JP2015116185A - シグナルペプチドおよびそれを用いたタンパク質の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 宿主細胞内で発現した組換えタンパク質を効率的にペリプラズム領域へ移行可能なシグナルペプチド、および当該ペプチドを用いた前記タンパク質の製造方法を提供すること。
【解決の手段】 天然型PelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンが他のアミノ酸に置換されたシグナルペプチド、および前記ペプチドをペリプラズムにタンパク質を分泌させるためのシグナルペプチドとして用いて前記タンパク質を製造することで、前記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、新規なシグナルペプチドおよびそれを用いたタンパク質の製造方法に関する。
タンパク質は細胞内で合成された後、そのまま細胞内に留まるもの、細胞外へと分泌タンパク質として放出されるものが知られている。また大腸菌などを宿主として用いた組換えタンパク質生産では、細胞内膜と外膜の間のペリプラズム領域に前記タンパク質を分泌発現させる方法が知られている(特許文献1)。細胞内からペリプラズム領域へ組換えタンパク質が移送される際には、シグナルペプチドと呼ばれるオリゴペプチドの働きが重要である(特許文献1)。シグナルペプチドを構成するアミノ酸配列の特徴として、以下の3つがあげられる(特許文献1)。
(i)N末端領域には、アルギニンやリジンといった塩基性アミノ酸が少なくとも1つ含まれており、当該塩基性アミノ酸の側鎖の正電荷と細胞膜表面の負電荷とのイオン結合によりシグナルペプチドが細胞膜内へと移行する。
(ii)中心領域では、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリンといった疎水性アミノ酸が多く含まれ、細胞膜内への貫通に関与する。
(iii)C末端領域では、細胞膜貫通後にシグナルペプチダーゼにより切断される特定のアミノ酸が認識部位として存在しており、当該認識部位で切断されることで成熟体タンパク質がペリプラズム領域や細胞外へと放出される。
組換えタンパク質を宿主のペリプラズムに分泌発現させるには、前記タンパク質のN末端側に、ペリプラズムへの分泌発現を促進させるシグナルペプチドが付加された状態で発現させる必要がある。しかしながら、前記方法を用いた場合、活性型タンパク質としての生産性が低いという問題があった。またシグナルペプチドの改変により生産性を向上させた例も報告(特許文献1から3)されているが、工業的な生産には十分とはいえなかった。
特開2000−175686号公報 特開2008−073044号公報 WO2008/032659号
本発明の目的は、宿主細胞内で発現した組換えタンパク質を効率的にペリプラズム領域へ移行可能なシグナルペプチド、および当該ペプチドを用いた前記タンパク質の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、既知のシグナルペプチドの特定位置のアミノ酸を置換したオリゴペプチドをシグナルペプチドとして用いることで、組換えタンパク質の生産量が向上できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、以下の発明を包含する:
(A)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるオリゴペプチドのうち、6番目のプロリンが他のアミノ酸に置換された、ペリプラズムにタンパク質を分泌させるためのシグナルペプチド。
(B)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるオリゴペプチドのうち、6番目のプロリンが極性を有する中性アミノ酸に置換された、ペリプラズムにタンパク質を分泌させるためのシグナルペプチド。
(C)極性を有する中性アミノ酸がセリンまたはアスパラギンである、(B)に記載のシグナルペプチド。
(D)(A)から(C)のいずれかに記載のシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドとタンパク質をコードするポリヌクレオチドとを含む、前記タンパク質を発現させるためのプラスミド。
(E)タンパク質がヒトFc結合性タンパク質である、(D)に記載のプラスミド。
(F)(D)または(E)に記載のプラスミドを用いて宿主を形質転換して得られる、形質転換体。
(G)宿主が大腸菌である、(F)に記載の形質転換体。
(H)(F)または(G)に記載の形質転換体を培養することで前記形質転換体からタンパク質を発現させる工程と、前記形質転換体から当該タンパク質を単離する工程とを含む、前記タンパク質の製造方法。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明のシグナルペプチドは、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる天然型PelBシグナルペプチド(UniProt No.P0C1C1の1番目から22番目までの領域)のうち、6番目のプロリンが他のアミノ酸に置換されていることを特徴としている。なお、前記他のアミノ酸への置換が、極性を有する中性アミノ酸(具体的には、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、チロシンのいずれか)への置換であると好ましく、当該好ましいシグナルペプチドの一態様として、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる天然型PelBシグナルペプチドのうち、6番目のプロリンがセリンに置換された、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるシグナルペプチドや、前記天然型PelBシグナルペプチドのうち、6番目のプロリンがアスパラギンに置換された、配列番号60に記載のアミノ酸配列からなるシグナルペプチドがあげられる。
本発明のプラスミドは、宿主で発現させるタンパク質をコードするポリヌクレオチド(ポリヌクレオチドA)の5’末端側に本発明のシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド(ポリヌクレオチドB)を付加したポリヌクレオチド(ポリヌクレオチドC)を、プラスミドの適切な位置に挿入することで得られる。なお、前記ポリヌクレオチドAに前記ポリヌクレオチドBを付加させる際、前記ポリヌクレオチドAと前記ポリヌクレオチドBとの間にリンカーとして1から数アミノ酸残基からなる任意のオリゴペプチドをコードするポリヌクレオチドを挿入してもよい。またポリヌクレオチドCを挿入するプラスミドとしては、形質転換する宿主内で安定に存在し複製できるものであれば特に制限はなく、宿主が大腸菌の場合は、pETプラスミド、pUCプラスミド、pTrcプラスミド、pCDFプラスミド、pBBRプラスミドを例示することができる。また前記適切な位置とは、発現ベクターの複製機能、所望の抗生物質マーカー、伝達性に関わる領域を破壊しない位置を意味する。本発明のプラスミドを用いて宿主を形質転換させるには、当業者が通常用いる方法で行なえばよい。
