JP6421456B2 - シグナルペプチドおよびそれを用いたタンパク質の製造方法 - Google Patents
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Description
(i)N末端領域には、アルギニンやリジンといった塩基性アミノ酸が少なくとも1つ含まれており、当該塩基性アミノ酸の側鎖の正電荷と細胞膜表面の負電荷とのイオン結合によりシグナルペプチドが細胞膜内へと移行する。
(ii)中心領域では、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリンといった疎水性アミノ酸が多く含まれ、細胞膜内への貫通に関与する。
(iii)C末端領域では、細胞膜貫通後にシグナルペプチダーゼにより切断される特定のアミノ酸が認識部位として存在しており、当該認識部位で切断されることで成熟体タンパク質がペリプラズム領域や細胞外へと放出される。
(A)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるオリゴペプチドのうち、6番目のプロリンが他のアミノ酸に置換された、ペリプラズムにタンパク質を分泌させるためのシグナルペプチド。
(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質や、
(ii)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入または欠失したタンパク質や、
(iii)配列番号61に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質や、
(iv)配列番号61に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入または欠失したタンパク質、
があげられる。
(2)配列番号21の38番目のプロリンがセリンに置換
(3)配列番号21の53番目のロイシンがグルタミンに置換
(4)配列番号21の62番目のグルタミン酸がバリンに置換
(5)配列番号21の63番目のバリンがアラニンまたはグルタミン酸に置換
(6)配列番号21の66番目のロイシンがグルタミンまたはプロリンに置換
(7)配列番号21の67番目のセリンがプロリンに置換
(8)配列番号21の69番目のアラニンがバリンまたはスレオニンに置換
(9)配列番号21の71番目のセリンがスレオニンまたはロイシンに置換
(10)配列番号21の78番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換
(11)配列番号21の81番目のイソロイシンがバリンに置換
(12)配列番号21の84番目のセリンがスレオニンに置換
(13)配列番号21の88番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(14)配列番号21の95番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
(15)配列番号21の119番目のヒスチジンがグルタミンに置換
(16)配列番号21の127番目のバリンがアラニンに置換
(17)配列番号21の146番目のアルギニンがリジンに置換
(18)配列番号21の147番目のアスパラギン酸がアスパラギンに置換
(19)配列番号21の151番目のヒスチジンがチロシンに置換
(20)配列番号21の178番目のスレオニンがアラニンに置換
(21)配列番号21の191番目のアルギニンがリジンに置換
(22)配列番号21の199番目のスレオニンがアラニンに置換
(23)配列番号21の200番目のロイシンがメチオニンに置換
(24)配列番号21の213番目のスレオニンがアラニンに置換
(25)配列番号21の216番目のバリンがアラニンに置換
(26)配列番号21の221番目のロイシンがアルギニンに置換
(27)配列番号21の229番目のセリンがアスパラギンに置換
(28)配列番号21の236番目のイソロイシンがリジンに置換
(29)配列番号21の244番目のチロシンがヒスチジンに置換
(30)配列番号21の253番目のスレオニンがアラニンに置換
(31)配列番号21の290番目のアルギニンがグルタミンに置換
(32)配列番号21の293番目のリジンがアスパラギンに置換
(33)配列番号21の297番目のリジンがグルタミン酸に置換
(34)配列番号21の306番目のプロリンがスレオニンに置換
(35)配列番号21の34番目のグルタミンがアルギニンに置換
(36)配列番号21の45番目のグルタミンがリジンに置換
(37)配列番号21の82番目のグルタミンがプロリンに置換
(38)配列番号21の177番目のアスパラギンがアスパラギン酸に置換
(39)配列番号21の213番目のスレオニンがセリンに置換
(40)配列番号21の242番目のグルタミンがアルギニンに置換
(41)配列番号21の253番目のスレオニンがセリンに置換
(42)配列番号21の271番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
また前記(iv)の具体例としては、配列番号61に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において以下の(1)から(40)のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換が生じている、Fc結合性タンパク質(特願2013−202245号)があげられる。
(1)配列番号61の18番目のメチオニンがアルギニンに置換
(2)配列番号61の27番目のバリンがグルタミン酸に置換
(3)配列番号61の29番目のフェニルアラニンがロイシンまたはセリンに置換
(4)配列番号61の30番目のロイシンがグルタミンに置換
(5)配列番号61の35番目のチロシンがアスパラギン酸、グリシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、セリン、スレオニン、ヒスチジンのいずれかに置換
(6)配列番号61の46番目のリジンがイソロイシンまたはスレオニンに置換
(7)配列番号61の48番目のグルタミンがヒスチジンまたはロイシンに置換
(8)配列番号61の50番目のアラニンがヒスチジンに置換
(9)配列番号61の51番目のチロシンがアスパラギン酸またはヒスチジンに置換
(10)配列番号61の54番目のグルタミン酸がアスパラギン酸またはグリシンに置換
(11)配列番号61の56番目のアスパラギンがスレオニンに置換
(12)配列番号61の59番目のグルタミンがアルギニンに置換
(13)配列番号61の61番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(14)配列番号61の64番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
(15)配列番号61の65番目のセリンがアルギニンに置換
(16)配列番号61の71番目のアラニンがアスパラギン酸に置換
(17)配列番号61の75番目のフェニルアラニンがロイシン、セリン、チロシンのいずれかに置換
(18)配列番号61の77番目のアスパラギン酸がアスパラギンに置換
(19)配列番号61の78番目のアラニンがセリンに置換
(20)配列番号61の82番目のアスパラギン酸がグルタミン酸またはバリンに置換
(21)配列番号61の90番目のグルタミンがアルギニンに置換
(22)配列番号61の92番目のアスパラギンがセリンに置換
(23)配列番号61の93番目のロイシンがアルギニンまたはメチオニンに置換
(24)配列番号61の95番目のスレオニンがアラニンまたはセリンに置換
(25)配列番号61の110番目のロイシンがグルタミンに置換
(26)配列番号61の115番目のアルギニンがグルタミンに置換
(27)配列番号61の116番目のトリプトファンがロイシンに置換
