JP2016164429A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力軸支持軸受と偏心軸受に潤滑油を過不足なく供給して高速回転下での焼付きなどの損傷を防止する。【解決手段】モータ部Aと、減速機部Bと、車輪用軸受部Cと、モータ部Aおよび減速機部Bを収容するケーシング22と、回転ポンプ51によりケーシング22の油路22aからモータ部Aのモータ回転軸24を経由して減速機部Bの減速機入力軸25へ潤滑油を供給する潤滑機構とを備えたインホイールモータ駆動装置であって、潤滑機構は、減速機入力軸25の内部に軸方向に沿って形成された油路25cと、油路の上流側と下流側の二箇所に配置され、入力軸支持軸受37a,37bに至る油孔25d,25fと、油孔25d,25f間に位置する偏心部25a,25bに配置され、偏心軸受41に至る油孔25eとを備え、油孔25eによる総給油量が、油孔25d,25fによる入力軸支持軸受37a,37bへの総給油量よりも多くする。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、電動モータの出力軸と車輪用軸受とを減速機を介して連結したインホイールモータ駆動装置に関する。
従来のインホイールモータ駆動装置は、例えば、特許文献1に開示された構造のものがある。この特許文献1のインホイールモータ駆動装置は、駆動力を発生させるモータ部と、車輪に接続される車輪用軸受部と、モータ部と車輪用軸受部との間に配置され、モータ部の回転を減速して車輪用軸受部に伝達する減速機部とを備えている。モータ部および減速機部はケーシングに収容されている。
前述の構成からなるインホイールモータ駆動装置において、装置のコンパクト化の観点から、モータ部には低トルクで高回転の小型モータが採用されている。一方、車輪用軸受部で車輪を駆動するために大きなトルクが必要となることから、減速機部には、コンパクトで高い減速比が得られるサイクロイド減速機が採用されている。
このインホイールモータ駆動装置では、モータ部および減速機部に潤滑油を供給する潤滑機構が設けられている。潤滑機構は、モータ部に設けられ、潤滑油を圧送する回転ポンプと、ケーシングの下部に設けられ、潤滑油を一時的に貯溜する油タンクと、モータ部および減速機部に設けられた油路および油孔とを備え、潤滑油がモータ部および減速機部を循環する構造を有する。
この潤滑機構は、回転ポンプによりケーシングの油路からモータ回転軸の油路を経由してモータ部に潤滑油を供給すると共に、モータ回転軸の油路と連通する減速機入力軸の油路を経由して減速機部に潤滑油を供給する軸心給油構造を採用している。
この軸心給油構造では、モータ回転に伴うポンプ圧力および遠心力によって、モータ回転軸の油路を経由して供給された潤滑油をモータ部で吐出させることにより、モータ部の冷却が行われる。また、減速機入力軸の油路を経由して供給された潤滑油を減速機部で吐出させることにより、減速機部の冷却および潤滑が行われる。
ところで、前述した従来のインホイールモータ駆動装置の潤滑機構は、回転ポンプによりケーシングの油路からモータ回転軸の油路を経由してモータ部に潤滑油を供給すると共に、そのモータ回転軸の油路と連通する減速機入力軸の油路を経由して減速機部に潤滑油を供給する軸心給油構造となっている。
この軸心給油構造において、減速機部に潤滑油を供給する減速機入力軸の油路は、その減速機入力軸の内部に軸方向に沿って形成されている。また、その油路の上流側と下流側の二箇所に、減速機入力軸を支持する入力軸支持軸受に給油する油孔が形成されている。この油孔から吐出される潤滑油により入力軸支持軸受を冷却および潤滑する。また、それら二つの油孔間に位置する偏心部に、曲線板を支持する偏心軸受に給油する油孔が形成されている。この油孔から吐出される潤滑油により偏心軸受を冷却および潤滑する。
この入力軸支持軸受と偏心軸受は、減速機部のサイクロイド減速機において最も高速回転する軸受であることから、高速回転下で発熱により焼付きなどの損傷が発生することを未然に防止するため、これらの軸受には十分な潤滑油を供給することが必要である。この軸心給油構造では、入力軸支持軸受に給油する上流側の油孔、偏心軸受に給油する油孔、入力軸支持軸受に給油する下流側の油孔が減速機入力軸の油路に並設され、減速機入力軸に供給された潤滑油は、油路からそれぞれの油孔へ分配される構造となっている。
そのため、入力軸支持軸受に給油する上流側の油孔と偏心軸受に給油する油孔に潤滑油が偏ると、入力軸支持軸受に給油する下流側の油孔に十分な潤滑油が供給されないことになる。このような現象を回避するため、入力軸支持軸受に給油する上流側の油孔と、偏心軸受に給油する油孔と、入力軸支持軸受に給油する下流側の油孔とでは、必要とする潤滑油量が異なることから、これら油孔のそれぞれに供給される潤滑油量を過不足なく調整することが課題となっている。
