JP2018014857A - 電動モータの冷却構造 - Google Patents

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優 黒田
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Abstract

【課題】ステータコイルを効率良く冷却することができ、かつステータコイルの電気的絶縁に優れ、小型化、軽量化が要求される電動モータに好適に採用することができる冷却構造を提供する。【解決手段】電動モータは、ステータ9とハウジング8と回転軸とロータ10とポンプとを備える。ハウジング8に、ポンプから吐出される冷却油を案内する冷却用油路が設けられる。ステータコイル31のコイルエンド31aを覆う絶縁材料製のコイルエンドカバー35が設けられる。コイルエンドカバー35のコイルエンド31aと対向する面の略全体にわたり、コイルエンド31aとの間に、冷却用油路54から案内された冷却油が流れる隙間73が形成されている。【選択図】図12

Description

この発明は、例えばインホイールモータ等の電動モータの冷却構造に関する。
電動モータは車両、産業用機械等に広く利用されており、小型、軽量で、高効率、高出力であることが求められる。特に、車両の足回りに用いられるインホイールモータ駆動装置用の電動モータの場合、小型化、軽量化が不可欠である。一方、電動モータの出力は、電動モータの温度によって制限される。従って、電動モータの出力を向上させるためには、電動モータ、特に発熱源であるステータコイルの温度上昇を抑えることが重要である。
また、電動モータでは、ステータの電気的絶縁を確保することが求められる。ステータの電気的絶縁を確保するには、ステータとハウジングとの距離を大きくとればよいが、前記距離を大きくすると電動モータが全体に大きくなる。そこで、インホイールモータ駆動装置用の電動モータ等のように、小型化、軽量化が要求される電動モータでは、全体の大きさを大きくすることなく、ステータの電気的絶縁を図る必要がある。
ステータコイルの冷却方法、およびステータコイルとハウジングとの絶縁方法として、以下の提案がなされている。
(1)特許文献1
この提案はステータコイルの冷却および絶縁に関する。ステータコイルのコイルエンドを覆うカバーが設けられ、このカバーによってステータとケーシングとを電気的に絶縁する。また、カバーとコイルエンドとの間、およびカバーとケーシングの内壁との間に、冷却媒体を流す流路が設けられ、流路を流れる冷却媒体によってコイルエンドを冷却する。コイルエンドはケーシングに対して電気的絶縁が必要な部位と不要な部位とに区分されており、電気的絶縁が必要な部位に対向するカバーの部分は絶縁性が良好な材料で形成され、電気的絶縁が不要な部位に対向するカバーの部分は熱伝導性が良好な金属材料で形成される。
(2)特許文献2
この提案はステータコイルの冷却に関する。ステータコイルの巻線は絶縁ボビンに巻回されており、この絶縁ボビンにおけるコイルエンドの外径面を覆う部分に冷却媒体を通すための貫通穴を設け、且つこの貫通穴を通ってコイルエンド側に供給される冷却媒体がコイルエンドの端面に沿って流れるように案内するカバーを絶縁ボビンに取り付ける。これにより、外部から供給される冷却媒体を効率良く、ステータコイル全体に行き渡らせる。
(3)特許文献3
この提案は、モータ内部で冷却油を循環させる内部循環方式の冷却方法に関する。モータ内部から供給される冷却用の潤滑油をロータの回転軸から外径方向へ拡散させ、その拡散された潤滑油をケーシングの内壁に設けた曲面によりステータの側へ、特にコイルエンドへ案内することで、ステータを均一に冷却する。
特許第5240131号公報 特開2010−239775号公報 特開2010−172069号公報
特許文献1では、ステータコイルのコイルエンドを覆うカバーを設けることによって、ステータとハウジングとの距離を大きくすることなく、ステータとハウジングとを電気的に絶縁することができる。しかし、前記カバーは、ケーシングとコイルエンドとに挟み込まれることにより固定される。このため、冷却媒体用の流路をカバーとコイルエンド間の一部にしか設けることができず、コイルエンドの表面全体が冷却媒体によって冷却されない。
特許文献2では、絶縁ボビンに貫通穴を設け、且つ絶縁ボビンにカバーを取り付けることにより、モータ外部から供給される冷却媒体をコイルエンドとカバーとの間の閉じられた空間に流してコイルエンドを冷却する。この構成は、各絶縁ボビンに対してカバーを取り付けなければならないため、部品点数が増大すると考えられる。
また、モータ外部から冷却媒体を供給するとなると、モータ外部に配管を設置しなければならないため、小型化、軽量化が不可欠なインホイールモータ駆動装置用の電動モータへの適用は難しい。
特許文献3では、インホイールモータ駆動装置用の電動モータを適用の対象としており、モータ内部で冷却用の潤滑油を循環させる内部循環方式を採用している。このため、モータ外部に配管が不要である。
同文献で提案の内部循環方式は、ロータの軸芯部から遠心力により供給される潤滑油を、ケーシングの内壁に設けた曲面に反射させることによりステータコイルに潤滑油を流入させて冷却を行う。この方式によると、ロータ回転数が小さい場合、遠心力が小さく、ステータコイルに潤滑油が十分に届けられない可能性がある。また、曲面で反射した潤滑油によってステータコイルを冷却することは高効率であるとは言い難く、状況によってはステータの冷却を十分に行えないことが懸念される。さらに、潤滑油をケーシングの内壁に反射させてステータコイルを冷却するには、ケーシングの内壁とステータコイルとの間の距離をある程度確保する必要があり、電動モータ全体の小型化が困難である。
