JP2016011668A - 捩り振動低減装置を備えたトルクコンバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】リベットによる取付強度が十分に高く、また捩り振動低減装置の液密性の検査が容易なトルクコンバータを提供する。
【解決手段】タービンランナ8が第1リベット33によってタービンハブ7に取り付けられ、転動体14を液密構造のケーシング17の内部に収容した捩り振動低減装置2がタービンハブ7とは別体の独立したユニットとして構成されるとともに、その捩り振動低減装置2が従動側部材13と共に第2リベット30によってタービンハブ7に取り付けられている。
【選択図】図1

Description

この発明は、振り子運動する転動体の往復移動によって捩り振動を低減する装置を内蔵したトルクコンバータに関し、特に転動体をトルクコンバータ内のオイルから遮蔽するように構成された捩り振動低減装置を備えたトルクコンバータに関するものである。
回転板である支持部材の外周側の部分に形成された長孔状のガイド孔に転動体(質量体)が挿入され、回転板のトルクの変動によってその転動体がガイド孔に沿って往復動するように構成された吸振装置を備えているトルクコンバータが特許文献1に記載されている。そのトルクコンバータは、ロックアップクラッチおよびロックアップダンパを備えている。これらのロックアップクラッチとロックアップダンパとは軸線方向に並んで配置され、これらロックアップクラッチとロックアップダンパとの間に上記の吸振装置が配置されている。特許文献1には、そのロックアップダンパにおける従動側の部材とタービンランナとがリベットによってタービンハブに連結され、また吸振装置における前記支持部材とロックアップダンパにおける中間部材とが他のリベットによって連結された構成が記載されている。また、ロックアップダンパにおける従動側の部材とタービンランナと前記支持部材との三者が1本のリベットによってタービンハブに連結された構成が、特許文献1に記載されている。
また、特許文献2には、ロックアップクラッチとロックアップダンパとを互いに隣接させて配置するとともに、そのロックアップダンパとタービンランナとの間に、前述した吸振装置と同様の構成の装置を配置した流体伝動装置が記載されている。この特許文献2に記載された構成では、ロックアップダンパにおける中間部材と吸振装置における支持部材とがリベットによって互いに連結されるだけでなく、それら中間部材と支持部材とがそのリベットによってタービンハブに連結されている。なお、そのリベットに対して、タービンランナをタービンハブに連結している他のリベットが、タービンハブの半径方向で外側に配置されている。さらに、特許文献3には、トルクコンバータの内部に配置されている振動低減装置のうち、転動体およびその転動体が振り子運動する領域がケーシングによって液密状態に密封された構造が記載されている。この特許文献3に記載された装置では、振動低減装置が連結されているハブに、ロックアップダンパにおける従動側の部材およびタービンランナが1本のリベットによって連結されている。
特開2012−077826号公報 特開2012−077827号公報 国際公開第2013/161058号公報
特許文献1や特許文献2に記載されたロックアップダンパは、駆動側部材と従動側部材とに加えて、駆動側部材に対してバネを介して連結された中間部材を備えており、吸振装置における支持部材はその中間部材に連結されている。したがって、タービンランナおよび前記従動側部材をタービンハブに連結している箇所およびリベットと、支持部材と前記中間部材とを連結している箇所およびリベットとが互いに異なっている。しかしながら、ロックアップダンパとして中間部材を備えていない一般的な構成のバネダンパを採用するとすれば、その従動側部材と前記支持部材とタービンランナとの三者を、共に、タービンハブに連結することになる。その場合、1本のリベットでそれら三者をタービンハブに締結するとすれば、リベットの長さが長くなってしまい、リベットをかしめた場合にリベットが座屈するなどの意図しない変形が生じて締結強度が不十分になる可能性がある。
