JP2011241871A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インホイールモータ駆動装置におけるブレーキの配置を変えることなく、キャリパの脱着などの作業性とメンテナンス性を向上させる。
【解決手段】ブレーキロータ15に、ハブボルト32cの貫通孔とは別にキャリパ固定用孔88を設け、このキャリパ固定用孔88を介して車体のアウトボード側からインホイールモータ駆動装置のハウジング22bの前面に設けた雌ねじ(植設ボルト)にキャリパ固定ボルト87(キャリパ固定ナット)を固定することができるようにした。
【選択図】図1

Description

この発明は、電動モータの出力軸と車輪のハブとを減速機を介して同軸上に連結したインホイールモータ駆動装置におけるブレーキ固定構造に関するものである。
従来、ディスクブレーキのキャリパをナックルに固定する場合、特開平9−25967号公報(特許文献1)に記載の方法が一般的である。
その方法は、図13に示すように、キャリパ110に設けた固定用の雌ねじと、ナックル111を貫通する取付けボルト112により締結するという方法である。
固定用の雌ねじをキャリパ110に設けてある場合、ナックル111に対して車体のアウトボード側に位置するブレーキロータ113を避けるために、車体のインボード側からアウトボード側に向かって、取付けボルト112を通し、キャリパ110を固定しなければならない。
特開平9−25967号公報
ところが、インホイールモータ駆動装置は、図14に示すように、車体に取付けられるハウジング102の内部に駆動力を発生させるモータ部103と、車輪に接続される車輪ハブ軸受部104と、モータ部103の回転を減速して車輪ハブ軸受部104に伝達する減速部105とを直列に備える構造であるため、固定用の雌ねじを有するキャリパ110を、車体のインボード側から取付けボルト112によって固定しようとすると、車体に取付けられるハウジング102の内部から外側に向かって取付けボルト112を貫通させる必要があり、キャリパ110の脱着などの作業性とメンテナンス性が悪いという問題がある。
そこで、この発明は、インホイールモータ駆動装置におけるブレーキの配置を変えることなく、キャリパの脱着などの作業性とメンテナンス性を向上させることを課題とするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、ブレーキロータに、ハブボルト貫通孔とは別に、少なくとも一つのキャリパ固定用孔を設け、このキャリパ固定用孔を介して車体のアウトボード側からキャリパの固定を可能にしたものである。
キャリパ固定用孔の大きさは、少なくともキャリパ固定ボルト及びキャリパ固定ボルトの締め付け工具を挿入可能な大きさとする。
キャリパ固定用孔は、ハブボルト貫通孔と同数で、且つ等配にすることが好ましい。
上記のように、ブレーキロータに設けたキャリパ固定用孔を介して、キャリパ固定ボルトを車体のアウトボード側から挿通できるので、インホイールモータ駆動装置のハウジングに、キャリパ固定雌ねじを設けることにより、キャリパを車体のアウトボード側から固定することができる。
また、ブレーキロータの車輪ハブ突き当て面、即ち、車輪ハブ軸受部のフランジ部には、ブレーキロータのキャリパ固定用孔に対応する孔を設けることが好ましい。
また、ブレーキロータのキャリパ固定用孔に、キャリパ固定ボルトを挿通する際に、車輪ハブ軸受部のフランジ部が邪魔にならないように、ブレーキロータのキャリパ固定用孔に対応する部分を肉抜きして、車輪ハブ軸受部のフランジ部を花形形状にしてもよい。
また、上述したアウトボード側からキャリパ固定ボルトを挿通する固定方法の他に、インホイールモータ駆動装置のハウジングに予めキャリパ固定ボルトを植設し、キャリパ固定用孔を通してキャリパ固定ナットをアウトボード側から挿通し、締結固定することもできる。
この発明は、以上のように、ブレーキロータに、ハブボルト貫通孔とは別に、少なくとも一つのキャリパ固定用孔を設け、このキャリパ固定用孔を介して車体のアウトボード側からキャリパの固定が可能であるため、キャリパの脱着などの作業性とメンテナンス性が向上する。
また、ブレーキロータにキャリパ固定用孔、車輪ハブ軸受部のフランジ部に、ブレーキロータのキャリパ固定用孔に対応する孔を設ける、もしくは、車輪ハブ軸受部のフランジ部を花形形状にすることにより、軽量化が図れ、電気自動車におけるばね下重量を抑えることができる。