電動モータの内部で冷却媒体を循環させる内部循環方式としては、冷却媒体をロータの軸芯部から拡散する以外に、ロータの回転によって冷却媒体を掻き上げたり、跳ね掛けたりする方式がある。しかし、いずれの方式であっても、拡散された冷却媒体、または掻き上げられたり跳ね掛けられたりした冷却媒体のすべてがステータに届いているか否かは不明である。
この発明の目的は、ステータコイルを効率良く冷却することができ、かつステータコイルの電気的絶縁に優れ、小型化、軽量化が要求される電動モータに好適に採用することができる冷却構造を提供することである。
この発明の電動モータの冷却構造は、ステータコアおよびステータコイルを有するステータと、このステータが固定されるハウジングと、複数の軸受を介して前記ハウジングに回転自在に支持された回転軸と、この回転軸に一体に設けられたロータと、冷却油を吐出するポンプとを備えた電動モータにおける冷却構造であって、
前記ハウジングに、前記ポンプから吐出される冷却油を案内する冷却用油路が設けられ、
前記ステータコイルにおける前記ステータコアに対しモータ軸心方向に外れた部分であるコイルエンドを覆う絶縁材料製のコイルエンドカバーが設けられ、
このコイルエンドカバーの前記コイルエンドと対向する面の略全体にわたり、前記コイルエンドとの間に、前記冷却用油路から案内された冷却油が流れる隙間が形成されていることを特徴とする。
この構成によると、ポンプから吐出される冷却油が、ハウジングに設けられた冷却用油路を通って、ステータコイルのコイルエンドとコイルエンドカバーとの間の隙間に案内される。冷却油が隙間を流れる間に、コイルエンドが冷却される。コイルエンドカバーのコイルエンドと対向する面の略全体にわたって前記隙間が設けられているので、冷却油によってコイルエンドの表面の広い範囲を冷却することができ、冷却効果が高い。
電動モータはポンプを有し、このポンプから吐出される冷却油をモータ内部で循環させる。このため、モータ外部に配管を設置する必要がない。したがって、この冷却構造は、小型化、軽量化が不可欠なインホイールモータ駆動装置用の電動モータに適用すると有効である。
また、コイルエンドとハウジングとの間に絶縁材料製のコイルエンドカバーが介在することで、コイルエンドとハウジングとの距離を広くとることなく、ステータコイルの電気的絶縁を図ることができる。これにより、モータサイズを小さくすることが出来る。
この発明において、前記コイルエンドカバーは、前記コイルエンドの外径面に対向する外径面対向部と、前記コイルエンドの端面に対向する端面対向部と、前記コイルエンドの内径面に対向する内径面対向部とを有し、これら外径面対向部、端面対向部、および内径面対向部にわたり前記コイルエンドとの間に前記隙間が形成されているとよい。
この場合、コイルエンドの外径面、端面、および内径面が、冷却油の流れる隙間に面している。このため、冷却油によってコイルエンドの表面の広い範囲が冷却される。
前記コイルエンドカバーの前記端面対向部における前記コイルエンドと対向する面に環状溝が設けられていてもよい。
この場合、冷却用油路を通って隙間に供給された冷却油が、環状溝を伝って隙間の円周方向にスムーズに流れる。これにより、コイルエンドが円周方向の全域に冷却油がほぼ均一に行き渡る。
この発明において、前記冷却用油路を通って前記ハウジングの内部空間に供給される冷却油が、前記コイルエンドの冷却と前記軸受の潤滑とを兼ねていてもよい。
この場合、コイルエンド冷却用の給油系統と軸受潤滑用の給油系統を統合することができ、給油系統が簡略になる。
この発明において、前記冷却用油路は、前記ハウジングの内部に設けられたハウジング内油路と前記ハウジングの内径面に設けられた内径面油路とからなり、前記ハウジング内油路が、前記ポンプから外径方向に延びる径方向油路部と、この径方向油路部に続いて軸方向に延びる第1軸方向油路部と、この第1軸方向油路部と前記ハウジングの内径面に開口する冷却油供給口とを連通する連通油路部とを有していてもよい。
この構成であると、ポンプから吐出される冷却油が、径方向油路部、第1軸方向油路部、および連通油路部を経由して、冷却油供給口まで案内される。ハウジング内油路を径方向油路部と第1軸方向油路部と連通油路部とで構成することにより、ポンプをステータおよびロータに対してモータ軸心方向となる位置に配置することができる。これにより、径方向寸法を大きくすることなく、ポンプ一体型の電動モータを構成することができる。
この発明において、前記冷却用油路は、前記ハウジングの内部に設けられたハウジング内油路と前記ハウジングの内径面に設けられた内径面油路とからなり、前記ハウジング内油路は、前記ハウジングの内径面に冷却油供給口が開口し、前記内径面油路が、前記冷却油供給口から周方向に延びる溝状の周方向油路部と、前記周方向油路部に続き軸方向に延びる溝状の第2軸方向油路部とを有していてもよい。
この構成であると、内径面油路の冷却油供給口からハウジングの内径面に供給される冷却油が、内径面油路の周方向油路部を通って周方向に流れ、さらに第2軸方向油路部を通って軸方向に流れ、コイルエンドとコイルエンドカバーとの間の隙間、または隙間の近傍に供給される。内径面油路の周方向油路部および第2軸方向油路部は、ハウジングの内径面に形成された溝状であるので加工が容易である。
