1.回路付サスペンション基板の概略
図1において、紙面左右方向は、先後方向(第1方向)であって、紙面左側が先側(第1方向一方側)、紙面右側が後側(第1方向他方側)である。また、紙面上下方向は、左右方向(幅方向、第2方向)であって、紙面上側が左側(幅方向一方側、第2方向一方側)、紙面下側が右側(幅方向他方側、第2方向他方側)である。また、紙面紙厚方向は、上下方向(厚み方向、第3方向)であって、紙面手前側が上側(厚み方向一方側、第3方向一方側)、紙面奥側が下側(厚み方向他方側、第3方向他方側)である。具体的には、各図の方向矢印に準拠する。
なお、図1および図2においては、中間絶縁層11、および、カバー絶縁層13を省略している。
配線回路基板の一例としての回路付サスペンション基板1は、図1および図2に示すように、磁気ヘッド3を搭載するスライダ4、および、発光素子5を搭載するスライダユニット6を実装して、ハードディスクドライブ(図示せず)に搭載される。
回路付サスペンション基板1は、図1に示すように、先後方向に延びる平帯形状に形成されている。回路付サスペンション基板1では、図3Aに示すように、金属支持層の一例としての金属支持基板8、金属支持基板8の上に形成される第1絶縁層の一例としてのベース絶縁層9、ベース絶縁層9の上に形成される第1導体層の一例としての下側導体層10、ベース絶縁層9の上に、下側導体層10を被覆するように形成される第2絶縁層の一例としての中間絶縁層11、中間絶縁層11の上に形成される第2導体層の一例としての上側導体層12、中間絶縁層11の上に、上側導体層12を被覆するように形成されるカバー絶縁層13を備えている。
なお、回路付サスペンション基板1は、図1に示すように、先後方向に延びる平面視略矩形の平帯形状に形成されており、先後方向に沿って延び、スライダユニット6が実装される配線部15と、配線部15の後側に設けられ、リード・ライト基板7に電気的に接続される外部接続部16とを備えている。
2.回路付サスペンション基板における配線部の構成
金属支持基板8は、配線部15において、図2に示すように、本体部19と、本体部19の先側に設けられるジンバル部20とを一体的に備えている。
本体部19は、先後方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。
ジンバル部20は、本体部19の先端縁から先側に連続して設けられており、本体部19に対して幅方向両外側に膨出する平面視略矩形状に形成されている。ジンバル部20の中央部には、金属支持基板8を厚み方向に貫通し、先側に向かって開放される平面視略U字形状のスリット22が設けられている。
また、ジンバル部20は、アウトリガー部23と、折返部24と、タング部25とを備えている。
アウトリガー部23は、スリット22の幅方向両外側に配置され、本体部19の幅方向両端部から幅方向外側に屈曲した後、先側に向かって延びる平面視略矩形状に1対として形成されている。
折返部24は、アウトリガー部23の先端部間に架設されている。折返部24は、幅方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。
タング部25は、スリット22の幅方向内側に配置され、折返部24から後方に向かって平面視略矩形舌状に延びている。タング部25の先側部分には、金属支持基板8を厚み方向に貫通する発光素子挿通開口26が設けられている。
発光素子挿通開口26は、幅方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。
ベース絶縁層9は、配線部15において、図1に示すように、金属支持基板8の本体部19、および、ジンバル部20に対応する配線部ベース絶縁層29を備えている。
配線部ベース絶縁層29は、金属支持基板8の本体部19、および、ジンバル部20の上面において、下側導体層10(先側発光素子端子33を除く)が形成されるパターンに対応するように形成されている。
下側導体層10は、配線部15において、先側発光素子端子33と、配線の一例としての下側発光素子配線34と、下側接続端子35(図2および図3A参照)とを備えている。
先側発光素子端子33は、ジンバル部20の中央部に、幅方向に間隔を隔てて複数(4つ)配置されている。詳しくは、発光素子挿通開口26内の先側部分に配置されている。先側発光素子端子33は、平面視略矩形状に形成されている。
先側発光素子端子33の幅および長さ(先後方向長さ)は、例えば、15μm以上、好ましくは、20μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、800μm以下である。
また、先側発光素子端子33間の間隔は、例えば、15μm以上、好ましくは、20μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、800μm以下である。
