JP2016017133A - 液体洗浄剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】酵素活性の安定性が高く、かつ、外観安定性の良好な液体洗浄剤を提供すること。
【解決手段】(A)成分:界面活性剤と、(B)成分:水を45質量%以下と、(C)成分:メチルグリシン二酢酸、エチルグリシン二酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノジコハク酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、(D)成分:乳酸ナトリウムと、(E)成分:乳酸カルシウムと、(F)成分:プロテアーゼと、を含有し、[(D)成分+(E)成分]/(C)成分で表される質量比が0.01〜50である、液体洗浄剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、液体洗浄剤に関する。
家庭における衣料用洗剤として液体洗浄剤が多く用いられるようになってきている。衣料用洗剤には、衣料等(被洗物)に付着した種々の汚れに対する洗浄力を有していることが必要である。
液体洗浄剤には、従来、洗浄成分として界面活性剤が主に用いられている。また、液体洗浄剤には、例えば少量で洗浄力が向上するなど、様々な性能を発揮する酵素が添加剤として配合されることがある。しかし、液体洗浄剤中で酵素は失活しやすい。このため、液体洗浄剤においては、粒状洗剤に比べて酵素活性を維持することが難しく、酵素の配合効果が充分に得られない、という問題がある。
これに対し、液体洗浄剤中で酵素活性を維持するため、界面活性剤及び酵素に加えて、乳酸ナトリウムと乳酸カルシウムとを併用する技術が開示されている(特許文献1参照)。
また、ノニオン界面活性剤と、アミノカルボン酸又はその塩、及びホスホン酸又はその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分と、α−ヒドロキシ−モノカルボン酸又はその塩と、酵素と、を含有する液体洗浄剤が開示されている(特許文献2参照)。
国際公開第2011/110593号 国際公開第2012/144601号
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、特に界面活性剤濃度が高く、水の含有量が少ない組成(いわゆる濃縮タイプ)において、経時保存で沈殿物質が生じやすく、透明均一な外観を安定に保つことが難しかった。
また、特許文献2に記載の液体洗浄剤においては、洗浄成分等の違いによって酵素活性が維持されず、酵素の安定化が不充分であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、酵素活性の安定性が高く、かつ、外観安定性の良好な液体洗浄剤、を課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、上記課題を解決するために以下の手段を提供する。
すなわち、本発明の液体洗浄剤は、(A)成分:界面活性剤と、(B)成分:水を45質量%以下と、(C)成分:メチルグリシン二酢酸、エチルグリシン二酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノジコハク酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、(D)成分:乳酸ナトリウムと、(E)成分:乳酸カルシウムと、(F)成分:プロテアーゼと、を含有し、[(D)成分+(E)成分]/(C)成分で表される質量比が0.01〜50であることを特徴とする。
本発明の液体洗浄剤は、酵素活性の安定性が高く、かつ、外観安定性の良好なものである。
本発明の液体洗浄剤は、(A)成分:界面活性剤と、(B)成分:水を45質量%以下と、(C)成分:メチルグリシン二酢酸、エチルグリシン二酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノジコハク酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、(D)成分:乳酸ナトリウムと、(E)成分:乳酸カルシウムと、(F)成分:プロテアーゼと、を含有する。
本発明の液体洗浄剤は、家庭用、工業用の用途として利用可能であり、なかでも家庭用として好適に利用可能であり、衣料用として特に好適である。
洗浄対象となる被洗物の種類は、家庭における洗濯で洗浄対象とされているものと同様のものが挙げられ、例えば衣料、布巾、タオル類、シーツ等の繊維製品などが例示される。
<(A)成分:界面活性剤>
本発明の液体洗浄剤は、(A)成分を含有することで洗浄効果を有する。
(A)成分としては、衣料用などの液体洗浄剤に通常用いられている界面活性剤を用いることができ、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
≪ノニオン界面活性剤≫
(A)成分におけるノニオン界面活性剤としては、衣料用などの液体洗浄剤に通常用いられているノニオン界面活性剤を用いることができ、例えば、脂肪酸アルキルエステル、高級アルコール、アルキルフェノール、高級脂肪酸又は高級アミン等のアルキレンオキシド付加体;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキルアミンオキシド、アルケニルアミンオキシド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグルコシド等が挙げられる。
これらの中でも、液体洗浄剤の粘度及び外観安定性の点から、脂肪酸アルキルエステル、高級アルコール、アルキルフェノール、高級脂肪酸又は高級アミン等のアルキレンオキシド付加体が好ましい。
好ましいアルキレンオキシド付加体として、例えば、下記一般式(a1)で表されるポリオキシアルキレン型のノニオン界面活性剤(以下「(a1)成分」ともいう。)が挙げられる。
−X−[(EO)s/(PO)t]−(EO)u−R ・・・(a1)
[式中、Rは、炭素数7〜22の炭化水素基である。−X−は、2価の連結基である。Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表す。sは、EOの平均繰り返し数を表し、3〜20の数である。tは、POの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。uは、EOの平均繰り返し数を表し、0〜20の数である。]
前記式(a1)中、Rの炭素数は、7〜22であり、10〜18が好ましい。Rの炭素数が、前記の下限値以上であると、洗浄力が向上する。一方、前記の上限値以下であると、液安定性が向上する。
における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基又はアルケニル基がより好ましい。ここでのアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
−X−の2価の連結基としては、−O(酸素原子)−、−COO−、−CONH−等が挙げられる。
におけるアルキル基の炭素数は、1〜6であり、1〜3が好ましい。Rにおけるアルケニル基の炭素数は、2〜6であり、2又は3が好ましい。
−X−が−O−、−COO−又は−CONH−である(a1)成分は、1級又は2級の高級アルコール(R−OH)、高級脂肪酸(R−COOH)又は高級脂肪酸アミド(R−CONH)を原料として得ることができる。
前記式(a1)中、sは、3〜20の数であり、5〜18の数が好ましい。sが20を超えると、HLB値が高くなりすぎて、皮脂汚れ等の油汚れに対する洗浄力が低下する傾向にある。一方、sが3未満であると、臭気の劣化防止の効果が低下する傾向にある。
前記式(a1)中、tは、0〜6の数であり、0〜3の数が好ましい。tが6を超えると、液体洗浄剤の高温下での保存安定性が低下する傾向にある。
前記式(a1)中、uは、0〜20の数であり、0〜18の数が好ましい。uが20を超えると、親水性が高くなりすぎて洗浄力が低下するおそれがある。