また、特許文献3に記載された構成では、転動体の振り子運動がトルクコンバータ内のオイルによって阻害されないので、振動低減特性が優れる。しかしながら、ハウジングを液密構造とする必要があり、そのためにハウジングと支持部材(回転体)とを、タービンハブに取り付けるためのリベットを利用して締結するとすれば、リベットが更に長くなってしまう可能性がある。また、タービンハブに取り付けた状態で液密構造が成立することになるので、液密性の検査をタービンハブやこれに取り付けられている前記従動側部材およびタービンランナと一体化された状態で行わざるを得ず、検査のためのハンドリングに支障を来す可能性がある。さらに、液密性の検査の結果、液密性が十分ではないとされた場合、使用することのできるタービンランナや前記従動側部材あるいはロックアップダンパなどを併せて廃棄せざるを得なくなる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、タービンハブに取り付けられる捩り振動低減装置の液密性の検査が容易であり、しかもその捩り振動低減装置を含む複数の部材をタービンハブに取り付ける取付性が良好なトルクコンバータを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、タービンランナが連結されているタービンハブに、ロックアップクラッチを介して伝達されるトルクの変動を緩和するロックアップダンパにおける従動側部材と、前記タービンハブのトルクの変動によって振り子運動を行う転動体を液密構造のケーシングの内部に収容した捩り振動低減装置とが連結された、捩り振動低減装置を備えたトルクコンバータにおいて、前記タービンランナが第1リベットによって前記タービンハブに取り付けられ、前記転動体を液密構造のケーシングの内部に収容した捩り振動低減装置が前記タービンハブとは別体の独立したユニットとして構成されるとともに、前記捩り振動低減装置が前記従動側部材と共に第2リベットによって前記タービンハブに取り付けられていることを特徴とするものである。
この発明における前記第2リベットは、前記第1リベットよりも、前記タービンハブの半径方向で内側の箇所に配置されていてよい。
また、この発明では、前記捩り振動低減装置は、前記転動体を振り子運動可能に保持している回転体を有し、前記ケーシングは、前記回転体のうち少なくとも、前記転動体が振り子運動する領域を液密状態に覆いかつ前記第2リベットよりも前記タービンハブの半径方向で外側に位置する第3リベットによって前記回転体に固定されていてよい。
また一方、この発明では、前記第2リベットは、前記タービンハブを貫通する軸部と、前記軸部の端部で該軸部より大径の頭部とを有し、前記頭部を埋没させる凹部が前記タービンハブの軸線方向における一方の側面がわに形成され、前記凹部の開口端側にスラスト軸受が配置されている構成としてもよい。
その場合、前記凹部の開口端を閉じる閉じ板部材が配置され、前記スラスト軸受は、前記閉じ板部材がスラスト荷重を受けるように前記閉じ板部材の表面に沿わせて配置されていてよい。
この発明においては、第1リベットが締結する部材は、タービンランナとタービンハブとの二部材である。また、第2リベットが締結する部材は、捩り振動低減装置とロックアップダンパにおける従動側の部材とタービンハブとの三部材である。したがって各リベットによって締結する部材の数、言い換えれば、リベットの軸線方向に並べる部材の数が特には多くないから、各リベットの長さを特には長くする必要がなく、各リベットによる締結強度もしくは各部材の取付強度を十分に高くすることができる。また、捩り振動低減装置は、これが取り付けられるタービンハブとは別体で独立した密閉構造とされているので、その密閉性の検査を捩り振動低減装置の単独で行うことができる。そのため、密閉性の検査が容易になる。また、その密閉性が不十分であることにより、捩り振動低減装置を廃棄し、もしくは修理する場合、捩り振動低減装置を単独で廃棄もしくは修理することができ、部品や材料の無駄を抑制でき、また廃棄や修理のためのハンドリングが容易になる。
