JP2016016590A - 車両用樹脂部品の射出成形型 - Google Patents

車両用樹脂部品の射出成形型 Download PDF

Info

Publication number
JP2016016590A
JP2016016590A JP2014140948A JP2014140948A JP2016016590A JP 2016016590 A JP2016016590 A JP 2016016590A JP 2014140948 A JP2014140948 A JP 2014140948A JP 2014140948 A JP2014140948 A JP 2014140948A JP 2016016590 A JP2016016590 A JP 2016016590A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piece member
mold
cavity
resin
movable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014140948A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6156273B2 (ja
Inventor
勝也 池野
Katsuya Ikeno
勝也 池野
西川 正克
Masakatsu Nishikawa
正克 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Auto Body Co Ltd
Original Assignee
Toyota Auto Body Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Auto Body Co Ltd filed Critical Toyota Auto Body Co Ltd
Priority to JP2014140948A priority Critical patent/JP6156273B2/ja
Publication of JP2016016590A publication Critical patent/JP2016016590A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6156273B2 publication Critical patent/JP6156273B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】パネル本体の表面における面品質不具合(ヒケ等)を低減して、パネル本体及び補強リブの薄肉化と高剛性化を実現する車両用樹脂部品の射出成形型を提供する。【解決手段】可動型3と固定型4とを備え、両者で形成するキャビティ13に溶融樹脂を充填して、表面に意匠面を有するパネル本体1と当該パネル本体の裏面に立設し基端側の肉厚が先端側の肉厚より薄く形成された段付き補強リブ2とを有する車両用樹脂部品10を形成する射出成形型30である。可動型3には、第1駒部材5と第2駒部材6とを備え、その隙間に、段付き補強リブを形成するリブ・キャビティ部51、61を設けた。また、第1駒部材は、キャビティに溶融樹脂が充填完了された後、段付き補強リブの高さ方向への収縮動作時に段付き補強リブの厚肉部22に押されてパネル本体と近接する方向(矢印Pの方向)へ移動可能に形成された。【選択図】図3

Description

本発明は、パネル本体の裏面に立設する補強リブの基端側を薄肉化した車両用樹脂部品の射出成形型に関する。
例えば、自動車のフロントバンパなどに用いられる車両用樹脂部品は、表面にデザイン上の見映えを重視する意匠面を有するパネル本体と、パネル本体の裏面に立設する補強リブとを備え、射出成形型によって製造されている。
この車両用樹脂部品において、軽量化を図るため、パネル本体の肉厚を薄肉化していくと、補強リブが立設する箇所に対応するパネル本体の表面には、射出成形時における溶融樹脂の冷却に伴う収縮ひずみが発生し易くなる。特に、パネル本体における断面曲率が小さい箇所の表面では、面剛性が低いので収縮ひずみ(ヒケ)が大きく発生する。そのため、射出成形型において、薄肉化したパネル本体の表面におけるヒケを低減すべく、補強リブの基端側を薄肉化する技術が検討されている。
例えば、特許文献1には、カバー部材(パネル本体に相当)の表面に適当な外観品質が要求され、その裏面にリブが形成される射出成形品のリブ付きハウジングにおいて、リブに、カバー部材から離れる方向にしたがって所定長さの薄肉部と該薄肉部の肉厚よりも厚い肉厚の厚肉部とが順次形成され、薄肉部の肉厚がカバー部材の肉厚よりも薄いことを特徴とするリブ付きハウジングパネルが開示されている。特許文献1には、このリブ付きハウジングパネルによれば、薄肉部の肉厚をカバー部材の肉厚よりも薄くしたので、カバー部材の表面にヒケが発生せず、また薄肉部に続いて設けた厚肉部によって、リブで部材を支持するときの強度が得られると記載されている。
また、特許文献1には、カバー部材からリブの薄肉部をまたがってリブの厚肉部まで達する補強リブを設ける構成も開示され、この構成によれば、補強リブによって薄肉部の強度を増加することができ、リブ自体の強度が増すと記載されている。
特開平5−50474号公報
しかしながら、特許文献1の技術には、図13に示すように、射出成形型200にリブ120の薄肉部121を形成するスライド駒210が設けられている。この射出成形型200は、射出成形後に成形品100を離型させるとき、スライド駒210を矢印Lの方向に移動させる構造である。そのため、射出成形後に成形品100を離型させる前に、射出成形型のキャビティ内に充填された溶融樹脂が冷却して体積が収縮するとき、スライド駒210の凸部211にリブ120の厚肉部122が当接して、カバー部材110に矢印K方向の引張力が作用することによって、カバー部材110の表面にヒケ111が発生する問題があった。
また、上記引張力がリブ120の薄肉部121にも作用することによって、強度的に弱い薄肉部121を破断する問題があった。その際、特許文献1に開示されているように、カバー部材110からリブ120の薄肉部121をまたがってリブ120の厚肉部122まで達する補強リブ123を設けると、薄肉部121の強度は増加するが、カバー部材110の表面に発生するヒケ111の範囲や大きさが一層増大するおそれがあった。