tが0でない場合、つまり(a1)成分がEOとPOとの両方を有する場合、EOとPOとは、ブロック状に付加されていてもよく、ランダム状に付加されていてもよい。
EOとPOとをブロック状に付加する方法としては、例えば、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入する方法、プロピレンオキシドを導入した後にエチレンオキシドを導入する方法、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入してさらにエチレンオキシドを導入する方法等が挙げられる。
エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加モル数分布は特に限定されない。
該付加モル数分布は、(a1)成分を製造する際の反応方法によって変動しやすい。例えば、一般的な水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ触媒を用いて、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを疎水基原料に付加させた際には、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加モル数分布が比較的広い分布となる傾向にある。また、特公平6−15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを疎水基原料に付加させた際には、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加モル数分布が比較的狭い分布となる傾向にある。
前記式(a1)中、−X−における2価の連結基としては、−O−、−COO−が好ましい。
−X−が−O−である化合物の場合:
前記式(a1)中のRの炭素数は、10〜22が好ましく、10〜20がより好ましく、10〜18がさらに好ましい。Rは、水素原子が好ましく、この場合、一般式(a1)で表される化合物は、アルコールアルコキシレートである。この中でも、t=0である化合物(即ち、アルコールエトキシレート)がより好ましい。
−X−が−COO−である化合物の場合:
前記式(a1)中のRの炭素数は、9〜21が好ましく、11〜21がより好ましく、11〜17がさらに好ましい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基が好ましく、この場合、一般式(a1)で表される化合物は、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルキルエステル又はポリオキシアルキレン脂肪酸アルケニルエステルである。Rは、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がさらに好ましい。
前記式(a1)中の−X−が−O−又は−COO−である化合物の具体例としては、三菱化学株式会社製の商品名Diadol(C13のアルコール、Cは炭素数を示す。以下同様。)、Shell社製の商品名Neodol(C12/C13:C12のアルコールとC13のアルコールとの混合物)、Sasol社製の商品名Safol23(C12/C13)等のアルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;P&G社製の商品名CO−1214やCO−1270等の天然アルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;ブテンを3量化して得られるC12アルケン、をオキソ法に供して得られるC13アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(BASF社製の商品名Lutensol TO7);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(BASF社製の商品名Lutensol XL70);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、6モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(BASF社製の商品名Lutensol XA60);炭素数12〜14の第2級アルコールに対して、9モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(株式会社日本触媒製の商品名ソフタノール90又はソフタノール150);アルコキシル化触媒を用い、ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2(質量比))に対して、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(ポリオキシエチレンヤシ脂肪酸メチルエステルEO15モル)等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ノニオン界面活性剤としては、一般式(a1)で表される化合物((a1)成分)が好ましく、この中でも、前記アルコールアルコキシレート、並びに前記ポリオキシアルキレン脂肪酸アルキルエステル及びポリオキシアルキレン脂肪酸アルケニルエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
これらの中でも、自由水がより多く、(E)成分の沈殿が生じにくく、外観安定性がより向上することから、式(a1)中の−X−が−COO−である化合物が好ましく、その中でも、式(a1)中のRが炭素数1〜6のアルキル基である化合物がより好ましく、式(a1)中のtが0である化合物(即ち、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル)がさらに好ましく、式(a1)中のRがメチル基であるポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル(以下「MEE」と表記する。)が特に好ましい。
本発明の液体洗浄剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルを含有することにより、水への溶解性に優れ、高い洗浄力が得られやすくなる。また、高濃度で界面活性剤を含有しても、粘度の著しい増大(ゲル化)が生じにくく、良好な流動性を有する濃縮タイプの液体洗浄剤とすることができる。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル(中でも特にMEE)は、水溶液系中で分子同士の配向性が弱く、ミセルが不安定なノニオン界面活性剤であるため、高濃度領域でゲル化等を生じず、1種単独で多量に液体洗浄剤中に配合できる。また、水への溶解性が良好である。さらに、高濃度であっても良好な流動性を有する。したがって、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルは、洗濯機槽内の水中へ投入された後、洗濯液中での濃度が速やかに均一となる。これにより、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルを用いた場合、洗浄初期から所定の濃度で被洗物と接することができるため、高い洗浄力が得られる。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルとしては、エチレンオキシドの付加モル数が0である脂肪酸アルキルエステルと、エチレンオキシドの付加モル数が1又は2であるエチレンオキシド付加体と、の合計の含有割合が、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル全体に対して0.5質量%以下であるものが好ましく、0.2質量%以下であるものがより好ましい。かかる合計の含有割合が0.5質量%以下であると、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル由来の原料臭気がより低い液体洗浄剤が得られやすくなる。