前記モータ軸心が水平である状態で、前記第2軸方向油路部はモータ軸心よりも上方に設けられているとよい。
この場合、軸方向油路部を通って供給される冷却油が、始めに前記隙間におけるモータ軸心よりも上方の領域に流れ込み、その後、重力によって下方の領域に流れる。このように、周方向油路部および第2軸方向油路部をモータ軸心よりも上方に設けることで、冷却油が隙間の全領域に均等に行き渡りやすい。これにより、コイルエンドの全体を均等に冷却することができる。
また、前記モータ軸心が水平である状態で、前記周方向油路部はモータ軸心よりも上方に設けられているとよい。
周方向油路部が少なくともモータ軸心よりも上方に設けられていると、モータ軸心よりも上方に設けられた第2軸方向油路部に対して周方向油路部から冷却油を流すことができる。周方向油路部は周方向の360°にわたって設けられていてもよい。
この発明において、前記コイルエンドカバーは、前記ステータコアの軸方向端面に当接してこの軸方向端面に固定されるフランジ部を有し、前記フランジ部が前記ハウジングと前記ステータコアとに挟まれることにより、前記ハウジングおよび前記ステータコアに対して固定されてもよい。
フランジ部がハウジングとステータコアとに挟まれることにより、コイルエンドカバーがハウジングおよびステータコアに対して固定されると、コイルエンドカバーを固定するための部品点数を減らすことができる。
この発明において、前記コイルエンドカバーは、前記ステータコアの軸方向端面に当接してこの軸方向端面に固定されるフランジ部を有し、前記フランジ部に軸方向の貫通孔を有する筒状部材が設けられ、この筒状部材の前記貫通孔に挿通された固定具により、前記ステータコアと共に前記ハウジングに固定されてもよい。
コイルエンドカバーを固定具によりステータコアと共にハウジングに固定すると、ステータコアおよびコイルエンドカバーをハウジングに固定するための部品点数を減らすことができる。
前記コイルエンドカバーが前記フランジ部を有する場合、前記コイルエンドカバーの前記フランジ部に、前記冷却用油路と前記隙間とを繋ぐ導油路が設けられているとよい。
この場合、冷却用油路によって隙間の近傍に案内されてきた冷却油が、コイルエンドカバーのフランジ部の導油路を通って隙間に流れる。
この発明において、前記電動モータは、車輪用軸受および減速機と共にインホイールモータ駆動装置を構成してもよい。
この冷却構造が適用される電動モータは、小型化、軽量化が可能であるので、インホイールモータ駆動装置の電動モータとして使用するのに適する。
この発明の電動モータの冷却構造は、ステータコアおよびステータコイルを有するステータと、このステータが固定されるハウジングと、複数の軸受を介して前記ハウジングに回転自在に支持された回転軸と、この回転軸に一体に設けられたロータと、冷却油を吐出するポンプとを備えた電動モータにおける冷却構造であって、前記ハウジングに、前記ポンプから吐出される冷却油を案内する冷却用油路が設けられ、前記ステータコイルにおける前記ステータコアに対しモータ軸心方向に外れた部分であるコイルエンドを覆う絶縁材料製のコイルエンドカバーが設けられ、このコイルエンドカバーの前記コイルエンドと対向する面の略全体にわたり、前記コイルエンドとの間に、前記冷却用油路から案内された冷却油が流れる隙間が形成されているため、ステータコイルを効率良く冷却することができ、かつステータコイルの電気的絶縁に優れ、小型化、軽量化が要求される電動モータに好適に採用することができる。
この発明の一実施形態に係る電動モータの冷却構造を備えたインホイールモータ駆動装置の断面図である。 同インホイールモータ駆動装置を図1とは異なる断面で切断した断面図である。 図1のIII−III断面図である。 図1のIV−IV断面図である。 図4の部分拡大図である。 同インホイールモータ駆動装置のポンプをモータ軸心方向から見た図である。 同インホイールモータ駆動装置のインボード側のコイルエンドカバーを斜めアウトボード側から見た図である。 同インボード側のコイルエンドカバーをアウトボード側から見た図である。 図8のIX−IX断面図である。 図8のX−X断面図である。 図10のXI部拡大図である。 図1のXII部拡大図である。 同インホイールモータ駆動装置のアウトボード側のコイルエンドカバーを斜めインボード側から見た図である。 同アウトボード側のコイルエンドカバーをインボード側から見た図である。 図14のXV−XV断面図である。 この発明の異なる実施形態に係る電動モータの冷却構造を備えたインホイールモータ駆動装置を、図1のIII−III断面に相当する断面で切断した断面図である。
この発明の一実施形態に係る電動モータの冷却構造を備えたインホイールモータ駆動装置を図面と共に説明する。以下の説明では、インホイールモータ駆動装置を車両に設けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の車幅方向の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
図1はこの発明の一実施形態に係る電動モータの冷却構造を備えたインホイールモータ駆動装置の断面図、図2は同インホイールモータ駆動装置を図1とは異なる断面で切断した断面図、図3は図1のIII−III断面図である。なお、図1は図3のI−O−I断面図であり、図2は図3のII−O−II断面図である。