前記第1リベットはタービンランナとタービンハブとの間でトルクを伝達するように機能し、また第2リベットはロックアップクラッチとタービンハブとの間でトルクを伝達するように機能する。これらの伝達されるべきトルクのうち、タービンランナとタービンハブとの間で伝達される前者のトルクに対して、ロックアップクラッチとタービンハブとの間で伝達される後者のトルクが小さい。したがって、前記第2リベットが第1リベットより半径方向で内側に配置されているとしても、この第2リベットに掛かるトルクが相対的に小さいことにより、その耐久性の低下を回避もしくは抑制することができる。
さらに、捩り振動低減装置における回転体にケーシングを第3リベットによって固定して液密状態とする場合、その第3リベットは上記の第1および第2のリベットとは別のリベットであるから、各リベットが長くなることを回避でき、また捩り振動低減装置を単独で液密状態とすることができる。
また、この発明では、第2リベットとスラスト軸受とを軸線方向に並べて配置することができ、その場合、第2リベットの頭部を、タービンハブに形成されている凹部に埋没させて配置するから、スラスト軸受と第2リベットとが干渉することを回避することができる。
そして、その凹部を閉じ板部材で閉じ、その閉じ板部材にスラスト軸受を沿わせることによりスラスト荷重を閉じ板部材で受けることができる。そのため、スラスト軸受に異常な変形を生じさせる荷重を低減もしくは抑制してスラスト軸受の耐久性あるいはトルクコンバータ全体としての耐久性の低下を抑制することができる。
この発明に係るトルクコンバータにおけるタービンハブの周囲の構成を示す部分的な断面図である。 そのタービンハブに対する各部材の取付構造を説明するための部分断面図である。 この発明に係るトルクコンバータの一例を示す模式図である。
この発明に係るトルクコンバータ1は、図3に示すように、捩り振動低減装置2およびロックアップクラッチ3を内蔵したトルクコンバータである。その原理的な構成は、従来知られているものと特には異なっておらず、これを簡単に説明する。図示しないエンジンに連結されるフロントカバー4とポンプシェル5とが一体化されて、トルクコンバータ1の全体としてのハウジングが形成されている。そのハウジングの中心軸線に沿って入力軸(図示しない変速機構の入力軸)6が配置されている。その入力軸6の端部外周部にタービンハブ7が一体となって回転するように設けられている。このタービンハブ7にタービンランナ8およびロックアップクラッチ3ならびに捩り振動低減装置2が連結されている。
タービンランナ8は従来知られているものと同様の構成であって、ポンプインペラ9と対向して配置され、ポンプインペラ9によって生起されたオイル流を受けて回転するように構成されている。また、ロックアップクラッチ3はフロントカバー4の内面に対向して配置され、油圧によってフロントカバー4に押し付けられて、トルクを伝達する係合状態になり、またその油圧が低下してフロントカバー4から離隔することによりトルクを伝達しない解放状態になるように構成されている。このロックアップクラッチ3は、コイルバネの弾性力によって緩衝を行うロックアップダンパ10を介してタービンハブ7に連結されている。ロックアップダンパ10は、ロックアップクラッチ3に連結されている駆動側部材11と、この駆動側部材11にコイルバネ12を介して連結された従動側部材13とを備えており、その従動側部材13がタービンハブ7に連結されている。なお、これらの駆動側部材11および従動側部材13は、環状の板状部材である。
捩り振動低減装置2は、上記のタービンランナ8とロックアップクラッチ3もしくはロックアップダンパ10との間に配置されている。その構造の一例を図1に具体的に示してある。ここに示す例は、振子式のものであって、振り子運動する転動体14が回転体15に保持されている。その回転体15は、図示の例では、環状の板状の部材であって、その回転中心から半径方向に大きく外れた箇所に、円周方向に長いガイド孔16が回転体15を板厚方向に貫通して形成されている。転動体14は、円盤状もしくは円柱状の部材であって、ガイド孔16の内部に転動可能に挿入されている。また、ガイド孔16からその軸線方向に抜け出ないように、断面形状が「H」形に形成されている。すなわち、左右両端のフランジ部が回転体15の側面に引っ掛かるようになっている。なお、これらガイド孔16の形状や数、ならびに転動体14の構成などは、前掲の特許文献1ないし3に記載されているものと同様であってよい。
