JP2015058800A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車体の電源部と、ホイール内に設置されたインホイールモータ駆動装置のモータ部10とを繋ぐケーブル7の損傷を防止することを課題とする。【解決手段】 車体にサスペンションアーム5を介して支持されたホイール内に設置されたモータ部10と、車体2に設置された電源部とを動力線及び信号線を構成する複数本のケーブル7によって接続するインホイールモータ駆動装置において、前記サスペンションアーム5と車体2とに、吊り下げ部材72a、72bを介して支持された結束部材71a、71bを設け、この結束部材71a、71bによって複数本のケーブルを結束支持することにより、ケーブル7が車体2やサスペンション5の動きに影響を受け難いようにして、転舵時や車体のバウンド時に、ケーブル7の変形並びに損傷を抑えるようにした。【選択図】 図2

Description

この発明は、モータ部の出力軸と車輪ハブとを減速部を介して同軸上に連結したインホイールモータ駆動装置に関する。
インホイールモータ駆動装置は、自動車のホイールの内側空間部分に設置されるものであり、特開2011−79484号公報(特許文献1)に示す構造のものが知られている。
この特許文献1に示すインホイールモータ駆動装置は、図11に示すように、モータ部110のモータ回転軸126と車輪ハブ130とをサイクロイド式の減速部120を介して同軸上に直列に連結した構造になっている。
インホイールモータ駆動装置は、自動車のホイールの内側空間部分に設置されるものであり、インホイールモータ駆動装置のモータ部と、車体に設置されたバッテリー等の電源部とを、動力線や信号線を構成する複数本のケーブルによって連結する必要がある。
特開2011−79484号公報
ところで、インホイールモータ駆動装置の動力線を形成するケーブルは、大きな電流を流すため太く、屈曲性が悪い。
このため、動力線や信号線等のケーブルの固定方法によっては、局所的な屈曲や摩擦により、動力線等のケーブルが損傷する可能性がある。
例えば、ケーブルの屈曲性の悪さを考慮せずに、動力線を車輪のサスペンションに這わせて固定した場合、転舵時や車体バウンド時に、サスペンションが大きく動くと、サスペンションの動きにケーブルが追随することができず、ケーブルが損傷したり、変形したりするおそれがある。
また、インホイールモータ駆動装置は、ホイール内に設置されるものであるから、走行中における飛来物からのケーブルの保護も必要である。
そこで、この発明は、車体の電源部とホイール内のモータ部とを繋ぐケーブルの損傷を防止することを課題とするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、ケーシングの内部に駆動力を発生させる電動モータと、前記電動モータの回転を車輪に伝達する車輪ハブと、車体にサスペンションアームを介して支持された前記ケーシングの前記モータ部と、車体に設置された電源部とを、動力線及び信号線を構成する複数本のケーブルによって接続しているインホイールモータ駆動装置において、ケーブルを保持する保持部材を設け、前記サスペンションアームと車体とに、吊り下げ部材を介して前記保持部材を支持したことを特徴とする。
前記保持部材は、ケーブルに対して軸方向に摺動可能に設けられる。
前記サスペンションアームに取り付けられた、前記保持部材の吊り下げ部材は、ピボット軸により保持部材と回転可能に連結することができる。
車体に取り付けられた保持部材は、ばね等の弾性部材によって揺動可能に設けることが望ましい。
前記結束部材の下面には、ケーブルを飛来物から保護するガード板を設けることができる。
車体の下面に整流板を設け、この整流板と車体との間に前記ケーブルを配置するようにしてもよく、この場合、整流板と結束部材との間に、緩衝部材を取り付けておくことが望ましい。
以上のように、この発明によれば、ホイール内に設けられたモータ部と車体に搭載された電源部とを繋ぐ複数本のケーブルが、サスペンションと車体に対して吊り下げ支持することにより、ケーブルが車体の動きに影響を受け難くなるので、転舵時や車体のバウンド時に、ケーブルに無理な力が伝わらず、ケーブルの変形並びに損傷を抑えることができる。
また、ケーブルと車体との距離が離れるため、車体側の温度変化によるケーブルへの影響を少なくすることができる。