本発明のプラスミドを用いて宿主を形質転換体して得られる形質転換体(以下、単に本発明の形質転換体とする)を用いて製造するタンパク質に特に限定はなく、一例として、インシュリン、インターフェロン、インターロイキン、抗体、エリスロポエチン、成長ホルモンなどのヒト由来タンパク質、およびそれらの受容体タンパク質があげられる。なお、本発明の形質転換体を用いて製造するタンパク質は、完全体であってもよいし、当該タンパク質の機能に重要な部分のみから構成されるタンパク質であってもよいし、さらに当該タンパク質を構成するアミノ酸の一つ以上が欠失および/または挿入および/または置換されていてもよい。以降、本発明の形質転換体を用いて製造可能なタンパク質のうち、Fc結合性タンパク質について詳細に説明する。
本明細書においてヒトFc結合性タンパク質は、ヒトFcγRIの細胞外領域(具体的には天然型ヒトFcγRIの場合、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち16番目のグルタミンから292番目のヒスチジンまでの領域)(図1参照)を構成するタンパク質、またはヒトFcγRIIIaの細胞外領域(具体的には天然型ヒトFcγRIIIaの場合、配列番号61に記載のアミノ酸配列のうち17番目のグリシンから208番目のグルタミンまでの領域)(図4参照)を構成するタンパク質のことをいう。ただし必ずしもヒトFcγRI細胞外領域またはヒトFcγRIIIa細胞外領域の全領域でなくてもよく、ヒトFcγRI細胞外領域またはヒトFcγRIIIa細胞外領域を構成するタンパク質(ポリペプチド)のうち、少なくとも抗体(免疫グロブリン)のFc領域に結合する本来の機能を発現し得る領域のポリペプチドを含んでいればよい。当該ヒトFc結合性タンパク質の一例として、
(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質や、
(ii)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入または欠失したタンパク質や、
(iii)配列番号61に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質や、
(iv)配列番号61に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入または欠失したタンパク質、
があげられる。
前記(ii)の具体例としては、特開2011−206046号公報に開示のFc結合性タンパク質や、配列番号21に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸残基において以下の(1)から(42)のうち少なくともいずれか1つの置換が生じている、Fc結合性タンパク質(特開2014−027916号)があげられる。(1)配列番号21の37番目のスレオニンがイソロイシンに置換
(2)配列番号21の38番目のプロリンがセリンに置換
(3)配列番号21の53番目のロイシンがグルタミンに置換
(4)配列番号21の62番目のグルタミン酸がバリンに置換
(5)配列番号21の63番目のバリンがアラニンまたはグルタミン酸に置換
(6)配列番号21の66番目のロイシンがグルタミンまたはプロリンに置換
(7)配列番号21の67番目のセリンがプロリンに置換
(8)配列番号21の69番目のアラニンがバリンまたはスレオニンに置換
(9)配列番号21の71番目のセリンがスレオニンまたはロイシンに置換
(10)配列番号21の78番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換
(11)配列番号21の81番目のイソロイシンがバリンに置換
(12)配列番号21の84番目のセリンがスレオニンに置換
(13)配列番号21の88番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(14)配列番号21の95番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
(15)配列番号21の119番目のヒスチジンがグルタミンに置換
(16)配列番号21の127番目のバリンがアラニンに置換
(17)配列番号21の146番目のアルギニンがリジンに置換
(18)配列番号21の147番目のアスパラギン酸がアスパラギンに置換
(19)配列番号21の151番目のヒスチジンがチロシンに置換
(20)配列番号21の178番目のスレオニンがアラニンに置換
(21)配列番号21の191番目のアルギニンがリジンに置換
(22)配列番号21の199番目のスレオニンがアラニンに置換
(23)配列番号21の200番目のロイシンがメチオニンに置換
(24)配列番号21の213番目のスレオニンがアラニンに置換
(25)配列番号21の216番目のバリンがアラニンに置換
(26)配列番号21の221番目のロイシンがアルギニンに置換
(27)配列番号21の229番目のセリンがアスパラギンに置換
(28)配列番号21の236番目のイソロイシンがリジンに置換
(29)配列番号21の244番目のチロシンがヒスチジンに置換
(30)配列番号21の253番目のスレオニンがアラニンに置換
(31)配列番号21の290番目のアルギニンがグルタミンに置換
(32)配列番号21の293番目のリジンがアスパラギンに置換
(33)配列番号21の297番目のリジンがグルタミン酸に置換
(34)配列番号21の306番目のプロリンがスレオニンに置換
(35)配列番号21の34番目のグルタミンがアルギニンに置換
(36)配列番号21の45番目のグルタミンがリジンに置換
(37)配列番号21の82番目のグルタミンがプロリンに置換
(38)配列番号21の177番目のアスパラギンがアスパラギン酸に置換
(39)配列番号21の213番目のスレオニンがセリンに置換
(40)配列番号21の242番目のグルタミンがアルギニンに置換
(41)配列番号21の253番目のスレオニンがセリンに置換
(42)配列番号21の271番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
また前記(iv)の具体例としては、配列番号61に記載のアミノ酸配列のうち17番目から192番目までのアミノ酸残基を含み、かつ当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において以下の(1)から(40)のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換が生じている、Fc結合性タンパク質(特願2013−202245号)があげられる。
(1)配列番号61の18番目のメチオニンがアルギニンに置換
(2)配列番号61の27番目のバリンがグルタミン酸に置換
(3)配列番号61の29番目のフェニルアラニンがロイシンまたはセリンに置換
(4)配列番号61の30番目のロイシンがグルタミンに置換
(5)配列番号61の35番目のチロシンがアスパラギン酸、グリシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、セリン、スレオニン、ヒスチジンのいずれかに置換
(6)配列番号61の46番目のリジンがイソロイシンまたはスレオニンに置換
(7)配列番号61の48番目のグルタミンがヒスチジンまたはロイシンに置換
(8)配列番号61の50番目のアラニンがヒスチジンに置換