この発明の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置の概略断面図である。 図1のII−II線の断面図である。 図1の偏心部周辺の拡大図である。 図1の回転ポンプを軸方向から見た図である。 図1のインホイールモータ駆動装置を有する電気自動車の概略平面図である。 図5の電気自動車を後方から見た背面図である。 サスペンションを取付けたインホイールモータ駆動装置の斜視図である。 インホイールモータ駆動装置の減速部のハウジングを車輪ハブ軸受部側から見た正面図である。 図8の減速部のハウジングを車輪ハブ軸受部側から見た斜視図である。 図9の減速部のハウジングにブレーキロータとキャリパを取付ける状態を示す斜視図である。 ブレーキロータを車輪ハブ軸受部に取付けた状態をアウトボード側から見た正面図である。 車輪ハブ軸受部の変形例にブレーキロータを取付けた状態をアウトボード側から見た正面図である。 ナックルにキャリパを固定する従来例を示す斜視図である。 従来のインホイールモータ駆動装置におけるキャリパの固定状態を示す概略断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
まず、図1に示すように、インホイールモータ駆動装置21は、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速部Bと、減速部Bからの出力を駆動輪14に伝える車輪ハブ軸受部Cとを備え、モータ部Aと減速部Bとはハウジング22に収納されて、図6に示すように電気自動車11のホイールハウス12a内に取り付けられる。
モータ部Aは、ハウジング22aに固定されるステータ23と、ステータ23の内側に径方向の隙間を空けて対向する位置に配置されるロータ24と、ロータ24の内側に固定連結されてロータ24と一体回転するモータ側回転部材25とを備えるラジアルギャップモータである。ロータ24は、フランジ形状のロータ部24aと円筒形状の中空部24bとを有し、転がり軸受36a、36bによってハウジング22に対して回転自在に支持されている。
モータ側回転部材25は、モータ部Aの駆動力を減速部Bに伝達するためにモータ部Aから減速部Bにかけて配置され、減速部B内に偏心部25a、25bを有する。このモータ側回転部材25は、一端がロータ24と嵌合すると共に、減速部B内で転がり軸受36cによって支持される。さらに、2つの偏心部25a、25bは、偏心運動による遠心力を互いに打ち消し合うために、180度位相を変えて設けられている。
減速部Bは、偏心部25a、25bに回転自在に保持される公転部材としての曲線板26a、26bと、ハウジング22b上の固定位置に保持され、曲線板26a、26bの外周部に係合する外周係合部材としての複数の外ピン27と、曲線板26a、26bの自転運動を車輪側回転部材28に伝達する運動変換機構と、偏心部25a、25bに隣接する位置にカウンタウェイト29とを備える。また、減速部Bには、減速部Bに潤滑油を供給する減速部潤滑機構が設けられている。
車輪側回転部材28は、フランジ部28aと軸部28bとを有する。フランジ部28aの端面には、車輪側回転部材28の回転軸心を中心とする円周上の等間隔に内ピン31を固定する穴が形成されている。また、軸部28bは車輪ハブ32に嵌合固定され、減速部Bの出力を車輪14に伝達する。車輪側回転部材28のフランジ部28aとモータ側回転部材25とは、転がり軸受36cによって回転自在に支持されている。
曲線板26a、26bは、図2に示すように、外周部にエピトロコイド等のトロコイド系曲線で構成される複数の波形を有し、一方側端面から他方側端面に貫通する複数の貫通孔30aを有する。貫通孔30aは、曲線板26a、26bの自転軸心を中心とする円周上に等間隔に複数個設けられており、後述する内ピン31を受入れる。また、貫通孔30bは、曲線板26a、26bの中心に設けられており、偏心部25a、25bに嵌合する。
曲線板26a、26bは、転がり軸受41によって偏心部25a、25bに対して回転自在に支持されている。図2に示すように、この転がり軸受41は、偏心部25a、25bの外径面に嵌合し、その外径面に内側軌道面42aを有する内輪部材42と、曲線板26aの貫通孔30bの内径面に直接形成された外側軌道面43と、内側軌道面42aおよび外側軌道面43の間に配置される複数の円筒ころ44と、隣接する円筒ころ44の間隔を保持する保持器(図示省略)とを備える円筒ころ軸受である。
外ピン27は、モータ側回転部材25の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられる。曲線板26a、26bが公転運動すると、曲線形状の波形と外ピン27とが係合して、曲線板26a、26bに自転運動を生じさせる。また、曲線板26a、26bとの摩擦抵抗を低減するために、曲線板26a、26bの外周面に当接する位置に針状ころ軸受27aを有する。
