番号1の63番目のスレオニンがイソロイシンに置換
(キ)配列番号1の69番目のセリンがフェニルアラニンまたはスレオニンに置換
(ク)配列番号1の71番目のアルギニンがヒスチジンに置換
(ケ)配列番号1の77番目のバリンがアラニンまたはグルタミン酸に置換
(コ)配列番号1の78番目のアスパラギンがアスパラギン酸に置換
(サ)配列番号1の94番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換
(シ)配列番号1の100番目のイソロイシンがバリンに置換
(ス)配列番号1の110番目のセリンがアスパラギンに置換
(セ)配列番号1の114番目のフェニルアラニンがロイシンに置換
(ソ)配列番号1の125番目のヒスチジンがアルギニンに置換
(タ)配列番号1の131番目のロイシンがアルギニンまたはプロリンに置換
(チ)配列番号1の149番目のトリプトファンがロイシンに置換
(ツ)配列番号1の156番目のロイシンがプロリンに置換
(テ)配列番号1の160番目のイソロイシンがメチオニンに置換
(ト)配列番号1の163番目のアスパラギンがセリンに置換
(ナ)配列番号1の195番目のアスパラギンがスレオニンに置換
(ニ)配列番号1の199番目のスレオニンがセリンに置換
(ヌ)配列番号1の206番目のアスパラギンがリジン、セリンまたはスレオニンに置換
(ネ)配列番号1の207番目のロイシンがプロリンに置換
(ノ)配列番号1の218番目のロイシンがバリンに置換
(ハ)配列番号1の240番目のアスパラギンがアスパラギン酸に置換
(ヒ)配列番号1の248番目のロイシンがセリンに置換
(フ)配列番号1の283番目のロイシンがヒスチジンに置換
(ヘ)配列番号1の285番目のロイシンがグルタミンに置換
のいずれかのアミノ酸置換を一つ以上含む、タンパク質があげられる(特願2010−052789号)。なお、前記第一から第四の態様において、細胞外領域(図1のEC領域)のN末端側にあるシグナルペプチド領域(図1のSS領域)の全てまたは一部が含まれていてもよいし、細胞外領域(図1のEC領域)のC末端側にある膜貫通領域(図1のTM領域)の全てまたは一部や細胞内領域(図1のC領域)の一部が含まれていてもよい。また、ポリヒスチジンタグといった、精製などを行なうためのタグペプチドがN末端側またはC末端側に付加されていてもよい。
本発明の精製方法においてリガンドとして使用するFc結合性タンパク質は、遺伝子組換え技術を用いて製造するのが好ましく、前記Fc結合性タンパク質のアミノ酸配列や前記Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、公的データベースに公表されている配列を参考にすることができる(例えばNCBI、http://www.ncbi.nlm.nih.gov)。なお、アミノ酸配列からヌクレオチド配列に変換する際は、形質転換させる宿主におけるコドンの使用頻度を考慮して変換するのが好ましく、コドンの使用頻度の解析には公的データベース(例えば、かずさDNA研究所のホームページにあるCodon Usage Databaseなど)を利用することができる。遺伝子組換え技術を用いてFc結合性タンパク質を製造するには、前述した方法で得られたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを、発現させる宿主に適切な発現ベクターに挿入後、前記ベクターで前記宿主を形質転換することで、Fc結合性タンパク質を発現可能な宿主を調製し、前記宿主を培養することでFc結合性タンパク質を製造すればよい。
本発明の精製方法で用いるFc結合性タンパク質を固定化させる固相は、クロマトグラフィーで通常用いられる固相の中から適宜選択可能であり、固相の材料の一例として、親水性ビニルポリマー、シリカ、ガラス、アガロース、セルロース、ハイドロキシアパタイト、ポリスチレンがあげられる。本発明の精製方法で用いる固相は、空孔の大きさおよび量が適切に制御されたものが好ましいが、メンブラン型の固相であってもよい。固相にFc結合性タンパク質を固定化させるには、あらかじめ固相表面にエポキシ基、ホルミル基、アミノ基、カルボキシル基、トレシル基などの活性基を導入し、前記固相と前記Fc結合性タンパク質とを前記活性基を介して共有結合により固定化させればよい。
本発明の精製方法においてFc結合性タンパク質を固定化した固相に抗体を吸着させるには、適切な空カラムに充填したFc結合性タンパク質を固定化した固相に、抗体を含む溶液(培養液など)を適切な送液システムを用いて直接添加して吸着させればよい。固相に添加する、抗体を含む溶液のpHは、抗体の有するFc領域が変性しない条件であれば、特に制限はないが、後述するようにpH3.5以下とすると固相から抗体が溶出するため、pH4からpH10が好ましく、pH4から8がより好ましい。
本発明の精製方法において固相に吸着した抗体は、溶出液を用いて速やかに溶出させてもよいが、溶出させる前に洗浄液を用いて固相に吸着した夾雑物質をあらかじめ除去すると抗体の精製度が向上する点で好ましい。溶出液および洗浄液は緩衝液を用いると好ましく、そのpHは、後述の実施例で示すように、pH3.5以下の条件では固相に吸着した抗体の80%以上を溶出すること、およびpH4.6以上の条件では固相に吸着した抗体の数%しか溶出しないことから、溶出液のpHは3.5以下であり、洗浄液のpHは4.5以上である。特に、溶出液のpHを3.3以下にすると固相に吸着した抗体のほぼ全量が溶出できるため好ましい。