(28)配列番号61の118番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(29)配列番号61の119番目のリジンがグルタミン酸に置換
(30)配列番号61の120番目のグルタミン酸がバリンに置換
(31)配列番号61の121番目のグルタミン酸がアスパラギン酸またはグリシンに置換
(32)配列番号61の151番目のフェニルアラニンがセリンまたはチロシンに置換
(33)配列番号61の155番目のセリンがスレオニンに置換
(34)配列番号61の163番目のスレオニンがセリンに置換
(35)配列番号61の167番目のセリンがグリシンに置換
(36)配列番号61の169番目のセリンがグリシンに置換
(37)配列番号61の171番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(38)配列番号61の180番目のアスパラギンがリジン、セリン、イソロイシンのいずれかに置換
(39)配列番号61の185番目のスレオニンがセリンに置換
(40)配列番号61の192番目のグルタミンがリジンに置換
本発明の形質転換体を作製する際に用いる宿主としては、COS細胞やCHO細胞に代表される動物細胞、バチルス属(ブレビバチルス属細菌やパエニバチルス属細菌のような広義のバチルス属細菌も含む)や大腸菌に代表される細菌、サッカロマイセス属、ピキア属、シゾサッカロマイセス属に代表される酵母、麹菌に代表される糸状菌等が例示できるが、取扱いの簡便な大腸菌を宿主とするのが好ましい。なお宿主が大腸菌でタンパク質がFc結合性タンパク質の場合は、特開2012−034591号および特開2013−085531号に開示した方法等により本発明の形質転換体を培養することで前記タンパク質を発現させればよい。
以下に示す方法にて天然型PelBシグナルペプチド(アミノ酸配列:MKYLLPTAAAGLLLLAAQPAMA、配列番号2)をコードするポリヌクレオチドをプラスミドpTrc99a(GEヘルスケア社製)に挿入することで、発現ベクターpTrcpelを作製した。
(1)配列番号6(5’−CATGAAATACCTGCTGCCGACCGCTGCTGCTGGTCTGCTGCTCCTCGCTGCCCAGCCGGCGATGGC−3’)および配列番号7(5’−CATGGCCATCGCCGGCTGGGCAGCGAGGAGCAGCAGACCAGCAGCAGCGGTCGGCAGCAGGTATTT−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを等量混合し、95℃で5分間加熱後、15℃になるまで1分間で1℃毎に温度を下げることで、二本鎖オリゴヌクレオチドPelBp1を調製した。なお、PelBp1は使用時まで15℃で保持した。
(2)(1)で調製したPelBp1を、あらかじめ制限酵素NcoIで消化したプラスミドpTrc99aに、DNA Ligation kit(タカラバイオ社製)を用いてライゲーションし、このライゲーション産物を用いて大腸菌JM109株(タカラバイオ社製)を形質転換した。
(3)得られた形質転換体を、100μg/mLのカルベニシリンナトリウム(和光純薬社製)を含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン社製)を用いて、発現ベクターpTrcpelを抽出した。
(4)(3)で作製した発現ベクターpTrcpelのうち、PelBシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドおよびその周辺の領域について、チェーンターミネータ法に基づくBig Dye Terminator Cycle Sequencing FS read Reaction kit(ライフテクノロジー社製)を用いてサイクルシークエンス反応に供し、全自動DNAシークエンサーABI Prism 3700 DNA analyzer(ライフテクノロジー社製)にてヌクレオチド配列を解析した。なお当該解析の際、配列番号8(5’−TGTGGTATGGCTGTGCAGG−3’)または配列番号9(5’−TCGGCATGGGGTCAGGTG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドのいずれかをシークエンス用プライマーとして使用した。
配列番号11に記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質FcRm68のC末端側にシステインタグ(アミノ酸配列:CG)を付加したポリペプチド(FcRm68−CG)をコードするポリヌクレオチドを、実施例1で作製した発現ベクターpTrcpelに挿入し、前記タンパク質発現ベクターを作製した。なおFcRm68は、配列番号10に記載のアミノ酸配列中、34番目のグルタミンから307番目のアスパラギン酸までの領域からなるFc結合性タンパク質FcRm60c(特開2011−206046号公報)のうち、
配列番号10の37番目のスレオニンがイソロイシンに、
配列番号10の63番目のバリンがグルタミン酸に、
配列番号10の69番目のアラニンがバリンに、
配列番号10の71番目のセリンがロイシンに、
配列番号10の84番目のセリンがスレオニンに、
配列番号10の95番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に、
配列番号10の292番目のプロリンがリジンに、
配列番号10の293番目のグルタミン酸がリジンに、
配列番号10の297番目のグルタミンがリジンに、
配列番号10の301番目のヒスチジンがリジンに、
配列番号10の304番目のプロリンがリジンに、
それぞれ置換したFc結合性タンパク質である。またFc結合性タンパク質FcRm60cのアミノ酸配列は、配列番号1に記載のヒトFc受容体FcγRIのアミノ酸配列において16番目のグルタミンから289番目のバリンまでの領域に相当し、当該領域において60箇所置換が生じている(特開2011−206046号公報)。
(1)配列番号11に記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質FcRm68をコードするポリヌクレオチドである、配列番号12に記載の配列からなるポリヌクレオチドを鋳型とし、配列番号13(5’−CATGCCATGGGACAAGTAGATATCCCCAAAGCTGTGATTAAGCTGCAACC−3’)および配列番号14(5’−CCGGAAGCTTAGCCGCAGTCCGGGGTCTTCTGTTGTTTACCCAGTAC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、PCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物を精製することで、FcRm68−CGをコードするポリヌクレオチドを得た。
(3)得られた形質転換体を、100μg/mLのカルベニシリンナトリウム(和光純薬社製)を含むLB培地で培養後、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン社製)を用いて、FcRm68−CGをコードするポリヌクレオチドを含む発現プラスミドpTrcFcRm68−CGを抽出した。
(4)(3)で作製した発現ベクターpTrcFcRm68−CGのうち、FcRm68をコードするポリヌクレオチドおよびその周辺の領域について、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。
配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる天然型PelBシグナルペプチドのうち、6番目のプロリンをセリンに置換した本発明のシグナルペプチド(アミノ酸配列:MKYLLSTAAAGLLLLAAQPAMA、配列番号4)を、実施例2で作製したFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドFcRm68−CG−V2を、以下に示す方法で作製した。
