JP3866427B2 - アウタロータ型多極発電機用ステータ - Google Patents

アウタロータ型多極発電機用ステータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のコイルが、ステータコアの外周に設けられた多数の突極にボビンを介して巻装され、ステータコアの半径方向に沿って各コイルの内方側で前記ボビンにその軸方向両端間にわたって設けられる複数の嵌合孔に、導電性金属から成る複数の外部導線用接続端子がそれぞれ嵌入、固定され、各外部導線用接続端子の一端側に外部導線が接続されるとともに各外部導線用接続端子の他端側にコイルが接続されるアウタロータ型多極発電機用ステータに関し、特にコイルおよび外部導線間の接続構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかるアウタロータ型多極発電機用ステータは、特開平9−93849号公報等により既に知られており、コイルがハンダ付けにより接続端子に接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、コイルには外周を絶縁皮膜で被覆された所謂マグネットワイヤが用いられるのが一般的であり、上記従来のように、ハンダ付けによってコイルを接続端子に接続するようにしたものでは、ハンダ付けにあたってマグネットワイヤの絶縁皮膜を剥離する作業が必要であり、接続端子へのコイルの接続作業が煩雑となり、作業工数も多くなっている。
【0004】
マグネットワイヤの絶縁皮膜剥離作業を不要とするためには、接続端子にコイルをヒュージング接続することが考えられる。しかるに接続端子にコイルをヒュージング接続するにあたっては、その接続端子のコイル接続部分がボビンから比較的離れた位置に配置される必要があり、接続端子がステータから突出したままでは接続端子の配置スペースが大きくなり、ひいてはステータの大型化につながることになる。
【0005】
そこで、本出願人は、外部導線を接続すべくボビンの嵌合孔に嵌合される端子板部がステータの半径方向に延びる連結板部の一端に直角に連設されるとともに、コイルから延びる口出し線のヒュージング接続前には前記連結板部の他端に直角に連なるが前記口出し線のヒュージング接続後には前記連結板部上に重なるべく折曲げられるコイル接続部が前記連結板部の他端に連設されて成る接続端子を用いたステータを既に提案(特願平9−311837号)している。このものでは、マグネットワイヤから成るコイルであっても、絶縁皮膜を剥離する作業を不要としてコイルの接続端子への接続を容易として作業工数の低減を図ることができ、口出し線の接続後にコイル接続用端子部を連結板部に重なるように折曲げることにより接続端子の配置スペースを小さくすることができる。
【0006】
ところが、上記提案のもの(特願平9−311837号)では、ボビンの軸線を含む平面内で端子板部および連結板部が直角に連設されており、端子板部の幅が、ボビンすなわちステータの周方向に沿って比較的大きくなる。このため、ステータが比較的大径である場合には、複数の嵌合孔をボビンの周方向に沿って間隔をあけた位置に配置することが可能であるので、上記提案の接続端子を有効に用いることが可能であるが、ステータが比較的小径となった場合には、複数の嵌合孔を配置するスペースを確保することが困難である。
【0007】
このような問題を解決するには、図16で示すように、ボビン35′の半径方向に沿って長い矩形状の横断面形状を有するように各嵌合孔45′を形成し、連結板部50′の内端部一側に端子板部49′を直角に連設するようにして外部導線用接続端子42′を構成することが考えられる。ところが、そのような外部導線用接続端子42′では、図16(a)で示すように、端子板部49′を嵌合孔45′に嵌合するために該接続端子42′に押圧力を作用せしめると、図16(b)で示すように、端子板部49′の連結板部50′寄りの部分には、該端子板部49′が連設されている側とは反対側の連結板部50′の側端がボビン35′に近接する方向への曲げ力が作用することになり、その結果、図16(c)で示すように、端子板部49′が曲がったままで嵌合孔45′に嵌合されてしまう可能性があり、そのような状態では、端子板部49′の一端に外部導線を接続する際の接続作業が困難となる。