溶出液および洗浄液として用いる緩衝液には、少なくとも前記条件のpHが緩衝領域に入るような緩衝成分を含んでいればよく、緩衝成分の一例として、酢酸、クエン酸、ヒスチジン、リン酸、ホウ酸、アンモニウム塩(例えば、酢酸アンモニウムやコハク酸アンモニウム)、MES、MOPS、HEPES、Tris、およびこれらの組み合わせがあげられる。なお、溶出液および洗浄液として用いる緩衝液には、必要に応じ、さらなる添加剤を含んでもよい。前記添加剤の一例として、塩、アミノ酸、カオトロープ、アルコール、界面活性剤などのタンパク質安定化剤、糖があげられる。塩は緩衝液のイオン強度を調整するために用いられ、具体的には、塩化ナトリウムや塩化カリウムなどの塩化物、硫酸ナトリウムなどの硫酸塩、酢酸ナトリウムなどの酢酸塩、クエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩、リン酸ナトリウムなどのリン酸塩が例示できる。緩衝液に添加するアミノ酸の具体例としては、グリシン、ヒスチジン、アルギニンが例示できる。緩衝液に添加するカオトロープの具体例としては、尿素があげられる。緩衝液に添加するアルコールの具体例としては、エタノール、マンニトール、グリセロール、ベンジルアルコールがあげられる。界面活性剤は、抗体の凝集防止、または抗体と夾雑物質との非特異的相互作用もしくは結合を抑制するために用いられ、具体的には、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20または80)、ポロキサマー(商品名)(例えばポロキサマー188)、Triton(商品名)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム、オクチルグリコシドナトリウム、ラウリルスルホベタイン、ミリスチルスルホベタイン、リノレイルスルホベタイン、ステアリルスルホベタイン、ラウリルザルコシン、ミリスチルザルコシン、リノレイルザルコシン、ステアリルザルコシン、ラウリルベタイン、ミリスチルベタイン、リノレイルベタイン、セチルベタイン、ラウロアミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、リノレアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、パルミドプロピルベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルジメチルアミン、パルミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、ココイルメチルタウリンナトリウム、オレイルメチルタウリン二ナトリウム、MONAQUAT(商品名)、Igepal CA−630(商品名)、Pluronic(商品名)、BRIJ(商品名)、Atlas G2127(商品名)、Genapol(商品名)、HECAMEG(商品名)、LUBROL PX(商品名)、MEGA(商品名)、NP(商品名)、THESIT(商品名)、TOPPS、CHAPS、CHAPSO、DDMAU、EMPIGEN BB(商品名),AWITTERGENT(商品名)、C12E8などのイオン性または非イオン性の界面活性剤があげられる。前記界面活性剤の緩衝液への添加量は、精製する抗体および精製条件に応じて適宜決定すればよいが、一例として約0.001%から約20%の範囲、多くの場合約0.01%から約1%の範囲で添加する。緩衝液に添加する糖の具体例としては、スクロース、マルトース、トレハロース、フルクトースがあげられる。
本発明の精製方法により溶出した抗体は、そのまま用いることもできるが、医薬品用途など、より高純度な抗体が求められる場合は、溶出した抗体を、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーといったカラムクロマトグラフィーを用いてさらに精製してもよい。
本発明の精製方法は、Fc結合性タンパク質を固定化した固相に抗体を含む溶液を添加して前記固相に前記抗体を吸着させ、前記固相に吸着した前記抗体を溶出液を用いて溶出させる、抗体の精製方法において、溶出液のpHが3.5以下であることを特徴としており、Fc領域を有した抗体を一段階の操作で高純度に精製することができる。また、本発明で使用するFc結合性タンパク質の一つである、Fc受容体は従来より、抗体精製用リガンドとして用いられているプロテインAと比較し、安全性が高いことから、本発明の精製方法は、医薬品用途といった、製品の安全性が強く求められる分野で使用する抗体の製造プロセスにおいても安心して用いることができる。
Fc受容体FcγRIのα鎖の構造を示す図である。 ベクターpETMalEの構造を示す図である。 発現ベクターpETFcRm19の構造を示す図である。 Fc結合性タンパク質固定化ゲルの抗体結合性を示す図である。 実施例11で実施した、Fc結合性タンパク質固定化ゲルを用いた精製における、模擬培養液中、カラム通過液中、および抗体回収溶液中のタンパク質純度を示すクロマトグラムを示す図である。 実施例12で実施した、Fc結合性タンパク質固定化ゲルを用いた精製における、模擬培養液中、カラム通過液中、および抗体回収溶液中のタンパク質純度を示すクロマトグラムを示す図である。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 天然型Fc結合性タンパク質発現株の調製
