JP2016014158A - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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【課題】 2種類以上の単量体組成物を共重合させ、反応速度が速い単量体が偏在していない樹脂組成物を合成することで反応時において得られる樹脂の特性バラツキが少ない樹脂組成物とその製造方法を提供する。【解決手段】 2種類以上の単量体及び重合開始剤を含む単量体混合物を重合反応させて得られる樹脂組成物であって、得られる樹脂組成物における2種類以上の単量体の1種に由来する官能基をUV(紫外光)で検出可能な基に変換しRI(示差屈折率)検出器、UV検出器を用いてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)スペクトルを測定したとき、次式に示すXが−0.03以上、0.03以下である樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、電子材料の接着等に好適に用いられる樹脂組成物とその製造方法に関する。
近年、パソコン、ゲーム機、携帯電話、デジタルカメラ、DVDプレーヤー、DVDレコーダー、液晶・プラズマ薄型テレビ、自動車用途等、広い範囲で電子機器が使用されており、さらなる小型化、軽量化、高速化が進んでいる。それに伴い、これら電子機器に搭載される半導体パッケージは高密度化が進み、また、半導体パッケージを実装する基板にも高密度化が要求されている。さらに、基板側においても配線の微細化がますます進んでいる。
近年の急速な半導体パッケージや実装基板の高密度化、配線の微細化に伴い、半導体素子を接着する接着剤や、各種電子部品を搭載した実装基板等の電子材料にもより厳しい特性が求められている。そのため、半導体チップ、実装基板、配線板等の電子材料のベース樹脂にはこれまでより高い特性が求められている。
電子材料用接着剤や、電子基板等の材料として、エポキシ樹脂及び硬化剤に熱可塑性エラストマの一つであるアクリル樹脂を配合した組成物が幅広く用いられている。特性の向上のため、アクリル樹脂成分についても、種々の改良が行われている。例えば、特許文献1ではグラフト重合により複数のモノマの異なる特性を付与することが行われている。
特開平01−259015号公報
しかし、従来法により得られるアクリル樹脂組成物は、単量体の反応速度の違いにより、反応初期と後期で生成するアクリル樹脂組成物の組成比率が異なる。すなわち、反応初期に生成した樹脂組成物は反応速度の速い単量体の組成比率が高く、反応後期に生成したアクリル樹脂組成物は、反応速度の遅い単量体の組成比率が高い。そのため、従来法により得られるアクリル樹脂組成物は、反応初期と反応後期では得られるアクリル樹脂組成物が異なり、樹脂全体における特性にバラツキが生じやすかった。
本発明は、反応時において得られる樹脂の特性バラツキが少ない樹脂組成物とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは従来法における上述した欠点を排除すべく、鋭意研究を行った結果、2種類以上の単量体組成物を共重合させ、反応速度が速い単量体が偏在していない樹脂組成物を合成することで、従来の合成法より電子材料用樹脂として破断伸び率、接着強度が向上した樹脂組成物が得られることを見出した。
すなわち本発明は、下記の(1)〜(7)の樹脂組成物とその製造方法を提供するものである。
(1)2種類以上の単量体及び重合開始剤を含む単量体混合物を重合反応させて得られる樹脂組成物であって、得られる樹脂組成物における2種類以上の単量体の1種に由来する官能基をUV(紫外光)で検出可能な基に変換しRI(示差屈折率)検出器、UV検出器を用いてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)スペクトルを測定したとき、次式に示すXが−0.03以上、0.03以下であることを特徴とする樹脂組成物。
Figure 2016014158

(2)単量体が重合可能な化合物である(1)に記載の樹脂組成物。
(3)単量体が二重結合を有する化合物である(1)に記載の樹脂組成物。
(4)UVで検出可能な基が不飽和結合を有する基である(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5)2種類以上の単量体の1種が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基から選ばれる少なくとも1つの官能基を持つ(メタ)アクリル酸エステルである(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6)2種類以上の単量体の1種が、(メタ)アクリル酸グリシジルである(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(7) 2種類以上の単量体及び重合開始剤を含む単量体混合物を重合反応させる樹脂組成物の製造方法であって、2種類以上の単量体の1種が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基から選ばれる少なくとも1つの官能基を持つ(メタ)アクリル酸エステルである樹脂組成物の製造方法。
(8)2種類以上の単量体の1種が、(メタ)アクリル酸グリシジルである(7)に記載の樹脂組成物の製造方法。
アクリル樹脂として本発明のアクリル樹脂組成物を用いると、従来法により合成した同組成のアクリル樹脂に比べ特性バラつきが少なく、破断伸び率、接着強度等の性能の優れた電子材料を得ることができる。
RI検出器、UV検出器を用いて測定し得られたGPCスペクトルを示すチャート図である。
以下、本発明の詳細について説明する。
なお、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジルで用いる、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
