JP2015074325A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 寒冷環境下において長時間停止状態で放置してもオイルタンク41内の潤滑油が流動点以下の温度になり難いインホイールモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】 ケーシング11の内部に駆動力を発生させるモータ部10と、モータ部10の回転を減速部20を介して車輪に伝達する車輪ハブ30とを備え、前記ケーシング11に、モータ部10および減速部20に循環させる潤滑油回路とオイルタンク41を設けたインホイールモータ駆動装置において、前記オイルタンク41を断熱構造にすることにより、保温性を高め、寒冷環境下で長時間停止状態で放置したとしても、オイルタンク41に溜まった潤滑油が流動点以下になり難く、始動時にオイルタンク41内の潤滑油によって正常な潤滑が行えるようにした。
【選択図】 図3

Description

この発明は、寒冷環境下で長時間停止状態で放置したとしても潤滑油による潤滑が正常に行なえるインホイールモータ駆動装置に関する。
インホイールモータ駆動装置は、自動車のホイールの内側空間部分に設置されるものであり、特開2011−79484号公報(特許文献1)に示す構造のものが知られている。
この特許文献1に示すインホイールモータ駆動装置は、図11に示すように、モータ部110のモータ回転軸114と車輪ハブ130とをサイクロイド式の減速部120を介して同軸上に直列に連結した構造になっている。
インホイールモータ駆動装置は、駆動力を発生させるモータ部110と、モータ部110の回転を減速して出力する減速部120と、減速部120からの出力を図示しない駆動輪に伝える車輪ハブ130とを備える。
モータ部110と減速部120は、ケーシング111に収容されている。
ケーシング111には、潤滑油を吐出する潤滑油ポンプ161が設けられている。ケーシング111には、潤滑油ポンプ161の油路143が設けられ、この油路143と、モータ回転軸114に設けられるモータ回転軸油路144と、入力軸122に設けられる減速部入力軸油路145とが相互に接続され、潤滑油ポンプ161から吐出される潤滑油が、ケーシング111に設けられる油路143、モータ回転軸油路144、減速部入力軸油路145、モータ部110の内部および減速部120の内部を循環して流れる潤滑油回路を構成している。
これにより、潤滑油が、モータ回転軸油路144からモータ部110の内部、および減速部入力軸油路145から減速部120の内部へと供給される軸心給油を実現して、モータ部110および減速部120を効果的に潤滑している。
減速部120の下部に潤滑油のオイルタンク141が設けられ、オイルタンク141内の潤滑油を潤滑油ポンプ161によって吸い込み、モータ部110と減速部120に潤滑油を供給している。
モータ部110内に流入した潤滑油も、モータ部110のケーシング111の下部とオイルタンク141とを繋ぐ油路142からオイルタンク141に送られる。
特開2011−79484号公報
ところで、寒冷環境下において長時間停止状態で放置した場合、オイルタンク141内の潤滑油の温度が流動点以下の温度になり、潤滑油ポンプ161による吸い込みが正常に行えない可能性がある。
したがって、寒冷環境下においては、始動時に潤滑油回路に潤滑油が正常に流れず、潤滑不良を起こす懸念がある。そのためインホイールモータ駆動装置の性能を始動直後から充分に発揮するすることができない懸念が生じる。
そこで、この発明は、寒冷環境下において長時間停止状態で放置してもオイルタンク内の潤滑油が流動点以下の温度になり難いインホイールモータ駆動装置を提供することを課題とするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、ケーシングの内部に駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速部を介して車輪に伝達する車輪ハブとを備え、前記ケーシングに、モータ部および減速部に循環させる潤滑油回路とオイルタンクを設けたインホイールモータ駆動装置において、前記オイルタンクを断熱構造にしたことを特徴とする。
前記オイルタンクの断熱構造は、オイルタンクの外面又は内面に、断熱材を貼り付け又は断熱塗料を塗布することにより得ることができる。
前記オイルタンクの潤滑油を昇温するヒータと、このヒータを制御する制御器とを備えることにより、潤滑油を予め暖めておくことにより、乗車後、暖機時間を設けなくても直ぐに運転を開始することができる。
前記ヒータの駆動制御を外部から遠隔操作によって行えるようにしてもよい。
以上のように、この発明によれば、オイルタンクを断熱構造にして保温性を高めているので、寒冷環境下で長時間停止状態で放置したとしても、オイルタンクに溜まった潤滑油が流動点以下になり難く、始動時にオイルタンク内の潤滑油によって正常な潤滑が行え、インホイールモータ駆動装置を始動直後から性能を十分に発揮することができる。
