JP2016013207A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2016013207A
JP2016013207A JP2014135448A JP2014135448A JP2016013207A JP 2016013207 A JP2016013207 A JP 2016013207A JP 2014135448 A JP2014135448 A JP 2014135448A JP 2014135448 A JP2014135448 A JP 2014135448A JP 2016013207 A JP2016013207 A JP 2016013207A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
absorbent article
gel
composition
skin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014135448A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5677611B1 (ja
Inventor
響 菊池
Hibiki Kikuchi
響 菊池
英輔 武田
Hidesuke Takeda
英輔 武田
真衣香 舟塲
Maika Funaba
真衣香 舟塲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unicharm Corp
Original Assignee
Unicharm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2014135448A priority Critical patent/JP5677611B1/ja
Application filed by Unicharm Corp filed Critical Unicharm Corp
Priority to SG11201405068XA priority patent/SG11201405068XA/en
Priority to MYPI2016704586A priority patent/MY165760A/en
Priority to PCT/JP2014/068690 priority patent/WO2016002092A1/ja
Priority to AU2014216003A priority patent/AU2014216003B2/en
Priority to CN201480002903.1A priority patent/CN105407850B/zh
Priority to KR1020167035771A priority patent/KR101833161B1/ko
Application granted granted Critical
Publication of JP5677611B1 publication Critical patent/JP5677611B1/ja
Priority to TW104119994A priority patent/TWI651079B/zh
Publication of JP2016013207A publication Critical patent/JP2016013207A/ja
Priority to PH12016502350A priority patent/PH12016502350A1/en
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F13/00Bandages or dressings; Absorbent pads
    • A61F13/15Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F13/00Bandages or dressings; Absorbent pads
    • A61F13/15Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators
    • A61F13/45Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the shape
    • A61F13/49Absorbent articles specially adapted to be worn around the waist, e.g. diapers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F13/00Bandages or dressings; Absorbent pads
    • A61F13/15Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators
    • A61F13/51Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the outer layers
    • A61F13/511Topsheet, i.e. the permeable cover or layer facing the skin