単量体としては、重合可能な化合物であると好ましく、二重結合を有する化合物であることがさらに好ましく、二重結合を有する単量体を使用することが出来る。具体的には、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ナフチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ナフチル等のメタクリル酸エステル類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−フルオロスチレン、α−クロルスチレン、α−ブロモスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN−置換マレイミド類等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸ノルボルニル、アクリル酸ノルボルニルメチル、アクリル酸フェニルノルボルニル、アクリル酸シアノノルボルニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ボルニル、アクリル酸メンチル、アクリル酸フェンチル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸ジメチルアダマンチル、アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル、アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル、アクリル酸シクロデシル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸シアノノルボルニル、メタクリル酸フェニルノルボルニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸メンチル、メタクリル酸フェンチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジメチルアダマンチル、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル、メタクリル酸シクロデシル等の脂環式類アクリル酸、メタクリル酸のカルボキシル基含有モノマ、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマ、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有モノマ、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有モノマ、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−4,5−エポキシペンチル、メタクリル酸−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、アクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、メタクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、メタクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、アクリル酸−β−メチルグリシジル、メタクリル酸−β−メチルグリシジル、α−エチルアクリル酸−β−メチルグリシジル、アクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、メタクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、メタクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル等のエポキシ基含有モノマを使用することができる。これらは2種以上使用してもよい。
これらの中では、得られる樹脂組成物の特性の観点、入手しやすさの観点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イルがより好ましい。
2種類以上の単量体の1種としては、反応速度の速い点でカルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基から選ばれる少なくとも1つ以上の官能基を持つ(メタ)アクリル酸エステルを使用することが好ましく、具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマ、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマ、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有モノマ、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有モノマ、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−4,5−エポキシペンチル、メタクリル酸−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、アクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、メタクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、メタクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、アクリル酸−β−メチルグリシジル、メタクリル酸−β−メチルグリシジル、α−エチルアクリル酸−β−メチルグリシジル、アクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、メタクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、メタクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル等のエポキシ基含有モノマを使用することができる。
これらの中では、保存安定性の点でエポキシ基含有モノマがより好ましく、メタクリル酸グリシジルが特に好ましい。
2種類以上の単量体の1種の配合量としては、単量体混合物全体に対して1〜16質量%であることが好ましく、2〜12質量%であることがより好ましい。反応速度の速い単量体の配合量が1質量%未満であると接着強度が低くなり、16質量%を超えると保存安定性が低下する傾向がある。
Xの算出方法について図1を用いて説明する。図1のスペクトルチャートに示されたUVピークトップ時間とRIピークトップ時間との間に生じるズレを(UVピークトップ時間)−(RIピークトップ時間)で表し、RIピークの幅を示す時間を(RIピークエンド時間)−(RIピークスタート時間)で表し、前者を後者で割ったものをXで示した。すなわち、
Figure 2016014158

とした。
単量体の反応速度の違いにより、反応初期と後期で生成するアクリル樹脂組成物の組成比率の差が大きくなる程、UVピークトップ時間とRIピークトップ時間との間に生じるズレが大きくなる。
なお、ピークの幅はUVでもRIでも違いが生じないため、(RIピークエンド時間)−(RIピークスタート時間)≒(UVピークエンド時間)−(UVピークスタート時間)として算出できる。