インホイールモータ駆動装置を有する電気自動車の概略平面図である。 ホイールハウス内にこの発明の実施形態のインホイールモータ駆動装置を搭載した状態を示す概略図である。 インホイールモータ駆動装置の実施形態を示す縦断面図である。 この発明の実施形態のインホイールモータ駆動装置に設置したヒータの制御の一例を示すフローチャートである。 この発明の実施形態のインホイールモータ駆動装置に設置したヒータの制御の他の例を示すフローチャートである。 この発明の実施形態のインホイールモータ駆動装置に設置したヒータの制御の他の例を示すフローチャートである。 図6のタイマー制御のフローチャートである。 図3の潤滑油ポンプを軸方向から見た図である。 図3のインホイールモータ駆動装置の減速部の拡大図である。 図3のX−X線に沿った縦断側面図である。 従来のインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車1は、図1に示すように、シャーシ2と、操舵輪としての前輪3と、駆動輪4(後輪)と、左右の駆動輪4それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置Aとを備える。駆動輪4は、図2に示すように、シャーシ2のホイールハウス2aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)5を介してシャーシ2に支持されている。インホイールモータ駆動装置Aの搭載形態としては、図1に示す後輪駆動方式の他に、前輪駆動方式でも四輪駆動方式のいずれでも構わない。
懸架装置5は、左右に伸びるサスペンションアーム5aによって駆動輪4を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラット5bによって、駆動輪4が地面から受ける振動を吸収してシャーシ2への振動の伝達を抑制している。懸架装置5は、路面の凹凸に対する追従性を向上し、駆動輪4の駆動力を効率良く路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式とするのが望ましい。
この電気自動車1は、ホイールハウス2a内部に、左右の駆動輪4それぞれを駆動するインホイールモータ駆動装置Aを収容することによって、シャーシ2上にモータ、ドライブシャフト、およびデファレンシャルギヤ機構等を設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の駆動輪の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
インホイールモータ駆動装置Aは、図3に示すように、駆動力を発生させるモータ部10と、モータ部10の回転を減速して出力する減速部20と、減速部20からの出力を図示しない駆動輪に伝える車輪ハブ30とを備える。
モータ部10は、回転を出力するモータ回転軸14を有し、ケーシング11に収容されている。
減速部20は、ケーシング11に収容され、モータ回転軸14と連結する入力軸22と出力軸26とを有し、入力軸22の回転を減速して出力軸26に伝達している。
車輪ハブ30は、減速部20の出力軸26に固定連結され、ケーシング11に回転自在に支持されている。
ケーシング11には、潤滑油を吐出する潤滑油ポンプ61が設けられている。ケーシング11には、潤滑油ポンプ61の油路43が設けられ、この油路43と、モータ回転軸14に設けられるモータ回転軸油路44と、入力軸22に設けられる減速部入力軸油路45とが相互に接続され、潤滑油ポンプ61から吐出される潤滑油が、ケーシング11に設けられる油路43、モータ回転軸油路44、減速部入力軸油路45、モータ部10の内部および減速部20の内部を循環して流れることにより、モータ部10および減速部20を潤滑する潤滑油回路を構成している。
これにより、潤滑油が減速部入力軸油路45から減速部20の内部へ供給される軸心給油を実現して、減速部20を効果的に潤滑している。
モータ部10は、図3に示すように、例えば、ケーシング11の内周面にステータ12を設け、このステータ12の内周に間隔をおいてロータ13を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ13は、モータ回転軸14を中心部に有し、そのモータ回転軸14は減速部20の入力軸22と接続して減速部20のモータ回転軸14内に挿入され、軸受15によってケーシング11に対して回転自在に支持されている。
減速部20の下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油を潤滑油ポンプ61によって吸い込み、モータ部10と減速部20に潤滑油を供給している。
潤滑油の帰還通路48は、減速部20のケーシング11の底部に設けられた排出口49、オイルタンク41を経て潤滑油ポンプ61の吸入口に至る通路により構成される。
モータ部10内に流入した潤滑油も、モータ部10のケーシング11の下部とオイルタンク41とを繋ぐ油路42からオイルタンク41に送られる。
オイルタンク41は、断熱構造にして保温性を高めている。これにより、寒冷環境下で長時間停止状態で放置したとしても、オイルタンク41に溜まった潤滑油が流動点以下になり難く、始動時にオイルタンク41内の潤滑油によって正常な潤滑が行える。
オイルタンク41を断熱構造にするには、オイルタンク41の外面又は内面に、グラスウール、フェノールフォーム、真空断熱材等の断熱材71を貼り付けたり、断熱塗料を塗布する方法を採用することができる。