(1)実施例2で作製した発現ベクターpTrcFcRm68−CGを鋳型とし、配列番号17(5’−GAAATACCTGCTGTCGACCGCTGCTGCTG−3’:配列番号5(配列番号4に記載の配列からなる本発明のシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列)の3番目から31番目までの領域に相当)および配列番号18(5’−CAGCAGCAGCGGTCGACAGCAGGTATTTC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして、以下の反応を実施した。表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で5分間の第3ステップを1サイクルとする反応を16サイクル繰り返すことで実施した。得られた産物を制限酵素DpnIで消化することで鋳型プラスミドを分解した。
(2)得られた制限酵素消化産物を用いて大腸菌W3110株を形質転換した。
(3)得られた形質転換体を100μg/mLのカルベニシリンナトリウム(和光純薬社製)を含むLB培地で培養し、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン社製)を用いて、FcRm68−CG−V2をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターpTrcFcRm68−CG−V2を抽出した。
(4)実施例1(4)に記載の配列解析により所望の配列であることを確認した。
(1)実施例3で作製した発現ベクターpTrcFcRm68−CG−V2を用いて大腸菌W3110株を形質転換し、100μg/mLのカルベニシリンナトリウムを含む2YT(Tryptone:16g/L、酵母エキス:10g/L、塩化ナトリウム:5g/L)液体培地に接種し、37℃で一晩、好気的に振とう培養することで前培養を行なった。
(2)100μg/mLのカルベニシリンナトリウムを含む2YT液体培地20mLに前培養液を600μL接種し、37℃で好気的に振とう培養を行なった。
(3)培養開始3時間後、培養温度を20℃に変更して30分間振とう培養後、終濃度0.05mMとなるようIPTG(イソプロピル−β−チオガラクトピラノシド)を添加し、引き続き20℃で一晩、好気的に振とう培養した。
(4)培養終了後、遠心分離により集菌し、BugBuster Protein extraction kit(タカラバイオ社製)を用いてタンパク質抽出液を調製した。
(5)(4)で調製したタンパク質抽出液中のFc結合性タンパク質の濃度を、下記に示すELISA法を用いて抗体結合活性を測定し、既知濃度のFc結合性タンパク質における値と比較して測定した。
(5−1)ヒト抗体であるガンマグロブリン製剤(化学及血清療法研究所製)を、96穴マイクロプレートのウェルに1μg/wellの濃度で固定化し(4℃で18時間)、固定化終了後、0.5%(w/v)のBSA(SigmaAldrich社製)および150mMのNaClを含む20mMのTris−HCl緩衝液(pH7.4)によりブロッキングした。
(5−2)洗浄緩衝液(0.05%(w/v)のTween 20と150mMのNaClを含む20mMのTris−HCl緩衝液(pH7.4))で洗浄後、調製したFc結合性タンパク質を含む溶液を固定化ガンマグロブリンと反応させた(30℃で1時間)。
(5−3)反応終了後、前記洗浄緩衝液で洗浄し、50ng/mLに希釈したAnti−FcγRI抗体(R&D Systems社製)を100μL/well添加した。
(5−4)30℃で1時間反応後、前記洗浄緩衝液で洗浄し、50ng/mLに希釈したHorse radish Peroxidase(HRP)標識のAnti−mouse−IgG抗体(BETHYL社製)を100μL/well添加した。
(5−5)30℃で1時間反応後、前記洗浄緩衝液で洗浄し、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を50μL/well添加し、1Mのリン酸水溶液50μL/wellを添加し発色反応を停止し、450nmの吸光度を測定した。
配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる天然型PelBシグナルペプチドのうち、6番目のプロリンを他のアミノ酸に置換したランダム変異型PelBシグナルペプチドライブラリーを以下の方法にて作製した。
(1)実施例2にて作製した発現ベクターpTrcFcRm68−CGを鋳型として、配列番号22(5’−CCATGAAATACCTGCTGNNKACCGCTGCTGCTGGTC−3’;NはA/C/G/Tの混合塩基、KはG/Tの混合塩基)および配列番号23(5’−GACCAGCAGCAGCGGTMNNCAGCAGGTATTTCATGG−3’;MはA/Cの混合塩基、NはA/C/G/Tの混合塩基)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして以下の反応を実施した。表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で5分間の第3ステップを1サイクルとする反応を16サイクル繰り返すことで実施した。得られた産物を制限酵素DpnIで消化することで鋳型プラスミドを分解した。
(2)得られた制限酵素消化産物を用いて大腸菌W3110株を形質転換することで、ランダム変異型PelBシグナルペプチドライブラリーを作製した。
(1)実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、一つの形質転換体を選択し、それを100μg/mLのカルベニシリンナトリウム(和光純薬社製)を含むLB培地で培養し、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン社製)を用いて、プラスミドを抽出した。
(2)抽出したプラスミドについて、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち、6番目のプロリンがアスパラギンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Nであることが判明した。当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号24に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号25に、それぞれ示す。なお配列番号24において、1番目のメチオニンから22番目のアラニンまでが本発明のシグナルペプチドのアミノ酸配列(配列番号60)、25番目のグルタミンから298番目のアスパラギン酸までがFc結合性タンパク質FcRm68のアミノ酸配列(配列番号11)、299番目のシステインから300番目のグリシンまでがシステインタグである。
