JP3707673B2 - 車両用回転電機の固定子 - Google Patents

車両用回転電機の固定子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車、トラック等に搭載される車両
用回転電機の固定子に関し、例えば交流発電機の固定子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の車両のエンジン室内容積は、走行抵抗の低減のためのスラントノーズ化や、乗車スペースの確保に伴って狭小化される傾向にあり、車両用交流発電機の周囲温度は高くなる傾向にある。また安全制御機器などの各種電気負荷の増加により車両用交流発電機の出力能力の向上が要求され、その結果、車両用交流発電機自身の発熱量も増加している。更に、発電機の外部から、タイヤからの跳ね上げやエンジンルーム内の洗浄などによる発電機の被水があり、特に寒冷地などでの融雪塩を含んだ水は電解溶液であるため、発電機の腐食や電気短絡も促進する。低コスト化の要請は言うまでもない。すなわち、温度低減と耐環境性を確保しつつ、車両用交流発電機のコストダウンが求められている。
【0003】
このような実情に鑑み、本出願人の出願になる特許公報2927288号は、車両用交流発電機の固定子の巻線工程において、あらかじめヘアピン状に屈曲した(以下、この屈曲した部分をターン部と称する)電気導体よりなるセグメントを多数用い、各セグメントを固定子鉄心のスロットへ挿入した後、セグメント同士を接合して、巻線を構成する車両用交流発電機を開示している。これにより、スロット内の巻線占積率を高めることにより巻線の抵抗値を下げて、温度低減及び出力向上が実現される。また、スロット内のインシュレータの径方向断面を略S字形状として、スロット内の各セグメント間、およびセグメントとスロットとの間に介設して、セグメント表面の絶縁皮膜を廃止し、セグメントの低コスト化を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の車両用交流発電機によれば、絶縁皮膜の廃止により、セグメントのコスト低減はできるが、断面を略S字形状に成形したインシュレータを介してセグメントをスロットに挿入せねばならないため、固定子鉄心へのセグメント組み付け工程が煩雑となるという問題が生じることがわかった。また、断面が略S字形状のインシュレータをスロット内に挿入後、セグメントを挿入する場合、セグメント間に介在するインシュレータの位置ずれを防止する必要gあり、スロット内の占積率を期待するほど向上することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記したセグメント接合する形式の車両用交流発電機における問題点に着目してなされたものであり、高占積率と耐環境性を確保しつつ、工程を簡素化可能な車両用回転電機の固定子を提供することをその目的としている。
【0006】
詳しくは、本発明は、絶縁皮膜をもつ皮膜付きセグメントと、絶縁皮膜をもたない皮膜無しセグメントとを組み合わせて、上述した特異な形状のインシュレータを必要とすることなく上記目的を達成するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、複数のスロットを持つ固定子鉄心と前記スロットにインシュレーターを介して装備された多相の固定子巻線とを有する車両用交流発電機の固定子において、前記固定子巻線は、略U字状の電気導体よりなる複数のセグメントを少なくとも直列に接合して構成されて、前記固定子鉄心から互いに軸方向反対側へ突出する第1コイルエンド群及び第2コイルエンド群を有し、前記第1コイルエンド群は、一の前記セグメントのタ−ン部と、前記一の前記セグメントのタ−ン部を囲む他の前記セグメントのタ−ン部とを有し、前記第2コイルエンド群は、互いに周方向所定ピッチ離れて前記スロットから突出する一対の前記セグメントの端部同士を接合してなり、前記スロットは、絶縁皮膜を有する皮膜付きセグメントと、絶縁皮膜をもたない皮膜無しセグメントとを、複数の前記皮膜無しセグメントが互いに隣接することなく径方向に並べた配列にて収容することを特徴としている。