Xは、−0.03以上、0.03以下であり、0以上、0.02以下であることが好ましく、0.002以上、0.01以下であることがより好ましい。Xが、−0.03未満又は0.03を超えて大きい場合には、反応初期と反応後期で得られる樹脂のモノマ比が大きく異なるものとなり、樹脂の特性バラつきが生じる傾向がある。
UVで検出可能な基としては例えば、フェニル基、ベンジル基、二重結合等の不飽和結合を有する基が挙げられる。
上記の基に変換する方法として、公知の官能基修飾法が用いられるが、エポキシ基を持つ単量体の場合は、アニリン、ベンジルアミン等を反応させることにより、フェニル基、ベンジル基等に変換可能である。水酸基を持つ単量体の場合は、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート等と反応させることにより、フェニル基、ベンジル基等に変換可能である。
樹脂組成物の重量平均分子量(GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算値)は、20万以上であることが好ましく、30万〜100万の範囲であることがより好ましい。重量平均分子量が、20万未満であると接着強度が低くなる傾向があり、100万を超えると溶剤への溶解性が低下し加工性が悪化する傾向がある。
樹脂組成物を得るための重合プロセスとしては、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法等が挙げられるが、懸濁重合法がより好ましい。溶液重合法では分子量を高くすることが困難であり、塊状重合法は工業的に熱制御が容易でない。
アクリル樹脂組成物を得るためには、ラジカル重合を利用するが、樹脂組成変化の小さいアクリル樹脂組成物を得るため、本発明では、リビングラジカル重合を利用することが好ましい。これによって、通常のラジカル重合と比較して、反応速度の速い単量体が偏在していない樹脂が得られる。より好ましくは、反応速度の速い単量体を後から添加する。これによって、より反応速度の速い単量体が偏在していない樹脂が得られる。
リビングラジカル重合には、原子移動ラジカル重合(ATRP重合、AtomTransfer Radical Polymerization)、可逆的付加開裂型連鎖移動重合(RAFT重合、ReversibleAddition-Fragmentation Chain Transfer)等が知られており、いずれの方法も使用可能であるがRAFT重合によって重合を行うことがより好ましい。
RAFT重合は、重合開始剤と可逆的付加開裂型連鎖移動剤(以下、RAFT剤と呼ぶ。)を用いることを特徴とする。この重合は、多様な単量体に対して適用可能、広範囲の反応条件に適用可能という点で、他のリビングラジカル重合と比較して、生産性に優れている。
RAFT剤としては、O−エチル−S−(1−フェニルエチル)ジチオカーボネート、O−エチル−S−(2−プロポキシエチル)ジチオカーボネート、O−エチル−S−(1−シアノ−1−メチルエチル)ジチオカーボネート等のジチオカーボネート類、ジチオプロピオン酸シアノエチル、ジチオプロピオン酸ベンジル、ジチオ安息香酸ベンジル、ジチオ安息香酸アセトキシエチル等のジチオエステル類、S−ベンジル−N,N−ジメチルジチオカルバメート、ベンジル−1−ピロールカルボジチオエート等のジチオカルバメート類、ジベンジルトリチオカーボネート、S−シアノメチル−S−ドデシルトリチオカーボネート等のトリチオカーボネート類が挙げられる。
使用するRAFT剤は、単量体の反応性に応じて最適なものを選択することが好ましく、特に、アクリル酸エステルの重合にはジチオカルバメート類、ジチオカーボネート類が好適であり、メタクリル酸エステルの重合にはジチオエステル類が好適である。
RAFT剤の使用量は、単量体の総量100質量部に対して0.01〜10質量部使用するのが好ましく、0.05〜3質量部がより好ましい。0.01質量部未満であると反応を制御することが困難であり、10質量部を超えると平均分子量が低くなってしまう傾向にある。
ATRP重合は、開始剤としてハロゲン化合物等を、触媒として遷移金属を用い、アクリル系等のモノマを重合することを特徴としており、官能基変換反応に比較的有利なハロゲンを末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有する重合体の製造方法として優れている。この重合法としては、例えば、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、1721頁、7901頁、Matyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁、サイエンス(Science)1996年、272巻、866頁、国際公開第96/30421号パンフレット、国際公開第97/18247号パンフレット、国際公開第98/01480号パンフレット、国際公開第98/40415号パンフレット、特開平9−208616号公報、特開平8−41117号公報に記載されている。
開始剤としては有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物があり1官能性、2官能性、多官能性の化合物から選択することができる。これらのうちでは入手しやすさの点から1官能性である2−ブロモ酪酸エチル、2−ブロモプロピオン酸メチル、2−ブロモプロピオン酸エチルがより好ましい。
触媒としては、コストの点から銅錯体が好ましい。
配位子としては、1価の銅錯体を用いる場合、例えば2,2−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルエチレンジアミンが好ましい。
本発明の樹脂組成物を得るために通常のラジカル重合を用いた場合、得られる樹脂中に反応速度の速い単量体をムラなく含まれるようにするためには、重合率20〜50%で反応停止させることが好ましく、重合率30〜40%で反応停止させることがより好ましい。ただし、重合法としては、懸濁重合では反応を停止させることが困難なため溶液重合法が好ましい。
本発明の樹脂組成物を得るために懸濁重合を用いた場合、得られる樹脂中に反応速度の速い単量体をムラなく含まれるようにするためには、単量体、重合開始剤及び水を加えて得られた分散液を加熱撹拌しながら2種類以上の単量体の1種として反応速度の速い単量体を添加し重合しても良い。添加の仕方は、加熱撹拌しながら連続添加であっても間隔を空けて何回かに分けての添加であってもよい。
