JP6541319B2 - インホイールモータ駆動装置のブリーザ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪を駆動するインホイールモータ駆動装置に関し、特にインホイールモータ駆動装置の内圧が過大になることを防止するブリーザ構造に関する。
車輪のロードホイール内空領域に配置されるインホイールモータとしては従来、例えば、特開2010−202003号公報(特許文献1)に記載のものが知られている。特許文献1に記載のインホイールモータは、モータ部等の発熱により上昇するインホイールモータ内部の圧力を開放するブリーザホース(ブリーザパイプ)を備える。従来のブリーザホースを図8に模式的に示す。ブリーザホース203は、インホイールモータ201のケーシング202を貫通する孔に接続され、ケーシング202の表面に沿って配置される。
特開2010−202003号公報
インホイールモータは路面に近い箇所に配置されることから、砂、小石、あるいは泥水等の異物が飛来する。上記従来のようなインホイールモータ201にあっては、ブリーザホース203の先端開口204が、インホイールモータ201の近傍に配置されているため、先端開口204が泥水で詰まったり、ブリーザホース203を経由してインホイールモータ201の内部に異物が侵入する虞がある。
そこで図9に示す参考例のように、ブリーザホース213をインホイールモータ201から引き出し、先端開口214を路面から隔離された位置に配置することが考えられる。具体的には例えば、車幅方向外側からみて、車体216に形成されたホイールハウジング218にインホイールモータ201を設置する。またサスペンション装置として車両前後方向に延びるトレーリングアーム215を採用し、トレーリングアーム215の前端を車体216に連結し、トレーリングアーム215の後端にはインホイールモータ201を結合し、インホイールモータ201を揺動可能とする。車体216は例えばハイブリッド車両であり、エンジンルーム217を備える。ブリーザホース213は、インホイールモータ201の動力ケーブル205とともに、トレーリングアーム215に沿って延び、車体216の内部に引き込まれる。そしてブリーザホース213の先端開口214はエンジンルーム217に配置される。エンジンルーム217には異物が飛来しないため、インホイールモータ201の内部に異物が侵入する虞はない。
しかしながら、図9に示す参考例の場合、ブリーザホース213が長く延びてしまい、ブリーザホース213を多数の箇所でトレーリングアーム215および車体216にクランプしなければならず取り付け工数が増大する。また小石等が飛来してブリーザホース213に衝突しないように、ブリーザホース213の配管レイアウトに留意しなければならない。そうするとブリーザホース213の配管箇所が限定されてしまい、配管レイアウトが困難になる。
本発明は、上述の実情に鑑み、ブリーザホースを異物や泥水から保護することができ、しかもブリーザホースの配管レイアウトに困らないブリーザ構造を提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるインホイールモータ駆動装置のブリーザ構造は、インホイールモータ駆動装置と、インホイールモータ駆動装置のケーシングの内部と連通しケーシングの表面から延出するブリーザホースと、インホイールモータ駆動装置を車体側メンバに取り付けるサスペンション部材と、サスペンション部材を覆うように当該サスペンション部材に取付固定されるカバーとを備え、ブリーザホースの先端開口を含むブリーザホース全体がカバーに収納されることを特徴とする。
かかる本発明によれば、異物の飛来から遮断されたカバーの内部にブリーザホースの先端開口が配置されることから、異物がブリーザホースに衝突したり、異物が先端開口に詰まったり、あるいは侵入することがない。なお車体側メンバとは、車体および車体に附設された部材をいう。インホイールモータ駆動装置は、モータ部、車輪ハブ、および減速機構を有するものであってもよいし、あるいは減速機構を持たないダイレクトドライブ方式であってもよい。また減速機構は、サイクロイド減速機構、あるいは遊星歯車機構、あるいは平行二軸方式であってもよい。サスペンション部材としては例えばトレーリングアームやストラット等が挙げられる。またサスペンション部材は、ロアアーム、アッパーアーム、トレーリングアームなどのアーム類の他にナックルなども含むものである。