【0008】
これにより、スロット内で隣り合うセグメント同士は少なくとも一方のセグメントの絶縁皮膜によって絶縁されるので、インシュレータはS字断面にする必要はなく、スロット内壁とセグメントの間を絶縁するように配置すればよいので、簡単なシート形状でよく、よって、製造工数を増加させることなく、絶縁皮膜をなくすセグメントぶんの低コスト化ができる。
【0009】
本発明によれば更に、他の前記タ−ン部を囲まない最小の前記タ−ン部を有する前記セグメントは、前記皮膜付きセグメントにより構成される。
【0010】
これにより、最小のターン部を持つセグメント同士が同一スロット内で径方向に隣接配列される場合、スロット内又はスロット外で互いに隣接するこれら最小のターン部を持つセグメントの間の絶縁性を保つことができる。
【0011】
請求項の発明によれば、請求項に記載の車両用回転電機の固定子において、前記セグメントのタ−ン部は、一の前記スロット内での径方向外側からの配列順次位置と、他の前記スロット内での径方向内側からの配列順次位置とが等しい一対のセグメント収容位置に個別に収容される一対のスロット導体部と、前記一対のスロット導体部の両一端に連なり、他の前記タ−ン部を介することなく前記最小ターン部を囲む前記タ−ン部をもつ前記セグメントは前記皮膜無しセグメントにより構成され、以下、前記皮膜付きセグメントからなるセグメントのタ−ン部が前記皮膜無しセグメントからなる前記セグメントのタ−ン部を囲み、更に前記皮膜無しセグメントからなるセグメントのタ−ン部が前記皮膜付きセグメントからなる前記セグメントのタ−ン部を囲む多重囲み構造を有することを特徴としている。
【0012】
これにより、スロット内においても、コイルエンドにおいても、径方向に隣接するセグメントの一方は絶縁皮膜を有しているので、被水等によるコイルエンドでのセグメント間の短絡を防止でき、耐環境性を向上できる。
【0013】
請求項の発明によれば、請求項1に記載の車両用回転電機の固定子において、他の前記タ−ン部を介することなく前記皮膜付きセグメントの小形の前記タ−ン部を囲む大形のタ−ン部をもつ前記セグメントは前記皮膜無しセグメントからなる。
【0014】
これにより、スロット内においても、コイルエンドにおいても、径方向に隣接する一対のセグメントの少なくとも一方は絶縁皮膜を有することになり、他方を皮膜無しセグメントとすることができ、絶縁を確保しつつ製造工程を簡素化し、コスト低減することができる。
【0017】
請求項の発明によれば、請求項1記載の車両用回転電機の固定子において、前記導体セグメントは、前記固定子鉄心外にて周方向かつ径方向へ斜めに延設される斜行部を有し、各前記導体セグメントの互いに隣接する前記斜行部同士の間に径方向へ所定の隙間が形成される。
【0018】
これにより、接合部側のコイルエンドにおいて、径方向に対向するセグメント間での短絡不具合を防止する効果をさらに高めることができる。
【0019】
請求項の発明によれば、請求項1記載の車両用発電機の固定子において、前記インシュレータはシート形状を有し、前記インシュレータの両端部は、前記スロットの内周側開口部以外の前記スロットの内壁面に隣接して互いに重なって、前記スロットの開口部を閉塞する。
【0020】
これにより、スロットの内周側開口部からの異物や水溶液の直接の侵入はインシュレータによって防止されるので、耐環境性をさらに向上できる。
【0021】
請求項の発明によれば、請求項1記載の車両用回転電機の固定子において、前記固定子巻線の互いに位相が異なる巻線同士を接続する渡り線又は前記巻線の出力を整流器へ導くリード線が、先端部を除いて皮膜を有する皮膜付きの前記セグメントにより構成されている。これにより、皮膜なしのセグメントと、皮膜付きのセグメントが混在するコイルエンドにおいて多相回路を形成するための渡り線や出力線の短絡を簡素な構成で防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は車両用回転電機として、発電機、あるいは電動機、さらには両者を選択的に使用しうる回転電機にも利用できる。以下、この発明の車両用回転電機を交流発電機に適用した実施例を図に基づいて説明する。
