JP2016019437A - 車両用モータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気ケーブルを車両用モータ駆動装置のケーシングに固定する際、電気ケーブルの擦過を防止する。
【解決手段】車両用モータ駆動装置(11)は、ケーシング(21e)の壁面に沿って配索される電気ケーブル(44)と、電気ケーブルの外周面に接触するゴム部材(46)と、ゴム部材を押圧して電気ケーブルを圧迫固定する押さえ具(48)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、車輪を駆動する車両用モータ駆動装置に関し、特に車両用モータ駆動装置のケーシングに電気ケーブルを支持固定するための構造に関する。
車輪のロードホイール内空領域に配置されるインホイールモータ駆動装置、あるいは車体に搭載されてドライブシャフトを介して車輪を駆動するオンボードモータ駆動装置が従来知られている。インホイールモータ駆動装置あるいはオンボードモータ駆動装置といった車両用モータ駆動装置にあっては、信号ケーブルや動力用ケーブルといった様々な電気ケーブルが取り付けられる。
例えば特開2011−240769号公報(特許文献1)に記載のインホイールモータ駆動装置では、車輪用軸受の外輪にセンサを取り付け、このセンサから延びる信号ケーブルを、減速機のケーシングに沿って配索する。減速機のケーシングにはクランプ部材としての係止部が固定されており、信号ケーブルの途中部分を係止部にクランプすることによって、信号ケーブルは減速機のケーシングに支持される。これにより信号ケーブルは揺れ動かないよう安定して固定される。
特開2011−240769号公報
しかし、上記従来のような信号ケーブルの支持構造にあっては、さらに改善すべき点があることを本発明者は見いだした。つまり車両用モータ駆動装置のモータ回転軸や減速機の回転要素が高速で回転する際、振動が生じる。そうすると、信号ケーブルの途中箇所を係止部で固定していても、係止部に固定されない信号ケーブルの他の箇所が振動して、ケーシングとの間で擦過が生じる虞がある。そして信号ケーブルが長期間に亘り連続してケーシングとの間で擦過が生じると、信号ケーブルに擦過痕がつき、信号ケーブルの耐久性が低下する。
本発明は、上述の実情に鑑み、信号ケーブルやその他の電気ケーブルを車両用モータ駆動装置のケーシングに固定する際、電気ケーブルの擦過を防止することを目的とする。
この目的のため本発明による車両用モータ駆動装置は、モータのロータおよびステータを収容するケーシングと、ケーシングの壁面に沿って配索される電気ケーブルと、電気ケーブルの外周面に接触するゴム部材と、ゴム部材を押圧して電気ケーブルを圧迫固定する押さえ具とを備える。
かかる本発明によれば、ゴム部材を押圧することにより、ゴム部材が圧縮側に変形して電気ケーブルを圧迫固定することから、電気ケーブルがケーシングに確りと固定される。特に、ゴム部材は振動を吸収および減衰する効果を有することから、電気ケーブルは振動によりずれることがない。したがって電気ケーブルはケーシングとの間で擦過が生じず、従来技術と比較して電気ケーブルの耐久性が向上する。なお、ゴム部材は電気ケーブルの長手方向に沿って設けられることが望ましい。あるいはゴム部材は、電気ケーブルの長手方向に間隔を空けて複数設けられることが望ましい。押さえ具も電気ケーブルの長手方向に沿って設けられることが望ましい。あるいは押さえ具は、電気ケーブルの長手方向に間隔を空けて複数設けられることが望ましい。
本発明の一実施形態として、ケーシングの壁面には溝が形成され、電気ケーブルおよびゴム部材は溝に収容される。かかる実施形態によれば、電気ケーブルが溝に位置決めされて、ケーシングに一層確実に固定される。他の実施形態として電気ケーブルは、ケーシングの平坦な壁面に載置されてもよい。