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、表面シートにゲル状組成物が塗工されてなる吸収性物品であって、表面におけるドライ性及び厚さ方向の液浸透性に優れるとともに、表面シートとコアラップシートとの間の接合状態を維持しつつ、吸収性にも優れた吸収性物品を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の吸収性物品は、吸収コア及び該吸収コアを囲繞するコアラップシートを含む吸収体と、該吸収体の肌面側に配置され、前記コアラップシートと接着剤により接合された表面シートとを有し、前記表面シートの肌面側の面に、38℃でゲル状態を維持することのできる疎水性のゲル状組成物が間欠的に塗工されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゲル状組成物を表面に含む吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティーライナ、失禁パッド等の吸収性物品では、長年積み重ねられてきた技術開発により吸収性能等の基本的性能が向上し、以前と比較して、尿や経血などの排泄物を吸収した後に、漏れ等が生じ難くなってきており、現在では、更なる高機能化、例えば、スキンケア効果や快適な着用感を有することなどが求められている。そのような高機能化された吸収性物品として、スキンケア成分等を含むローション剤を、表面シート上に塗布することで、液透過性を向上させつつ、肌のかぶれ等を防止することのできる吸収性物品などが提案されている。
例えば、特許文献1には、液体不透過性バックシートと、前記バックシートと接合された液体透過性トップシートであって、使い捨て吸収性物品が着用されている場合に前記物品の内側の方を向く内面および着用者の皮膚の方を向く外面を含み、トップシートの前記外面の少なくとも一部にローションを有するトップシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収性コアと、を備え、複数の細片から成るパターンの形状で液体透過性トップシートにローションが付けられ、前記細片はローションが付けられていない複数の領域によって隔てられ、複数の細片から成るパターンは不連続的なパターンである、使い捨て吸収性物品が開示されている。さらに、特許文献1によれば、このように液透過性トップシートにローションが付けられた吸収性物品は、快適な着用感、優れた液体処理特性及びサラサラ感を備えるとされている。
また、特許文献2には、不織布からなる液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を備えた吸収性物品であって、前記表面シートは、着用者の肌側に向かって突出する多数の突出部を有し、前記突出部は、前記吸収体側が開放された内部空間を有しており、前記突出部は、頂部における肌対向面及び非肌対向面の両面にスキンケア剤が付着しており、該頂部における非肌対向面よりも肌対向面の方が、単位面積当たりのスキンケア剤量が多い、吸収性物品が開示されている。さらに、特許文献2によれば、このようにスキンケア剤が付着した吸収性物品は、肌に移行させ易い部位にスキンケア剤を安定的に保持でき、スキンケア効果及びその持続性に優れるとされている。
特開2008−522772号公報 特開2012−143543号公報
しかしながら、これら特許文献1及び2の吸収性物品に用いられているローションやスキンケア剤(以下、「ローション等」という。)は、吸収性物品の着用時において、着用者の体温や排泄物の温度などによって溶融するものであるため、溶融したローション等が、表面シートの非肌面側の面まで浸透して、表面シートの非肌面側の面に接するコアラップシートとの間のホットメルト接着剤による接合を阻害し、前記表面シートと前記コアラップシートとが分離してしまい、吸収性物品として吸収性が低下する虞があった。
そこで、本発明は、表面シートにゲル状組成物が塗工されてなる吸収性物品であって、表面におけるドライ性及び厚さ方向の液浸透性に優れるとともに、表面シートとコアラップシートとの間の接合状態を維持しつつ、吸収性にも優れた吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明は、吸収コア及び該吸収コアを囲繞するコアラップシートを含む吸収体と、該吸収体の肌面側に配置され、前記コアラップシートと接着剤により接合された表面シートと、を有する吸収性物品に関し、前記表面シートは、該表面シートの肌面側の面に、38℃でゲル状態を維持することのできる疎水性のゲル状組成物が間欠的に塗工されている、吸収性物品である。本発明の吸収性物品は、ゲル状組成物が、38℃でもゲル状態を維持することができるので、吸収性物品の着用時において、着用者の体温等によって溶融せず、表面シートの非肌面側の面にゲル状組成物が浸透しないため、前記表面シートと前記コアラップシートとの間の接着剤による接合に影響を与えず、接合状態を長時間に亘って安定して維持することができる。
また、疎水性のゲル状組成物が、親水性繊維などから構成される表面シートの肌面側の面に、間欠的に塗工されていることで、前記表面シートの肌面側の面に、疎水性を有するゲル状組成物の塗工領域が形成される一方、前記表面シートの内部は親水性を有しているため、前記塗工領域における疎水性の撥水作用と表面シート内部における親水性の吸水作用との相乗作用によって、前記表面シートの肌面側の面上に供給された尿などの液状排泄物が、前記ゲル状組成物の塗工されていない非塗工領域を介して、前記表面シートの内部に引き込まれ易い状態を形成することができ、それにより、厚さ方向の液浸透性を保持しつつ前記表面シートの液捌け性を格段に向上させることができる。さらに、表面シートに着用者の体圧などが掛かり、表面シートの内部に浸透した液状排泄物が表面シートの肌面側に向かって移行するような場合でも、疎水性のゲル状組成物が表面シートの肌面側の面に存在することによって、前記液状排泄物が表面シートの肌面側の面へ浸出することが阻害されるため、一度内部に浸透した液状排泄物の液戻りを効果的に防ぐことができる。その結果、吸収性物品を厚さ方向の液浸透性を保持しつつ表面のドライ性に優れた吸収性物品とすることができる。
さらに、前記表面シートの非肌面側の面には、前記ゲル状組成物が塗工されておらず、また、前記表面シートの肌面側の面に塗工されたゲル状組成物が、前記表面シートの非肌面側の面には浸透しないので、前記表面シートの肌面側から非肌面側へ浸透する液状排泄物が、非肌面側の面に向かうにつれて前記表面シートの面方向に拡散し易くなるため、前記表面シートの面方向に拡散しながら前記表面シートの非肌面側の面に到達した液状排泄物を、前記表面シートの非肌面側の面に接合されているコアラップシートを介して、広範囲の箇所から吸収コアに吸収させることができ、それにより、液状排泄物の吸収体への吸収効率を更に向上させることができる。その結果、吸収性に優れた吸収性物品を得ることができる。
本発明によれば、表面におけるドライ性及び厚さ方向の液浸透性に優れるとともに、表面シートとコアラップシートとの間の接合状態を維持しつつ、吸収性にも優れた吸収性物品を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る吸収性物品の伸長した状態における平面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る吸収性物品においてゲル状組成物が塗工された部分の幅方向における部分断面図(模式図)である。
本発明の吸収性物品について、図面等を参照しながら以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る吸収性物品(使い捨ておむつ)の伸長した状態における平面図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る吸収性物品において、ゲル状組成物が間欠的に塗工された部分の幅方向DWにおける部分断面図(模式図)である。本発明の一実施形態に係る使い捨ておむつ1は、外形形状が、伸長した状態の平面視にて、長手方向DLに長い形状を有し、長手方向DLの中央部が幅方向DWの内方側に向かって細く括れた略鼓形(或いは、逆クラウン形)の形状を有している。なお、本発明の吸収性物品は、このような外形形状に限定されず、例えば、瓢箪形状や長方形等の矩形状、楕円状、長円状などの長手方向Dに長い任意の形状を採用することができる。本実施形態に係る使い捨ておむつ1は、図1及び図2に示すように、その厚さ方向DTにおいて着用者の肌面側に位置する液透過性の表面シート2と、前記肌面側の反対側(すなわち、非肌面側)に位置する液不透過性の裏面シート3と、前記表面シート2及び前記裏面シート3の間に位置する吸収体4と、を備えた積層構造を有しており、さらに、前記表面シート2を平面視にて幅方向Dの外方側から挟むようにして、前記表面シート2の肌面側に配置される、ギャザー部形成用の一対の側部シート部材5を備えている。また、前記表面シート2の肌面側の面には、後述するゲル状組成物が塗工された領域であって、使い捨ておむつ1の長手方向DLに延在し、且つ幅方向DWに並ぶ複数の略直線状のゲル状組成物の塗工領域6(以下、「線状塗工領域」と記すことがある。)を有している。
そして、本発明の吸収性物品においては、前記ゲル状組成物が、38℃でゲル状態を維持することのできる疎水性のゲル状組成物である。以下、本発明の吸収性物品に用いられるゲル状組成物について、更に詳細に説明する。
[ゲル状組成物]
本発明の吸収性物品に用いられるゲル状組成物は、38℃でゲル状態を維持することができ、疎水性を有するものであれば特に制限されないが、例えば、スチレン系エラストマー及び炭化水素油を含む組成物などが挙げられ、中でも、スチレン系エラストマー、炭化水素油及びシリコーンオイルを含む組成物が好適に用いられる。中でも、前記ゲル状組成物は、重量平均分子量が10万以上18万未満であり、且つトリブロック以上のブロック共重合体からなるスチレン系熱可塑性エラストマー(A1)と、重量平均分子量が18万以上30万以下であり、且つトリブロック以上のブロック共重合体からなるスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)とを、(A1)/(A2)=95/5〜50/50の質量比で含み、且つ分子量の分散度(Mw/Mn)が1.25〜1.60である、スチレン系熱可塑性エラストマー混合物(A)100質量部に対し、37.8℃における動粘度が5〜50mm2/sである炭化水素油(B)を500〜4800質量部と、25℃における動粘度が50〜200mm2/sであるシリコーンオイル(C)を20〜60質量部とを含有する組成物を、特に好ましく用いることができる。
