JP2001292545A - 車両用回転電機の固定子 - Google Patents

車両用回転電機の固定子

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JP2001292545A
JP2001292545A JP2001027393A JP2001027393A JP2001292545A JP 2001292545 A JP2001292545 A JP 2001292545A JP 2001027393 A JP2001027393 A JP 2001027393A JP 2001027393 A JP2001027393 A JP 2001027393A JP 2001292545 A JP2001292545 A JP 2001292545A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高占積率と耐環境性を確保しつつ、工程を簡素
化可能な車両用回転電機の固定子を提供すること。 【解決手段】それぞれU字状の電気導体からなる小セグ
メントの直線部331a,332aと、大セグメントの
直線部331b’、332b’を鉄心の軸方向一端側か
ら異なるスロット35に挿通し、鉄心32の軸方向他端
側で接合してなる固定子巻線であって、スロット35内
にて、裸の直線部331a、331b’に隣接する直線
部332a、332b’は絶縁皮膜を有する。これによ
り、インシュレータ34はS字断面にすることなく、直
線部間の電気絶縁を確保しつつ、絶縁膜の節約により低
コスト化を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用車、トラック
等に搭載される車両用回転電機の固定子に関し、例えば
交流発電機の固定子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の車両のエンジン室内容積は、走行
抵抗の低減のためのスラントノーズ化や、乗車スペース
の確保に伴って狭小化される傾向にあり、車両用交流発
電機の周囲温度は高くなる傾向にある。また安全制御機
器などの各種電気負荷の増加により車両用交流発電機の
出力能力の向上が要求され、その結果、車両用交流発電
機自身の発熱量も増加している。更に、発電機の外部か
ら、タイヤからの跳ね上げやエンジンルーム内の洗浄な
どによる発電機の被水があり、特に寒冷地などでの融雪
塩を含んだ水は電解溶液であるため、発電機の腐食や電
気短絡も促進する。低コスト化の要請は言うまでもな
い。すなわち、温度低減と耐環境性を確保しつつ、車両
用交流発電機のコストダウンが求められている。
【0003】このような実情に鑑み、本出願人の出願に
なる特許公報2927288号は、車両用交流発電機の
固定子の巻線工程において、あらかじめヘアピン状に屈
曲した(以下、この屈曲した部分をターン部と称する)
電気導体よりなるセグメントを多数用い、各セグメント
を固定子鉄心のスロットへ挿入した後、セグメント同士
を接合して、巻線を構成する車両用交流発電機を開示し
ている。これにより、スロット内の巻線占積率を高める
ことにより巻線の抵抗値を下げて、温度低減及び出力向
上が実現される。また、スロット内のインシュレータの
径方向断面を略S字形状として、スロット内の各セグメ
ント間、およびセグメントとスロットとの間に介設し
て、セグメント表面の絶縁皮膜を廃止し、セグメントの
低コスト化を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の車両用交流
発電機によれば、絶縁皮膜の廃止により、セグメントの
コスト低減はできるが、断面を略S字形状に成形したイ
ンシュレータを介してセグメントをスロットに挿入せね
ばならないため、固定子鉄心へのセグメント組み付け工
程が煩雑となるという問題が生じることがわかった。ま
た、断面が略S字形状のインシュレータをスロット内に
挿入後、セグメントを挿入する場合、セグメント間に介
在するインシュレータの位置ずれを防止する必要gあ
り、スロット内の占積率を期待するほど向上することが
困難であった。
