JPH099546A - 回転機固定子のリード線固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】品質が安定化し信頼性の向上に好適な回転機固
定子のリード線固定装置。 【構成】固定子コア２から突出したスロット絶縁物６の
カフス部６’に係合するＣ字状のリード線固定部材８を
設け、コイルエンド４’の外形に沿って左右方向から付
設したリード線１２が出合った位置でリード線１２全体
を結束する回転機固定子のリード線固定装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電動回転機に係り、特
に小形回転機の固定子コイルのマグネットワイヤに接続
されるリ−ド線を固定するに好適なリ−ド線固定装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】出力が０．７５ｋＷ以下の電動小形回転
機においては、固定子コイルの端末部と外部の電源とを
接続するリ−ド線は、固定子との相対的な位置関係で決
まるため、接続部において断線を生じないようにリ−ド
線を固定子コイルのコイルエンド部に結束糸を使用して
固定している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記構成の従来技術
は、固定子コイルのコイルエンドを構成するエナメル線
に対して荷重が付加され易いために、マグネットワイヤ
の薄いエナメル絶縁被膜を損傷し、コイルのレヤーショ
ートを招くおそれがあるほか、リード線をコイルエンド
に結束する作業の自動化が困難で、品質的にも不安定で
あり問題であった。本発明は、上記の問題点に鑑みてな
されたもので、品質の安定化と信頼性の向上を図るに好
適な回転機固定子のリード線固定装置を提供することを
目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、固定子コイルのマグネットワイヤと接
続するリ−ド線を固定子に固定するリ−ド線固定装置に
おいて、前記固定子コアの端面から突出した固定子のコ
イルエンドの外形に沿ってＣ字状円弧に形成した電気絶
縁性のリード線固定部材を有し、前記リード線固定部材
は、前記Ｃ字状の外形に沿って形成した複数の広幅溝と
複数の狭幅溝を交互に連ねたＵ断面の収納溝と、前記広
幅溝内に隔壁を備え、前記マグネットワイヤと接続した
リード線端子部は前記狭幅溝に係止し、前記複数のリー
ド線は前記広幅溝内に前記隔壁を介して分離挿入したの
ち、前記リード線を１個所に結束することを特徴とする
回転機固定子のリ−ド線固定装置である。

【０００５】

【作用】上記の構成により、リード線をコイルエンドに
糸を用いて結束すると同等の固定効果を有し、マグネッ
トワイヤに対する局部的な応力の発生を防止することに
より、エナメル被覆膜の損傷によるコイルのレヤーショ
ートを防止することができ、またリード線固定部材は、
定形で定位置に設けたため、接続や装着の自動化も容易
である。

【０００６】

【実施例】以下、図面に基づいて実施例を説明する。図
１は本発明の固定子のリード線固定装置を装着した固定
子の正面図、図２は同側面の一部断面を示す図である。
図１において、１は固定子、２は固定子コア、５は固定
子コア２の内径に沿って複数個設けられたスロット、４
は、スロット５に巻装した主コイル４ａと補助コイル４
ｂとからなる固定子コイルであって、固定子コア２の両
端面から突出してコイルエンド４’が形成されている。
スロット５には固定子コイル４を巻装するに先立ってス
ロット絶縁物６が挿入されており、これにより、固定子
コイル４のマグネットワイヤ７と固定子コア２の間を電
気的に絶縁している。

【０００７】８はリ−ド線固定部材であって、スロット
絶縁物６の固定子コア２から突出した部分はカフス部
６’を形成しており、リード線固定部材８は、カフス部
６’の円形外縁に沿ってＣ字状の絶縁材料、例えば、Ｐ
ＢＴ樹脂などを用いて形成されている。図３はリ−ド線
固定部材８の正面図、図４は同じく一部断面で示す側面
図である。図３に示すように、リード線固定部材８の両
開端は、カフス部６’と係合する係止部１０を有し、Ｃ
字状の外形に沿ってＵ断面を有する収納溝９が形成され
収納溝９は、複数のリ−ド線１２の接続部が収納可能の
ように、隔壁１１によって複数個所に仕切られている。
さらに、収納溝９前記Ｕ断面は、複数の広幅溝９ａと、
複数の狭幅溝９ｂが設けられている。固定部材８の底面
は固定子コア２の端面と接触している。