インホイールモータ駆動装置を有する電気自動車の概略平面図である。 ホイールハウス内にこの発明の第1の実施形態のインホイールモータ駆動装置を搭載した状態を示す概略図である。 ホイールハウス内にこの発明の第2の実施形態のインホイールモータ駆動装置を搭載した状態を示す概略図である。 ホイールハウス内にこの発明の第3の実施形態のインホイールモータ駆動装置を搭載した状態を示す概略図である。 ホイールハウス内にこの発明の第4の実施形態のインホイールモータ駆動装置を搭載した状態を示す概略図である。 この発明による車体下面のケーブル配線状態を示す概略図である。 インホイールモータ駆動装置の断面図である。 潤滑油ポンプの拡大図である。 減速部の拡大縦断正面図である。 図7のX−X線に沿った縦断側面図である。 従来のインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車1は、図1に示すように、車体2と、操舵輪としての前輪3と、駆動輪4(後輪)と、左右の駆動輪4それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置Aとを備える。駆動輪4は、図2に示すように、車体2のホイールハウス2aの内部に収容され、サスペンション5を介して車体2に支持されている。インホイールモータ駆動装置Aの搭載形態としては、図1に示す後輪駆動方式の他に、前輪駆動方式でも四輪駆動方式のいずれでも構わない。
サスペンション5は、アッパーアーム5aとロアアーム5bとからなり、アッパーアーム5aとロアアーム5bの外側端部を、それぞれピボット軸6a、6cを介してインホイールモータ駆動装置Aのケーシング11の外面に揺動可能に支持し、アッパーアーム5aとロアアーム5bの内側端部を、それぞれピボット軸6b、6dを介して車体2に揺動可能に支持している。サスペンション5は、路面の凹凸に対する追従性を向上し、駆動輪4の駆動力を効率良く路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式とするのが望ましい。
この電気自動車1は、ホイールハウス2a内部に、左右の駆動輪4それぞれを駆動するインホイールモータ駆動装置Aを収容することによって、車体2上にモータ、ドライブシャフト、およびデファレンシャルギヤ機構等を設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の駆動輪の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
インホイールモータ駆動装置Aは、図7に示すように、駆動力を発生させるモータ部10と、モータ部10の回転を減速して出力する減速部20と、減速部20からの出力を駆動輪4に伝える車輪ハブ30とを備える。
減速部20は、ケーシング11に収容され、モータ回転軸14と連結する入力軸22と出力軸26とを有し、入力軸22の回転を減速して出力軸26に伝達している。
車輪ハブ30は、減速部20の出力軸26に固定連結され、ケーシング11に回転自在に支持されている。
モータ部10と車体2に設置されたバッテリー等の電源部とは、動力線及び信号線を構成する複数本のケーブル7によって接続されている。
図2〜図5に示すように、この複数本のケーブル7は、長さ方向に複数の結束部材71a、71bによって結束されている。
複数の結束部材71a、71bのうち、モータ部10側の結束部材71aは、アッパーアーム5aに吊り下げ部材72aを介して吊り下げ支持している。
また、車体2側の結束部材71bは、車体2に吊り下げ部材72bを介して吊り下げ支持している。
このように、複数本のケーブル7を結束部材71a、71bによってアッパーアーム5aと車体2に吊り下げ支持することにより、ケーブル7は、車体2の動きに連動せず、転舵時や車体2のバウンド時に、ケーブル7に無理な力が伝わらず、ケーブル7の変形を抑えることができる。ケーブル7は、アッパーアーム5aに取り付けられた吊り下げ部材72aとピボット軸72cを介して、結束部材71aにより回転可能に取り付けられ、アッパーアーム5aが上下運動しても接触しないように支持されている。また、車体2とは弾性的に吊り下げ支持されているため、転舵時や車体2のバウンド時に、ケーブル7に無理な力が伝わらず、ケーブル7の変形を抑えることができる。
また、結束部材71a、71bとケーブル7との干渉をより少なくし、ケーブル7が結束部材71a、71bに対して軸方向に摺動しやすくするために、結束部材71a、71bのケーブル7接触面に、滑り性のよい樹脂や表面処理を施しておくことが望ましい。なお、実施形態ではUVWの3相のケーブル3本を束ねるため結束部材としているが、3相のケーブルをまとめて被覆して1本のケーブルとすることもできる。その場合、結束部材は結束しないので保持部材となる。
図2に示す第1の実施形態では、車体2側の結束部材71bの吊り下げ部材72bをばねによって形成している。結束部材71bをばね等の弾性部材で吊り下げることにより、車体2からケーブル7への振動がより伝わりにくくなる。
図3に示す第2の実施形態では、結束部材71aの下面にガード板73を設け、ケーブル7を飛来物から保護している。
図4に示す第3の実施形態では、結束部材71aの下端とロアアーム5bとをばね74によって繋ぎ、アッパーアーム5aとロアアーム5bからの揺動をばね74によって吸収するようにしている。
図5に示す第4の実施形態は、結束部材71aの下端とロアアーム5bとをばね74によって繋ぐ点は、図4に示す第3の実施形態と同様であり、この第4の実施形態では、結束部材71aの下面にガード板73を取り付けている。