カバーはブリーザホースを覆う板であればよく、その形状および配置は特に限定されない。本発明の一実施形態としてカバーは、車体側メンバからインホイールモータ駆動装置まで延びてインホイールモータ駆動装置に駆動電力を供給する動力線およびブリーザホースの両方を覆う。かかる実施形態によれば、動力線およびブリーザホースの両方をカバーで保護することができる。カバーの形状は特に限定されない。カバーは例えば半割管であってもよいし、あるいは動力線およびブリーザホースの全周を包囲する管ないし筒であってもよい。
本発明の好ましい実施形態として、ブリーザホースの先端部は上向きに延びる。かかる実施形態によれば潤滑油が、インホイールモータ駆動装置内部からブリーザホースを経由して外方へ流出する虞を低減することができる。なお、ここでいう上向きとは鉛直方向の上向きに限られず、斜め上方に指向することも含む。本発明の他の実施形態として、ブリーザホースの先端部が略水平に延びていてもよい。
本発明のさらに好ましい実施形態としてブリーザホースの先端開口には、微細孔を多数有し、大気の通過を許容しつつ水および潤滑油の通過を抑制するフィルタが設けられる。かかる実施形態によれば、先端開口に設けられたフィルタがブリーザホースから外方への大気の通過を許容することからインホイールモータ駆動装置の内圧を下げることができる。しかも万一、雨水や塵埃がカバー内部に侵入しても、フィルタによってブリーザホースへの更なる侵入を阻止することができる。本発明の他の実施形態として、ブリーザホースの先端開口に網状の単なるフィルタ、多孔質の通気性素材、あるいはラビリンス構造を設けてもよい。
このように本発明によれば、ブリーザホースを異物の飛来や泥水の侵入から保護することができる。しかもブリーザホースを車体まで長く延ばす必要がないことから、ブリーザホースを多数のクランプで取り付け固定しなくてもよいし、ブリーザホースの配置レイアウトを考慮しなくてもよい。
本発明の一実施形態になるブリーザ構造を備えるインホイールモータ駆動装置を示す正面図である。 同実施形態のインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。 図1中のカバーの一部を切断除去した状態を示す説明図である。 第1変形例のブリーザ構造を示す説明図である。 図1中のV−Vにおける断面を示す横断面図である。 フィルタを取り出して示す斜視図である。 第2変形例のブリーザ構造を示す正面図である。 従来のインホイールモータ駆動装置のブリーザ構造を示す説明図である。 参考例のインホイールモータ駆動装置のブリーザ構造を示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態になるブリーザ構造を備えるインホイールモータ駆動装置を示す正面図である。図2は、同実施形態のインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。図3は、図1中のカバーの一部を切断除去した状態を示す説明図であり、カバー内部を表す。図5は、同実施形態を図3にV−Vで示す箇所で切断し、矢の方向からみた状態を示す横断面図である。車両用モータ駆動装置であるインホイールモータ駆動装置11は、図1に示すように略円筒形状であり、図2に示すように、インホイールモータ駆動装置11の軸線O方向に直列かつ同軸に順次配置されたモータ部11A、減速部11B、および車輪ハブ軸受部11Cを備える。車輪ハブ軸受部11Cに隣接する減速部11Bは、車輪ハブ軸受部11Cよりも大径にされる。減速部11Bに隣接するモータ部11Aは、減速部11Bよりも大径にされる。
モータ部11Aの外郭をなすケーシング21aは、インホイールモータ駆動装置11の軸線方向からみて略円筒形状であり、インホイールモータ駆動装置11の軸線Oを中心とする非回転の固定部材である。減速部11Bの外郭をなすケーシング21bも同様である。これに対し車輪ハブ軸受部11Cは内輪側の回転部材(ハブ輪77)および外輪側の固定部材(外輪部材80)を有し、このうち回転部材(ハブ輪77)には図示しない車輪が取付固定されて、モータ部11Aの回転駆動力を車輪に伝えると共に車重を車輪に伝える。このとき車輪ハブ軸受部11Cおよび減速部11Bは、車輪の内空領域に位置するが、モータ部11Aは車輪の内空領域からインボード側にはみ出す。モータ部11Aのケーシング21aには外径側へ突出する端子ボックス22が形成される(図3)。