図1、図2に示すように、このインホイールモータ駆動装置は、車輪を駆動する電動モータ1と、この電動モータ1の回転を減速する減速機2と、この減速機2の入力軸3(減速機入力軸3と称す)と同軸の出力部材4によって回転される車輪用軸受5と、油冷却装置Rとを備える。車輪用軸受5と電動モータ1との間に減速機2を介在させ、車輪用軸受5で支持される駆動輪である車輪のハブと、電動モータ1の回転軸6とを同軸心上で連結してある。減速機2を収納する減速機ハウジング7には、車両における図示外のサスペンションが連結される。このインホイールモータ駆動装置は、一部または全体が車輪内に配置される。
電動モータ1は、モータハウジング8に固定されたステータ9と、前記回転軸6に固定されたロータ10とを有する。この電動モータ1は、ステータ9とロータ10との間にラジアルギャップを設けたIPMモータ(いわゆる埋込み磁石型同期モータ)である。電動モータ1の回転軸6は、横向きに配置され、一対の転がり軸受11,12によってモータハウジング8に回転自在に支持されている。一対の軸受11,12は、互いにモータ軸心方向に離隔した位置にある。なお、モータ軸心方向は、回転軸6の軸心Oの方向のことである。以下の説明で、モータ軸心方向のことを単に「軸方向」とする場合がある。
ロータ10は、ロータ取付体13によって回転軸6に一体回転するように取り付けられている。ロータ取付体13は、回転軸6のモータ軸心方向中間部から外径方向に延びる基部13aと、この基部13aの外径端からアウトボード側およびインボード側に延びる円筒部13bと、この円筒部13bのアウトボード側端およびインボード側端から外径側に延びる一対の鍔部13cとからなる。ロータ10は、一対の鍔部13c,13c間に固定されている。図示例では、ロータ取付体13は回転軸6と一体に設けられているが、ロータ取付体13は回転軸6と別体であってもよい。
図3に示すように、ステータ9は、ステータコア30とステータコイル31とを有する。ステータコア30は、例えば軟質磁性材料からなる。ステータコア30は、モータハウジング8の内径面に嵌合した円環状部30aと、この円環状部30aから内径側に突出する複数の歯部30bとからなる。複数の歯部30bは、回転軸6の軸心回りに放射状に並んでいる。
ステータコア30にはモータ軸心方向の貫通孔である固定具挿通孔33が円周方向に並んで複数設けられている。図2に示すように、これら固定具挿通孔33に挿通される固定具34によって、ステータ9がモータハウジング8に固定される。その際、インボード側およびアウトボード側のコイルエンドカバー35,36も、ステータ9と共にモータハウジング8に固定される。前記固定具34は、例えばボルトである。モータハウジング8には、固定具34が螺着されるねじ孔37が設けられている。
前記コイルエンドカバー35,36は、ステータコイル31のコイルエンド31aとモータハウジング8との電気的絶縁を図る目的と、油冷却装置Rの冷却油によるコイルエンド31aの冷却効果を高める目的で設けられる。コイルエンド31aは、ステータコイル31におけるステータコア30に対しモータ軸心方向に外れた部分のことである。
コイルエンドカバー35,36の詳細な形状については、後で説明する。
図1、図2において、前記回転軸6は、電動モータ1の駆動力を減速機2に伝達する軸である。回転軸6は筒状であり、そのアウトボード側部分に減速機入力軸3のインボード側部分が嵌合している。回転軸6と減速機入力軸3とは、互いにスプライン嵌合(セレーション嵌合も含む。以下、同じ)している。減速機入力軸3は、回転軸6と同軸上に、転がり軸受14a,14bによって回転自在に支持されている。転がり軸受14aは出力部材4のカップ部内に嵌合し、転がり軸受14bは筒状の連結部材4a内に嵌合している。出力部材4のカップ部と連結部材4aとは、内ピン22を介して連結されている。
減速機入力軸3の外周面には、偏心部15,16が設けられる。これら偏心部15,16は偏心運動による遠心力が互いに打ち消されるように180°位相をずらして設けられている。減速機2は、曲線板17,18と、複数の外ピン19と、カウンタウェイト21とを有するサイクロイド減速機である。
図4は、図1のIV−IV断面となる減速機部分の断面図である。減速機2は、外形がなだらかな波状のトロコイド曲線で形成された2枚の曲線板17,18が、それぞれ転がり軸受85を介して、各偏心部15,16に装着してある。これら各曲線板17,18の偏心運動を外周側で案内する複数の外ピン19を、それぞれ減速機ハウジング7の内側に設け、前記複数の内ピン22を、各曲線板17,18の内部に設けられた複数の円形の貫通孔89に挿入状態に係合させてある。
図5に拡大して示すように、各外ピン19と各内ピン22には針状ころ軸受92,93が装着される。各外ピン19は、それぞれ針状ころ軸受92で両端支持され、これら針状ころ軸受92の外輪92aが減速機ハウジング7に固定され外ピン19は回転自在に支持され、各曲線板17,18の外周面と転接し、それぞれ各曲線板17,18の外周との接触抵抗を低減する。また各内ピン22は、針状ころ軸受93の外輪93aが、それぞれ各曲線板17,18の各貫通孔89の内周と各内ピン22との接触抵抗を低減する。
よって、図1、図2に示すように、各曲線板17,18の偏心運動をスムーズに車輪用軸受5の内方部材(回転輪)5aに回転運動として伝達し得る。回転軸6が回転すると、この回転軸6と一体回転する減速機入力軸3に設けられた各曲線板17,18が偏心運動を行う。このとき外ピン19が偏心運動する各曲線板17,18の外周面と転がり接触するように係合すると共に、各曲線板17,18が、内ピン22と貫通孔89(図5)との係合によって、各曲線板17,18の自転運動のみが出力部材4および車輪用軸受5の内方部材5aに回転運動として伝達される。回転軸6の回転に対して内方部材5aの回転は減速されたものとなる。