(9)配列番号61の51番目のチロシンがアスパラギン酸またはヒスチジンに置換
(10)配列番号61の54番目のグルタミン酸がアスパラギン酸またはグリシンに置換
(11)配列番号61の56番目のアスパラギンがスレオニンに置換
(12)配列番号61の59番目のグルタミンがアルギニンに置換
(13)配列番号61の61番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(14)配列番号61の64番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
(15)配列番号61の65番目のセリンがアルギニンに置換
(16)配列番号61の71番目のアラニンがアスパラギン酸に置換
(17)配列番号61の75番目のフェニルアラニンがロイシン、セリン、チロシンのいずれかに置換
(18)配列番号61の77番目のアスパラギン酸がアスパラギンに置換
(19)配列番号61の78番目のアラニンがセリンに置換
(20)配列番号61の82番目のアスパラギン酸がグルタミン酸またはバリンに置換
(21)配列番号61の90番目のグルタミンがアルギニンに置換
(22)配列番号61の92番目のアスパラギンがセリンに置換
(23)配列番号61の93番目のロイシンがアルギニンまたはメチオニンに置換
(24)配列番号61の95番目のスレオニンがアラニンまたはセリンに置換
(25)配列番号61の110番目のロイシンがグルタミンに置換
(26)配列番号61の115番目のアルギニンがグルタミンに置換
(27)配列番号61の116番目のトリプトファンがロイシンに置換
(28)配列番号61の118番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(29)配列番号61の119番目のリジンがグルタミン酸に置換
(30)配列番号61の120番目のグルタミン酸がバリンに置換
(31)配列番号61の121番目のグルタミン酸がアスパラギン酸またはグリシンに置換
(32)配列番号61の151番目のフェニルアラニンがセリンまたはチロシンに置換
(33)配列番号61の155番目のセリンがスレオニンに置換
(34)配列番号61の163番目のスレオニンがセリンに置換
(35)配列番号61の167番目のセリンがグリシンに置換
(36)配列番号61の169番目のセリンがグリシンに置換
(37)配列番号61の171番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(38)配列番号61の180番目のアスパラギンがリジン、セリン、イソロイシンのいずれかに置換
(39)配列番号61の185番目のスレオニンがセリンに置換
(40)配列番号61の192番目のグルタミンがリジンに置換
本発明の形質転換体を作製する際に用いる宿主としては、COS細胞やCHO細胞に代表される動物細胞、バチルス属(ブレビバチルス属細菌やパエニバチルス属細菌のような広義のバチルス属細菌も含む)や大腸菌に代表される細菌、サッカロマイセス属、ピキア属、シゾサッカロマイセス属に代表される酵母、麹菌に代表される糸状菌等が例示できるが、取扱いの簡便な大腸菌を宿主とするのが好ましい。なお宿主が大腸菌でタンパク質がFc結合性タンパク質の場合は、特開2012−034591号および特開2013−085531号に開示した方法等により本発明の形質転換体を培養することで前記タンパク質を発現させればよい。
本発明の形質転換体の培養液から、発現したタンパク質を回収するには、発現の形態によって適宜選択すればよい。例えば、発現したタンパク質が宿主細胞のペリプラズムに発現する場合は、培養液を遠心分離して得られる宿主細胞を適切な緩衝液で懸濁し細胞破砕(物理的破砕、薬剤による破砕など)後、遠心分離により破砕残渣を除去することで、発現したタンパク質を含む無細胞抽出液を得ればよく、発現したタンパク質が宿主細胞のペリプラズムから培養上清に漏出する場合は、培養液を遠心分離して得られる培養上清から発現したタンパク質を回収すればよい。なお薬剤により宿主細胞を破砕する際は、例えば、150mM NaClと1mM EDTAと6mM MgSOと250U/L Benzonase(商品名)と0.3g/L Lysozymeと0.4% Triton X−100(商品名)と0.5% CTAB(臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム)と50mM CaClを含む50mM Tris−HCl(pH8.0)(特開2013−252099号)や、BugBuster Protein extraction kit(タカラバイオ社製)等の市販の抽出試薬を用いて破砕するとよい。
回収したタンパク質を含む溶液は、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー等により当該タンパク質を精製単離することができる。陽イオン交換クロマトグラフィー用担体は、カルボキシメチル基、スルホプロピル基といった陽イオン交換基を担体に結合したものであり、一例として、TOYOPEARL CM−650、TOYOPEARL SP−650(以上、東ソー社製)、CM Sepharose FastFlow(GEヘルスケア社製)があげられる。疎水クロマトグラフィー用担体は、エーテル基、フェニル基、ブチル基といった疎水性官能基を担体に結合させたものであり、一例として、TOYOPEARL Ether−650、TOYOPEARL Phenyl−650、TOYOPEARL Butyl−650(以上、東ソー社製)があげられる。各種クロマトグラフィー用担体を用いて精製を行なう際は、アプライ液の導入量や前記担体のタンパク吸着性能などによって決定した量の担体を、適切なオープンカラム等に充填して行なえばよい。また、クロマトグラフィー用担体は、アプライ液を導入する前に、あらかじめ適切な緩衝液(トリス/トリス塩酸塩緩衝液、グリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、リン酸塩緩衝液等)により平衡化しておく。前述の方法で回収したタンパク質を含む溶液を、平衡化したクロマトグラフィー用担体に導入することで前記タンパク質を担体に吸着させ、平衡化に用いた緩衝液と同じ緩衝液で洗浄する。その後、溶出用緩衝液を用いて吸着した前記タンパク質を溶出させることにより精製された前記タンパク質を含む溶液を得ることができる。
本発明のシグナルペプチドは、天然型PelBシグナルペプチドのうち、6番目のプロリンが他のアミノ酸(好ましくは極性を有する中性アミノ酸)に置換されたオリゴペプチドであり、本発明のオリゴペプチドをペリプラズムにタンパク質を分泌させるためのシグナルペプチドとして用いることで、天然型PelBシグナルペプチドを用いた時と比較し、組換えタンパク質生産量を大幅に向上させることが可能となり、産業上有用な組換えタンパク質の製造効率を大幅に向上させることができる。
天然型ヒトFcγRIの構造を示す図。 Fc結合性タンパク質(ヒトFcγRI由来)のN末端側に、天然型PelBシグナルペプチドを付加させたときと、本発明のシグナルペプチドを付加させたときで、Fc結合性タンパク質の生産性を比較した図。 Fc結合性タンパク質(ヒトFcγRIIIa由来)のN末端側に、天然型PelBシグナルペプチドを付加させたときと、本発明のシグナルペプチドを付加させたときで、Fc結合性タンパク質の生産性を比較した図。 天然型ヒトFcγRIIIaの構造を示す図。