特許文献4に開示されている方法に従い、天然型Fc結合性タンパク質発現株を調製した。具体的な調製方法を以下に示す。
(1)天然型Fc結合性タンパク質として、ヒトFcγRIのうち細胞外領域を含む領域(具体的には、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち、16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含む領域)を選択し、当該領域をコードするポリヌクレオチドをpECEdhfrプラスミドに挿入することで、ヒトFcγRI発現ベクターpECEFcRdhfrを作製した。
(2)ヒトFcγRI発現ベクターpECEFcRdhfrで、dhfr遺伝子を欠損したCHO細胞DBX−11株(非特許文献2)を形質転換した。
(3)(2)で形質転換したCHO細胞を5nMのメソトレキセート(MTX)を含む培地で培養し、増殖した細胞株をモノクローナル化後、それぞれの細胞株について抗体結合活性を測定した。抗体結合活性は、下記の方法で測定した。
(3−1)マキシソープ96ウェルプレート(NUNC社製)に、10μg/mLのヒトガンマグロブリン製剤(化学及血清療法研究所製)100μLを各ウェルに添加し、4℃で16時間静置することによってヒトガンマグロブリンをプレート固相に固定化した。
(3−2)ヒトガンマグロブリンを固定化したプレートを0.2% Tween20、150mM NaClを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)(以下、TBST)で洗浄した。
(3−3)Starting Block(PIERCE社製)200μLを各ウェルに添加し、30℃で2時間静置することによりブロッキング工程を行ない、Fc結合性タンパク質定量用ELISAプレートを作製した。
(3−4)形質転換したCHO細胞の培養上清を適当な倍率で希釈し、(3−3)で作製したELISAプレートの各ウェルに100μLずつ添加し、30℃で1時間反応させた。
(3−5)(3−4)の反応後、TBSTにて洗浄し、10000倍希釈したHis−probe(H−15)HRP抗体(Santa Cruz Biotechnology社製)100μLを各ウェルに添加し、30℃で1時間反応させた。
(3−6)TBSTによりプレートを洗浄後、HRPの基質(TMB:ナカライテスク社製)を添加し、2分間放置後、1Mのリン酸水溶液で反応を停止した。
(3−7)450nmの吸光度を測定した。なお、定量のための標準物質として市販のヒトFcγRI(R&D SYSTEMS社製)を使用し、その吸光度との比較からFc結合性タンパク質を定量した。
(4)(3)の結果得られた、Fc結合性タンパク質発現量が多い細胞株について、50nMのMTXを含む培地で培養し、(3)の方法でMTX耐性を獲得した細胞株の抗体結合活性を測定した。
(5)(3)と(4)の操作を繰り返すことにより、培地中のMTX濃度を上昇させ、最終的には5μM(初期スクリーニング濃度の1000倍)のMTX存在下においても増殖する細胞株、すなわち、MTX耐性の獲得と連動し、Fc結合性タンパク質を大量に発現するCHO細胞株を調製した。
実施例2 天然型Fc結合性タンパク質の調製
実施例1で調製した天然型Fc結合性タンパク質を発現する細胞株より、以下の方法で前記タンパク質の生産を行なった。
(1)実施例1で調製したFc結合性タンパク質を発現するCHO細胞株を、高密度培養システムBelloCell(CESCO社製)を用い、5%透析ウシ胎児血清入りD−MEM/F12培地(GIBCO社製)にて培養した(37℃、5日間)。
(2)培養した細胞株の培地を、5%透析ウシ胎児血清入りD−MEM/ExCell302(SAFCバイオサイエンス社製)の等量混合培地に交換し、BelloCell(CESCO社製)用い、さらに培養した(37℃、30日間)。なお、培養中、栄養源が枯渇する前に培養上清を回収し、新たな培地と交換している。
(3)(2)の培養で得られた、Fc結合性タンパク質を含む培養上清(合計10L)を、20mM 酢酸緩衝液(pH5.2)で透析することで脱塩処理を施し、あらかじめ前記緩衝液で平衡化したSTREAMLINE SPゲル(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)300mLを充填した吸着流動床システム(STREAMLINE C−50、GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に前記脱塩処理した培養上清を添加した。
(4)20mM酢酸緩衝液(pH5.2)で洗浄後、10% グリセロール、1M NaClを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4)によりFc結合性タンパク質を溶出させた。
(5)(4)で得られたFc結合性タンパク質を含む画分を、20mM イミダゾール、0.5M NaClを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4)で透析し、前記緩衝液で平衡化したHisTrap HPゲルを充填したカラム(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に添加した。