液体洗浄剤においては、界面活性剤濃度を高くすることにより、少量の使用量で洗濯が行える、又は、洗剤容器のコンパクト化が図れる。このような高濃度で用いるのに好適な界面活性剤として、第2級アルコールにエチレンオキシドを付加した第2級アルコールエトキシレート(例えば株式会社日本触媒製のソフタノールシリーズ)や、前記のMEEが挙げられる。これらは、高濃度においてもゲル化領域が小さいため、高濃度で用いた際にゲル化を生じにくい。
また、ノニオン界面活性剤としては、第2級アルコールエトキシレート又はMEEと、第1級アルコールにエチレンオキシドを付加した第1級アルコールエトキシレートと、を併用してもよい。
第2級アルコールエトキシレート又はMEEと、第1級アルコールエトキシレートと、を併用する場合、これらの合計量(100質量%)に対して、第2級アルコールエトキシレート又はMEEの占める割合は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
液体洗浄剤中、ノニオン界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.1〜70質量%がより好ましく、5〜65質量%がさらに好ましく、10〜60質量%が特に好ましい。
ノニオン界面活性剤の含有量が、前記の好ましい下限値以上であることにより、洗浄力が高まる。特に10質量%以上であると、本発明の効果が顕著に現れるようになる。一方、前記の好ましい上限値以下であることにより、特に低温での液体洗浄剤の粘度の増大が抑制される。
≪アニオン界面活性剤≫
(A)成分におけるアニオン界面活性剤としては、従来、衣料用洗剤に用いられている公知のものを用いることができ、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、α−オレフィンスルホン酸塩、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩、アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられる。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものがより好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数10〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を有し、平均1〜5モルのアルキレンオキシド(エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド)を付加したもの(即ち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩)が好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数10〜20のものが好ましく、炭素数14〜17のものがより好ましい。中でも、該アルキル基が2級アルキル基であるもの(即ち、2級アルカンスルホン酸塩)がさらに好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、脂肪酸残基の炭素数10〜20のものが好ましい。
アニオン界面活性剤としては、上記で例示したもの以外のアニオン界面活性剤を用いてもよい。上記で例示したもの以外のアニオン界面活性剤としては、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸塩又はアルケニルアミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤の塩の形態としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
アニオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アニオン界面活性剤としては、上記の中でも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの中でも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩を用いた場合、本発明の効果が顕著に現れる。
酵素は、アニオン界面活性剤の中でも直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩の作用によって変性しやすい。本発明においては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩を含有していても、経時に従って酵素活性が維持される。
液体洗浄剤中、アニオン界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.1〜35質量%がより好ましく、1〜25質量%がさらに好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。
アニオン界面活性剤の含有量が、前記の好ましい下限値以上であることにより、洗浄効果、再汚染防止効果が得られやすくなる。一方、前記の好ましい上限値以下であることにより、酵素タンパクの変性が抑制され、本発明の効果が得られやすくなる。
≪カチオン界面活性剤≫
(A)成分におけるカチオン界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
≪両性界面活性剤≫
(A)成分における両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、又はリン酸型の両性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液体洗浄剤中、(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分としては、ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とを併用することがより好ましい。
ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤との比率は、ノニオン/アニオンで表される質量比で10未満が好ましく、0.5以上10未満がより好ましく、1〜8がさらに好ましく、2〜6が特に好ましい。ノニオン/アニオンが、前記の好ましい範囲内であれば、酵素活性の安定性が高まり、経時に従って酵素活性が維持されやすくなり、一方、前記の好ましい下限値を下回ると、アニオン界面活性剤のタンパク変性力が強くなり、酵素が失活しやすくなる。
また、(A)成分としては、(E)成分の沈殿が生じにくく、本発明の効果がより得られやすくなることから、ポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル(MEE)を含むことが好ましい。
液体洗浄剤中、(A)成分の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して、30質量%以上が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、35〜60質量%がさらに好ましい。
(A)成分の含有量が、前記の好ましい下限値以上であると、本発明の効果がより現れやすい。一方、前記の好ましい上限値以下であれば、特に低温での液体洗浄剤の粘度の増大が抑制される。
<(B)成分:水>
本発明の液体洗浄剤は、溶媒として水((B)成分)を含有する。
(B)成分には、例えば精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水などを用いることができる。
液体洗浄剤中、(B)成分の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して、45質量%以下であり、20〜45質量%が好ましく、25〜40質量%がより好ましく、30〜40質量%がさらに好ましい。
(B)成分の含有量が、前記の上限値以下であれば、洗浄性能を維持しつつ、本発明の効果が顕著に現れる。即ち、(D)成分及び/又は(E)成分による(F)成分の安定化が充分に図られる。