したがって、特許文献1の技術を用いて薄肉化したカバー部材110の表面にヒケ111が発生することを防止し、かつ、リブ120の薄肉部121における強度を確保することは困難であった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、パネル本体の表面における面品質不具合(ヒケ等)を低減して、パネル本体及び補強リブの薄肉化と高剛性化を実現する車両用樹脂部品の射出成形型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る車両用樹脂部品の射出成形型は、以下の構成を備えている。
(1)可動型と固定型とを備え、当該可動型及び固定型で形成するキャビティに溶融樹脂を充填して、表面に意匠面を有するパネル本体と当該パネル本体の裏面に立設し基端側の薄肉部の肉厚が先端側の厚肉部の肉厚より薄く形成された段付き補強リブとを有する車両用樹脂部品を形成する車両用樹脂部品の射出成形型であって、
前記可動型には、第1駒部材と第2駒部材とを備え、前記第1駒部材と前記第2駒部材との隙間に、前記段付き補強リブを形成するリブ・キャビティ部を設けたこと、
前記第1駒部材は、前記キャビティに溶融樹脂が充填完了された後、前記段付き補強リブの高さ方向への収縮動作時に前記段付き補強リブの厚肉部に押されて前記パネル本体と近接する方向へ移動可能に形成されたことを特徴とする。
本発明においては、可動型には、第1駒部材と第2駒部材とを備え、第1駒部材と第2駒部材との隙間に、段付き補強リブを形成するリブ・キャビティ部を設けたので、第1駒部材と第2駒部材とを分離して段付き補強リブを形成する各リブ・キャビティ部を別々に加工することによって、段付き補強リブの薄肉部の肉厚を所望の肉厚まで薄く形成することができる。
また、第1駒部材は、キャビティに溶融樹脂が充填完了された後、段付き補強リブの高さ方向への収縮動作時に段付き補強リブの厚肉部に押されてパネル本体と近接する方向へ移動可能に形成されたので、パネル本体には段付き補強リブの収縮動作に伴う引張力が作用せず、パネル本体の表面に発生するヒケを大幅に低減することができる。また、上記引張力は段付き補強リブの薄肉部にも作用しないので、段付き補強リブの薄肉部が破断するおそれを大幅に低減することができる。
よって、本発明によれば、パネル本体の表面における面品質不具合(ヒケ等)を低減して、パネル本体及び段付き補強リブの薄肉化と高剛性化を実現する車両用樹脂部品の射出成形型を提供することができる。
(2)(1)に記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
前記第2駒部材は、前記キャビティに溶融樹脂が充填完了された後、前記パネル本体から離間する方向へ移動可能に形成されたことを特徴とする。
本発明においては、第2駒部材は、キャビティに溶融樹脂が充填完了された後、パネル本体から離間する方向へ移動可能に形成されたので、成形品を金型から取り出す際に、段付き補強リブを形成する第2駒部材のリブ・キャビティ部から段付き補強リブを離型させることができる。そのため、段付き補強リブの離型性を向上させることができる。
その結果、段付き補強リブの離型に伴うパネル本体の表面における面品質不具合(ヒケ等)を、より一層低減することができる。
(3)(2)に記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
前記可動型には、前記キャビティに溶融樹脂が充填完了されるまで前記第2駒部材の移動を禁止する可動式のロッキング部材を備えたことを特徴とする。
本発明においては、可動型には、キャビティに溶融樹脂が充填完了されるまで第2駒部材の移動を禁止する可動式のロッキング部材を備えたので、ロッキング部材をロッキング作動させて第2駒部材の移動を禁止した状態で、キャビティに溶融樹脂を充填させ、当該溶融樹脂の充填完了後に第2駒部材の移動を可能とすることができる。そのため、キャビティに溶融樹脂が充填される際には、射出圧力による第2駒部材の逃げ(型合わせ不良)をロッキング部材によって制止させることができる。
その結果、射出圧力による第2駒部材の逃げ(型合わせ不良)に伴うパネル本体の面品質不具合(型分割線など)を、より一層低減することができる。
(4)(3)に記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
前記ロッキング部材は、前記第2駒部材の移動方向と略垂直に交差する方向へ移動することを特徴とする。
本発明においては、ロッキング部材は、第2駒部材の移動方向と略垂直に交差する方向へ移動するので、第2駒部材に作用する射出圧力を、ロッキング部材が確実に受け止めることができる。そのため、キャビティに溶融樹脂が充填される際には、射出圧力による第2駒部材の逃げ(型合わせ不良)をロッキング部材によって確実に制止させることができる。
その結果、射出圧力による第2駒部材の逃げ(型合わせ不良)に伴うパネル本体の面品質不具合(型分割線など)を、更に一層低減することができる。
(5)(3)又は(4)に記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
前記ロッキング部材の前記第2駒部材と当接する当接部は、ロッキング作動方向に向けて先細りに形成されたことを特徴とする。
本発明においては、ロッキング部材の第2駒部材と当接する当接部は、ロッキング作動方向に向けて先細りに形成されたので、第2駒部材の移動を禁止するロッキング作動時には、当接部を介して第2駒部材とロッキング部材とを密着させて、第2駒部材に作用する射出圧力をロッキング部材が受け止めることができる。そのため、射出圧力による第2駒部材の逃げ(型合わせ不良)を、ロッキング部材によって精度よく制止することができる。
一方、ロッキング部材の第2駒部材と当接する当接部は、ロッキング解除方向に向けて先太りに形成されている。そのため、第2駒部材の移動を可能とするロッキング解除時には、ロッキング部材は、第2駒部材から射出圧力を受けていても、摩擦力の影響を受けずにロッキング解除方向へ迅速に移動させることができる。