上述のゲル状組成物に用いられるスチレン系熱可塑性エラストマー(A1,A2)は、ポリスチレン系ハードセグメントとソフトセグメントとを含むトリブロック以上のブロック共重合体であり、好ましくはスチレン系ハードセグメントからなるブロック成分を分子鎖中に2つ以上有するブロック共重合体であり、更に好ましくは分子鎖における少なくとも両末端のブロック成分が、前記スチレン系ハードセグメントからなるブロック成分であるブロック共重合体である。前記ポリスチレン系ハードセグメントとしては、特に制限されないが、例えば、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(o−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−メチルスチレン)などのポリスチレン系ポリマーが挙げられる。また、前記ソフトセグメントとしては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリオレフィン系ポリマーが挙げられる。
前記スチレン系熱可塑性エラストマー(A1,A2)として用いられる共重合体は、トリブロック以上のスチレン系ブロック共重合体であれば、特に制限されないが、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)、及びこれらの2種以上を任意に組み合せたものなどが挙げられる。これらの中でも、表面シートに塗工した後のゲル状態の保持性(特に、38℃における保持性)やゲルの硬さ、伸びなどの点から、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)及びスチレン−エチレン/エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)が好ましい。前記スチレン系熱可塑性エラストマー(A1,A2)としてジブロック共重合体を用いた場合は、スチレン系ハードセグメントの相互作用(π−πスタッキング)が弱くなるため、表面シートに塗工した後のゲル状態の保持性(特に、38℃における保持性)やゲルの硬さ、伸びなどが十分に得られない虞がある。なお、前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、前記スチレン系ハードセグメントの相互作用により形成される複数の凝集ドメインと、該複数の凝集ドメインを連結するオレフィン系ソフトセグメントとによって網目状のネットワーク構造が形成されるため、弾性体としての機能を発現するとともに、体温(約35℃〜約38℃)程度の温度条件下においてもゲル状態を維持することができるものと考えられる。また、このような網目状のネットワーク構造は、後述する油剤(すなわち、炭化水素油(B)及びシリコーンオイル(C))等を適度に徐放させつつ保持する機能を併せ持つものと考えられる。
また、前記ブロック共重合体は、好ましくは10〜50質量%のスチレン系ブロック成分と50〜90質量%のオレフィン系ブロック成分、更に好ましくは15〜40質量%のスチレン系ブロック成分と60〜85質量%のオレフィン系ブロック成分、特に好ましくは18〜35質量%のスチレン系ブロック成分と65〜82質量%のオレフィン系ブロック成分を含む。スチレン系ブロック成分の割合が10質量%を下回ると、前記凝集ドメインを形成するスチレン系ブロック成分の量が少なくなるので、前記スチレン系熱可塑性エラストマーが上述の網目状のネットワーク構造を形成し難くなる。一方、スチレン系ブロック成分の割合が50質量%を超えると、前記油剤等を保持するオレフィン系ブロック成分の量が少なくなるので、保持できる油剤等の量が少なくなり、また、前記スチレン系ハードセグメントにより形成される凝集ドメインの量が多くなるので、表面シートに適用した後のゲルが硬くなり、吸収性物品の着用時において、着用者に違和感や不快感を引き起こす虞がある。
前記スチレン系熱可塑性エラストマー混合物(A)は、重量平均分子量の異なる2種類のスチレン系熱可塑性エラストマー(A1,A2)の混合物からなる。前記2種類のスチレン系熱可塑性エラストマー(A1,A2)のうちの一方のスチレン系熱可塑性エラストマー(A1)(以下、「低分子量のスチレン系熱可塑性エラストマー(A1)」と記すことがある。)は、重量平均分子量が10万以上18万未満の範囲内であり、好ましくは10万〜15万の範囲内である。この重量平均分子量が10万未満であると、表面シートに適用した後のゲルの硬さや伸びが低くなるため、表面シートの柔軟性を阻害する虞がある。また、他方のスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)(以下、「高分子量のスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)」と記すことがある。)は、重量平均分子量が18万以上30万以下の範囲内であり、好ましくは22万〜28万の範囲内である。この重量平均分子量が30万を超えると、表面シートに適用した後のゲルの表面にタック性が生じ易くなるため、吸収性物品の着用時において、着用者にべたつき感を感じさせ、不快感を引き起こす虞がある。
前記スチレン系熱可塑性エラストマー混合物(A)は、分散度(すなわち、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn))が1.25〜1.60の範囲内であり、好ましくは1.35〜1.55の範囲内である。分散度が1.25未満であると、ゲル状組成物の物性が単一のスチレン系熱可塑性エラストマーを用いた場合と変わらないため、表面シートに適用した後のゲルの伸びが不十分となり、表面シートの柔軟性を阻害する虞がある。一方、分散度が1.60を超えると、前記2種類のスチレン系熱可塑性エラストマー(A1,A2)の冷却固化時間の差によって、表面シートに適用した後のゲルが不均質になるため、ゲルの伸びや脆さなどの物性が低下し、吸収性物品として品質にバラツキが生じる虞がある。
前記2種類のスチレン系熱可塑性エラストマー(A1,A2)及び前記スチレン系熱可塑性エラストマー混合物(A)の重量平均分子量(Mw)と、前記スチレン系熱可塑性エラストマー混合物(A)の分散度(Mw/Mn)は、テトラヒドロフラン(THF)を移動相として、以下の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算により求めることができる。
[GPC測定条件]
装置 :GPC−8220 (東ソー(株)製)
カラム :SHODEX KF−804 (昭和電工(株)製)
温度 :40℃
溶媒 :THF
流量 :1.0mL/分
試料濃度:0.05〜0.6質量%
注入量 :0.1mL
検出 :RI(示差屈折計)
上記したように、前記ゲル状組成物は、重量平均分子量の異なる2種類のスチレン系熱可塑性エラストマー(A1,A2)の混合物を含有するが、その配合量は、低分子量のスチレン系熱可塑性エラストマー(A1)と高分子量のスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)の質量比で、(A1)/(A2)=95/5〜50/50の範囲内であり、好ましくは90/10〜60/40、更に好ましくは80/20〜70/30である。前記質量比において、低分子量のスチレン系熱可塑性エラストマー(A1)の配合比率が95を超えると、表面シートに適用した後のゲルの硬さや伸びが不十分となるため、表面シートの柔軟性を阻害する虞があり、前記配合比率が50未満であると、表面シートに適用した後のゲルの表面にタック性が生じ易くなり、着用者にべたつき感を感じさせ、不快感を引き起こす虞がある。
また、前記ゲル状組成物は、37.8℃における動粘度が5〜50mm2/sである炭化水素油(B)を更に含むことができる。前記炭化水素油(B)は、炭素と水素からなる化合物であれば特に制限されず、直鎖、分岐又は環状の構造を有していても、飽和又は不飽和結合を有していてもよい。前記炭化水素油(B)としては、例えば、オレフィン系炭化水素(二重結合を1つ含むアルケン)、パラフィン系炭化水素(二重結合も三重結合も含まないアルカン)、アセチレン系炭化水素(三重結合を1つ含むアルキン)、二重結合及び/又は三重結合を2つ以上含む炭化水素、並びに芳香族炭化水素、脂環式炭化水素等の環状炭化水素などが挙げられる。より具体的には、水添ポリイソブテン、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン等が挙げられ、さらに、水添ポリイソブテンは、表面シートに適用した後のゲルにタック性が生じず、また、徐放された油剤によるベタツキも生じないため、特に好ましく用いることができる。
前記炭化水素油(B)は、37.8℃における動粘度が5〜50mm2/sの範囲内であり、好ましくは10〜30mm2/sの範囲内、更に好ましくは10〜20mm2/sの範囲内である。この動粘度が5mm2/s未満であると、炭化水素油(B)がゲル状組成物の製造時に揮発し易くなるため、表面シートに適用した後のゲルの物性にバラツキが生じる虞がある。一方、この動粘度が50mm2/sを超えると、表面シートに適用した後のゲルが硬くなり、タック性も生じ易くなる。なお、炭化水素油(B)の動粘度は、JIS K 2283:2000の「5.動粘度試験方法」に従って、キャノンフェンスケ逆流形粘度計を用いて、37.8℃の試験温度で測定することにより得ることができる。
前記炭化水素油(B)の配合量は、前記スチレン系熱可塑性エラストマー混合物(A)100質量部に対し、500〜4800質量部の範囲内であり、好ましくは800〜3000質量部の範囲内、更に好ましくは1000〜1500質量部の範囲内である。この配合量が500質量部未満であると、表面シートに適用した後のゲルが硬くなり、伸びも低下するため、表面シートの柔軟性を阻害する虞がある。一方、この配合量が4800質量部を超えると、ゲルが柔らかくなり過ぎてしまい、表面シートに適用した後にゲルが前記表面シートの非肌面側に浸透し易くなる。
また、前記ゲル状組成物は、25℃における動粘度が50〜200mm2/sであるシリコーンオイル(C)を更に含むことができる。前記シリコーンオイル(C)は、シリコーンオイルであれば特に制限されず、任意の公知のシリコーンオイルを用いることができる。前記シリコーンオイル(C)としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のジオルガノポリシロキサン、シクロペンタシロキサン等の環状シロキサンなどが挙げられる。特に、ジメチルポリシロキサンは、ゲル状組成物に油剤等の適度な徐放性を付与することができるため、好ましく用いることができる。