図3は、断熱材71をオイルタンク41の外面にボルト72によって着脱自在に貼り付けた例を示している。
断熱材71を着脱可能にすることにより、使用環境に応じて、例えば、夏季などには断熱材71を取り外しておくことができる。
オイルタンク41は、上記のように、断熱構造によって保温性が高められているが、オイルタンク41内の潤滑油を昇温するヒータ73を、オイルタンク41の内部又は周辺部に設置することにより、始動時の潤滑性能を高めることができる。
ヒータ73は、温度計又は温度センサの備える制御器74によって、油温設定・起動・停止等を制御する。
例えば、タイマー設定により、朝の出社時間に合わせてヒータ73を駆動させてオイルタンク41の潤滑油を暖めておくことにより、乗車後、暖機時間を設けなくても直ぐに運転を開始することができる。
また、ヒータ73の制御器74を、遠隔操作、例えば、携帯電話、パソコンなどの通信機器、家庭内に設置された充電管理ユニットにより、車外から操作可能にすると、乗車前に予め暖機できるので、乗車後、暖機時間を設ける必要がなくなる。
また、ヒータ73は、車内部のバッテリー以外に外部の電源によっても駆動するようにすると、車内部のバッテリーの使用を抑制することができる。
例えば、外部電源に接続され、外部電源によってヒータ73を駆動する場合には、図4に示す制御フローによって、ヒータ73の駆動制御が行われる。
まず、オイルタンク41内の潤滑油の油量が所定の閾値を超えているかどうかをチェックし(S1)、所定量がなければ警告を発する(S2)。
オイルタンク41内の潤滑油の油量が所定量を超えていると、潤滑油の油温が設定下限値以下かどうかをチェックし(S3)、油温が設定下限値以下であると、ヒータ73を起動する(S4)。
この後、潤滑油の油温が設定上限値に達するかどうかをチェックし(S5)、油温が設定上限値を超えるまでは、ヒータ73を起動し、油温が設定上限値を超えると、ヒータ73の起動を停止する(S6)。
次に、外部電源が未接続で、車内のバッテリーのみでヒータ73を駆動する場合には、車内のバッテリーを保護するために、例えば、図5に示す制御フローによってヒータ73の駆動制御を行う。
まず、オイルタンク41内の潤滑油の油量が所定の閾値を超え、かつ、油温が設定下限値以下で、かつ、バッテリー残量が所定の閾値を超えているかどうかをチェックし(S7)、所定量がなければ警告を発し(S8)、S7のチェックが全て満足する場合に、S9に移行し、ヒータ73を起動する。
この後、潤滑油の油温が設定上限値に達するかどうかをチェックし(S10)、油温が設定上限値を超えるまでは、S7のチェックを行いながらヒータ73を起動し、油温が設定上限値を超えると、ヒータ73の起動を停止する(S11)。
次に、タイマーを設定して行う制御フローを図6、図7に基づいて説明する。
まず、オイルタンク41内の潤滑油の油量が所定の閾値を超えているかどうかをチェックし(S12)、所定量がなければ警告を発する(S13)。
オイルタンク41内の潤滑油の油量が所定量を超えていると、潤滑油の油温が設定下限値以下かどうかをチェックし(S14)、油温が設定下限値以下であると、ヒータ73を起動する(S15)。
この後、タイマー設定があるかどうかをチェックし(S16)、タイマー設定があると判断した場合には、図7に示すタイマー制御フローに移行する。
このタイマー制御においては、まず、タイマーの設定時間が終了したかどうかをチェックし(S17)、設定時間が過ぎると、ヒータ73を停止し(S18)、ヒータ73の停止表示を行う(S19)。
S17において設定時間が終了するまでの間は潤滑油の油温が設定上限値に達するかどうかをチェックし(S20)、油温が設定上限値を超えるまでは、ヒータ73を起動し、油温が設定上限値を超えると、ヒータ73の起動を停止し(S21)、タイマー制御を終了する。
図6の制御フローのS16において、タイマー設定がないと判断した場合には、S22において潤滑油の油温が設定上限値に達するかどうかをチェックし、油温が設定上限値を超えるまでは、ヒータ73を起動し、油温が設定上限値を超えるとヒータ73を停止する(S23)。
また、外部ポンプ(図示省略)を設置し、この外部ポンプによって、停車中にヒータ73によって昇温したオイルタンク41内の潤滑油を循環させるようにすると、車両をスムーズに発信させることが可能になる。
次に、潤滑油ポンプ61は、図8に示すように、減速部20の出力軸26の回転を利用して回転するインナーロータ62と、インナーロータ62の回転に伴って従動回転するアウターロータ63と、ポンプ室64と、帰還通路48に連通する吸入口65と、油路43に連通する吐出口66とを備えるサイクロイドポンプである。
インナーロータ62は、外径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分62aの形状がエピサイクロイド曲線、歯溝部分62bの形状がハイポサイクロイド曲線となっている。このインナーロータ62は、出力軸26と一体回転する。
アウターロータ63は、内径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分63aの形状がハイポサイクロイド曲線、歯溝部分63bの形状がエピサイクロイド曲線となっている。このアウターロータ63は、ポンプケース67に回転自在に支持されている。