ゴム部材の形状は特に限定されない。本発明の好ましい実施形態として、ゴム部材は筒状に形成され、電気ケーブルはゴム部材の中心孔を貫通する。かかる実施形態によれば、ケーシング壁面および電気ケーブル間と、電気ケーブルおよび押さえ具間に、ゴム部材を確実に介在させることができる。他の実施形態として、シート状のゴムを電気ケーブルに巻き付けてもよい。
本発明は、外部に露出するケーシングの外壁面にも適用可能であるが、好ましい実施形態として、電気ケーブルはケーシングの内壁面に沿って配索され、押さえ具はケーシングの内壁面に固定される。かかる実施形態によれば、外部からは視認できないケーシングの内部で、電気ケーブルをケーシングに確りと固定して、振動によって電気ケーブルがケーシングの内壁面との間で擦過が生じることを防止できる。この場合において電気ケーブルは、ケーシングの内部に設けられるセンサと接続するとよい。かかる実施形態によれば電気ケーブルを信号ケーブルとして利用して、センサから発信される信号を、屈曲しないよう確りと固定された電気ケーブルで送信することから、信号にノイズが混入しないという実益がある。他の実施形態として電気ケーブルをモータなどの動力源と接続して、電気ケーブルを動力用ケーブルとして利用してもよい。
本発明の一実施形態として、ケーシングは、筒状本体と、前記筒状本体内に減速機を収容する減速室とロータおよびステータを収容するモータ室を有し、前記筒状本体の内部空間を減速室とモータ室に分割する隔壁を含み、電気ケーブルは隔壁の壁面に沿って配索される。あるいは本発明の他の実施形態として、ケーシングは、筒状本体と、筒状本体の端部を閉塞するカバーを含み、電気ケーブルはカバーの内壁面に沿って配索される。
本発明は、車輪のロードホイール内空領域に配置されるインホイールモータ駆動装置、あるいは車体に搭載されてドライブシャフトを介して車輪を駆動するオンボードモータ駆動装置に適用可能である。本発明の一実施形態として、モータに駆動される車輪ハブと、車輪ハブをケーシングに回転自在に支持する車輪ハブ軸受とをさらに備え、車輪の内空領域に配置される。かかる実施形態によれば本発明の車両用モータ駆動装置を、インホイールモータ駆動装置として利用することができる。
このように本発明によれば、電気ケーブルの振動を抑制して電気ケーブルがケーシングの壁面との間で擦過が生じることを防止できる。また外部から視認できないケーシングの内壁面に電力ケーブルを好適に支持固定することができる。特に動力用ケーブルと比較して細い信号ケーブルを保護することができる。またオンボードモータ駆動装置よりも振動が大きいインホイールモータ駆動装置において電気ケーブルを保護することができるという実益がある。
本発明の一実施形態になる車両用モータ駆動装置を示す縦断面図である。 同実施形態の隔壁をモータ部側からみた状態を模式的に示す説明図である。 図2中のIII−IIIで同実施形態を断面とし、矢の方向からみた状態を示す縦断面図である。 図2から押さえ具を取り外した状態を模式的に示す説明図である。 本発明の変形例を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態になる車両用モータ駆動装置を示す縦断面図である。図2は、同実施形態の隔壁をモータ部側からみた状態を模式的に示す説明図であり、図1中II―IIで断面とし、矢の向きに見た状態を表す。図3は、図2中のIII−IIIで同実施形態を断面とし、矢の方向からみた状態を示す縦断面図である。図4は、図2から押さえ具を取り外した状態を模式的に示す説明図である。本実施形態のインホイールモータ駆動装置11は、電気自動車の車輪の内空領域に設置される車両用モータ駆動装置である。この電気自動車は乗用自動車であり、一般的なエンジン自動車と同様に公道を走行可能である。