前記シリコーンオイル(C)は、25℃における動粘度が50〜200mm2/sの範囲内であり、好ましくは70〜150mm2/sの範囲内、更に好ましくは80〜120mm2/sの範囲内である。この動粘度が50mm2/s未満であると、シリコーンオイル(C)がゲル状組成物の製造時に揮発し易くなるため、表面シートに適用した後のゲルの物性にバラツキが生じる虞がある。一方、この動粘度が200mm2/sを超えると、油剤等の徐放量が少なくなり、タック性も生じ易くなる。なお、シリコーンオイル(C)の動粘度についても、JIS K 2283:2000の「5.動粘度試験方法」に従って、キャノンフェンスケ逆流形粘度計を用いて、25℃の試験温度で測定することにより得ることができる。
前記シリコーンオイル(C)の配合量は、前記スチレン系熱可塑性エラストマー混合物(A)100質量部に対し、20〜60質量部の範囲内であり、好ましくは30〜50質量部の範囲内である。この配合量が20質量部未満であると、油剤等の徐放量が少なくなる。一方、この配合量が60質量部を超えると、油剤等の徐放量が多くなり過ぎて、ゲルの表面が油っぽくなる。
また、ゲル状組成物は、所望の製品特性などに応じて、安定剤、酸化防止剤(例えば、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル等)、光安定剤、着色剤、顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等)、香料、無機粉体(例えば、アルミナ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、クレー等)、有機粉体(例えば、PE、PP、シリコーン樹脂のパウダー等)などの任意の添加剤又は他の成分を少なくとも1種、本発明の目的を損なわない範囲で含むことができる。
前記他の成分としては、例えば、スキンケア作用を有するオイル類(例えば、ホホバオイル、ツバキオイル等)、ビタミン類、各種アミノ酸、ペプチド、ゼオライト、コレステロール、ヒアルロン酸、レシチン、セラミド、皮膚収斂剤、抗ニキビ剤、抗シワ剤、抗セルライト剤、美白剤、抗菌剤、抗カビ剤、抗炎症成分、pH調整剤、保湿剤などが挙げられる。
上述のゲル状組成物は、38℃の温度条件下でもゲル状態を維持することができるので、このようなゲル状組成物を表面シート上に塗工した吸収性物品は、吸収性物品の着用時において、着用者の体温等によって前記ゲル状組成物が溶融することはなく、従来技術のように、ゲル状組成物が表面シートの非肌面側の面まで浸透しないため、表面シートとコアラップシートとの間の接着剤による接合に悪影響を及ぼさない。また、前記表面シートの肌面側の面に塗工されたゲル状組成物が、前記表面シートの非肌面側の面には浸透しないので、前記表面シートの肌面側から非肌面側へ浸透する液状排泄物が、非肌面側の面に向かうにつれて前記表面シートの面方向に拡散し易くなるため、前記表面シートの面方向に拡散しながら前記表面シートの非肌面側の面に到達した液状排泄物を、前記表面シートの非肌面側の面に接合されているコアラップシートを介して、広範囲の箇所から吸収コアに吸収させることができ、それにより、液状排泄物の吸収体への吸収効率を更に向上させることができる。その結果、吸収性に優れた吸収性物品を得ることができる。
また、ゲル状組成物は、上述した各種配合成分を、任意の公知の混合手段を用いて混合することにより製造することができる。例えば、上述の各種配合成分を、同時に或いは任意の順に混合装置内へ供給し、該混合装置内で溶融混合することにより製造することができる。この溶融混合の手段についても特に制限はなく、任意の公知の混合手段を採用することができる。そのような混合手段としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー、配合釜などの混合装置が挙げられる。
上述のゲル状組成物は、適度な硬さと伸びを有することに加え、徐放性も有するため、各種塗工装置又は成形装置への付着を抑制しつつ、表面シート上に塗工することができる。さらに、前記ゲル状組成物は、高分子量のスチレン系熱可塑性エラストマーよりも、低分子量のスチレン系熱可塑性エラストマーを多く含有しているため、100℃前後の温度条件においても適度な流動性を呈することから、不織布などからなる表面シートに対して、多様な塗工パターンで且つ容易に塗工を行うことができる。
本発明の吸収性物品において、ゲル状組成物の塗工パターンは、ゲル状組成物が間欠的に塗工されていれば特に制限されず、表面シートの液捌け性や液浸透性、ゲル状組成物の作用等を阻害しない範囲において、任意の塗工パターンで表面シート上に塗工することができる。なお、本明細書において、「間欠的に塗工する」とは、表面シートの肌面側の面上において、複数の塗工領域と、ゲル状組成物が塗工されていない非塗工領域とが形成されるように塗工することを意味する。
本発明の吸収性物品は、疎水性のゲル状組成物を、親水性繊維から構成される表面シートの肌面側の面に、間欠的に塗工することで、表面シート2の肌面側の面に、図2に示すような疎水性を有するゲル状組成物の塗工領域6が形成される一方、前記表面シート2の内部は親水性を有しているため、前記塗工領域6における疎水性の撥水作用と前記表面シート2の内部における親水性の吸水作用との相乗作用によって、表面シート2の肌面側の面上に供給された尿などの液状排泄物Uが、前記ゲル状組成物の塗工されていない非塗工領域を介して、前記表面シート2の内部に引き込まれ易い状態を形成することができ、それにより、厚さ方向Dの液浸透性を保持しつつ前記表面シート2の液捌け性を格段に向上させることができる。さらに、表面シート2に着用者の体圧などが掛かり、表面シート2の内部に浸透した液状排泄物Uが表面シート2の肌面側に向かって移行するような場合でも、疎水性のゲル状組成物が表面シート2の肌面側の面に存在することによって、前記液状排泄物Uが表面シート2の肌面側の面へ浸出することが阻害されるため、一度内部に浸透した液状排泄物Uの液戻りを効果的に防ぐことができる。その結果、吸収性物品を表面のドライ性及び厚さ方向の液浸透性に優れた吸収性物品とすることができる。
なお、本明細書において、「液捌け性」とは、表面シートの肌面側の面上に供給された液状排泄物が、該肌面側の面上から非肌面側へ捌ける際の捌け易さを意味し、前記液状排泄物が、表面シートの肌面側の面上から非肌面側へ捌けて、前記表面シート内からなくなるのに掛かる時間(すなわち、「捌け速度」)によって定量評価することができる。また、本明細書において、「液浸透性」とは、表面シートの肌面側の面上に供給された液状排泄物が、該肌面側の面上から前記表面シート内に浸透する際の浸透のし易さを意味し、前記液状排泄物が、表面シートの肌面側の面上から前記表面シート内に浸透し終わるのに掛かる時間(すなわち、「浸透速度」)によって定量評価することができる。
前記捌け速度及び前記浸透速度は、以下の吸収性評価試験によって測定することができる。吸収性評価試験に当たっては、まず、ユニ・チャーム株式会社から市販されているベービー用紙オムツ、ムーニー「エアフィット」Sサイズから表面シートを取り除き、この表面シートを取り除いた部分に評価対象となる表面シート(例えば、ゲル状組成物を塗工した表面シートなど)を貼り合わせることによって、吸収性評価試験用サンプルを作製する。そして、この吸収性評価試験用サンプルの表面シート上に、40mlの模擬尿を1回滴下し、この模擬尿がすべて前記表面シート内に移行した時間(秒)を計測し、この計測された時間を浸透速度(秒)とする。同様に、前記模擬尿が表面シートを通過して、すべて吸収体側に移行した時間(秒)を計測し、この計測された時間を捌け速度(秒)とする。なお、上記模擬尿は、イオン交換水10Lに、尿素200g、塩化ナトリウム80g、硫酸マグネシウム8g、塩化カルシウム3g及び色素(青色1号)約1gを溶解させることにより調製する。
図1に示す実施形態のように、上述のゲル状組成物は、吸収性物品を伸長した状態の平面視にて、吸収性物品の長手方向DLに延在し、且つ幅方向DWに並ぶ複数の略直線状の塗工パターンで、表面シートの肌面側の面に塗工することができるが、本発明の吸収性物品においては、これに限定されない。例えば、上述の略直線状は、波形状やジグザグ状、点線状などの線状であってもよい。なお、本明細書においては、ゲル状組成物がこのように線状に塗工されてなる領域を「線状塗工領域」という。また、前記幅方向DWに並ぶ複数の線状塗工領域の間隔は、特に制限されないが、上述の表面シートの液捌け性及び厚さ方向の液浸透性の効果の点から、1mm〜10mmが好ましく、2mm〜5mmが更に好ましい。なお、各線状塗工間隔は、等間隔であっても、異なる間隔であってもよい。
また、複数の線状が延在する方向についても、吸収性物品の長手方向DL以外の方向(例えば、幅方向DWなど)であっても、各線状パターンが交差する方向(すなわち、格子状の塗工パターンとなる方向)であってもよい。さらに、ゲル状組成物の塗工パターンは、表面シートの肌面側の面の所定領域に広がる複数のドット状であっても(なお、本明細書においては、ゲル状組成物がこのようにドット状に塗工されてなる領域を「点状塗工領域」という。)、幾何学的形状やデザイン性のある模様状であってもよい。このようにゲル状組成物の塗工パターンを適宜調整することで、吸収性物品において、液捌け性の高い箇所を所望の箇所に設定したり、意匠性を付与したりすることができ、多様なニーズに対応した製品設計を実現することができる。
また、本発明の吸収性物品において、ゲル状組成物の塗工手段は、特に限定されず、任意の公知の塗工手段を採用することができる。そのような塗工手段としては、例えば、ダイ又は吐出ノズルを備えた押出装置;スパイラルコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ディップコーター等の非接触式のコーター;接触式のコーターなどが挙げられる。
表面シート上のゲル状組成物が塗工される範囲(すなわち、表面シートの肌面側の面の面積に対する塗工領域の面積の割合)については、表面シートの肌面側の面の面積(以下、単に「表面シートの面積」という。)に対して、約1%〜約50%の面積率が好ましく、更に好ましくは約5%〜約30%の面積率であり、特に好ましくは約10%〜約15%の面積率である。前記ゲル状組成物が、表面シートの面積に対して1%未満の面積率で塗工されていると、前記ゲル状組成物の塗工領域が少なく、表面シートの肌面側の面における疎水性が不十分であるため、上述の液捌け性及び厚さ方向の液浸透性の効果が得られ難くなり、また、表面シート上のゲル状組成物の量が少ないため、当該ゲル状組成物が有する効果も十分に発揮することができない。一方、前記ゲル状組成物が、表面シートの面積に対して50%を超える面積率で塗工されていると、ゲル状組成物が塗工されていない表面シート上の領域(すなわち、非塗工領域)が少ないため、表面シートの肌面側の面上に供給された液状排泄物が、前記表面シート内に浸透し難くなる。
