JP2016019436A - 車両用モータ駆動装置のブリーザ構造 - Google Patents

車両用モータ駆動装置のブリーザ構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2016019436A
JP2016019436A JP2014142846A JP2014142846A JP2016019436A JP 2016019436 A JP2016019436 A JP 2016019436A JP 2014142846 A JP2014142846 A JP 2014142846A JP 2014142846 A JP2014142846 A JP 2014142846A JP 2016019436 A JP2016019436 A JP 2016019436A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
chamber
drive device
motor drive
terminal box
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014142846A
Other languages
English (en)
Inventor
四郎 田村
Shiro Tamura
四郎 田村
貴則 石川
Takanori Ishikawa
貴則 石川
真也 太向
Masaya Taiko
真也 太向
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2014142846A priority Critical patent/JP2016019436A/ja
Publication of JP2016019436A publication Critical patent/JP2016019436A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

【課題】ブリーザホースの配置レイアウトを考える必要がなく、耐久性能を向上させた、車両用モータ駆動装置のためのブリーザ構造を提供する。
【解決手段】車両用モータ駆動装置(11)のブリーザ構造は、ロータ(12)と、ステータ(13)と、ロータおよびステータを収容するモータ室(L)を含むモータ部(11A)と、モータ室に隣接して設けられ大気圧と略等しくされる空気室(M)と、モータ室および空気室を仕切る仕切壁(41)を貫通して延びる連絡孔(67)と、連絡孔に設けられてモータ室の内圧を空気室に開放する内圧調整部材(68)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、車輪を駆動する車両用モータ駆動装置に関し、特に車両用モータ駆動装置の内圧が過大になることを防止する車両用モータ駆動装置のブリーザ構造に関する。
車輪のロードホイール内空領域に配置されるインホイールモータ駆動装置、あるいは車体に搭載されてドライブシャフトを介して車輪を駆動するオンボードモータ駆動装置が従来知られている。例えばインホイールモータ駆動装置として、特開2009−219271号公報(特許文献1)および特開2012−171428号公報(特許文献2)が列挙される。
特開2009−219271号公報 特開2012−171428号公報
インホイールモータ駆動装置あるいはオンボードモータ駆動装置といった車両用モータ駆動装置にあっては、車両走行中に車両用モータ駆動装置内部の温度が上昇し、車両用モータ駆動装置の内圧が高くなることから、ブリーザ構造を設けることが好ましい。例えばインホイールモータ駆動装置にブリーザ構造を設ける場合を、図5を参照して説明する。図5は車両用モータ駆動装置210をその軸線直角方向からみた全体の外観を示す。基本となる車両用モータ駆動装置210は、円筒形状の減速部ケーシング201と、減速部ケーシング201よりも大径であり減速部ケーシング201の一端と接続する円筒形状のモータ部ケーシング202と、モータ部ケーシング202の一端を閉塞する円形のリアカバー206を備える。ブリーザ構造として、モータ部ケーシング202には貫通孔が形成され、この貫通孔の外側の接続口203にはブリーザホース204が接続固定される。ブリーザホース204は接続口203から上方へ延び、ブリーザホース204の上端開口にはブリーザキャップ205が設けられる。ブリーザキャップ205は、金網等のストレーナや、幅の狭い長孔を有し、小石等の異物がブリーザホース204の中に侵入することを防止しつつ、大気の通過を許容する。これにより車両用モータ駆動装置210の内部は、略大気圧に保持される。