カウンタウェイト29は、円板状で、中心から外れた位置にモータ側回転部材25と嵌合する貫通孔を有し、曲線板26a、26bの回転によって生じる不釣合い慣性偶力を打ち消すために、各偏心部25a、25bに隣接する位置に偏心部と180度位相を変えて配置される。
ここで、図3に示すように、2枚の曲線板26a、26b間の中心点をGとすると、図3の中心点Gの右側について、中心点Gと曲線板26aの中心との距離をL、曲線板26a、転がり軸受41、および偏心部25aの質量の和をm1、曲線板26aの重心の回転軸心からの偏心量をε1とし、中心点Gとカウンタウェイト29との距離をL、カウンタウェイト29の質量をm2、カウンタウェイト29の重心の回転軸心からの偏心量をε2とすると、L×m1×ε1=L×m2×ε2を満たす関係となっている。また、図3の中心点Gの左側の曲線板26bとカウンタウェイト29との間にも同様の関係が成立する。
運動変換機構は、車輪側回転部材28に保持された複数の内ピン31と、曲線板26a、26bに設けられた貫通孔30aとで構成される。内ピン31は、車輪側回転部材28の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられており、その軸方向一方側端部が車輪側回転部材28に固定されている。また、曲線板26a、26bとの摩擦抵抗を低減するために、曲線板26a、26bの貫通孔30aの内壁面に当接する位置に針状ころ軸受31aが設けられている。
一方、貫通孔30aは、複数の内ピン31それぞれに対応する位置に設けられ、貫通孔30aの内径寸法は、内ピン31の外径寸法(「針状ころ軸受31aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
減速部潤滑機構は、減速部Bに潤滑油を供給するものであって、減速部Bのハウジング22bの下部に潤滑油貯留部25fを設け、潤滑油貯留部25fに貯留された潤滑油を回転ポンプ51で吸い上げて潤滑油路25cに強制的に還流させている。
潤滑油路25cは、モータ側回転部材25の内部を軸線方向に沿って延びている。また、潤滑油給油口25dは、潤滑油路25cからモータ側回転部材25の外径面に向かって延びている。なお、この実施形態において、潤滑油給油口25dは、偏心部25a、25bに設けられている。
ここで、回転ポンプ51は、図4に示すように、車輪側回転部材28の回転を利用して回転するインナーロータ52と、インナーロータ52の回転に伴って従動回転するアウターロータ53と、ポンプ室54と、吸入口55と、循環油路25gに連通する吐出口56とを備えるサイクロイドポンプである。
インナーロータ52は、外径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分52aの形状がエピサイクロイド曲線、歯溝部分52bの形状がハイポサイクロイド曲線となっている。このインナーロータ52は、内ピン31(車輪側回転部材28)と一体回転する。
アウターロータ53は、内径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分53aの形状がハイポサイクロイド曲線、歯溝部分53bの形状がエピサイクロイド曲線となっている。このアウターロータ53は、ハウジング22に回転自在に支持されている。
インナーロータ52は、回転中心c1を中心として回転する。一方、アウターロータ53は、インナーロータの回転中心c1と異なる回転中心c2を中心として回転する。また、インナーロータ52の歯数をnとすると、アウターロータ53の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=5としている。
インナーロータ52とアウターロータ53との間の空間には、複数のポンプ室54が設けられている。そして、インナーロータ52が車輪側回転部材28の回転を利用して回転すると、アウターロータ53は従動回転する。このとき、インナーロータ52およびアウターロータ53はそれぞれ異なる回転中心c1、c2を中心として回転するので、ポンプ室54の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口55から流入した潤滑油が吐出口56から圧送される。