インホイールモータ駆動装置11は、略円筒形状であり、図1に示すように、インホイールモータ駆動装置11の軸線O方向に直列かつ同軸に順次配置されたモータ部11A、減速部11B、および車輪ハブ軸受部11Cを備える。車輪ハブ軸受部11Cに隣接する減速部11Bは、車輪ハブ軸受部11Cよりも大径にされる。減速部11Bに隣接するモータ部11Aは、減速部11Bよりも大径にされる。
モータ部11Aの外郭をなすケーシング21aは、インホイールモータ駆動装置11の軸線方向からみて略円筒形状であり、インホイールモータ駆動装置11の軸線Oを中心とする非回転の固定部材である。減速部11Bの外郭をなすケーシング21bも同様である。これに対し車輪ハブ軸受部11Cは内輪側の回転部材(ハブ輪77)および外輪側の固定部材(外輪部材80)を有し、このうち回転部材(ハブ輪77)には図示しない車輪が取付固定されて、モータ部11Aの回転駆動力を車輪に伝えると共に車重を車輪に伝える。このとき車輪ハブ軸受部11Cおよび減速部11Bは、車輪の内空領域に位置するが、モータ部11Aは車輪の内空領域から車幅方向内側(インボード側)にはみ出す。モータ部11Aのケーシング21aには外径側へ突出する端子ボックス22が形成される(図2参照)。
モータ部11Aは、図1に示すように、回転電機のロータ12、ステータ13、およびモータ軸14aをケーシング21a内のモータ室Lに収容している。そしてモータ部11Aは、力行運転により減速部11Bを通じて車輪ハブ軸受部11Cに回転を出力し、あるいは制動時などにおいて車輪ハブ軸受部11Cの回転を利用して電力回生を行う。略円筒形状のケーシング21aの軸方向端は、円板形状のモータリヤカバー21rで塞がれる。ケーシング21aの内周面にはステータ13が周方向所定間隔に取付固定される。ステータ13よりも内径側にはロータ12が配置され、ロータ12は軸線Oに沿って延びるモータ軸14aに取付固定される。ステータ13のコイル17は、3本の動力線101(図2)と電気的に接続する。モータ部11Aは、ステータ13のコイル17に交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石又は磁性体によって構成されるロータ12が回転する。モータ軸14aの一方の端部は転がり軸受16を介してモータリヤカバー21rに支持される。モータ軸14aの他方の端部は転がり軸受16を介して隔壁21eに支持される。円筒形状のケーシング21a,21bと、円板形状の隔壁21eと、円板形状のモータリヤカバー21rは、互いに結合して、インホイールモータ駆動装置11のケーシングを構成する。
略円筒形状のケーシング21bは減速室Nを画成し、減速室Nに減速部11Bの減速機構を収容する。この減速機構はサイクロイド減速機構であり、入力軸14bと、2個1対の偏心部材71と、2個の転がり軸受72と、外周部が波形状の2枚の曲線板73と、複数の内ピン74と、複数の外ピン75と、出力軸76とを有する。減速部11Bの入力軸14bはモータ部11Aのモータ軸14aに連結固定される。入力軸14bおよびモータ軸14aは、軸線Oに沿って延び、一体となって回転することから、モータ側回転部材とも称する。
各偏心部材71は、互いに180°異なる位相で、軸線Oから偏心して入力軸14bにそれぞれ設けられる。2枚の曲線板73は、その外周部が波形に形成された円板形状であり、その中央に中央孔を有し、この中央孔の内周面がそれぞれ転がり軸受72を介して各偏心部材71の外周面に回転自在に支持される。各外ピン75は、ケーシング21bに弾性支持された外ピンハウジング79に固定されて、曲線板73の波形に形成された外周部と係合し、軸線O回りに高速で公転する曲線板73を公転方向とは反対方向に僅かに自転運動させる。各内ピン74は出力軸76に取付固定されて、曲線板73に周方向所定間隔に形成された複数の貫通孔73hに通され、曲線板73の自転運動のみを取り出し、出力軸76に伝達する。これにより入力軸14bの回転は、減速部11Bにより減速されて、出力軸76から出力される。サイクロイド減速機構である減速部11Bは、遊星歯車組または平行軸歯車組からなる減速機構よりも高減速比であり、インホイールモータ駆動装置11の小型化・軽量化に資する。