下側発光素子配線34は、配線部ベース絶縁層29の上面に幅方向に互いに間隔を隔てて複数(4つ)配置されている。下側発光素子配線34は、先側発光素子端子33と、後述する後側発光素子端子52Aとに電気的に接続されている。具体的には、下側発光素子配線34は、配線部15においては、配線部ベース絶縁層29の後端部から先側に延び、アウトリガー部23において、幅方向両側に向かって2束に分岐状に屈曲した後、幅方向両端部において先側に屈曲し、アウトリガー部23を通過するように先側に延び、折返部24において、幅方向内側に屈曲して集束状に至り、折り返されて、先側発光素子端子33の先端に至るように形成されている。
下側発光素子配線34の幅(幅方向長さ)は、例えば、5μm以上、好ましくは、8μm以上であり、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
また、下側発光素子配線34間の間隔は、例えば、5μm以上、好ましくは、8μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、100μm以下である。
下側接続端子35は、図2および図3Aに示すように、配線部ベース絶縁層29の後端部の上面に、幅方向に互いに間隔を隔てて複数(6つ)配置されている。下側接続端子35は、後述する後側ヘッド端子52Bに対して、後述する下側ヘッド配線54を介して電気的に接続されるように構成されている。
中間絶縁層11は、図1および図3Aが参照されるように、配線部15において、配線部中間絶縁層38を備えている。
配線部中間絶縁層38は、先側発光素子端子33、下側発光素子配線34、および、下側接続端子35の周縁を被覆するとともに、配線部ベース絶縁層29の上面において、上側導体層12が形成されるパターンに対応するように形成されている。なお、配線部中間絶縁層38は、厚み方向に投影したときに、発光素子挿通開口26の先端縁よりも後側まで延びるように形成されている。これにより、下側導体層10の先側発光素子端子33は、下側が露出され、上側が配線部中間絶縁層38によって被覆されている。
また、配線部中間絶縁層38は、連通穴40を備えている。
連通穴40は、配線部中間絶縁層38の後端部において、下側接続端子35と対応するように、幅方向に互いに間隔を隔てて複数(6つ)配置されている。連通穴40は、配線部中間絶縁層38を厚み方向に貫通するように形成されている。
これにより、連通穴40から、下側接続端子35の上面が一部露出されている。
連通穴40の幅および長さ(先後方向長さ)は、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、90μm以下である。
また、連通穴40間の間隔は、例えば、5μm以上、好ましくは、8μm以上であり、例えば、300μm以下、好ましくは、250μm以下である。
上側導体層12は、配線部15において、図1に示すように、先側ヘッド端子43と、上側接続端子44と、上側ヘッド配線45とを備えている。
先側ヘッド端子43は、厚み方向に投影したときに、発光素子挿通開口26よりも先側における配線部中間絶縁層38の上面に、幅方向に間隔を隔てて複数(6つ)配置されている。先側ヘッド端子43は、先側発光素子端子33よりも先側に配置されている。先側ヘッド端子43は、平面視略矩形状に形成されている。
先側ヘッド端子43の幅および長さ(先後方向長さ)は、例えば、15μm以上、好ましくは、20μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、800μm以下である。
また、先側ヘッド端子43間の間隔は、例えば、15μm以上、好ましくは、20μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、800μm以下である。
上側接続端子44は、配線部中間絶縁層38の後端部において、幅方向に互いに間隔を隔てて複数(6つ)配置されている。導体側接続端子33は、図3Aに示すように、配線部中間絶縁層38の複数の連通穴40のそれぞれに充填されるように形成されており、これにより、上側接続端子44の下端部が、対応する下側導体層10の下側接続端子35の上面と接触している。
上側接続端子44の幅および長さ(先後方向長さ)は、例えば、15μm以上、好ましくは、20μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、800μm以下である。
また、上側接続端子44間の間隔は、例えば、5μm以上、好ましくは、8μm以上であり、例えば、300μm以下、好ましくは、250μm以下である。