そこで、本発明は前述の課題に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、入力軸支持軸受と偏心軸受に潤滑油を過不足なく供給することにより、高速回転下での焼付きなどの損傷を未然に防止し得るインホイールモータ駆動装置を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、モータ部と、減速機部と、車輪用軸受部と、モータ部および減速機部を収容するケーシングと、回転ポンプによりケーシングの油路からモータ部のモータ回転軸を経由して減速機部の減速機入力軸へ潤滑油を供給する軸心給油構造をなす潤滑機構とを備えたインホイールモータ駆動装置であって、潤滑機構は、減速機入力軸の内部に軸方向に沿って形成された油路と、その油路の上流側と下流側の二箇所に配置され、減速機入力軸を支持する入力軸支持軸受に給油する油孔と、二つの油孔間に位置する偏心部に配置され、曲線板を支持する偏心軸受に給油する油孔とを備え、偏心軸受に給油する油孔から吐出される総給油量が、入力軸支持軸受に給油する油孔から吐出される総給油量よりも常に多くなるように構成したことを特徴とする。なお、総給油量とは、油孔が複数個の場合、それぞれの油孔から吐出される給油量の合計を意味する。
本発明のインホイールモータ駆動装置では、偏心軸受が二つの入力軸支持軸受間に配置されていることから、その偏心軸受に作用する荷重は入力軸支持軸受に作用する荷重よりも大きい。そこで、本発明では、偏心軸受に給油する油孔から吐出される総給油量が、入力軸支持軸受に給油する油孔から吐出される総給油量よりも常に多くなるように構成したことにより、偏心軸受に十分な潤滑油が供給されるので、その偏心軸受において、高速回転下で発熱により焼付きなどの損傷が発生することを未然に防止できる。
本発明において、入力軸支持軸受に給油する油孔から吐出される総給油量は、偏心軸受に給油する油孔から吐出される総給油量の5%以上とした構成が望ましい。このようにすれば、入力軸支持軸受に供給される潤滑油量を確保することができるので、偏心軸受だけでなく入力軸支持軸受についても、高速回転下で発熱により焼付きなどの損傷が発生することを未然に防止できる。
本発明において、入力軸支持軸受に給油する油孔から吐出される総給油量は、偏心軸受に給油する油孔から吐出される総給油量の60%以下とした構成が望ましい。このようにすれば、偏心軸受と入力軸支持軸受の両方に焼付きなどの損傷が発生することをより一層確実に未然に防止できる。
本発明によれば、偏心軸受に給油する油孔から吐出される総給油量が、入力軸支持軸受に給油する油孔から吐出される総給油量よりも常に多くなるように構成したことにより、偏心軸受に十分な潤滑油が供給されるので、その偏心軸受おいて、高速回転下で発熱により焼付きなどの損傷が発生することを未然に防止できる。このように、潤滑油を減速機部に過不足なく供給することで、減速機部の冷却性能の向上が図れ、信頼性の高い長寿命のインホイールモータ駆動装置を提供することができる。
本発明に係るインホイールモータ駆動装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図6は、インホイールモータ駆動装置21を搭載した電気自動車11の概略平面図、図7は、電気自動車11を後方から見た概略断面図である。図6に示すように、電気自動車11は、シャシー12と、操舵輪としての前輪13と、駆動輪としての後輪14と、後輪14に駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを装備する。図7に示すように、後輪14は、シャシー12のホイールハウジング12aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)12bを介してシャシー12の下部に固定されている。
懸架装置12bは、左右に延びるサスペンションアームによって後輪14を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラットによって、後輪14が地面から受ける振動を吸収してシャシー12の振動を抑制する。さらに、左右のサスペンションアームの連結部分には、旋回時などの車体の傾きを抑制するスタビライザが設けられている。懸架装置12bは、路面の凹凸に対する追従性を向上させ、後輪14の駆動力を効率よく路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式としている。
電気自動車11は、ホイールハウジング12aの内部に、左右それぞれの後輪14を駆動するインホイールモータ駆動装置21を設けることによって、シャシー12上にモータ、ドライブシャフトおよびデファレンシャルギヤ機構などを設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の後輪14の回転をそれぞれ制御することができるという利点を有する。電気自動車11の走行安定性およびNVH特性を向上させるためにばね下重量を抑える必要があり、さらに、広い客室スペースを確保するためにインホイールモータ駆動装置21の小型化が求められる。
そこで、この実施形態のインホイールモータ駆動装置21は、以下の構造を具備する。図1はインホイールモータ駆動装置21の概略構成を示す縦断面図、図2は図1のP−P線に沿う断面図、図3は減速機部Bを示す拡大断面図、図4は曲線板26aに作用する荷重を示す説明図、図5は回転ポンプ51を示す横断面図である。なお、この実施形態の特徴的な構成を説明する前にインホイールモータ駆動装置21の全体構成を説明する。