出力軸76には車輪ハブ軸受部11Cのハブ輪77が連結固定される。ハブ輪77は車輪ハブ軸受部11Cの転動体78を介して、外輪部材80に回転自在に支持される。外輪部材80はボルトでケーシング21bに固定される。ハブ輪77にはボルト81を介して図示しない車輪のロードホイールが取付固定される。転動体78は、2列に配列された複数の玉である。車輪ハブ軸受部11Cは例えば複列アンギュラ玉軸受である。
インホイールモータ駆動装置11は軸心給油方式の潤滑油回路を備え、モータ部11Aおよび減速部11Bを潤滑する。具体的には、ケーシング21bの下部に潤滑油タンク53が附設される。モータ部11Aを収容するモータ室Lと減速部11Bを収容する減速室Nとの境界になるケーシングの隔壁21eには、潤滑油ポンプ51が設けられている。潤滑油ポンプ51は、軸線Oと同軸に配置され、内ピン74に固定された内ピン補強部材74bによって駆動される。つまり、減速部11Bの出力回転により潤滑油ポンプ51は駆動される。隔壁21eの壁内部に形成された吸入油路52は、上下方向に延びて、その上端が潤滑油ポンプ51の吸入口と接続し、その下端が減速部11Bの下部に設けられた潤滑油タンク53と接続する。
隔壁21eの壁厚内部に形成された吐出油路54は、潤滑油ポンプ51の吐出口から隔壁21eの外縁まで上下方向に延びる。ケーシング21aの壁厚内部に形成されたケーシング油路55は、軸線Oと平行に延び、隔壁21e側の端部が上述した吐出油路54の上端と接続する。またケーシング油路55のモータリヤカバー21rに近い側の端部が、モータリヤカバー21rの壁厚内部に形成される連絡油路56と接続する。連絡油路56は円板形状の壁になるモータリヤカバー21rの内壁面と外壁面の間を上下方向かつ半径方向に延びる。モータリヤカバー21rの外径側に位置する連絡油路56の上端は、上述したケーシング油路55の一端と接続する。モータリヤカバー21rの内径側に位置する連絡油路56の下端は、モータ軸14aに設けられるモータ軸油路58aと接続する。
モータ軸油路58aは、モータ軸14aの内部に設けられて軸線Oに沿って延びる。そして、モータ軸油路58aの減速部11Bに近い側の一端が、入力軸14bに設けられて軸線Oに沿って延びる減速部入力軸油路58bと接続する。また、モータ軸油路58aの減速部11Bから遠い側の一端が、上述した連絡油路56と接続する。さらにモータ軸油路58aは、軸線方向中央部のロータフランジ部に形成されたロータ油路64の内径側端と接続する。
減速部入力軸油路58bは、入力軸14bの内部に設けられて、入力軸14bの両端間を軸線Oに沿って延びる。出力軸76と対向する減速部入力軸油路58bの一端には、潤滑油孔60が設けられる。潤滑油孔60は潤滑油を減速室Nに向けて噴射する。
減速部入力軸油路58bは、各偏心部材71内を径方向外側に向かって延びる潤滑油路59に分岐する。潤滑油路59の外径側端は、偏心部材71の外周面および曲線板73の内周面間に設けられた転がり軸受72と接続する。
減速室Nの底部には、減速部リターン孔61が設けられる。減速部リターン孔61はケーシング21bを貫通し、減速室Nと潤滑油タンク53を連通する。またモータ室Lの底部には、モータ部リターン孔66が設けられる。モータ部リターン孔66(仮想線)は隔壁21eを貫通し、モータ室Lと潤滑油タンク53を連通する。