しかし、かかるブリーザ構造にあっては、さらに改善すべき点があることを本発明者は見出した。つまりブリーザホース204を支持固定するためのクランプ構造をさらに必要とし、部品点数が増大する。またブリーザホース204を支持する相手部材を必要とし、ブリーザホース204の配置レイアウトに困る場合がある。また車両用モータ駆動装置210がインホイールモータ駆動装置である場合、車輪および路面が近いため、接続口203およびブリーザホース204に小石や泥が衝突したり、振動や屈曲が加わったりする。このため、接続口203およびブリーザホース204の耐久性能が悪化する。
本発明は、上述の実情に鑑み、電力で車輪を駆動する車両用モータ駆動装置において、部品点数がなるべく増大しないよう、またブリーザホースの配置レイアウトを考える必要がなく、耐久性能を向上させたブリーザ構造を提供することを目的とする。
この目的のため本発明による車両用モータ駆動装置のブリーザ構造は、ロータと、ステータと、これらロータおよびステータを収容するモータ室を含み、モータ室に潤滑油を封入されるモータ部と、モータ室に隣接して設けられ大気圧と略等しくされる空気室と、モータ室および空気室を仕切る仕切壁を貫通して延びる連絡孔と、連絡孔に設けられてモータ室の内圧を空気室に開放する内圧調整部材とを備える。
かかる本発明によればモータ室が、大気圧と略等しくされる空気室と連通することから、モータ室も大気圧と略等しくされ、モータ室の内圧が過大になることが防止される。しかも上述したブリーザホースを省略することができ、ブリーザホースの支持固定および配置レイアウトが不要になる。なお空気室はモータ部に附設されるものであればよく、その形状および大きさは特に限定されない。例えば、モータ室を区画形成するモータ部のケーシングに、別な箱を一体形成しておき、当該箱の内部空間を空気室にするとよい。好ましくはモータ室に潤滑油を封入する。
本発明の一実施形態として空気室は、車両用モータ駆動装置の外部からモータ部に電力を供給する箱状の端子ボックスによって区画される端子箱室である。かかる実施形態によれば、端子ボックスを利用することから、空気室をわざわざ設ける必要がなくなる。
一実施形態として端子ボックスには通気孔が設けられる。これにより端子箱室は大気圧と略等しくされる。本発明の好ましい実施形態として、端子ボックスから車両用モータ駆動装置の外部へ延びる電力ケーブルをさらに備え、該電力ケーブルの芯線に沿って大気の流動を許容するとよい。かかる実施形態によれば、端子ボックスに通気孔を設ける場合と比較して、端子箱室に異物が侵入する虞を低減することができる。
本発明のさらに好ましい実施形態として、端子ボックスから延びる電力ケーブルと接続するインバータをさらに備え、インバータの筐体内部は大気と連通する。かかる実施形態によれば、砂、泥、水、埃等の異物が存在しないインバータ筐体の内部空間と、端子ボックスの空気室とが、電力ケーブルによって連通される。またインバータ筐体の内部空間は大気圧にされるのが常套である。これにより空気室を略大気圧に保持しつつ、空気室への異物の侵入を防止することができる。なおインバータの内部空間が大気圧にされる理由として、インバータの筐体にはインバータ内部からの発熱を放散させるための通気孔が多数設けられるからである。また、インバータは異物のない車室空間に配置されるため、インバータの内部空間を密閉する理由がそもそも存在しないからである。他の実施形態として、端子ボックスから延びる電力ケーブルは電気自動車の車室空間と接続してもよい。車室空間も大気圧にされるからである。
内圧調整部材は、モータ室の内圧を空気室に開放する構造であればよい。内圧調整部材は例えばラビリンス構造であり、潤滑油等の液体が通過し難く、空気等の気体が通過し易くされる。本発明の一実施形態として内圧調整部材は、微細孔を多数有するフィルタであって、大気の通過を許容しつつ水および潤滑油の通過を抑制する。かかる実施形態によれば潤滑油が、油雰囲気にされたモータ室から空気室に流出することを防止しつつ、モータ室の空気を空気室へ通過させることができる。微細孔を多数有するフィルタは例えば、ゴアテックス(登録商標)で有名なPTFE膜であってもよいし、他の多孔質膜であってもよい。
このように本発明によれば、電力で車輪を駆動する車両用モータ駆動装置において、ブリーザホースをわざわざ設ける必要がないため、ブリーザホースの配置レイアウトを考える必要がなく、また部品点数がなるべく増大しない。またブリーザホースの寿命を考慮する必要がないため、ブリーザ構造の耐久性能が向上する。