車輪用軸受5は内方部材5aと外方部材5bの間にボールを組み込んだ複列アンギュラ玉軸受であり、外方部材5bはフランジ5cにより減速機ハウジング7にボルト固定されている。内方部材5aは、出力部材4にスプライン嵌合(セレーション嵌合も含む)している。内方部材5aに伝達された回転運動は、内方部材5aにおけるアウトボード側の外周面に設けられた車輪取付フランジ5dからタイヤに伝達される。
次に、図1と共に油冷却装置Rについて説明する。
油冷却装置Rは、電動モータ1および減速機2の冷却と、電動モータ1の回転軸6および減速機入力軸3をそれぞれ支持する軸受11,12,14a,14bの潤滑とを兼ねている。油冷却装置Rは、減速機ハウジング7とモータハウジング8の境界部に設けられたポンプ50と、減速機ハウジング7の底部に設けられた油溜り51と、電動モータ1および減速機2に設けられた冷却用油路52とで構成される。冷却用油路52は、吸込み油路53とモータ冷却用油路54と減速機冷却用油路55とからなる。モータ冷却用油路54と減速機冷却用油路55はそれぞれの一部が互いに共通である。また、モータ冷却用油路54は、ハウジング内油路54aと内径面油路54bとからなる。
図6は、ポンプ50をモータ軸心方向から見た図である。ポンプ50は、例えば、出力部材4の回転により回転するインナーロータ40と、このインナーロータ40の回転に伴って従動回転するアウターロータ41と、ポンプ室42と、吸入口43と、吐出口44とを有するサイクロイドポンプである。インナーロータ40は、連結部材4aに固定された出力部材4の回転により回転できるように構成されている。
電動モータ1に駆動される出力部材4の回転によりインナーロータ40が回転すると、アウターロータ41が従動回転する。このときインナーロータ40およびアウターロータ41がそれぞれ異なる回転中心c1,c2を中心として回転することで、ポンプ室42の容積が連続的に変化する。これにより、冷却油が吸入口43から流入し、吐出口44から吐出される。
図1において、ポンプ50は、油溜り51の冷却油を、吸込み油路53を介して吸い込み、径方向油路部56に送り出すように設置されている。径方向油路部56は、モータハウジング8内に設けられ、ポンプ50の吐出口44(図6)から外径方向(この実施形態では上方)へ延びている。径方向油路部56の上端は、第1軸方向油路部57のアウトボード側端に連通している。第1軸方向油路部57は、モータハウジング8の上部の内部をインボード側に延びている。第1軸方向油路部57のモータ軸心方向中間部は、連通油路部58を介してモータハウジング8の内部空間と連通している。上記径方向油路部56、第1軸方向油路部57におけるアウトボード側端から連通油路部58までの部分57a、および連通油路部58で、モータ冷却用油路54のハウジング内油路54aが構成される。
図3に示すように、前記連通油路部58の内部空間側端は、モータハウジング8の内径面に開口する冷却油供給口59となっている。モータハウジング8の内径面には、冷却油供給口59から周方向に延びる溝状の周方向油路部60が形成されている。この実施形態では、周方向油路部60は全周にわたり形成されている。つまり、360°の範囲に形成されている。また、モータハウジング8の内径面には、周方向油路部60から軸方向に延びる溝状の第2軸方向油路部61が複数形成されている。複数の第2軸方向油路部61は、すべてモータ軸心Oよりも上方に位置している。これら周方向油路部60および第2軸方向油路部61は、モータハウジング8の内径面に形成された溝状であるが、モータハウジング8の内径面にステータコア30の円環状部30aが嵌合することにより、溝の開口面が塞がれた状態となる。周方向油路部60および複数の第2軸方向油路部61で、モータ冷却用油路54の内径面油路54bが構成される。
前記第1軸方向油路部57のインボード側端は、モータハウジング8のエンドカバー8aに設けられた連絡油路部63の上端に連通している。連絡油路部63の下端はモータ軸心Oの位置まで延び、その下端が、モータ軸心油路部64のインボード側端に連通している。モータ軸心油路部64は、回転軸6の内部をモータ軸心Oに沿ってインボード側からアウトボード側へ延びている。
モータ軸心油路部64は、そのアウトボード側端で減速機入力軸3内の減速機軸心油路部65に連通している。減速機軸心油路部65は、減速機入力軸3内に軸心に沿って設けられ、インボード側からアウトボード側へ延びている。そして、減速機軸心油路部65における前記偏心部15,16が設けられる軸方向位置から、減速機供給油路部66が減速機ハウジング7内へ延びている。減速機ハウジング7の内部と油溜り51とが、排出油路67で連通されている。
径方向油路部56、第1軸方向油路部57、連絡油路部63、モータ軸心油路部64、減速機軸心油路部65、および減速機供給油路部66で、前記減速機冷却用油路55が構成される。つまり、径方向油路部56、および第1軸方向油路部57におけるアウトボード側端から連通油路部58までの部分57aは、モータ冷却用油路54と減速機冷却用油路55とで共用である。
モータハウジング8の内部空間の下端となる底部には、排油溝68が設けられている。この排油溝68は、前記油溜り51に連通している。