潤滑油回路の作用につき説明すると、内ピン補強部材74bを介して出力軸76によって駆動される潤滑油ポンプ51は、吸入油路52を介して潤滑油タンク53に貯留した潤滑油を吸入し、吐出油路54に潤滑油を吐出する。潤滑油は、潤滑油ポンプ51によって加圧され、吐出油路54と、ケーシング油路55と、連絡油路56と、モータ軸油路58aとを順次流れる。モータ軸油路58aを流れる潤滑油は、一部がロータ油路64に流入し、ロータ12の外周面からモータ室Lに噴射される。次に潤滑油は、モータ室Lの底部へ向かい、モータ部リターン孔66を経て潤滑油タンク53に還流する。このようにしてモータ部11Aは軸心給油方式によって潤滑される。またモータ室Lには噴射された潤滑油が充満して油雰囲気にされる。これによって、モータ室L内の冷却および潤滑が行われる。特にロータ12、ステータ13が冷却され、転がり軸受16、16が冷却および潤滑される。
モータ軸油路58aから減速部入力軸油路58bに流れる潤滑油は、分岐して潤滑油路59および潤滑油孔60を流れて減速室Nに噴射され、減速部11Bの偏心部材71、転がり軸受72、曲線板73、内ピン74、および外ピン75に付着する。次に潤滑油は、減速室Nの底部へ向かい、減速部リターン孔61を経て潤滑油タンク53に還流する。このようにして減速部11Bは軸心給油方式によって潤滑される。また減速室Nには噴射された潤滑油が充満して油雰囲気にされる。これによって、減速室N内の冷却および潤滑が行われる。具体的には、減速部11Bの偏心部材71、転がり軸受72、曲線板73、内ピン74、外ピン75、これらを支持する転がり軸受、および接触部分の冷却および潤滑が行われる。
モータ部11Aのケーシング21aの外周には、図2に示すように、端子ボックス22が形成される。端子ボックス22は、3本の動力線101と1本の信号線102を、インホイールモータ駆動装置11に引き込むために設けられる。端子ボックス22はインホイールモータ駆動装置11(具体的にはモータ部11A)の上側寄りに配置され、車両前方に向かって突出する。
端子ボックス22の突出端側には図2に示すようにインホイールモータ駆動装置11の外部に通じるコネクタ23,24が設けられ、端子ボックス22の根元側には、端子ボックス22のコネクタ23,24とモータ室Lとを仕切る仕切壁41が設けられる。コネクタ23は各動力線101をインホイールモータ駆動装置11内部のモータ電気ケーブル43と接続する。コネクタ24は信号線102をインホイールモータ駆動装置11内部のセンサ電気ケーブル44と接続する。各動力線101と接続し、コネクタ23から仕切壁41を貫通してモータ室Lまで延びるモータ電気ケーブル43は、コイル17(図1)と接続する。信号線102と接続し、コネクタ24から仕切壁41を貫通してモータ室Lへ延びるセンサ電気ケーブル44は、図2〜図4に示すように、モータ室L内でケーシングの一部になる隔壁21eの壁面に沿って配索される。
隔壁21eの壁面には、図4に示すように溝47が形成される。溝47は軸線Oを中心として円弧状に延びる。溝47はセンサ電気ケーブル44を収容する。センサ電気ケーブルの外周面にはゴム部材46が接触する。ゴム部材46は間隔を空けて複数配置され、溝47に収容される。ゴム部材46は管状であり、その中心孔にセンサ電気ケーブル44が通される。センサ電気ケーブル44の断面は図3に示すように8の字状であり、2本の芯線と、芯線を絶縁被覆する外皮部分を含む。溝47の断面は半円形状である。