本発明の一実施形態になる車両用モータ駆動装置を示す背面図である。 同実施形態を図1のII−IIで断面とし、矢印方向から見た状態を示す縦断面図である。 同実施形態を図1のIII−IIIで断面とし、矢印方向から見た状態を示す断面図である。 同実施形態のブリーザ構造を模式的に示す全体図である。 従来のインホイールモータ駆動装置にブリーザ構造を設ける場合を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態になる車両用モータ駆動装置を示す背面図であり、電気自動車の車幅方向内側(インボード側)から見た状態を表す。図2は、同実施形態を図1のII−IIで断面とし、矢印方向から見た状態を示す縦断面図である。図3は同実施形態を図1のIII−IIIで断面とし、矢印方向から見た状態を示す断面図である。図4は同実施形態のブリーザ構造を模式的に示す全体図であり、一部を断面で表す。車両用モータ駆動装置であるインホイールモータ駆動装置11は、図1に示すように略円筒形状であり、図2に示すように、インホイールモータ駆動装置11の軸線O方向に直列かつ同軸に順次配置されたモータ部11A、減速部11B、および車輪ハブ軸受部11Cを備える。車輪ハブ軸受部11Cに隣接する減速部11Bは、車輪ハブ軸受部11Cよりも大径にされる。減速部11Bに隣接するモータ部11Aは、減速部11Bよりも大径にされる。
モータ部11Aの外郭をなすケーシング21aは、インホイールモータ駆動装置11の軸線方向からみて略円筒形状であり、インホイールモータ駆動装置11の軸線Oを中心とする非回転の固定部材である。減速部11Bの外郭をなすケーシング21bも同様である。これに対し車輪ハブ軸受部11Cは内輪側の回転部材(ハブ輪77)および外輪側の固定部材(外輪部材80)を有し、このうち回転部材(ハブ輪77)には図示しない車輪が取付固定されて、モータ部11Aの回転駆動力を車輪に伝えると共に車重を車輪に伝える。このとき車輪ハブ軸受部11Cおよび減速部11Bは、車輪の内空領域に位置するが、モータ部11Aは車輪の内空領域からインボード側にはみ出す。モータ部11Aのケーシング21aには外径側へ突出する端子ボックス22が形成される(図1参照)。
モータ部11Aは、図2に示すように、回転電機のロータ12、ステータ13、およびモータ軸14aをケーシング21a内のモータ室Lに収容している。そしてモータ部11Aは、力行運転により減速部11Bを通じて車輪ハブ軸受部11Cに回転を出力し、あるいは制動時などにおいて車輪ハブ軸受部11Cの回転を利用して電力回生を行う。略円筒形状のケーシング21aの軸方向端は、円板状のモータリヤカバー21rで塞がれる。ケーシング21aの内周面にはステータ13が周方向所定間隔に取付固定される。ステータ13よりも内径側にはロータ12が配置され、ロータ12は軸線Oに沿って延びるモータ軸14aに取付固定される。ステータ13のコイル17は、3本の動力線101と電気的に接続する。モータ部11Aは、ステータ13のコイル17に交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石又は磁性体によって構成されるロータ12が回転する。各動力線101は後述するインバータから延びており、絶縁材料で被覆される。モータ軸14aの一方の端部は転がり軸受16を介してモータリヤカバー21rに支持される。モータ軸14aの他方の端部は転がり軸受16を介して隔壁21eに支持される。
略円筒形状のケーシング21bは減速室Nを画成し、減速室Nに減速部11Bの減速機構を収容する。この減速機構はサイクロイド減速機構であり、入力軸14bと、2個1対の偏心部材71と、2個の転がり軸受72と、外周部が波形状の2枚の曲線板73と、複数の内ピン74と、複数の外ピン75と、出力軸76とを有する。減速部11Bの入力軸14bはモータ部11Aのモータ軸14aにスプライン嵌合により連結固定される。入力軸14bおよびモータ軸14aは、軸線Oに沿って延び、一体となって回転することから、モータ側回転部材とも称する。各偏心部材71は、互いに180°異なる位相で、軸線Oから偏心して入力軸14bにそれぞれ設けられる。2枚の曲線板73は中央孔を有し、この中央孔の内周面がそれぞれ転がり軸受72を介して各偏心部材71の外周面に回転自在に支持される。各外ピン75は、ケーシング21bに弾性支持された外ピンハウジング79に固定されて、曲線板73の波形に形成された外周部と係合し、軸線O回りに高速で公転する曲線板73を僅かに自転運動させる。各内ピン74は出力軸76に取付固定されて、曲線板73に周方向所定間隔に形成された複数の貫通孔73hに通され、曲線板73の自転運動のみを取り出し、出力軸76に伝達する。これにより入力軸14bの回転は、減速部11Bにより減速されて、出力軸76から出力される。サイクロイド減速機構である減速部11Bは、遊星歯車組または平行軸歯車組からなる減速機構よりも高減速比であり、インホイールモータ駆動装置11の小型化・軽量化に資する。
出力軸76には車輪ハブ軸受部11Cのハブ輪77が連結固定される。ハブ輪77は転がり軸受78を介して、外輪部材80に回転自在に支持される。またハブ輪77にはボルト81を介して図示しない車輪のロードホイールが取付固定される。転がり軸受78は、2列であって、例えばアンギュラ玉軸受である。