モータ部11Aは、図2に示すように、回転電機のロータ12、ステータ13、およびモータ軸14aをケーシング21a内のモータ室Lに収容している。そしてモータ部11Aは、力行運転により減速部11Bを通じて車輪ハブ軸受部11Cに回転を出力し、あるいは制動時などにおいて車輪ハブ軸受部11Cの回転を利用して電力回生を行う。略円筒形状のケーシング21aの軸方向端は、円板状のモータリヤカバー21rで塞がれる。ケーシング21aの内周面にはステータ13が周方向所定間隔に取付固定される。ステータ13よりも内径側にはロータ12が配置され、ロータ12は軸線Oに沿って延びるモータ軸14aに取付固定される。ステータ13のコイル17は、3本の動力線101と電気的に接続する。モータ部11Aは、ステータ13のコイル17に交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石又は磁性体によって構成されるロータ12が回転する。各動力線101は車体111(図1)から延びており、絶縁材料で被覆される。モータ軸14aの一方の端部は転がり軸受16を介してモータリヤカバー21rに支持される。モータ軸14aの他方の端部は転がり軸受16を介して隔壁21eに支持される。
略円筒形状のケーシング21bは減速室Nを画成し、減速室Nに減速部11Bの減速機構を収容する。この減速機構はサイクロイド減速機構であり、入力軸14bと、2個1対の偏心部材71と、2個の転がり軸受72と、外周部が波形状の2枚の曲線板73と、複数の内ピン74と、複数の外ピン75と、出力軸76とを有する。減速部11Bの入力軸14bはモータ部11Aのモータ軸14aに連結固定される。入力軸14bおよびモータ軸14aは、軸線Oに沿って延び、一体となって回転することから、モータ側回転部材とも称する。各偏心部材71は、互いに180°異なる位相で、軸線Oから偏心して入力軸14bにそれぞれ設けられる。2枚の曲線板73は中央孔を有し、この中央孔の内周面がそれぞれ転がり軸受72を介して各偏心部材71の外周面に回転自在に支持される。各外ピン75は、ケーシング21bに弾性支持された外ピンハウジング79に固定されて、曲線板73の波形に形成された外周部と係合し、軸線O回りに高速で公転する曲線板73を僅かに自転運動させる。各内ピン74は出力軸76に取付固定されて、曲線板73に周方向所定間隔に形成された複数の貫通孔73hに通され、曲線板73の自転運動のみを取り出し、出力軸76に伝達する。これにより入力軸14bの回転は、減速部11Bにより減速されて、出力軸76から出力される。サイクロイド減速機構である減速部11Bは、遊星歯車組または平行軸歯車組からなる減速機構よりも高減速比であり、インホイールモータ駆動装置11の小型化・軽量化に資する。
出力軸76には車輪ハブ軸受部11Cのハブ輪77が連結固定される。ハブ輪77は転がり軸受78を介して、外輪部材80に回転自在に支持される。またハブ輪77にはボルト81を介して車輪W(図1)のロードホイールが取付固定される。転がり軸受78は、2列であって、例えばアンギュラ玉軸受である。車輪Wは車体111の前方に配置される前輪であってもよいし、車体111の後方に配置される後輪であってもよい。
図2に示すように、インホイールモータ駆動装置11は軸心給油方式の潤滑油回路を備え、モータ部11Aおよび減速部11Bを潤滑および冷却する。具体的には、ケーシング21bの下部に潤滑油タンク53が附設される。モータ部11Aを収容するモータ室Lと減速部11Bを収容する減速室Nとの境界になるケーシングの隔壁21eには、潤滑油ポンプ51が設けられている。潤滑油ポンプ51は、軸線Oと同軸に配置され、内ピン74に固定された内ピン補強部材74bによって駆動される。つまり、減速部11Bの出力回転により潤滑油ポンプ51は駆動される。隔壁21eの壁内部に形成された吸入油路52は、上下方向に延びて、その上端が潤滑油ポンプ51の吸入口と接続し、その下端が減速部11Bの下部に設けられた潤滑油タンク53と接続する。隔壁21eの壁厚内部およびケーシング21aの壁厚内部に形成された吐出油路(図略)は、潤滑油ポンプ51の吐出口からモータリヤカバー21rまで延びる。