図6の実施形態は、車体2の下面に整流板75を設け、この整流板75と車体2との間にケーブル7を配置している。ケーブル7は結束部材71bによって結束され、ばねによって形成された吊り下げ部材72bを介して車体2に吊り下げ支持している。なお、各実施例では、ばねをコイルばねで図示している。
整流板75には、ケーブル7の損傷を防止するために、緩衝部材76が取り付けられている。
以上のように、この発明では、複数本のケーブル7を、結束部材71a、71bと吊り下げ部材72a、72bとにより、車体2やサスペンション5に対して吊り下げ支持しているので、転舵時や車体2のバウンド時に、ケーブル7に無理な力が掛からず、ケーブル7の変形や損傷を防止できる。
また、ケーブル7を車体2に対して吊り下げ支持することにより、ケーブル7が車体2から離れた位置に配置できるので、車体2側の温度変化によるケーブル7への影響を少なくすることができる。
モータ部10は、図7に示すように、例えば、ケーシング11の内周面にステータ12を設け、このステータ12の内周に間隔をおいてロータ13を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ13は、モータ回転軸14を中心部に有し、そのモータ回転軸14は減速部20の入力軸22と接続して減速部20のモータ回転軸14内に挿入され、軸受15によってモータ回転軸14に対して回転自在に支持されている。
ケーシング11には、潤滑油を吐出する潤滑油ポンプ61が設けられている。ケーシング11には、潤滑油ポンプ61の油路43が設けられ、この油路43と、モータ回転軸14に設けられるモータ回転軸油路44と、入力軸22に設けられる減速部入力軸油路45とが相互に接続され、潤滑油ポンプ61から吐出される潤滑油が、ケーシング11に設けられる油路43、モータ回転軸油路44、減速部入力軸油路45、モータ部10の内部、および減速部20の内部を循環して流れることにより、モータ部10および減速部20を潤滑するとともに、ケーシング11に設けられる油路43において外周フィンによって冷やされた潤滑油がこれらモータ部10および減速部20を冷却する潤滑油回路を構成している。
これにより、潤滑油が減速部入力軸油路45から減速部20の内部へ供給される軸心給油を実現して、減速部20を効果的に潤滑することができる。
減速部20の下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油を潤滑油ポンプ61によって吸い込み、モータ部10と減速部20に潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
潤滑油の帰還通路48は、減速部20のケーシング11の底部に設けられた排出口49、オイルタンク41を経て潤滑油ポンプ61の吸入口に至る通路により構成される。
ここで、潤滑油ポンプ61は、図8に示すように、減速部20の出力軸26の回転を利用して回転するインナーロータ62と、インナーロータ62の回転に伴って従動回転するアウターロータ63と、ポンプ室64と、帰還通路48に連通する吸入口65と、油路43に連通する吐出口66とを備えるサイクロイドポンプである。
インナーロータ62は、外径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分62aの形状がエピサイクロイド曲線、歯溝部分62bの形状がハイポサイクロイド曲線となっている。このインナーロータ62は、出力軸26と一体回転する。
アウターロータ63は、内径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分63aの形状がハイポサイクロイド曲線、歯溝部分63bの形状がエピサイクロイド曲線となっている。このアウターロータ63は、ポンプケース67に回転自在に支持されている。
インナーロータ62は、回転中心c1を中心として回転する。一方、アウターロータ63は、インナーロータの回転中心c1と異なる回転中心c2を中心として回転する。また、インナーロータ62の歯数をnとすると、アウターロータ63の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=5としている。
インナーロータ62とアウターロータ63との間の空間には、複数のポンプ室64が設けられている。そして、インナーロータ62がモータ回転軸14の回転を利用して回転すると、アウターロータ63は従動回転する。このとき、インナーロータ62およびアウターロータ63はそれぞれ異なる回転中心c1、c2を中心として回転するので、ポンプ室64の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口65から流入した潤滑油が吐出口66から油路43に圧送される。
減速部20は、図9及び図10に示すように、サイクロイド式を採用している。この減速部20は、入力軸22の2箇所に設けられた偏心軸部23によって2枚の曲線板24を回転自在に支持し、それぞれの曲線板24の外周に形成された波形歯形24aを減速部20のケーシング11の内側に配設された外ピン25に噛合し、上記入力軸22の回転により曲線板24を偏心揺動運動させ、その曲線板24の自転を入力軸22と同軸上に配置された出力軸26から出力し、車輪ハブ30を回転させている(図7参照)。