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、比較的小径のステータにも無理なく適用することを可能として外部導線用接続端子へのコイルの接続作業を容易にして作業工数の低減を図り、しかも端子板部の曲りが生じることを防止したアウタロータ型多極発電機用ステータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数のコイルが、ステータコアの外周に設けられた多数の突極にボビンを介して巻装され、ステータコアの半径方向に沿って各コイルの内方側で前記ボビンにその軸方向両端間にわたって設けられる複数の嵌合孔に、導電性金属から成る複数の外部導線用接続端子がそれぞれ嵌入、固定され、各外部導線用接続端子の一端側に外部導線が接続されるとともに各外部導線用接続端子の他端側にコイルが接続されるアウタロータ型多極発電機用ステータにおいて、前記嵌合孔は、前記ボビンの半径方向に沿って長い矩形状の横断面形状を有して前記ボビンの周方向に間隔をあけた複数箇所に設けられ、各外部導線用接続端子は、外部導線に接続される一端側を嵌合孔から突出せしめて該嵌合孔に嵌入、固定される端子板部と、前記ボビンの半径方向に延びて平板状に形成されるとともに前記ボビンの半径方向に沿う内端部の一側に前記端子板部の他端が直角に連設される連結板部と、前記コイルの端部を先端部にヒュージング接続可能であるとともに前記ヒュージング接続前には前記連結板部の外端に直角に連なるが前記ヒュージング接続後には前記連結板部上に重なるべく折曲げられるコイル接続部とから成り、前記ボビンの各嵌合孔相互間に、前記ボビンの半径方向に沿って延びるとともに前記各連結板部の端子板部とは反対側の側面に近接、対向する複数のリブが突設されることを特徴とする。
【0010】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、各嵌合孔がボビンの半径方向に沿って長い矩形状の横断面形状を有するものであり、嵌合孔に嵌合される端子板部が、ボビンの半径方向に延びる連結板部の内端部の一側に直角に連設されるので、ステータが比較的小径のものであっても、複数の嵌合孔を配置するスペースを確保することが容易であり、また端子板部を嵌合孔に嵌合、固定するために外部導線用接続端子に押圧力を作用せしめたときに、ボビンに突設されたリブが各連結板部の端子板部とは反対側の側面に近接、対向していることにより、連結板部の端子板部とは反対側の側面がリブでガイドされることになって端子板部が曲ることを極力防止することができる。しかも連結板部に直角に連なった状態にあるコイル接続部にコイルからの口出し線をヒュージング接続することにより、マグネットワイヤから成るコイルであっても、絶縁皮膜を剥離する作業を不要としてコイルの接続端子への接続を容易に行なうことができ、したがって接続作業が容易となり、作業工数を低減することもできる。しかも口出し線の接続後にコイル接続部が連結板部に重なるように折曲げられるので、コイル接続部のステータからの突出を回避して接続端子の配置スペースを小さくすることができる。
【0011】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記端子板部の両側には、前記嵌合孔の内面に食込む突部が突設されており、前記各リブの高さは、前記突部が嵌合孔内に挿入され始めた時点で各連結板部よりも高くなるように設定されることを特徴とし、かかる構成によれば、嵌合孔の内面に突部が食込むことにより端子板部の嵌合孔への嵌合状態が確実に保持されることになり、しかも嵌合孔への端子板部の嵌合作業時に突部が嵌合孔の内面に食込むことによって押圧力に対する抵抗が生じた時点で、連結板部はリブよりも低い位置となっているので、リブによって連結板部をガイドして端子板部に曲りが生じることをより一層確実に防止することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明の構成に加えて、前記ステータコアには圧入孔が設けられ、前記複数のコイルのうちエキサイタコイルの一端は前記外部導線接続用端子に接続され、前記エキサイタコイルの他端がヒュージング接続されるアース用接続端子が、前記圧入孔に圧入されることを特徴とし、かかる構成によれば、エキサイタコイルの他端を接地するにあって、該エキサイタコイルの他端のアース用接続端子へのヒュージング接続を可能とし、エキサイタコイルがマグネットワイヤから成るものであっても、絶縁皮膜を剥離する作業を不要としてエキサイタコイルのアース用接続端子への接続を容易に行なうことができ、接続作業を容易として作業工数を低減することができる。
【0013】
さらに請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明の構成に加えて、前記アース用接続端子が、前記圧入孔に圧入されるピン部と、前記ボビンの半径方向に延びて平板状に形成されるとともに前記ボビンの半径方向に沿う内端の幅方向中央部に前記ピン部が直角に連設される平板部と、前記ピン部の両側で前記平板部の内端に連設されて前記ボビンの半径方向に沿う内方に延びる一対の押え板部と、前記エキサイタコイルの他端を先端部にヒュージング接続可能であるとともに前記ヒュージング接続前には前記平板部の外端に直角に連なるが前記ヒュージング接続後には前記平板部上に重なるべく折曲げられる接続部とから成ることを特徴とする。