重合開始剤としては、ATRP重合以外の重合法には一般的に知られているラジカル重合開始剤であれば、特に制限なく使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、アゾジベンゾイル等のアゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤の配合量としては、単量体の総量100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲で使用されることが好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.1〜3質量部が更に好ましい。重合開始剤の配合量が0.01質量部未満であると、重合が不十分となってしまい、10質量部を超えると分子量が低くなり過ぎたり、分解生成物が多くなり、接着強度に悪影響を及ぼしたりする恐れがある。
熱重合法を用いる場合には、重合温度は0〜200℃の間で適宜選択することが好ましく、40〜120℃とすることがより好ましい。
懸濁重合法を用いる場合には水性媒体中で、懸濁剤を添加して行う。懸濁剤としては例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難溶性無機物質があり、中でもポリビニルアルコール等の非イオン性の水溶性高分子が好ましい。イオン性の水溶性高分子や難溶性無機物質を用いた場合には、得られた樹脂組成物内にイオン性不純物が多く残留する傾向がある。この水溶性高分子は、単量体混合物の総量100質量部に対して0.01〜1質量部使用することが好ましい。
懸濁重合に使用する分子量調整剤としては、メルカプタン系化合物、チオグリコール、四塩化炭素、α−メチルスチレンダイマーを必要に応じて添加することができる。
溶液重合に使用する溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、四塩化炭素等の塩素系溶剤が使用できる。
溶液重合開始時の単量体混合物の濃度は40〜70質量%とするのが好ましく、50〜60質量%とするのがより好ましい。単量体混合物の濃度が40質量%未満であると分子量を高くできない傾向がある。
本発明の樹脂組成物は、溶媒に溶解して、溶液状のアクリル樹脂組成物(アクリル樹脂ワニス)として、半導体装置用、配線基板用等の電子材料用材料として提供することもできる。
溶媒としては、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン等の一般的な有機溶媒を用いることができる。
樹脂組成物の固形分濃度は、溶媒に対し10〜40質量%とすることが好ましく、25〜35質量%とすることがより好ましい。
上述した方法で製造された樹脂組成物は、エポキシ、フェノール樹脂やそれらの硬化剤と組み合わせて、電子材料用接着剤、可塑剤として好適に使用することができる。電子材料用接着剤の形態としては例えば、接着フィルム、ペーストが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じてエポキシ樹脂、フェノール樹脂やそれらの硬化剤と混合し、熱硬化性樹脂ワニスとし、電子材料として使用することができる。
これらエポキシ樹脂、フェノール樹脂やそれらの硬化剤は特に制限されることはなく市販の材料を用いることができる。
また、反応性、接着性、強度を向上させるために充填剤、硬化促進剤、シランカップリング剤、各種フィラー等の材料を併用することができる。
電子材料の形態は、フィルム状でもペースト状でも溶液状でもよい。
エポキシ樹脂としては例えば、ビスフェノールA、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、オルトクレゾールノボラック型フェノール樹脂等の多価フェノール又は1,4−ブタンジオール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル、アミン、アミド又は複素環式窒素塩基を有する化合物のN−グリシジル誘導体、脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。
硬化剤としては、従来公知の種々のものを使用することができる。例えば樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、フェノールノボラックやクレゾールノボラック、ナフタレン型フェノール樹脂、トリアジン環含有クレゾールノボラック等の多官能性フェノールを挙げることができる。
硬化剤の配合量は、硬化剤の種類により異なるが、例えばアミンの場合はアミンの活性水素の当量とエポキシ樹脂のエポキシ当量がほぼ等しくなる量であることが好ましく、量的な観点からは一般にエポキシ樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部程度であると好ましい。また、硬化時が多官能性フェノールや酸無水物の場合は、エポキシ樹脂のエポキシ当量1当量に対して、それらのフェノール性水酸基やカルボキシル基が0.6〜1.2当量となる量が好ましい。
また、樹脂と硬化剤との反応を促進させる目的で促進剤が用いることができる。促進剤としては、例えばイミダゾール系化合物、有機リン系化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、ブロック化イソシアネートが用いられる。促進剤は2種類以上を併用してもよい。
樹脂組成物/エポキシ樹脂の配合比(質量比)に特に制限はないが、破断伸び率や接着強度の点においては、10/90〜90/10とすることがより好ましく、30/70〜70/30とすることが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物をフィルム状にする場合の手法には特に制限はなく、例えば基材フィルム上に各種塗工装置を用いて上記熱硬化性樹脂ワニスを塗工し乾燥して製造することができる。
本発明の樹脂組成物は、フィルム状接着剤等の半導体用接着剤、フレキシブル配線板用基板材料及びそれに用いられる接着剤、回路接続用接着フィルム等の電子材料に好ましく用いられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
〔アクリル樹脂組成物の合成〕
(実施例1)
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、まず、フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。
次に、アクリル酸ブチル(BA)600g、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(日立化成工業株式会社製、FA−513AS)300g、メタクリル酸グリシジル(GMA)100gを混合し、さらに過酸化ラウロイル5.1g、連鎖移動剤として、RAFT剤であるO−エチル−S−(1−フェニルエチル)ジチオカーボネート1.2gを溶解したものを単量体混合物とした。そして、単量体混合物の全量に対し、200質量%となる様に水2012.6g、0.02質量%となる様に分散助剤としてポリビニルアルコール(PVA)0.2gをそれぞれ加えたものを分散液とした。