上側ヘッド配線45は、図1に示すように、幅方向に互いに間隔を隔てて複数(6つ)配置されている。上側ヘッド配線45は、先側ヘッド端子43と、上側接続端子44とに電気的に接続されている。具体的には、上側ヘッド配線45は、下側導体層10の下側発光素子配線34に沿っており、上側接続端子44から先側に延び、アウトリガー部23において、幅方向両側に向かって分岐状に屈曲した後、幅方向両端部において先側に屈曲し、アウトリガー部23を通過するように先側に延び、折返部24において、幅方向内側に屈曲して集束状に至り折り返されて、先側ヘッド端子43の先端に至るように形成されている。
上側ヘッド配線45の幅(幅方向長さ)は、例えば、5μm以上、好ましくは、8μm以上であり、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
また、上側ヘッド配線45間の間隔は、例えば、5μm以上、好ましくは、8μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、100μm以下である。
カバー絶縁層13は、図1が参照されるように、本体部19およびジンバル部20にわたって、中間絶縁層11の配線部中間絶縁層38の上面に、上側導体層12を被覆するパターンに形成されている。
具体的には、カバー絶縁層13は、上側接続端子44の上面、および、上側ヘッド配線45を被覆し、先側ヘッド端子43の上面を露出するパターンに形成されている。
そして、この回路付サスペンション基板1には、配線部15において、図1および図2に仮想線で示すように、スライダユニット6が搭載される。
スライダユニット6は、スライダ4と、発光素子5とを備えている。
スライダ4は、図1に示すように、平面視略矩形箱形状に形成されている。スライダ4は、磁気ヘッド3を搭載している。
磁気ヘッド3は、スライダ4の先端部の上側部分に形成されており、図示しない磁気ディスクに対して、読み取りおよび書き込みできるように設けられている。
発光素子5は、図2に示すように、スライダ4よりも外形の小さい平面視略矩形状に形成されている。発光素子5は、例えば、レーザダイオードを備えた熱アシスト装置であり、レーザービームによって、図示しない磁気ディスクの記録面を加熱することができるように設けられている。発光素子5は、スライダ4の先端部における下面に設けられている。
そして、スライダユニット6は、発光素子5が発光素子挿通開口26に挿通されるように、回路付サスペンション基板1に対して上側から実装される。
その後、スライダユニット6では、回路付サスペンション基板1に対して、スライダ4の端子が図示しないはんだボールなどにより上側導体層12の先側ヘッド端子43と電気的に接続され、発光素子5の端子が図示しないはんだボールなどにより下側導体層10の先側発光素子端子33と電気的に接続される。
3.回路付サスペンション基板における外部接続部の構成
ベース絶縁層9は、外部接続部16において、図1および図2に示すように、後側ベース絶縁層48を備えている。
後側ベース絶縁層48は、配線部ベース絶縁層29の後端縁から後側に連続して設けられており、先後方向に延びる平面視略矩形に形成されている。後側ベース絶縁層48は、金属支持基板8の本体部19の後端部よりも後側まで延びている。後側ベース絶縁層48は、第1開口部49を備えている。
第1開口部49は、図3Aおよび図3Bに示すように、後側ベース絶縁層48を厚み方向に貫通するように形成されている。第1開口部49は、図1および図2に示すように、千鳥状に互いに間隔を隔てて、複数(10個)形成されている。
具体的には、複数(10個)の第1開口部49の内の4つは、後側ベース絶縁層48の幅方向中央において、先後方向に互いに間隔を隔てて配置されている。
また、複数(10個)の第1開口部49の内の3つは、後側ベース絶縁層48の左側に配置されており、それぞれ、先後方向において、後側ベース絶縁層48の幅方向中央に配置される4つの第1開口部49の間となるように、互いに間隔を隔てて配置されている。
また、複数(10個)の第1開口部49の内の残りの3つは、後側ベース絶縁層48の右側に配置されており、それぞれ、先後方向において、後側ベース絶縁層48の幅方向中央に配置される第1開口部49の間となるように、互いに間隔を隔てて配置されている。なお、後側ベース絶縁層48の右側に配置される3つの第1開口部49のそれぞれは、後側ベース絶縁層48の左側に配置される3つの第1開口部49のそれぞれと、幅方向に投影したときに、重なっている。
第1開口部49の幅および長さ(先後方向長さ)は、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、200μm以下、好ましくは、150μm以下である。
また、第1開口部49間の間隔は、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、例えば、700μm以下、好ましくは、600μm以下である。
下側導体層10は、外部接続部16において、図1および図3Aに示すように、第1端子部の一例としての後側端子部52と、下側ヘッド配線54とを備えている。