以下、タンパク質としてFc結合性タンパク質を用いたときの実施例および比較例を用いて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は前記例に限定されるものではない。
実施例1 発現ベクターの作製
以下に示す方法にて天然型PelBシグナルペプチド(アミノ酸配列:MKYLLPTAAAGLLLLAAQPAMA、配列番号2)をコードするポリヌクレオチドをプラスミドpTrc99a(GEヘルスケア社製)に挿入することで、発現ベクターpTrcpelを作製した。
(1)配列番号6(5’−CATGAAATACCTGCTGCCGACCGCTGCTGCTGGTCTGCTGCTCCTCGCTGCCCAGCCGGCGATGGC−3’)および配列番号7(5’−CATGGCCATCGCCGGCTGGGCAGCGAGGAGCAGCAGACCAGCAGCAGCGGTCGGCAGCAGGTATTT−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを等量混合し、95℃で5分間加熱後、15℃になるまで1分間で1℃毎に温度を下げることで、二本鎖オリゴヌクレオチドPelBp1を調製した。なお、PelBp1は使用時まで15℃で保持した。
(2)(1)で調製したPelBp1を、あらかじめ制限酵素NcoIで消化したプラスミドpTrc99aに、DNA Ligation kit(タカラバイオ社製)を用いてライゲーションし、このライゲーション産物を用いて大腸菌JM109株(タカラバイオ社製)を形質転換した。
(3)得られた形質転換体を、100μg/mLのカルベニシリンナトリウム(和光純薬社製)を含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン社製)を用いて、発現ベクターpTrcpelを抽出した。
(4)(3)で作製した発現ベクターpTrcpelのうち、PelBシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドおよびその周辺の領域について、チェーンターミネータ法に基づくBig Dye Terminator Cycle Sequencing FS read Reaction kit(ライフテクノロジー社製)を用いてサイクルシークエンス反応に供し、全自動DNAシークエンサーABI Prism 3700 DNA analyzer(ライフテクノロジー社製)にてヌクレオチド配列を解析した。なお当該解析の際、配列番号8(5’−TGTGGTATGGCTGTGCAGG−3’)または配列番号9(5’−TCGGCATGGGGTCAGGTG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドのいずれかをシークエンス用プライマーとして使用した。
解析の結果設計通りであることを確認した。本実施例で合成した天然型PelBシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号3に示す。
実施例2 Fc結合性タンパク質(FcRm68)発現ベクターの作製
配列番号11に記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質FcRm68のC末端側にシステインタグ(アミノ酸配列:CG)を付加したポリペプチド(FcRm68−CG)をコードするポリヌクレオチドを、実施例1で作製した発現ベクターpTrcpelに挿入し、前記タンパク質発現ベクターを作製した。なおFcRm68は、配列番号10に記載のアミノ酸配列中、34番目のグルタミンから307番目のアスパラギン酸までの領域からなるFc結合性タンパク質FcRm60c(特開2011−206046号公報)のうち、
配列番号10の37番目のスレオニンがイソロイシンに、
配列番号10の63番目のバリンがグルタミン酸に、
配列番号10の69番目のアラニンがバリンに、
配列番号10の71番目のセリンがロイシンに、
配列番号10の84番目のセリンがスレオニンに、
配列番号10の95番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に、
配列番号10の292番目のプロリンがリジンに、
配列番号10の293番目のグルタミン酸がリジンに、
配列番号10の297番目のグルタミンがリジンに、
配列番号10の301番目のヒスチジンがリジンに、
配列番号10の304番目のプロリンがリジンに、
それぞれ置換したFc結合性タンパク質である。またFc結合性タンパク質FcRm60cのアミノ酸配列は、配列番号1に記載のヒトFc受容体FcγRIのアミノ酸配列において16番目のグルタミンから289番目のバリンまでの領域に相当し、当該領域において60箇所置換が生じている(特開2011−206046号公報)。
(1)配列番号11に記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質FcRm68をコードするポリヌクレオチドである、配列番号12に記載の配列からなるポリヌクレオチドを鋳型とし、配列番号13(5’−CATGCCATGGGACAAGTAGATATCCCCAAAGCTGTGATTAAGCTGCAACC−3’)および配列番号14(5’−CCGGAAGCTTAGCCGCAGTCCGGGGTCTTCTGTTGTTTACCCAGTAC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、PCRを実施した。PCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物を精製することで、FcRm68−CGをコードするポリヌクレオチドを得た。
Figure 2015116185
(2)得られたFcRm68−CGをコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例1で作製した発現ベクターpTrcpelにライゲーションし、このライゲーション産物を用いて大腸菌W3110株を形質転換した。
(3)得られた形質転換体を、100μg/mLのカルベニシリンナトリウム(和光純薬社製)を含むLB培地で培養後、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン社製)を用いて、FcRm68−CGをコードするポリヌクレオチドを含む発現プラスミドpTrcFcRm68−CGを抽出した。
(4)(3)で作製した発現ベクターpTrcFcRm68−CGのうち、FcRm68をコードするポリヌクレオチドおよびその周辺の領域について、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。
発現ベクターpTrcFcRm68−CGにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号15に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号16に、それぞれ示す。なお配列番号15において、1番目のメチオニンから22番目のアラニンまでがPelBシグナルペプチドのアミノ酸配列(配列番号2)、25番目のグルタミンから298番目のアスパラギン酸までがFc結合性タンパク質FcRm68のアミノ酸配列(配列番号11)、299番目のシステインから300番目のグリシンまでがシステインタグのアミノ酸配列である。なお配列番号15において、FcRm68のアミノ酸配列(25番目のグルタミンから298番目のアスパラギン酸までの領域)は、配列番号1に記載のヒトFc受容体FcγRIのアミノ酸配列では16番目のグルタミンから289番目のバリンまでの領域に相当する。