図2に示すように、溝47は押さえ具48で覆われる。押さえ具48は、溝47に沿って細長く延び、連結具で隔壁21eに取付固定される。ここでいう連結具とは、例えばボルト49であり、ボルト49は押さえ具48の長手方向に間隔を空けて複数設けられる。図3に示すように、押さえ具48は帯状の板材であり、押さえ具48の短手方向一方に、ボルト貫通孔48hを有する。またモータ室Lに面する隔壁21eの表面には、溝47の一側に、ボルト49と螺合する雌ねじ孔が穿設される。ボルト49によって押さえ具48は溝47の一側に固定される。そして押さえ具48は溝47の一側面を覆うが、溝47の他側面を開放する。かくして押さえ具48は、溝47を覆うことによりゴム部材46を溝底に向かって押圧して、センサ電気ケーブル44を圧迫固定する。ゴム部材46は、図3に示すように押さえ具48によって溝47の溝底に押し付けられ、断面が楕円状に弾性変形する。
溝47は図4に示すように基本的には転がり軸受16の外郭に沿って周方向に延びるが、溝47の一端部は向きを変えてコネクタ24に向かって外径方向にさらに延びるとよい。また溝47の他端部は向きを変えてケーシング21aの底部に向かってさらに延びるとよい。センサ電気ケーブル44は、モータ部リターン孔66(図1)を貫通し、潤滑油タンク53に配置されたサーミスタ(温度センサ)50と接続する。サーミスタ50は減速部リターン孔61を流下する潤滑油の温度を測定し、センサ信号を送信する。センサ信号はサーミスタ50からセンサ電気ケーブル44、コネクタ24、および信号線102を経てインホイールモータ駆動装置11の外部に伝達される。
ところで本実施形態によれば、隔壁21eはインホイールモータ駆動装置11のケーシングの一部であり、センサ電気ケーブル44は隔壁21eに固定される。具体的には、押さえ具48がゴム部材46を押圧して、センサ電気ケーブル44を圧迫固定する。これによりセンサ電気ケーブル44は、隔壁21eに確りと固定され、振動によってずれることがない。しかもセンサ電気ケーブル44と隔壁21eの間にゴム部材46が介在することから、隔壁21eからセンサ電気ケーブル44に与えられる振動を小さくすることができる。
また本実施形態によれば、モータ室Lに面する隔壁21eの壁面には溝47が形成され、センサ電気ケーブル44およびゴム部材46は溝47に収容されることから、センサ電気ケーブル44は隔壁21eに一層確実に固定される。
また本実施形態のゴム部材46は筒状に形成され、センサ電気ケーブル44はゴム部材46の中心孔を貫通することから、センサ電気ケーブル44の全周をゴム部材46で包囲することができる。したがってセンサ電気ケーブル44を隔壁21eに好適に圧迫固定することができる。
また本実施形態の隔壁21eは、筒状のケーシング21a内に設けられて、連続して延びる筒状のケーシング21a,21bの内部空間を、減速室Nとモータ室Lに分割することから、隔壁21eの壁面はケーシングの内壁面に相当する。またセンサ電気ケーブル44は、隔壁21eの壁面に沿って配索され、押さえ具48は隔壁21eの壁面に固定される。これによりセンサ電気ケーブル44はモータ室L内で確りと固定される。
次に本発明の変形例を説明する。図5は本発明の変形例を示す縦断面図である。変形例につき、前述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。変形例ではセンサ電気ケーブル44を、モータリヤカバー21rの内壁面に沿って配索する。具体的には、モータ室Lに面するモータリヤカバー21rの内壁面に溝47が形成され、図2および図4に示す構成と同様に、転がり軸受16の外径側に円弧状に延びる溝47に沿ってセンサ電気ケーブル44が配索される。変形例のセンサ電気ケーブル44は、一端でコネクタ24と接続し、他端で図示しないセンサ、例えばモータ軸14aの外周面と対面するよう配置される回転数センサと接続する。この回転数センサは例えばブラケットを介してモータリヤカバー21rの内壁面に取付固定されるとよい。