〔第一実施形態〕
図1から図4はこの発明の第一実施形態を示したものであり、図1は本発明の車両用交流発電機の全体構成を示す断面図、図2は固定子の径方向の部分断面図、図3は固定子巻線を形成する導体セグメントの斜視図、図4は接合部側のコイルエンドの斜視図を示す。
【0023】
車両用交流発電機1は、回転駆動力が伝達されるプーリ20が固定されるシャフト21を有し、シャフト21に回転子2が嵌着、固定されている。回転する回転子2の界磁巻線8にスリップリング9、10を介して励磁電流を流すことによりポールコア71、72にN極、S極が周方向交互に形成され、三相交流電圧が固定子3の三相の固定子巻線31に発生する。固定子巻線31の各相の出力線はここでは三相全波整流器からなる制御機能部材5に接続され、制御機能部材5は入力される三相交流電圧を整流して直流出力を発生する。
【0024】
ポールコア71、72に固定された冷却ファン11、12により、冷却風はプーリ側と反プーリ側に1対に設けたフレ−ム4の軸方向の開口部41から内部へ取り込まれる。また、固定子2の第1コイルエンド群31a及び第2コイルエンド群31bの径外側に位置して冷却風の排出孔42がそれぞれ設けられ、固定子巻線31の冷却を行う。この実施形態では、ポールコア71、72は、各8個の磁極を持ち、すなわち16極の回転子2を形成している。
【0025】
固定子3は、固定子鉄心32と、固定子鉄心32の各スロット35内にそれぞれ複数配設された電気導体(本発明で言うセグメントのスロット導体部)により構成される固定子巻線と、固定子鉄心32と前記セグメントとの間を電気絶縁するインシュレータ34とにより構成されている。
【0026】
固定子鉄心32は、図2に示すように多相の固定子巻線31を収容する複数のスロット35を有する。本実施形態では、回転子3の磁極数16に対応する2組の3相の固定子巻線が、96個のスロット35にスロット当たり4個ずつ収容された電気導体により形成されている。インシュレータ34はスロット内の上記電気導体とスロット35の内壁面との間に介設されて両者を電気絶縁している。各スロット35は周方向等間隔に配置されている。スロット35内には、略平角断面を持つ外端層の電気導体331b′、外中層の電気導体332b′、内中層の電気導体332a、内端層のの電気導体331aが径方向へ一列に配列されている。
【0027】
あるスロット35内の1本の電気導体は、所定の磁極ピッチだけ離れた他のスロット35内の他の1本の電気導体と対をなしている。例えば、あるスロット35内の内端層の電気導体331aは、時計方向1磁極ピッチ離れた他のスロット35内の外端層の電気導体331bと対をなしている。同様に、あるスロット35内の内中層の電気導体332aは時計方向1磁極ピッチ離れた他のスロット35内の外中層の電気導体332bと対をなしている。
【0028】
これら対をなすふたつの電気導体331a、331b(又は332a、332b)の軸方向一端部は、固定子鉄心32の軸方向一端側にてターン部331c(又は332c)により接続される。
【0029】
すなわち図3に示すように、内端層の電気導体331aと外端層の電気導体とターン部331cとはU字状に形成された大セグメント(本発明でいうセグメント)331により提供される。また、内中層の電気導体332aと外中層の電気導体332bとタ−ン部332cとはU字状に形成された小セグメント(本発明でいうセグメント)332により提供される。大セグメント331と小セグメント332とがペアとなって、セグメント対33を構成している。
【0030】
ターン部331cを有する大セグメント331は、図3に示すように固定子鉄心32の一端側にて、ターン部332cを有する小セグメント332を囲んで、全体として第一コイルエンド群31aが形成されている。
【0031】