図示しない吐出油路の両端のうちモータリヤカバー21r側の端部は、モータリヤカバー21rの壁厚内部に形成される連絡油路56(図2に内径側端のみ示す)の外径側端と接続する。連絡油路56は円板状の壁になるモータリヤカバー21rの内壁面と外壁面の間を径方向に延びる。連絡油路56の内径側端は、図2に示すようにモータ軸14aに設けられるモータ軸油路58aと接続する。
モータ軸油路58aは、モータ軸14aの内部に設けられて軸線Oに沿って延びる。そして、モータ軸油路58aの減速部11Bに近い側の一端が、入力軸14bに設けられて軸線Oに沿って延びる減速部入力軸油路58bと接続する。また、モータ軸油路58aの減速部11Bから遠い側の一端が、上述した連絡油路56と接続する。さらにモータ軸油路58aは、軸線方向中央部のロータフランジ部に形成されたロータ油路64の内径側端と接続する。
減速部入力軸油路58bは、入力軸14bの内部に設けられて、入力軸14bの両端間を軸線Oに沿って延びる。出力軸76と対向する減速部入力軸油路58bの一端には、潤滑油孔60が設けられる。潤滑油孔60は潤滑油を減速室Nに向けて噴射する。
減速部入力軸油路58bは、各偏心部材71内を径方向外側に向かって延びる潤滑油路59に分岐する。潤滑油路59の外径側端は、偏心部材71の外周面および曲線板73の内周面間に設けられた転がり軸受72と接続する。
減速室Nの底部には、減速部リターン孔61が設けられる。減速部リターン孔61はケーシング21bを貫通し、減速室Nと潤滑油タンク53を連通する。またモータ室Lの底部には、モータ部リターン孔66が設けられる。モータ部リターン孔66は隔壁21eを貫通し、モータ室Lと潤滑油タンク53を連通する。
潤滑油回路の作用につき説明すると、内ピン補強部材74bを介して出力軸76によって駆動される潤滑油ポンプ51は、図2に白抜き矢印で示すように、吸入油路52を介して潤滑油タンク53に貯留した潤滑油を吸入し、図示しない吐出油路に潤滑油を吐出する。潤滑油は、潤滑油ポンプ51によって加圧され、吐出油路(図略)と、連絡油路56と、モータ軸油路58aとを順次流れる。モータ軸油路58aを流れる潤滑油は、一部がロータ油路64に流入し、ロータ12の外周面からモータ室Lに噴射される。次に潤滑油は、モータ室Lの底部へ向かい、モータ部リターン孔66を経て潤滑油タンク53に還流する。このようにしてモータ部11Aは軸心給油方式によって冷却および潤滑される。またモータ室Lには噴射された潤滑油が充満して油雰囲気にされる。
モータ軸油路58aから減速部入力軸油路58bに流れる潤滑油は、分岐して潤滑油路59および潤滑油孔60を流れて減速室Nに噴射され、減速部11Bの偏心部材71、転がり軸受72、曲線板73、内ピン74、および外ピン75に付着する。次に潤滑油は、減速室Nの底部へ向かい、減速部リターン孔61を経て潤滑油タンク53に還流する。このようにして減速部11Bは軸心給油方式によって潤滑される。また減速室Nには噴射された潤滑油が充満して油雰囲気にされる。
モータ部11Aのケーシング21aの外周には、端子ボックス22が形成される。端子ボックス22は、3本の動力線101をインホイールモータ駆動装置11に引き込むために設けられる。端子ボックス22はケーシング21aのモータリヤカバー21r寄りに配設され、図示しない車輪との干渉を回避する。端子ボックス22の筐体は、ケーシング21aから外径側に突出して形成される第1壁22aと、モータリヤカバー21rから外径側に突出して形成される第2壁22rを嵌合したものである。第2壁22rの材質は、モータリヤカバー21rと同様、アルミニウム等の軽合金製である。図3に示すように端子ボックス22は、円筒形状のケーシング21aから車両前方に向かって突出する。
端子ボックス22の突出端側には図2に示すようにインホイールモータ駆動装置11の外方に通じる開口23が設けられ、端子ボックス22の根元側には、端子ボックス22の内部空間とモータ室Lとを仕切る仕切壁41が設けられる。仕切壁41はケーシング21aと一体形成され、ケーシング21aと同様な半径の円筒部分である。仕切壁41の材質は、第1壁22aおよびケーシング21aと同様、アルミニウム等の軽合金製である。