車輪ハブ軸受部Cは、車輪側回転部材28に固定連結された車輪ハブ32と、車輪ハブ32を減速部Bのハウジング22bに対して回転自在に保持する車輪ハブ軸受33とを備える。車輪ハブ32は、円筒形状の中空部32aとフランジ部32bとを有する。フランジ部32bにはボルト32cによって駆動輪が固定連結される。また、車輪側回転部材28の軸部28bの外径面にはスプラインおよび雄ねじが形成されている。また、車輪ハブ32の中空部32aの内径面にはスプライン穴が形成されている。そして、車輪ハブ32の内径面に車輪側回転部材28を螺合し、先端をナット32dでとめることによって、両者を締結している。また、駆動輪のホイールと車輪ハブ32のフランジ部32bとの間には、ブレーキロータ15が取り付けられている。
車輪ハブ軸受33は、車輪ハブ32の中空部32aの車両アウター側の外径面に一体形成されたアウター側軌道面と車輪ハブ32の中空部32aの車両インナー側の外径面に嵌合された外面にインナー側軌道面を有する内輪33bとからなる内方部材33aと、この内方部材33aのアウター側軌道面とインナー側軌道面に配置される複列の玉33cと、内方部材33aのアウター側軌道面とインナー側軌道面に対向するアウター側軌道面とインナー側軌道面を内周面に有する外方部材33dと、隣接する玉33cの間隔を保持する保持器と、車輪ハブ軸受33の軸方向両端部を密封する密封部材とを備える複列アンギュラ玉軸受である。
車輪ハブ軸受33の外方部材33dは、減速部Bのハウジング22bに対して締結ボルトによって固定される。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車11は、図5に示すように、シャーシ12と、操舵輪としての前輪13と、駆動輪としての後輪14と、左右の後輪14それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを備える。後輪14は、図6に示すように、シャーシ12のホイールハウジング12aの内部に収容され、サスペンション12bを介してシャーシ12の下部に固定されている。
サスペンション12bは、図7に示すように、減速部Bのハウジング22bに、サスペンション取付け用のブラケット60を介して取付けられている。
減速部Bのハウジング22bは、図8及び図9に示すように、減速機構を収める略円筒形状部22cと、潤滑油を貯留する潤滑油貯留部25fとを備え、略円筒形状部22cの上方両側面と、潤滑油貯留部25fの下端面に、サスペンション取付け用のブラケットを固定している。
サスペンション12bのアッパーアーム81は、アッパーアームブラケット60aを介して、減速部Bのハウジング22bの略円筒形状部の上方側面の一方に取り付けられている。
サスペンション12bのトーコントロールロッド82は、トーコントロールロッドブラケット60bを介して、減速部Bのハウジング22bの略円筒形状部の上方側面の他方に取り付けられている。
また、サスペンション12bのロアアーム83は、減速部Bの潤滑油貯留部25fの下端面に、ロアアームブラケット60cを介して取付けられている。
ロアアーム83とアッパーアーム81の間の空間には、路面からの入力振動を減衰するショックアブソーバ84が配置される。ショックアブソーバ84の下端はロアアーム83に、上端はシャーシ12に固定される。
また、減速部Bのハウジング22bには、図10に示すように、ブレーキキャリパ85を固定している。
減速部Bのハウジング22bの車輪ハブ軸受部C側の前面には、ブレーキキャリパ85を、キャリパ固定ボルト87によって車体のアウトボード側から固定できるように、キャリパ85の固定用の雌ねじ86を形成している。
ブレーキロータ15は、車輪ハブ軸受部Cのフランジ部32bに固定される。
車輪ハブ軸受部Cに固定されたブレーキロータ15があると、キャリパ85を固定する際に、キャリパ固定ボルト87を、車体のアウトボード側から減速部Bのハウジング22bの前面に設けた雌ねじ86にねじ込むことができない。
このため、この発明では、図11に示すように、ブレーキロータ15に、ハブボルト貫通孔90とは別に、少なくとも一つのキャリパ固定用孔88を設け、キャリパ固定用孔88からキャリパ固定ボルト87を、減速部Bのハウジング22bの前面に設けた雌ねじ86にねじ込むようにしている。
したがって、キャリパ固定用孔88の大きさは、少なくともキャリパ固定ボルト87及びキャリパ固定ボルト87の締め付け工具を挿入可能な大きさ以上に形成している。
図11に示す例では、キャリパ固定用孔88を、ハブボルト貫通孔90のピッチの周方向中間に位置するように設けている。
このため、キャリパ固定用孔88は、ハブボルト貫通孔90と同数で、且つ等配になっている。