また、あるスロット35内では、内中層の電気導体332aは、時計方向1磁極ピッチ離れた他のスロット35内の内端層の電気導体331a'と対をなしている。同様に、あるスロット35内の外端層の電気導体331b'は、時計方向1磁極ピッチ離れた他のスロット35内の外中層の電気導体332bと対をなしている。これら各電気導体は、図4に示すように固定子鉄心32の軸方向他端側に突出して第2コイルエンド群31bを構成する。外端層の電気導体の端部331e′と外中層の電気導体の端部332eとは接合されて接合部をなし、内端層の電気導体の端部331d′と内中層の電気導体の端部332dとは接続されて接合部をなし、これら両接合部は、所定間隔を隔てて径方向に配列されている。この接合は、溶接、超音波溶着、アーク溶接、ろう付け等の手段によって行われる。
【0032】
この実施形態で重要な点は、大セグメント331は表面に絶縁皮膜を持たない本発明でいう皮膜無しセグメントであり、小セグメント332は表面に絶縁皮膜3320(図2参照)を有する皮膜付きセグメントであることである。この状態を図2に示す。
【0033】
以上説明したセグメント配置及び接合を三相の巻線ごとに繰り返すことにより、全てのスロット35が電気導体によって埋まり、三相の固定子巻線31が形成される。
〔第一実施形態の作用効果〕
上記構成を採用したことにより、スロット35内において、外端層と内端層の電気導体には絶縁皮膜が無く、外中層と内中層の電気導体には絶縁皮膜があるので、スロット35内での互いに隣接する電気導体間の電気短絡を防止することができ、インシュレータ34の形状もスロット35に沿った単純な形状を採用することができる。
【0034】
また、一つのスロット35から延びる小セグメント332のスロット内の電気導体からターン部332cに至る電気導体である斜行部は、周方向に隣接する他の小セグメント332の斜行部と交差する部位を有し、この部位で両斜行部が近接するが、小セグメント332は絶縁皮膜を有するので、両者間の電気絶縁を確保することができる。
【0035】
また、第一コイルエンド群31aにおいて、大セグメント331には、このような交差による近接部は無いので、絶縁皮膜が無くても導体間の電気短絡の可能性は非常に小さい。
【0036】
更に、第二コイルエンド群31bにおいても同様に、絶縁皮膜のない大セグメント331どうしが交差する部位はなく、交差する部位を持つ小セグメント332は絶縁皮膜があるので電気短絡を防止できる。
【0037】
以上により、大セグメント331の絶縁皮膜を無くすことによって、すなわち大セグメント331を裸の平角線とすることにより、その絶縁膜の使用量及び被着工程を減らすことができ、更に単純な形状のインシュレータを用いることにより固定子製造工程の複雑化を回避しつつ耐環境性の確保と低コスト化を実現することができる。
〔第二実施形態〕
第一実施形態では、スロットあたり4ターンの固定子巻線を示した。しかし、車両側から要求される出力特性に応じ、スロットあたりの電気導体数を多くする場合には、以下のようにして対応する。
【0038】
すなわち、この第二実施形態では、スロットあたり8ターンの固定子巻線とする場合は、図5に示すようにターン部側の第1コイルエンド群31aにおいて、8本の電気導体を多重に配置し、最内側のセグメントを絶縁皮膜付きとし、その直ぐ外側のセグメントを絶縁皮膜無しとし、これを交互に繰り返すように配置すればよい。この時、外端層側の2本と内端層側の2本、さらに隣接する2本ずつを順次組み合わせて第一実施形態と同様の巻線を複数形成し、これらを直列に接続する。この場合も、スロット内、およびコイルエンドにおいて、絶縁皮膜無しの導体を近接させることなく配置することができる。
【0039】
なお、8タ−ンを越え、ターン数が4の倍数であれば、同様の配置を繰り返せばよい。
〔第三実施形態〕
スロットあたり6ターンとする場合は、図6に示すように、第1コイルエンド群31aにて2つのU字状の小型の小セグメント332、333を径方向に配置し、それらを1つの大セグメント331が囲む構造としてもよい。この時、大セグメント331を絶縁皮膜無しとし、小セグメント332、333を絶縁皮膜付きとすれば、絶縁皮膜無しの導体を近接させることなく6ターンの固定子巻線を配置することができる。
〔第四実施形態〕
図7に示すように、スロット内の径方向に並んだ4本の導体のうち、絶縁皮膜の有るものと無いものとを交互に配置してもよい。この場合、周方向に隣り合うスロットはこの配置が逆になるようにすることが好適である。