図1に示すように、インホイールモータ駆動装置21は、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機部Bと、減速機部Bからの出力を駆動輪としての後輪14(図6および図7参照)に伝達する車輪用軸受部Cとを備え、モータ部Aと減速機部Bはケーシング22に収納されて、電気自動車11のホイールハウジング12a(図7参照)内に取り付けられる。ケーシング22は、モータ部Aが収容されたモータハウジングと減速機部Bが収容された減速機ハウジングとからなる分割構造で、ボルトにより締結一体化されている。
モータ部Aは、ケーシング22に固定されたステータ23aと、ステータ23aの径方向内側に隙間をもって対向するように配置されたロータ23bと、ロータ23bの径方向内側に配置されてロータ23bと一体回転するモータ回転軸24とを備えたラジアルギャップモータである。ステータ23aは磁性体コア23cの外周にコイル23dを巻回することによって構成され、ロータ23bは永久磁石または磁性体で構成されている。
モータ回転軸24は、径方向外側へ一体的に延びるホルダ部24dによりロータ23bが保持されている。このホルダ部24dは、ロータ23bが嵌め込み固定された凹溝を環状に形成した構成としている。モータ回転軸24は、その軸方向一方側端部(図1の右側)が転がり軸受36aに、軸方向他方側端部(図1の左側)が転がり軸受36bによって、ケーシング22に対して回転自在に支持されている。
減速機入力軸25は、その軸方向一方側略中央部(図1の右側)が転がり軸受37a(以下、入力軸支持軸受と称す)に、軸方向他方側端部(図1の左側)が転がり軸受37b(以下、入力軸支持軸受と称す)によって、減速機出力軸28に対して回転自在に支持されている。この減速機入力軸25は、減速機部B内に偏心部25a,25bを有する。2つの偏心部25a,25bは、偏心運動による遠心力を互いに打ち消し合うために、180°位相をずらして設けられている。減速機入力軸25と前述のモータ回転軸24とは、スプライン嵌合(セレーション嵌合も含む。以下、同じ)によって連結されてモータ部Aの駆動力が減速機部Bに伝達される。
減速機部Bは、減速機入力軸25の偏心部25a,25bに回転自在に保持される曲線板26a,26bと、その曲線板26a,26bの外周部に係合する複数の外ピン27と、曲線板26a,26bの自転運動を減速機出力軸28に伝達する運動変換機構と、偏心部25a,25bに隣接して減速機入力軸25に設けられたカウンタウェイト29とを備えたサイクロイド減速機である。
減速機出力軸28は、フランジ部28aと軸部28bとを有する。フランジ部28aには、減速機出力軸28の回転軸心を中心とする円周上に複数の内ピン31が等間隔に固定されている。また、軸部28bは車輪用軸受部Cの内方部材としてのハブ輪33aにスプライン嵌合によってトルク伝達可能に連結され、減速機部Bの出力を後輪14(図6および図7参照)に伝達する。この減速機出力軸28は、転がり軸受46bによって外ピンハウジング60に回転自在に支持されている。
図2および図3に示すように、曲線板26a,26bは、外周部にエピトロコイド等のトロコイド系曲線で構成される複数の波形を有し、一方側端面から他方側端面に貫通する貫通孔30a,30bを有する。貫通孔30aは、曲線板26a,26bの自転軸心を中心とする円周上に等間隔に複数個設けられており、前述の内ピン31を受け入れる。また、貫通孔30bは、曲線板26a,26bの中心に設けられており、偏心部25a,25bに嵌合する。曲線板26a,26bは、転がり軸受41(以下、偏心軸受と称す)によって偏心部25a,25bに対して回転自在に支持されている。
外ピン27は、減速機入力軸25の回転軸心を中心とする円周上に等間隔に設けられている。曲線板26a,26bが公転運動すると、曲線形状の波形と外ピン27とが係合して、曲線板26a,26bに自転運動を生じさせる。外ピン27は、針状ころ軸受27aによって外ピンハウジング60に回転自在に保持され、この外ピンハウジング60がケーシング22に回り止めされ、フローティング状態で支持されている。
カウンタウェイト29は、略扇形状で、減速機入力軸25と嵌合する貫通孔を有し、曲線板26a,26bの回転によって生じる不釣合い慣性偶力を打ち消すために、偏心部25a,25bと隣接する位置に偏心部25a,25bと180°位相をずらして配置される。2枚の曲線板26a,26b間の回転軸心方向の中心点をG(図3参照)とすると、その中心点Gの右側について、中心点Gと曲線板26aの中心との距離をL1、曲線板26a、偏心軸受41および偏心部25aの質量の和をm1、曲線板26aの重心の回転軸心からの偏心量をε1とし、中心点Gとカウンタウェイト29との距離をL2、カウンタウェイト29の質量をm2、カウンタウェイト29の重心の回転軸心からの偏心量をε2とすると、L1×m1×ε1=L2×m2×ε2を満たす関係となっている。L1×m1×ε1=L2×m2×ε2の関係は、不可避的に生じる誤差を許容する。中心点Gの左側の曲線板26bとカウンタウェイト29との間にも同様の関係が成立する。