実施例3 アミノ酸改変型シグナルペプチドを付加したFc結合性タンパク質(FcRm68)発現ベクターの作製
配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる天然型PelBシグナルペプチドのうち、6番目のプロリンをセリンに置換した本発明のシグナルペプチド(アミノ酸配列:MKYLLSTAAAGLLLLAAQPAMA、配列番号4)を、実施例2で作製したFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドFcRm68−CG−V2を、以下に示す方法で作製した。
(1)実施例2で作製した発現ベクターpTrcFcRm68−CGを鋳型とし、配列番号17(5’−GAAATACCTGCTGTCGACCGCTGCTGCTG−3’:配列番号5(配列番号4に記載の配列からなる本発明のシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列)の3番目から31番目までの領域に相当)および配列番号18(5’−CAGCAGCAGCGGTCGACAGCAGGTATTTC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして、以下の反応を実施した。表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で5分間の第3ステップを1サイクルとする反応を16サイクル繰り返すことで実施した。得られた産物を制限酵素DpnIで消化することで鋳型プラスミドを分解した。
(2)得られた制限酵素消化産物を用いて大腸菌W3110株を形質転換した。
(3)得られた形質転換体を100μg/mLのカルベニシリンナトリウム(和光純薬社製)を含むLB培地で培養し、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン社製)を用いて、FcRm68−CG−V2をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターpTrcFcRm68−CG−V2を抽出した。
(4)実施例1(4)に記載の配列解析により所望の配列であることを確認した。
発現ベクターpTrcFcRm68−CG−V2により発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号19に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号20に、それぞれ示す。なお配列番号19において、1番目のメチオニンから22番目のアラニンまでが本発明のシグナルペプチドのアミノ酸配列(配列番号4)、25番目のグルタミンから298番目のアスパラギン酸までがFc結合性タンパク質FcRm68のアミノ酸配列(配列番号11)、299番目のシステインから300番目のグリシンまでがシステインタグである。
実施例4 Fc結合性タンパク質の発現
(1)実施例3で作製した発現ベクターpTrcFcRm68−CG−V2を用いて大腸菌W3110株を形質転換し、100μg/mLのカルベニシリンナトリウムを含む2YT(Tryptone:16g/L、酵母エキス:10g/L、塩化ナトリウム:5g/L)液体培地に接種し、37℃で一晩、好気的に振とう培養することで前培養を行なった。
(2)100μg/mLのカルベニシリンナトリウムを含む2YT液体培地20mLに前培養液を600μL接種し、37℃で好気的に振とう培養を行なった。
(3)培養開始3時間後、培養温度を20℃に変更して30分間振とう培養後、終濃度0.05mMとなるようIPTG(イソプロピル−β−チオガラクトピラノシド)を添加し、引き続き20℃で一晩、好気的に振とう培養した。
(4)培養終了後、遠心分離により集菌し、BugBuster Protein extraction kit(タカラバイオ社製)を用いてタンパク質抽出液を調製した。
(5)(4)で調製したタンパク質抽出液中のFc結合性タンパク質の濃度を、下記に示すELISA法を用いて抗体結合活性を測定し、既知濃度のFc結合性タンパク質における値と比較して測定した。
(5−1)ヒト抗体であるガンマグロブリン製剤(化学及血清療法研究所製)を、96穴マイクロプレートのウェルに1μg/wellの濃度で固定化し(4℃で18時間)、固定化終了後、0.5%(w/v)のBSA(SigmaAldrich社製)および150mMのNaClを含む20mMのTris−HCl緩衝液(pH7.4)によりブロッキングした。
(5−2)洗浄緩衝液(0.05%(w/v)のTween 20と150mMのNaClを含む20mMのTris−HCl緩衝液(pH7.4))で洗浄後、調製したFc結合性タンパク質を含む溶液を固定化ガンマグロブリンと反応させた(30℃で1時間)。
(5−3)反応終了後、前記洗浄緩衝液で洗浄し、50ng/mLに希釈したAnti−FcγRI抗体(R&D Systems社製)を100μL/well添加した。
(5−4)30℃で1時間反応後、前記洗浄緩衝液で洗浄し、50ng/mLに希釈したHorse radish Peroxidase(HRP)標識のAnti−mouse−IgG抗体(BETHYL社製)を100μL/well添加した。
(5−5)30℃で1時間反応後、前記洗浄緩衝液で洗浄し、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を50μL/well添加し、1Mのリン酸水溶液50μL/wellを添加し発色反応を停止し、450nmの吸光度を測定した。
ELISA法によって濃度既知の精製Fc結合性タンパク質を用いた検量線から、培養後のFc結合性タンパク質の濃度測定を行なった。また、培養終了時の菌体量として測定した600nmの吸光度で培養後のFc結合性タンパク質の濃度を除することで、菌体あたりのFc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例5 PelBシグナルペプチドライブラリーの作製
配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる天然型PelBシグナルペプチドのうち、6番目のプロリンを他のアミノ酸に置換したランダム変異型PelBシグナルペプチドライブラリーを以下の方法にて作製した。
(1)実施例2にて作製した発現ベクターpTrcFcRm68−CGを鋳型として、配列番号22(5’−CCATGAAATACCTGCTGNNKACCGCTGCTGCTGGTC−3’;NはA/C/G/Tの混合塩基、KはG/Tの混合塩基)および配列番号23(5’−GACCAGCAGCAGCGGTMNNCAGCAGGTATTTCATGG−3’;MはA/Cの混合塩基、NはA/C/G/Tの混合塩基)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして以下の反応を実施した。表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で5分間の第3ステップを1サイクルとする反応を16サイクル繰り返すことで実施した。得られた産物を制限酵素DpnIで消化することで鋳型プラスミドを分解した。