また、表面シートの肌面側の面に塗工されるゲル状組成物の塗工量は、通常1〜30g/m2の範囲内であるが、好ましくは6〜15g/m2の範囲内であり、更に好ましくは6〜10g/m2の範囲内である。前記ゲル状組成物の塗工量が6g/m未満であると、前記ゲル状組成物の塗工量が少なく、表面シートの肌面側の面における疎水性が不十分であるため、上述の液捌け性の効果が得られ難くなり、また、前記ゲル状組成物の塗工量が15g/mを超えると、前記ゲル状組成物の疎水性によって弾かれる度合いが増大するため、厚さ方向の液浸透性が得られ難くなる。なお、本明細書において、前記ゲル状組成物の塗工量は、次のようにして求める。
(1)ゲル状組成物が塗工された表面シートの測定対象となる所定範囲を、例えば、カッターの替え刃等の鋭利な刃物を用いて、その厚さを変化させないように切り出し、塗工量測定用のサンプルを得る。
(2)切り出したサンプルの面積:SA(m2)及び質量:SM0(g)を測定する。
(3)測定後のサンプルを、芳香族系溶媒(例えば、トルエン等)などのゲル状組成物が可溶な溶媒中に浸し、少なくとも3分間攪拌して、前記ゲル状組成物を溶媒中に溶出させる。
(4)予め質量を測定したろ紙を用いて前記溶媒中のサンプルをろ過した後、そのままろ紙上において、サンプルを溶媒で十分に洗浄する。洗浄後のサンプルをろ紙ごと100℃のオーブン内で十分に乾燥させる。
(5)乾燥後のろ紙及びサンプルの質量を測定し、その値から予め測定したろ紙の質量を差し引くことにより、乾燥後のサンプルの質量:SM1(g)を算出する。
(6)ゲル状組成物の塗工量GBS(g/m2)を、次式(1)により算出する。
Figure 2016013207
なお、前記ゲル状組成物の塗工量は、測定誤差を少なくするために、サンプルの総面積が100cm2を超えるように複数の吸収性物品から複数のサンプルを切り出して、それぞれのサンプルについて上記(2)〜(6)の測定作業を行い、それぞれの測定作業から得られた塗工量GBSの平均値を採用する。
また、ゲル状組成物は、不織布などの表面シートの素材を製造する際に塗工しても、或いは吸収性物品の製造ラインにおいて表面シート上に塗工してもよい。設備投資を抑制する観点から、前記ゲル状組成物は、吸収性物品の製造ラインにおいて表面シート上に塗工することが好ましく、特に、油剤等の脱落による汚染を抑制するという点から、製造ラインの下流工程(例えば、製品を個別に梱包する工程の直前など)において表面シート上に塗工することが好ましい。
以下、本発明の吸収性物品に用いられる各種構成部材について説明する。
[表面シート]
本発明の一実施形態において、表面シート2は、使い捨ておむつ1の厚さ方向DTの肌面側において、使い捨ておむつ1の長手方向DLに延びる中央軸線CL上に配置され、着用者の肌面に直に接触し得る液透過性のシート部材である。本実施形態においては、前記シート部材としてエアスルー不織布が用いられるが、本発明の吸収性物品においては、これに限定されず、液透過性を有するシート部材であれば、従来より公知の任意のシート部材を用いることができる。そのようなシート部材としては、例えば、不織布や織物、編物等が挙げられるが、クッション性や肌触り、汎用性などの点から、不織布を用いることが好ましい。また、不織布としては、上述のエアスルー不織布のほか、例えば、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブローン不織布、及びこれらの組み合わせ(例えば、SMS等)などが挙げられる。
本発明の吸収性物品において、表面シートとして不織布又は織布を用いる場合、該不織布又は織布を構成する繊維としては、天然繊維や化学繊維などが挙げられ、更に具体的には、粉砕パルプ、コットン等のセルロース繊維;レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース;アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース;熱可塑性疎水性化学繊維;親水化処理を施した熱可塑性疎水性化学繊維などが挙げられる。さらに、前記熱可塑性疎水性化学繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる単繊維、PE及びPPのグラフト重合体からなる繊維などが挙げられる。また、上述の不織布又は織布は、不織布又は織布を形成した後に親水化処理されてもよい。
図1に示すように、本実施形態における表面シート2は、平面視にて、長手方向DLを長辺とする略長方形の外形形状を有しているが、本発明の吸収性物品においては、このような形状に限定されず、長方形以外の矩形状でも、楕円状や長円状、瓢箪形状などの曲線を含むような形状でもよい。また、表面シートのサイズは、表面シートの非肌面側に配置される吸収体の肌面側表面の全面を被覆することができるサイズであれば特に制限されず、吸収性物品の着用対象者のサイズや性別、用途などに応じて、任意のサイズのものを採用することができる。さらに、表面シートの厚さについても、吸収性物品として必要な液透過性、強度及び柔軟性等を有するものであれば特に制限されず、任意の厚さのものを採用することができる。例えば、表面シートの厚さは、0.001mm〜5.0mmの範囲内とすることができるが、好適な液透過性、クッション性、肌触りなどの点から、好ましくは0.01mm〜3.0mmであり、更に好ましくは0.1mm〜1.0mmである。
本実施形態において、表面シート2は、少なくとも肌面側の表面が平坦な構造を有しているが、本発明の吸収性物品においては、このような構造に限定されない。例えば、表面シートは、少なくとも肌面側の表面に複数の凸部が形成されたものなども好適に用いることができる。表面シートとして、肌面側に突出する複数の凸部を有するものを用いる場合は、前記複数の凸部のうちの少なくとも一部の凸部に、上述のゲル状組成物が塗工されていることが好ましい。前記複数の凸部は、着用者の肌面に当接する部分であるが、このような部分に前記ゲル状組成物が塗工されていると、当該部分が疎水性となるので、当該部分において尿などの液状排泄物が残留したり、液戻りしたりすることが抑制されるため、排出された液状排泄物が着用者に付着することを効果的に防ぐことができる。
また、前記凸部は、所望の液捌け性や液浸透性、クッション性、肌触りなどに応じて、任意の構造のものを採用することができ、例えば、前記凸部は、表面シートの長手方向に延在する畝部(凸条部)でもよいし、或いは稜線が丸みを帯びた扁平な直方体又は截頭四角錐体、頂点が丸みを帯びた角錐状(例えば、三角錐状、四角錐状等)、頂点が丸みを帯びた円錐状、アーチ状などの立体形状からなる突出部でもよい。また、前記凸部以外の部分の構造は、特に制限されず、溝部であっても、平坦部であってもよく、例えば、本発明の別の実施形態においては、表面シートとして、前記複数の凸部が、表面シートの長手方向に沿って平行に延び、且つ幅方向DWに略等間隔で並ぶ複数の直線状の畝部として形成され、隣り合う2つの畝部の間の部分が、表面シートの長手方向に沿って延びる溝部として形成された、いわゆる畝溝構造を有するものなどが好適に用いられる。
畝部及び溝部が吸収性物品の長手方向DLに沿って直線状に延在する実施形態においては、表面シート上に供給された尿などの液状排泄物が、畝部及び溝部に沿って吸収性物品の長手方向DLに拡散し易くなるので、液状排泄物が吸収性物品の幅方向DWへ広がるのが抑制され、これに起因する幅方向DWからの液状排泄物の漏出を防止することができる。さらに、吸収性物品の長手方向DLに拡散されながら表面シートを透過した液状排泄物を、吸収体の広い領域から吸収させることが可能となるため、液状排泄物の吸収効率を格段に向上させることができる。
また、上述の畝溝構造において、畝部の高さ、すなわち、畝部の頂部を含む水平面と溝部の底部を含む水平面との間の距離は、表面シート上に供給された尿などの液状排泄物を所定方向に誘導することができ、且つ前記畝部が着用者の肌に接触したときに、着用者に違和感や不快感を生じさせないという観点から、通常0.1〜1.2mmの範囲内であり、好ましくは0.2mm〜1.0mmの範囲内であり、更に好ましくは0.4mm〜0.8mmの範囲内である。なお、畝部の高さは、レーザー変位計(例えば、キーエンス株式会社製 高精度2次元レーザー変位計LJ−Gシリーズ(型式:LJ−G030))を使用して、次のように非接触方式で測定することができる。100mm×100mmのサイズに切り出した表面シートのサンプルを水平な測定台の上に載置し、異なる5つの畝部について、測定台からの変位をレーザー変位計で測定し、5つの測定値の平均値を畝部の厚み(mm)とする。同様に、異なる5つの溝部について、測定台からの変位をレーザー変位計で測定し、5つの測定値の平均値を溝部の厚み(mm)とする。前記畝部の厚み(mm)と前記溝部の厚み(mm)との差から、畝部の高さ(mm)を算出する。
さらに、上述の畝溝構造の畝部及び溝部の各幅についても、畝部の幅は、通常1.0〜5.0mmの範囲内の幅とすることができるが、液状排泄物の拡散性や液捌け性、クッション性、肌触りなどの点から、好ましくは2.0〜4.0mmである。なお、畝部の幅が5.0mmを超えると、液状排泄物が畝部に残留し易くなり、液捌け性が低下する虞がある。同様に、溝部の幅は、通常1.0〜3.0mmの範囲内の幅とすることができるが、好ましくは1.0〜2.0mmである。また、畝溝構造のピッチ(すなわち、隣り合う2つの畝部の頂部中心同士の間隔(mm))は、2.0mm〜8.0mmの範囲内とすることができるが、液状排泄物の拡散性や液捌け性、クッション性、肌触りなどの点から、好ましくは2.0mm〜6.0mmである。なお、畝部の幅は、無加圧状態における表面シートの平面写真又は平面画像に基づいて、畝部と、該畝部の両側に位置する2つの溝部との間の境界線同士間の距離として測定することができる。また、溝部の幅も同様である。
本発明の吸収性物品において、表面シートの構造として採用し得る畝溝構造は、上述の態様に限定されず、例えば、畝溝構造の畝部及び溝部が、少なくとも部分的に吸収性物品の長手方向DL以外の方向(例えば、吸収性物品の幅方向DWなど)に延在する態様、少なくとも部分的に方向を変化させながら(例えば、波状やジグザグ状など)延在する態様、少なくとも部分的に吸収性物品の長手方向DLに非連続的(すなわち、断続的)に延在する態様、少なくとも部分的に隣り合う2本の畝部の間隔が一定ではない態様、又はこれらの態様の2つ以上を任意に組み合わせた態様とすることができる。このように畝部及び溝部の延在する方向や形態を適宜設定することによって、表面シート上に供給された液状排泄物の拡散方向などを制御することができ、多様なニーズに対応した製品設計を実現することができる。