(6)20mMイミダゾールと0.5M NaClを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4)で洗浄後、500mM イミダゾールと0.5M NaClを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4)でFc結合性タンパク質を溶出させた。
イムノグロブリンを標準タンパク質としてブラッドフォード法(プロテインアッセイキット、Bio−Rad社製)によりタンパク質の定量を行なった結果、約10Lの培養上清から天然型Fc結合性タンパク質を約20mg調製することができた。
実施例3 変異型Fc結合性タンパク質発現株の調製
本実施例では、発現させるFc結合性タンパク質を天然型(実施例1から2)から変異型に変更した。
本実施例で発現させる変異型Fc結合性タンパク質は、Fc結合性タンパク質の一つである天然型のヒトFcγRIのうち、細胞外領域にあるアミノ酸の一部を他のアミノ酸に置換したヒトFcγRIであり、具体的には、配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むヒトFcγRIである。配列番号2は、配列番号1に記載の天然型ヒトFcγRIのアミノ酸配列のうち16番目のグルタミンから289番目のバリンまでの領域に相当し、前記領域のアミノ酸のうち、以下に示す19箇所のアミノ酸置換を行なったものである(特願2010−052789号)。
(ア)配列番号1の20番目のスレオニンがプロリンに置換(Thr20Pro)
(イ)配列番号1の25番目のスレオニンがリジンに置換(Thr25Lys)
(ウ)配列番号1の38番目のスレオニンがセリンに置換(Thr38Ser)
(エ)配列番号1の46番目のロイシンがプロリンに置換(Leu46Pro)
(オ)配列番号1の63番目のスレオニンがイソロイシンに置換(Thr63Ile)
(カ)配列番号1の69番目のセリンがスレオニンに置換(Ser69Thr)
(キ)配列番号1の71番目のアルギニンがヒスチジンに置換(Arg71His)
(ク)配列番号1の77番目のバリンがグルタミン酸に置換(Val77Glu)
(ケ)配列番号1の78番目のアスパラギンがアスパラギン酸に置換(Asn78Asp)
(コ)配列番号1の100番目のイソロイシンがバリンに置換(Ile100Val)
(サ)配列番号1の114番目のフェニルアラニンがロイシンに置換(Phe114Leu)
(シ)配列番号1の160番目のイソロイシンがメチオニンに置換(Ile160Met)
(ス)配列番号1の163番目のアスパラギンがセリンに置換(Asn163Ser)
(セ)配列番号1の195番目のアスパラギンがスレオニンに置換(Asn195Thr)
(ソ)配列番号1の206番目のアスパラギンがスレオニンに置換(Asn206Thr)
(タ)配列番号1の207番目のロイシンがプロリンに置換(Leu207Pro)
(チ)配列番号1の240番目のアスパラギンがアスパラギン酸に置換(Asn240Asp)
(ツ)配列番号1の283番目のロイシンがヒスチジンに置換(Leu283His)
(テ)配列番号1の285番目のロイシンがグルタミンに置換(Leu285Gln)
(1)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む変異型ヒトFcγRI(以降、FcRm19とする)をコードするポリヌクレオチドを、下記に示す2段階のPCRにより、配列番号3から38に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いて合成した。
(1−1)表1に示す反応液を用い、94℃で5分間熱処理後、94℃で30秒間の第1ステップ、62℃で30秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を25サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで、1段階目のPCR反応を行なった。なお、表1に記載のDNAミックスは、50pmoL/μLの前記36種類のオリゴヌクレオチド(配列番号3から38に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド)溶液を同量ずつ採取し混合した溶液である。
Figure 2012072091
(1−2)1段階目のPCRの反応液を鋳型とし、表2に示す反応液を用い、94℃で5分間熱処理後、94℃で30秒間の第1ステップ、65℃で30秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を25サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで、2段階目のPCR反応を行なった。なお、PCRプライマーは配列番号39に記載の配列(5’−TCAG[CCATGG]GACAAGTAGATACCCCCAAAGCTGTGATTA−3’;角かっこ内は制限酵素NcoIサイト)と配列番号40に記載の配列(5’−CC[AAGCTT]AATGATGATGATGATGATGGACCGGGGTCGGCTGTTGATGACCCAG−3’;角かっこ内は制限酵素HindIIIサイト)からなる各オリゴヌクレオチドを用いた。