【0005】本発明は、上記したセグメント接合する形
式の車両用交流発電機における問題点に着目してなされ
たものであり、高占積率と耐環境性を確保しつつ、工程
を簡素化可能な車両用回転電機の固定子を提供すること
をその目的としている。
【0006】詳しくは、本発明は、絶縁皮膜をもつ皮膜
付きセグメントと、絶縁皮膜をもたない皮膜無しセグメ
ントとを組み合わせて、上述した特異な形状のインシュ
レータを必要とすることなく上記目的を達成するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、複数のスロットを持つ固定子鉄心と前記スロットに
インシュレーターを介して装備された多相の固定子巻線
とを有する車両用交流発電機の固定子において、前記固
定子巻線は、略U字状の電気導体よりなる複数のセグメ
ントを少なくとも直列に接合して構成されて、前記固定
子鉄心から互いに軸方向反対側へ突出する第1コイルエ
ンド群及び第2コイルエンド群を有し、前記第1コイル
エンド群は、一の前記セグメントのタ−ン部と、前記一
の前記セグメントのタ−ン部を囲む他の前記セグメント
のタ−ン部とを有し、前記第2コイルエンド群は、互い
に周方向所定ピッチ離れて前記スロットから突出する一
対の前記セグメントの端部同士を接合してなり、前記ス
ロットは、絶縁皮膜を有する皮膜付きセグメントと、絶
縁皮膜をもたない皮膜無しセグメントとを、複数の前記
皮膜無しセグメントが互いに隣接することなく径方向に
並べた配列にて収容することを特徴としている。
【0008】これにより、スロット内で隣り合うセグメ
ント同士は少なくとも一方のセグメントの絶縁皮膜によ
って絶縁されるので、インシュレータはS字断面にする
必要はなく、スロット内壁とセグメントの間を絶縁する
ように配置すればよいので、簡単なシート形状でよく、
よって、製造工数を増加させることなく、絶縁皮膜をな
くすセグメントぶんの低コスト化ができる。
【0009】請求項2の発明によれば、請求項1に記載
の車両用回転電機の固定子において、他の前記タ−ン部
を囲まない最小の前記タ−ン部を有する前記セグメント
は、前記皮膜付きセグメントにより構成される。
【0010】これにより、最小のターン部を持つセグメ
ント同士が同一スロット内で径方向に隣接配列される場
合、スロット内又はスロット外で互いに隣接するこれら
最小のターン部を持つセグメントの間の絶縁性を保つこ
とができる。
【0011】請求項3の発明によれば、請求項2に記載
の車両用回転電機の固定子において、前記セグメントの
タ−ン部は、一の前記スロット内での径方向外側からの
配列順次位置と、他の前記スロット内での径方向内側か
らの配列順次位置とが等しい一対のセグメント収容位置
に個別に収容される一対のスロット導体部と、前記一対
のスロット導体部の両一端に連なり、他の前記タ−ン部
を介することなく前記最小ターン部を囲む前記タ−ン部
をもつ前記セグメントは前記皮膜無しセグメントにより
構成され、以下、前記皮膜付きセグメントからなるセグ
メントのタ−ン部が前記皮膜無しセグメントからなる前
記セグメントのタ−ン部を囲み、更に前記皮膜無しセグ
メントからなるセグメントのタ−ン部が前記皮膜付きセ
グメントからなる前記セグメントのタ−ン部を囲む多重
囲み構造を有することを特徴としている。
【0012】これにより、スロット内においても、コイ
ルエンドにおいても、径方向に隣接するセグメントの一
方は絶縁皮膜を有しているので、被水等によるコイルエ
ンドでのセグメント間の短絡を防止でき、耐環境性を向
上できる。
【0013】請求項4の発明によれば、請求項1に記載
の車両用回転電機の固定子において、他の前記タ−ン部
を介することなく前記皮膜付きセグメントの小形の前記
タ−ン部を囲む大形のタ−ン部をもつ前記セグメントは
前記皮膜無しセグメントからなる。
【0014】これにより、スロット内においても、コイ
ルエンドにおいても、径方向に隣接する一対のセグメン
トの少なくとも一方は絶縁皮膜を有することになり、他
方を皮膜無しセグメントとすることができ、絶縁を確保
しつつ製造工程を簡素化し、コスト低減することができ
る。
【0015】請求項5の発明によれば、請求項1に記載