その結果、ロッキング部材のロッキング作動及びロッキング解除を正確かつ迅速に行うことによって、射出圧力による第2駒部材の逃げ(型合わせ不良)に伴うパネル本体の面品質不具合(型分割線など)を、より一層低減することができる。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
前記第1駒部材には、前記キャビティに溶融樹脂を充填する際の射出圧力を前記可動型に伝達する射出圧伝達部を形成したことを特徴とする。
本発明においては、第1駒部材には、キャビティに溶融樹脂を充填する際の射出圧力を可動型に伝達する射出圧伝達部を形成したので、キャビティに溶融樹脂が充填される際に、射出圧力による第1駒部材の逃げ(型合わせ不良)を射出圧伝達部によって制止することができる。
その結果、射出圧力による第1駒部材の逃げ(型合わせ不良)に伴うパネル本体の面品質不具合(型分割線など)を、より一層低減することができる。
(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
前記第1駒部材及び前記第2駒部材は、前記可動型に固着された入子部材に収容されて形成されたことを特徴とする。
本発明においては、第1駒部材及び第2駒部材は、可動型に固着された入子部材に収容されて形成されたので、第1駒部材及び第2駒部材の組付け精度を、入子部材の単一ユニット(入子ユニット)として向上させることができる。また、射出圧力に対する第1駒部材及び第2駒部材の逃げを入子部材が規制することができる。
その結果、第1駒部材と第2駒部材との静的精度及び動的精度を向上して、パネル本体の面品質不具合をより一層低減することができる。また、第1駒部材及び第2駒部材の組み付け作業性を向上させることができる。
(8)(1)乃至(7)のいずれか1つに記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
前記第1駒部材には、前記パネル本体側へ移動した当該第1駒部材を定位置へ復帰させる第1駒戻し部材を連結したことを特徴とする。
本発明においては、第1駒部材には、パネル本体側へ移動した当該第1駒部材を定位置へ復帰させる第1駒戻し部材を連結したので、成形品を金型から取り出した後、第1駒戻し部材を作動させることによって、第1駒部材を定位置へ復帰させることができる。そのため、第1駒部材が定位置へ復帰した状態で、キャビティに溶融樹脂を充填させることができる。
その結果、パネル本体及び段付き補強リブの精度を向上し、パネル本体の面品質不具合を低減することができる。
(9)(2)乃至(8)のいずれか1つに記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
前記第1駒部材と前記第2駒部材とを、成形品の離型方向に対して負角部が形成された前記パネル本体の裏面に立設された前記段付き補強リブの形成に適用したことを特徴とする。
本発明においては、第1駒部材と第2駒部材とを、成形品の離型方向に対して負角部が形成された前記パネル本体の裏面に立設された前記段付き補強リブの形成に適用したので、成形品を金型から取り出すときには、負角部を可動型から外す必要がある。そのため、負角部が可動型から外れる方向へパネル本体を移動させるとき、当該パネル本体に第1駒部材が追従して移動する。一方、第2駒部材は、第1駒部材と反対方向へ移動する。したがって、第1駒部材のリブ・キャビティ部と第2駒部材のリブ・キャビティ部との隙間が拡大するので、段付き補強リブの厚肉部が、第2駒部材のリブ・キャビティ部から脱出すると、段付き補強リブが外向へ湾曲して、成形品を金型から簡単に離型できる。
その結果、成形品の離型性を向上させることによって、パネル本体の表面における面品質不具合(ヒケ等)を低減して、パネル本体及び段付き補強リブの薄肉化と高剛性化を実現することができる。
本発明によれば、パネル本体の表面における面品質不具合(ヒケ等)を低減して、パネル本体及び補強リブの薄肉化と高剛性化を実現する車両用樹脂部品の射出成形型を提供することができる。
本発明に係る実施形態である車両用樹脂部品(フロントバンパ)の模式的斜視図である。 図1に示す段付き補強リブの斜視図である。 図1に示す車両用樹脂部品の射出成形型(溶融樹脂の充填時)の部分断面図である。 図3に示す射出成形型の成形品の取出し時における断面図である。 図3に示す入子ユニットのロッキング状態を示す断面図である。 図5に示すM詳細断面図である。 図3に示す入子ユニットのロッキング解除状態を示す断面図である。 図3に示す入子ユニットの第2駒部材の移動状態を示す断面図である。 図3に示す入子ユニットの第1駒部材の移動状態を示す断面図である。 図3に示す入子ユニットの第1駒部材の射出圧力伝達部を示す断面図である。 図3に示す入子ユニットのパネル本体の側面部への適用例を示す斜視図である。 図3に示す入子ユニットの変形例断面図である。 従来の射出成形型におけるスライド駒の模式的断面図である。
次に、本発明に係る実施形態である車両用樹脂部品の射出成形型について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、車両用樹脂部品及びその裏面に立設した段付き補強リブの構造を説明し、その後、車両用樹脂部品を形成する射出成形型の構造を説明する。
<車両用樹脂部品と段付き補強リブの構造>
本発明に係る車両用樹脂部品及びその裏面に立設した段付き補強リブの構造について、自動車のフロントバンパの例でその構造を、図1、図2を用いて説明する。図1に、本発明に係る実施形態である車両用樹脂部品(フロントバンパ)の模式的斜視図を示す。図2に、図1に示す段付き補強リブの斜視図を示す。
図1、図2に示すように、車両用樹脂部品(フロントバンパ)10は、表面11に意匠面を有するパネル本体1と、当該パネル本体1の裏面12に立設し基端側の薄肉部21の肉厚が先端側の厚肉部22の肉厚より薄く形成された段付き補強リブ2(2A、2B)とを有する。図1では、便宜上、段付き補強リブ2(2A、2B)を長手方向に太い実線で表示している。パネル本体1は、車両前方に突出して形成された正面部1Bと、正面部の車両左右端から車両後方へ傾斜して形成された側面部1Aとを備えている。正面部1Bは、断面曲率の小さい平坦面で左右方向に延設されている。正面部1Bの裏面に立設された段付き補強リブ2Bは、上下で2個形成され、それぞれ略平行に左右方向へ直線状に延設されている。