後側端子部52は、後側ベース絶縁層48の第1開口部49を上側から覆うように配置されている。つまり、後側端子部52は、第1開口部49に対応して、千鳥状に互いに間隔を隔てて、複数(10個)形成されている。後側端子部52は、平面視略矩形状に形成されている。後側端子部52は、図3Aおよび図3Bに示すように、第1充填部55を備えている。
第1充填部55は、第1開口部49内に落ち込み、充填されるように形成されている。
また、後側端子部52は、後側発光素子端子52Aと、後側ヘッド端子52Bとに区別される。
後側発光素子端子52Aは、図1に示すように、後側端子部52の複数(10個)の内の4つであり、先側発光素子端子33と電気的に接続される端子である。具体的には、4つの後側発光素子端子52Aは、後側ベース絶縁層48の幅方向中央に配置される最先端の第1開口部49、先側から2番目の第1開口部49、最後端の第1開口部49、および、後側ベース絶縁層48の右側に配置される最後端の第1開口部49に対応している。
後側ヘッド端子52Bは、後側端子部52の複数(10個)の内の6つであり、下側接続端子35と電気的に接続される端子である。具体的には、後側ヘッド端子52Bは、後側端子部52の複数(10個)の内、後側発光素子端子52A以外の6つであり、後側ベース絶縁層48の幅方向中央に配置される後側から2番目の第1開口部49、後側ベース絶縁層48の左側に配置される3つの第1開口部49、後側ベース絶縁層48の右側に配置される最先端の第1開口部49、先後方向中央の第1開口部49に対応している。
そして、配線部15から外部接続部16まで延びる下側導体層10の下側発光素子配線34が、後側発光素子端子52Aに電気的に接続されている。
後側端子部52の幅および長さ(先後方向長さ)は、例えば、100μm以上、好ましくは、150μm以上であり、例えば、600μm以下、好ましくは、500μm以下である。
また、後側端子部52間の間隔は、例えば、100μm以上、好ましくは、150μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、900μm以下である。
下側ヘッド配線54は、幅方向に間隔を隔てて複数(6つ)配置されている。後側ヘッド端子52Bと、上記した下側接続端子35とに電気的に接続されている。具体的には、後側ヘッド端子52Bから先側に延び、下側接続端子35に至るように形成されている。
下側ヘッド配線54の幅(幅方向長さ)は、例えば、5μm以上、好ましくは、8μm以上であり、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
また、下側ヘッド配線54間の間隔は、例えば、5μm以上、好ましくは、8μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、100μm以下である。
中間絶縁層11は、外部接続部16において、図1および図3Aが参照されるように、後側中間絶縁層58を備えている。
後側中間絶縁層58は、下側ヘッド配線54、および、下側発光素子配線34の周縁を被覆するように、ベース絶縁層9の後側ベース絶縁層48の上面に形成されている。後側中間絶縁層58は、図3Aおよび図3Bに示すように、第2開口部59を備えている。
第2開口部59は、後側中間絶縁層58を厚み方向に貫通するように形成されている。第2開口部59は、厚み方向に投影したときに、第1開口部49と重なるように千鳥状に互いに間隔を隔てて、複数(10個)形成されている。
これにより、第2開口部59から、後側端子部52の上面が一部露出されている。
平面視において、第2開口部59の面積は、第1開口部49の面積に対して、例えば、10%以上、好ましくは、20%以上であり、例えば、300%以下、好ましくは、250%以下である。
第2開口部59の幅および長さ(先後方向長さ)は、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、200μm以下、好ましくは、150μm以下である。
また、第2開口部59間の間隔は、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、例えば、700μm以下、好ましくは、600μm以下である。
上側導体層12は、外部接続部16において、図1に示すように、第2端子部の一例としてのパッド部62を備えている。
パッド部62は、後側中間絶縁層58の第2開口部59を上側から覆うように配置されている。つまり、パッド部62は、第2開口部59に対応して、千鳥状に互いに間隔を隔てて、複数(10個)形成されている。パッド部62は、平面視略矩形状に形成されている。パッド部62は、図3Aおよび図3Bに示すように、第2充填部63を備えている。
第2充填部63は、第2開口部59内に落ち込み、充填されるように形成されている。これにより、第2充填部63の下端部は、後側端子部52の上面と接触している。