運動変換機構は、減速機出力軸28に保持されて軸方向に延びる複数の内ピン31と、曲線板26a,26bに設けられた貫通孔30aとで構成されている。内ピン31は、減速機出力軸28の回転軸心を中心とする円周上に等間隔に設けられており、その軸方向一方側端部が減速機出力軸28のフランジ28aに固定されている。また、曲線板26a,26bとの摩擦抵抗を低減するために、曲線板26a,26bの貫通孔30aの内壁面に当接する位置に針状ころ軸受31aが設けられている。貫通孔30aは、複数の内ピン31それぞれに対応する位置に設けられ、貫通孔30aの内径寸法は、内ピン31の外径寸法(針状ころ軸受31aを含む最大外径)より所定寸法大きく設定されている。
内ピン31の軸方向他方側端部には、減速機出力軸28の一部を構成するスタビライザ32が設けられている。スタビライザ32は、外ピンハウジング60に転がり軸受46aによって回転自在に支持された円環部32aと、その円環部32aの内周面から軸方向に延びる円筒部32bとからなる。複数の内ピン31の軸方向他方側端部は、円環部32aに固定されている。曲線板26a,26bから一部の内ピン31に負荷される荷重はフランジ部28aおよびスタビライザ32を介して全ての内ピン31によって支持されるため、内ピン31に作用する応力を低減させ、耐久性を向上させることができる。
曲線板26a,26bに作用する荷重の状態を図4に基づいて説明する。偏心部25aの軸心O2は減速機入力軸25の軸心Oから偏心量eだけ偏心している。偏心部25aの外周には、曲線板26aが取り付けられ、偏心部25aは曲線板26aを回転自在に支持するので、軸心O2は曲線板26aの軸心でもある。曲線板26aの外周は波形曲線で形成され、径方向に窪んだ波形の凹部26cを周方向等間隔に有する。曲線板26aの周囲には、凹部26cと係合する外ピン27が、軸心Oを中心として周方向に複数配設されている。
図4において、減速機入力軸25と共に偏心部25aが紙面上で反時計周りに回転すると、偏心部25aは軸心Oを中心とする公転運動を行うので、曲線板26aの凹部26cが、外ピン27と周方向に順次当接する。この結果、矢印で示すように、曲線板26aは、複数の外ピン27から荷重Fiを受けて、時計回りに自転する。
また、曲線板26aには貫通孔30aが軸心O2を中心として周方向に複数配設されている。各貫通孔30aには、軸心Oと同軸に配置された減速機出力軸28と結合する内ピン31が挿通する。貫通孔30aの内径寸法は、内ピン31の外径寸法(針状ころ軸受31aを含む最大外径)よりも所定寸法大きいため、内ピン31は曲線板26aの公転運動の障害とはならず、内ピン31は曲線板26aの自転運動を取り出して減速機出力軸28を回転させる。このとき、減速機出力軸28は、減速機入力軸25よりも高トルクかつ低回転数になり、図4に矢印で示すように、曲線板26aは、複数の内ピン31から荷重Fjを受ける。これら複数の荷重Fi,Fjの合力Fsが減速機入力軸25にかかる。
合力Fsの方向は、曲線板26aの波形形状、凹部26cの数などの幾何学的条件や遠心力の影響により変化する。具体的には、自転軸心O2と軸心Oとを結ぶ直線Yと直角であって自転軸心O2を通過する基準線Xと、合力Fsとの角度αは概ね30°〜60°で変動する。複数の荷重Fi、Fjは、減速機入力軸25が1回転(360°)する間に荷重の方向や大きさが変り、その結果、減速機入力軸25に作用する合力Fsも荷重の方向や大きさが変動する。減速機入力軸25が反時計周りに1回転すると、曲線板26aの波形の凹部26cが減速されて1ピッチ時計回りに回転して図4の状態になり、これを繰り返す。
図1に示すように、車輪用軸受部Cの車輪用軸受33は、減速機出力軸28にトルク伝達可能に連結されたハブ輪33aと、ハブ輪33aの外周面に嵌合された内輪33bと、ケーシング22に嵌合固定された外輪33cと、ハブ輪33aおよび内輪33bと外輪33cとの間に配置された複数の玉33dと、複数の玉33dを保持する保持器33eとを備えた複列アンギュラ玉軸受である。車輪用軸受33の軸方向両端部には、泥水などの侵入防止のためにシール部材33fが設けられている。この車輪用軸受33のハブ輪33aにボルト34で後輪14(図6および図7参照)が連結される。
次に、全体的な潤滑機構を説明する。この潤滑機構は、モータ部Aを冷却するためにモータ部Aに潤滑油を供給すると共に、減速機部Bを冷却および潤滑するために潤滑油を供給するものである。
潤滑機構は、図1に示すように、回転ポンプ51と、ケーシング22に配設された油路22aと、モータ回転軸24に配設された油路24a,24bおよび油孔24cと、減速機入力軸25に配設された油路25cおよび油孔25d,25e,25fと、ケーシング22の下方に配置された油タンク22dとを主な構成としている。回転ポンプ51の吸入口55および吐出口56は、ケーシング22のモータハウジングに設けられている。また、ケーシング22の減速機ハウジングに油タンク22dが一体的に設けられている。