インホイールモータ駆動装置11は軸心給油方式の潤滑油回路を備え、モータ部11Aおよび減速部11Bを潤滑する。具体的には、ケーシング21bの下部に潤滑油タンク53が附設される。モータ部11Aを収容するモータ室Lと減速部11Bを収容する減速室Nとの境界になるケーシングの隔壁21eには、潤滑油ポンプ51が設けられている。潤滑油ポンプ51は、軸線Oと同軸に配置され、内ピン74に固定された内ピン補強部材74bによって駆動される。つまり、減速部11Bの出力回転により潤滑油ポンプ51は駆動される。隔壁21eの壁内部に形成された吸入油路52は、上下方向に延びて、その上端が潤滑油ポンプ51の吸入口と接続し、その下端が減速部11Bの下部に設けられた潤滑油タンク53と接続する。隔壁21eの壁厚内部およびケーシング21aの壁厚内部に形成された吐出油路(図略)は、潤滑油ポンプ51の吐出口からモータリヤカバー21rまで延びる。
図示しない吐出油路の両端のうちモータリヤカバー21r側の端部は、モータリヤカバー21rの壁厚内部に形成される連絡油路56(図2に内径側端のみ示す)の外径側端と接続する。連絡油路56は円板状の壁になるモータリヤカバー21rの内壁面と外壁面の間を径方向に延びる。連絡油路56の内径側端は、図2に示すようにモータ軸14aに設けられるモータ軸油路58aと接続する。
モータ軸油路58aは、モータ軸14aの内部に設けられて軸線Oに沿って延びる。そして、モータ軸油路58aの減速部11Bに近い側の一端が、入力軸14bに設けられて軸線Oに沿って延びる減速部入力軸油路58bと接続する。また、モータ軸油路58aの減速部11Bから遠い側の一端が、上述した連絡油路56と接続する。さらにモータ軸油路58aは、軸線方向中央部のロータフランジ部に形成されたロータ油路64の内径側端と接続する。
減速部入力軸油路58bは、入力軸14bの内部に設けられて、入力軸14bの両端間を軸線Oに沿って延びる。出力軸76と対向する減速部入力軸油路58bの一端には、潤滑油孔60が設けられる。潤滑油孔60は潤滑油を減速室Nに向けて噴射する。
減速部入力軸油路58bは、各偏心部材71内を径方向外側に向かって延びる潤滑油路59に分岐する。潤滑油路59の外径側端は、偏心部材71の外周面および曲線板73の内周面間に設けられた転がり軸受72と接続する。
減速室Nの底部には、減速部リターン孔61が設けられる。減速部リターン孔61はケーシング21bを貫通し、減速室Nと潤滑油タンク53を連通する。またモータ室Lの底部には、モータ部リターン孔66が設けられる。モータ部リターン孔66は隔壁21eを貫通し、モータ室Lと潤滑油タンク53を連通する。
潤滑油回路の作用につき説明すると、内ピン補強部材74bを介して出力軸76によって駆動される潤滑油ポンプ51は、図2に白抜き矢印で示すように、吸入油路52を介して潤滑油タンク53に貯留した潤滑油を吸入し、図示しない吐出油路に潤滑油を吐出する。潤滑油は、潤滑油ポンプ51によって加圧され、吐出油路(図略)と、連絡油路56と、モータ軸油路58aとを順次流れる。モータ軸油路58aを流れる潤滑油は、一部がロータ油路64に流入し、ロータ12の外周面からモータ室Lに噴射される。次に潤滑油は、モータ室Lの底部へ向かい、モータ部リターン孔66を経て潤滑油タンク53に還流する。このようにしてモータ部11Aは軸心給油方式によって潤滑される。またモータ室Lには噴射された潤滑油が充満して油雰囲気にされる。
モータ軸油路58aから減速部入力軸油路58bに流れる潤滑油は、分岐して潤滑油路59および潤滑油孔60を流れて減速室Nに噴射され、減速部11Bの偏心部材71、転がり軸受72、曲線板73、内ピン74、および外ピン75に付着する。次に潤滑油は、減速室Nの底部へ向かい、減速部リターン孔61を経て潤滑油タンク53に還流する。このようにして減速部11Bは軸心給油方式によって潤滑される。また減速室Nには噴射された潤滑油が充満して油雰囲気にされる。
モータ部11Aのケーシング21aの外周には、図1に示すように、端子ボックス22が形成される。端子ボックス22は、3本の動力線101を、インホイールモータ駆動装置11に引き込むために設けられる。端子ボックス22にはさらに1本の信号線102をインホイールモータ駆動装置11に引き込む。端子ボックス22はケーシング21aのモータリヤカバー21r寄りに配設され、図示しない車輪との干渉を回避する。そして図3に示すように端子ボックス22の筐体は、ケーシング21aから外径側に突出して形成される第1壁22aと、モータリヤカバー21rから外径側に突出して形成される第2壁22rをぴったりと合わせたものである。第2壁22rの材質は、モータリヤカバー21rと同様、アルミニウム等の軽合金製である。図1に示すように、端子ボックス22はインホイールモータ駆動装置11(具体的にはモータ部11A)の上側寄りに配置され、車両前方に向かって突出する。