インナーロータ62は、回転中心c1を中心として回転する。一方、アウターロータ63は、インナーロータの回転中心c1と異なる回転中心c2を中心として回転する。また、インナーロータ62の歯数をnとすると、アウターロータ63の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=5としている。
インナーロータ62とアウターロータ63との間の空間には、複数のポンプ室64が設けられている。そして、インナーロータ62が出力軸26の回転を利用して回転すると、アウターロータ63は従動回転する。このとき、インナーロータ62およびアウターロータ63はそれぞれ異なる回転中心c1、c2を中心として回転するので、ポンプ室64の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口65から流入した潤滑油が吐出口66から油路43に圧送される。
減速部20は、図9及び図10に示すように、サイクロイド式を採用している。この減速部20は、入力軸22の2箇所に設けられた偏心軸部23によって2枚の曲線板24を回転自在に支持し、その曲線板24の外周に形成された波形歯形24aを減速部20のケーシング11の内側に配設された外ピン25に噛合し、上記入力軸22の回転により曲線板24を偏心揺動運動させ、その曲線板24の自転を入力軸22と同軸上に配置された出力軸26から出力し、車輪ハブ30を回転させている(図3参照)。
減速部20のケーシング11の内側に配設された外ピン25の数は、曲線板24の外周の波形歯形24aより多い。
外ピン25は、減速部20のケーシング11の内径面に隙間を介してフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に設けられている。
入力軸22は、その一端部がスプライン嵌合によりモータ部10のモータ回転軸14に接続されてモータ部10により回転駆動されるようになっており(図3参照)、その他端部の2箇所に偏心軸部23が設けられている。
偏心軸部23は、入力軸22の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部23は、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部23のそれぞれの外径面に転がり軸受28が嵌合されている。
一対の偏心軸部23を設けた入力軸22には、一対の偏心軸部23を挟むように一対のカウンタウェイト55を、周方向に180°位相をずらして設けている。
一対の曲線板24は、それぞれ転がり軸受28によって入力軸22に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形24aはトロコイド曲線歯形とされている。図10に示すように、曲線板24には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔24bが等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔24bのそれぞれに内ピン29が余裕をもって挿入され、その内ピン29に回転自在に支持されたころ29aの外周一部がピン孔24bの内周一部に接触している。
減速部20は、図9に示すように、偏心軸部23に回転自在に保持される公転部材としての曲線板24と、曲線板24の外周部の波形歯形24aに係合する複数の外ピン25と、曲線板24の自転運動を出力する出力軸26と、2枚の曲線板24の隙間に取り付けられてこれら曲線板24の端面に当接して曲線板の傾きを防止するセンターカラー24cとを備える。
出力軸26は、フランジ部26aと軸部26bとを有する。フランジ部26aには、出力軸26の回転軸線Oを中心とする円周上に、内ピン29が等間隔に固定されている。軸部26bの外径面には、車輪ハブ30が固定されている(図3参照)。
外ピン25は、図10に示すように、入力軸22の回転軸線Oの円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板24が公転運動すると、外周の波形歯形24aと外ピン25とが係合して、曲線板24に自転運動を生じさせる。
ケーシング11に配設された外ピン25は、ケーシング11に直接保持されているわけではなく、図9に示すように、ケーシング11の内壁に対してフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に保持されている。より具体的には、外ピン25は、軸方向両端部が外ピンハウジング50に対して針状ころ軸受51によって回転自在に支持されている。このように、外ピン25を外ピンハウジング50に対して回転自在にすることにより、曲線板24との係合による接触抵抗を低減することができる。
外ピンハウジング50は、円筒部50aと、円筒部50aの軸方向両端部から径方向内側に延びる一対のリング部50bとを備えている。
外ピンハウジング50の一対のリング部50bの内周には、出力軸26が軸受52を介して回転自在に支持されている。また、出力軸26のフランジ部26aの内径面と入力軸22の外径面とは、軸受53を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板24は、出力軸26の対向するフランジ部26a間に組み込まれている。また、出力軸26の対向するフランジ部26aには、組み込まれた曲線板24のピン孔24bを貫通する内ピン29の両端が支持されている。