油路22aは、回転ポンプ51から径方向外側へ延びて屈曲した上で軸方向に延び、さらに屈曲した上で径方向内側へ延びて油路24aに接続される。油路24aは、モータ回転軸24の内部を軸線方向に沿って延びて油路25cに接続される。油路24bは、軸線方向に沿って延びる油路24aと連通し、径方向外側に位置するホルダ部24dに向かって延びて油孔24cと連通する。油孔24cは、ホルダ部24dのインボード側およびアウトボード側の端面で開口する。
モータ回転軸24の油路24aと連通する油路25cは、減速機入力軸25の内部を軸線方向に沿って延びている。また、減速機入力軸25の油路25cと連通する油孔25dは、径方向外側へ延びて減速機入力軸25の外周面で開口する。減速機入力軸25の偏心部25a,25bに設けられた油孔25eは、油路25cと連通して径方向外側へ延び、減速機入力軸25の外周面で開口する。曲線板26a,26bを支持する偏心軸受41の内輪には、減速機入力軸25の油孔25eと連通する油孔41a(図3参照)が設けられている。さらに、減速機入力軸25の先端部に設けられた油孔25fは、油路25cと連通して軸方向に延び、減速機入力軸25の軸端面で開口する。
モータ部Aのケーシング22の底部には、潤滑油を油タンク22dに排出するための排油孔22bが設けられ、減速機部Bのケーシング22の底部には、潤滑油を油タンク22dに排出するための排油孔22fが設けられている。また、油タンク22dから回転ポンプ51へ潤滑油を還流させるための油路22eがケーシング22に設けられている。潤滑油を強制的に循環させるための回転ポンプ51は、ケーシング22の油路22eと油路22aとの間に設けられている。
図5に示すように、回転ポンプ51は、減速機出力軸28(図1参照)の回転と同期して回転するインナロータ52と、インナロータ52の回転に伴って従動回転するアウタロータ53と、ポンプ室54と、油路22eに連通する吸入口55と、油路22aに連通する吐出口56とを備えるサイクロイドポンプである。この回転ポンプ51をケーシング22内に配置することによって、インホイールモータ駆動装置21の大型化を防止することができる。
インナロータ52は、外周面にサイクロイド曲線で構成された歯形を有する。具体的には、歯先部分52aの形状がエピサイクロイド曲線、歯溝部分52bの形状がハイポサイクロイド曲線となっている。インナロータ52は、スタビライザ32の円筒部32b(図1および図3参照)の外周面に嵌合して減速機出力軸28と一体回転する。アウタロータ53は、内周面にサイクロイド曲線で構成された歯形を有する。具体的には、歯先部分53aの形状がハイポサイクロイド曲線、歯溝部分53bの形状がエピサイクロイド曲線となっている。アウタロータ53は、ケーシング22に回転自在に支持されている。
インナロータ52は、回転中心c1を中心として回転し、一方、アウタロータ53は、回転中心c2を中心として回転する。インナロータ52およびアウタロータ53はそれぞれ異なる回転中心c1,c2を中心として回転するので、ポンプ室54の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口55から流入した潤滑油が吐出口56から油路22aに圧送される。また、インナロータ52の歯数をnとすると、アウタロータ53の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=5としている。
前述した構成の潤滑機構による潤滑油の流れを説明する。図1において、潤滑機構内に付した白抜き矢印は潤滑油の流れを示す。モータ部Aの冷却として、回転ポンプ51から圧送された潤滑油は油路22a,24aを経由し、その一部がモータ回転軸24の回転に伴う遠心力およびポンプ圧力によって油路24bを経てロータ23bを冷却する。さらに、ホルダ部24dの油孔24cから潤滑油が吐出されてステータ23aを冷却する。このようにして、モータ部Aの冷却が行われる。
一方、減速機部Bの冷却および潤滑として、回転ポンプ51から圧送された潤滑油は油路22a,24a,25cを経由し、その一部が減速機入力軸25の回転に伴う遠心力およびポンプ圧力によって油孔25d,25e,25fから吐出する。油孔25dから吐出した潤滑油は、減速機入力軸25を支持する入力軸支持軸受37aに供給される。また、油孔25eから吐出した潤滑油は、曲線板26a,26bを支持する偏心軸受41に供給される。さらに、油孔25fから吐出した潤滑油は、減速機入力軸25を支持する入力軸支持軸受37bに供給される。これらの潤滑油は、内ピン31の針状ころ軸受31aおよび外ピン27の針状ころ軸受27aに供給されながら、外ピンハウジング60内を径方向外側へ移動する。このようにして、減速機部Bの冷却および潤滑が行われる。
モータ部Aの冷却、減速機部Bの冷却および潤滑を行った潤滑油は、ケーシング22の内壁面を伝って重力により下部へ移動する。モータ部Aの下部へ移動した潤滑油は、排油孔22bから排出されて油タンク22dに一時的に貯溜される。減速機部Bの下部へ移動した潤滑油は、外ピンハウジング60に設けられた油孔60aを経由して排油孔22fから排出されて油タンク22dに一時的に貯溜される。このように、油タンク22dが設けられているので、回転ポンプ51によって排出しきれない潤滑油が一時的に発生しても、油タンク22dに貯溜しておくことができる。