端子ボックス22は、図1に示すように、車両の前後方向に延在する角筒状に形成される。そして端子ボックス22の突出端側には図2に示すようにインホイールモータ駆動装置11の外部に通じる開口23が設けられ、端子ボックス22の根元側には、端子ボックス22の内部空間とモータ室Lとを仕切る仕切壁41が設けられる。仕切壁41はケーシング21aと一体形成され、ケーシング21aと同様な半径の円筒部分である。仕切壁41の材質は、第1壁22aおよびケーシング21aと同様、アルミニウム等の軽合金製である。
仕切壁41の外周面は、図2に示すように第1壁22aの一部の内壁面と対面する。そして、これら仕切壁41と第1壁22aの間に通路24が画成される。軸線Oと平行に延びる通路24の一端はモータ室Lに通じ、通路24の他端は端子ボックス22の内部空間に通じる。通路24には、図3に示すように電気伝導体31、電気絶縁体42、および充填壁43が設けられる。
電気伝導体31は、後述する充填壁43を貫通する3本の棒体であって、電気を良く通す金属、例えば銅等、からなる。
図3に示すように電気絶縁体42は、隣り合う電気伝導体31同士の間に配置され、電気伝導体31の外周に取り付けられる。また電気絶縁体42は、各電気伝導体31に沿って延びており、電気絶縁体42の両端部は間隔を空けて電気伝導体31の両端部外周面と対面し、電気絶縁体42の中央部は電気伝導体31の中央部外周面と密着する。これにより電気絶縁体42は、隣り合う電気伝導体31同士が不用意に短絡することを防止する。電気絶縁体42は半割管状である。あるいは電気絶縁体42は電気伝導体31の全周を包囲する管状であってもよい。
充填壁43は、端子ボックス22の内部空間を開口23側とモータ室L側とに仕切り、通路24を遮断する。充填壁43によって仕切られる開口23側の空間は、空気で満たされ、モータ室Lから潤滑油が滲出しないことから、空気室Mという。これに対しモータ室Lおよび減速室Nは潤滑油で油雰囲気にされることから油区画ともいう。充填壁43は、非導電性の素材、例えばゴムやプラスチック等、耐油性を備えた樹脂等で成形される。充填壁43は電気的に絶縁体であり、図2に示すように通路24内周と電気伝導体31外周の隙間を封止するとともに、図3に示すように隣り合う電気絶縁体42同士の隙間を封止する。充填壁43は例えば、上述した隙間に注入された流動体の樹脂が硬化したものである。あるいは予め所定の形状に成形されたゴム製の弾性体である。かくして充填壁43は各電気伝導体31を支持する。
軸線Oと平行に延びる電気伝導体31の両端部には、雌ねじ孔がそれぞれ設けられる。そしてモータ室Lに配置された電気伝導体31の一端には、ボルト44によって端子46が取り付けられる。端子46はコイル17から延びる導線18の先端と接続する。3本の電気伝導体31に対応するよう、導線18は3本設けられる。
また空気室Mに配置された電気伝導体31の他端には、ボルト45によって端子47が取り付けられる。端子47はインホイールモータ駆動装置11の外部から空気室Mに引き込まれる動力線101の芯線103の先端と接続する。芯線103は端子ボックス22の開口23から空気室Mに引き込まれる。端子46,47の一端にはボルト44,45が貫通する孔が形成され、端子46,47の他端にはカシメにより導線18または芯線103が取り付け固定される。
各動力線101は芯線103を絶縁材料からなる外皮で被覆した電力ケーブルである。各動力線101の先端部分はスリーブ107に挿通固定される。各スリーブ107は共通する1枚のカバープレート105に支持される。カバープレート105は、開口23を閉塞する。
図2に示すように、端子ボックス22にはカバープレート49で閉塞される開口48が設けられる。カバープレート49は、第1壁22aおよび仕切壁41間に取り付けられ、ボルト45の頭部と向き合う。ボルト45を回転させる場合、カバープレート49を取り外し、開口48にねじ回しを挿入するとよい。
仕切壁41には連絡孔67が形成される。連絡孔67は、仕切壁41を貫通して延び、空気室Mとモータ室Lを連通する。連絡孔67には内圧調整部材68が取り付け固定される。内圧調整部材68は、モータ室Lから空気室Mへ、気体の通過の許容しつつ液体の通過を抑制するフィルタである。かかるフィルタとして、例えばPTFE膜等の多孔質膜が挙げられる。
これによりモータ室Lの内圧が上昇すると、モータ室Lの空気が連絡孔67から放出されることによってモータ室Lの内圧が開放され、モータ室Lの内圧は空気室Mの内圧と略同じにされる。なお空気室Mの内圧は略大気圧である。これに対しモータ室Lの潤滑油は、内圧調整部材68によって封止され、連絡孔67を通過して空気室Mへ流出することが防止される。