出力軸26の対向するフランジ部26aに支持された複数の内ピン29は、入力軸22の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板24との摩擦抵抗を低減するために、曲線板24のピン孔24bの内壁面に当接する位置に針状ころ軸受29aが設けられている。ピン孔24bの内径寸法は、内ピン29の外径寸法(「針状ころ軸受29aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
外ピンハウジング50の径方向内側に延びる一対のリング部50bには、それぞれ厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔50cが設けられている。外ピン保持孔50cは、それぞれ入力軸22の回転軸線Oと平行な方向に延びて、針状ころ軸受51の外輪51aを保持している。また、一対のリング部50bの対応する外ピン保持孔50cは、周方向の同位置に設けられて互いに対面している。即ち、1対の外ピン保持孔50cの中心軸線は一致し、外ピンハウジング50をケーシング11に取り付けると、この外ピン保持孔50cの中心軸線は、入力軸22の回転軸線Oと平行になる。
これにより、外ピン25を入力軸22の回転軸線Oと平行に保持することができる。なお、外ピン保持孔50cは同時加工で同時に形成することができるので、対向する外ピン保持孔50cの中心軸線を比較的簡単に一致させることができる。
また、インホイールモータ駆動装置Aの軽量化の観点から、ケーシング11は、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成する。一方、高い強度が求められる外ピンハウジング50は、炭素鋼で形成するのが望ましい。
図9に示すように、外ピンハウジング50のリング部50bの側面には、外ピン25の軸方向の抜け出しを防止するために、外ピンスラストプレート50dが固定されている。
図3に示すように、車輪ハブ30は、出力軸26の軸部26bの外径面に固定連結された内輪部材32と、内輪部材32をケーシング11に対して回転自在に保持する外輪部材33とを備える。内輪部材32と外輪部材33の間に複列の転動体34を設置し、内輪部材32と外輪部材33と複列の転動体34とは複列アンギュラ玉軸受を構成している。内輪部材32には、フランジ部35が一体に設けられ、フランジ部35にはボルト36によって駆動輪4が固定連結される(図2参照)。
上記構成のインホイールモータ駆動装置Aの作動原理を詳しく説明する。
モータ部10は、例えば、ステータ12のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ13が回転する。
これにより、ロータ13に接続されたモータ回転軸14が回転すると、曲線板24はモータ回転軸14の回転軸線Oを中心として公転運動する。このとき、外ピン25が、曲線板24の曲線形状の波形と転がり接触するよう係合して、曲線板24をモータ回転軸14の回転とは逆向きに自転運動させる。
曲線板24のピン孔24bに挿通する内ピン29の外径は、ピン孔24bの内径よりも小さく、曲線板24の自転運動に伴ってピン孔24bの内壁面と当接する。これにより、曲線板24の公転運動が内ピン29に伝わらず、曲線板24の自転運動のみが出力軸26を介して車輪ハブ30に伝達される。
このとき、回転軸線Oと同軸に配置された出力軸26は、減速部20の出力軸として曲線板24の自転を取り出し、モータ回転軸14の回転が減速部20によって減速されて出力軸26に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部10を採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速部20の減速比は、外ピン25の数をZ、曲線板24の波形の数をZとすると、(Z−Z)/Zで算出される。図10に示す実施形態では、Z=12、Z=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速部20を採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置Aを得ることができる。また、外ピン25を外ピンハウジング50に対して回転自在とし、内ピン29の曲線板24に当接する位置に針状ころ軸受29aを設けたことにより、摩擦抵抗が低減されるので、減速部20の伝達効率が向上する。
なお、前記の実施形態においては、減速部20の曲線板24を180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
また、前記の実施形態における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力がモータ部10から駆動輪4に伝達される。したがって、上述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。