Figure 2012072091
(2)2段階目のPCR産物から、アガロースゲルを用いて抽出精製(QIAquick Gel extraction kit、キアゲン社製)し、FcRm19をコードするポリヌクレオチドを調製した。
(3)pET26b(+)プラスミドベクターを基に、下記の方法により、FcRm19を大腸菌(E.coli)で発現させるためのベクターを作製した。
(3−1)配列番号41に記載のアミノ酸配列(MKIKTGARILALSALTTMMFSASALA、UniProt No.P0AEX9の1番目から26番目までのアミノ酸配列に相当)からなるMalEシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを作製するために、配列番号42に記載の配列(5’−TATA[CATATG]AAAATAAAAACAGGTGCACGCATCC−3’;角かっこ内の塩基は制限酵素NdeIサイト)、配列番号43に記載の配列(5’−GCATTAACGACGATGATGTTTTCCGCCTCGGCTCTCGCC−3’)、配列番号44に記載の配列(5’−ATCGTCGTTAATGCGGATAATGCGAGGATGCGTGCACCTG−3’)、および配列番号45に記載の配列(5’−TTGTC[CCATGG]CTTCTTCGATTTTGGCGAGAGCCG−3’;角かっこ内の塩基は制限酵素NcoIサイト)からなる各オリゴヌクレオチドを、PCR法により連結した。PCR反応は表3に示す反応液を用い、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を5サイクル行なった。
Figure 2012072091
(3−2)(3−1)のPCR産物を鋳型とし、表1に示す反応液を用い、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なうPCR反応をすることで、MalEシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを作製した。なお、表1に記載のDNAミックスは、50pmoL/μLの配列番号42または45に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド溶液を同量ずつ採取し混合した溶液である。
(3−3)(3−2)で調製したMalEシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを、制限酵素NdeIとNcoIで消化後、あらかじめ制限酵素NdeIとNcoIで消化したpET26b(+)プラスミドベクター(Novagen社製)にライゲーションし、ヒートショック法により大腸菌(E.coli) JM109株(タカラバイオ社製)を形質転換した。
(3−4)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地で培養し、培養した形質転換体からプラスミドDNAを抽出することで、ベクターpETMalEを調製した。pETMalEの概略を図2に示す。
(3−5)pETMalEベクターを制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化したFcRm19をコードするポリヌクレオチドをライゲーション反応により挿入した。
(3−6)ライゲーション後、ヒートショック法により大腸菌(E.coli) JM109株(タカラバイオ社製)を形質転換した。
(3−7)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地にて培養後、定法に従いプラスミドを抽出する(Qiaprep Spin Miniprep Kit、キアゲン社製)ことで、発現ベクターpETFcRm19を調製した。pETFcRm19の概略を図3に示す。
(4)ヒートショック法によりpETFcRm19で大腸菌(E.coli) BL21(DE3)株を形質転換した。
実施例4 塩基配列の解析
発現ベクターpETFcRm19(図3)に挿入されているポリヌクレオチドの塩基配列を、チェーンターミネータ法に基づくBig Dye Terminator Cycle Sequencing FS read Reaction kit(PEアプライドバイオシステム社製)を用いてサイクルシークエンス反応に供し、全自動DNAシークエンサーABI Prism 3700 DNA analyzer(PEアプライドバイオシステム社製)にて解析した。なお、シークエンス用プライマーとして、配列番号46に記載の配列(5’−TAATACGACTCACTATAGGG−3’)と配列番号47に記載の配列(5’−TATGCTAGTTATTGCTCAG−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを用いた。
解析の結果、pETFcRm19に挿入されているポリヌクレオチドの配列は設計通りであることを確認した。pETFcRm19に挿入されているポリヌクレオチドの塩基配列を配列番号48に、前記ポリヌクレオチドから翻訳したMalEシグナルペプチドを含めたFcRm19のアミノ酸配列を配列番号49にそれぞれ示す。