図4は、本実施形態のブリーザ構造を模式的に示す全体図であり、電気自動車を車幅方向からみた様子を表す。連絡孔67は空気室Mとモータ室L(または減速室N)を連通する。動力線101は、電気自動車の車室空間Rに設置されたインバータ113からインホイールモータ駆動装置11の端子ボックス22まで延び、車体111を貫通する。
動力線101の芯線103と外皮109の間には、動力線の長手方向に沿って延びる隙間Sが形成される。これにより動力線101は、芯線103に沿って空気の通過を許容する。そして動力線101の一端は端子ボックス22の空気室Mと連通し、動力線101の他端はインバータ113の内部空間Vと連通する。内部空間Vは大気圧である。したがって空気室Mは動力線101を介して略大気圧に保持される。
インバータ113の筐体114には通気孔115が設けられている。インバータ113は車体111の車室空間Rに設置されているため、内部空間Vは車室空間Rと同じく大気圧にされる。また車室空間Rには砂、泥、水、埃等の異物が無いため、内部空間Vから隙間Sを介して空気室Mに異物が侵入する虞はない。
これに対しインホイールモータ駆動装置11は、電気自動車のホイールハウジング112内に設置され、サスペンション装置116を介して電気自動車の車体111に取り付けられる。またインホイールモータ駆動装置11のハブ輪77は車輪117に取付固定されるとともに、インホイールモータ駆動装置11は車輪117の内部空間に設置される。本実施形態の電気自動車は、公道を走行する一般的な乗用自動車として、様々なコンディションの路面を走行するため、ホイールハウジング112内には砂、泥、水、埃等の異物が多数飛来する。このため空気室Mは密封される。
動力線101の一端の外周は、スリーブ107の内周と密着し、スリーブ107の全周はカバープレート105と密着し、カバープレート105の外縁は隙間なく端子ボックス22の第1壁22aおよび第2壁22rに取付固定されている。これにより空気室Mは密封され、異物がホイールハウジング112内から空気室Mに侵入する虞はない。動力線101の中央領域は、クランプ部材118によってサスペンション装置116に取り付けられる。発明の理解を助けるため図4では動力線101の両端部を中間領域よりも太く描いているが、実際の動力線101はすべて同じ太さであってもよいこと勿論である。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
11 インホイールモータ駆動装置、 12 ロータ、 13 ステータ、
14a モータ軸、 、14b 入力軸、 16 軸受、 17 コイル、
18 導線、 22 端子ボックス、 21a,21b ケーシング、
21r モータリヤカバー、 22 端子ボックス、 22a 第1壁、
22r 第2壁、 23 開口、 24 通路、 31 電気伝導体、
41 仕切壁、 42 電気絶縁体、 43 充填壁、
44,45 ボルト、 46,47 端子、 48 開口、
49 カバープレート、 51 潤滑油ポンプ、 52 吸入油路、
53 潤滑油タンク、 56 連絡油路、 58a モータ軸油路、
58b 減速部入力軸油路、 59 潤滑油路、 60 潤滑油孔、
61 減速部リターン孔、 64 ロータ油路、 66 モータ部リターン孔、
67 連絡孔、 68 内圧調整部材、 76 出力軸、 77 ハブ輪、
80 外輪部材、 101 動力線、 102 信号線、 103 芯線、
105 カバープレート、 107 スリーブ、 109 外皮、
111 車体、 113 インバータ、 114 筐体、 115 通気孔
L モータ室、 M 空気室、 N 減速室、 O 軸線、
R 車室空間、 S 隙間、 V 内部空間。

Claims (5)

  1. ロータと、ステータと、前記ロータおよび前記ステータを収容するモータ室を含むモータ部と、
    前記モータ室に隣接して設けられ大気圧と略等しくされる空気室と、
    前記モータ室および前記空気室を仕切る仕切壁を貫通して延びる連絡孔と、
    前記連絡孔に設けられて前記モータ室の内圧を前記空気室に開放する内圧調整部材とを備える、車両用モータ駆動装置のブリーザ構造。
  2. 前記空気室は、車両用モータ駆動装置の外部から前記モータ部に電力を供給する端子ボックスによって区画される端子箱室である、請求項1に記載の車両用モータ駆動装置のブリーザ構造。
  3. 前記端子ボックスから車両用モータ駆動装置の外部へ延びる電力ケーブルをさらに備え、
    前記電力ケーブルは、該電力ケーブルの芯線に沿って大気の流動を許容する、請求項2に記載の車両用モータ駆動装置のブリーザ構造。