次に、コイルエンドカバー35,36について説明する。コイルエンドカバー35,36は、いずれも絶縁材料、例えば樹脂材等からなる。
図7〜図11はインボード側のコイルエンドカバー35を示す。図7〜図10に示すように、インボード側のコイルエンドカバー35は、ステータコイル31のコイルエンド31a(図12)を覆う環状の本体部70と、この本体部70の外径部から外径側に延びる環状のフランジ部71とからなる。
また、図9、図10の断面図に示すように、コイルエンドカバー35の本体部70は、外径面対向部70aと、端面対向部70bと、内径面対向部70cとからなる。端面対向部70bにおける設置状態でコイルエンド31aと対向する面には、環状溝72が設けられている。図1のXII部拡大図である図12に示すように、コイルエンドカバー35の設置状態において、外径面対向部70aはコイルエンド31aの外径面に対向し、端面対向部70bはコイルエンド31aの端面に対向し、内径面対向部70cは、コイルエンド31aの内径面に対向する。これにより、本体部70とインボード側のコイルエンド31aとの間に隙間73が形成される。
図8に示すように、フランジ部71には金属製の筒状部材75が複数設けられている。図10のXI部拡大図である図11に示すように、筒状部材75は、軸方向の貫通孔76を有する。インボード側のコイルエンドカバー35は、図2に示すように、フランジ部71をステータコア30の軸方向端面に当接させ、前記固定具34をインボード側から筒状部材75の貫通孔76(図11)に挿通し、モータハウジング8のねじ孔37に螺着することで、モータハウジング8およびステータコア30に固定される。
また、フランジ部71には、図7、図8、図9に示すように、ステーテコア30の軸方向端面と当接する面に、径方向に延びる溝状の導油路77が複数設けられている。導油路77の周方向位置は、前記第2軸方向油路部61の周方向位置と一致する。図12のように、インボード側のコイルエンドカバー35をステータコア30に固定した状態では、導油路77の外径端が第2軸方向油路部61と繋がり、モータ冷却用油路54が導油路77を介して隙間73と連通する。
さらに、本体部70の下部には、ステータコイル31の引出し線31b(図1)を通すための開口78が設けられている。この開口78は排油口を兼ねている。
図13〜図15はアウトボード側のコイルエンドカバー36を示す。アウトボード側のコイルエンドカバー36も、インボード側のコイルエンドカバー35と同様に、ステータコイル31のコイルエンド31a(図12参照)を覆う環状の本体部80と、この本体部80の外周部から外径側に延びる環状のフランジ部81とからなる。また、図15に示すように、本体部80は、外径面対向部80aと、端面対向部80bと、内径面対向部80cとからなり、端面対向部80bにおける設置状態でコイルエンド31aと対向する面に、環状溝82が設けられている。
フランジ部81には、軸方向に貫通する固定具挿通孔85が複数設けられている。アウトボード側のコイルエンドカバー36は、図2に示すように、フランジ部81をモータハウジング8とステータコア30とで挟み込むことで、ステータ9と共にモータハウジング8に固定される。その際、固定具挿通孔85に固定具34を挿通することで、コイルエンドカバー36が位置決めされる。コイルエンドカバー36を固定した状態では、図1に示すように、コイルエンドカバー36とコイルエンド31aとの間に隙間83が形成される。
図13〜図15に示すように、フランジ部81には、径方向に延びるスリット状の導油路87が複数設けられている。導油路87の周方向位置は、前記第2軸方向油路部61の周方向位置と一致する。図12のように、アウトボード側のコイルエンドカバー36をモータハウジング8に固定した状態では、導油路87の外径端が第2軸方向油路部61と繋がり、モータ冷却用油路54が導油路87を介して隙間83と連通する。
このインホイールモータ駆動装置は以上の構成であり、油冷却装置Rを駆動することにより、以下のように各部の冷却および潤滑が行われる。図1、図12に冷却油の流れを矢印で示している。
ポンプ50から送り出された冷却油は、径方向油路部56、第1軸方向油路部57を順に流れ、その一部が、連通油路部58を通って冷却油供給口59からモータハウジング8の内部空間に供給される。内部空間に供給された冷却油は、モータハウジング8の内径面に形成された周方向油路部60を通って周方向に流れ、さらに複数の第2軸方向油路部61を通ってインボード側およびアウトボード側に分かれて流れる。
第2軸方向油路部61のインボード側端およびアウトボード側端に達した冷却油は、コイルエンドカバー35,36のフランジ部71,81に設けられた導油路77,87を通って、コイルエンド31aとコイルエンドカバー35,36との間の隙間73,83に案内される。冷却油は隙間73,83内を内径側および周方向の下方側に流れ、その間にコイルエンド31aが冷却される。
例えば図12に示すように、隙間73におけるモータ軸心Oよりも上方に位置する領域では、冷却油は、コイルエンド31aの外径面とコイルエンドカバー35の外径面対向部70aとの間、コイルエンド31aの端面とコイルエンドカバー35の端面対向部70bとの間、およびコイルエンド31aの内径面とコイルエンドカバー35の内径面対向部70cとの間を順に通って、隙間73の外に流れ出る。アウトボード側のコイルエンドカバー36とコイルエンド31aとの隙間83についても同様である。