の車両用回転電機の固定子おいて、前記皮膜無しセグメ
ントと前記皮膜付きセグメントは、同一の前記スロット
内に径方向交互に配列される。
【0016】これにより、スロット内においても、コイ
ルエンドにおいても、径方向に隣り合うセグメントの一
方は絶縁皮膜を有しているので、スロット内およびコイ
ルエンドでの絶縁を確保しつつ製造工程を簡素化し、コ
スト低減することができる。
【0017】請求項6の発明によれば、請求項1から請
求項5のいずれかに記載の車両用回転電機の固定子にお
いて、前記導体セグメントは、前記固定子鉄心外にて周
方向かつ径方向へ斜めに延設される斜行部を有し、各前
記導体セグメントの互いに隣接する前記斜行部同士の間
に径方向へ所定の隙間が形成される。
【0018】これにより、接合部側のコイルエンドにお
いて、径方向に対向するセグメント間での短絡不具合を
防止する効果をさらに高めることができる。
【0019】請求項7の発明によれば、請求項1から請
求項6のいずれかに記載の車両用発電機の固定子におい
て、前記インシュレータはシート形状を有し、前記イン
シュレータの両端部は、前記スロットの内周側開口部以
外の前記スロットの内壁面に隣接して互いに重なって、
前記スロットの開口部を閉塞する。
【0020】これにより、スロットの内周側開口部から
の異物や水溶液の直接の侵入はインシュレータによって
防止されるので、耐環境性をさらに向上できる。
【0021】請求項8の発明によれば、請求項1記載の
車両用回転電機の固定子において、前記固定子巻線の互
いに位相が異なる巻線同士を接続する渡り線又は前記巻
線の出力を整流器へ導くリード線が、先端部を除いて皮
膜を有する皮膜付きの前記セグメントにより構成されて
いる。これにより、皮膜なしのセグメントと、皮膜付き
のセグメントが混在するコイルエンドにおいて多相回路
を形成するための渡り線や出力線の短絡を簡素な構成で
防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は車両用回転電機として、
発電機、あるいは電動機、さらには両者を選択的に使用
しうる回転電機にも利用できる。以下、この発明の車両
用回転電機を交流発電機に適用した実施例を図に基づい
て説明する。 〔第一実施形態〕図1から図4はこの発明の第一実施形
態を示したものであり、図1は本発明の車両用交流発電
機の全体構成を示す断面図、図2は固定子の径方向の部
分断面図、図3は固定子巻線を形成する導体セグメント
の斜視図、図4は接合部側のコイルエンドの斜視図を示
す。
【0023】車両用交流発電機1は、回転駆動力が伝達
されるプーリ20が固定されるシャフト21を有し、シ
ャフト21に回転子2が嵌着、固定されている。回転す
る回転子2の界磁巻線8にスリップリング9、10を介
して励磁電流を流すことによりポールコア71、72に
N極、S極が周方向交互に形成され、三相交流電圧が固
定子3の三相の固定子巻線31に発生する。固定子巻線
31の各相の出力線はここでは三相全波整流器からなる
制御機能部材5に接続され、制御機能部材5は入力され
る三相交流電圧を整流して直流出力を発生する。
【0024】ポールコア71、72に固定された冷却フ
ァン11、12により、冷却風はプーリ側と反プーリ側
に1対に設けたフレ−ム4の軸方向の開口部41から内
部へ取り込まれる。また、固定子2の第1コイルエンド
群31a及び第2コイルエンド群31bの径外側に位置
して冷却風の排出孔42がそれぞれ設けられ、固定子巻
線31の冷却を行う。この実施形態では、ポールコア7
1、72は、各8個の磁極を持ち、すなわち16極の回
転子2を形成している。
【0025】固定子3は、固定子鉄心32と、固定子鉄
心32の各スロット35内にそれぞれ複数配設された電
気導体(本発明で言うセグメントのスロット導体部)に
より構成される固定子巻線と、固定子鉄心32と前記セ
グメントとの間を電気絶縁するインシュレータ34とに
より構成されている。
【0026】固定子鉄心32は、図2に示すように多相
の固定子巻線31を収容する複数のスロット35を有す
る。本実施形態では、回転子3の磁極数16に対応する