特に、(B)成分の含有量が30〜40質量%であれば、(A)成分を高濃度で配合することが可能となり、濃縮タイプの液体洗浄剤を容易に調製できる。加えて、(D)成分及び/又は(E)成分の析出等による液体洗浄剤の濁りや分離がより抑制される。
尚、前記の(B)成分の含有量は、液体洗浄剤中の全水分量を意味し、水単独で配合される量と、例えば原料(各成分)が水溶液として配合される際に持ち込まれる該水溶液中の水の量と、の合計量を示す。
<(C)成分:特定の化合物>
本発明における(C)成分は、メチルグリシン二酢酸、エチルグリシン二酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノジコハク酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。(C)成分を含有することで、主に、(F)成分の安定性を損なうことなく、(E)成分の沈殿が効果的に抑制される。
(C)成分の塩の形態としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩がより好ましい。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分としては、メチルグリシン二酢酸、エチルグリシン二酢酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく、メチルグリシン二酢酸又はその塩が特に好ましい。
液体洗浄剤中、(C)成分の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して、0.1〜5質量%が好ましく、0.15〜2質量%がより好ましく、0.2〜1.5質量%がさらに好ましい。(C)成分の含有量が、前記の好ましい範囲内であると、(E)成分の沈殿が、より効果的に抑制される。かかる効果が得られる理由としては、(E)成分が(C)成分によって効果的に捕捉されることで、液体洗浄剤中で(E)成分の分散安定化が図れるため、と考えられる。
また、(C)成分の含有量が、前記の好ましい下限値未満であると、(E)成分の沈殿を生じるおそれがあり、一方、前記の好ましい上限値を超えると、(C)成分の溶解性が低くなり、製剤化した際に(C)成分の沈殿を生じるおそれがある。
<(D)成分:乳酸ナトリウム>
本発明の液体洗浄剤においては、(D)成分と(E)成分とを併有することで、主に、(F)成分の経時安定性が高められる。
液体洗浄剤中、(D)成分の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して、0.01〜3質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましく、0.2〜1.5質量%がさらに好ましい。(D)成分の含有量が、前記の好ましい範囲内であると、(F)成分の経時安定性がより高められる。また、(D)成分の含有量が、前記の好ましい下限値未満であると、(F)成分に対する安定化効果が得られにくくなるおそれがあり、一方、前記の好ましい上限値を超えると、製剤化した際に(D)成分の沈殿を生じるおそれがある。
<(E)成分:乳酸カルシウム>
本発明の液体洗浄剤においては、(E)成分と(D)成分とを併有することで、主に、(F)成分の経時安定性が高められる。
液体洗浄剤中、(E)成分の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して、0.01〜3質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましく、0.2〜1.5質量%がさらに好ましい。(E)成分の含有量が、前記の好ましい範囲内であると、(F)成分の経時安定性がより高められる。また、(E)成分の含有量が、前記の好ましい下限値未満であると、(F)成分に対する安定化効果が得られにくくなるおそれがあり、一方、前記の好ましい上限値を超えると、製剤化した際に(E)成分の沈殿を生じるおそれがある。
液体洗浄剤中、(D)成分と(E)成分との合計の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して、0.1〜6質量%が好ましく、0.15〜4質量%がより好ましく、0.2〜2質量%がさらに好ましい。かかる合計の含有量が、前記の好ましい下限値未満であると、(F)成分に対する安定化効果が得られにくくなるおそれがあり、一方、前記の好ましい上限値を超えると、製剤化した際に沈殿を生じるおそれがある。
(D)成分と(E)成分とを併有することによって、(F)成分の経時安定性が高められる理由は、定かではないが、(D)成分と(E)成分との複合体が形成されることで、それぞれ単独の場合よりも、(F)成分に対する作用が強まるため、と考えられる。
本発明において「(D)成分/(E)成分で表される質量比」とは、液体洗浄剤に含まれる(E)成分の含有量(質量%)に対する、(D)成分の含有量(質量%)の割合を意味する。
かかる(D)成分/(E)成分で表される質量比(以下「(D)/(E)質量比」と表記する。)は、0.06〜18が好ましく、0.2〜10がより好ましく、0.2〜5がさらに好ましく、0.5〜5が特に好ましい。(D)/(E)質量比が、前記の好ましい下限値未満であると、製剤化した際に(E)成分の沈殿を生じるおそれがある。一方、前記の好ましい上限値を超えると、(F)成分に対する安定化効果が得られにくくなるおそれがある。
本発明において「[(D)成分+(E)成分]/(A)成分で表される質量比」とは、液体洗浄剤に含まれる(A)成分の含有量(質量%)に対する、(D)成分と(E)成分との合計の含有量(質量%)の割合を意味する。
かかる[(D)成分+(E)成分]/(A)成分で表される質量比(以下「[(D)+(E)]/(A)質量比」と表記する。)は、0.001〜10が好ましく、0.005〜5がより好ましく、0.01〜3が特に好ましい。[(D)+(E)]/(A)質量比が、前記の好ましい下限値未満であると、(F)成分に対する安定化効果が得られにくくなるおそれがあり、一方、前記の好ましい上限値を超えると、製剤化した際に沈殿を生じるおそれがある。
(A)成分がアニオン界面活性剤を含む場合、[(D)成分+(E)成分]/アニオン界面活性剤で表される質量比は、0.005〜1が好ましく、0.01〜0.5がより好ましく、0.02〜0.4がさらに好ましく、0.05〜0.1が特に好ましい。この質量比が、前記の好ましい下限値未満であると、(F)成分に対する安定化効果が得られにくくなるおそれがあり、一方、前記の好ましい上限値を超えると、製剤化した際に沈殿を生じるおそれがある。
本発明において「[(D)成分+(E)成分]/(C)成分で表される質量比」とは、液体洗浄剤に含まれる(C)成分の含有量(質量%)に対する、(D)成分と(E)成分との合計の含有量(質量%)の割合を意味する。
かかる[(D)成分+(E)成分]/(C)成分で表される質量比(以下「[(D)+(E)]/(C)質量比」と表記する。)は、0.01〜50であり、0.1〜25が好ましく、0.1〜20がより好ましく、0.1〜10がさらに好ましく、0.15〜5が特に好ましい。[(D)+(E)]/(C)質量比が、前記の範囲内であると、酵素の安定化効果に優れ、かつ、外観安定性が良好となる。また、[(D)+(E)]/(C)質量比が、前記の下限値未満であると、(F)成分に対する安定化効果が得られにくく、酵素活性の安定性が確保されにくくなり、一方、前記の上限値を超えると、製剤化した際に沈殿を生じるおそれがあり、外観安定性が低下しやすくなる。
<(F)成分:プロテアーゼ>
本発明の液体洗浄剤においては、(F)成分:プロテアーゼを含有することで、タンパク質汚れに対する洗浄力が高まる。
一般に、プロテアーゼを含有する製剤(プロテアーゼ製剤)が市販されている。液体洗浄剤を調製する際、(F)成分は、通常、このプロテアーゼ製剤を用いて配合される。
プロテアーゼ製剤としては、例えば、ノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase 16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L等が挙げられる。また、ジェネンコア社から入手できる商品名Purafect L、Purafect OX、Properase L等が挙げられる。