【0014】
このような請求項4記載の発明の構成によれば、外部導線用接続端子と同様に、エキサイタコイルがマグネットワイヤから成るものであっても、絶縁皮膜を剥離する作業を不要としてエキサイタコイルのアース用接続端子への接続を容易に行なうことができ、エキサイタコイルの接続後に接続部が平板部に重なるように折曲げられるので、接続部のステータからの突出を回避してアース用接続端子の配置スペースを小さくすることができる。しかもピン部の両側に配置されている一対の押え板部を押さえることにより、ピン部が曲ることを防止しつつ該ピン部を圧入孔に安定的に圧入することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図15は本発明の一実施例を示すものであり、図1はアウタロータ型多極発電機の縦断面図であって図2の1−1線に沿う断面図、図2は図1の2−2線矢視方向から見たステータの正面図、図3は図1の3−3線矢視方向から見たステータの背面図、図4は図3から端子ホルダを外した状態を示す図、図5は図3の5−5線拡大断面図、図6はコイルの接続回路図、図7は図5の7ー7線断面図、図8は外部導線用接続端子の斜視図、図9は図2の要部拡大図、図10はステータコアに組付けられたアース用接続端子の折曲げ前の状態を示す縦断面図、図11は図10の11−11線断面図、図12は図11の12矢視図、図13は端子ホルダを図5の13矢視方向から見た図、図14は端子ホルダへの雌型端子の組付を説明するための図13の14−14線に沿う断面図、図15は外部導線用接続端子のステータへの組付過程を順次示す図である。
【0017】
先ず図1において、このアウタロータ型多極発電機のケーシング21には、該ケーシング21内に一部を突入させるスリーブ22が固定されており、図示しないエンジンのクランクシャフト23が軸受24およびオイルシール25をスリーブ22との間に介在させてスリーブ22内に同軸に配置される。クランクシャフト23の端部には碗状に形成されるロータヨーク26が同軸に締着されており、ロータヨーク26の内周にはマグネット28が固着され、ロータヨーク26には冷却用ファン29が固着される。
【0018】
スリーブ22の端部には、ステータ30が一対のボルト31…で固定されており、ロータヨーク26に設けられたマグネット28は、ステータ30との間にわずかなエアギャップを形成するようにしてステータ30を同軸に囲繞する。
【0019】
図2〜図5を併せて参照して、ステータ30は、相互に積層された複数枚のコア板から構成されるステータコア32を備えるものであり、該ステータコア32は、リング状に形成されるコア基部33の外周に、略T字状に形成される複数たとえば21個の突極34,34…が相互間に等間隔をあけて突設されて成る。
【0020】
ステータコア32の大部分は合成樹脂製のボビン35で被覆されており、該ボビン35は、各突極34,34…の先端部およびコア基部33の両端面の一部を露出するようにして、ステータコア32をその軸方向両端間にわたって被覆するように形成される。
【0021】
コア基部33の周方向に等間隔をあけた2箇所には挿通孔36,36が設けられ、それらの挿通孔36,36には、スリーブ22にステータ30を締着するためのボルト31…がそれぞれ挿通される。
【0022】
21個の前記突極34,34…のうち18個の突極34…には、ボビン35を介してメインコイル37,37…がそれぞれ巻装され、2つの突極34,34にはボビン35を介してDCコイル38,38がそれぞれ巻装され、残余の突極34にはボビン35を介してサブコイル39およびエキサイタコイル40が巻装される。しかもボビン35には、サブコイル39およびエキサイタコイル40を仕切る仕切り板部41が一体に形成される。
【0023】
図6において、直列に接続される6個のU相用メインコイル37…の一端、直列に接続される6個のV相用メインコイル37…の一端、直列に接続される6個のW相用メインコイル37…の一端、ならびに直列に接続されるDCコイル38の一端は外部導線用接続端子422 にそれぞれ接続され、U相用、V相用およびW相用の各メインコイル37…の他端は中性点として接続端子43に共通に接続される。また前記DCコイル38の他端、サブコイル39の両端およびエキサイタコイル40の一端は外部導線用接続端子421 にそれぞれ接続され、エキサイタコイル40の他端はアース用接続端子44に接続される。
【0024】
図7において、ボビン35には、ステータコア32のコア基部33をその両端間にわたって貫通する一対の貫通部35a,35bが、ステータ30の軸線を中心とする円弧状にして一体に形成される。
【0025】
一方の貫通部35aには、4つの外部導線用接続端子421 …に個別に対応する4つの嵌合孔451 …と、接続端子43に対応した1つの嵌合孔46と、前記4つの嵌合孔451 …を共通に臨ませる嵌合凹部471 と、前記嵌合孔46を臨ませる凹部54とが設けられる。