2組の3相の固定子巻線が、96個のスロット35にス
ロット当たり4個ずつ収容された電気導体により形成さ
れている。インシュレータ34はスロット内の上記電気
導体とスロット35の内壁面との間に介設されて両者を
電気絶縁している。各スロット35は周方向等間隔に配
置されている。スロット35内には、略平角断面を持つ
外端層の電気導体331b′、外中層の電気導体332
b′、内中層の電気導体332a、内端層のの電気導体
331aが径方向へ一列に配列されている。
【0027】あるスロット35内の1本の電気導体は、
所定の磁極ピッチだけ離れた他のスロット35内の他の
1本の電気導体と対をなしている。例えば、あるスロッ
ト35内の内端層の電気導体331aは、時計方向1磁
極ピッチ離れた他のスロット35内の外端層の電気導体
331bと対をなしている。同様に、あるスロット35
内の内中層の電気導体332aは時計方向1磁極ピッチ
離れた他のスロット35内の外中層の電気導体332b
と対をなしている。
【0028】これら対をなすふたつの電気導体331
a、331b(又は332a、332b)の軸方向一端
部は、固定子鉄心32の軸方向一端側にてターン部33
1c(又は332c)により接続される。
【0029】すなわち図3に示すように、内端層の電気
導体331aと外端層の電気導体とターン部331cと
はU字状に形成された大セグメント(本発明でいうセグ
メント)331により提供される。また、内中層の電気
導体332aと外中層の電気導体332bとタ−ン部3
32cとはU字状に形成された小セグメント(本発明で
いうセグメント)332により提供される。大セグメン
ト331と小セグメント332とがペアとなって、セグ
メント対33を構成している。
【0030】ターン部331cを有する大セグメント3
31は、図3に示すように固定子鉄心32の一端側に
て、ターン部332cを有する小セグメント332を囲
んで、全体として第一コイルエンド群31aが形成され
ている。
【0031】また、あるスロット35内では、内中層の
電気導体332aは、時計方向1磁極ピッチ離れた他の
スロット35内の内端層の電気導体331a'と対をな
している。同様に、あるスロット35内の外端層の電気
導体331b'は、時計方向1磁極ピッチ離れた他のス
ロット35内の外中層の電気導体332bと対をなして
いる。これら各電気導体は、図4に示すように固定子鉄
心32の軸方向他端側に突出して第2コイルエンド群3
1bを構成する。外端層の電気導体の端部331e′と
外中層の電気導体の端部332eとは接合されて接合部
をなし、内端層の電気導体の端部331d′と内中層の
電気導体の端部332dとは接続されて接合部をなし、
これら両接合部は、所定間隔を隔てて径方向に配列され
ている。この接合は、溶接、超音波溶着、アーク溶接、
ろう付け等の手段によって行われる。
【0032】この実施形態で重要な点は、大セグメント
331は表面に絶縁皮膜を持たない本発明でいう皮膜無
しセグメントであり、小セグメント332は表面に絶縁
皮膜3320(図2参照)を有する皮膜付きセグメント
であることである。この状態を図2に示す。
【0033】以上説明したセグメント配置及び接合を三
相の巻線ごとに繰り返すことにより、全てのスロット3
5が電気導体によって埋まり、三相の固定子巻線31が
形成される。 〔第一実施形態の作用効果〕上記構成を採用したことに
より、スロット35内において、外端層と内端層の電気
導体には絶縁皮膜が無く、外中層と内中層の電気導体に
は絶縁皮膜があるので、スロット35内での互いに隣接
する電気導体間の電気短絡を防止することができ、イン
シュレータ34の形状もスロット35に沿った単純な形
状を採用することができる。
【0034】また、一つのスロット35から延びる小セ
グメント332のスロット内の電気導体からターン部3
32cに至る電気導体である斜行部は、周方向に隣接す
る他の小セグメント332の斜行部と交差する部位を有
し、この部位で両斜行部が近接するが、小セグメント3
32は絶縁皮膜を有するので、両者間の電気絶縁を確保
することができる。
【0035】また、第一コイルエンド群31aにおい