(F)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プロテアーゼ製剤としては、上記の中でも、商品名Savinase 16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L、Everlase Ultra 16L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5Lが好ましく、Everlase 16L、Savinase 16L、Coronase 48L、Alcalase 2.5Lがより好ましく、Everlase 16L、Coronase 48L、Alcalase 2.5Lがさらに好ましく、Coronase 48Lが特に好ましい。
液体洗浄剤中の(F)成分の含有量は、液体洗浄剤の総量に対し、酵素タンパク量として0.001〜0.2質量%程度が好ましく、0.005〜0.15質量%程度がより好ましく、0.01〜0.1質量%程度がさらに好ましい。
(F)成分におけるタンパク量が、前記の好ましい下限値以上であることにより、(F)成分の配合効果が充分に得られる。一方、前記の好ましい上限値以下であることにより、保存中の(F)成分の析出が抑制され、液安定性が高まる。また、前記の好ましい上限値を超えても、性能が飽和に達し、経済的に不利となる。
尚、液体洗浄剤中の酵素タンパク量の定量は、LOWRY法により測定が可能である。例えば、ナカライテクス株式会社製のプロテインアッセイLOWRYキットを用いた方法が挙げられる。
プロテアーゼ製剤を用いて(F)成分を配合する場合、プロテアーゼ製剤の配合量は、洗浄性能向上の面から、液体洗浄剤の総量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、0.2質量%以上が特に好ましく、一方、水分量の少ない組成における酵素析出、及び酵素の性能飽和という点から、液体洗浄剤の総量に対して、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
本発明において「アニオン界面活性剤/(F)成分で表される質量比」とは、液体洗浄剤に含まれる「(F)成分を含有する製剤(酵素製剤)」の配合量(質量%)に対する、アニオン界面活性剤の含有量(質量%)の割合を意味する。
(A)成分がアニオン界面活性剤を含む場合、アニオン界面活性剤/(F)成分で表される質量比は、80以下が好ましく、1〜60がより好ましく、1〜50が特に好ましい。この質量比が、前記の好ましい範囲内であると、酵素活性の安定性がより高まる。
また、アニオン界面活性剤と(F)成分との比率において、(F)成分の量をタンパク量換算で表すと、アニオン界面活性剤/(F)成分(タンパク量換算)で表される質量比は、800以下が好ましく、10〜600がより好ましく、10〜500が特に好ましい。
本発明において「[(D)成分+(E)成分]/(F)成分で表される質量比」とは、液体洗浄剤に含まれる「(F)成分を含有する製剤(酵素製剤)」の配合量(質量%)に対する、(D)成分と(E)成分との合計の含有量(質量%)の割合を意味する。
かかる[(D)成分+(E)成分]/(F)成分で表される質量比(以下「[(D)+(E)]/(F)質量比」と表記する。)は、0.01〜50が好ましく、0.1〜30がより好ましく、0.1〜20がさらに好ましい。[(D)+(E)]/(F)質量比が、前記の下限値未満であると、(F)成分に対する安定化効果が得られにくくなり、一方、前記の上限値を超えると、製剤化した際に沈殿を生じるおそれがある。
また、(D)成分と(E)成分と(F)成分との比率において、(F)成分の量をタンパク量換算で表すと、[(D)成分+(E)成分]/(F)成分(タンパク量換算)で表される質量比は、0.1〜500が好ましく、1〜300がより好ましく、1〜200が特に好ましい。
<任意成分>
本発明の液体洗浄剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した成分以外のその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、特に限定されず、通常、衣料用の液体洗浄剤に配合される成分が挙げられ、例えば、(F)成分以外の酵素、水混和性有機溶媒、酵素安定化剤、減粘剤及び可溶化剤、アルカリ剤、金属イオン捕捉剤、酸化防止剤、防腐剤、風合い向上剤、蛍光増白剤、再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤、着香剤、着色剤、乳濁化剤、天然物などのエキス、香料、pH調整剤などを用いることができる。
本発明の液体洗浄剤には、(F)成分以外の酵素を用いてもよい。(F)成分と(F)成分以外の酵素とを併有することで、各種の汚れに対する洗浄力が高まる。加えて、様々な性能を適宜付与できる。
(F)成分以外の酵素としては、従来、衣料用洗剤に用いられている公知のものを用いることができ、例えばアミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ等が挙げられる。
一般に、これらの酵素をそれぞれ含有する製剤(酵素製剤)が市販されている。液体洗浄剤を調製する際、(F)成分以外の酵素は、通常、それぞれの酵素製剤を用いて配合される。
アミラーゼを含有する製剤(アミラーゼ製剤)としては、例えば、ノボザイムズ社から入手できる商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L;ジェネンコア社から入手できる商品名Maxamyl、天野製薬株式会社から入手できる商品名プルラナーゼアマノ、生化学工業株式会社から入手できる商品名DB−250等が挙げられる。
リパーゼを含有する製剤(リパーゼ製剤)としては、例えば、ノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100L等が挙げられる。
セルラーゼを含有する製剤(セルラーゼ製剤)としては、例えば、ノボザイムズ社から入手できる商品名Endolase 5000L、Celluzyme 0.4L、Carzyme 4500L等が挙げられる。
マンナナーゼを含有する製剤(マンナナーゼ製剤)としては、例えば、ノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4L等が挙げられる。
(F)成分以外の酵素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(F)成分以外の酵素としては、上記の中でも、プロテアーゼとの併用による効果(皮脂汚れ等の油汚れに対する洗浄力等の向上など)の点から、セルラーゼが好ましい。
液体洗浄剤中、(F)成分以外の酵素の含有量は、液体洗浄剤の総量に対し、酵素タンパク量として0.001〜0.2質量%程度が好ましく、0.005〜0.15質量%程度がより好ましく、0.01〜0.1質量%程度がさらに好ましい。
(F)成分以外の酵素におけるタンパク量が、前記の好ましい下限値以上であることにより、該酵素のそれぞれの配合効果が充分に得られる。一方、前記の好ましい上限値以下であることにより、保存中の該酵素の析出が抑制され、液安定性が高まる。また、前記の好ましい上限値を超えても、性能が飽和に達し、経済的に不利となる。
酵素製剤を用いて(F)成分以外の酵素を配合する場合、酵素製剤の配合量は、液体洗浄剤の総量に対し、下限値として0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、0.2質量%以上が特に好ましく、一方、上限値として2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
本発明の液体洗浄剤には、外観安定性の向上の点から、水以外の溶媒を用いてもよい。水以外の溶媒としては、水混和性有機溶媒が挙げられる。
本発明において、「水混和性有機溶媒」とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶剤をいう。