このように、隙間73,83を冷却油が流れる間に、隙間73,83に面するコイルエンド31aの外径面、端面、および内径面が冷却される。コイルエンドカバー35,36のコイルエンド31aと対向する面の略全体にわたって隙間73,83が設けられているので、冷却油によってコイルエンド31aの表面の広い範囲を冷却することができ、冷却効果が高い。
隙間73,83におけるモータ軸心Oよりも下方に位置する領域(拡大図無し)では、上記と逆に、コイルエンド31aの内径面とコイルエンドカバー35,36の内径面対向部70c,80cとの間、コイルエンド31aの端面とコイルエンドカバー35,36の端面対向部70b,80bとの間、およびコイルエンド31aの外径面とコイルエンドカバー35,36の外径面対向部70a,80aとの間を順に通って、隙間73,83の外に流れ出る。
内径面油路54bである周方向油路部60および第2軸方向油路部61は、モータ軸心Oよりも上方に位置している。このため、隙間73,83内では、上記略径方向の冷却油の流れとは別に、周方向の冷却油の流れが生じる。すなわち、内径面油路54bからの冷却油は、始めに隙間73,83におけるモータ軸心Oよりも上方の領域に流れ込み、その後、重力によって隙間73,83の下方の領域に流れる。このように、内径面油路54bである周方向油路部60および第2軸方向油路部61をモータ軸心Oよりも上方に設けることで、冷却油が隙間73,83の全領域に均等に行き渡りやすい。これにより、コイルエンド31aの全体を均等に冷却することができる。
また、コイルエンドカバー35,36の端面対向部70b,80bにおけるコイルエンド31aと対向する面に環状溝72,82が設けられているため、隙間73,83内の冷却油が、環状溝72,82を伝って円周方向にスムーズに流れやすい。これにより、冷却油が、より一層隙間73,83の全領域に均等に行き渡りやすい。
図1〜図15に示す実施形態では、モータハウジング8の内径面に形成された周方向油路部60が周方向の360°にわたって設けられているが、図16に示すように、周方向油路部60は、モータ軸心Oよりも上方の範囲にだけ設けられていてもよい。この場合でも、周方向油路部60からすべての第2の軸方向油路部61へ冷却油を流すことができる。
隙間73,83におけるモータ軸心Oよりも上方に位置する領域において、隙間73,83から外に流れ出た冷却油の一部は、回転軸6を回転自在に支持する軸受11,12の潤滑に利用される。その後、隙間73,83におけるモータ軸心Oよりも下方に位置する領域に流れ込むか、または排油溝68に回収される。隙間73,83におけるモータ軸心Oよりも下方に位置する領域において、隙間73,83から外に流れ出た冷却油は、そのまま排油溝68に回収される。排油溝68に回収された冷却油は、油溜り51に戻される。
第1軸方向油路部57を流れる冷却油のうち、連通油路部58に流れなかった残りの冷却油は、連絡油路部63、モータ軸心油路部64を順に通って、減速機軸心給油路65に流れる。減速機軸心給油路65に流れた冷却油は、ポンプ50の圧力と減速機入力軸3の回転に伴う遠心力とによって、減速機供給油路66を通って減速機ハウジング7の内部へ供給される。この冷却油によって、減速機2内の各部が潤滑および冷却される。潤滑および冷却に供された冷却油は重力によって下方に移動して、排出油路67を介して油溜り51に戻される。
このインホイールモータ駆動装置はポンプ50を有し、このポンプ50から吐出される冷却油を電動モータ1の内部および減速機2の内部で循環させる。このため、外部に配管を設置する必要がなく、小型化、軽量化が可能である。また、ポンプ50がステータ9およびロータ10に対してモータ軸心方向となる位置に配置されているため、径方向寸法を大きくすることなく、ポンプ一体型のインホイールモータ駆動装置を構成することができる。
モータ冷却用油路54を通ってモータハウジング8の内部空間に供給される冷却油が、コイルエンド31aの冷却と軸受11,12の潤滑とを兼ねているため、コイルエンド冷却用の給油系統と軸受潤滑用の給油系統を統合することができ、給油系統が簡略である。モータ冷却用油路54の内径面油路54bである周方向油路部58および軸方向油路部59は、モータハウジング8の内径面に形成された溝状であるため、加工が容易である。
インボード側のコイルエンドカバー35は、フランジ部71に設けられた筒状部材75の貫通孔76に挿通された固定具34により、ステータコア30と共にモータハウジング8に固定される。また、アウトボード側のコイルエンドカバー36は、フランジ部81がモータハウジング8とステータコア30とに挟み込まれることにより、モータハウジング1およびステータコア30に対して固定される。このようにコイルエンドカバー35,36を固定することにより、コイルエンドカバー35,36を固定するための部品点数を減らすことができる。
上記実施形態は、電動モータ1は、車輪用軸受5および減速機2と共にインホイールモータ駆動装置として構成されているが、この発明の冷却構造は、単体の電動モータにも適用できる。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…電動モータ
6…回転軸
8…モータハウジング
9…ステータ
10…ロータ
11,12…軸受
30…ステータコア
31…ステータコイル
31a…コイルエンド
34…固定具
35…インボード側のコイルエンドカバー
36…アウトボード側のコイルエンドカバー
50…ポンプ