そして、窒素をバブリングし溶存酸素を1ppm以下にした状態で分散液をフラスコ内に供給した後、反応器内温度55℃、撹拌回転数250回・min−1で撹拌加熱し、10時間反応させた。反応中にサンプリングしながら生成した樹脂の比重から重合率を算出し、重合率が80%以上であることを確認した後、90℃に昇温して、さらに2時間反応させた。その後、反応器内容物を冷却し、生成したアクリル樹脂組成物を取り出し、水洗、脱水、乾燥し、樹脂組成物を得た。
(実施例2)
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、まず、フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。
次に、BA 600g、FA−513AS 300gを混合し、得られた単量体混合物にさらに過酸化ラウロイル5.1g、連鎖移動剤として、RAFT剤であるO−エチル−S−(1−フェニルエチル)ジチオカーボネート1.2g(0.12質量%)を溶解したものを単量体混合物とした。そして、単量体混合物に水2012.6g、分散助剤としてポリビニルアルコール(PVA)0.2gを加えたものを分散液とした。
そして、窒素をバブリングし溶存酸素を1ppm以下にした状態で分散液をフラスコ内に供給した後、反応器内温度55℃、撹拌回転数250回・min−1で撹拌加熱し、GMA 100gを1時間おきに10gずつ添加しながら10時間反応させた。重合率が80%以上であることを確認し、90℃に昇温して、さらに2時間反応させた。その後、反応器内容物を冷却し、生成したアクリル樹脂組成物を取り出し、水洗、脱水、乾燥し、樹脂組成物を得た。
(実施例3)
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、まず、フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。
次に、BA 600g、FA−513AS 300g、GMA 20gを混合し、得られた単量体混合物にさらに過酸化ラウロイル5.1g、連鎖移動剤として、RAFT剤であるO−エチル−S−(1−フェニルエチル)ジチオカーボネート1.2g(0.12質量%)を溶解したものを単量体混合物とした。そして、単量体混合物に水2012.6g、分散助剤としてポリビニルアルコール(PVA)0.2gを加えたものを分散液とした。
そして、窒素をバブリングし溶存酸素を1ppm以下にした状態で分散液をフラスコ内に供給した後、反応器内温度55℃、撹拌回転数250回・min−1で撹拌加熱し、GMA 80gを1時間おきに10gずつ添加しながら8時間かけて添加し、さらに2時間反応させた。重合率が80%以上であることを確認し、90℃に昇温して、さらに2時間反応させた。その後、反応器内容物を冷却し、生成したアクリル樹脂組成物を取り出し、水洗、脱水、乾燥し、樹脂組成物を得た。
(実施例4)
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、フラスコに、メチルエチルケトン(MEK)1460g、臭化銅1.0g、配位子としてペンタメチルジエチレントリアミン1.5g、BA 600g、FA−513AS 300g、GMA 100gを混合し、窒素をバブリングして溶存酸素を1ppm以下にした。50℃に昇温し、次いで、2−ブロモイソ酪酸エチル2.0gを添加し、反応器内温度を60℃に保持し、12時間重合させた。転化率が99%になった時点で反応器を冷却し、反応を終了させた。冷却後、反応溶液にメタノールを加え、樹脂を沈殿させた。上澄み液を取り除き、樹脂中に残ったメタノ−ルを乾燥させ、樹脂組成物を得た。
(実施例5)
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、フラスコに、MEK 1460g、臭化銅1.0g、配位子としてペンタメチルジエチレントリアミン1.5g、BA 600g、FA−513AS 300gを混合し、窒素をバブリングして溶存酸素を1ppm以下にした。50℃に昇温し、次いで、2−ブロモイソ酪酸エチル2.0gを添加し、反応器内温度を60℃に保持し、GMA 100gを1時間おきに10gずつ添加しながら10時間反応させ、次いで2時間重合させた。転化率が99%になった時点で反応器を冷却し、反応を終了させた。冷却後、反応溶液にメタノールを加え、樹脂を沈殿させた。上澄み液を取り除き、樹脂中に残ったメタノールを乾燥させ、樹脂組成物を得た。
(実施例6)
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、フラスコに、MEK 1460g、臭化銅1.0g、配位子としてペンタメチルジエチレントリアミン1.5g、BA 600g、FA−513AS 300g、GMA 20gを混合し、窒素をバブリングして溶存酸素を1ppm以下にした。50℃に昇温し、次いで、2−ブロモイソ酪酸エチル2.0gを添加し、反応器内温度を60℃に保持し、GMA 80gを1時間おきに10gずつ添加しながら8時間反応させ、次いで2時間重合させた。転化率が99%になった時点で反応器を冷却し、反応を終了させた。冷却後、反応溶液にメタノールを加え、樹脂を沈殿させた。上澄み液を取り除き、樹脂中に残ったメタノールを乾燥させ、樹脂組成物を得た。
(実施例7)
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、フラスコに、MEK 1460g、BA 650g、FA−513A 300g、GMA 50gを混合し、窒素をバブリングして溶存酸素を1ppm以下にした。58℃に昇温し、次いで、MEK 40gに溶解させた過酸化ラウロイル4.0gを添加し、反応器内温度を58℃に保持し、1時間重合させた。その後、冷却し、重合率35〜40%反応させたアクリル樹脂組成物を得た。冷却後、反応溶液にメタノールを加え、樹脂を沈殿させた。上澄み液を取り除き、樹脂中に残ったメタノールを乾燥させ、樹脂組成物を得た。
(実施例8)
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、まず、フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。
次に、BA 600g、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(日立化成工業株式会社製、FA−513AS)300gを混合し、さらに過酸化ラウロイル5.1g、連鎖移動剤として、n−オクチルメルカプタン1.2gを溶解したものを単量体混合物とした。そして、単量体混合物に水2012.6g、分散助剤としてポリビニルアルコール(PVA)0.2gを加えたものを分散液とした。