【0040】
すなわち、スロット35aに配置される外端層を形成する大セグメントには絶縁皮膜が無く、外中層を形成する小セグメントには絶縁皮膜3320が有り、内中層を形成する小セグメントには絶縁皮膜が無く、内端層を形成する大セグメントには絶縁皮膜3310がある。そして、隣のスロット35bに配置されるセグメントの絶縁皮膜は、スロット35aと逆に設定されている。この場合も、スロット内での導体間の絶縁を確保しつつ、半数のセグメントの絶縁皮膜を無くすことにより低コスト化が可能となる。
〔その他の実施形態〕
接合部側のコイルエンドにおいて、外端層と外中層、および内端層と内中層の導体の交差する範囲内に、より広い径方向隙間を形成するように、セグメントにあらかじめ凹部を設けてもよい。例えば、図8に示すように、所定ピッチだけ周方向に捻る前の大、小セグメント331、332の直線部331a、331b、332a、332bの接合部側の交差範囲Pの対向する部位には、凹部331g、331h、332g、332hがそれぞれ形成されている。
【0041】
図9は図8のIX−IX断面を示しており、図10は図8のX−X断面を示している。凹部331g、331h、332g、332hは、たとえばプレス加工によって形成される。これにより、絶縁皮膜を持たないセグメントを混在使用する場合において、接合部側のコイルエンドにおける導体間の絶縁性をさらに向上させることができる。もちろん、大セグメント側にだけ凹部331g、331hを設けてもよく、小セグメント側にだけ凹部332g、332hを設けてもよい。
【0042】
また、図11に示すように、インシュレータ34′がスロット35の内壁部に面して両端部が重なるようにして、スロット35の内周側開口部35cを閉塞するように配置してもよい。これにより、内周側のスロット開口部35cからスロット35内への異物や水の直接侵入が防止できるので、内端層の電気導体として絶縁皮膜の無いものを採用しても耐環境性を確保することができる。
【0043】
また、第一実施形態においては、2つの3相巻線をもつことに伴いスロット数が96の例を示したが、1つの3相巻線をもちスロット数が48の場合も、同様の形態を適用できる。さらに、回転子の極数を変更した場合も、対応するスロット数において、同様の形態を適用できる。
【0044】
また、上記実施形態では、セグメントは略平角断面のものを用いたが、高占積率化のためには少なくともスロット内に収容される直線部331a、331b、332aおよび332bが略平角断面であればよく、その他の部分は丸線断面でもよい。
【0045】
更に、固定子巻線の互いに位相が異なる複数の巻線を、たとえばY形結線やΔ結線することにより三相回路を形成する時の結線用の渡り線や出力用のリード線を、先端部を除いて皮膜を有する皮膜付きセグメントとすることにより、コイルエンドにおける皮膜なしセグメントと、これら渡り線や出力用のリード線との短絡防止を、ほとんど工程を増加することなしに実現することができる。このように構成したコイルエンド31aの一例を図12に示す。
【0046】
出力用のリード線338a、338b及び渡り線339a、339b、339cは、先端部を除いて皮膜を有している。336は被膜無しセグメントであり、337は、被膜付きセグメントである。なお、これらのリード線や渡り線はコイルエンドの先端部との間で複数箇所で接着部材により固着されることにより、振動による互いの当たりを防止できるので、被膜の破損による短絡をさらに抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の車両用交流発電機の断面図である。
【図2】第一実施形態の固定子の部分的な断面図である。
【図3】第一実施形態のセグメントの模式的斜視図である。
【図4】第一実施形態の固定子の第2コイルエンド群の斜視図である。
【図5】第二実施形態の固定子の第1コイルエンド群の簡略図である。
【図6】第三実施形態の固定子の第1コイルエンド群の簡略図である。
【図7】第四実施形態の固定子の部分的な断面図である。
【図8】他の実施形態のセグメントの平面図である。