て、大セグメント331には、このような交差による近
接部は無いので、絶縁皮膜が無くても導体間の電気短絡
の可能性は非常に小さい。
【0036】更に、第二コイルエンド群31bにおいて
も同様に、絶縁皮膜のない大セグメント331どうしが
交差する部位はなく、交差する部位を持つ小セグメント
332は絶縁皮膜があるので電気短絡を防止できる。
【0037】以上により、大セグメント331の絶縁皮
膜を無くすことによって、すなわち大セグメント331
を裸の平角線とすることにより、その絶縁膜の使用量及
び被着工程を減らすことができ、更に単純な形状のイン
シュレータを用いることにより固定子製造工程の複雑化
を回避しつつ耐環境性の確保と低コスト化を実現するこ
とができる。 〔第二実施形態〕第一実施形態では、スロットあたり4
ターンの固定子巻線を示した。しかし、車両側から要求
される出力特性に応じ、スロットあたりの電気導体数を
多くする場合には、以下のようにして対応する。
【0038】すなわち、この第二実施形態では、スロッ
トあたり8ターンの固定子巻線とする場合は、図5に示
すようにターン部側の第1コイルエンド群31aにおい
て、8本の電気導体を多重に配置し、最内側のセグメン
トを絶縁皮膜付きとし、その直ぐ外側のセグメントを絶
縁皮膜無しとし、これを交互に繰り返すように配置すれ
ばよい。この時、外端層側の2本と内端層側の2本、さ
らに隣接する2本ずつを順次組み合わせて第一実施形態
と同様の巻線を複数形成し、これらを直列に接続する。
この場合も、スロット内、およびコイルエンドにおい
て、絶縁皮膜無しの導体を近接させることなく配置する
ことができる。
【0039】なお、8タ−ンを越え、ターン数が4の倍
数であれば、同様の配置を繰り返せばよい。 〔第三実施形態〕スロットあたり6ターンとする場合
は、図6に示すように、第1コイルエンド群31aにて
2つのU字状の小型の小セグメント332、333を径
方向に配置し、それらを1つの大セグメント331が囲
む構造としてもよい。この時、大セグメント331を絶
縁皮膜無しとし、小セグメント332、333を絶縁皮
膜付きとすれば、絶縁皮膜無しの導体を近接させること
なく6ターンの固定子巻線を配置することができる。 〔第四実施形態〕図7に示すように、スロット内の径方
向に並んだ4本の導体のうち、絶縁皮膜の有るものと無
いものとを交互に配置してもよい。この場合、周方向に
隣り合うスロットはこの配置が逆になるようにすること
が好適である。
【0040】すなわち、スロット35aに配置される外
端層を形成する大セグメントには絶縁皮膜が無く、外中
層を形成する小セグメントには絶縁皮膜3320が有
り、内中層を形成する小セグメントには絶縁皮膜が無
く、内端層を形成する大セグメントには絶縁皮膜331
0がある。そして、隣のスロット35bに配置されるセ
グメントの絶縁皮膜は、スロット35aと逆に設定され
ている。この場合も、スロット内での導体間の絶縁を確
保しつつ、半数のセグメントの絶縁皮膜を無くすことに
より低コスト化が可能となる。 〔その他の実施形態〕接合部側のコイルエンドにおい
て、外端層と外中層、および内端層と内中層の導体の交
差する範囲内に、より広い径方向隙間を形成するよう
に、セグメントにあらかじめ凹部を設けてもよい。例え
ば、図8に示すように、所定ピッチだけ周方向に捻る前
の大、小セグメント331、332の直線部331a、
331b、332a、332bの接合部側の交差範囲P
の対向する部位には、凹部331g、331h、332
g、332hがそれぞれ形成されている。
【0041】図9は図8のIX−IX断面を示しており、図
10は図8のX−X断面を示している。凹部331g、3
31h、332g、332hは、たとえばプレス加工に
よって形成される。これにより、絶縁皮膜を持たないセ
グメントを混在使用する場合において、接合部側のコイ
ルエンドにおける導体間の絶縁性をさらに向上させるこ
とができる。もちろん、大セグメント側にだけ凹部33
1g、331hを設けてもよく、小セグメント側にだけ
凹部332g、332hを設けてもよい。
【0042】また、図11に示すように、インシュレー
タ34′がスロット35の内壁部に面して両端部が重な