また、図11に示す例では、ブレーキロータ15のキャリパ固定用孔88に、キャリパ固定ボルト87を挿通する際に、車輪ハブ軸受部Cのフランジ部32bが邪魔にならないように、車輪ハブ軸受部Cのフランジ部32bには、ブレーキロータ15のキャリパ固定用孔88に対応する孔89を設けている。
また、図12に示す例では、ブレーキロータ15のキャリパ固定用孔88に、キャリパ固定ボルト87を挿通する際に、車輪ハブ軸受部Cのフランジ部32bが邪魔にならないように、ブレーキロータ15のキャリパ固定用孔88に対応する部分を肉抜きして、車輪ハブ軸受部Cのフランジ部32bを花形形状にしている。
電気自動車11の走行安定性を向上するために、ばね下重量を抑える必要があるが、この発明では、上記のように、ブレーキロータ15にキャリパ固定用孔88を設けることによって、ブレーキロータ15の軽量化を図っている。
また、図12に示す例のように、車輪ハブ軸受部Cのフランジ部32bを花形形状にすることにより、さらなる軽量化が図れる。
上記構成のインホイールモータ駆動装置21の作動原理を説明する。
モータ部Aは、例えば、ステータ23のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ24が回転する。このとき、コイルに高周波数の電圧を印加する程、ロータ24は高速回転する。
これにより、ロータ24に接続されたモータ側回転部材25が回転すると、曲線板26a、26bはモータ側回転部材25の回転軸心を中心として公転運動する。このとき、外ピン27が、曲線板26a、26bの曲線形状の波形と係合して、曲線板26a、26bをモータ側回転部材25の回転とは逆向きに自転運動させる。
貫通孔30aに挿通する内ピン31は、曲線板26a、26bの自転運動に伴って貫通孔30aの内壁面と当接する。これにより、曲線板26a、26bの公転運動が内ピン31に伝わらず、曲線板26a、26bの自転運動のみが車輪側回転部材28を介して車輪ハブ軸受部Cに伝達される。
このとき、モータ側回転部材25の回転が減速部Bによって減速されて車輪側回転部材28に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部Aを採用した場合でも、駆動輪14に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速部Bの減速比は、外ピン27の数をZA、曲線板26a、26bの波形の数をZBとすると、(ZA−ZB)/ZBで算出される。図2に示す実施形態では、ZA=12、ZB=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速部Bを採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置21を得ることができる。また、外ピン27および内ピン31の曲線板26a、26bに当接する位置に針状ころ軸受27a、31aを設けたことにより、摩擦抵抗が低減されるので、減速部Bの伝達効率が向上する。
上記の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21を電気自動車11に採用することにより、軸方向寸法を小さくすることができ、その結果、車内空間を広く確保することができる。
また、上記の実施形態においては、回転ポンプ51を車輪側回転部材28の回転を利用して駆動した例を示したが、回転ポンプ51はモータ側回転部材25の回転を利用して駆動することもできる。しかし、モータ側回転部材25の回転数は車輪側回転部材28と比較して大きい(上記の実施形態では11倍)ので、回転ポンプ51の耐久性が低下するおそれがある。また、車輪側回転部材28に接続しても十分な排出量を確保することができる。これらの観点から、回転ポンプ51は車輪側回転部材28の回転を利用して駆動するのが望ましい。
また、上記の実施形態においては、回転ポンプ51としてサイクロイドポンプの例を示したが、これに限ることなく、車輪側回転部材28の回転を利用して駆動するあらゆる回転型ポンプを採用することができる。
また、上記の実施形態においては、減速部Bの曲線板26a、26bを180度位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120度位相を変えて設けるとよい。
また、上記の実施形態における運動変換機構は、車輪側回転部材28に固定された内ピン31と、曲線板26a、26bに設けられた貫通孔30aとで構成される例を示したが、これに限ることなく、減速部Bの回転を車輪ハブ32に伝達可能な任意の構成とすることができる。例えば、曲線板に固定された内ピンと、車輪側回転部材に形成された穴とで構成される運動変換機構であってもよい。