そして、窒素をバブリングして溶存酸素を1ppm以下にした状態で分散液をフラスコ内に供給した後、反応器内温度55℃、撹拌回転数250回・min−1で撹拌加熱し、さらにGMA 100gを3時間かけて連続的に滴下した。その後、2時間重合させ、次いで90℃に昇温して、さらに2時間反応させ、冷却後、水洗、脱水、乾燥し、樹脂組成物を得た。
(実施例9)
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、まず、フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。
次に、アクリル酸ブチル(BA)600g、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(日立化成工業株式会社製、FA−513AS)300g、メタクリル酸グリシジル(GMA)20gを混合し、さらに過酸化ラウロイル5.1g、連鎖移動剤として、n−オクチルメルカプタン1.2gを溶解したものを単量体混合物とした。そして、単量体混合物に水2012.6g、分散助剤としてポリビニルアルコール(PVA)0.2gを加えたものを分散液とした。
そして、窒素をバブリングして溶存酸素を1ppm以下にした状態で分散液をフラスコ内に供給した後、反応器内温度55℃、撹拌回転数250回・min−1で撹拌加熱し、さらにGMA 80gを3時間かけて連続的に滴下した。その後、2時間重合させ、次いで90℃に昇温して、さらに2時間反応させ、冷却後、水洗、脱水、乾燥し、樹脂組成物を得た。
(実施例10)
単量体混合物として、BA 600g、FA−513AS 300g、アクリル酸100gを用いた以外は実施例1と同様にしてアクリル樹脂組成物を合成した。
すなわち、撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、まず、フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。
次に、アクリル酸ブチル(BA)600g、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(日立化成工業株式会社製、FA−513AS)300g、アクリル酸100gを混合し、さらに過酸化ラウロイル5.1g、連鎖移動剤として、RAFT剤であるO−エチル−S−(1−フェニルエチル)ジチオカーボネート1.2gを溶解したものを単量体混合物とした。そして、単量体混合物の全量に対し、水2012.6g、0.02質量%となる様に分散助剤としてポリビニルアルコール(PVA)0.2gをそれぞれ加えたものを分散液とした。
そして、窒素をバブリングし溶存酸素を1ppm以下にした状態で分散液をフラスコ内に供給した後、反応器内温度55℃、撹拌回転数250回・min−1で撹拌加熱し、10時間反応させた。反応中にサンプリングしながら生成した樹脂の比重から重合率を算出し、重合率が80%以上であることを確認した後、90℃に昇温して、さらに2時間反応させた。その後、反応器内容物を冷却し、生成したアクリル樹脂組成物を取り出し、水洗、脱水、乾燥し、樹脂組成物を得た。
(実施例11)
実施例10の単量体混合物を用いた以外は実施例2と同様にしてアクリル樹脂組成物を合成した。なお、添加する単量体としてアクリル酸を用いた。
すなわち、撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、まず、フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。
次に、BA 600g、FA−513AS 300gを混合し、得られた単量体混合物にさらに過酸化ラウロイル5.1g、連鎖移動剤として、RAFT剤であるO−エチル−S−(1−フェニルエチル)ジチオカーボネート1.2g(0.12質量%)を溶解したものを単量体混合物とした。そして、単量体混合物に水2012.6g、分散助剤としてポリビニルアルコール(PVA)0.2gを加えたものを分散液とした。
そして、窒素をバブリングし溶存酸素を1ppm以下にした状態で分散液をフラスコ内に供給した後、反応器内温度55℃、撹拌回転数250回・min−1で撹拌加熱し、アクリル酸100gを1時間おきに10gずつ添加しながら10時間反応させた。重合率が80%以上であることを確認し、90℃に昇温して、さらに2時間反応させた。その後、反応器内容物を冷却し、生成したアクリル樹脂組成物を取り出し、水洗、脱水、乾燥し、樹脂組成物を得た。
(実施例12)
実施例10の単量体混合物を用いた以外は実施例3と同様にしてアクリル樹脂組成物を合成した。なお、添加する単量体としてアクリル酸を用いた。
すなわち、撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、まず、フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。
次に、BA 600g、FA−513AS 300g、アクリル酸20gを混合し、得られた単量体混合物にさらに過酸化ラウロイル5.1g、連鎖移動剤として、RAFT剤であるO−エチル−S−(1−フェニルエチル)ジチオカーボネート1.2g(0.12質量%)を溶解したものを単量体混合物とした。そして、単量体混合物に水2012.6g、分散助剤としてポリビニルアルコール(PVA)0.2gを加えたものを分散液とした。
そして、窒素をバブリングし溶存酸素を1ppm以下にした状態で分散液をフラスコ内に供給した後、反応器内温度55℃、撹拌回転数250回・min−1で撹拌加熱し、アクリル酸80gを1時間おきに10gずつ添加しながら8時間かけて添加し、さらに2時間反応させた。重合率が80%以上であることを確認し、90℃に昇温して、さらに2時間反応させた。その後、反応器内容物を冷却し、生成したアクリル樹脂組成物を取り出し、水洗、脱水、乾燥し、樹脂組成物を得た。
(実施例13)
実施例10の単量体混合物を用いた以外は実施例4と同様にしてアクリル樹脂組成物を合成した。
すなわち、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、フラスコに、メチルエチルケトン(MEK)1460g、臭化銅1.0g、配位子としてペンタメチルジエチレントリアミン1.5g、BA 600g、FA−513AS 300g、アクリル酸 100gを混合し、窒素をバブリングして溶存酸素を1ppm以下にした。50℃に昇温し、次いで、2−ブロモイソ酪酸エチル2.0gを添加し、反応器内温度を60℃に保持し、12時間重合させた。転化率が99%になった時点で反応器を冷却し、反応を終了させた。冷却後、反応溶液にメタノールを加え、樹脂を沈殿させた。上澄み液を取り除き、樹脂中に残ったメタノ−ルを乾燥させ、樹脂組成物を得た。
(実施例14)
実施例10の単量体混合物を用いた以外は実施例5と同様にしてアクリル樹脂組成物を合成した。なお、添加する単量体としてアクリル酸を用いた。