【0026】
各嵌合孔451 …は、ボビン35の半径方向に沿って長い矩形状の横断面形状を有するものであり、前記ボビン35の周方向に間隔をあけた複数箇所で該ボビン35のロータヨーク26への対向面に一端を開口するようにして貫通部35aに設けられる。また嵌合凹部471 は、各嵌合孔451 …の他端を共通に臨ませるようにしてボビン35のケーシング21への対向面に設けられるものであり、円弧状に形成されている。さらに前記嵌合孔46は、ボビン35の半径方向に沿って長い矩形状の横断面形状を有するものであり、ボビン35の中心からの距離を前記各嵌合孔451 …と同一とした位置でボビン35のロータヨーク26への対向面に一端を開口するようにして貫通部35aに設けられ、凹部54は、嵌合孔46の他端を臨ませるようにしてボビン35のケーシング21への対向面に設けられる。
【0027】
他方の貫通部35bには、4つの外部導線用接続端子422 …に個別に対応する4つの嵌合孔452 …と、それらの嵌合孔452 …を共通に臨ませる嵌合凹部472 とが設けられる。
【0028】
各嵌合孔452 …は、ボビン35の半径方向に沿って長い矩形状の横断面形状を有するものであり、前記ボビン35の周方向に間隔をあけた複数箇所で該ボビン35のロータヨーク26への対向面に一端を開口するようにして貫通部35bに設けられる。また嵌合凹部472 は、各嵌合孔452 …の他端を共通に臨ませるようにしてボビン35のケーシング21への対向面に設けられるものであり、円弧状に形成されている。
【0029】
また前記両貫通部35a,35b間で、ステータコア32のコア基部33には、該コア基部33の軸方向両端間にわたる横断面円形の圧入孔48が設けられる。
【0030】
図8および図9において、外部導線用接続端子421 は、嵌合孔451 に嵌入、固定される端子板部49と、ボビン35の半径方向に延びて平板状に形成されるとともにボビン35の半径方向に沿う内端部の一側に前記端子板部49が直角に連設される連結板部50と、該連結板部50の外端に連設されるコイル接続部51とを有して、導電性金属により形成される。
【0031】
端子板部49は、矩形の平板状に形成されており、連結板部50を図5で示すようにボビン35に当接させるまで嵌合孔451 に嵌入したときに、その一端が嵌合孔451 から嵌合凹部471 に突出する長さを有する。またコイル接続部51は、外部導線用接続端子421 のステータ30への組付前にあっては、端子板部49が延びる方向とは反対方向すなわち嵌合孔451 への端子板部49の嵌入時にはボビン35から離反する方向で連結板部50に直角に連なるものであるが、該連結板部50に重なるようにコイル接続部51を折曲げることが可能である。
【0032】
しかも端子板部49の両側には、嵌合孔451 の両側内面に食込んで端子板部49が嵌合孔451 から離脱することを阻止するための突部52,52が設けられる。
【0033】
コイル接続部51は、連結板部50の外端に基端が連なる平板状の支持部分51aと、平板を丸めるように加工して円筒状に形成されて前記支持部分51aの長手方向中間部に設けられる円筒部分51bと、平板を丸めるように加工して円筒状に形成されて前記支持部分51aの先端部に設けられる円筒部分51cとを一体に備えるものであり、先端側の円筒部分51cは、支持部分51aに近接するように潰すことを可能として円筒状に形成される。而して両円筒部分51b,51cには、各メインコイル37…およびDCコイル38から延びる口出し線531 …(図9参照)を挿通可能である。
【0034】
外部導線用接続端子421 のステータ30への組付け、ならびに外部導線用接続端子421 への口出し線531 の接続にあたっては、コイル接続部51の両円筒部分51b,51cに口出し線531 を挿通せしめた状態で、端子板部49を嵌合孔451 に力を加えて嵌合することによってボビン35に固定し、コイル接続部51の先端側の円筒部分51cに口出し線531 をヒュージングにより接続し、その後で、コイル接続部51を連結板部50上に重なるように折曲げればよい。
【0035】
外部導線用接続端子422 は、上記外部導線用接続端子421 と同一形状を有するものであり、外部導線用接続端子421 と同様の作業手順で、嵌合孔452 への嵌合、固定によりステータ30に組付られるとともに、DCコイル38、サブコイル39およびエキサイタコイル40から延びる口出し線532 …(図9参照)の該外部導線用接続端子422 へのヒュージング接続と、コイル接続部の折曲げとが順次なされる。
【0036】