るようにして、スロット35の内周側開口部35cを閉
塞するように配置してもよい。これにより、内周側のス
ロット開口部35cからスロット35内への異物や水の
直接侵入が防止できるので、内端層の電気導体として絶
縁皮膜の無いものを採用しても耐環境性を確保すること
ができる。
【0043】また、第一実施形態においては、2つの3
相巻線をもつことに伴いスロット数が96の例を示した
が、1つの3相巻線をもちスロット数が48の場合も、
同様の形態を適用できる。さらに、回転子の極数を変更
した場合も、対応するスロット数において、同様の形態
を適用できる。
【0044】また、上記実施形態では、セグメントは略
平角断面のものを用いたが、高占積率化のためには少な
くともスロット内に収容される直線部331a、331
b、332aおよび332bが略平角断面であればよ
く、その他の部分は丸線断面でもよい。
【0045】更に、固定子巻線の互いに位相が異なる複
数の巻線を、たとえばY形結線やΔ結線することにより
三相回路を形成する時の結線用の渡り線や出力用のリー
ド線を、先端部を除いて皮膜を有する皮膜付きセグメン
トとすることにより、コイルエンドにおける皮膜なしセ
グメントと、これら渡り線や出力用のリード線との短絡
防止を、ほとんど工程を増加することなしに実現するこ
とができる。このように構成したコイルエンド31aの
一例を図12に示す。
【0046】出力用のリード線338a、338b及び
渡り線339a、339b、339cは、先端部を除い
て皮膜を有している。336は被膜無しセグメントであ
り、337は、被膜付きセグメントである。なお、これ
らのリード線や渡り線はコイルエンドの先端部との間で
複数箇所で接着部材により固着されることにより、振動
による互いの当たりを防止できるので、被膜の破損によ
る短絡をさらに抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の車両用交流発電機の断
面図である。
【図2】第一実施形態の固定子の部分的な断面図であ
る。
【図3】第一実施形態のセグメントの模式的斜視図であ
る。
【図4】第一実施形態の固定子の第2コイルエンド群の
斜視図である。
【図5】第二実施形態の固定子の第1コイルエンド群の
簡略図である。
【図6】第三実施形態の固定子の第1コイルエンド群の
簡略図である。
【図7】第四実施形態の固定子の部分的な断面図であ
る。
【図8】他の実施形態のセグメントの平面図である。
【図9】他の実施形態のセグメントの部分的な断面図で
ある。
【図10】他の実施形態のセグメントの部分的な断面図
である。
【図11】他の実施形態の固定子の部分的な断面図であ
る。
【図12】他の実施形態のコイルエンドの部分的な平面
図である。
【符号の説明】
1 車両用交流発電機 2 回転子 3 固定子 31 固定子巻線 31a 第1コイルエンド群 31b 第2コイルエンド群 32 固定子鉄心 33 セグメント対 331 大セグメント(セグメント) 332 小セグメント(セグメント) 34 インシュレータ 35 スロット 4 フレ−ム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H603 AA09 BB02 BB09 BB12 CA01 CB02 CB03 CB04 CB05 CB22 CB24 CB25 CB26 CC05 CC17 CD02 CD22 CE05 EE01 FA01 5H604 AA08 BB03 BB10 BB14 CC01 CC05 CC15 PB01 PB02 PB03 PC01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のスロットを持つ固定子鉄心と前記ス
    ロットにインシュレーターを介して装備された多相の固
    定子巻線とを有する車両用交流発電機の固定子におい
    て、 前記固定子巻線は、略U字状の電気導体よりなる複数の
    セグメントを少なくとも直列に接合して構成されて、前
    記固定子鉄心から互いに軸方向反対側へ突出する第1コ