転動体14の振り子運動がトルクコンバータ1内のオイルによって阻害されないようにするために、転動体14およびその振り子運動を行う領域が液密状態に密閉されている。すなわち、回転体15の半径方向で中間部から外周端に到る部分がケーシング17によって液密状態に覆われている。このケーシング17は、それぞれハット形断面をなす第1ケース部材18と第2ケース部材19とによって構成されている。各ケース部材18,19は図1の左右に膨らんでいる中央部分で、転動体14およびその振り子運動領域を、転動体14に接触しないように覆っている。各ケース部材18,19の外周側の部分は互いに接近して回転体15の外周部分を挟み付け、回転体15と一体化している。また、第1ケース部材18の外周側の端部は、回転体15の外周端面を覆って第2ケース部材19側に延びている。そして、各ケース部材18,19の外周端同士が溶接などの適宜の接合手段によって接合されて一体化されている。
また、各ケース部材18,19の内周側の部分は、回転体15の側面に沿わされて密着され、その状態でこれらケース部材18,19および回転体15を貫通するリベット20によって締結されている。なお、このリベット20がこの発明における第3リベットに相当する。そして、各ケース部材18,19の内周側の部分と回転体15の各側面との間のそれぞれにシール部材21が挟み込まれている。このシール部材21によってケーシング17の内部が外部のオイルに対して液密状態に維持されている。したがって、捩り振動低減装置2はタービンハブ7とは別体であって独立して液密状態を成立させた構成となっている。言い換えれば、捩り振動低減装置2はタービンハブ7などの他の部材に連結されていない単独の状態でその液密性の検査を行うことができるように構成されている。
なお、図3において、ポンプインペラ9とタービンランナ8との間で、これらの内周側の部分にステータ22が配置されている。このステータ22は、前記入力軸6の外周側に嵌合している固定軸23に一方向クラッチ24を介して連結されている。
前述したタービンハブ7に対するタービンランナ8および捩り振動低減装置2ならびに前記従動側部材13の取り付け構造について説明する。タービンハブ7は、前述した入力軸6にスプライン嵌合させられた円筒状の部材であって、その先端部(図1での右側の端部)の外周部にロックアップクラッチ3が軸線方向に対しては僅かに前後動可能であり、かつ回転方向には一体化するようにスプライン嵌合されている。また、タービンハブ7の後端側(図1での左端部側)の外周部に厚さが二段に変化しているフランジ部25が一体に形成されている。そのフランジ部25における内径側の部分が厚肉に形成され、その厚肉部26に前述した捩り振動低減装置2とロックアップダンパ10における従動側部材13とが連結されている。その厚肉部26から半径方向で外側に突出している部分が薄肉に形成され、その薄肉部27に前記タービンランナ8が連結されている。
図2は、そのフランジ部25を拡大して示しており、上記の厚肉部26には軸線方向に穿孔した貫通孔28が形成されている。その貫通孔28の一方の端部(タービンハブ7における後端側の端部、図2での左側の端部)は大径に拡大されていて、ここに凹部29が形成されている。厚肉部26におけるロックアップクラッチ3側の側面には、前記捩り振動低減装置2における回転体15の内周側の部分が沿わされている。また、その回転体15の内周側の部分の側面(ロックアップクラッチ3側の側面)にロックアップダンパ10における従動側部材13の内周側の部分が沿わされている。すなわち、厚肉部26に前記回転体15および従動側部材13が軸線方向に並べて積層されている。前記貫通孔28に挿入されたリベット30がこれら回転体15および従動部材13を貫通し、かつそのリベット30の軸部30sに軸線方向に圧縮荷重を掛けてかしめることにより、厚肉部26(すなわちタービンハブ7)に前記回転体15および従動側部材13が締結されている。なお、リベット30は前記凹部29側から前記貫通孔28に挿入され、その結果、頭部30hが凹部29の内部に埋没していてよい。あるいはこれとは反対に前記従動側部材13側から従動側部材13および回転体15を貫通させて貫通孔28にリベット30を挿入し、その軸部30sの先端部を押し潰して軸部30sの外径より大径に形成される頭部30hが凹部29の内部に埋没していてもよい。このリベット30がこの発明における第2リベットに相当している。