減速部20のケーシング11の内側に配設された外ピン25の数は、曲線板24の外周の波形歯形24aより多い。
外ピン25は、減速部20のケーシング11の内径面に隙間を介してフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に設けられている。
入力軸22は、その一端部がスプライン嵌合によりロータ13のモータ回転軸14に接続されてモータ部10により回転駆動されるようになっており、その他端部の2箇所に偏心軸部23が設けられている。
偏心軸部23は、入力軸22の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部23は、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部23のそれぞれの外径面に転がり軸受28が嵌合されている。
一対の偏心軸部23を設けた入力軸22には、一対の偏心軸部23を挟むように一対のカウンタウェイト55を、周方向に180°位相をずらして設けている。
一対の曲線板24は、それぞれ転がり軸受28によって入力軸22に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形24aはトロコイド曲線歯形とされている。図10に示すように、曲線板24には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔24bが等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔24bのそれぞれに内ピン29が余裕をもって挿入され、その内ピン29に回転自在に支持されたころ29aの外周一部がピン孔24bの内周一部に接触している。
減速部20は、上記のように、一対の偏心軸部23に回転自在に保持される公転部材としての一対の曲線板24と、曲線板24の外周部の波形歯形24aに係合する複数の外ピン25と、曲線板24の自転運動を出力する出力軸26と、一対の曲線板24の隙間に取り付けられてこれら曲線板24の端面に当接して曲線板の傾きを防止するセンターカラー24cとを備える。
出力軸26は、フランジ部26aと軸部26bとを有する。フランジ部26aには、出力軸26の回転軸線Oを中心とする円周上に、内ピン29が等間隔に固定されている。軸部26bの外径面には、車輪ハブ30が固定されている(図7参照)。
外ピン25は、図10に示すように、入力軸22の回転軸線Oの円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板24が公転運動すると、外周の波形歯形24aと外ピン25とが係合して、曲線板24に自転運動を生じさせる。
ケーシング11に配設された外ピン25は、ケーシング11に直接保持されているわけではなく、図9に示すように、ケーシング11の内壁に対してフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に保持されている。より具体的には、外ピン25は、軸方向両端部が外ピンハウジング50に対して針状ころ軸受51によって回転自在に支持されている。このように、外ピン25を外ピンハウジング50に対して回転自在にすることにより、2枚の曲線板24との係合による接触抵抗を低減することができる。
外ピンハウジング50は、円筒部50aと、円筒部50aの軸方向両端部から径方向内側に延びる一対のリング部50bとを備えている。
外ピンハウジング50の一対のリング部50bの内周には、出力軸26が軸受52を介して回転自在に支持されている。また、出力軸26のフランジ部26aの内径面と入力軸22の外径面とは、軸受53を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板24は、出力軸26の対向するフランジ部26a間に組み込まれている。また、出力軸26の対向するフランジ部26aには、組み込まれた曲線板24のピン孔24bを貫通する内ピン29の両端が支持されている。
出力軸26の対向するフランジ部26aに支持された複数の内ピン29は、入力軸22の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板24との摩擦抵抗を低減するために、2枚の曲線板24の各ピン孔24bの内壁面に当接する位置にそれぞれ針状ころ軸受29aが設けられている。ピン孔24bの内径寸法は、内ピン29の外径寸法(「針状ころ軸受29aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