第2充填部63の幅および長さ(先後方向長さ)は、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、180μm以下、好ましくは、130μm以下である。
また、第2充填部63間の間隔は、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、例えば、700μm以下、好ましくは、600μm以下である。
金属支持基板8は、外部接続部16において、図2に示すように、支持部66を備えている。
支持部66は、第1開口部49に充填される第1充填部55を下側から覆うように配置され、第1充填部55の下端部と接触している。つまり、支持部66は、後側端子部52を介して、パッド部62と電気的に接続されている。
つまり、支持部66は、第1開口部49に対応して、千鳥状に互いに間隔を隔てて、複数(10個)形成されている。支持部66は、底面視略矩形状に形成されている。なお、複数の支持部66のそれぞれは、電気的に独立している。
支持部66の幅および長さ(先後方向長さ)は、例えば、100μm以上、好ましくは、150μm以上であり、例えば、600μm以下、好ましくは、500μm以下である。
また、支持部66間の間隔は、例えば、100μm以上、好ましくは、150μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、900μm以下である。
なお、図2および図3Aに示すように、すべての支持部66のそれぞれは、厚み方向に投影したときに、すべてのパッド部62のそれぞれと外形が一致するように形成されている。
また、図1および図2に示すように、後側端子部52の複数(10個)の内の7つが、厚み方向に投影したときに、支持部66、および、パッド部62と外形が一致するように形成されており、後側端子部52の複数(10個)の内の3つが、厚み方向に投影したときに、支持部66、および、パッド部62よりも小さくなるように形成されている。
具体的には、後側ベース絶縁層48の幅方向中央における最先端の後側端子部52、先側から2番目の後側端子部52、先側から3番目の後側端子部52、先側から4番目(最後端)の後側端子部52、後側ベース絶縁層48の左側における先側から3番目(最後端)の後側端子部52、後側ベース絶縁層48の右側における先側から2番目(先後方向中央)の後側端子部52、先側から3番目(最後端)の後側端子部52の7つの後側端子部52が、厚み方向に投影したときに、支持部66、および、パッド部62と外形が一致している。
また、後側ベース絶縁層48の幅方向左側における最先端の後側端子部52は、厚み方向に投影したときに、支持部66、および、パッド部62の右側略1/3と重なるように形成されており、その左側では、パッド部62、および、支持部66に挟まれるようにして、2つの下側ヘッド配線54が通過している。
また、後側ベース絶縁層48の幅方向左側における先側から2番目(先後方向中央)の後側端子部52は、厚み方向に投影したときに、支持部66、および、パッド部62の右側略2/3と重なるように形成されており、その左側では、パッド部62、および、支持部66に挟まれるようにして、1つの下側ヘッド配線54が通過している。
また、後側ベース絶縁層48の幅方向右側における最先端の後側端子部52は、厚み方向に投影したときに、支持部66、および、パッド部62の左側略1/3と重なるように形成されており、その右側では、パッド部62、および、支持部66に挟まれるようにして、1つの下側ヘッド配線54が通過している。
そして、この回路付サスペンション基板1には、外部接続部16において、図3Aおよび図3Bに仮想線で示すように、リード・ライト基板7が接合される。
リード・ライト基板7は、スライダユニット6で読み取った情報が伝達され、また、スライダユニット6に対して情報を伝達するように設けられている。リード・ライト基板7は、平面視略矩形状に形成されている。
リード・ライト基板7は、外部接続部16におけるパッド部62に対して、異方性導電フィルム69、および、ボンディングツール70を用いて接合される。
異方性導電フィルム69は、熱硬化性樹脂に導電性を有する微細な金属粒子が配合・分散されたフィルムから形成されている。異方性導電フィルム69の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
ボンディングツール70は、公知のボンディングツールからなり、異方性導電フィルム69を加熱可能に構成されている。
そして、異方性導電フィルム69を、パッド部62と、リード・ライト基板7との間に配置し、支持部66に対して下側からボンディングツール70を当接させ、後側端子部52、および、パッド部62を介して、異方性導電フィルム69を加熱する。