また接続端子43は、前記外部導線用接続端子421 ,422 と同一の形状を有するものであり、前記外部導線用接続端子421 ,422 と同様の作業手順で、嵌合孔46への嵌合、固定によりステータ30に組付けられるとともに、U相、V相およびW相の各メインコイル37…の他端から延びる口出し線が、接続端子43に共通にヒュージング接続され、その後でコイル接続部の折曲げがなされる。
【0037】
図10〜図12において、アース用接続端子44は、圧入孔48に圧入されるピン部55と、ボビン35の半径方向に延びて平板状に形成されるとともにボビン35の半径方向に沿う内端の幅方向中央部に前記ピン部55が直角に連設される平板部56と、前記ピン部55の両側で平板部56の内端に連設されてボビン35の半径方向に沿う内方に延びる一対の押え板部57,57と、平板部56の外端に連なる接続部58とを有して、導電性金属により形成される。
【0038】
ボビン35のロータヨーク26に対向する側の端面には圧入孔48に対応した挿通孔60が設けられる。而してアース用接続端子44のピン部55は、横断面円形の圧入孔48への圧入を可能として横断面四角形の棒状に形成されるものであり、前記ボビン35の挿通孔60から圧入孔48に圧入される。しかも該ピン部55は、平板部56を図10および図11で示すようにボビン35に当接させるまで圧入孔48に圧入したときに、その一端が圧入孔48から突出しない程度のる長さを有する。またピン部55の両側には、圧入孔48の内面に食込んでピン部55が圧入孔48から離脱することを阻止するための突部59,59が設けられる。
【0039】
アース用接続端子44の接続部58は、平板部56の外端に基端が連なる平板状の支持部分58aと、平板を丸めるように加工して円筒状に形成されて前記支持部分58aの長手方向中間部に設けられる円筒部分58bと、平板を丸めるように加工して円筒状に形成されて前記支持部分58aの先端部に設けられる円筒部分58cとを一体に備えるものであり、先端側の円筒部分58cは、支持部分58aに近接するように潰すことを可能として円筒状に形成される。而して両円筒部分58b,58cには、エキサイタコイル40の他端から延びる口出し線61(図9参照)を挿通可能である。
【0040】
アース用接続端子44のステータ30への組付け、ならびにアース用接続端子44への口出し線61の接続にあたっては、接続部58の両円筒部分58b,58cに口出し線61を挿通せしめた状態で、両押え板部67,67を押さえるようにしてピン部55を圧入孔48に圧入することによりステータコア32に圧入、固定し、接続部58の先端側の円筒部分58cに口出し線61をヒュージングにより接続し、その後で、接続部58を平板部56上に重なるように折曲げればよい。
【0041】
ボビン35のロータヨーク26に対向する端面には、各嵌合孔451 …,452 …、46および圧入孔48相互間に介在するようにして、ボビン35の半径方向に沿って延びる複数のリブ62…が突設されており、これらのリブ62…は、外部導線用接続端子421 …,422 …および接続端子43のコイル接続部51…、ならびにアース用接続端子44の接続部58を折曲げる際に、それらの接続部51…,58をガイドする機能を果す。
【0042】
しかも各外部導線用接続端子421 …,422 …の連結板部50…において、端子板部49が連設される側とは反対側の側面50a…は、その側面50aの側方に配置されるリブ62に近接、対向するように形成されている。
【0043】
また各リブ62…の高さは、各外部導線用接続端子421 …,422 …における端子板部49の両側に突設されている突部52,52が、嵌合孔451 …,452 …内に挿入され始めた時点で各連結板部50…よりも高くなるように設定されている。
【0044】
再び図6において、U相用、V相用およびW相用のメインコイル37…の一端にそれぞれ接続される外部導線用接続端子422 …、ならびにDCコイル38の一端に接続される外部導線用接続端子422 には、外部導線632 …が個別に接続される。またDCコイル38の他端、サブコイル39の両端およびエキサイタコイル40の一端にそれぞれ接続される外部導線用接続端子421 …には、外部導線631 …が個別に接続される。
【0045】
4個の外部導線631 …および4個の外部導線632 …の端部には雌型端子64…がそれぞれ取付けられており、外部導線631 …の雌型端子64…は、合成樹脂製の端子ホルダ651 に共通に保持され、外部導線632 …の雌型端子64…は、合成樹脂製の端子ホルダ652 に共通に保持される。
【0046】
端子ホルダ651 ,652 は、ステータ30におけるボビン35のケーシング21側の端面に形成されている嵌合凹部471 ,472 にそれぞれ挿脱可能に嵌合されるものであり、それらの端子ホルダ651 ,652 に保持されている雌型端子64…に、雄型端子として機能すべく各嵌合凹部471 ,472 に突出している各外部導線用接続端子421 …,422 …の端子板部49…が嵌合することにより、外部導線用接続端子421 …に外部導線631 …がそれぞれ接続され、外部導線用接続端子422 …に外部導線632 …がそれぞれ接続されることになる。