52…冷却用油路
54…モータ冷却用油路
54a…ハウジング内油路
54b…内径面油路
56…径方向油路部
57…第1軸方向油路部
58…連通油路部
59…冷却油供給口
60…周方向油路部
61…第2軸方向油路部
70a…外径面対向部
70b…端面対向部
70c…内径面対向部
71…フランジ部
72…環状溝
73…隙間
75…筒状部材
76…貫通孔
77…導油路
80a…外径面対向部
80b…端面対向部
80c…内径面対向部
81…フランジ部
82…環状溝
83…隙間
87…導油路
O…モータ軸心

Claims (12)

  1. ステータコアおよびステータコイルを有するステータと、このステータが固定されるハウジングと、複数の軸受を介して前記ハウジングに回転自在に支持された回転軸と、この回転軸に一体に設けられたロータと、冷却油を吐出するポンプとを備えた電動モータにおける冷却構造であって、
    前記ハウジングに、前記ポンプから吐出される冷却油を案内する冷却用油路が設けられ、
    前記ステータコイルにおける前記ステータコアに対しモータ軸心方向に外れた部分であるコイルエンドを覆う絶縁材料製のコイルエンドカバーが設けられ、
    このコイルエンドカバーの前記コイルエンドと対向する面の略全体にわたり、前記コイルエンドとの間に、前記冷却用油路から案内された冷却油が流れる隙間が形成されていることを特徴とする電動モータの冷却構造。
  2. 請求項1に記載の電動モータの冷却構造において、前記コイルエンドカバーは、前記コイルエンドの外径面に対向する外径面対向部と、前記コイルエンドの端面に対向する端面対向部と、前記コイルエンドの内径面に対向する内径面対向部とを有し、これら外径面対向部、端面対向部、および内径面対向部にわたり前記コイルエンドとの間に前記隙間が形成されている電動モータの冷却構造。
  3. 請求項2に記載の電動モータの冷却構造において、前記コイルエンドカバーの前記端面対向部における前記コイルエンドと対向する面に環状溝が設けられている電動モータの冷却構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電動モータの冷却構造において、前記冷却用油路を通って前記ハウジングの内部空間に供給される冷却油は、前記コイルエンドの冷却と前記軸受の潤滑とを兼ねる電動モータの冷却構造。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電動モータの冷却構造において、前記冷却用油路は、前記ハウジングの内部に設けられたハウジング内油路と前記ハウジングの内径面に設けられた内径面油路とからなり、
    前記ハウジング内油路は、前記ポンプから外径方向に延びる径方向油路部と、この径方向油路部に続いて軸方向に延びる第1軸方向油路部と、この第1軸方向油路部と前記ハウジングの内径面に開口する冷却油供給口とを連通する連通油路部とを有する電動モータの冷却構造。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電動モータの冷却構造において、前記冷却用油路は、前記ハウジングの内部に設けられたハウジング内油路と前記ハウジングの内径面に設けられた内径面油路とからなり、
    前記ハウジング内油路は、前記ハウジングの内径面に冷却油供給口が開口し、
    前記内径面油路は、前記冷却油供給口から周方向に延びる溝状の周方向油路部と、前記周方向油路部に続き軸方向に延びる溝状の第2軸方向油路部とを有する電動モータの冷却構造。
  7. 請求項6に記載の電動モータの冷却構造において、前記モータ軸心が水平である状態で、前記第2軸方向油路部はモータ軸心よりも上方に設けられている電動モータの冷却構造。
  8. 請求項7に記載の電動モータの冷却構造において、前記モータ軸心が水平である状態で、前記周方向油路部はモータ軸心よりも上方に設けられている電動モータの冷却構造。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の電動モータの冷却構造において、前記コイルエンドカバーは、前記ステータコアの軸方向端面に当接してこの軸方向端面に固定されるフランジ部を有し、前記フランジ部が前記ハウジングと前記ステータコアとに挟まれることにより、前記ステータコアと共に前記ハウジングに固定される電動モータの冷却構造。
  10. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の電動モータの冷却構造において、前記コイルエンドカバーは、前記ステータコアの軸方向端面に当接してこの軸方向端面に固定されるフランジ部を有し、前記フランジ部に軸方向の貫通孔を有する筒状部材が設けられ、この筒状部材の前記貫通孔に挿通された固定具により、前記ハウジングおよび前記ステータコアに対して固定される電動モータの冷却構造。
  11. 請求項9または請求項10に記載の電動モータの冷却構造において、前記コイルエンドカバーの前記フランジ部に、前記冷却用油路と前記隙間とを繋ぐ導油路が設けられた電動モータの冷却構造。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の電動モータの冷却構造において、前記電動モータは、車輪用軸受および減速機と共にインホイールモータ駆動装置を構成する電動モータの冷却構造。
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