これにより、パッド部62と、リード・ライト基板7とが、異方性導電フィルム69によって接合される。
なお、パッド部62と、リード・ライト基板7との接合には、異方性導電フィルム69ではなく、はんだを用いることもできる。
4.回路付サスペンション基板の製造方法
次に、この回路付サスペンション基板1の製造方法について、図4A〜図6Fを参照して説明する。
まず、この方法では、図4Aに示すように、金属支持基板8を用意する。
金属支持基板8を形成する金属材料としては、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅−ベリリウム、りん青銅などの金属材料が用いられる。これらのうち、好ましくは、ステンレスが用いられる。
金属支持基板8の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、30μm以下、好ましくは、25μm以下である。
次いで、この方法では、図4Bに示すように、ベース絶縁層9を、金属支持基板8の上面に形成する。
具体的には、ベース絶縁層9を、図1が参照されるように、配線部ベース絶縁層29、および、後側ベース絶縁層48に対応するパターンとして、金属支持基板8の上面に形成する。後側ベース絶縁層48においては、第1開口部49を備えるパターンとして形成する。
ベース絶縁層9を形成する絶縁材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂などの絶縁材料が用いられる。これらのうち、好ましくは、ポリイミド樹脂が用いられる。
ベース絶縁層9を形成するには、感光性の絶縁材料のワニスを金属支持基板8の上面に塗布して乾燥させて、ベース皮膜を形成する。
その後、ベース皮膜を、図示しないフォトマスクを介して露光する。フォトマスクは、遮光部分、および、光全透過部分をパターンを備えており、ベース絶縁層9を形成する部分には光全透過部分を、ベース絶縁層9を形成しない部分と、第1開口部49を形成する部分には遮光部分を、ベース皮膜に対して、対向配置し、露光する。
その後、ベース皮膜を現像し、必要により加熱硬化させることにより、第1開口部49を備えるベース絶縁層9を、上記したパターンで形成する。
ベース絶縁層9の厚み(最大厚み)は、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、例えば、35μm以下、好ましくは、33μm以下である。
次いで、この方法では、図5Cに示すように、下側導体層10をベース絶縁層9の上面に形成する。
下側導体層10を形成する材料としては、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、またはそれらの合金などの金属材料が用いられる。これらのうち、好ましくは、銅が用いられる。
下側導体層10を形成するには、例えば、アディティブ法、サブトラクティブ法などの公知のパターンニング法が用いられる。好ましくは、アディティブ法が用いられる。
つまり、図1が参照されるように、下側導体層10を、ベース絶縁層9の上面に、先側発光素子端子33、下側発光素子配線34、下側接続端子35(図3A参照)、後側端子部52、下側ヘッド配線54を備えるように形成する。なお、後側端子部52については、第1充填部55が第1開口部49内に充填され、落ち込むように形成する。
下側導体層10の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、20μm以下である。
次いで、この方法では、図5Dに示すように、中間絶縁層11を、ベース絶縁層9の上面に、下側導体層10を被覆するように形成する。
具体的には、中間絶縁層11を、配線部中間絶縁層38、および、後側中間絶縁層58に対応するパターンとして、ベース絶縁層9の上面に形成する。後側中間絶縁層58においては、第2開口部59を備えるパターンとして形成する。
中間絶縁層11を形成する絶縁材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂などの絶縁材料が用いられる。これらのうち、好ましくは、ベース絶縁層9と同一の絶縁材料が用いられる。
中間絶縁層11を形成するには、感光性の絶縁材料のワニスを下側導体層10を含むベース絶縁層9の上面に塗布して乾燥させて、ベース皮膜を形成する。
その後、ベース皮膜を、図示しないフォトマスクを介して露光する。フォトマスクは、遮光部分、および、光全透過部分をパターンを備えており、中間絶縁層11を形成する部分には光全透過部分を、ベース絶縁層9を形成しない部分と、第2開口部59を形成する部分には遮光部分を、ベース皮膜に対して、対向配置し、露光する。
その後、ベース皮膜を現像し、必要により加熱硬化させることにより、第2開口部59を備える中間絶縁層11を、上記したパターンで形成する。