また、側面部1Aは、断面曲率の小さい平坦面で前後方向に延設されている。側面部1Aの裏面に立設された段付き補強リブ2Aは、上下で4個形成され、それぞれ略平行に前後方向へ直線状に延設されている。
図2に示すように、段付き補強リブ2(2A、2B)は、パネル本体1の裏面12から面直方向に立設している。段付き補強リブ2(2A、2B)には、パネル本体1の基端側に形成された薄肉部21と先端側に形成された厚肉部22とを備えている。パネル本体1の基端側には、薄肉部21の基部24を補強する三角リブ23が所定の間隔を開けて形成されている。
薄肉部21のリブ高さ及び厚肉部22のリブ高さは、それぞれ長手方向で略均一に形成されている。薄肉部21と厚肉部22との間には、薄肉部21から厚肉部22に向けて徐々に肉厚が増加する傾斜部25が形成されている。
厚肉部22は、一方の側壁が薄肉部21の側壁と同一面で形成され、他方の側壁が薄肉部21の側壁より肉厚が増加する方向へ突出して形成されている。厚肉部22の肉厚は、パネル本体1の面剛性に応じて適宜設定するが、パネル本体1の肉厚と略同程度が好ましい。薄肉部21の肉厚は、パネル本体1の肉厚の1/4〜1/6程度が好ましい。
<車両用樹脂部品の射出成形型の構造>
次に、車両用樹脂部品の射出成形型について、図3〜図11を用いて説明する。図3に、図1に示す車両用樹脂部品の射出成形型(溶融樹脂の充填時)の部分断面図を示す。図4に、図3に示す射出成形型の成形品の取出し時における断面図を示す。図5に、図3に示す入子ユニットのロッキング状態を示す断面図を示す。図6に、図5に示すM詳細断面図を示す。図7に、図3に示す入子ユニットのロッキング解除状態を示す断面図を示す。図8に、図3に示す入子ユニットの第2駒部材の移動状態を示す断面図を示す。図9に、図3に示す入子ユニットの第1駒部材の移動状態を示す断面図を示す。図10に、図3に示す入子ユニットの第1駒部材の射出圧力伝達部を示す断面図を示す。図11に、図3に示す入子ユニットのパネル本体の側面部への適用例を示す斜視図を示す。
図3、図4に示すように、車両用樹脂部品の射出成形型30は、可動型3と固定型4とを備え、当該可動型3及び固定型4で形成するキャビティ13に溶融樹脂を充填して、図1、図2に示すパネル本体1と段付き補強リブ2とを有する車両用樹脂部品10を形成する射出成形型である。
可動型3には、入子ユニット70が嵌装されている。入子ユニット70は、第1駒部材5と、第2駒部材6と、入子部材7と、ロッキング部材8とを備えている。入子部材7は、略角筒状断面の枠部71と底部73とを備えた底付き枠体であり、可動型3に固着されている。入子部材7には、第1駒部材5と第2駒部材6とロッキング部材8とをそれぞれ移動可能に収容している。入子部材7の前端には、パネル・キャビティ部723が形成されている。パネル・キャビティ部723は、図2に示すパネル本体1の裏面12に沿って形成されている。
第1駒部材5は、略矩形状断面をなした長尺体であり、パネル本体と近接する方向(矢印Pの方向)へ移動可能に形成されている。第1駒部材5の両側壁52には、2つのリブ・キャビティ部51が左右対称に形成されている。リブ・キャビティ部51は、図2に示す段付き補強リブ2の薄肉部21、傾斜部25、厚肉部22にそれぞれ対応する薄肉キャビティ部511と、傾斜キャビティ部512と、厚肉キャビティ部513とから構成されている。
第1駒部材5の前端には、パネル・キャビティ部521が形成されている。パネル・キャビティ部521は、図2に示すパネル本体1の裏面12に沿って形成されている。
第1駒部材5の基端には、平坦な基端部53が形成されている。基端部53には、キャビティ13に溶融樹脂を充填する際の射出圧力を可動型3に伝達する射出圧伝達部56が固着されている。また、基端部53には、ワンウェイ駆動式のシリンダ体(第1駒戻し部材)55が連結されている。シリンダ体(第1駒戻し部材)55は、第1駒部材5をキャビティ13に溶融樹脂を充填する時の定位置へ復帰させるシリンダ体である。シリンダ体(第1駒戻し部材)55は、第1駒部材5の基端部53に連結したピストンロッド551と、ピストン552と、ロッド側シリンダ室553と、ピストン側シリンダ室554と、ロッド側シリンダ室553と連通する吸気口556と、ピストン側シリンダ室554と連通する排気口557とを備えている。吸気口556は、図示しない流体供給バルブと接続されているが、排気口557は、常時開放されている。
シリンダ体(第1駒戻し部材)55の排気口557は、常時開放されているので、第1駒部材5は、キャビティ13に充填された溶融樹脂が冷却する時、段付き補強リブ2の厚肉部22に押されて、パネル本体1と近接する方向(矢印Pの方向)へ移動することができる。また、吸気口556から流体をロッド側シリンダ室553に供給することによって、矢印Pの方向へ移動した第1駒部材5を、定位置へ復帰させることができる。
第2駒部材6は、左右側壁62同士を基端部63で連結した略コ字状断面をなす枠体であり、第1駒部材5と入子部材7との間に挿入されている。第2駒部材6の左右側壁62内側には、2つのリブ・キャビティ部61が左右対称に形成されている。第2駒部材6のリブ・キャビティ部61は、第1駒部材5のリブ・キャビティ部51と対向する位置に形成され、両者の間に段付き補強リブ2のキャビティが形成されている。第2駒部材6のリブ・キャビティ部61は、側壁62と平行に形成された背面キャビティ部611と、側壁62と直交して形成された先端キャビティ部612とから構成されている。
第2駒部材6は、第1駒部材5の移動方向(矢印Pの方向)と反対方向(矢印Tの方向)へ移動することができる。第1駒部材5の側壁52と第2駒部材6の側壁62とは、互いに摺接するように形成されている。第2駒部材6の左右側壁62外側には、矢印Tの方向へ延設された凹溝が形成され、入子部材7の摺接ガイド板711によって規制されている。
第2駒部材6の側壁62前端には、パネル・キャビティ部621が形成されている。パネル・キャビティ部621は、図2に示すパネル本体1の裏面12に沿って形成されている。パネル・キャビティ部621には、凹止め受部622が形成され、入子部材7の枠部71前端に取り付けた止め部721によって、第2駒部材6が矢印Pの方向へ移動するのを禁止している。