【0047】
図13および図14において、端子ホルダ651 ,652 は、ボビン35の各嵌合凹部471 ,472 にそれぞれ嵌合可能とすべく略円弧状に形成されており、嵌合凹部471 ,472 にそれぞれ突出している外部導線用接続端子421 …,422 …の端子板部49…に個別に対応する端子保持孔66…が各端子ホルダ651 ,652 に設けられる。
【0048】
端子保持孔66は、端子ホルダ651 ,652 の内端面すなわち嵌合凹部471 ,472 の閉塞端側の端面に一端を開口する保持孔部66aと、該保持孔部66aの他端との間に前記嵌合凹部471 ,472 の閉塞端側に臨む斜面状の規制部66bを形成して保持孔部66aの他端に一端を連ならせる連絡孔部66cと、該連絡孔部66cの他端に連なる導出孔部66dとから成る。
【0049】
保持孔部66aは、雌型端子65を嵌合、保持可能な横断面形状を有するものであり、連絡孔部66cは、保持孔部66aよりも横断面積を小さくして端子ホルダ651 ,652 に形成され、さらに導出孔部66dは、外部導線631 ,632 を外部に引出すことが可能な内径を有するようにして端子ホルダ651 ,652 に形成される。
【0050】
このような端子ホルダ651 ,652 に、雌型端子65を保持するにあたっては、外部導線631 ,632 の端部に取り付けられている雌型端子65を、図14(a)で示すように、外部導線631 ,632 を導出孔部66dから外部に引出すようにして保持孔部66aに嵌合し、その状態で、外部導線631 ,632 に牽引力を作用せしめればよく、そうすれば、図14(b)で示すように、雌型端子64が規制部66bに当接するまで保持孔部66aに嵌合され、その状態で雌型端子64が端子ホルダ651 ,652 に保持されることになる。
【0051】
端子ホルダ651 から引出される4本の外部導線631 …、ならびに端子ホルダ652 から引出される4本の外部導線632 …は、図3で示すように、共通の合成樹脂製チューブ67に挿入されて束ねられ、ケーシング21(図1参照)から外部に引き出される。
【0052】
次にこの実施例の作用について説明すると、外部導線用接続端子421 …,422 …および接続端子43を嵌合せしめるべくボビン35に設けられる嵌合孔451 …,452 …,46は、ボビン35の半径方向に沿って長い矩形状の横断面形状を有し、ボビン35の周方向に間隔をあけた複数箇所に設けられている。しかも外部導線用接続端子421 …,422 …および接続端子43は、嵌合孔451 …,452 …,46に嵌入、固定される端子板部49…と、ボビンの半径方向に沿う内端部の一側に前記端子板部49…が直角に連設される連結板部50…と、該連結板部50…の外端に連設されるコイル接続部51…とから成るものである。したがって、ステータ30が比較的小径のものであっても、複数の各嵌合孔451 …,452 …,46を配置するスペースを確保することが容易であり、比較的小径のステータ30に有効に適用することができる。
【0053】
また連結板部50に直角に連なった状態にあるコイル接続部51に各コイル37,38,39,40からの口出し線531 …,532 …をヒュージング接続することにより、各コイル37〜40がマグネットワイヤから成るものであっても、絶縁皮膜を剥離する作業を不要として各コイル37〜40の接続端子421 …,422 …,43への接続を容易に行なうことができ、したがって接続作業が容易となり、作業工数を低減することができる。
【0054】
しかも口出し線531 …,532 …の接続後にコイル接続部51が連結板部50に重なるように折曲げられるので、コイル接続部51のステータ30からの突出を回避して各接続端子421 …,422 …,43の配置スペースを小さくすることができ、ステータ30の小型化に寄与することができる。
【0055】
また端子板部49を嵌合孔451 …,452 …,46に嵌合、固定するために、図15(a)で示すように嵌合孔451 …,452 …,46に端子板部49を差込んだ状態で、外部導線用接続端子421 …,422 …および接続端子43に押圧力を作用せしめたときに、端子板部49の連結板部50寄りの部分には、該端子板部49が連設されている側とは反対側の連結板部50の側端がボビン35に近接する方向への曲げ力が作用することになる。しかるに、連結板部50の端子板部49が連設されている側とは反対側の側面50aは、ボビン35に突設されたリブ62に近接、対向するものである。したがって上記曲げ力が作用しても、連結板部50の前記側面50aがリブ62に接触してガイドされることになり、図15(c)で示すように、端子板部49が曲がらないようにして該端子板部49を嵌合孔451 …,452 …,46に嵌合せしめることができる。