(2)得られた制限酵素消化産物を用いて大腸菌W3110株を形質転換することで、ランダム変異型PelBシグナルペプチドライブラリーを作製した。
実施例6 Fc結合性タンパク質の発現(その2)
(1)実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、一つの形質転換体を選択し、それを100μg/mLのカルベニシリンナトリウム(和光純薬社製)を含むLB培地で培養し、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン社製)を用いて、プラスミドを抽出した。
(2)抽出したプラスミドについて、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち、6番目のプロリンがアスパラギンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Nであることが判明した。当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号24に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号25に、それぞれ示す。なお配列番号24において、1番目のメチオニンから22番目のアラニンまでが本発明のシグナルペプチドのアミノ酸配列(配列番号60)、25番目のグルタミンから298番目のアスパラギン酸までがFc結合性タンパク質FcRm68のアミノ酸配列(配列番号11)、299番目のシステインから300番目のグリシンまでがシステインタグである。
(3)得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Nを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例1 Fc結合性タンパク質の発現
実施例2で作製した天然型のPelBシグナルペプチド(配列番号2)を含むFc結合性タンパク質発現プラスミドpTrcFcRm68−CGを用いて、大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例2
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがアスパラギン酸に置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6D(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号26に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号27に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Dを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例3
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがグルタミン酸に置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6E(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号28に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号29に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Eを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例4
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがフェニルアラニンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6F(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号30に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号31に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Fを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例5
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがチロシンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Y(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号32に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号33に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Yを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例6
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがトリプトファンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6W(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号34に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号35に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Wを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例7
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがヒスチジンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6H(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号36に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号37に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Hを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例8