第2駒部材6の基端部63の下面には、ロッキング部材8に当接される被当接部64が左右両側に形成されている。ロッキング部材8に当接される被当接部64が左右両側に形成されているので、パネル・キャビティ部62からの射出圧力をロッキング部材8に直接伝達させることができる。なお、第2駒部材6の基端部63の上面には、第1駒部材5の基端部53が当接している。
ロッキング部材8は、第2駒部材6の被当接部64と当接する当接部81と、入子部材7の底部73と摺接する基台部82とを備えた略板状体である。入子部材7の底部73には、ロッキング部材8の基台部82と摺接する摺接板731が埋設されている。ロッキング部材8は、第2駒部材6の移動方向と略垂直に交差する方向へ移動する。
図4に示すように、成形品の取出し時には、第2駒部材6の被当接部64とロッキング部材8の基台部82の当接部81との位置をずらして、第2駒部材6を自重で矢印Tの方向へ移動させる。第1駒部材5は、薄肉キャビティ部511が段付き補強リブ2の肉厚部22に押されて矢印Pの方向へ移動する。シリンダ体(第1スライド駒戻し部材)55の排気口557は常時開放され、第1駒部材5は段付き補強リブ2に追従して移動するので、第1駒部材5がパネル本体1及び段付き補強リブ2に対して引張力を作用させることがない。
段付き補強リブ2の厚肉部22が、第2駒部材6のリブ・キャビティ部61から脱出すると、段付き補強リブ2が外方(矢印Sの方向)へ湾曲して、成形品を金型から簡単に離型できる。
図5に示すように、第1駒部材5には、長手方向の端縁部54にて入子部材7の枠部71と当接する鍔部541が形成されている。鍔部541は、端縁部54の端縁壁542に対してテーパー状に形成されている。入子部材7の枠部71には、第1駒部材5の鍔部541と当接する鍔受部722がテーパー状に形成されている。互いにテーパー状に形成された鍔部541と鍔受部722とが密着することによって、キャビティ13に溶融樹脂が充填されるとき、第1駒部材5のパネル・キャビティ部521に作用する射出圧力を可動型3へ伝達することができる。
第2駒部材6の基端部63には、複数の被当接部64が長手方向に分散して形成されている。第2駒部材6の被当接部64と対向する位置には、ロッキング部材8の当接部81が同一数だけ形成されている。
ロッキング部材8の長手方向の一端には、略L字状断面の作動部材83が連結されている。作動部材83は、入子部材7の外方に配置された駆動部材84と連結され、駆動部材84の進退動作をロッキング部材8に伝達可能としている。キャビティ13に溶融樹脂を充填する前には、駆動部材84のロッド841がロッキング作動方向(矢印V1の方向)へ移動して、ロッキング部材8の当接部81が第2駒部材6の被当接部64と当接して、第2駒部材6を矢印Uの方向へ押圧する。
図6に示すように、ロッキング部材8の当接部81は、ロッキング作動方向(矢印V1の方向)に向けて先細りに傾斜して形成されたカム面811と、カム面811の前方に形成されカム面811より起立して傾斜する案内面812と、カム面811の後方に形成された逃げ面814から垂直に起立する縦壁面813とから構成されている。
また、第2駒部材6の被当接部64は、ロッキング作動方向(矢印V1の方向)に向けて先太りに傾斜して形成されたカム面641と、カム面641の後方に形成されカム面641より起立して傾斜する案内面642と、カム面641の前方に形成された逃げ面644から垂直に起立する縦壁面643とから構成されている。
第2駒部材6の移動を禁止するロッキング作動時には、案内面812、642を介して第2駒部材6を矢印Uの方向へ移動させ、入子部材7の止め部721によって、第2駒部材6が矢印Pの方向へ移動するのを禁止した上で、第2駒部材6のカム面641とロッキング部材8のカム面811とを密着させる。これによって、第1駒部材5のパネル・キャビティ部521と、第2駒部材6のパネル・キャビティ部621と、入子部材7のパネル・キャビティ部723との間に段差を生じさせることなく、第2駒部材6に作用する射出圧力をロッキング部材8が受け止めることができる。第2駒部材6のロッキング状態は、キャビティ13に溶融樹脂を充填完了するまで、保持される。
図7に示すように、キャビティ13に溶融樹脂が充填完了された後、駆動部材84のロッド841をロッキング解除方向(矢印V2の方向)へ作動させ、第2駒部材6のカム面641とロッキング部材8のカム面811とを離間させる。
図8に示すように、第2駒部材6のカム面641とロッキング部材8のカム面811とが離間すると、第2駒部材6は、自重によって矢印Wの方向へ移動する。
さらに、図9に示すように、成形品を離型させるときには、第1駒部材5は、薄肉キャビティ部511が段付き補強リブ2の肉厚部22に押されて矢印Xの方向へ移動する。このとき、第1駒部材5に追従して、シリンダ体(第1駒戻し部材)55のピストンロッド551が矢印Yの方向へ移動するが、パネル本体1及び段付き補強リブ2には引張力が作用しない。
図10に示すように、成形品を離型した後には、第1駒部材5及び第2駒部材6を定位置へ復帰させる。第1駒部材5は、ワンウェイ駆動式のシリンダ体(第1駒戻し部材)55によって定位置へ復帰させ、第2駒部材6は、駆動部材84によって定位置へ復帰させる。第1駒部材5が定位置へ復帰した状態では、基端部53に固着されたL字状断面のブロック体(射出圧伝達部)56が入子部材7の底部73に当接している。これによって、第1駒部材5のパネル・キャビティ部521に作用する射出圧力を可動型3へ伝達することができる。
図11に示すように、入子ユニット70は、図1に示す車両用樹脂部品10の側面部1A(パネル本体)の裏面に立設された段付き補強リブ2Aの形成に適用することができる。側面部1Aの先端側には、内向きフランジ1A1(負角部)が形成されている。そのため、成形品を金型から矢印Qの方向へ取り出すときには、側面部1Aの下端側に形成された内向きフランジ1A1(負角部)を可動型3から外す必要がある。そのため、可動型3の可動コア(通称、「まくりコア」ともいう。)3Aが、矢印Rの方向へ移動する。このとき、可動コア3Aの上端に形成された爪部3A1が内向きフランジ1A1(負角部)に係合して、側面部1Aを矢印Rの方向へ移動させる。図4に示すように、側面部1Aの移動に入子ユニット70に収容する第1駒部材5が追従する。一方、第2駒部材6は、矢印Rと反対方向へ移動する。その結果、段付き補強リブ2Aの厚肉部22が、第2駒部材6のリブ・キャビティ部61から脱出すると、段付き補強リブ2Aが外方(矢印Sの方向)へ湾曲して、成形品を金型から簡単に離型できる。