外ピンハウジング50の径方向内側に延びる一対のリング部50bには、それぞれ厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔50cが設けられている。外ピン保持孔50cは、それぞれ入力軸22の回転軸線Oと平行な方向に延びて、針状ころ軸受51の外輪51aを保持している。また、一対のリング部50bの対応する外ピン保持孔50cは、周方向の同位置に設けられて互いに対面している。即ち、1対の外ピン保持孔50cの中心軸線は一致し、外ピンハウジング50をケーシング11に取り付けると、この外ピン保持孔50cの中心軸線は、入力軸22の回転軸線Oと平行になる。
これにより、外ピン25を入力軸22の回転軸線Oと平行に保持することができる。なお、外ピン保持孔50cは同時加工で同時に形成することができるので、対向する外ピン保持孔50cの中心軸線を比較的簡単に一致させることができる。
また、インホイールモータ駆動装置Aの軽量化の観点から、ケーシング11は、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成する。一方、高い強度が求められる外ピンハウジング50は、炭素鋼で形成するのが望ましい。
図9に示すように、外ピンハウジング50のリング部50bの側面には、外ピン25の軸方向の抜け出しを防止するために、外ピンスラストプレート50dが固定されている。
図7に示すように、車輪ハブ30は、出力軸26の軸部26bの外径面に固定連結された内輪部材32と、内輪部材32をケーシング11に対して回転自在に保持する外輪部材33とを備える。内輪部材32と外輪部材33とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材32と外輪部材33の間に複列の転動体34を設置している。内輪部材32には、フランジ部35が一体に設けられ、フランジ部35にはボルト36によって駆動輪4が固定連結される(図2参照)。
上記構成のインホイールモータ駆動装置Aの作動原理を詳しく説明する。
モータ部10は、例えば、ステータ12のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ13が回転する。
これにより、ロータ13に接続されたモータ回転軸14が回転すると、曲線板24はモータ回転軸14の回転軸線Oを中心として公転運動する。このとき、外ピン25が、曲線板24の曲線形状の波形と転がり接触するよう係合して、曲線板24をモータ回転軸14の回転とは逆向きに自転運動させる。
曲線板24のピン孔24bに挿通する内ピン29の外径は、ピン孔24bの内径よりも小さく、曲線板24の自転運動に伴ってピン孔24bの内壁面と当接する。これにより、曲線板24の公転運動が内ピン29に伝わらず、曲線板24の自転運動のみが出力軸26を介して車輪ハブ30に伝達される。
このとき、回転軸線Oと同軸に配置された出力軸26は、減速部20の出力軸として曲線板24の自転を取り出し、モータ回転軸14の回転が減速部20によって減速されて出力軸26に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部10を採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速部20の減速比は、外ピン25の数をZ、曲線板24の波形の数をZとすると、(Z−Z)/Zで算出される。図10に示す実施形態では、Z=12、Z=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速部20を採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置Aを得ることができる。また、外ピン25を外ピンハウジング50に対して回転自在とし、内ピン29の曲線板24に当接する位置に針状ころ軸受29aを設けたことにより、摩擦抵抗が低減されるので、減速部20の伝達効率が向上する。
なお、前記の実施形態においては、減速部20の曲線板24を180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
また、前記の実施形態における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力がモータ部10から駆動輪に伝達される。したがって、上述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。
また、前記の実施形態における作動の説明では、モータ部10に電力を供給してモータ部10を駆動させ、モータ部10からの動力を駆動輪に伝達させたが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、駆動輪側からの動力を減速部20で高回転低トルクの回転に変換してモータ部10に伝達し、モータ部10で発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後でモータ部10を駆動させたり、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いてもよい。