上述した変形例によれば、インホイールモータ駆動装置11が筒状本体に相当するケーシング21aと、この筒状本体の端部を閉塞するモータリヤカバー21rを含む。そしてセンサ電気ケーブル44はモータリヤカバー21rの内壁面に沿って配索される。これによりセンサ電気ケーブル44はモータ室L内で確りと固定される。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。本実施形態のインホイールモータ駆動装置11は、車輪ハブ軸受部11Cがハブ輪77、転動体78、外輪部材80を有し、ハブ輪77をケーシング21bに回転自在に支持する。この他にも図示はしなかったが、インホイールモータ駆動装置11にハブ輪77を設けことなく、電気自動車の車体に搭載してもよい。この場合のモータ駆動装置は、車輪の内空領域に配置されず、オンボードモータ駆動装置になる。また図示はしなかったが、モータ電気ケーブル43をゴム部材および押さえ具でケーシングの内壁面に固定してもよい。また、減速機はサイクロイド減速機を例示したが、遊星歯車減速機、平行ニ軸歯車減速機であってもよく、さらには減速機を有さないダイレクトモータタイプであってもよい。
この発明になる車両用モータ駆動装置は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
11 インホイールモータ駆動装置、 11A モータ部、
11B 減速部、 11C 車輪ハブ軸受部、 12 ロータ、
13 ステータ、 14a モータ軸、 14b 入力軸、
21a,21b ケーシング、 21e 隔壁、 21r モータリヤカバー、
22 端子ボックス、 23,24 コネクタ、 41 仕切壁、
43 モータ電気ケーブル、 44 センサ電気ケーブル、 46 ゴム部材、
47 溝、 48 押さえ具、 49 ボルト、 50 サーミスタ、
76 出力軸、 77 ハブ輪、 80 外輪部材、 101 動力線、
102 信号線、 L モータ室、 N 減速室、 O 軸線。

Claims (8)

  1. モータのロータおよびステータを収容するケーシングと、
    前記ケーシングの壁面に沿って配索される電気ケーブルと、
    前記電気ケーブルの外周面に接触するゴム部材と、
    前記ゴム部材を押圧して、前記電気ケーブルを圧迫固定する押さえ具とを備える、車両用モータ駆動装置。
  2. 前記ケーシングの壁面には溝が形成され、
    前記電気ケーブルおよび前記ゴム部材は前記溝に収容される、
    請求項1に記載の車両用モータ駆動装置。
  3. 前記ゴム部材は筒状に形成され、前記電気ケーブルは前記ゴム部材の中心孔を貫通する、請求項1または2に記載の車両用モータ駆動装置。
  4. 前記電気ケーブルは前記ケーシングの内壁面に沿って配索され、
    前記押さえ具は前記ケーシングの内壁面に固定される、請求項1〜3のいずれかに記載の車両用モータ駆動装置。
  5. 前記電気ケーブルは、前記ケーシングの内部に設けられるセンサと接続する、請求項4に記載の車両用モータ駆動装置。
  6. 前記ケーシングは、筒状本体と、前記筒状本体内に減速機を収容する減速室とロータおよびステータを収容するモータ室を有し、前記筒状本体の内部空間を減速室とモータ室に分割する隔壁を含み、
    前記電気ケーブルは前記隔壁の壁面に沿って配索される、請求項4または5に記載の車両用モータ駆動装置。
  7. 前記ケーシングは、筒状本体と、前記筒状本体の端部を閉塞するカバーを含み、
    前記電気ケーブルは前記カバーの内壁面に沿って配索される、請求項4または5に記載の車両用モータ駆動装置。
  8. 前記モータに駆動される車輪ハブと、
    前記車輪ハブを前記ケーシングに回転自在に支持する車輪ハブ軸受とをさらに備え、
    車輪の内空領域に配置される、請求項1〜7のいずれかに記載の車両用モータ駆動装置。
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