中間絶縁層11の厚み(最大厚み)は、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、例えば、35μm以下、好ましくは、33μm以下である。
次いで、この方法では、図6Eに示すように、上側導体層12を中間絶縁層11の上面に形成する。
上側導体層12を形成する材料としては、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、またはそれらの合金などの金属材料が用いられる。これらのうち、好ましくは、下側導体層10と同一の金属材料が用いられる。
上側導体層12を形成するには、上記と同様のパターンニング法が用いられ、好ましくは、アディティブ法が用いられる。
つまり、上側導体層12を、図1が参照されるように、中間絶縁層11の上面に、先側ヘッド端子43、上側接続端子44、上側ヘッド配線45、パッド部62を備えるように形成する。なお、パッド部62については、第2充填部63が第2開口部59内に充填され、落ち込むように形成する。
上側導体層12の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、20μm以下である。
次いで、この方法では、図6Fに示すように、カバー絶縁層13を、配線部15における中間絶縁層11(配線部中間絶縁層38)の上面に、上側導体層12を被覆するように形成する。
カバー絶縁層13を形成する絶縁材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂などの絶縁材料が用いられる。これらのうち、好ましくは、ベース絶縁層9、および、中間絶縁層11と同一の絶縁材料が用いられる。
カバー絶縁層13を形成するには、感光性の絶縁材料のワニスを塗布して乾燥させて、カバー皮膜を形成した後、カバー皮膜を露光し、続いて、現像して、加熱硬化することにより、上側接続端子44の上面、および、上側ヘッド配線45を被覆し、先側ヘッド端子43の上面を露出するパターンで形成する。
カバー絶縁層13の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、例えば、40μm以下、好ましくは、10μm以下である。
次いで、この方法では、図6Fに示すように、金属支持基板8を加工する。
金属支持基板8を加工するには、例えば、ドライエッチング(例えば、プラズマエッチング)やウェットエッチング(例えば、化学エッチング)などのエッチング法、例えば、ドリル穿孔、例えば、レーザ加工などの方法が用いられる。好ましくは、エッチング法により加工する。
これにより、金属支持基板8における本体部19より後側部分が部分的に除去され、複数の支持部66が互いに独立して形成される。
5.作用効果
この回路付サスペンション基板1によれば、図3Aおよび図3Bに示すように、パッド部62は、第2開口部59を介して後側端子部52と接続され、後側端子部52は、第1開口部49を介して支持部66と接続されている。
そのため、リード・ライト基板7とパッド部62とを、それらの間に異方性導電フィルム69を配置して加熱・接合するときに、支持部66に対して下側からボンディングツール70を当接させ、支持部66を加熱することによって、異方性導電フィルム69まで、確実に伝熱することができる。
その結果、リード・ライト基板7とパッド部62とを確実に接合することができる。
しかも、後側端子部52、および、パッド部62の下側に支持部66が形成されていることにより、後側端子部52、および、パッド部62を補強することができる。
また、この回路付サスペンション基板1によれば、図3Aおよび図3Bに示すように、支持部66、後側端子部52、および、パッド部62は、厚み方向に投影したときに、それらの外形が一致している。
そのため、パッド部62に対するリード・ライト基板7の接合時に、支持部66によって、均一に、後側端子部52とパッド部62とを介しての、パッド部62と外部基板との間の異方性導電フィルム69までの伝熱、および、後側端子部52とパッド部62との補強をすることができる。
また、この回路付サスペンション基板1によれば、図1および図2に示すように、支持部66は、互いに間隔を隔てて複数(10個)備えられ、第1開口部49、後側端子部52、第2開口部59(図3A参照)、および、パッド部62は、それぞれ、複数の支持部66に対応して、複数(10個)備えられている。
そのため、支持部66が複数備えられていても、それぞれが互いに間隔を隔てて配置されているので、支持部66同士を短絡させることなく配置することができる。
そして、複数の支持部66のそれぞれによって、複数の後側端子部52のそれぞれ、および、複数のパッド部62のそれぞれを介して、パッド部62とリード・ライト基板7との間の異方性導電フィルム69まで効率よく伝熱することができながら、複数の後側端子部52のそれぞれ、および、複数のパッド部62のそれぞれを補強することができる。