  4. 前記端子ボックスから延びる前記電力ケーブルと接続するインバータをさらに備え、
    前記インバータの筐体内部は大気と連通する、請求項3に記載の車両用モータ駆動装置のブリーザ構造。
  5. 前記内圧調整部材は、微細孔を多数有するフィルタであって、大気の通過を許容しつつ水および潤滑油の通過を抑制する、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用モータ駆動装置のブリーザ構造。
JP2014142846A 2014-07-11 2014-07-11 車両用モータ駆動装置のブリーザ構造 Pending JP2016019436A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014142846A JP2016019436A (ja) 2014-07-11 2014-07-11 車両用モータ駆動装置のブリーザ構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014142846A JP2016019436A (ja) 2014-07-11 2014-07-11 車両用モータ駆動装置のブリーザ構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016019436A true JP2016019436A (ja) 2016-02-01

Family

ID=55234292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014142846A Pending JP2016019436A (ja) 2014-07-11 2014-07-11 車両用モータ駆動装置のブリーザ構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016019436A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021079664A1 (ja) * 2019-10-21 2021-04-29 日本電産株式会社 駆動装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021079664A1 (ja) * 2019-10-21 2021-04-29 日本電産株式会社 駆動装置
CN114600346A (zh) * 2019-10-21 2022-06-07 日本电产株式会社 驱动装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9302578B2 (en) In-wheel motor-driven device
JP6604711B2 (ja) インホイールモータ駆動装置のブリーザ構造、およびこのブリーザ構造を具備するインホイールモータ駆動装置
CN106575900B (zh) 车辆用电动机驱动装置的端子安装结构
JP7029287B2 (ja) インホイールモータ駆動装置
JP6336780B2 (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2016019436A (ja) 車両用モータ駆動装置のブリーザ構造
JP6541319B2 (ja) インホイールモータ駆動装置のブリーザ構造
JP6389374B2 (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2016052177A (ja) インホイールモータ駆動装置の電気ケーブル接続構造
JP6619839B2 (ja) インホイールモータ駆動装置
JP6420580B2 (ja) 車両用モータ駆動装置
US11180017B2 (en) Device for driving vehicle
CN107110159A (zh) 紧凑、高度一体化的、油润滑电动真空压缩机
WO2020021759A1 (ja) 電動機
CN208433835U (zh) 后轴承端盖、电机及轨道车辆
CN114982099A (zh) 马达单元及电动汽车
JP2016149866A (ja) 車両用回転電機
CN112714994A (zh) 旋转电机
JP2015194195A (ja) インホイールモータ駆動装置
KR101713705B1 (ko) 변속기 회생 제동장치
CN211166252U (zh) 车辆驱动装置
JP2018043682A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2023092615A (ja) 電動車両のアースブラシ配置構造
CN112534690A (zh) 马达
JP2013027229A (ja) 冷却パイプの固定構造