水混和性有機溶媒としては、例えばエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、平均分子量約200のポリエチレングリコール、平均分子量約400のポリエチレングリコール、平均分子量約1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのポリグリコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのアルキルエーテル類等が挙げられる。
水混和性有機溶媒の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して0.1〜15質量%が好ましい。
酵素安定化剤としては、例えば、ホウ砂、ホウ酸、ギ酸又はこれらの塩;塩化カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム塩類などが挙げられる。
酵素安定化剤の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して0〜2質量%が好ましい。
減粘剤及び可溶化剤としては、芳香族スルホン酸又はその塩が挙げられ、例えば、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、置換もしくは非置換ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、置換もしくは非置換ナフタレンスルホン酸、又はこれらの塩が挙げられる。
塩の形態としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
減粘剤及び可溶化剤の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して0.01〜15質量%が好ましい。この好ましい範囲にあると、液体洗浄剤の液表面において該液体洗浄剤がゲル化することにより形成される皮膜の生成がより抑制される。
アルカリ剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。アルカリ剤の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して0.5〜5質量%が好ましい。
金属イオン捕捉剤((C)成分を除く)としては、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。金属イオン捕捉剤の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して0.01〜20質量%が好ましい。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、洗浄力と液安定性とが良好であることから、フェノール系酸化防止剤が好ましく、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等のモノフェノール系酸化防止剤;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール等のビスフェノール系酸化防止剤、dl−α−トコフェロール等の高分子型フェノール系酸化防止剤がより好ましく、モノフェノール系酸化防止剤、高分子型フェノール系酸化防止剤がさらに好ましい。
モノフェノール系酸化防止剤の中では、ジブチルヒドロキシトルエンが特に好ましい。高分子型フェノール系酸化防止剤の中では、dl−α−トコフェロールが特に好ましい。酸化防止剤の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して0.01〜2質量%が好ましい。
本発明の液体洗浄剤は、防腐剤として、例えばローム・アンド・ハース社製:商品名ケーソンCG等を、液体洗浄剤の総量に対して0.001〜1質量%含有してもよい。
また、保存安定性の向上を目的として、安息香酸又はその塩(防腐剤としての効果もある)を含有してもよい。この塩の形態としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。安息香酸又はその塩の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.15〜2質量%がより好ましい。
本発明の液体洗浄剤は、風合い向上を目的として、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーンを、液体洗浄剤の総量に対して0〜5質量%含有してもよい。
本発明の液体洗浄剤は、主に白色衣類の白度向上を目的として、ジスチリルビフェニル型等の蛍光増白剤を、液体洗浄剤の総量に対して0〜1質量%含有してもよい。
本発明の液体洗浄剤は、移染防止又は再汚染防止を目的として、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等の再汚染防止剤を、液体洗浄剤の総量に対して0〜2質量%含有してもよい。
その他の成分としては、パール剤、ソイルリリース剤等を含有してもよい。
本発明の液体洗浄剤は、商品の付加価値の向上等を目的として、着香剤、着色剤、乳濁化剤、天然物などのエキス等を含有してもよい。
着香剤としては、代表的な例として、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A、B、C、Dなどが挙げられる。着香剤の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して0.1〜1質量%が好ましい。
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料が挙げられる。着色剤の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して0.00005〜0.005質量%程度が好ましい。
乳濁剤としては、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製、商品名サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等が挙げられる。乳濁剤の含有量は、液体洗浄剤の総量に対して0.01〜0.5質量%が好ましい。
天然物などのエキスとしては、例えばイヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウなどの植物エキスが挙げられる。
天然物などのエキスの含有量は、液体洗浄剤の総量に対して0〜0.5質量%程度が好ましい。
液体洗浄剤のpHは、必要に応じて、pH調整剤を添加することにより調整できる。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、クエン酸等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等が挙げられ、外観安定性の面から、塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましい。pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の液体洗浄剤は、25℃におけるpHが4〜9であることが好ましく、pH6〜9であることがより好ましい。pHが前記の好ましい範囲にあると、液体洗浄剤の保存安定性がより良好に維持される。
本発明において、液体洗浄剤のpHは、液体洗浄剤を25℃に調整し、pHメーター等により測定される値を示す。
本発明の液体洗浄剤は、定法により、水((B)成分)と、(A)成分と、(C)成分と、(D)成分と、(E)成分と、(F)成分と、必要に応じてその他の任意成分と、を混合することにより製造される。