また、前記の実施形態においては、モータ部10にケーシング11に固定されるステータ12と、ステータ12の内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータ13とを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータが適用可能である。例えばステータとロータとが軸方向に開いた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
さらに、この発明に係るインホイールモータ駆動装置Aにおいては、サイクロイド式の減速機を採用した例を示したが、これに限ることなく、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機を適用可能であり、また、減速機を採用しない、所謂ダイレクトモータタイプであってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1 電気自動車
2 車体
2a ホイールハウス
3 前輪
4 駆動輪
5 サスペンション
5a アッパーアーム
5b ロアアーム
6a、6b、6c、6d ピボット軸
7 ケーブル
10 モータ部
11 ケーシング
12 ステータ
13 ロータ
14 モータ回転軸
15 軸受
20 減速部
22 入力軸
23 偏心軸部
24 曲線板
24a 波形歯形
24b ピン孔
24c センターカラー
25 外ピン
26 出力軸
26a フランジ部
26b 軸部
28 転がり軸受
29 内ピン
29a 軸受
30 車輪ハブ
32 内輪部材
33 外輪部材
34 転動体
35 フランジ部
36 ボルト
41 オイルタンク
43 油路
44 モータ回転軸油路
45 減速部入力軸油路
48 帰還通路
49 排出口
50 外ピンハウジング
50a 円筒部
50b リング部
50c 外ピン保持孔
50d 外ピンスラストプレート
51 軸受
51a 外輪
52 軸受
53 軸受
55 カウンタウェイト
61 潤滑油ポンプ
62 インナーロータ
62a 歯先部分
62b 歯溝部分
63 アウターロータ
63a 歯先部分
63b 歯溝部分
64 ポンプ室
65 吸入口
66 吐出口
67 ポンプケース
71a、71b 結束部材
72a、72b 吊り下げ部材
72c ピボット軸
73 ガード板
74 ばね
75 整流板
76 緩衝部材
A インホイールモータ駆動装置
O 回転軸線
c1 回転中心
c2 回転中心

Claims (8)

  1. ケーシングの内部に駆動力を発生させる電動モータと、前記電動モータの回転を車輪に伝達する車輪ハブと、車体にサスペンションアームを介して支持された前記ケーシングの前記モータ部と、車体に設置された電源部とを、動力線及び信号線を構成する複数本のケーブルによって接続しているインホイールモータ駆動装置において、ケーブルを保持する保持部材を設け、前記サスペンションアームと車体とに、吊り下げ部材を介して前記保持部材を支持したことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
  2. 前記保持部材が、ケーブルに対して軸方向に摺動可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. サスペンションアームに取り付けられた、前記保持部材の吊り下げ部材が、ピボット軸により保持部材と回転可能に連結されている請求項1又は2記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 車体に取り付けられた保持部材が、ばね等の弾性部材によって揺動可能に設けられている請求項1〜3のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 前記保持部材の下面に、ケーブルを飛来物から保護するガード板が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  6. 車体の下面に整流板を設け、この整流板と車体との間に前記ケーブルを配置した請求項1〜5のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  7. 前記整流板と保持部材との間に、緩衝部材が取り付けられている請求項6に記載のインホイールモータ駆動装置。
  8. 請求項1乃至7のインホイールモータ駆動装置を用いた車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018143144A1 (ja) * 2017-02-03 2018-08-09 Ntn株式会社 インホイールモータ用動力線固定構造
CN108688459A (zh) * 2017-03-31 2018-10-23 Ntn株式会社 轮内电动机电线的配线结构
CN112356655A (zh) * 2020-09-30 2021-02-12 江苏金陵智造研究院有限公司 一种独立悬挂减振一体化的差速驱动轮装置及其控制方法

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