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがリジンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6K(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号38に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号39に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Kを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例9
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがアルギニンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6R(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号40に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号41に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Rを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例10
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがグリシンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6G(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号42に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号43に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Gを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例11
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがアラニンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6A(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号44に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号45に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Aを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例12
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがロイシンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6L(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号46に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号47に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Lを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示した。
比較例13
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがイソロイシンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6I(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号48に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号49に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Iを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例14
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがバリンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6V(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号50に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号51に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Vを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例15
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがグルタミンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Q(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号52に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号53に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Qを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例16
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがスレオニンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6T(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号54に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号55に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Tを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例17
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがシステインに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6C(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号56に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号57に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Cを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
比較例18
実施例5で得られたライブラリー(形質転換体)のうち、別の形質転換体を選択し、実施例6(1)と同様の方法でプラスミドを抽出し、実施例1(4)と同様の方法でヌクレオチド配列を解析した。結果、前記プラスミドはPelBシグナルペプチドのうち6番目のプロリンがメチオニンに置換されたシグナルペプチドをFcRm68−CGのN末端側に付加したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6M(当該プラスミドにより発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号58に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号59に、それぞれ記載)であることが判明した。得られたプラスミドpTrcFcRm68−CG−P6Mを用いて大腸菌W3110株を形質転換後、実施例4と同様の方法にて培養し、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図2に示す。
実施例7 Fc結合性タンパク質(FcR5a)発現ベクターの作製
実施例3で作製した発現ベクターpTrcFcRm68−CG−V2のうち、Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドの領域を配列番号62に記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質FcR5aをコードするポリヌクレオチドに置き換えた発現ベクターpTrcFcR5a−V2を以下に示す方法で作製した。なおFcR5aは、配列番号61に記載のアミノ酸配列中、17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでの領域からなるFc結合性タンパク質のうち、
配列番号61の27番目のバリンをグルタミン酸に、
配列番号61の35番目のチロシンをアスパラギンに、
配列番号61の75番目のフェニルアラニンをロイシンに
配列番号61の92番目のアスパラギンをセリンに、
配列番号61の121番目のグルタミン酸をグリシンに、
それぞれ置換したFc結合性タンパク質である(特願2013−202245号)。
(1)配列番号62に記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質FcR5aをコードするポリヌクレオチドである、配列番号63に記載の配列からなるポリヌクレオチドを発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)に導入することで、発現ベクターpET−FcR5a(特願2013−202245号)を得た。
(2)得られた発現ベクターpET−FcR5aを、制限酵素NcoIとHindIIIにて消化し、ベクター部分を除くことで消化産物を得た。
(3)実施例3で得たpTrcFcRm68−CG−V2を、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIにて消化し、ベクター部分を精製したものと、(2)で作製した消化産物とをライゲーションし、これを用いて大腸菌W3110株を形質転換した。
(4)得られた形質転換体を100μg/mLのカルベニシリンナトリウム(和光純薬社製)を含むLB培地で培養し、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン社製)を用いて、配列番号4に記載の配列からなる本発明のシグナルペプチドをFc結合性タンパク質FcR5aのN末端側に付加したポリペプチドFcR5a−V2をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターpTrcFcR5a−V2を抽出した。
発現ベクターpTrcFcR5a−V2に対し、実施例1(4)に記載の配列解析を行なった結果、所望の配列であることを確認した。
実施例8 Fc結合性タンパク質の発現(その3)
実施例7で作製した発現ベクターpTrcFcR5a−V2を用いて大腸菌W3110株を形質転換し、得られた形質転換体を実施例4(1)から(3)と同様な方法で培養した後、実施例4(4)と同様な方法でタンパク質抽出液を調製し、実施例4(5)と同様な方法でFc結合性タンパク質の濃度を測定することで、Fc結合性タンパク質の生産性を算出した(ただし、実施例4(5−3)におけるAnti−FcγRI抗体はAnti−FcγRIII抗体を使用した)。結果を図3に示す。
比較例19 Fc結合性タンパク質の発現(その4)
実施例2で作製した天然型のPelBシグナルペプチドを含むFc結合性タンパク質発現ベクターpTrcFcRm68−CGのうち、Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドの領域を配列番号62に記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質FcR5aをコードするポリヌクレオチド(配列番号63)に置き換えた発現ベクターpTrcFcR5aを実施例7と同様な方法で作製し、実施例8と同様な方法でFc結合性タンパク質の生産性を算出した。結果を図3に示す。
図2および3より、組換えタンパク質をペリプラズムに分泌させるシグナルペプチドとして、天然型PelBシグナルペプチドの6番目のプロリンを他のアミノ酸(具体的には、極性を有する中性アミノ酸の一つであるセリンまたはアスパラギン)に置換した本発明のシグナルペプチドを用いる(実施例4、実施例6および実施例8)ことで、天然型PelBシグナルペプチドを用いたとき(比較例1および比較例19)と比較し、前記タンパク質の生産性が向上していることがわかる。

Claims (8)

  1. 配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるオリゴペプチドのうち、6番目のプロリンが他のアミノ酸に置換された、ペリプラズムにタンパク質を分泌させるためのシグナルペプチド。
  2. 配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるオリゴペプチドのうち、6番目のプロリンが極性を有する中性アミノ酸に置換された、ペリプラズムにタンパク質を分泌させるためのシグナルペプチド。
  3. 極性を有する中性アミノ酸がセリンまたはアスパラギンである、請求項2に記載のシグナルペプチド。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドとタンパク質をコードするポリヌクレオチドとを含む、前記タンパク質を発現させるためのプラスミド。
  5. タンパク質がヒトFc結合性タンパク質である、請求項4に記載のプラスミド。
  6. 請求項4または5に記載のプラスミドを用いて宿主を形質転換して得られる、形質転換体。
  7. 宿主が大腸菌である、請求項6に記載の形質転換体。
  8. 請求項6または7に記載の形質転換体を培養することで前記形質転換体からタンパク質を発現させる工程と、前記形質転換体から当該タンパク質を単離する工程とを含む、前記タンパク質の製造方法。
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