以上説明した本発明の液体洗浄剤においては、(A)成分:界面活性剤と、(B)成分:水を45質量%以下と、(F)成分:プロテアーゼと、を含有するとともに、(D)成分:乳酸ナトリウムと(E)成分:乳酸カルシウムとを組み合わせて用いることにより、(F)成分の安定化が図れて酵素活性の安定性が高い。加えて、(C)成分(メチルグリシン二酢酸、エチルグリシン二酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノジコハク酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物)を、[(D)成分+(E)成分]/(C)成分で表される質量比0.01〜50となるように併有することで、透明均一な外観が保たれて外観安定性が良好となる。
また、本発明の液体洗浄剤においては、プロテアーゼとこれ以外の酵素との2種以上の酵素を含有しても、いずれの酵素活性も安定に維持される。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
各例の液体洗浄剤の組成を表1〜3に示した。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
・(A)成分:界面活性剤
A−1:C1123CO(OCHCH15OCHを8質量部と、C1327CO(OCHCH15OCHを2質量部との混合物。ラウリン酸メチル8質量部とミリスチン酸メチル2質量部との混合物に、平均15モルのエチレンオキシドが付加したノニオン界面活性剤。上記一般式(a1)中、R=炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、X=COO、R=メチル基、s=15、t=0、u=0。
A−2:天然アルコール(質量比で炭素数12アルコール/炭素数14アルコール=7/3)に、8モルのエチレンオキシド、2モルのプロピレンオキシド、8モルのエチレンオキシドの順にブロック付加させて得られたノニオン界面活性剤。上記一般式(a1)中、R=炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、X=O、R=水素原子、s=8、t=2、u=8。
A−3:天然アルコールCO−1270(商品名、プロクター・アンド・ギャンブル社製)に、平均15モルのエチレンオキシドが付加したノニオン界面活性剤。上記一般式(a1)中、R=炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、X=O、R=水素原子、s=15、t=0、u=0。
A−4:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、商品名「ライポンLH−200」、ライオン株式会社製。
・(B)成分:水
B−1:蒸留水。
・(C)成分:特定の化合物
C−1:メチルグリシン二酢酸三ナトリウム(MGDA)、商品名「トリロンM」、BASF社製。
C−2:エチルグリシン二酢酸、関東化学株式会社製。
C−3:ニトリロ三酢酸、関東化学株式会社製。
C−4:イミノジコハク酸、関東化学株式会社製。
・(C’)成分:(C)成分の比較成分
C’−1:エチレンジアミン四酢酸、関東化学株式会社製。
・(D)成分:乳酸ナトリウム
D−1:乳酸ナトリウム、関東化学株式会社製。
・(D’)成分:(D)成分の比較成分
D’−1:酢酸ナトリウム、関東化学株式会社製。
・(E)成分:乳酸ナトリウム
E−1:乳酸カルシウム、関東化学株式会社製。
・(E’)成分:(E)成分の比較成分
E’−1:塩化カルシウム、関東化学株式会社製。
・(F)成分:プロテアーゼ
F−1:コロナーゼ製剤、商品名「Coronase 48L」、ノボザイムズ社製。
F−2:アルカラーゼ製剤、商品名「Alcalase 2.5L」、ノボザイムズ社製。
F−3:エバラーゼ製剤、商品名「Everlase 16L」、ノボザイムズ社製。
・任意成分
セルラーゼ:セルラーゼ製剤(酵素)、商品名「Carzyme Premium4500L」、ノボザイムズ社製。
MEA:モノエタノールアミン(アルカリ剤、pH調整剤)、株式会社日本触媒製。
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン(酸化防止剤)、商品名「SUMILZER BHT−R」、住友化学株式会社製。
エタノール:水混和性有機溶媒、商品名「特定アルコール95度合成」、日本アルコール販売株式会社製。
香料:着香剤、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
PTS:p−トルエンスルホン酸(減粘剤及び可溶化剤、pH調整剤)、協和発酵工業株式会社製。
色素:着色剤、商品名「緑色3号」、癸巳化成株式会社製。
<液体洗浄剤の調製>
表1〜3に示す組成(配合成分、含有量(質量%))に従い、下記の製造方法により各例の液体洗浄剤をそれぞれ調製した。表に示す含有量は、配合成分の含有量(純分換算量)を示す。表中、空欄は、その配合成分が配合されていないことを意味する。
表中、「(D)/(E)質量比」は、(D)成分/(E)成分で表される質量比、と同義であり、液体洗浄剤に含まれる(E)成分の含有量(質量%)に対する、(D)成分の含有量(質量%)の割合を意味する。
「[(D)+(E)]/(C)質量比」は、[(D)成分+(E)成分]/(C)成分で表される質量比、と同義であり、液体洗浄剤に含まれる(C)成分の含有量(質量%)に対する、(D)成分と(E)成分との合計の含有量(質量%)の割合を意味する。
「[(D)+(E)]/(F)質量比」は、[(D)成分+(E)成分]/(F)成分で表される質量比、と同義であり、液体洗浄剤に含まれる「(F)成分を含有する製剤(酵素製剤)」の配合量(質量%)に対する、(D)成分と(E)成分との合計の含有量(質量%)の割合を意味する。
各質量比について、比較例9では(C)成分の代わりに(C’)成分、比較例11では(D)成分の代わりに(D’)成分、比較例3では(E)成分の代わりに(E’)成分の含有量(質量%)をそれぞれ用いた。
各例の液体洗浄剤に含まれる共通成分(X)の組成を以下に示す。各配合成分の含有量(質量%)は液体洗浄剤中の割合を示す。共通成分(X)の合計の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して10.5505質量%である。
なお、MEAの1質量%及びPTSの1質量%には、液体洗浄剤のpH(25℃)を7.0に調整するために添加した量を含む。
共通成分(X):
MEA 1質量%、BHT 0.05質量%、エタノール 8質量%、香料 0.5質量%、PTS 1質量%、色素 0.0005質量%。
(実施例1〜26、比較例1〜11)
各例の液体洗浄剤を下記の手順で調製した。
50mLのビーカーに、(D)成分又は(D’)成分と、(E)成分又は(E’)成分と、を投入し、マグネットスターラー(MITAMURA RIKEN KOGYO INC.)を用いて長さ25mm、直径8mmのスターラーチップで20分間撹拌し、事前混合物を得た。
別途、500mLのビーカーに、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分又は(C’)成分と、任意成分と、を投入して撹拌し、これらの成分を溶解させた。次いで、この(A)〜(C)成分と任意成分との溶液に、前記事前混合物と、(F)成分と、を投入して撹拌した。その際、必要に応じて加温溶解し、最終的に得られる混合液の温度が20℃±5℃になるように調整した。
次いで、pHメーター(製品名HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)を用い、最終的に得られる混合液の25℃におけるpHが7.0になるように、pH調整剤としてMEA及び/又はPTSを添加して液体洗浄剤を得た。
<液体洗浄剤の評価>
各例の液体洗浄剤について、以下に示す評価方法により「液体洗浄剤における酵素活性の安定性」及び「外観安定性」の評価をそれぞれ行った。その結果を表1〜3に併記した。
≪液体洗浄剤における酵素活性の安定性についての評価≫
液体洗浄剤のプロテアーゼ活性、セルラーゼ活性をそれぞれ以下のようにして測定した。
[プロテアーゼ活性の測定]
調製後、37℃で4週間保存した液体洗浄剤(37℃保存品)及び4℃で4週間保存した液体洗浄剤(4℃保存品)について、下記の手順によりプロテアーゼ活性を測定した。