なお、配列番号49のうち、1番目のメチオニンから26番目のアラニンまでがMalEシグナルペプチド(配列番号41)、27番目のリジンから33番目のグリシンまでがリンカーペプチド、34番目のグルタミンから307番目のバリンまでが変異型FcγRIであるFcRm19(配列番号2に記載のアミノ酸配列)、308番目から313番目までのヒスチジンがポリヒスチジンタグである。また、置換アミノ酸であるThr20Proのプロリンは配列番号49において38番目、Thr25Lysのリジンは43番目、Thr38Serのセリンは56番目、Leu46Proのプロリンは64番目、Thr63Ileのイソロイシンは81番目、Ser69Thrのスレオニンは87番目、Arg71Hisのヒスチジンは89番目、Val77Gluのグルタミン酸は95番目、Asn78Aspのアスパラギン酸は96番目、Ile100Valのバリンは118番目、Phe114Leuのロイシンは132番目、Ile160Metのメチオニンは178番目、Asn163Serのセリンは181番目、Asn195Thrのスレオニンは213番目、Asn206Thrのスレオニンは224番目、Leu207Proのプロリンは225番目、Asn240Aspのアスパラギン酸は258番目、Leu283Hisのヒスチジンは301番目、Leu285Glnのグルタミンは303番目の位置にそれぞれある。
実施例5 変異型Fc結合性タンパク質の調製
(1)実施例3で作製したFcRm19を発現する形質転換体(大腸菌)を、50μg/mLのカナマイシンを添加した2×TY液体培地に接種し、37℃で一晩振とう培養することで前培養を行なった。
(2)前培養液を50μg/mLのカナマイシンを添加した2×TY培地(500mL)に添加し、37℃で振とう培養した。培養開始1.5時間後に培養温度を20℃に切り換えるとともにIPTGを終濃度0.01mMとなるよう添加し、引き続き20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養終了後、遠心分離操作(10000rpm、20分間)により得られた湿菌体を、500mM NaCl、0.1mM PMSF(phenylmethylsulfonyl fluoride)および20mM イミダゾールを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)に懸濁し、タンパク質抽出液を調製するために4℃に冷却しながら超音波破砕処理した。
(4)超音波破砕処理液を遠心分離操作(10000×g、20分、4℃)により、破砕物からFc結合性タンパク質を含む溶液を遠心上清として回収した。
(5)遠心上清を500mM NaCl、0.1% Tween20および20mM イミダゾールを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)で平衡化したニッケルキレートカラム(His・Bind Resin、Novagen社製)に添加し、前記緩衝液で洗浄後、500mM NaCl、0.1% Tween20および500mM イミダゾールを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)を用いて、吸着したFc結合性タンパク質を溶出した。
(6)(5)の溶出液を、あらかじめ150mM NaClと0.05% Tween20を含む50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)で平衡化したIgG Sepharose 6 Fast Flow(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に添加し、前記緩衝液で洗浄後、0.05% Tween20と10% グリセリンを含む20mMのクエン酸緩衝液(pH3.0)でFc結合性タンパク質を溶出した。なお溶出する際、あらかじめ溶出量の1/4量の1M Tris−HCl緩衝液(pH8.0)を入れた試験管に集めることで、溶出液をただちに中和した。
(7)溶出したタンパク質の純度を、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)およびクマシーブリリアントブルー染色(CBB染色)により確認し、抗体結合活性の確認は実施例1の方法と同様に行なった。
結果、大腸菌培養液1Lから精製Fc結合性タンパク質を約5mg調製できた。
実施例6 天然型Fc結合性タンパク質固定化カラムの作製
実施例2で調製した天然型Fc結合性タンパク質のアフィニティークロマトグラフィー用リガンドとしての性能を評価するために、前記タンパク質をクロマトグラフィー用ゲルに固定化した。
(1)実施例2で調製した天然型Fc結合性タンパク質溶液1000μL(濃度:12.1mg/mL)に、エポキシトヨパールゲル(東ソー社製)0.5g(乾燥重量)と3M リン酸緩衝液(pH7.5)1500μLとを添加し、25℃で16時間反応した。エポキシトヨパールへの天然型Fc結合性タンパク質の固定化量を、HPLC法[カラム:TSKgel SP−STAT(3.0mmID×3.5cm、東ソー社製)、溶離液A:20mM 酢酸緩衝液(pH5.5)、溶離液B:1M NaClを含む溶離液A、溶出条件:10分間の直線濃度勾配;B 0%からB 100%、検出:UV220nm]により反応液中の残存量を求めることで算出した結果、投入した天然型Fc結合性タンパク質の約80%以上がエポキシトヨパールゲルと反応しており、固定化が良好であることを確認した。