また、前記の実施形態における作動の説明では、モータ部10に電力を供給してモータ部10を駆動させ、モータ部10からの動力を駆動輪4に伝達させたが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、駆動輪4側からの動力を減速部20で高回転低トルクの回転に変換してモータ部10に伝達し、モータ部10で発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後でモータ部10を駆動させたり、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いてもよい。
また、前記の実施形態においては、モータ部10にケーシング11に固定されるステータ12と、ステータ12の内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータ13とを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータが適用可能である。例えばステータとロータとが軸方向に開いた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
さらに、この発明に係るインホイールモータ駆動装置Aにおいては、サイクロイド式の減速機を採用した例を示したが、これに限ることなく、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、インホイールモータ駆動装置Aと内燃機関とを併用したハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1 :電気自動車
2 :シャーシ
2a :ホイールハウス
3 :前輪
4 :駆動輪
5 :懸架装置
5a :サスペンションアーム
5b :ストラット
10 :モータ部
11 :ケーシング
12 :ステータ
13 :ロータ
14 :モータ回転軸
15 :軸受
20 :減速部
22 :入力軸
23 :偏心軸部
24 :曲線板
24a :波形歯形
24b :ピン孔
24c :センターカラー
25 :外ピン
26 :出力軸
26a :フランジ部
26b :軸部
28 :転がり軸受
29 :内ピン
29a :軸受
30 :車輪ハブ
32 :内輪部材
33 :外輪部材
34 :転動体
35 :フランジ部
36 :ボルト
41 :オイルタンク
42 :油路
43 :油路
44 :モータ回転軸油路
45 :減速部入力軸油路
48 :帰還通路
49 :排出口
50 :外ピンハウジング
50a :円筒部
50b :リング部
50c :外ピン保持孔
50d :外ピンスラストプレート
51 :軸受
51a :外輪
52 :軸受
53 :軸受
55 :カウンタウェイト
61 :潤滑油ポンプ
62 :インナーロータ
62a :歯先部分
62b :歯溝部分
63 :アウターロータ
63a :歯先部分
63b :歯溝部分
64 :ポンプ室
65 :吸入口
66 :吐出口
67 :ポンプケース
71 :断熱材
72 :ボルト
73 :ヒータ
74 :制御器
A :インホイールモータ駆動装置

Claims (6)

  1. ケーシングの内部に駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速部を介して車輪に伝達する車輪ハブとを備え、前記ケーシングに、モータ部および減速部に循環させる潤滑油回路とオイルタンクを設けたインホイールモータ駆動装置において、前記オイルタンクが断熱構造であることを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
  2. 前記オイルタンクの外面又は内面に、断熱材を貼り付け又は断熱塗料を塗布することにより、オイルタンクを断熱構造にしたことを特徴とする請求項1記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記オイルタンクの潤滑油を昇温するヒータを備えることを特徴とする請求項1又は2記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記ヒータを温度計又は温度センサの備える制御器によって油温設定・起動・停止を行うことを特徴とする請求項3記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 停車時に前記ヒータを駆動させ、昇温した潤滑油を潤滑油回路に供給することを特徴とする請求項3又は4に記載のインホイールモータ駆動装置。
  6. 前記ヒータの駆動制御を外部から遠隔操作によって行えるようにしたことを特徴とする請求項3〜5のいずれかの項に記載のインホイールモータ駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019122167A (ja) * 2018-01-09 2019-07-22 東洋電機製造株式会社 回転機
JP2020156275A (ja) * 2019-03-22 2020-09-24 三菱自動車工業株式会社 車両用モータの温度制御装置

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