この実施形態におけるインホイールモータ駆動装置21の全体構成は、前述のとおりであるが、その特徴的な構成を以下に詳述する。
インホイールモータ駆動装置21の潤滑機構は、回転ポンプ51によりケーシング22の油路22aからモータ回転軸24の油路24aを経由してモータ部Aに潤滑油を供給すると共に、そのモータ回転軸24の油路24aと連通する減速機入力軸25の油路25cを経由して減速機部Bに潤滑油を供給する軸心給油構造となっている。
この軸心給油構造において、減速機部Bに潤滑油を供給する減速機入力軸25の油路25cは、その減速機入力軸25の内部に軸方向に沿って形成されている。また、その油路25cの上流側と下流側の二箇所に、減速機入力軸25を支持する入力軸支持軸受37a,37bに給油する油孔25d,25fが形成されている。この油孔25d,25fから吐出される潤滑油により入力軸支持軸受37a,37bを冷却および潤滑する。また、それら二つの油孔25d,25f間に位置する偏心部25a,25bに、曲線板26a,26bを支持する偏心軸受41に給油する油孔25eが形成されている。この油孔25eから吐出される潤滑油により偏心軸受41を冷却および潤滑する。
この軸心給油構造では、入力軸支持軸受37aに給油する上流側の油孔25d、偏心軸受41に給油する油孔25e、入力軸支持軸受37bに給油する下流側の油孔25fが減速機入力軸25の油路25cに並設され、減速機入力軸25に供給された潤滑油は、油路25cからそれぞれの油孔25d,25e,25fへ分配される構造となっている。
つまり、油路25cの上流部には、減速機入力軸25の外周面で開口して一つの入力軸支持軸受37aに対して潤滑油を供給する一つの油孔25dが配設されている。また、油路25cの中流部には、減速機入力軸25の偏心部25a,25bの外周面で開口して一つの偏心軸受41に対して潤滑油を供給する二つの油孔25eが配設されている。さらに、油路25cの下流部には、減速機入力軸25の軸端面で開口して一つの入力軸支持軸受37bに対して潤滑油を供給する一つの油孔25fが配設されている。
入力軸支持軸受37a,37bおよび偏心軸受41は、減速機部Bのサイクロイド減速機において最も高速回転する軸受であることから、高速回転下で発熱により焼付きなどの損傷が発生することを未然に防止するため、入力軸支持軸受37a,37bおよび偏心軸受41には十分な潤滑油を供給することが必要である。
つまり、入力軸支持軸受37aに給油する上流側の油孔25dと偏心軸受41に給油する油孔25eに潤滑油が偏ると、入力軸支持軸受37bに給油する下流側の油孔25fに十分な潤滑油が供給されないことになる。このような現象を回避するため、入力軸支持軸受37aに給油する上流側の油孔25dと、偏心軸受41に給油する油孔25eと、入力軸支持軸受37bに給油する下流側の油孔25fとでは、必要とする潤滑油量が異なることから、これら油孔25d,25e,25fのそれぞれに供給される潤滑油量を過不足なく調整する必要がある。
このインホイールモータ駆動装置21では、二つの偏心軸受41間の距離が二つの入力軸支持軸受37a,37b間の距離よりも小さいため、偏心軸受41に作用する荷重は入力軸支持軸受37a,37bに作用する荷重よりも大きい。そこで、この実施形態における潤滑機構は、偏心軸受41に給油する油孔25eから吐出される総給油量が、入力軸支持軸受37a,37bに給油する油孔25d,25fから吐出される総給油量よりも常に多くなるように構成している。
偏心軸受41に給油する油孔25eから吐出される総給油量が、入力軸支持軸受37a,37bに給油する油孔25d,25fから吐出される総給油量よりも常に多くなるような構成を実現するためには、例えば、偏心軸受41に給油する油孔25eの孔径をφ2mmとし、入力軸支持軸受37a,37bに給油する油孔25d,25fの孔径をφ1mmとすることが有効な手段である。なお、総給油量とは、二つの偏心軸受41に対する四つの油孔25eから吐出される給油量の合計であり、また、二つの入力軸支持軸受37a,37bに対する二つの油孔25d,25fから吐出される給油量の合計である。
このインホイールモータ駆動装置21では、偏心軸受41に作用する荷重は入力軸支持軸受37a,37bに作用する荷重よりも大きいことから、偏心軸受41に給油する油孔25eから吐出される総給油量が、入力軸支持軸受37a,37bに給油する油孔25d,25fから吐出される総給油量よりも常に多くなるように構成したことにより、偏心軸受41に十分な潤滑油が供給されるので、その偏心軸受41において、高速回転下で発熱により焼付きなどの損傷が発生することを未然に防止できる。このように、潤滑油を減速機部Bに過不足なく供給することで、減速機部Bの冷却性能の向上が図れ、信頼性の高い長寿命のインホイールモータ駆動装置21を提供することができる。