仕切壁41の外周面は、第1壁22aの一部の内壁面と対面する。そして、これら仕切壁41と第1壁22aの間に通路24が画成される。軸線Oと平行に延びる通路24の一端はモータ室Lに通じ、通路24の他端は端子ボックス22の内部空間に通じる。通路24には、電気伝導体31および充填壁43が設けられる。
電気伝導体31は、充填壁43を貫通する3本の棒体であって、電気を良く通す金属、例えば銅等、からなる。
充填壁43は、端子ボックス22の内部空間を開口23側とモータ室L側とに仕切り、通路24を遮断する。充填壁43によって仕切られる開口23側の空間は、空気で満たされ、モータ室Lから潤滑油が滲出しないことから、空気室Mという。これに対しモータ室Lおよび減速室Nは潤滑油で油雰囲気にされることから油区画ともいう。充填壁43は、非導電性の素材、例えばゴムやプラスチック等、耐油性を備えた樹脂等で成形される。充填壁43は電気的に絶縁体であり、図2に示すように通路24内周と電気伝導体31外周の隙間を封止するとともに、隣り合う電気伝導体31同士の隙間を封止する。充填壁43は例えば、上述した隙間に注入された流動体の樹脂が硬化したものである。あるいは予め所定の形状に成形されたゴム製の弾性体である。かくして充填壁43は各電気伝導体31を支持する。
軸線Oと平行に延びる電気伝導体31の両端部には、雌ねじ孔がそれぞれ設けられる。そしてモータ室Lに配置された電気伝導体31の一端には、ボルト44によって端子46が取り付けられる。端子46はコイル17から延びる導線18の先端と接続する。3本の電気伝導体31に対応するよう、導線18は3本設けられる。
また空気室Mに配置された電気伝導体31の他端には、ボルト45によって端子47が取り付けられる。端子47はインホイールモータ駆動装置11の外部から空気室Mに引き込まれる動力線101の芯線103の先端と接続する。芯線103は端子ボックス22の開口23から空気室Mに引き込まれる。端子46,47の一端にはボルト44,45が貫通する孔が形成され、端子46,47の他端にはカシメにより導線18または芯線103が取り付け固定される。
各動力線101は芯線103を絶縁材料からなる外皮で被覆した電力ケーブルである。各動力線101の先端部分はスリーブ107に挿通固定される。各スリーブ107は共通する1枚のカバープレート105に支持される。カバープレート105は、開口23を閉塞する。
図2に示すように、端子ボックス22にはカバープレート49で閉塞される開口48が設けられる。カバープレート49は、第1壁22aおよび仕切壁41間に取り付けられ、ボルト45の頭部と向き合う。ボルト45を回転させる場合、カバープレート49を取り外し、開口48にねじ回しを挿入するとよい。
ケーシング21aには連絡孔67が形成される。連絡孔67は、ケーシング21aを貫通して延び、ケーシング21a内側のモータ室Lと接続する。連絡孔67はケーシング21a外側表面でブリーザホース68と接続する。ブリーザホース68は図3に示すようにケーシング21aから突出して延び、先端開口68tで外方と接続する。これによりモータ室Lの内圧は大気圧と略同じにされる。
車体111の車幅方向両側に形成されたホイールハウジング112には、図1に示すようにインホイールモータ駆動装置11とともに車輪Wが収納される。サスペンション装置のトレーリングアーム121は、車両前後方向に延びるサスペンション部材であって、その後端がインホイールモータ駆動装置11のケーシング21b(図2)と結合し、その前端がホイールハウジング112よりも前方に延び、軸122を介して車体111と連結する。トレーリングアーム121は前端の軸122を基端とし、後端を遊端として上下方向に揺動可能である。トレーリングアーム121の車幅方向外側面は、カバー131に覆われ、動力線101を保護している。
トレーリングアーム121からカバー131の大部分を切除し、カバー131の内部を図3に示す。端子ボックス22は、後端部が前端部よりも上下に幅広く形成されるトレーリングアーム121に、車幅方向に重なって位置する。カバー131は車幅方向外側から端子ボックス22を覆う。互いに平行に配置される複数本の動力線101は、端子ボックス22から車両前方かつ下方へ延び、次にトレーリングアーム121の車幅方向外側面に沿って延び、トレーリングアーム121の前端からさらに車両前方へ延びる。なお3本の動力線101は、トレーリングアーム121の車幅方向外側面にクランプ123で取付固定される。