【0056】
ところで、嵌合孔451 …,452 …,46の内側面に食込むべく端子板部49の両側には突部52,52が突設されており、突部52,52が嵌合孔451 …,452 …,46の内面に食込むことによって押圧力に対する抵抗が生じて前記曲げ力が発生するのであるが、リブ62の高さは、突部52,52が嵌合孔451 …,452 …,46内に挿入され始めた時点で連結板部50よりも高くなるように設定されているので、前記押圧力に対する抵抗が生じて時点で、連結板部50はリブ62よりも低い位置となっているので、リブ62によって連結板部50を確実にガイドして端子板部49に曲りが生じることをより一層確実に防止することができ、端子板部49への外部導線631 …,632 …の接続作業が容易となる。
【0057】
また4個の外部導線631 …および4個の外部導線632 …の端部には端子板部49…を嵌合可能な雌型端子64…がそれぞれ取付けられており、外部導線631 …の雌型端子64…は、合成樹脂製の端子ホルダ651 に共通に保持され、外部導線632 …の雌型端子64…は、合成樹脂製の端子ホルダ652 に共通に保持されているので、端子ホルダ651 ,652 のボビン35への嵌合により、外部導線用接続端子421 …,422 …に外部導線631 …,632 …を容易にかつ確実に接続することができる。
【0058】
エキサイタコイル40の一端は外部導線接続用端子421 に接続され、該エキサイタコイル40の他端がヒュージング接続されるアース用接続端子44が、ステータコア32に設けられる圧入孔48に圧入される。したがってエキサイタコイル40がマグネットワイヤから成るものであっても、絶縁皮膜を剥離する作業を不要としてエキサイタコイル40のアース用接続端44子への接続を容易に行なうことができ、エキサイタコイル40の接地用の配線接続を、前記各外部導線用接続端子421 …,422 …および接続端子43への各コイル37〜40の接続と同様に行なうことができ、ステータ30の配線接続の大部分を機械的かつ自動的に行なうことが可能となる。
【0059】
しかもアース用接続端子44は、圧入孔48に圧入されるピン部55と、ボビン35の半径方向に沿う内端の幅方向中央部にピン部55が直角に連設される平板部56と、ピン部55の両側で平板部56の内端に連設されてボビン35の半径方向に沿う内方に延びる一対の押え板部57,57と、エキサイタコイル40をヒュージング接続可能であるとともにヒュージング接続前には平板部56の外端に直角に連なるが前記ヒュージング接続後には平板部56上に重なるべく折曲げられる接続部58とから成るものであるので、外部導線用接続端子421 …,422 …および接続端子43と同様に、接続部58のステータ30からの突出を回避してアース用接続端子44の配置スペースを小さくすることができる。しかもピン部55の両側に配置されている一対の押え板部57,57を押さえることにより、ピン部55が曲ることを防止しつつ該ピン部55を圧入孔48に安定的に圧入することができる。
【0060】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、コイルの外部導線用接続端子への接続を容易に行なうようにして、接続作業を容易とするとともに作業工数を低減し、接続端子の配置スペースを小さくすることもできる。またステータが比較的小径のものであっても複数の嵌合孔を配置するスペースを確保することが容易であり、小型のステータに有効に適用することができ、端子板部の嵌合孔への嵌合時に端子板部が曲ることを極力防止することができる。
【0062】
また請求項2記載の発明によれば、端子板部に曲りが生じることをより一層確実に防止することができる。
【0063】
請求項3記載の発明によれば、エキサイタコイルのアース用接続端子への接続を容易に行なうことができ、接続作業を容易として作業工数を低減することができる。
【0064】
さらに請求項4記載の発明によれば、エキサイタコイルのアース用接続端子への接続を容易に行なうようにして、接続作業を容易とするとともに作業工数を低減し、アース用接続端子の配置スペースを小さくすることもできる。またピン部が曲ることを防止しつつ該ピン部を圧入孔に安定的に圧入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アウタロータ型多極発電機の縦断面図であって図2の1−1線に沿う断面図である。
【図2】図1の2−2線矢視方向から見たステータの正面図である。
【図3】図1の3−3線矢視方向から見たステータの背面図である。
【図4】図3から端子ホルダを外した状態を示す図である。
【図5】図3の5−5線拡大断面図である。
【図6】コイルの接続回路図である。