ここで、入力軸支持軸受37a,37bに給油する油孔25d,25fから吐出される総給油量は、偏心軸受41に給油する油孔25eから吐出される総給油量の5%以上とすることが有効である。このような比率に設定することにより、入力軸支持軸受37a,37bに供給される潤滑油量を確保することができるので、偏心軸受41だけでなく入力軸支持軸受37a,37bについても、高速回転下で発熱により焼付きなどの損傷が発生することを未然に防止できる。
本出願人は、偏心軸受41への総給油量に対する入力軸支持軸受37a,37bへの総給油量の比率について、偏心軸受41と入力軸支持軸受37a,37bにそれぞれ必要な潤滑油を供給することができる範囲を追求するために、実験して評価した。その実験結果を表1に示す。表1中の○は問題なし、△は条件により問題なし、×は問題の起きる可能性大である。
以上の実験結果より、偏心軸受41への総給油量に対する入力軸支持軸受37a,37bへの総給油量の比率が3%であれば、偏心軸受41に十分な潤滑油が供給されるのに対して、入力軸支持軸受37a,37bに供給される潤滑油が不足することが判明した。これに対して、偏心軸受41への総給油量に対する入力軸支持軸受37a,37bへの総給油量の比率が5%以上であれば、偏心軸受41と入力軸支持軸受37a,37bの両方に十分な潤滑油を供給できることが判明した。
なお、偏心軸受41への総給油量に対する入力軸支持軸受37a,37bへの総給油量の比率が70%であれば、入力軸支持軸受37a,37bに十分な潤滑油が供給されるのに対して、偏心軸受41に供給される潤滑油が不足することが判明した。これに対して、偏心軸受41への総給油量に対する入力軸支持軸受37a,37bへの総給油量の比率が60%以下、好ましくは、50%以下であれば、偏心軸受41と入力軸支持軸受37a,37bの両方に十分な潤滑油を供給できることが判明した。
最後に、この実施形態におけるインホイールモータ駆動装置21の全体的な作動原理を説明する。
図1〜図3に示すように、モータ部Aは、例えば、ステータ23aのコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石又は磁性体によって構成されるロータ23bが回転する。これにより、モータ回転軸24に連結された減速機入力軸25が回転すると、曲線板26a,26bは減速機入力軸25の回転軸心を中心として公転運動する。このとき、外ピン27が、曲線板26a,26bの曲線形状の波形と係合して、曲線板26a,26bを減速機入力軸25の回転とは逆向きに自転回転させる。
貫通孔30aに挿通する内ピン31は、曲線板26a,26bの自転運動に伴って貫通孔30aの内壁面と当接する。これにより、曲線板26a,26bの公転運動が内ピン31に伝わらず、曲線板26a,26bの自転運動のみが減速機出力軸28を介して車輪用軸受部Cに伝達される。このとき、減速機入力軸25の回転が減速機部Bによって減速されて減速機出力軸28に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部Aを採用した場合でも、後輪14(図6および図7参照)に必要なトルクを伝達することが可能となる。
この減速機部Bの減速比は、外ピン27の数をZA、曲線板26a,26bの波形の数をZBとすると、(ZA−ZB)/ZBで算出される。図2に示す実施形態では、ZA=12、ZB=11であるので、減速比は1/11と非常に大きな減速比を得ることができる。このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速機部Bを採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置21を得ることができる。また、外ピン27および内ピン31に針状ころ軸受27a,31a(図3参照)を設けたことにより、曲線板26a,26bとの間の摩擦抵抗が低減されるので、減速機部Bの伝達効率が向上する。
この実施形態においては、油路24bをモータ回転軸24に設け、油孔25eを偏心部25a,25bに設け、油孔25fを減速機入力軸25の軸端に設けた場合を例示したが、モータ回転軸24や減速機入力軸25の任意の位置に設けることができる。また、回転ポンプ51としてサイクロイドポンプの例を示したが、減速機出力軸28の回転を利用して駆動するあらゆる回転型ポンプを採用することができる。
減速機部Bの曲線板26a,26bを180°位相をずらして2枚設けた例を示したが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相をずらして設けるとよい。運動変換機構は、減速機出力軸28に固定された内ピン31と、曲線板26a,26bに設けられた貫通孔30aとで構成された例を示したが、減速機部Bの回転をハブ輪33aに伝達可能な任意の構成とすることができる。例えば、曲線板26a,26bに固定された内ピンと減速機出力軸28に形成された穴とで構成される運動変換機構であってもよい。この実施形態のインホイールモータ駆動装置21においては、サイクロイド式の減速機を採用した例を示したが、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機であってもよい。