したがって、入子ユニットは、成形品の金型から取り出す方向に対して内向きフランジ(負角部)が形成されたパネル本体の裏面に立設された段付き補強リブの形成に適用することができ、その成形品の離型性を向上させることができる。
その結果、パネル本体の表面における面品質不具合(ヒケ等)を低減して、パネル本体及び段付き補強リブの薄肉化と高剛性化を実現することができる。
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る車両用樹脂部品10の射出成形型30によれば、可動型3には、第1駒部材5と第2駒部材6とを備え、第1駒部材5と第2駒部材6との隙間に、段付き補強リブ2を形成するリブ・キャビティ部51、61を設けたので、第1駒部材5と第2駒部材6とを分離して段付き補強リブ2を形成する各リブ・キャビティ部51、61を別々に加工することによって、段付き補強リブ2の薄肉部21の肉厚を所望の肉厚まで薄く形成することができる。
また、第1駒部材5は、キャビティ13に溶融樹脂が充填完了された後、段付き補強リブ2の高さ方向への収縮動作時に段付き補強リブ2の厚肉部22に押されてパネル本体1と近接する方向(矢印Pの方向)へ移動可能に形成されたので、パネル本体1には段付き補強リブ2の収縮動作に伴う引張力が作用せず、パネル本体1の表面11に発生するヒケを大幅に低減することができる。また、上記引張力は段付き補強リブ2の薄肉部21にも作用しないので、段付き補強リブ2の薄肉部21が破断するおそれを大幅に低減することができる。
また、本実施形態によれば、第2駒部材6は、キャビティ13に溶融樹脂が充填完了された後、パネル本体1から離間する方向(矢印Tの方向)へ移動可能に形成されたので、成形品を金型から取り出す際に、段付き補強リブ2を形成する第2駒部材6のリブ・キャビティ部61から段付き補強リブ2を離間させることができる。そのため、段付き補強リブ2の離型性を向上させることができる。
その結果、段付き補強リブ2の離型に伴うパネル本体1の表面11における面品質不具合(ヒケ等)を、より一層低減することができる。
また、本実施形態によれば、可動型3には、キャビティ13に溶融樹脂が充填完了されるまで第2駒部材6の移動を禁止する可動式のロッキング部材8を備えたので、ロッキング部材8をロッキング作動方向(矢印V1の方向)へ動作させて第2駒部材6の移動を禁止した状態で、キャビティ13に溶融樹脂を充填させ、当該溶融樹脂の充填完了後に第2駒部材6の移動を可能とすることができる。そのため、キャビティ13に溶融樹脂が充填される際には、射出圧力による第2駒部材6の逃げ(型合わせ不良)をロッキング部材8によって制止させることができる。
その結果、射出圧力による第2駒部材6の逃げ(型合わせ不良)に伴うパネル本体1の面品質不具合(型分割線など)を、より一層低減することができる。
また、本実施形態によれば、ロッキング部材8は、第2駒部材6の移動方向と略垂直に交差する方向へ移動するので、第2駒部材6に作用する射出圧力を、ロッキング部材8が確実に受け止めることができる。そのため、キャビティに溶融樹脂が充填される際には、射出圧力による第2駒部材6の逃げ(型合わせ不良)をロッキング部材8によって確実に制止させることができる。
その結果、射出圧力による第2駒部材6の逃げ(型合わせ不良)に伴うパネル本体1の面品質不具合(型分割線など)を、更に一層低減することができる。
また、本実施形態によれば、ロッキング部材8の第2駒部材6と当接する当接部81は、ロッキング作動方向(矢印V1の方向)に向けて先細りに形成されたので、第2駒部材6の移動を禁止するロッキング作動時には、当接部81を介して第2駒部材6とロッキング部材8とを密着させて、第2駒部材6に作用する射出圧力をロッキング部材8が確実に受け止めることができる。そのため、射出圧力による第2駒部材6の逃げ(型合わせ不良)を、ロッキング部材8によって正確に制止することができる。
一方、ロッキング部材8の第2駒部材6と当接する当接部81は、ロッキング解除方向(矢印V2の方向)に向けて先太りに形成されている。そのため、第2駒部材6の移動を可能とするロッキング解除時には、ロッキング部材8は、第2駒部材6から射出圧力を受けていても、摩擦力の影響を受けずにロッキング解除方向へ迅速に移動させることができる。
その結果、ロッキング部材8のロッキング作動及びロッキング解除を正確かつ迅速に行うことによって、射出圧力による第2駒部材6の逃げ(型合わせ不良)に伴うパネル本体1の面品質不具合(型分割線など)を、より一層低減することができる。
また、本実施形態によれば、第1駒部材5には、キャビティ13に溶融樹脂を充填する際の射出圧力を可動型3に伝達する射出圧伝達部56、541を形成したので、キャビティ13に溶融樹脂が充填される際に、射出圧力による第1スライド駒部材5の逃げ(型合わせ不良)を射出圧伝達部56、541によって制止することができる。
その結果、射出圧力による第1駒部材5の逃げ(型合わせ不良)に伴うパネル本体1の面品質不具合(型分割線など)を、より一層低減することができる。
また、本実施形態によれば、第1駒部材5及び第2駒部材6は、可動型3に固着された入子部材7に収容されて形成されたので、第1駒部材5及び第2駒部材6の組付け精度を、入子部材7の単一ユニット(入子ユニット70)として向上させることができる。また、射出圧力に対する第1駒部材5及び第2駒部材6の逃げを入子部材7が規制することができる。
その結果、第1駒部材5と第2駒部材6との静的精度及び動的精度を向上して、パネル本体1の面品質不具合をより一層低減することができる。また、第1駒部材5及び第2駒部材6の組み付け作業性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、第1駒部材5には、パネル本体側へ移動した当該第1駒部材5を定位置(キャビティ13に溶融樹脂を充填するときの位置:図3参照)へ復帰させる第1駒戻し部材55を連結したので、成形品を金型から取り出した後、第1駒戻し部材55を作動させることによって、第1駒部材5を定位置へ復帰させることができる。そのため、第1駒部材5が定位置へ復帰した状態で、キャビティ13に溶融樹脂を充填させることができる。