なお、上記の実施形態における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力がモータ部Aから駆動輪に伝達される。したがって、上述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。
また、上記の実施形態における作動の説明では、モータ部Aに電力を供給してモータ部Aを駆動させ、モータ部Aからの動力を駆動輪14に伝達させたが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、駆動輪14側からの動力を減速部Bで高回転低トルクの回転に変換してモータ部Aに伝達し、モータ部Aで発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後でモータ部Aを駆動させたり、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いたりしてもよい。
また、上記の実施形態において、曲線板26a、26bを支持する軸受として円筒ころ軸受の例を示したが、これに限ることなく、例えば、すべり軸受、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、4点接触玉軸受等、すべり軸受であるか転がり軸受であるかを問わず、転動体がころであるか玉であるかを問わず、さらには複列か単列かを問わず、あらゆる軸受を適用することができる。また、その他の場所に配置される軸受についても、同様に任意の形態の軸受を採用することができる。
ただし、深溝玉軸受は、円筒ころ軸受と比較して許容限界回転数は高い反面、負荷容量が低い。そのため、必要な負荷容量を得るためには、大型の深溝玉軸受を採用しなければならない。したがって、インホイールモータ駆動装置21のコンパクト化の観点からは、転がり軸受41には円筒ころ軸受が好適である。
また、上記の各実施形態においては、モータ部Aにラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータを適用可能である。例えばハウジングに固定されるステータと、ステータの内側に軸方向の隙間を空けて対向する位置に配置されるロータとを備えるアキシアルギャップモータであってもよい。
また、上記の各実施形態においては、減速部Bにサイクロイド減速機構を採用したインホイールモータ駆動装置21の例を示したが、これに限ることなく、任意の減速機構を採用することができる。例えば、遊星歯車減速機構や平行軸歯車減速機構等が該当する。
さらに、図5に示した電気自動車11は、後輪14を駆動輪とした例を示したが、これに限ることなく、前輪13を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
11 電気自動車
12 シャーシ
12a ホイールハウジング
12b 懸架装置
13 前輪
14 後輪
15 ブレーキロータ
22a モータ部Aのハウジング
22b 減速部Bのハウジング
32b フランジ部
85 キャリパ
86 雌ねじ
87 キャリパ固定ボルト
88 キャリパ固定用孔
90 ハブボルト貫通孔

Claims (5)

  1. ブレーキロータに、ハブボルト貫通孔とは別に、少なくとも一つのキャリパ固定用孔を設けたことを特徴とするブレーキロータ。
  2. キャリパ固定用孔の大きさが、少なくともキャリパ固定ボルト又はキャリパ固定ナット、及びキャリパ固定ボルトの締め付け工具を挿入可能な大きさ以上としたことを特徴とする請求項1記載のブレーキロータ。
  3. 車体に取り付けられるハウジングの内部に駆動力を発生させるモータ部と、車輪に接続される車輪ハブ軸受部と、モータ部の回転を減速して車輪ハブ軸受部に伝達する減速部とを直列に備えるインホイールモータ駆動装置において、前記ハウジングに、キャリパ固定雌ねじ又は植設ボルト用貫通穴を設け、前記車輪ハブ軸受部に請求項1又は2に記載のブレーキロータを取付けたことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記車輪ハブ軸受部の車輪ハブのハブボルト間に、ブレーキロータのキャリパ固定用孔に対応する孔を設けたことを特徴とする請求項3に記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 前記車輪ハブ軸受部の車輪ハブが、ハブボルト間を肉抜きした花形形状である請求項3に記載のインホイールモータ駆動装置。
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