すなわち、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、フラスコに、MEK 1460g、臭化銅1.0g、配位子としてペンタメチルジエチレントリアミン1.5g、BA 600g、FA−513AS 300gを混合し、窒素をバブリングして溶存酸素を1ppm以下にした。50℃に昇温し、次いで、2−ブロモイソ酪酸エチル2.0gを添加し、反応器内温度を60℃に保持し、アクリル酸100gを1時間おきに10gずつ添加しながら10時間反応させ、次いで2時間重合させた。転化率が99%になった時点で反応器を冷却し、反応を終了させた。冷却後、反応溶液にメタノールを加え、樹脂を沈殿させた。上澄み液を取り除き、樹脂中に残ったメタノールを乾燥させ、樹脂組成物を得た。
(実施例15)
実施例10の単量体混合物を用いた以外は実施例6と同様にしてアクリル樹脂組成物を合成した。なお、添加する単量体としてアクリル酸を用いた。
すなわち、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、フラスコに、MEK 1460g、臭化銅1.0g、配位子としてペンタメチルジエチレントリアミン1.5g、BA 600g、FA−513AS 300g、アクリル酸20gを混合し、窒素をバブリングして溶存酸素を1ppm以下にした。50℃に昇温し、次いで、2−ブロモイソ酪酸エチル2.0gを添加し、反応器内温度を60℃に保持し、アクリル酸80gを1時間おきに10gずつ添加しながら8時間反応させ、次いで2時間重合させた。転化率が99%になった時点で反応器を冷却し、反応を終了させた。冷却後、反応溶液にメタノールを加え、樹脂を沈殿させた。上澄み液を取り除き、樹脂中に残ったメタノールを乾燥させ、樹脂組成物を得た。
(実施例16)
実施例10の単量体混合物を用いた以外は実施例7と同様にしてアクリル樹脂組成物を合成した。
すなわち、撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、フラスコに、MEK 1460g、BA 650g、FA−513A 300g、アクリル酸50gを混合し、窒素をバブリングして溶存酸素を1ppm以下にした。58℃に昇温し、次いで、MEK 40gに溶解させた過酸化ラウロイル4.0gを添加し、反応器内温度を58℃に保持し、1時間重合させた。その後、冷却し、重合率35〜40%反応させたアクリル樹脂組成物を得た。冷却後、反応溶液にメタノールを加え、樹脂を沈殿させた。上澄み液を取り除き、樹脂中に残ったメタノールを乾燥させ、樹脂組成物を得た。
(実施例17)
実施例10の単量体混合物を用いた以外は実施例8と同様にしてアクリル樹脂組成物を合成した。なお、添加する単量体としてアクリル酸を用いた。
すなわち、撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、まず、フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。次に、BA 600g、FA−513AS 300gを混合し、さらに過酸化ラウロイル5.1g、連鎖移動剤として、n−オクチルメルカプタン1.2gを溶解したものを単量体混合物とした。そして、単量体混合物に水2012.6g、分散助剤としてポリビニルアルコール(PVA)0.2gを加えたものを分散液とした。
そして、窒素をバブリングして溶存酸素を1ppm以下にした状態で分散液をフラスコ内に供給した後、反応器内温度55℃、撹拌回転数250回・min−1で撹拌加熱し、さらにアクリル酸100gを3時間かけて連続的に滴下した。その後、2時間重合させ、次いで90℃に昇温して、さらに2時間反応させ、冷却後、水洗、脱水、乾燥し、樹脂組成物を得た。
(実施例18)
実施例10の単量体混合物を用いた以外は実施例9と同様にしてアクリル樹脂組成物を合成した。なお、添加する単量体としてアクリル酸を用いた。
すなわち、撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、まず、フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。次に、BA 600g、FA−513AS 300g、アクリル酸20gを混合し、さらに過酸化ラウロイル5.1g、連鎖移動剤として、n−オクチルメルカプタン1.2gを溶解したものを単量体混合物とした。そして、単量体混合物に水2012.6g、分散助剤としてポリビニルアルコール(PVA)0.2gを加えたものを分散液とした。
そして、窒素をバブリングして溶存酸素を1ppm以下にした状態で分散液をフラスコ内に供給した後、反応器内温度55℃、撹拌回転数250回・min−1で撹拌加熱し、さらにアクリル酸80gを3時間かけて連続的に滴下した。その後、2時間重合させ、次いで90℃に昇温して、さらに2時間反応させ、冷却後、水洗、脱水、乾燥し、樹脂組成物を得た。
(比較例1)
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器とし、まず、フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。
次に、アクリル酸ブチル(BA)600g、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(日立化成工業株式会社製、FA−513AS)300g、メタクリル酸グリシジル(GMA)100gを混合し、さらに過酸化ラウロイル5.1g、連鎖移動剤として、n−オクチルメルカプタン1.2gを溶解したものを単量体混合物とした。そして、単量体混合物の全量に対し、水2012.6g(200質量%)、分散助剤としてポリビニルアルコール(PVA)0.2g(0.02質量%)を加えたものを分散液とした。
そして、窒素をバブリングして溶存酸素を1ppm以下にした状態で分散液をフラスコ内に供給した後、反応器内温度55℃、撹拌回転数250回・min−1で撹拌加熱し、4時間反応させた。重合率が80%以上であることを確認し、90℃に昇温して、さらに2時間反応させた。その後、反応器内容物を冷却し、生成したアクリル樹脂組成物を取り出し、水洗、脱水、乾燥し、樹脂組成物を得た。
(比較例2)
実施例10の単量体混合物を用いた以外は比較例1と同様にしてアクリル樹脂組成物を合成した。
〔UV検出可能な基に変換〕
実施例1〜9、比較例1で得られたアクリル樹脂組成物1g、ベンジルメチルアミン1g、クロロホルム2gを混合し、50℃、4時間反応させ、メタノールによる沈殿により、GPC測定用アクリル樹脂組成物を得た。
実施例10〜18、比較例2で得られたアクリル樹脂組成物1g、ベンジルアルコール1g、塩化チオニル0.5g、クロロホルム2gを混合し、25℃、4時間反応させ、メタノールによる沈殿により、GPC測定用アクリル樹脂組成物を得た。