(2)固定化反応終了後、ゲルスラリーをフィルター付きのカラムに移して余分な反応液をろ過して除去した。
(3)水、引き続き20mMのリン酸緩衝液(pH7.0)をそれぞれ(2)のカラムに通液してゲルを充分に洗浄後、空カラムに天然型Fc結合性タンパク質を固定化したエポキシトヨパールゲル500μL容量を充填した。
実施例7 天然型Fc結合性タンパク質固定化カラムの抗体結合性
(1)実施例6で作製した天然型Fc結合性タンパク質固定化ゲル(Fc結合性タンパク質の固定化量:20mg/mLゲル)を充填したカラム(500μL容量)に、50mM リン酸緩衝液(pH7.0)を5mL添加し、引き続き50mM リン酸緩衝液(pH7.0)に溶解したヒトポリクローナル抗体(ガンマグロブリン製剤、化学及血清療法研究所製)を30mg添加し、10分間静置した。
(2)50mM リン酸緩衝液にて充分に洗浄することで未吸着の抗体をカラムから溶出させた後、100mMのクエン酸緩衝液(pH3.0)をカラムに添加することで、ゲルに吸着した抗体を溶出させた。溶出液中の抗体濃度は280nmの吸光度を測定し、1%濃度の抗体液の280nmにおける吸光度(光路長:10mm)14.0を基に算出した。結果、ゲル1mLあたり約22.0mgの抗体を吸着したことが判明した。
実施例8 変異型Fc結合性タンパク質固定化ゲルの作製
実施例5で調製した変異型Fc結合性タンパク質(FcRm19)のアフィニティクロマトグラフィー用リガンドとしての性能を評価するために、前記タンパク質をクロマトグラフィー用ゲルに固定化した。
(1)実施例5で調製したFcRm19溶液550μL(濃度:4.6mg/mL)に、エポキシトヨパールゲル(東ソー社製)0.15g(乾燥重量)と3Mのリン酸緩衝液(pH8.0)175μLを添加し、20℃で14時間反応させた。エポキシトヨパールへのFcRm19の固定化量を、HPLC法[カラム:TSKgel SP−STAT(3.0mmID×3.5cm、東ソー社製)、溶離液A:20mM 酢酸緩衝液(pH5.5)、溶離液B:1M NaClを含む溶離液A、溶出条件:10分間の直線濃度勾配;B 0%からB 100%、検出:UV220nm]により反応液中の残存量を求めることで算出した結果、投入したFcRm19の約90%以上がエポキシトヨパールゲルと反応しており、固定化が良好であることを確認した。
(2)固定化反応終了後、ゲルスラリーをフィルター付きのカラムに移して余分な反応液をろ過して除去した。
(3)水、引き続き20mMのリン酸緩衝液(pH7.0)をそれぞれ(2)のカラムに通液してゲルを充分に洗浄後、FcRm19を固定化したエポキシトヨパールゲル150μL容量を空カラムに充填した。
実施例9 変異型Fc結合性タンパク質固定化カラムの抗体結合性
(1)実施例8で作製した変異型Fc結合性タンパク質(FcRm19)固定化ゲル(FcRm19の固定化量:15mg/mLゲル)を充填したカラム(150μL容量)に、50mM リン酸緩衝液(pH7.0)を5mL添加し、引き続き50mM リン酸緩衝液(pH7.0)に溶解したヒトポリクローナル抗体(ガンマグロブリン製剤、化学及血清療法研究所製)を15mg添加し、10分間静置した。
(2)50mM リン酸緩衝液(pH7.0)にて充分に洗浄することで未吸着の抗体をカラムから溶出させた後、100mM クエン酸緩衝液(pH3.0)をカラムに添加することで、ゲルに吸着した抗体を溶出させた。溶出液中の抗体濃度は280nmの吸光度を測定し、1%濃度の抗体液の280nmにおける吸光度(光路長:10mm)14.0を基に算出した。結果、ゲル1mLあたり約18.0mgの抗体を吸着したことが判明した。
実施例10 Fc結合性タンパク質固定化カラムの吸着特性
(1)実施例8で作製した変異型Fc結合性タンパク質(FcRm19)固定化ゲル(FcRm19の固定化量:15mg/mLゲル)を充填したカラム(150μL容量)に、実施例9と同量のヒトポリクローナル抗体を添加し、ゲルに吸着させた。
(2)50mM リン酸緩衝液(pH7.0)にて充分に洗浄することで未吸着の抗体をカラムから溶出させた後、100mM クエン酸緩衝液(pH3.0からpH4.6)をそれぞれカラムに添加し、ゲルから溶出した液を分取した(以降、抗体溶出液1とする)。
(3)最後に50mM クエン酸緩衝液(pH3.0)をカラムに添加することで、ゲルに吸着したままの抗体を完全に溶出させた(以降、抗体溶出液2とする)。
分取した抗体溶出液1および2のタンパク質濃度をブラッドフォード法にてそれぞれ定量し、各pHにおける抗体溶出割合を算出した。結果を図4に示す。図4からわかるように、クエン酸緩衝液のpHが3.5以下であればゲルに吸着した抗体の80%以上を回収できることがわかり、特にpHを3.3以下にするとゲルに吸着した抗体をほぼ全量回収できることがわかる。一方、pHが4.6ではゲルに吸着した抗体の数%しか溶出していないことから、ゲルに吸着した抗体を溶出する前に、ゲルに非特異的に吸着した夾雑物質を除去する操作(洗浄操作)を行なう場合、洗浄液のpHを4.5以上にすると、ゲルに吸着した抗体を溶出させることなく夾雑物質を除去できることがわかる。