【０００８】リード線１２は、架橋ポリエチレン、塩化
ビニルのような材料で心線を被覆絶縁したもので、心線
となる導体１３は図５に示すように、端子１４の一端を
なす結合部１５と電気的に結合される。図６は、端子１
４とリード線１２を結合接続した状態を示す図であっ
て、結合部１５は折り曲げて圧着されている。図示する
ように、端子１４の中間部に設けた鋸歯状の抜け止め部
１６の幅ｄは、広幅溝９ａの幅ｓより僅かに大きい寸法
に設定することが好ましく、これにより、マグネットワ
イヤ７と接続部１７を電気的に接続したのち、リード線
１２と共に収納溝９内に装着することにより、端子１４
とリード線１２は長手方向には移動せず、また、接続部
１７はリード線１２の長手方向と直角方向に移動しない
ように収納溝９内に固定される。このようにして、リー
ド線１２は、コイルエンド４’の外形円周に沿って左右
両方向から巻装し、左右のリード線１２が出合った位置
でリード線１２の全体を纏めて結束部材１８を用いて結
束する。

【０００９】リード線１２は、結束部材１８による固定
により、電源側部分の引出し部１９において、引張、及
び圧縮の両荷重が付加されたとしても安定的に支持さ
れ、マグネットワイヤ７と端子１４の接続部１７は、外
部からの荷重（図１矢印Ｆ）に影響されることのない安
定的な構成とすることができる。図７は本実施例の電気
結線図であって、３は電源、２０はコンデンサでそれぞ
れ固定子コイル４を付勢している。

【００１０】

【発明の効果】本発明の実施により、リード線固定部材
とリード線に対してコイルエンドの外周上で均一に緊締
力を与え、リード線の引出し部に耐引張力、耐圧縮力を
保持するにあたり、局部的荷重が付加されないので、マ
グネットワイヤの損傷による固定子コイルのレヤーショ
ートの発生を防止することができ、リード線のリード線
固定部材への収納につき、定形、定位置化が可能であ
り、また、小形の回転機に対して固定子リード線を軸方
向からリード線固定部材内に挿入することによる製造工
程の自動化が可能であり、均一の品質の固定子を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のリード線固定装置を装着した一実施例
の固定子を示す正面図である。図である。

【図２】本発明の図１の固定子の側面で一部断面を示す
図である。

【図３】本発明のリ−ド線固定部材の一実施例の正面図
である。

【図４】本発明の図３のリ−ド線固定部材の一部断面で
示す側面図である。

【図５】本発明の端子金具の一実施例の展開図である。

【図６】本発明の図５の端子金具をリード線と接続した
状態を示す図である。

【図７】本発明の一実施例の電気結線図である。

【符号の説明】

１…固定子 ２…固定子コ
ア ３…電源 ４…固定子コイル ４’…コイルエ
ンド ４ａ…主コイル ４ｂ…補助コイル ５…スロット ６…スロット
絶縁物 ６’…カフス部 ７…マグネットワイヤ ８…リード線
固定部材 ９…収納溝 ９ａ…広幅溝 １０…係止部 ９ｂ…狭幅溝 １１…隔壁 １２…リード
線 １３…導線 １４…端子 １５…結合部 １６…抜け止
め部 １７…接続部 １８…結束部材 １９…引出し
部 ２０…コンデンサ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】固定子コイルのマグネットワイヤと接続す
   るリ−ド線を固定子に固定するリ−ド線固定装置におい
   て、 前記固定子コアの端面から突出した固定子のコイルエン
   ドの外形に沿ってＣ字状円弧に形成した電気絶縁性のリ
   ード線固定部材を有し、 前記リード線固定部材は、前記Ｃ字状の外形に沿って形
   成した複数の広幅溝と複数の狭幅溝を交互に連ねたＵ断
   面の収納溝と、前記広幅溝内に隔壁を備え、 前記マグネットワイヤと接続したリード線端子部は前記
   狭幅溝に係止し、前記複数のリード線は前記広幅溝内に
   前記隔壁を介して分離挿入したのち、前記リード線を１
   個所に結束することを特徴とする回転機固定子のリ−ド
   線固定装置。
2. 【請求項２】前記リード線端子部は、マグネットワイヤ
   を接続する接続部と、鋸歯状の抜け止め部と、リード線
   の導線を圧着固定する結合部からなり、前記抜け止め部
   の幅寸法を前記狭幅溝寸法より大きくしたことを特徴と
   する請求項１記載の回転機固定子のリ−ド線固定装置。