その結果、パネル本体1及び段付き補強リブ2の精度を向上し、パネル本体1の面品質不具合を低減することができる。
また、本実施形態によれば、第1駒部材5と第2駒部材6とを、成形品の離型方向(矢印Qの方向)に対して負角部1A1が形成されたパネル本体(側面部1A)の裏面に立設された段付き補強リブ2Aの形成に適用したので、成形品を金型から取り出すときには、負角部1A1を可動型3から外す必要がある。そのため、負角部1A1が可動型3から外れる方向(矢印Rの方向)へパネル本体(側面部1A)を移動させるとき、当該パネル本体(側面部1A)に第1駒部材5が追従して移動する。一方、第2駒部材6は、第1駒部材5と反対方向へ移動する。したがって、第1駒部材5のリブ・キャビティ部51と第2駒部材6のリブ・キャビティ部61との隙間が拡大するので、段付き補強リブ2Aの厚肉部22が、第2駒部材6のリブ・キャビティ部61から脱出すると、段付き補強リブ2Aが外方(矢印Sの方向)へ湾曲して、成形品を金型から簡単に離型できる。
その結果、成形品の離型性を向上させることによって、パネル本体(側面部1A)の表面における面品質不具合(ヒケ等)を低減して、パネル本体1及び段付き補強リブ2の薄肉化と高剛性化を実現することができる。
<変形例>
本実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で、各種構成に変更できることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、第1駒部材5の両側壁52には、2つのリブ・キャビティ部51が左右対称に形成され、これに対向する位置に第2駒部材6の側壁62にリブ・キャビティ部61が形成されている。しかし、必ずしも、第1駒部材5にリブ・キャビティ部51を左右対称に形成する必要はない。
また、図12に示すように、第1駒部材5Cの一方の側壁にリブ・キャビティ部51Cを1つ形成し、これに対向する位置に第2駒部材6Cのリブ・キャビティ部61Cを1つ形成してもよい。
また、本実施形態では、第2駒部材6は、キャビティ13に溶融樹脂を充填完了後に、パネル本体1から離間する方向(矢印Tの方向)へ移動可能に形成されたが、第2駒部材6は、例えば、可動型3に常時固定してもよい。
本発明は、特にパネル本体の裏面に立設する補強リブの基端部を薄肉化した車両用樹脂部品の製造方法及び車両用樹脂部品に利用できる。
1 パネル本体
1A 側面部(パネル本体)
1A1 内向きフランジ(負角部)
1B 正面部(パネル本体)
2、2A,2B 段付き補強リブ
3 可動型
3A 可動コア
4 固定型
5 第1駒部材
6 第2駒部材
7 入子部材
8 ロッキング部材
10 車両用樹脂部品(フロントバンパ)
11 裏面
12 表面
13 キャビティ
21 薄肉部
22 厚肉部
23 三角補強リブ
30 射出成形型
51、61 リブ・キャビティ部
55 第1駒戻し部材
56 ブロック体(射出圧伝達部)
70 入子ユニット
81 当接部
84 駆動部材
541 鍔部(射出圧伝達部)
721 止め部

Claims (9)

  1. 可動型と固定型とを備え、当該可動型及び固定型で形成するキャビティに溶融樹脂を充填して、表面に意匠面を有するパネル本体と当該パネル本体の裏面に立設し基端側の薄肉部の肉厚が先端側の厚肉部の肉厚より薄く形成された段付き補強リブとを有する車両用樹脂部品を形成する車両用樹脂部品の射出成形型であって、
    前記可動型には、第1駒部材と第2駒部材とを備え、前記第1駒部材と前記第2駒部材との隙間に、前記段付き補強リブを形成するリブ・キャビティ部を設けたこと、
    前記第1駒部材は、前記キャビティに溶融樹脂が充填完了された後、前記段付き補強リブの高さ方向への収縮動作時に前記段付き補強リブの厚肉部に押されて前記パネル本体と近接する方向へ移動可能に形成されたことを特徴とする車両用樹脂部品の射出成形型。
  2. 請求項1に記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
    前記第2駒部材は、前記キャビティに溶融樹脂が充填完了された後、前記パネル本体から離間する方向へ移動可能に形成されたことを特徴とする車両用樹脂部品の射出成形型。
  3. 請求項2に記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
    前記可動型には、前記第2駒部材の移動を禁止する可動式のロッキング部材を備えたことを特徴とする車両用樹脂部品の射出成形型。
  4. 請求項3に記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
    前記ロッキング部材は、前記第2駒部材の移動方向と略垂直に交差する方向へ移動することを特徴とする車両用樹脂部品の射出成形型。
  5. 請求項3又は請求項4に記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
    前記ロッキング部材の前記第2駒部材と当接する当接部は、ロッキング作動方向に向けて先細りに形成されたことを特徴とする車両用樹脂部品の射出成形型。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
    前記第1駒部材には、前記キャビティ内に溶融樹脂を充填する際の射出圧力を前記可動型に伝達する射出圧伝達部を形成したことを特徴とする車両用樹脂部品の射出成形型。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
    前記第1駒部材及び前記第2駒部材は、前記可動型に固定された入子部材に収容されて形成されたことを特徴とする車両用樹脂部品の射出成形型。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