    イルエンド群及び第2コイルエンド群を有し、 前記第1コイルエンド群は、一の前記セグメントのタ−
    ン部と、前記一の前記セグメントのタ−ン部を囲む他の
    前記セグメントのタ−ン部とを有し、 前記第2コイルエンド群は、互いに周方向所定ピッチ離
    れて前記スロットから突出する一対の前記セグメントの
    端部同士を接合してなり、 前記スロットは、絶縁皮膜を有する皮膜付きセグメント
    と、絶縁皮膜をもたない皮膜無しセグメントとを、複数
    の前記皮膜無しセグメントが互いに隣接することなく径
    方向に並べた配列にて収容することを特徴とする車両用
    回転電機の固定子。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用回転電機の固定子
    において、 他の前記タ−ン部を囲まない最小の前記タ−ン部を有す
    る前記セグメントは、前記皮膜付きセグメントにより構
    成されることを特徴とする車両用回転電機の固定子。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の車両用回転電機の固定子
    において、 前記セグメントのターン部は、一の前記スロット内での
    径方向外側からの配列順次位置と、他の前記スロット内
    での径方向内側からの配列順次位置とが等しい一対のセ
    グメント収容位置に個別に収容される一対のスロット導
    体部に連なり、 他の前記タ−ン部を介することなく前記最小ターン部を
    囲む前記タ−ン部をもつ前記セグメントは前記皮膜無し
    セグメントにより構成され、 以下、前記皮膜付きセグメントからなるセグメントのタ
    −ン部が前記皮膜無しセグメントからなる前記セグメン
    トのタ−ン部を囲み、更に前記皮膜無しセグメントから
    なるセグメントのタ−ン部が前記皮膜付きセグメントか
    らなる前記セグメントのタ−ン部を囲む多重囲み構造を
    有することを特徴とする車両用回転電機の固定子。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の車両用回転電機の固定子
    において、 他の前記タ−ン部を介することなく前記皮膜付きセグメ
    ントの小形の前記タ−ン部を囲む大形のタ−ン部をもつ
    前記セグメントは前記皮膜無しセグメントからなること
    を特徴とする車両用回転電機の固定子。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の車両用回転電機の固定子
    おいて、 前記皮膜無しセグメントと前記皮膜付きセグメントは、
    同一の前記スロット内に径方向交互に配列されることを
    特徴とする車両用回転電機の固定子。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    車両用回転電機の固定子において、 前記導体セグメントは、前記固定子鉄心外にて周方向か
    つ径方向へ斜めに延設される斜行部を有し、各前記導体
    セグメントの互いに隣接する前記斜行部同士の間に径方
    向へ所定の隙間が形成されることを特徴とする車両用回
    転電機の固定子。
  7. 【請求項7】請求項1から請求項6のいずれかに記載の
    車両用発電機の固定子において、 前記インシュレータはシート形状を有し、 前記インシュレータの両端部は、前記スロットの内周側
    開口部以外の前記スロットの内壁面に隣接して互いに重
    なって、前記スロットの開口部を閉塞することを特徴と
    する車両用回転電機の固定子。
  8. 【請求項8】請求項1記載の車両用回転電機の固定子に
    おいて、 前記固定子巻線の互いに位相が異なる巻線同士を接続す
    る渡り線又は前記巻線の出力を整流器へ導くリード線
    は、先端部を除いて皮膜を有する皮膜付きの前記セグメ
    ントにより構成されていることを特徴とする車両用回転
    電機の固定子。
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