上記の厚肉部26における前記凹部29が形成されている側面がわに、スラスト軸受31が配置されている。このスラスト軸受31は、前述した一方向クラッチ24あるいはステータ22からのスラスト荷重を受けて一方向クラッチ24あるいはステータ22の軸線方向での位置を決めるためのものであって、凹部29の開口部を閉じた状態に配置されている。このスラスト軸受31は凹部29の開口端に直接接触させて配置してもよいが、図示の例では、凹部29の開口端に環状の閉じ板32が配置されて凹部29が閉じられ、その閉じ板32の表面に沿わせてスラスト軸受31が配置されている。すなわち、閉じ板32の表面がいわゆるあたり面となっていて、閉じ板32でスラスト荷重を受けるようになっている。したがってスラスト軸受31を変形させるいわゆる異常な荷重がほとんど生じないので、スラスト軸受31の耐久性が損なわれることを抑制することができる。
一方、前記フランジ部25における外周側の薄肉部27にタービンランナ8の内周側の部分がリベット33によって固定されている。したがって、前述したリベット30は、このリベット33よりもタービンハブ7の半径方向で内側に配置されている。この薄肉部27はタービンハブ7の軸線方向において後端側(タービンランナ8側)に偏った位置に形成されている。したがって、ここに取り付けられているリベット33と、前記回転体15に各ケース部材18,19を固定しているリベット20とが軸線方向に並んで配置されていても、これらのリベット33,20が互いに干渉しないようになっている。なお、リベット33がこの発明における第1リベットに相当している。
上記のタービンハブ7に対して捩り振動低減装置2やロックアップクラッチ3ならびにタービンランナ8を連結する手順の一例を説明する。捩り振動低減装置2は、上述したように、回転体15によって保持されている転動体14およびその振り子運動する領域を、回転体15に取り付けたケーシング17によって液密状態に覆った構成であるから、ロックアップダンパ10やタービンランナ8とは別に独立した装置として予め組み立てておく。すなわち、転動体14を保持している回転体15に各ケース部材18,19を組み付けるとともにシール部材21によって液密状態に封止し、さらにリベット20によって各ケース部材18,19と回転体15とを締結する。この状態では、捩り振動低減装置2はタービンハブ7などとは別体になっているから、捩り振動低減装置2を単独で取り扱うことができ、その液密性の検査を行うことができる。また、その検査の結果、液密性が不良であれば、捩り振動低減装置2を単独で廃棄でき、あるいはその補修を行うことができる。すなわち、液密性の検査やその廃棄あるいは補修などのハンドリングが容易である。
捩り振動低減装置2をタービンハブ7に取り付けるのに先立って、タービンランナ8の内周側の部分をタービンハブ7における薄肉部27に沿わせ、その状態でこれらタービンランナ8の内周側の部分と薄肉部27とにリベット33を貫通させ、これを軸線方向に加圧してかしめることにより、タービンランナ8をタービンハブ7に締結する。その後、前記厚肉部26に前記回転体15の内周側の部分を沿わせ、これに重ねてロックアップダンパ10における従動側部材13の内周側の部分を接触させ、その状態でリベット30を厚肉部26および回転体15ならびに従動側部材13に貫通させかつ軸線方向に加圧してかしめることにより、回転体15および従動側部材13をタービンハブ7に締結する。その状態では、リベット30の頭部30hは凹部29の内部に埋没している。そこで、凹部29の開口端に閉じ板32をはめ込んで凹部29を閉じる。そして、その閉じ板32の表面に密着するようにスラスト軸受31を配置する。