    前記第1駒部材には、前記パネル本体側へ移動した当該第1駒部材を定位置へ復帰させる第1駒戻し部材を連結したことを特徴とする車両用樹脂部品の射出成形型。
  9. 請求項2乃至請求項8のいずれか1項に記載された車両用樹脂部品の射出成形型において、
    前記第1駒部材と前記第2駒部材とを、成形品の離型方向に対して負角部が形成された前記パネル本体の裏面に立設された前記段付き補強リブの形成に適用したことを特徴とする車両用樹脂部品の射出成形型。
JP2014140948A 2014-07-08 2014-07-08 車両用樹脂部品の射出成形型 Active JP6156273B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014140948A JP6156273B2 (ja) 2014-07-08 2014-07-08 車両用樹脂部品の射出成形型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014140948A JP6156273B2 (ja) 2014-07-08 2014-07-08 車両用樹脂部品の射出成形型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016016590A true JP2016016590A (ja) 2016-02-01
JP6156273B2 JP6156273B2 (ja) 2017-07-05

Family

ID=55232204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014140948A Active JP6156273B2 (ja) 2014-07-08 2014-07-08 車両用樹脂部品の射出成形型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6156273B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5351459U (ja) * 1976-10-06 1978-05-01
JPS56135828U (ja) * 1980-03-14 1981-10-15
JP2009083431A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Olympus Corp 射出成形型、及び、成形品の離型方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5351459U (ja) * 1976-10-06 1978-05-01
JPS56135828U (ja) * 1980-03-14 1981-10-15
JP2009083431A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Olympus Corp 射出成形型、及び、成形品の離型方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6156273B2 (ja) 2017-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080185747A1 (en) Injection mold and partial compression molding method
JP2007069507A (ja) 射出成形品の製造装置およびその製造方法
US9751240B2 (en) Resin vehicle part manufacturing method and resin vehicle part
JP5633889B2 (ja) ブロー成型用金型
US9533349B2 (en) Casting mold
JP4386840B2 (ja) 内燃機関用のv型ブロックをダイカストするための方法及び装置
EP3599071A1 (en) Undercut processing mechanism and molding machine
JP3198166U (ja) タンデム型射出成形用金型
JP4492703B2 (ja) 成形装置
US11383409B2 (en) Undercut processing mechanism, molding die, and molded product
US8997834B2 (en) Method for producing of hollow die cast products
JP6156273B2 (ja) 車両用樹脂部品の射出成形型
JP2010274490A (ja) 成形用金型
JP2019006038A (ja) 金型、成形機、及び、製品組み立てライン
JP2011042149A (ja) 樹脂成形金型装置
JP2015139970A (ja) 型締装置及び成形装置
US11400629B2 (en) Injection molding die
US9028244B1 (en) Lifter for an injection molding tool
JP2006289668A (ja) 樹脂射出成形装置及び筒状樹脂部品
KR102318319B1 (ko) 다이캐스팅 금형 시스템
JP7211335B2 (ja) 射出成形装置
JP2002028952A (ja) プラスチック射出成形用の成形型構造
JP6925096B2 (ja) 射出成形金型
US11007567B2 (en) Die casting machine
JP6330874B2 (ja) 可動構造体を内部に備えた金型および当該金型を用いた成形品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160922

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170428

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170522

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6156273

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250