【図9】他の実施形態のセグメントの部分的な断面図である。
【図10】他の実施形態のセグメントの部分的な断面図である。
【図11】他の実施形態の固定子の部分的な断面図である。
【図12】他の実施形態のコイルエンドの部分的な平面図である。
【符号の説明】
1 車両用交流発電機
2 回転子
3 固定子
31 固定子巻線
31a 第1コイルエンド群
31b 第2コイルエンド群
32 固定子鉄心
33 セグメント対
331 大セグメント(セグメント)
332 小セグメント(セグメント)
34 インシュレータ
35 スロット
4 フレ−ム

Claims (6)

  1. 複数のスロットを持つ固定子鉄心と前記スロットにインシュレーターを介して装備された多相の固定子巻線とを有する車両用交流発電機の固定子において、
    前記固定子巻線は、略U字状の電気導体よりなる複数のセグメントを少なくとも直列に接合して構成されて、前記固定子鉄心から互いに軸方向反対側へ突出する第1コイルエンド群及び第2コイルエンド群を有し、
    前記第1コイルエンド群は、一の前記セグメントのタ−ン部と、前記一の前記セグメントのタ−ン部を囲む他の前記セグメントのタ−ン部とを有し、
    前記第2コイルエンド群は、互いに周方向所定ピッチ離れて前記スロットから突出する一対の前記セグメントの端部同士を接合してなり、
    前記スロットは、絶縁皮膜を有する皮膜付きセグメントと、絶縁皮膜をもたない皮膜無しセグメントとを、複数の前記皮膜無しセグメントが互いに隣接することなく径方向に並べた配列にて収容し、
    他の前記タ−ン部を囲まない最小の前記タ−ン部を有する前記セグメントは、前記皮膜付きセグメントにより構成されることを特徴とする車両用回転電機の固定子。
  2. 請求項に記載の車両用回転電機の固定子において、
    前記セグメントのターン部は、一の前記スロット内での径方向外側からの配列順次位置と、他の前記スロット内での径方向内側からの配列順次位置とが等しい一対のセグメント収容位置に個別に収容される一対のスロット導体部に連なり、
    他の前記タ−ン部を介することなく前記最小ターン部を囲む前記タ−ン部をもつ前記セグメントは前記皮膜無しセグメントにより構成され、
    以下、前記皮膜付きセグメントからなるセグメントのタ−ン部が前記皮膜無しセグメントからなる前記セグメントのタ−ン部を囲み、更に前記皮膜無しセグメントからなるセグメントのタ−ン部が前記皮膜付きセグメントからなる前記セグメントのタ−ン部を囲む多重囲み構造を有することを特徴とする車両用回転電機の固定子。
  3. 請求項1に記載の車両用回転電機の固定子において、
    他の前記タ−ン部を介することなく前記皮膜付きセグメントの小形の前記タ−ン部を囲む大形のタ−ン部をもつ前記セグメントは前記皮膜無しセグメントからなることを特徴とする車両用回転電機の固定子。
  4. 請求項記載の車両用回転電機の固定子において、
    前記導体セグメントは、前記固定子鉄心外にて周方向かつ径方向へ斜めに延設される斜行部を有し、各前記導体セグメントの互いに隣接する前記斜行部同士の間に径方向へ所定の隙間が形成されることを特徴とする車両用回転電機の固定子。
  5. 請求項1記載の車両用発電機の固定子において、
    前記インシュレータはシート形状を有し、
    前記インシュレータの両端部は、前記スロットの内周側開口部以外の前記スロットの内壁面に隣接して互いに重なって、前記スロットの開口部を閉塞することを特徴とする車両用回転電機の固定子。
  6. 請求項1記載の車両用回転電機の固定子において、
    前記固定子巻線の互いに位相が異なる巻線同士を接続する渡り線又は前記巻線の出力を整流器へ導くリード線は、先端部を除いて皮膜を有する皮膜付きの前記セグメントにより構成されていることを特徴とする車両用回転電機の固定子。
JP2001027393A 2000-02-03 2001-02-02 車両用回転電機の固定子 Expired - Fee Related JP3707673B2 (ja)

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