〔分子量(RI、UV)の測定〕
GPC装置(東ソー株式会社製、商品名GPC8020)、GPCカラム(日立化成工業株式会社製、商品名Gelpack GL−150−S、GL−160−S)を使用し、アクリル樹脂組成物をテトラヒドロフランに溶かし濃度が1質量%の試料溶液としたものを用いて25℃の温度条件で測定し、GPCを用いた標準ポリスチレン換算法により重量平均分子量を算出した。
〔特性試験用熱硬化ワニスの作製〕
上記により合成した実施例1〜18、比較例1及び2のアクリル樹脂組成物を、メチルエチルケトンに加熱残分が40質量%となるように溶解し、アクリル樹脂ワニスを作製した。
次いで、アクリル樹脂を固形分量換算で40質量部、エポキシ樹脂としてナフタレン型エポキシ樹脂(EXA4710、大日本インキ化学工業株式会社(DIC株式会社)製)20.6質量部、フェノール樹脂としてクレゾールノボラック型フェノール樹脂(KA1165、大日本インキ化学工業株式会社(DIC株式会社)製)14.4質量部、硬化促進剤として1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(キュアゾール2PZ−CN、四国化成工業株式会社製)0.06質量部からなる熱硬化樹脂ワニスを作製した。
〔破断伸び率測定〕
作製した熱硬化樹脂ワニスを、銅箔(厚さ18μm、日本電解株式会社製、HLA18)の上に塗布した後、130℃で、10分間加熱して乾燥させ、次いで、実施例1〜9、比較例1の樹脂を用いた場合は185℃で、90分の条件で、実施例10〜18、比較例2のアクリル樹脂を用いた場合は185℃で、120分の条件で硬化させ、樹脂層の厚さが100〜110μmの樹脂フィルムを作製した。次いで、銅箔をエッチングして除去し、熱硬化樹脂フィルムを作製して、破断伸び率測定用試験片を作製した。
破断伸び率は、引張試験機(株式会社島津製作所製 小型卓上試験機 EZ−Test)を使用し、10mm×80mmの形状の試験片とし、チャック間距離60mm、引張速度10mm/分で引張試験を行い破断するときの試験片の長さ(L1)を測定し、次式で算出した。
破断伸び率=(L1−チャック間距離)×100/チャック間距離
〔接着強度(ピール強度)測定〕
上記作製した熱硬化樹脂ワニスを銅箔(厚さ18μm、日本電解株式会社製、HLA18)の上に塗布した後、130℃で、10分間加熱して乾燥させ、次いで、樹脂層の上にさらに銅箔を重ね、実施例1〜9、比較例1の樹脂を用いた場合は185℃、90分、1.0MPaのプレス条件で、実施例10〜18、比較例2の樹脂を用いた場合は185℃、90分、1.0MPaのプレス条件でピール強度測定用試験片を作製した。
接着強度は、90度ピール強度測定器(テスター産業株式会社製)を用いて銅箔の引き剥がし強度を測定した。
実施例1〜18、比較例1及び2のアクリル樹脂組成物を用いた熱硬化樹脂組成物の破断伸び率、接着強度(ピール強度)評価結果、UV及びRI測定値から算出したXの値をまとめて表1〜4に示した。
Figure 2016014158
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Figure 2016014158
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実施例1〜18で得られた樹脂組成物は、Xの値が0.03以下であり、破断伸び率が50%以上の100〜226%で、接着強度が0.8KN/m以上の0.8〜1.4KN/mであった。一方、比較例1及び2で得られた樹脂組成物は、いずれもXの値が0.03より大きく、破断伸び率が50%未満の16〜32%で、接着強度が0.5KN/m以下の0.4〜0.5KN/mであり、望ましい特性が得られなかった。
以上のように、電子材料接着用樹脂組成物として、本発明により得られた樹脂組成物を用いることで、破断伸び率、接着強度の高い特性を有する電子材料を得ることができる。
エポキシ樹脂としては例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、オルトクレゾールノボラック型フェノール樹脂等の多価フェノール又は1,4−ブタンジオール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル、アミン、アミド又は複素環式窒素塩基を有する化合物のN−グリシジル誘導体、脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。

Claims (8)

  1. 2種類以上の単量体及び重合開始剤を含む単量体混合物を重合反応させて得られる樹脂組成物であって、得られる樹脂組成物における2種類以上の単量体の1種に由来する官能基をUV(紫外光)で検出可能な基に変換しRI(示差屈折率)検出器、UV検出器を用いてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)スペクトルを測定したとき、次式に示すXが−0.03以上、0.03以下であることを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2016014158
  2. 単量体が重合可能な化合物である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 単量体が二重結合を有する化合物である請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. UVで検出可能な基が不飽和結合を有する基である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 2種類以上の単量体の1種が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基から選ばれる少なくとも1つの官能基を持つ(メタ)アクリル酸エステルである請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 2種類以上の単量体の1種が、(メタ)アクリル酸グリシジルである請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 2種類以上の単量体及び重合開始剤を含む単量体混合物を重合反応させる樹脂組成物の製造方法であって、2種類以上の単量体の1種が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基から選ばれる少なくとも1つの官能基を持つ(メタ)アクリル酸エステルである樹脂組成物の製造方法。
  8. 2種類以上の単量体の1種が、(メタ)アクリル酸グリシジルである請求項7に記載の樹脂組成物の製造方法。
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