実施例11 変異型Fc結合性タンパク質固定化ゲルによる抗体精製(その1)
(1)模擬培養液として、CHO細胞(DBX−11株)を、10%のウシ胎児血清(GIBCO社製)を含むα−MEM(GIBCO社製)培地で常法に従い培養し、これにヒトポリクローナル抗体(ガンマグロブリン製剤、化学及血清療法研究所製)1mg/mLとなるよう添加したものを調製した。
(2)模擬培養液を遠心分離操作(10000rpm、10分)することにより、培養液中のCHO細胞を取り除いた。
(3)あらかじめ50mM リン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化した、実施例8で作製した変異型Fc結合性タンパク質(FcRm19)固定化ゲルを充填したカラムに、(2)の遠心上清10mL添加した。
(4)0.01% Tween20を含む50mM リン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄することで、ゲルに非特異的に吸着する夾雑成分を取り除いた後、50mM クエン酸緩衝液(pH3.0)でゲルに吸着した抗体を溶出させた。なお、溶出液はただちに50mM リン酸緩衝液(pH7.0)で透析することで、pHを中性に戻した(抗体回収溶液)。
(5)模擬培養液、カラム通過液および抗体回収溶液をサイズ排除クロマトグラフィー[カラム:TSKgel G3000SWXL 7.8mmIDx30cm(東ソー社製)、溶離液:150mMのNaClを含むリン酸緩衝液(pH7.0)、流速:1.0ml/分、検出波長:280nm]による成分分析で各液中のタンパク質組成を確認した。
結果を図5に示す。図5からわかるように、模擬培養液から選択的にヒト抗体を回収可能であることを確認した。
実施例12 変異型Fc結合性タンパク質固定化ゲルによる抗体精製(その2)
(1)以下に示す方法により、模擬培養液を調製した。
(1−1)大腸菌(E.coli) BL21(DE3)株を100mLのLB培地を添加した500mL容量のバッフル付き三角フラスコに接種し、37℃にてOD3.0になるまで振とう培養した。この大腸菌培養液から遠心分離操作(8000rpm、15分間)により大腸菌菌体を回収した。
(1−2)得られた菌体を50mM リン酸緩衝液(pH7.0)20mLに懸濁し、超音波破砕法により菌体を破砕した。
(1−3)菌体破砕液から遠心分離操作(12000rpm、15分間)により遠心上清(大腸菌タンパク質抽出液)を得た。
(1−4)遠心上清にヒトポリクローナル抗体(ガンマグロブリン製剤、化学及血清療法研究所製)を1mg/mLの終濃度となるように添加したものを模擬培養液とした。
(2)あらかじめ50mM リン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化した、実施例8で作製した変異型Fc結合性タンパク質(FcRm19)固定化ゲルを充填したカラムに、模擬培養液10mL添加した。
(3)0.01% Tween20を含む50mM リン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄することで、ゲルに非特異的に吸着する夾雑成分を取り除き、さらに0.01% Tween20を含む50mM 酢酸緩衝液(pH5.5)で洗浄した後、50mM クエン酸緩衝液(pH3.0)でゲルに吸着した抗体を溶出させた。なお、溶出液はただちに50mM リン酸緩衝液(pH7.0)にて透析することで、pHを中性に戻した(抗体回収溶液)。
(4)模擬培養液、カラム通過液および抗体回収溶液を、実施例11と同様のサイズ排除クロマトグラフィーによる成分分析で各液中のタンパク質組成を確認した。
結果を図6に示した。図6からわかるように、模擬培養液から選択的にヒト抗体を回収可能であることを確認した。

Claims (5)

  1. Fc結合性タンパク質を固定化した固相に抗体を含む溶液を添加して前記固相に前記抗体を吸着させ、
    前記固相に吸着した前記抗体を溶出液を用いて溶出させる、抗体の精製方法であって、
    溶出液のpHが3.5以下である、前記精製方法。
  2. Fc結合性タンパク質を固定化した固相に吸着した抗体を溶出液を用いて溶出させる前に、pH4.5以上の洗浄液を用いて前記固相に吸着した夾雑物質を除去する、請求項1に記載の精製方法。
  3. Fc結合性タンパク質がヒトFcγRIであり、抗体が完全ヒト抗体またはヒト化抗体である、請求項1または2に記載の精製方法。
  4. ヒトFcγRIが、
    (1)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含むタンパク質、または
    (2)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含み、かつ前記アミノ酸のうちの一つ以上が他のアミノ酸に置換されたタンパク質、
    である、請求項3に記載の精製方法。
  5. 配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含み、かつ前記アミノ酸のうちの一つ以上が他のアミノ酸に置換されたヒトFcγRIを固定化した、抗体を精製するための固相。
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