【図7】図5の7ー7線断面図である。
【図8】外部導線用接続端子の斜視図である。
【図9】図2の要部拡大図である。
【図10】ステータコアに組付けられたアース用接続端子の折曲げ前の状態を示す縦断面図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】図11の12矢視図である。
【図13】端子ホルダを図5の13矢視方向から見た図である。
【図14】端子ホルダへの雌型端子の組付を説明するための図13の14−14線に沿う断面図である。
【図15】外部導線用接続端子のステータへの組付過程を順次示す図である。
【図16】リブがない状態での図15に対応した図である。
【符号の説明】
32・・・ステータコア
34・・・突極
35・・・ボビン
37,38,39・・・コイル
40・・・エキサイタコイル
421 ,422 ・・・外部導線用接続端子
451 ,452 ・・・嵌合孔
48・・・圧入孔
49・・・端子板部
50・・・連結板部
51・・・コイル接続部
52・・・突部
55・・・ピン部
56・・・平板部
57・・・押え板部
58・・・接続部58
62・・・リブ
631 ,632 ・・・外部導線

Claims (4)

  1. 複数のコイル(37,38,39,40)が、ステータコア(32)の外周に設けられた多数の突極(34)にボビン(35)を介して巻装され、ステータコア(32)の半径方向に沿って各コイル(37〜40)の内方側で前記ボビン(35)にその軸方向両端間にわたって設けられる複数の嵌合孔(451 ,452 )に、導電性金属から成る複数の外部導線用接続端子(421 ,422 )がそれぞれ嵌入、固定され、各外部導線用接続端子(421 ,422 )の一端側に外部導線(631 ,632 )が接続されるとともに各外部導線用接続端子(421 ,422 )の他端側にコイル(37〜40)が接続されるアウタロータ型多極発電機用ステータにおいて、前記嵌合孔(451 ,452 )は、前記ボビン(35)の半径方向に沿って長い矩形状の横断面形状を有して前記ボビン(35)の周方向に間隔をあけた複数箇所に設けられ、各外部導線用接続端子(421 ,422 )は、外部導線(631 ,632 )に接続される一端側を嵌合孔(451 ,452 )から突出せしめて該嵌合孔(451 ,452 )に嵌入、固定される端子板部(49)と、前記ボビン(35)の半径方向に延びて平板状に形成されるとともに前記ボビン(35)の半径方向に沿う内端部の一側に前記端子板部(49)の他端が直角に連設される連結板部(50)と、前記コイル(37〜40)の端部を先端部にヒュージング接続可能であるとともに前記ヒュージング接続前には前記連結板部(50)の外端に直角に連なるが前記ヒュージング接続後には前記連結板部(50)上に重なるべく折曲げられるコイル接続部(51)とから成り、前記ボビン(35)の各嵌合孔(451 ,452 )相互間に、前記ボビン(35)の半径方向に沿って延びるとともに前記各連結板部(50)の端子板部(49)とは反対側の側面に近接、対向する複数のリブ(62)が突設されることを特徴とするアウタロータ型多極発電機用ステータ。
  2. 前記端子板部(49)の両側には、前記嵌合孔(451 ,452 )の内面に食込む突部(52)が突設されており、前記各リブ(62)の高さは、前記突部(52)が嵌合孔(451 ,452 )内に挿入され始めた時点で各連結板部(50)よりも高くなるように設定されることを特徴とする請求項1記載のアウタロータ型多極発電機用ステータ。
  3. 前記ステータコア(32)には圧入孔(48)が設けられ、前記複数のコイル(37〜40)のうちエキサイタコイル(40)の一端は前記外部導線接続用端子(421 )に接続され、前記エキサイタコイル(40)の他端がヒュージング接続されるアース用接続端子(44)が、前記圧入孔(48)に圧入されることを特徴とする請求項1または2記載のアウタロータ型多極発電機用ステータ。
  4. 前記アース用接続端子(44)が、前記圧入孔(48)に圧入されるピン部(55)と、前記ボビン(35)の半径方向に延びて平板状に形成されるとともに前記ボビン(35)の半径方向に沿う内端の幅方向中央部に前記ピン部(55)が直角に連設される平板部(56)と、前記ピン部(55)の両側で前記平板部(56)の内端に連設されて前記ボビン(35)の半径方向に沿う内方に延びる一対の押え板部(57)と、前記エキサイタコイル(40)の他端を先端部にヒュージング接続可能であるとともに前記ヒュージング接続前には前記平板部(56)の外端に直角に連なるが前記ヒュージング接続後には前記平板部(56)上に重なるべく折曲げられる接続部(58)とから成ることを特徴とする請求項3記載のアウタロータ型多極発電機用ステータ。
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