クランプ123は、図5に横断面で示されるように、トレーリングアーム121の車幅方向外側面に設けられる硬質のブラケット124および各動力線101を把持する軟質のブロック125を含む。ブラケット124は帯状鋼板を略コの字状に折り曲げ形成されたものであり、その両端がボルトあるいは差し込み係合によってトレーリングアーム121に取付固定される。ブロック125はスポンジやゴム等、弾性変形可能な材料からなり、各動力線101が通される貫通孔を予め有する。ブロック125の表面はブラケット124に嵌合し、トレーリングアーム121から脱落しないよう固定される。
カバー131は、基本的にはトレーリングアーム121に沿って車両前後方向に延びるが、後端領域で上方に拡張し、端子ボックス22を車幅方向外方から覆う。このためカバー131は半割管のごとき形状にされ、トレーリングアーム121の車幅方向外側面を覆う。本実施形態では図5に横断面で示されるように、カバー131の前端領域が略C字断面とされ、前端領域の上縁および下縁が、トレーリングアーム121の前端領域の上側表面および下側表面にそれぞれ取付固定される。またカバー131の後端領域が前端領域よりも大きな略C字断面とされ、後端領域の上縁がトレーリングアーム121の後端部の上側部分に取り付けられ、後端領域の下縁がトレーリングアーム121の後端部の下側部分に取り付けられ、後端領域の後縁がケーシング21aの外周面に取り付けられる。
さらにカバー131の後端領域は、ブリーザホース68全体を収納する。ケーシング21aから前方へ突出して延びるブリーザホース68は、カバー131内部で向きを変えて上方へ延びる。ブリーザホース68の先端開口68tもカバー131に覆われる。なおブリーザホース68は、図3に示すようにクランプ126によって、トレーリングアーム121に取付固定されるとよい。
カバー131は雨水、泥水、砂、小石といった異物を遮断するものであって、通常の使用状態においてカバー内部には異物が到達しない。したがって動力線101およびブリーザホース68には異物が飛来しない。
図3に示す実施形態では、先端開口68tが単なる上向きのホース開口であるが、図示しない変形例として、ブリーザホース68をトレーリングアーム121に沿って略水平方向に延出してもよい。この変形例では先端開口68tが、カバー131の中央部よりも後端側に配置され、横向きにされる。
あるいは第1変形例として図4に示すように、先端開口68tにフィルタ83を取り付けてもよい。図6はフィルタ83を取り出して示す斜視図である。フィルタ83は、先端開口68tに差し込まれる円筒形状の小径端部84と、小径端部84に同軸に接続する大径の中央円筒部85と、中央円筒部85の他方側端に設けられた多孔質膜86とを有する。多孔質膜86は、モータ室Lから外方へ気体の通過の許容しつつ液体の通過を抑制するフィルタである。かかる多孔質膜86として、例えばPTFE膜が挙げられる。
ここで附言すると、カバー131は図1に示すようにトレーリングアーム121の略全長に亘って延びるところ、このカバー131は一体物であってもよいし、断片化された複数のセグメントからなってもよい。図7は第2変形例のブリーザ構造を、車幅方向外側からみた状態を示す正面図である。第2変形例のカバー131は、前方部材132と後方部材133に2分割されている。前方部材132は半割管のごとき形状にされ、トレーリングアーム121の車幅方向外側面および複数本の動力線101を覆う。後方部材133は逆U字状の断面形状を有し、トレーリングアーム121の上面、端子ボックス22、複数本の動力線101、およびブリーザホース68を覆う。前方部材132と後方部材133は隙間が生じないように互いに連結する。なお、前方部材132と後方部材133の境界には、図示はしなかったがシール材を介在させてもよい。