表面シートに上述の畝溝構造を形成する方法としては、特に制限されず、例えば、特開2008−25079号公報、特開2008−23326号公報、特開2009−30218号公報等に開示されているような、繊維ウェブに連続的に気体(通常はエア)を吹き付けることによって畝溝構造を形成する方法や、真空成形を利用する方法、ギア延伸を利用する方法、熱伸長性繊維の熱伸長及び/又は熱収縮性繊維の熱収縮を利用する方法などの公知の方法を採用することができる。
表面シートとして、このような畝溝構造を有するものを用いる場合は、前記複数の畝部のうちの少なくとも一部の畝部において、上述のゲル状組成物が、前記畝部に沿った線状塗工領域又は点状塗工領域として存在していることが好ましい。前記複数の畝部は、着用者の肌面に当接する部分であるが、このような部分に上述のゲル状組成物が塗工されていると、当該部分が疎水性となるので、当該部分において尿などの液状排泄物が残留したり、液戻りしたりすることが抑制されるため、排出した液状排泄物が着用者に付着することを効果的に防ぐことができるとともに、畝溝構造を有することによって奏される上述の効果、すなわち、液状排泄物の漏出を防止することができるとともに、液状排泄物の吸収効率を格段に向上させることができるという効果も、享受することができる。
本発明の吸収性物品において、表面シートの坪量は、特に制限されず、液透過性や強度、柔軟性などを阻害しない範囲内において、任意の坪量を採用することができる。そのような坪量としては、例えば、10g/m2〜100g/m2とすることができ、好ましくは20g/m2〜50g/m2である。この坪量が10g/m2未満であると、表面シートしての表面強度が十分に得られず、吸収性物品の着用中に破れる虞がある。また、この坪量が100g/m2を超えると、過度のごわつきが生じ、吸収性物品の着用者に不快感や違和感などを引き起こす虞がある。
[吸収体]
本実施形態の使い捨ておむつ1において、吸収体4は、表面シート2の非肌面側に配置され、前記表面シート2を透過した尿などの液状排泄物を吸収、保持するものである。一般的に、吸収体は、吸水性や装着時の快適性などを考慮すると、嵩高であり、型崩れし難く、化学的刺激の少ないものが好ましい。そのような点から、吸収体4は、図2に示すような、液状排泄物を吸収、保持するための吸収コア41と、該吸収コア41を囲繞するコアラップシート42とを含むものが用いられる。本実施形態において、吸収体4の肌面側に配置される表面シート3と前記コアラップシート42とは、ホットメルト型接着剤等の任意の接着剤によって、少なくとも部分的に接合されている。
前記吸収コアとしては、例えば、フラッフパルプ、スパンボンド不織布、エアレイド不織布、セルロース系繊維等の親水性繊維、親水化処理された熱可塑性繊維などの繊維材と、アクリル酸ナトリウムコポリマー等の高吸収性ポリマーとを含むものなどが挙げられる。なお、吸収コアは、高吸収性ポリマーを含んでいなくてもよく、例えば、上述の繊維材のみをコアラップシートで囲繞したものを吸収体として用いることもできる。
前記コアラップシートとしては、尿などの液状排泄物が透過できる程度の液透過性を有し、且つ内包する吸収コアの構成要素が透過しない(すなわち、吸収コアを構成する繊維材が漏出しない)程度のバリアー性を有するものであれば、特に制限されないが、例えば、天然繊維や化学繊維などからなる、不織布、織布、編布などのシート状の繊維構造体が挙げられ、更に具体的には、坪量が約10g/m2〜約30g/m2程度のティッシュや液透過性不織布、親水性不織布などが挙げられる。
また、本発明の吸収性物品において、吸収体の構造は、特に制限されず、所望の吸収性能やサイズ、用途等に応じて、任意の構造のものを採用することができる。
[裏面シート]
本発明の吸収性物品において、液不透過性の裏面シートは、特に制限されず、従来より公知の任意のシート部材を用いることができる。そのようなシート部材としては、例えば、PE、PP等を含むフィルム、通気性を有する樹脂フィルム、スパンボンド又はスパンレース等の不織布に通気性を有する樹脂フィルムを貼り合わせた積層体、SMS等の複層不織布などが挙げられる。
また、本発明の吸収性物品は、所望の製品特性や用途などに応じて、任意の構成部材を更に含むことができる。本発明は、上述した実施形態の使い捨ておむつのほかに、例えば、失禁パッド、生理用ナプキン、パンティーライナ等の様々な吸収性物品に適用することができる。また、本発明の吸収性物品は、上述した実施形態などに制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜変更が可能である。
以下、実施例及び比較例を例示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
3mmピッチの畝溝構造を有する不織布からなる表面シート上に、ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン(SEBS)を5質量%と、ポリスチレン−block−ポリエチレン−block−ポリ(エチレン−co−プロピレン)−block−ポリスチレン(SEPS)を2質量%と、パールリーム6(日油株式会社製,流動イソパラフィン、イソブテン及びn-ブテンを共重合し、次いで水素を付加することにより生成された分岐鎖炭化水素、重合度:約5〜約10,重量平均分子量:約330)を90質量%と、シリコーンオイル(100cst)を3質量%とからなるゲル状組成物を、塗工幅2mm、塗工間隔2mmで塗工して、複数の線状塗工領域を有する表面シートサンプルを作製した。この作成した表面シートサンプルを、ユニ・チャーム株式会社から市販されているベービー用紙オムツ、ムーニー「エアフィット」Sサイズから表面シートを取り除いた部分に、ホットメルト接着剤を用いて貼り合わせて、実施例1の吸収性物品を作製した。
比較例1
上述の表面シート上にゲル状組成物を塗工していないこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の吸収性物品を作製した。
実施例1及び比較例1の吸収性物品について、捌け速度、浸透速度、リウェット量及びコアラップシートとの接合強度を、以下の要領で測定した。それぞれの測定値は表1に示す。
浸透速度は、各吸収性物品の表面シート上に、40mlの模擬尿を1回滴下し、この模擬尿がすべて前記表面シート内に移行した時間(秒)を計測し、この計測された時間を浸透速度(秒)とした。同様に、捌け速度は、前記模擬尿が表面シートを通過して、すべて吸収体側に移行した時間(秒)を計測し、この計測された時間を捌け速度(秒)とした。これらの捌け速度及び浸透速度の測定は、それぞれ連続して3回実施した。なお、上記模擬尿は、イオン交換水10Lに、尿素200g、塩化ナトリウム80g、硫酸マグネシウム8g、塩化カルシウム3g及び色素(青色1号)約1gを溶解させることにより調製した。
実施例1及び比較例1の各吸収性物品について、リウェット量(g)を次の試験方法により測定した。
(1)サンプルの模擬尿滴下位置に印をつける。
(2)サンプルの重量及び模擬尿滴下位置の厚みを測定する。厚みの測定には厚み計(PEACOCK PIALTHICKNESS GAUGE,直径50mm)を使用する。
(3)サンプルを固定する。
(4)模擬尿滴下位置の上方10mmの位置にビュレットを固定する。
(5)一旦ビュレットを外し、模擬尿滴下位置の印が中央に位置するように、サンプル上に円筒(直径60mm,重さ200g)を設置する。
(6)ビュレットを模擬尿滴下位置(円筒の中央)に戻し、1回目の模擬尿滴下を開始する(T=0)。
(7)模擬尿70mLを滴下する。
(8)円筒内において、表面シートの表面から模擬尿が無くなるまで待つ。
(9)濾紙(アドバンテックNo.2,100mm×100mm)の重量(g)を測定し、これを「重量A(g)」とする。
(10)模擬尿滴下開始5分後(T=5分)に、重量測定済みの濾紙(アドバンテックNo.2,100mm×100mm)を、濾紙の中央と模擬尿滴下位置とが一致するようにサンプル上に設置し、その上に重り(3.5kg)を設置する。
(11)模擬尿滴下開始8分後(T=8分)(重りを設置してから3分後)、重りを外して、濾紙の重量(g)を測定し、これを「重量B(g)」とする。
(12)濾紙の重量の変化量(重量B(g)−重量A(g))を算出し、これを「第1リウェット量(g)」とする。
(13)1回目の模擬尿滴下開始から10分後(T=10分)に2回目の模擬尿滴下を開始する。
(14)模擬尿70mLを滴下する。
(15)上記(8)〜(12)と同様にして、円筒内において、表面シートの表面から模擬尿が無くなるまで待ち、濾紙の重量の変化量(g)を算出し、これを「第2リウェット量(g)」とする。
(16)2回目の模擬尿滴下開始から10分後(T=20分)に3回目の模擬尿滴下を開始する。
(17)模擬尿70mLを滴下する。
(18)上記(8)〜(12)と同様にして、円筒内において、表面シート表面から模擬尿が無くなるまで待ち、濾紙の重量の変化量(g)を算出し、これを「第3リウェット量(g)」とする。
(19)第1〜第3リウェット量の測定をそれぞれ5回繰り返し、それらの平均値を算出する。
実施例1及び比較例1の各吸収性物品について、表面シートとコアラップシートとの接合強度を次の試験方法により測定した。
i)各吸収性物品より、表面シート及び該表面シートに貼り合わされたコアラップシートを取り出し、25mm幅に切断して引っ張り試験用サンプルを作製する。
ii)引っ張り試験用サンプルの前記表面シート及びコアラップシートのそれぞれの長手方向における端部を、引張試験機のチャック(チャック間距離10mm)に挟む。
iii)引張試験機にて、引っ張り試験用サンプルの前記表面シート及びコアラップシートを180°方向に剥離するように引っ張り、荷重値を測定する。
iv)測定された荷重値の最大値を接合強度(N/25mm)とする。
Figure 2016013207
表1に示すように、実施例1の吸収性物品は、ゲル状組成物を塗工していない比較例1の吸収性物品と同等の浸透速度を保持しつつ、捌け速度及びリウェット量のいずれもが、比較例1の吸収性物品と比べて優れていることが分かった。また、比較例1の吸収性物品は、50℃で1週間経過すると、接合強度が約10%程度低下しているのに対し、実施例1の吸収性物品は、50℃で1週間経過しても、接合強度が低下しないことが分かった。
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 吸収コア
42 コアラップシート
5 側部シート部材
6 塗工領域