この実施形態における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力がモータ部Aから後輪14に伝達される。従って、前述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。また、モータ部Aに電力を供給してモータ部を駆動させ、モータ部Aからの動力を後輪14に伝達させる場合を示したが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、後輪14側からの動力を減速機部Bで高回転低トルクの回転に変換してモータ部Aに伝達し、モータ部Aで発電してもよい。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後でモータ部Aを駆動させたり、車両に備えられた他の電動機器などの作動に用いてもよい。
この実施形態においては、モータ部Aにラジアルギャップモータを採用した例を示したが、任意の構成のモータを適用可能である。例えば、ケーシングに固定されるステータと、ステータの内側の軸方向の隙間を開けて対向する位置に配置されるロータとを備えるアキシャルギャップモータであってもよい。さらに、図6および図7に示した電気自動車11は、後輪14を駆動輪とした例を示したが、前輪13を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等も含むものである。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
21 インホイールモータ駆動装置
22 ケーシング
22a 油路
24 モータ回転軸
25 減速機入力軸
25a,25b 偏心部
26a,26b 曲線板
25c 油路
25d〜25f 油孔
37a,37b 入力軸支持軸受
41 偏心軸受
51 回転ポンプ
A モータ部
B 減速機部
C 車輪用軸受部
22 ケーシング
22a 油路
24 モータ回転軸
25 減速機入力軸
25a,25b 偏心部
26a,26b 曲線板
25c 油路
25d〜25f 油孔
37a,37b 入力軸支持軸受
41 偏心軸受
51 回転ポンプ
A モータ部
B 減速機部
C 車輪用軸受部
Claims (3)
- モータ部と、減速機部と、車輪用軸受部と、前記モータ部および減速機部を収容するケーシングと、回転ポンプにより前記ケーシングの油路からモータ部のモータ回転軸を経由して減速機部の減速機入力軸へ潤滑油を供給する軸心給油構造をなす潤滑機構とを備えたインホイールモータ駆動装置であって、
前記潤滑機構は、減速機入力軸の内部に軸方向に沿って形成された油路と、前記油路の上流側と下流側の二箇所に配置され、前記減速機入力軸を支持する入力軸支持軸受に給油する油孔と、前記二つの油孔間に位置する偏心部に配置され、曲線板を支持する偏心軸受に給油する油孔とを備え、前記偏心軸受に給油する油孔から吐出される総給油量が、前記入力軸支持軸受に給油する油孔から吐出される総給油量よりも常に多くなるように構成したことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。 - 前記入力軸支持軸受に給油する油孔から吐出される総給油量は、前記偏心軸受に給油する油孔から吐出される総給油量の5%以上とした請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
- 前記入力軸支持軸受に給油する油孔から吐出される総給油量は、前記偏心軸受に給油する油孔から吐出される総給油量の60%以下とした請求項2に記載のインホイールモータ駆動装置。
Priority Applications (1)
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JP2015044577A JP2016164429A (ja) | 2015-03-06 | 2015-03-06 | インホイールモータ駆動装置 |
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WO2020090662A1 (ja) * | 2018-11-01 | 2020-05-07 | Ntn株式会社 | インホイールモータ駆動装置 |
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2015
- 2015-03-06 JP JP2015044577A patent/JP2016164429A/ja active Pending
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JP2020069973A (ja) * | 2018-11-01 | 2020-05-07 | Ntn株式会社 | インホイールモータ駆動装置 |
JP7149163B2 (ja) | 2018-11-01 | 2022-10-06 | Ntn株式会社 | インホイールモータ駆動装置 |
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