ミルクカゼイン(Casein、Bovine Milk、Carbohydrate and Fatty Acid Free/Calbiochem(登録商標))を1N水酸化ナトリウム(1mol/L水酸化ナトリウム溶液(1N)、関東化学株式会社製)に溶解し、pHを10.5とした。これを、0.05Mホウ酸(ホウ酸(特級)、関東化学株式会社製)水溶液で、ミルクカゼインの濃度が0.6質量%になるように希釈してプロテアーゼ基質とした。
各例の液体洗浄剤1gを、3°DH硬水(塩化カルシウム(特級、関東化学株式会社製)で硬度を調整)で25倍(質量比)に希釈した溶液をサンプル溶液とした。
サンプル溶液1gに、上記プロテアーゼ基質5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した後、37℃、30分間静置して酵素反応を進めた。その後、前記酵素反応後のサンプル溶液に、酵素反応停止剤のTCA(トリクロロ酢酸(特級)、関東化学株式会社製)の0.44M水溶液5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した。その後、この溶液を20℃、30分間静置し、析出物(未反応基質)を0.45μmフィルターで除去し、ろ液を回収した。
回収したろ液について、波長275nmにおける吸光度(吸光度A)を、株式会社島津製作所製の紫外可視分光光度計UV−160を用いて測定した。吸光度Aが大きいほど、ろ液中に存在するチロシン(プロテアーゼがプロテアーゼ基質を分解することにより産生)の量が多かったことを示す。
目的成分以外の吸収の影響を除くため、別途、各サンプル溶液1gに、TCAの0.44M水溶液5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した。その後、プロテアーゼ基質5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した。次いで、析出物を0.45μmフィルターで除去し、ろ液を回収した。その後、回収したろ液について、波長275nmの吸光度(吸光度B)を、UV−160を用いて測定した。
得られた吸光度A、吸光度Bに基づき、下式(1)により、プロテアーゼ活性残存率(%)を求めた。
尚、式(1)に代入した各試料の275nmにおける吸光度の値は、気泡等の散乱光を吸光度から除外するため、同時に測定した600nmの吸光度値を除したものである。
プロテアーゼ活性残存率(%)
={(37℃保存品の吸光度A)−(37℃保存品の吸光度B)}/{(4℃保存品の吸光度A)−(4℃保存品の吸光度B)}×100 ・・・(1)
そして、求めたプロテアーゼ活性残存率(%)を指標とした下記評価基準に従い、プロテアーゼ活性の保存安定性を評価した。その結果を表1〜3に示す。
かかるプロテアーゼ活性の保存安定性が良いほど、液体洗浄剤におけるプロテアーゼ活性の安定性が高いことを意味する。
評価基準
◎:プロテアーゼ活性残存率が85%以上。
○:プロテアーゼ活性残存率が75%以上85%未満。
△:プロテアーゼ活性残存率が65%以上75%未満。
×:プロテアーゼ活性残存率が65%未満。
[セルラーゼ活性の測定]
調製後、37℃で4週間保存した液体洗浄剤(37℃保存品)及び4℃で4週間保存した液体洗浄剤(4℃保存品)について、下記の手順によりセルラーゼ活性を測定し、標準酵素を用いた検量線から各液体洗浄剤の力価を求めた。
セルロースパウダーであるアビセル(Fluka社製、No.11365)20gに85質量%リン酸溶液600mLを加え、アイスバスで冷やしながらスターラーでゆっくり撹拌し、そこにアセトン400mLを加えて膨潤させた。得られた膨潤液をフィルターでろ過し、アセトン400mLで3回洗い流し、MilliQ水1000mLで7回洗い流した。これにMilliQ水2000mLを加え、これをセルラーゼ基質とした。
予め、前述の[プロテアーゼ活性の測定]と同様にして、サンプル溶液を調製した。
遠沈管にサンプル溶液2mLと、0.1Mリン酸バッファー2mLと、前記セルラーゼ基質2mLとを入れ、撹拌しながら50℃のウォーターバスに60分間つけて反応させた。その後、2質量%NaOH水溶液1mLを加えて反応を停止させた。これを遠心分離(4000rpm、10分間)し、上清を採取した。この上清4mLに発色試薬PAHBAH溶液2mLを加え、撹拌した。その後、この溶液を、100℃で8分間煮沸し、グルコース還元糖と発色試薬とを反応させた。その後、この溶液を、氷浴で冷やし、波長410nmにおける吸光度を測定した。
尚、発色試薬PAHBAH溶液は、PAHBAH(4−Hydroxybenzhydrazide、Sigma社製、No.H−9882)1.5gに、(+)−酒石酸カリウムナトリウム四水和物5.0gとBismuth(III)acetate0.193gとを添加し、2質量%NaOH水溶液で100mLにメスアップしたものである。
別途、以下の手順で標準酵素溶液を調製し、検量線を作成した。
標準酵素(5700ECU/g)0.175gを、0.1Mリン酸バッファー1Lに溶解させ、母液とした。この母液を、0.1Mリン酸バッファーを用いて段階的に希釈し、0.1Mリン酸バッファーのみ、母液の250倍希釈溶液、50倍希釈溶液、25倍希釈溶液、12.5倍希釈溶液の5段階のスタンダード溶液をそれぞれ調製した。
これらのスタンダード溶液について、サンプル溶液と同様に処理し、波長410nmの吸光度を測定し、検量線を作成した。
得られた検量線からサンプル溶液の力価を求め、下式(2)により、セルラーゼ活性残存率(%)を求めた。
セルラーゼ活性残存率(%)=(37℃保存品の力価)/(4℃保存品の力価)×100 ・・・(2)
そして、求めたセルラーゼ活性残存率(%)を指標とした下記評価基準に従い、プロテアーゼ活性の保存安定性を評価した。その結果を表1〜3に示す。
かかるセルラーゼ活性の保存安定性が良いほど、液体洗浄剤におけるセルラーゼ活性の安定性が高いことを意味する。
評価基準
◎:セルラーゼ活性残存率が85%以上。
○:セルラーゼ活性残存率が75%以上85%未満。
△:セルラーゼ活性残存率が65%以上75%未満。
×:セルラーゼ活性残存率が65%未満。
[外観安定性についての評価]
透明のガラス瓶(広口規格びん、PS−NO.11)に、液体洗浄剤100mLを充填し、蓋を閉めて密封した。この状態で37℃の恒温槽内に30日間静置して保存した。
かかる保存の後、液の外観を目視で観察し、下記評価基準に従って、液体洗浄剤の外観安定性を評価した。
評価基準
○:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められない。
△:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められるが、ガラス瓶を軽く振ると、その沈殿物質は消失(溶解)する。
×:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められ、ガラス瓶を軽く振ってもその沈殿物質は消失しない、又は、液体洗浄剤の製造直後にゲル化もしくは白濁した。
Figure 2016017133
Figure 2016017133
Figure 2016017133
表1〜3に示す評価結果から、本発明を適用した実施例1〜26の液体洗浄剤は、酵素活性の安定性が高く、かつ、外観安定性が良好であること、が確認できた。

Claims (1)

  1. (A)成分:界面活性剤と、
    (B)成分:水を45質量%以下と、
    (C)成分:メチルグリシン二酢酸、エチルグリシン二酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノジコハク酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
    (D)成分:乳酸ナトリウムと、
    (E)成分:乳酸カルシウムと、
    (F)成分:プロテアーゼと、
    を含有し、
    [(D)成分+(E)成分]/(C)成分で表される質量比が0.01〜50である、液体洗浄剤。
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