したがって、この発明における第2リベットに相当する前記リベット30は、締結するべき部材が厚肉部26と回転体15および従動側部材13との三者に限られるから、その長さが特には長くならず、必要十分な取付強度を維持することができる。このような事情は、他のリベット20,33についても同様である。特に、前述した凹部29を形成することによりリベット30の必要長さが短くなるので、取付強度をより向上させることができる。
また、タービンランナ8をタービンハブ7に取り付けているリベット33には、トルクコンバータ1に対する入力トルクを増大させたトルクが掛かるのに対して、前記従動側部材13をタービンハブ7に取り付けているリベット30には、最大で入力トルク程度のトルクしか掛からないので、このリベット30がタービンハブ7の内周側の部分に配置されているとしても、作用するトルクが小さいことによりその耐久性が損なわれることが抑制される。
なお、この発明における捩り振動低減装置2は、振り子運動を行う質量体は転動体に限らないのであって、リンクなどの機構によって質量体を振り子運動させるように構成された振動低減装置であってもよい。
1…トルクコンバータ、 2…捩り振動低減装置、 3…ロックアップクラッチ、 7…タービンハブ、 8…タービンランナ、 9…ポンプインペラ、 10…ロックアップダンパ、 11…駆動側部材、 13…従動側部材、 14…転動体、 15…回転体、 17…ケーシング、 18…第1ケース部材、 19…第2ケース部材、 20…リベット、 21…シール部材、 25…フランジ部、 26…厚肉部、 27…薄肉部、 28…貫通孔、 29…凹部、 30…リベット、 30h…頭部、 30s…軸部、 31…スラスト軸受、 32…閉じ板、 33…リベット。

Claims (5)

  1. タービンランナが連結されているタービンハブに、ロックアップクラッチを介して伝達されるトルクの変動を緩和するロックアップダンパにおける従動側部材と、前記タービンハブのトルクの変動によって振り子運動を行う転動体を液密構造のケーシングの内部に収容した捩り振動低減装置とが連結された、捩り振動低減装置を備えたトルクコンバータにおいて、
    前記タービンランナが第1リベットによって前記タービンハブに取り付けられ、
    前記転動体を液密構造のケーシングの内部に収容した捩り振動低減装置が前記タービンハブとは別体の独立したユニットとして構成されるとともに、
    前記捩り振動低減装置が前記従動側部材と共に第2リベットによって前記タービンハブに取り付けられている
    ことを特徴とする捩り振動低減装置を備えたトルクコンバータ。
  2. 前記第2リベットは、前記第1リベットよりも、前記タービンハブの半径方向で内側の箇所に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の捩り振動低減装置を備えたトルクコンバータ。
  3. 前記捩り振動低減装置は、前記転動体を振り子運動可能に保持している回転体を有し、
    前記ケーシングは、前記回転体のうち少なくとも、前記転動体が振り子運動する領域を液密状態に覆いかつ前記第2リベットよりも前記タービンハブの半径方向で外側に位置する第3リベットによって前記回転体に固定されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の捩り振動低減装置を備えたトルクコンバータ。
  4. 前記第2リベットは、前記タービンハブを貫通する軸部と、前記軸部の端部で該軸部より大径の頭部とを有し、
    前記頭部を埋没させる凹部が前記タービンハブの軸線方向における一方の側面がわに形成され、
    前記凹部の開口端側にスラスト軸受が配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の捩り振動低減装置を備えたトルクコンバータ。
  5. 前記凹部の開口端を閉じる閉じ板部材が配置され、
    前記スラスト軸受は、前記閉じ板部材がスラスト荷重を受けるように前記閉じ板部材の表面に沿わせて配置されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の捩り振動低減装置を備えたトルクコンバータ。
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