これまで説明してきた実施形態のブリーザ構造は、インホイールモータ駆動装置11と、車体111からインホイールモータ駆動装置11まで延びてインホイールモータ駆動装置11に駆動電力を供給する動力線101と、インホイールモータ駆動装置11のケーシング21aの内部と連通してケーシング21aの表面から延出するブリーザホース68と、動力線101およびブリーザホース68を覆うカバー131とを備える。そしてブリーザホース68の先端開口68tはカバー131の内部に配置されることから、ブリーザホース68はカバー131によって異物の飛来から保護されるとともに、先端開口68tに異物が侵入することを保護することができる。さらにブリーザホース68をカバー131から引き出して長く延ばす必要がないことから、ブリーザホース68の配置レイアウトを考慮したり、ブリーザホース68を多数の箇所で取付固定せずにすむ。またブリーザホース68の配管作業が煩雑にならない。
また本実施形態によれば、動力線101およびカバー131は、インホイールモータ駆動装置11を車体111に取り付けるサスペンション部材としてのトレーリングアーム121に設けられることから、動力線101およびカバー131を確りと固定することができる。
また本実施形態によれば、ブリーザホース68の先端部が上向きに延びることから、潤滑油がインホイールモータ駆動装置11内部からブリーザホース68を経由して外方へ流出する虞を低減することができる。一方、カバー131は動力線101およびブリーザホース68を覆う例を示したが、カバー131はブリーザホース68だけを覆うものとし、別のカバーで動力線101を覆って保護してもよい。
また本実施形態によれば、ブリーザホース68の先端開口68tには、微細孔を多数有し、大気の通過を許容しつつ水および潤滑油の通過を抑制するフィルタ83が設けられる。これによりインホイールモータ駆動装置11の内圧を下げることができる。しかも万一、雨水や塵埃がカバー131内部に侵入しても、フィルタ83によってブリーザホース68への更なる侵入を阻止することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になるインホイールモータ駆動装置は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
11 インホイールモータ駆動装置、 14a モータ軸、
14b 入力軸、 17 コイル、 18 導線、
21r モータリヤカバー、 21a,21b ケーシング、
21e 隔壁、 22 端子ボックス、 68 ブリーザホース、
68t 先端開口、 83 フィルタ、 86 多孔質膜、
101 動力線、 103 芯線、 111 車体、
112 ホイールハウジング、 121 トレーリングアーム、
131 カバー、 132 前方部材、 133 後方部材、
L モータ室、 M 空気室、 N 減速室、 O 軸線、
W 車輪。

Claims (4)

  1. インホイールモータ駆動装置と、
    前記インホイールモータ駆動装置のケーシングの内部と連通し、前記ケーシングの表面から延出するブリーザホースと、
    前記インホイールモータ駆動装置を車体側メンバに取り付けるサスペンション部材と、
    前記サスペンション部材を覆うように当該サスペンション部材に取付固定されるカバーとを備えるブリーザ構造において
    前記ブリーザホースの先端開口を含む前記ブリーザホース全体が前記カバーに収納されることを特徴とする、インホイールモータ駆動装置のブリーザ構造。
  2. 前記カバーは、車体側メンバから前記インホイールモータ駆動装置まで延びて前記インホイールモータ駆動装置に駆動電力を供給する動力線をさらに覆う、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置のブリーザ構造。
  3. 前記ブリーザホースの先端部は上向きに延びる、請求項1または2に記載のインホイールモータ駆動装置のブリーザ構造。
  4. 前記ブリーザホースの前記先端開口には、微細孔を多数有し、大気の通過を許容しつつ水および潤滑油の通過を抑制するフィルタが設けられる、請求項1〜3のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置のブリーザ構造。
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