Claims (7)

  1. 吸収コア及び該吸収コアを囲繞するコアラップシートを含む吸収体と、該吸収体の肌面側に配置され、前記コアラップシートと接着剤により接合された表面シートと、を有する吸収性物品であって、
    前記表面シートは、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、
    前記表面シートの肌面側の面に、38℃でゲル状態を維持することのできる疎水性のゲル状組成物が間欠的に塗工されている、前記吸収性物品。
  2. 前記表面シートは、肌面側に突出する複数の凸部を有し、前記複数の凸部のうちの少なくとも一部の凸部に、前記ゲル状組成物が塗工されている、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記複数の凸部が、前記表面シートの長手方向に延びる複数の畝部であり、前記表面シートは、前記複数の畝部と各畝部の間に存在する複数の溝部とからなる畝溝構造を有し、前記複数の畝部のうちの少なくとも一部の畝部において、前記ゲル状組成物が線状塗工領域又は点状塗工領域として存在している、請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記畝溝構造のピッチが2.0mm〜5.0mmである、請求項3に記載の吸収性物品。
  5. 前記ゲル状組成物が、前記表面シートの肌面側の面において、前記表面シートの長手方向に平行に延びる複数の線状塗工領域として存在しており、前記線状塗工領域の間隔が1〜10mmである、請求項4に記載の吸収性物品。
  6. 前記ゲル状組成物が、スチレン系エラストマー及び炭化水素油を含む組成物からなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記ゲル状組成物が、重量平均分子量が10万以上18万未満であり、且つトリブロック以上のブロック共重合体からなるスチレン系熱可塑性エラストマー(A1)と、重量平均分子量が18万以上30万以下であり、且つトリブロック以上のブロック共重合体からなるスチレン系熱可塑性エラストマー(A2)とを、(A1)/(A2)=95/5〜50/50の質量比で含み、且つ分子量の分散度(Mw/Mn)が1.25〜1.60である、スチレン系熱可塑性エラストマー混合物(A)100質量部に対し、37.8℃における動粘度が5〜50mm2/sである炭化水素油(B)を500〜4800質量部と、25℃における動粘度が50〜200mm2/sであるシリコーンオイル(C)を20〜60質量部とを含有する組成物からなる、請求項6に記載の吸収性物品。
JP2014135448A 2014-06-30 2014-06-30 吸収性物品 Expired - Fee Related JP5677611B1 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014135448A JP5677611B1 (ja) 2014-06-30 2014-06-30 吸収性物品
MYPI2016704586A MY165760A (en) 2014-06-30 2014-07-14 Absorbent article
PCT/JP2014/068690 WO2016002092A1 (ja) 2014-06-30 2014-07-14 吸収性物品
AU2014216003A AU2014216003B2 (en) 2014-06-30 2014-07-14 Absorbent article
SG11201405068XA SG11201405068XA (en) 2014-06-30 2014-07-14 Absorbent article
CN201480002903.1A CN105407850B (zh) 2014-06-30 2014-07-14 吸收性物品
KR1020167035771A KR101833161B1 (ko) 2014-06-30 2014-07-14 흡수성 물품
TW104119994A TWI651079B (zh) 2014-06-30 2015-06-22 吸收性物品
PH12016502350A PH12016502350A1 (en) 2014-06-30 2016-11-25 Absorbent article