(3)得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Nを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例2で作製した天然型のPelBシグナルペプチド(配列番号2)を含むFc結合性タンパク質発現プラスミドpTrcFcRm68−CGを用いて、大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがアスパラギン酸に置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6D(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号26に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号27に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Dを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがグルタミン酸に置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6E(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号28に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号29に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Eを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがフェニルアラニンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6F(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号30に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号31に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Fを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがチロシンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Y(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号32に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号33に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Yを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがトリプトファンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6W(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号34に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号35に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Wを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがヒスチジンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6H(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号36に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号37に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Hを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがリジンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6K(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号38に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号39に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Kを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがアルギニンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6R(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号40に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号41に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Rを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがグリシンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6G(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号42に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号43に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Gを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがアラニンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6A(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号44に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号45に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Aを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがロイシンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6L(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号46に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号47に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Lを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示した。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがイソロイシンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6I(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号48に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号49に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Iを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがバリンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6V(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号50に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号51に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Vを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがグルタミンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Q(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号52に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号53に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Qを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがスレオニンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6T(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号54に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号55に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Tを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがシステインに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6C(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号56に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号57に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Cを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがメチオニンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6M(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号58に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号59に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Mを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例3で作製した発現ベクターpTrcFcRm68−CG−V2のうち、Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドの領域を配列番号62に記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質FcR5aをコードするポリヌクレオチドに置き換えた発現ベクターpTrcFcR5a−V2を以下に示す方法で作製した。なおFcR5aは、配列番号61に記載のアミノ酸配列中、17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでの領域からなるFc結合性タンパク質のうち、
配列番号61の27番目のバリンをグルタミン酸に、
配列番号61の35番目のチロシンをアスパラギンに、
配列番号61の75番目のフェニルアラニンをロイシンに
配列番号61の92番目のアスパラギンをセリンに、
配列番号61の121番目のグルタミン酸をグリシンに、
それぞれ置換したFc結合性タンパク質である(特願2013−202245号)。
(1)配列番号62に記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質FcR5aをコードするポリヌクレオチドである、配列番号63に記載の配列からなるポリヌクレオチドを発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)に導入することで、発現ベクターpET−FcR5a(特願2013−202245号)を得た。
(2)得られた発現ベクターpET−FcR5aを、制限酵素NcoIとHindIIIにて消化し、ベクター部分を除くことで消化産物を得た。
(3)実施例3で得たpTrcFcRm68−CG−V2を、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIにて消化し、ベクター部分を精製したものと、(2)で作製した消化産物とをライゲーションし、これを用いて大腸菌W3110株を形質転換した。
(4)得られた形質転換体を100μg/mLのカルベニシリンナトリウム(和光純薬社製)を含むLB培地で培養し、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン社製)を用いて、配列番号4に記載の配列からなる本発明のシグナルペプチドをFc結合性タンパク質FcR5aのN末端側に付加したポリペプチドFcR5a−V2をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターpTrcFcR5a−V2を抽出した。
実施例7で作製した発現ベクターpTrcFcR5a−V2を用いて大腸菌W3110株を形質転換し、得られた形質転換体を実施例4(1)から(3)と同様な方法で培養した後、実施例4(4)と同様な方法でタンパク質抽出液を調製し、実施例4(5)と同様な方法でFc結合性タンパク質の濃度を測定することで、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した(ただし、実施例4(5−3)におけるAnti−FcγRI抗体はAnti−FcγRIII抗体を使用した)。結果を図3に示す。
実施例2で作製した天然型のPelBシグナルペプチドを含むFc結合性タンパク質発現ベクターpTrcFcRm68−CGのうち、Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドの領域を配列番号62に記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質FcR5aをコードするポリヌクレオチド(配列番号63)に置き換えた発現ベクターpTrcFcR5aを実施例7と同様な方法で作製し、実施例8と同様な方法でFc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図3に示す。
Claims (4)
- 配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるオリゴペプチドのうち、6番目のプロリンがセリンまたはアスパラギンに置換された、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドとヒトFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドとを含む、ヒトFc結合性タンパク質を発現させるためのプラスミド。
- 請求項1に記載のプラスミドを用いて宿主を形質転換して得られる、形質転換体。
- 宿主が大腸菌である、請求項2に記載の形質転換体。
- 請求項2または3に記載の形質転換体を培養することで前記形質転換体からヒトFc結合性タンパク質を発現させる工程と、前記形質転換体から当該タンパク質を単離する工程とを含む、ヒトFc結合性タンパク質の製造方法。
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