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014135448A JP5677611B1 (ja) 2014-06-30 2014-06-30 吸収性物品

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014261197A Division JP6157447B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 吸収性物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5677611B1 JP5677611B1 (ja) 2015-02-25
JP2016013207A true JP2016013207A (ja) 2016-01-28

Family

ID=52672707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014135448A Expired - Fee Related JP5677611B1 (ja) 2014-06-30 2014-06-30 吸収性物品

Country Status (9)

Country Link
JP (1) JP5677611B1 (ja)
KR (1) KR101833161B1 (ja)
CN (1) CN105407850B (ja)
AU (1) AU2014216003B2 (ja)
MY (1) MY165760A (ja)
PH (1) PH12016502350A1 (ja)
SG (1) SG11201405068XA (ja)
TW (1) TWI651079B (ja)
WO (1) WO2016002092A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109152678A (zh) * 2016-03-09 2019-01-04 宝洁公司 具有可活化材料的吸收制品

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6418793B2 (ja) * 2014-06-06 2018-11-07 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
JP6157447B2 (ja) * 2014-12-24 2017-07-05 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
JP6029715B1 (ja) * 2015-06-30 2016-11-24 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品用の表面シート、及びそれを用いた吸収性物品
JP6415420B2 (ja) * 2015-12-04 2018-10-31 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
ES2948464T3 (es) 2016-06-27 2023-09-12 Essity Hygiene & Health Ab Artículo absorbente con una composición de aceite y una capa de protección de aceite
JP6611890B2 (ja) * 2018-10-03 2019-11-27 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
WO2020213733A1 (ja) * 2019-04-19 2020-10-22 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
CN112107427B (zh) * 2019-06-20 2023-05-12 尤妮佳股份有限公司 吸收性物品

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5643588A (en) * 1994-11-28 1997-07-01 The Procter & Gamble Company Diaper having a lotioned topsheet
JPH07188000A (ja) * 1993-12-27 1995-07-25 Bridgestone Corp 薬用被覆材
KR100267877B1 (ko) 1994-11-28 2006-03-23 더 프록터 앤드 갬블 캄파니 로션처리된 상면 시이트를 갖는 기저귀
US6270487B1 (en) * 1998-05-01 2001-08-07 The Procter & Gamble Company Absorbent articles having a skin care composition disposed thereon that are at least partially assembled using an oil resistant adhesive
US6117119A (en) * 1998-08-28 2000-09-12 Silipos, Inc. Gelatinous body protection article having a therapeutic additive
US6716204B1 (en) * 1998-10-28 2004-04-06 The Procter & Gamble Company Absorbent article with improved feces containment characteristics
MXPA01011795A (es) * 1999-05-19 2002-04-24 Procter & Gamble Articulo absorbente con composicion para el cuidado de la piel.
KR100476909B1 (ko) * 1999-05-19 2005-03-18 더 프록터 앤드 갬블 캄파니 피부 보호 조성물을 갖는 흡수제품
CA2384434C (en) * 1999-09-17 2007-10-09 The Procter & Gamble Company Low stress relaxation elastomeric materials
US6531544B1 (en) * 2000-02-03 2003-03-11 H.B. Fuller Licensing & Financing, Inc. Block copolymer based hot melt adhesive for bonding lotion coated substrates
JP3987684B2 (ja) * 2000-11-21 2007-10-10 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
US7005557B2 (en) * 2001-07-03 2006-02-28 The Procter & Gamble Company Film-forming compositions for protecting skin from body fluids and articles made therefrom
US20030082219A1 (en) * 2001-10-01 2003-05-01 The Procter & Gamble Company Skin care compositions comprising low concentrations of skin treatment agents
US20060062816A1 (en) * 2001-10-01 2006-03-23 Gatto Joseph A Sanitary napkins with hydrophobic lotions
SE0300693D0 (sv) * 2003-03-14 2003-03-14 Sca Hygiene Prod Ab Bärare för tillsatsämne vid absorberande alster
US20050137544A1 (en) * 2003-12-18 2005-06-23 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Absorbent article with skin care composition
ES2371249T5 (es) 2004-12-17 2014-10-06 The Procter & Gamble Company Aplicación de loción de forma discontinua sobre la lámina superior de un artículo absorbente
US8211078B2 (en) * 2005-02-17 2012-07-03 The Procter And Gamble Company Sanitary napkins capable of taking complex three-dimensional shape in use
US10022468B2 (en) * 2009-02-02 2018-07-17 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Absorbent articles containing a multifunctional gel
JP2011131044A (ja) * 2009-11-24 2011-07-07 Kao Corp 吸収性物品
JP5909349B2 (ja) 2010-12-20 2016-04-26 花王株式会社 吸収性物品
FR2974005B1 (fr) 2011-04-15 2014-05-02 Urgo Lab Pansement adhesif mince tres absorbant, ses utilisations pour le traitement des plaies chroniques
JP6063236B2 (ja) * 2012-12-10 2017-01-18 花王株式会社 吸収性物品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109152678A (zh) * 2016-03-09 2019-01-04 宝洁公司 具有可活化材料的吸收制品
CN109152678B (zh) * 2016-03-09 2021-04-30 宝洁公司 具有可活化材料的吸收制品

Also Published As

Publication number Publication date
JP5677611B1 (ja) 2015-02-25
AU2014216003B2 (en) 2017-08-17
TW201613542A (en) 2016-04-16
KR101833161B1 (ko) 2018-02-27
PH12016502350B1 (en) 2017-02-13
TWI651079B (zh) 2019-02-21
KR20170027723A (ko) 2017-03-10
CN105407850B (zh) 2019-06-07
MY165760A (en) 2018-04-23
PH12016502350A1 (en) 2017-02-13
WO2016002092A1 (ja) 2016-01-07
SG11201405068XA (en) 2016-02-26
CN105407850A (zh) 2016-03-16
AU2014216003A1 (en) 2016-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5677611B1 (ja) 吸収性物品
AU2013238037B2 (en) Absorbent articles with decolorizing agents
KR100810830B1 (ko) 액체 흡수성 열가소성 조성물을 포함하는 에지 차단부를구비한 흡수용품
TWI718215B (zh) 失禁用吸收性物品
TWI659731B (zh) 吸收性物品及不織布
JP6418818B2 (ja) 吸収性物品用の表面シート
AU2016364173B9 (en) Absorbent article
JP6029715B1 (ja) 吸収性物品用の表面シート、及びそれを用いた吸収性物品
JP6157447B2 (ja) 吸収性物品
JP2019042005A (ja) 高吸収性シート及び該高吸収性シートを備える吸収性物品
JP6678718B2 (ja) 吸収性物品
JP6611890B2 (ja) 吸収性物品

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5677611

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees