JP2016011439A - 冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板、冷間プレス成形角形鋼管、及び溶接継手 - Google Patents

冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板、冷間プレス成形角形鋼管、及び溶接継手 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄骨構造の柱に使用される冷間プレス成形角形鋼管(コラム)用厚鋼板として、角形鋼管の端部をダイアフラムと溶接接合するに際し、従来提案されているような最終層溶接を行うことなく、一般的な多層溶接を適用しながらも、溶接接合部靭性を向上させ、地震発生時の接合部の脆性破壊のおそれを少なくし、安全性、信頼性を高め得る角形鋼管用厚鋼板を提供する。
【解決手段】鋼成分(質量%)から計算される炭素当量Ceqが0.33%以上0.43%以下、溶接割れ感受性組成PCMが0.15%以上0.24%以下、溶接熱影響部靭性指標fHAZが0.30%以上0.47%以下の組成を有し、降伏強さが325〜505MPa、引張強さが490〜670MPa、降伏比が80%以下、一様伸びが13%以上であり、2mmVノッチシャルピー値が、−40℃で90J/cm2以上でしかも−10℃で180J/cm2以上であることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、鉄骨構造の柱等として使用される冷間プレス成形角形鋼管用の厚鋼板、及びそれを用いた冷間プレス成形角形鋼管と、溶接継手に関するものである。
鉄骨構造の柱としては、一般に角形鋼管が用いられており、特に冷間成形による厚肉の角形鋼管としては、冷間プレス加工(曲げ加工)によって断面ロ形又はコ形に成形し、サブマージアーク溶接により接合した冷間プレス成形角形鋼管が用いられている。なおこのような鉄骨構造の柱に用いられる冷間成形角形鋼管は、一般にコラムと称されている。
角形鋼管を柱として用いた鉄骨構造の柱―梁接合部の構造、例えば通しダイアフラム形式を適用した場合の接合構造の一例を図1に示す。
図1において、角形鋼管からなる上下一対の垂直な柱11の間に、同じく角形鋼管からなるサイコロ(タイコと称されることもある)13が配置され、かつ各柱11の端部とサイコロ13との間に、鋼板からなるダイアフラム12が水平に介挿されて、それぞれの間が溶接接合される。さらに例えばH形鋼からなる梁14の端部が、ダイアフラム12の周縁部に溶接接合される。
さらに、柱11(もしくはサイコロ13)としての角形鋼管20とダイアフラム12との溶接部構造(継手構造)の一例を図2に模式的に示す。なお図2では、図1とは異なり、柱11を水平方向に沿って配置した状態で示している。
図2において、柱11となる角形鋼管20の端部にレ形開先21が形成され、その開先21が、鋼板からなるダイアフラム12の板面に、MAG溶接によって積層溶接(多層溶接)され、溶接継手部22が形成されている。なお符号15は、裏当て金であり、また符号23は溶接継手部22の溶接金属(溶金)を示し、符号24は、角形鋼管20の側の溶接熱影響部(以下「HAZ部」という)を示し、更に符号25は、HAZ部24よりも角形鋼管20の母材側の部分(母材部)を示す。
このような鉄骨構造では、柱と梁との接合部分、とりわけ柱11としての角形鋼管20とダイアフラム12との間の溶接部付近(溶接継手部22)に応力集中が生じやすく、したがって溶接部付近の強度、破壊靭性が優れていることが強く望まれる。
ところで溶接接合部における、特に溶接線から母材側のある幅の領域(開先面から母材側へのある幅の領域)は、溶接時の熱影響を受けた部位、すなわちHAZ部となっており、このHAZ部は、溶接時の熱履歴によって組織の粗大化が生じていることが多い。そのためHAZ部の領域は、母材(柱としての角形鋼管における溶接接合部から離れた領域の部分)や溶接金属と比較して靭性が低下していることが多い。
ここで、地震時に想定されるコラム部材(柱としての角形鋼管)とダイアフラムとの接合部の破壊は、溶接金属とHAZ部との境界位置付近に延性亀裂が発生し、HAZ部から母材部にかけての領域に向けて進展することが引き金となる。これは、断面積が大きく塑性変形しにくい溶接金属側よりも、HAZ部から母材部にかけての断面積が小さい領域に塑性変形による損傷が集中するためである。
ただし、一般にHAZ部は熱影響により破壊靭性が低下しているため、脆性破壊が発生する恐れがある。溶接金属とHAZ部との境界位置付近に発生した初期の延性亀裂により、亀裂先端には応力集中に起因する脆性亀裂の発生駆動力が作用する。ここでHAZ部の破壊靭性が低ければ、HAZ部の脆性亀裂発生抵抗が不足し、延性亀裂が、その発生後、ただちに脆性亀裂に転化してHAZ部に沿って進展して最終破壊に至り、母材部が十分な塑性変形性能を発揮しないことが危惧される。
また、HAZ部の破壊靭性が高くても母材部の破壊靭性が低い場合には、母材部で脆性破壊が発生する恐れがある。HAZ部の破壊靭性が高い場合、溶接金属とHAZ部との境界位置付近で発生した延性亀裂はHAZ部から母材部側に進展して、亀裂先端が母材部に達する。ここで母材部の破壊靭性が低ければ、延性亀裂先端の応力集中に起因する脆性亀裂の発生駆動力に対して、母材部の脆性亀裂発生抵抗が不足し、延性亀裂がただちに脆性亀裂に転化して母材部の厚み方向に進展し、最終破壊に至り、母材部が十分な塑性変形性能を発揮しないことが危惧される。
ここで、上述のような従来のコラム部材(柱としての角形鋼管)とダイアフラムとの接合部における亀裂の発生から最終的な破壊に至るまでの過程について、図3に模式的に示す。
図3において地震時に柱梁接合部で大きな曲げモーメントが発生した際には、図3の(a)に示しているように、先ず溶接金属23と角形鋼管20のHAZ部24との境界位置(溶接止端部)26で亀裂27が発生するのが通常である。そしてこの亀裂27は、HAZ靭性が低い場合には、図3の(b)に示しているように、HAZ部24内で延性亀裂から脆性亀裂に転化し、HAZ部24内を厚み方向(角形鋼管20の裏面に向かう方向)に進展して、裏面に達すれば、最終破壊に至る。一方、HAZ靭性が高くても母材靭性が低い場合は、図3の(c)に示しているように、亀裂27は、HAZ部24から母材部25に伝播し、母材部25の脆性破壊として厚み方向に進展して裏面に達し、最終破壊に至る。
前述のような溶接部の亀裂発生、破壊の問題を軽減するための手法としては、従来から、例えば特許文献1や特許文献2においては、母材の開先の表側端部位置(一般的な溶接における溶接線の表側端部位置)よりも母材側の領域(一般的な溶接におけるHAZ部を超える領域)まで溶接金属が覆うように、最終層の積層方法を調整する技術が提案されている。これらの提案の技術によれば、応力集中により溶接金属と母材部との表側境界位置(最終層溶接止端部)で発生した亀裂は、母材側に進展するため、母材の靭性を高めておけば、母材側で延性破壊として亀裂が進展するため、亀裂の進展を遅らせて、最終的な溶接接合部の破壊を遅らせることが可能と考えられる。
特許第3937389号公報 特許第3711495号公報 特許第4611250号公報 特許第5385760号公報
「鋼構造論文集 第8巻第32号」P17〜P31(一般社団法人 日本鋼構造協会、2001年12月発行) 「角形鋼管設計研究会研究報告書」P144〜P145(建設省建設研究所、社団法人 鋼材倶楽部、1993年11月発行)
特許文献1、2に示されるように、最終層の積層方法を調整する技術では、母材開先とダイアフラムの板面との間の多層溶接において開先肩部に化粧盛溶接する工程における管理条件が厳格に規定され、適切な幅、適切な高さで化粧盛溶接するためには、溶接装置に厳密な条件制御を行わせることが必要であることに加え、最終層の寸法測定を行うための施工前の開先肩部付近の罫書作業や施工後の最終層の寸法測定および寸法測定記録が必要であるなど、施工負荷が大きく、作業時間も長くかかり、作業性が低くならざるを得ない、という問題がある。
一方、特許文献3には、溶接熱影響部靭性指標fHAZ、炭素当量Ceq、溶接割れ感受性組成PCM、鋼管表層部下2mmまでの清浄度を規制して、溶接性や冷間加工部の塑性変形性に優れた冷間加工成形鋼管とすることが提案されているが、これらの規制だけでは、溶接熱影響部のミクロ組織状態などによっては、溶接止端部から発生する亀裂の進展を充分に抑制しきれない場合がある、という問題がある。
さらに、特許文献4では、鋼材のミクロ組織におけるベイナイト分率を40%以上にし、円相当直径が100μm以上の介在物個数を規制することが提案されているが、これらの規制だけでは、溶接止端部から発生する亀裂の進展を充分に抑制しきれない場合がある、という問題がある。
以上のように、従来から提案されている方法では、鉄骨構造の柱などに使用される冷間プレス成形角形鋼管(コラム)用の厚鋼板として、大きな施工負荷を伴うことなく、地震などの大きな衝撃が加わった際の溶接部付近の破壊を確実かつ安定して防止するには、未だ不十分と言わざるを得なかった。
本発明は以上の事情を背景としてなされたもので、鉄骨構造の柱などに使用される冷間プレス成形角形鋼管(コラム)用の厚鋼板として、角形鋼管の端部を相手材(通常は通しダイアフラム)と溶接接合するに際し、前記提案のような最終層溶接を行うことなく、従来の一般的な多層溶接を適用しながらも、溶接接合部の靭性を保持しつつ、鉄骨構造における地震時に大きな曲げモーメントが発生した際に応力集中に伴う溶接接合部からの脆性破壊のおそれを少なくして、鉄骨構造体の安全性、信頼性を高め得る角形鋼管用厚鋼板を提供することを課題としている。
上述の課題を解決するために本発明者等が種々実験・検討を重ねた結果、冷間プレス成形角形鋼管用の厚鋼板、望ましくは後述するような加工熱処理法を適用して製造された厚鋼板として、その鋼成分から計算される炭素当量Ceq、溶接割れ感受性組成PCM、及び溶接熱影響部靭性指標fHAZが、それぞれ適切な範囲内となるように角形鋼管用の鋼成分を選定すると同時に、降伏強さ、引張強さ、降伏比、および一様伸びと、更に2mmVノッチシャルピー値、特に−40℃でのシャルピー値および−10℃でのシャルピー値を適切に設定することによって、前述の課題を解決し得ることを見い出し、本発明をなすに至った。
特に、母材靭性を高めると同時に、上述の条件のうちでも溶接熱影響部靭性指標fHAZが低い値となるように鋼成分を調整することが重要であり、同時に、一様伸びを大きく設定し、更にシャルピー値を、−40℃での値と−10℃での値という2段階の値によって規制することが重要であることを見い出した。
具体的には、母材靭性を高めると同時に、溶接熱影響部靭性指標fHAZが0.30%以上、0.47%以下となるように鋼成分を調整することによって、溶接接合部付近での亀裂発生時に、HAZ部の領域内での脆性破壊による亀裂の進展が抑えられて、亀裂が母材側に延性破壊として進展するようにし得ることを見い出した。
また、加工熱処理法を適用して製造された鋼板を、冷間において角形にプレス成形するに際して、鋼板の一様伸びを13%以上としておくことによって、良好なプレス成形性を確保して、例えば板厚t(mm)が9〜60mmの範囲内で角部の外曲げ半径(mm)が2.0t〜4.0tの範囲内にあるような角形鋼管を、割れ発生などを招くことなく製造することが可能となることを知見した。さらにその鋼板を冷間プレス成形及びシーム溶接して得られた角形鋼管の段階で、その角形鋼管の靭性が充分に高く、かつ一様伸びが充分に大きければ、亀裂発生時においてHAZ部から高靭性の母材側に伝播して、母材部内を延性破壊として進展する。そしてその際、母材部にはネッキングが生じるが、一様伸びを充分に大きく設定しておくことによって、早期のネッキング発生に起因する早期の局部的厚み減少を抑え、これにより、上記のような母材側に進展した延性破壊による亀裂が裏面に達して最終破壊に至ることを、確実に遅れさせ得ることを見い出した。
このような亀裂発生状況と亀裂の進展から最終破壊に至るまでの過程を模式的に図4に示す。
地震時に柱梁接合部で大きな曲げモーメントが発生した際には、図4の(a)に示すように、先ず溶接金属23と角形鋼管20のHAZ部24との境界位置(溶接止端部)26の位置で亀裂27が発生する。そしてこの亀裂27は、HAZ靭性が高い場合、図4の(b)に示すようにHAZ部24から延性破壊として母材部25に伝播し、さらに母材靭性が高い場合、その延性亀裂は、母材部内を裏面に向って厚み方向に進展する。このとき、母材部にはネッキングが生じ、図4の(c)に示すように、上記の母材部25内の延性亀裂27がネッキング部分(薄くなった部分)28に達することによって最終破壊に至るが、前述のように一様伸びを大きく設定しておくことによって、早期のネッキングの発生が防止され、その結果、早期に最終破壊に至ることが防止されるのである。ここで、地震による大きな水平力が発生する際には、水平力の方向によっては、冷間プレス成形時に塑性加工を受けた角部に大きな曲げモーメントが発生する場合があるが、角部の鋼管長さ方向の一様伸びが4%以上であれば、早期に最終破壊に至ることを確実かつ安定して抑制し得ることを見い出した。
さらに、母材靭性の指標として衝撃吸収エネルギーを表す2mmVノッチシャルピー値を、従来の一般的な0℃での値ではなく、−40℃での値と−10℃での値という2段階の値で設定することによって、母材部の破壊靭性を充分に確保して、母材部での脆性破壊を確実に防止し得ることを見い出した。
したがって本発明の各態様は、次の通りである。
本発明の基本的な態様(第1の態様)の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板は、
鋼成分(質量%)から計算される炭素当量Ceqが0.33%以上0.43%以下、溶接割れ感受性組成PCMが0.15%以上0.24%以下、溶接熱影響部靭性指標fHAZが0.30%以上0.47%以下の組成を有する鋼からなり、
鋼板元厚での引張試験における降伏強さが325〜505MPa、引張強さが490〜670MPa、降伏比が80%以下、鋼板元厚ままでの鋼板表裏面から採取した2mmVノッチシャルピー値が、−40℃で90J/cm以上でしかも−10℃で180J/cm以上である、
ことを特徴とする冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板。
但し炭素当量Ceq、溶接割れ感受性組成PCM、溶接熱影響部靭性指標fHAZは、それぞれ次の通り定義される値である。
Ceq(%)=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
CM(%)=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
HAZ(%)=C+Mn/8+6×(P+S)12×N−4×Ti
(但しNはトータル窒素、またTiは、Ti≦0.005%のとき、Ti=0とする。)
また本発明の第2の態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板は、前記第1の態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板において、
板厚方向断面の1/4板厚位置で光学顕微鏡により観察した金属組織が、フェライト及び残部第2相からなり、かつフェライトの分率が30%以上で、かつ第2相がベイナイト及び/又はパーライトからなり、しかもフェライトの円相当平均直径が12μm以下であることを特徴とするものである。
さらに本発明の第3の態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板は、前記第1の態様、第2のいずれかの態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板において、
前記鋼が、質量%で、C:0.06〜0.16%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.90〜2.00%、P:0.015%以下、S:0.006%以下、Al:0.005〜0.060%、Ti:0.005〜0.025%、N:0.001〜0.006%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とするものである。
また本発明の第4の態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板は、前記第3の態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板において、
前記鋼が、質量%で、さらにCa:0.0005〜0.005%を含有し、かつCa/Sの質量比が0.15以上であることを特徴とするものである。
さらに本発明の第5の態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板は、前記第3、第4のいずれかの態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板において、
前記鋼が、質量%で、さらにNb:0.005〜0.030%を含有することを特徴とするものである。
また本発明の第6の態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板は、前記第3〜第5のいずれかの態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板において、
前記鋼が、Cu、Ni、Cr、Moのうちのいずれか1種以上を、質量%で、それぞれ0.04%以下、合計0.10%以下含有することを特徴とするものである。
さらに本発明の第7の態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板は、前記第1〜第6のいずれかの態様において、
板厚が9〜60mmの範囲内であることを特徴とするものである。
さらに本発明の第8の態様では、上述のような冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板を原板として、製造された冷間プレス成形角形鋼管を規定している。
すなわち本発明の第8の態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板は、前記第1〜第7のいずれかの態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板を元板とした冷間プレス成形角形鋼管であって、
元板の板厚t(mm)が9〜60mmの範囲内にあり、
かつ角部の外曲げ半径(mm)が2.0t〜4.0tの範囲内であり、
さらに角部の曲げ外側表面の直下から角形鋼管の長さ方向に沿って採取した2mmVノッチシャルピー試験片によるシャルピー値が、−10℃で90J/cm以上であることを特徴とするものである。
また本発明の第9の態様の冷間プレス成形角形鋼管は、前記第8の態様の冷間プレス成形角形鋼管において、
角部における角形鋼管長さ方向の一様伸びが4%以上であることを特徴とするものである。
また本発明の第10の態様では、前述の冷間プレス成形角形鋼管を鉄骨構造の柱として、その角形鋼管の端部をダイアフラムの板面に溶接してなる溶接継手を規定している。
すなわち本発明の第10の態様の溶接継手は、前記第8、第9のいずれかの態様の冷間プレス成形角形鋼管の端部を、鋼板からなるダイアフラムの板面に溶接してなる溶接継手であって、
前記角形鋼管の端部にレ形開先が形成されて、平均入熱7〜40kJ/cmによって角形鋼管のレ形開先とダイアフラムの板面との間が多層溶接によって溶接されており、
前記角形鋼管における角部の外面側溶接熱影響部の2mmVノッチシャルピー値が、0℃で90J/cm以上であることを特徴とするものである。
本発明によれば、鉄骨構造の柱などに使用される冷間プレス成形角形鋼管(コラム)用の厚鋼板として、角形鋼管の端部を相手材(例えば通しダイアフラムなど)と溶接接合するに際し、従来提案されているような最終層溶接を適用することなく、すなわち従来の一般的な多層溶接だけで、溶接接合部の強度、破壊靭性を向上させて、鉄骨構造物に地震時に柱梁接合部で大きな曲げモーメントが加わった際の溶接接合部の破壊のおそれを少なくして、鉄骨構造体の安全性、信頼性を高めることができる。そして、従来提案されているような最終層溶接を必要としないため、当該溶接を行う場合と比較して、工程管理が容易となって工程管理不備による品質劣化リスクを負うことがなくなるとともに、作業時間を短縮して、作業能率を向上させることができる。
鉄骨構造体における柱―梁接合部の構造、例えば通しダイアフラム形式を適用した場合の接合構造の一例を概略的に示す斜視図である。 鉄骨構造体における柱―梁接合部について、柱としての角形鋼管とダイアフラムとの溶接部構造(継手構造)の一例を示す模式図である。 従来の一般的な角形鋼管とダイアフラムとの溶接部における亀裂発生から最終破壊に至るまでの過程を段階的に示す模式的な説明図である。 本発明を適用した場合の角形鋼管とダイアフラムとの溶接部における亀裂発生から最終破壊に至るまでの過程を段階的に示す模式的な説明図である。 鋼板の溶接熱影響部靭性指標fHAZの値とワンビード溶接における0℃での2mmVノッチシャルピー値との関係を示すグラフである。 角形鋼管の角部の一様伸びと累積塑性変形倍率との関係を示すグラフである。 角形鋼管の角部についてのシャルピー衝撃試験片の採取位置を示す模式図である。
以下に、本発明について、詳細に説明する。
<鋼板の基本的な態様>
本発明の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板は、基本的には、その板の製造に、加工熱処理法、すなわち、いわゆるTMCP(Thermo Mechanical Control Process)を適用して得られた厚鋼板であることが望ましい。ここで、加工熱処理法(TMCP)は、連続鋳造スラブを熱間圧延温度に加熱するための加熱工程、粗圧延及び仕上げ圧延からなる多パスの熱間圧延工程、ホットレベラーによる平坦化工程、さらに必要に応じて適用される水冷などによる冷却工程に至る一連の工程において、各工程での条件、とりわけ熱間圧延工程で各パス温度及び圧下率を適切に制御する制御圧延を行うとともに、冷却工程での冷却開始温度、冷却速度、冷却停止温度などを適切に制御する制御圧延を行ない、これによって鋼板の金属組織及び結晶粒の粒径を適切に制御する技術である。そして本発明の場合、後に改めて説明するように、加工熱処理法(TMCP)の諸条件を適切に制御することにより、望ましくは、板厚方向断面の1/4板厚位置で光学顕微鏡により観察した金属組織が、フェライト及び残部第2相からなり、かつフェライトの分率が30%以上で、かつ第2相がベイナイト及び/又はパーライトからなり、しかもフェライトの円相当平均直径を12μm以下とした鋼板を得ることが可能となる。
そして本発明の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板は、上記のように、望ましくは加工熱処理法(TMCP)を適用して得られた鋼板として、基本的には、鋼成分(質量%)から計算される炭素当量Ceqと、溶接割れ感受性組成PCMと、溶接熱影響部靭性指標fHAZとを適切に規定するとともに、特性値として、鋼板元厚での引張試験における降伏強さと、引張強さと、鋼板元厚ままでの一様伸びと、更に2mmVノッチシャルピー値として、−40℃でのシャルピー値および−10℃でのシャルピー値を規定している。
具体的には、炭素当量Ceqが0.33%以上0.43%以下、溶接割れ感受性組成PCMが0.15%以上0.24%以下、溶接熱影響部靭性指標fHAZが0.30%以上0.47%以下の各条件を満たすように鋼の成分組成を調整することとしている。そしてこれらの成分組成条件を満たすと同時に、鋼板元厚での引張試験における降伏強さが325〜505MPaの範囲内、引張強さが490〜670MPaの範囲内、降伏比が80%以下であって、さらに鋼板元厚ままでの一様伸びが13%以上であり、しかも2mmVノッチシャルピー値が、−40℃で90J/cm以上でかつ−10℃で180J/cm以上であることを規定している。なお一様伸びに関しては、後に改めて説明するように、鋼板を冷間プレス加工によって角形鋼管に成形した後の角部について、鋼管長さ方向における一様伸びが4%以上であることも重要である。
上述のような本発明の基本的な態様の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板では、鋼成分を規制する前記各条件のうちでも、とりわけ溶接熱影響部靭性指標fHAZが0.47%以下の低い値となるように鋼成分を調整することによって、HAZ部の破壊靭性を充分に高く確保してHAZ部における脆性亀裂の発生を抑止し、母材部まで延性的に亀裂を進展させることができる。さらに、2mmVノッチシャルピー値を、−40℃での値と−10℃での値との2段階の値で設定することによって、母材部の破壊靭性を充分に高く確保して母材部における脆性亀裂の発生を抑止し、最終破壊まで母材部を延性的に亀裂進展させることができる。
また、鋼板の段階での一様伸びを13%以上とすることによって、角形鋼管への冷間プレス成形での角部加工性を充分に確保できる。さらに角形鋼管に成形した状態での角部の一様伸びを4%以上とすることによって、母材のネッキング部分における最終破壊を遅れさせることができる。そしてこれらの結果として、前記提案のような化粧盛溶接を不要としながらも、溶接接合部の安全性、信頼性を充分に高めることが可能となった。
そこで、先ず本発明において規定している炭素当量Ceq、溶接割れ感受性組成PCM、および溶接熱影響部靭性指標fHAZについて説明する。
[炭素当量Ceq:0.33%〜0.43%]
炭素当量Ceqは、次の(1)式で定義される値である。
Ceq(%)=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
・・・(1)
ここで、炭素当量Ceqは、その値が大きいほど高強度化を図ることができるが、0.33%未満の低炭素当量では、鋼板の製造に加工熱処理法(TMCP)を適用しても、最大厚60mmで鉄骨構造用の柱(コラム)に使用される角形鋼管の原板として求められる降伏強さYS、引張強さTSを安定的に確保することが困難となる。一方、0.43%を超える高炭素当量では、母材やHAZ部の硬化、マルテンサイト生成の危険性が高まり、そのため母材靭性およびHAZ靭性を高水準で安定して確保することが困難になる。そこで、炭素当量Ceqは、0.33〜0.43%の範囲内に限定した。
[溶接割れ感受性組成PCM:0.15%以上0.24%以下]
溶接割れ感受性組成PCMは、次の(2)式で定義される値である。
CM(%)=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B ・・・(2)
溶接割れ感受性組成PCMが0.15%未満の低PCM成分の鋼板では、炭素当量Ceqが0.33%未満の場合と同様に、鋼板の製造に加工熱処理法(TMCP)を適用しても、最大厚60mmで鉄骨構造用の柱(コラム)に使用される角形鋼管の原板として求められる降伏強さYS、引張強さTSを安定的に確保することが困難となる。一方、0.24%超の高PCM成分の鋼では、母材やHAZの硬化、マルテンサイト生成の危険性が高まり、そのため母材靭性およびHAZ靭性を高水準で安定して確保することが困難になる。そこで、このため、0.15〜0.24%に限定した。なおPCMは、好ましくは、0.23%以下とする。
[溶接熱影響部靭性指標fHAZ:0.30%〜0.47%]
溶接熱影響部靭性指標fHAZは、次の(3)式で定義される値である。
HAZ(%)=C+Mn/8+6×(P+S)12×N−4×Ti ・・・(3)
但し(3)において、Nはトータル窒素であり、またTiは、Ti≦0.005%のときは、Ti=0とする。
溶接熱影響部靭性指標fHAZは、当業者においては広く知られている多層盛り溶接継手靭性(HAZ靭性)の目安を与える指標であって、C、Mn等、Ceq、PCMを高めて焼入性を高める元素が多いほど、また、後述する不純物元素であるP、Sが多いほど、fHAZの値は高くなる。したがって、一般的に言えば、fHAZの値が低いほど、HAZ靭性にとっては有利となる。
またfHAZの値は、鉄骨構造体の柱(コラム)として用いられる角形鋼管として、母材強度の確保や経済性との兼ね合いからも適切に設定する必要がある。本発明で対象とする角形鋼管に要求される強度を安定して確保し、さらに不純物低減の負荷増による経済合理性を勘案し、本発明者らの蓄積してきた膨大なHAZ靭性評価試験結果から、必要強度とともに、第10の態様に記載した様な、角形鋼管(コラム)と通しダイアフラムの入熱7〜40kJ/cmで90J/cm以上を満足し得る範囲として、0.30〜0.47%の範囲内にfHAZの値を限定した。
具体的には、fHAZの値が0.47%を越えれば、多層溶接における最終層のHAZ部における2mmVノッチシャルピー値が、0℃で90J/cm以上を確保することが困難となり、HAZ部に沿う脆性破断が生じるおそれがある。fHAZの値は、例えば非特許文献1で提案されているように、ワンビードHAZ靭性を予測し得る指標であり、また多層溶接の場合のHAZ靭性は、ワンビードHAZ靭性を上回るのが通常である。したがってワンビードHAZ靭性として0℃で90J/cm以上を確保することが可能であれば、多層溶接の場合のHAZ靭性も、0℃で90J/cm以上を確保することができると考えられる。そして本発明者等のワンビードHAZ靭性についての実験によれば、fHAZの値と0℃での2mmVノッチシャルピー値との関係の近似曲線は、図5の実線で示すような曲線Cとなることが確認されている。そしてばらつきを考慮して、誤差が正規分布であると仮定すれば、標準偏差σは50J/cmとなり、その標準偏差(σ)を考慮すれば、−1σ側の偏差値曲線は、図5の破線C−σで示すようになる。この偏差値曲線C−σから、fHAZの値が0.47以下であれば、0℃での2mmVノッチシャルピー値として90J/cm以上を確保し得ると考えられる。この実験結果は、ワンビードHAZ靭性についてのものであるが、前述のように多層溶接の場合のHAZ靭性は、ワンビードHAZ靭性を上回るのが通常であり、したがってfHAZの値が0.47以下であれば、多層溶接においても0℃での2mmVノッチシャルピー値として90J/cm以上を確保することができる。そこで本発明においては、fHAZの値の上限を0.47と規定した。
なお、本発明の角形鋼管用厚鋼板では、板厚が9〜60mmで、降伏強さ325〜505MPa、引張強さ490〜670MPaが要求されることを考慮すれば、すべての板厚で安定して強度を確保するためには、fHAZの値が0.30%以上であることが好ましく、そこでfHAZの値は、0.30〜0.47%の範囲内と規定した。
[降伏強さ・引張強さ・降伏比]
鋼板元厚での引張試験における降伏強さは、325〜505MPaの範囲内、引張強さは490〜670MPaの範囲内、降伏比は80%以下とする。ここで、これらの強度(降伏強さ及び引張強さ)、降伏比は、本発明の厚鋼板を冷間プレス成形及びシーム溶接して得られた角形鋼管を、鉄骨構造の柱(コラム)として用いた場合のコラムとしての必要な強度、降伏比の範囲として定めている。降伏強さが325MPa未満、引張強さが490MPa未満では、コラム用の角形鋼管として、本発明で目標とする強度を満足し得ず、一方、降伏強さが505MPa超、引張強さが670MPa超の場合は、第1の態様として記載した条件を満足し得ない場合がある。
なおここで、上記の降伏強さ、引張強さ、降伏比は、JIS5号試験片によって引張試験を行った場合の値として規定している。
[鋼板の一様伸び]
鋼板の一様伸びは、板の冷間加工性に大きな影響を与え、一様伸びが13%未満では、例えば第8の態様として記載したように、板厚t(9〜60mm)に対して外曲げ半径(mm)が2.0t〜4.0tとなるような角部を冷間でプレス加工することが困難となるおそれがある。そこで鋼板の一様伸びは13%以上に限定した。なおここで、一様伸びも、前記と同様に、JIS5号試験片によって引張試験を行った場合の値として規定している。なお、鋼板の一様伸びは、13%以上の条件を満たす範囲内でも、特に15%以上、更には17%以上であることが好ましい。なおまた、鋼板の一様伸びの上限は特に規定しないが、一般には、30%程度以下である。またここで、上記の一様伸びの値は、前記同様にJIS5号試験片によって引張試験を行った場合の値として規定している。
なお、一様伸びに関しては、鋼板段階での一様伸びのほか、その鋼板を用いて冷間プレス成形により得られた角形鋼管の段階での、角形鋼管角部の一様伸びも規定しているが、これについては後に改めて説明する。
[2mmVノッチシャルピー値]
従来の一般的な鋼板においては、衝撃吸収エネルギーの指標として2mmVノッチシャルピー値は、通常は0℃での試験による値として規定しているが、本発明では、2mmVノッチシャルピー値は、より低温でしかも2段階(−40℃及び−10℃)での値として規定している。このように従来の一般的な0℃より低温でしかも2段階の値で規制することにより、優れた母材靭性を、従来よりも高水準でかつ安定して確保することができる。
ここで、−40℃での2mmVノッチシャルピー値が90J/cm以上の条件と、−10℃での2mmVノッチシャルピー値が180J/cm以上の条件のいずれか一方でも満たされない場合には、本発明で目標とする高水準の母材靭性を安定して確保することができない。
<鋼板の組織条件>
さらに本発明の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板においては、第2の態様として記載したように、板厚方向断面の1/4板厚位置で光学顕微鏡により観察した金属組織が、フェライト及び残部第2相からなり、かつフェライトの分率が30%以上で、かつ第2相がベイナイト及び/又はパーライトからなり、しかもフェライトの円相当平均直径が12μm以下であるという、主相をフェライトとする微細組織とすることが好ましい。
このような組織は、前述のような加工熱処理法(TMCP)の条件、とりわけ制御圧延と制御冷却の条件を適切に制御することによって得ることができる。例えば、熱間圧延を比較的低温で終了させることによって、圧延中にオーステナイト組織から再結晶を生起させてフェライトの結晶を生じさせ、更に圧延終了後の冷却過程の制御によってフェライトの成長、粗大化を抑制することによって、上記の条件を満たす組織を得ることができる。
上記のように組織条件を定めた理由は次の通りである。
[金属組織:フェライト分率が30%以上、残部ベイナイト及び/又はパーライト]
本発明の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板においては、その金属組織の条件として、第2の態様として記載したように、板厚方向断面の1/4板厚位置で光学顕微鏡により観察した金属組織が、フェライト及び残部第2相からなり、かつフェライトの分率が30%以上で、かつ第2相がベイナイト及び/又はパーライトからなることが好ましい。すなわち、鋼板の金属組織は、母材の強度、降伏比、靭性及び伸び(冷間加工性)に大きな影響を与える。特に軟質相であるフェライトは、降伏比を低い値にするために寄与する。フェライト分率が30%未満では、母材の降伏比を80%以下とすることが困難となる。フェライト(30%以上)に対する残部の第2相は、ベイナイト及び/又はパーライトであればよい。
なおフェライト分率の上限は特に規定しないが、前述のように鋼板の降伏比を80%以下とするためには、フェライト分率は80%以下とすることが好ましい。
このような金属組織は、次に説明するフェライト粒径の条件とともに、厚鋼板製造時の加工熱処理法(TMCP)の条件を適切に制御することによって得ることができる。
[フェライトの円相当平均直径:12μm以下]
さらに本発明の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板においては、その金属組織中のフェライトの結晶粒径条件として、円相当平均直径が12μm以下であることが必要である。すなわち、鋼板金属組織の結晶粒径は、母材靭性に影響を与え、平均結晶粒径が小さいほど、母材靭性は良好となる。一方、結晶粒径は、強度、特に降伏強さにも影響を与える。そこで本発明では、一般にトレードオフの関係にある強度(降伏強さ)と靭性の関係を高いレベルで両立させるため、フェライトの円相当平均直径は、平均で12μm以下と規定した。なおフェライトの円相当平均直径の下限は特に規定しないが、一般には5μm程度以上である。
<具体的成分組成>
本発明の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板の具体的成分組成は、要は、炭素当量Ceq、溶接割れ感受性組成PCM、および溶接熱影響部靭性指標fHAZが、前述の範囲内となるように定めればよいが、通常は、第3の態様に記載したように、質量%で、C:0.06〜0.16%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.90〜2.00%、P:0.015%以下、S:0.006%以下、Al:0.005〜0.060%、Ti:0.005〜0.025%、N:0.001〜0.006%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物の成分組成とすることが好ましい。以下にこれらの各元素の好ましい範囲の理由を説明する。
[C:0.06〜0.16%]
Cは、強度向上のために重要な元素である。低温加熱、低温圧延を徹底した加工熱処理法(TMCP)を適用して製造した厚鋼板において、所定の強度を安定確保するためには、0.06%以上のCを含有させる必要がある。好ましくは、Cを0.07%以上、もしくは0.08%以上含有させることにより、より安定して強度を高めることができる。しかしながら、良好なHAZ靭性を安定確保するためには、Cを0.16%以下に抑える必要がある。なおC量は、0.15%以下、もしくは0.14%以下に制限することが、より好ましい。
[Si:0.05〜0.50%]
Siは脱酸作用を有するが、強力な脱酸元素であるAlが十分に含有されている場合には、Siは本来不要である。ただし、必要以上にSi量を下げることは、むしろ製鋼工程の負荷を高めることになるため、Si量の下限を0.05%とした。一方、Siは靭性に悪影響をおよぼすマルテンサイト生成を助長するため、HAZ靭性の観点からSi量を極力低くすることが好ましく、その観点からSiは0.50%以下に抑える必要がある。なおSi量は、0.20%以下、あるいは0.16%以下、更には0.13%以下に制限することが好ましい。
[Mn:0.90〜2.00%]
Mnは強度向上に有効な元素であり、経済的に強度を確保するためにMnが添加される。ここで、炭素当量Ceqの値として0.33%以上を得るためには、C量及びSi量との関係から、0.90%以上のMn含有量が必要である。ただし、2.00%を超えてMnを含有させれば、スラブの中心偏析の有害性が顕著となるに加え、HAZ硬化とマルテンサイト生成助長を介して、靭性を劣化させるため、2.00%を上限とした。なお、強度を確保するためには、Mnを1.0%以上とすることが好ましい。一方、HAZ硬化とマルテンサイト生成を抑制する観点からは、Mnは1.8%以下、あるいは1.6%以下、更には1.5%以下に制限することが好ましい。
[P:0.015%以下]
Pは不純物元素であり、粒界偏析しやすいこともあって、延靭性を劣化させることが知られている。このため、母材靭性およびHAZ靭性を安定的に高位に確保するために、0.015%以下に制限することとした。
[S:0.006%以下]
Sも、Pと同様に不純物元素であり、圧延で延伸化して靭性や耐ラメラテア性に悪影響をおよぼすMnSの生成を抑制するため、0.006%以下に抑える必要がある。より一層の靭性向上のためには、S量を0.004%以下、更には0.003%以下に制限することが好ましい。
[Al:0.005〜0.060%]
Alは、脱酸を担い、O(酸素)を低減して鋼の清浄度を高めるための必須元素であり、その効果を安定して確実に発揮させるため、0.005%以上とする必要がある。しかしながら、Alが0.060%を超えれば、アルミナ系粗大酸化物がクラスター化する傾向を強め、製鋼ノズルの詰りが発生したり、破壊起点としての有害性が顕在化するため、0.060%を上限とした。なお、Al量の上限は0.05%以下、0.04%以下に制限することが、より好ましい。
[Ti:0.005〜0.025%]
Tiは、母材およびHAZ靭性向上のために有用である。すなわち、TiはNと結合してTiNとしてスラブ中に微細析出して、加熱時のオーステナイト粒の粗大化を抑え、圧延組織を細粒化するために有効に機能し、また鋼板中に存在する微細TiNは、溶接時にHAZ組織を細粒化する効果を示す。これらの効果を得るためには、Tiは0.005%以上が必要である。しかしながらTi量が多過ぎれば、TiCを形成して低温靭性や溶接性を劣化させるから、0.025%以下とする必要がある。なおTiは、0.015%以下に制限することがより好ましい。
[N:0.001〜0.006%]
Nは不可避的不純物として鋼中に含まれるものであるが、Tiと結合してTiNを形成し、前述のような鋼の性質の向上をもたらす。また第5の態様として記載したようにNbを添加する場合、NはNbと結合して炭窒化物を形成し、強度を増加させることにも寄与する。しかしながら、N量の増加はHAZ靭性、溶接性にきわめて有害であり、そこで本発明においては、N量は0.006%以下に規制することとした。
以上の各成分の残部は、基本的には、Fe及び前記以外の不可避的不純物とすればよいが、上記の各成分元素のほか、第4の態様として記載したように、Caを0.0005〜0.005%(但しCaを添加する場合のCa/S比は0.15以上)添加してもよく、また第5の態様として記載したようにNbを0.005〜0.030%添加してもよい。さらに鋼の強化元素として一般に添加されることが多いCu、Ni、Cr、Moは、第6の態様として記載したようにいずれか1種以上を、質量%で、それぞれ0.04%以下、合計で0.10%以下とすることが好ましい。これらの各成分の規定の理由を、次に説明する。
[Ca:0.0005〜0.005%、Ca/S:0.15以上]
S量によっては、上述したMnSの形態を制御するために、Caを添加することが好ましい。Caの形態制御効果を発揮させるためには、最低0.0005%のCaを添加することが好ましい。しかしながら、Caの過剰な添加は、鋼の清浄度を逆に悪化させるため、上限を0.005%に制限することが好ましい。なお、MnSの形態制御には、これらのCa量の上下限とともに、CaとSとの化学量論比も適正に制御する必要があり、確実な形態制御効果を発揮させるためには、Ca/Sの比を0.15以上とすることが好ましい。
[Nb:0.005〜0.030%]
Nbの添加は、オーステナイトの未再結晶温度を上昇させ、熱間圧延時の制御圧延の効果を最大限に発揮するのに加え、溶接や切断時の熱影響部の軟化を防止する上での有効な元素であり、これらの効果を発揮させるためには、0.005%以上のNbの添加が必要である。また、Nbは、析出硬化として、強度向上にも寄与する。しかしながら、過剰なNbの添加は、HAZ靭性劣化を招くことから、Nbの上限は0.030%とした。
[Cu、Ni、Cr、Moのうちのいずれか1種以上を、質量%で、それぞれ0.04%以下、合計0.10%以下]
Cu、Ni、Cr、Moの適正な添加は、鋼の性質を高めることも多いが、これらは稀少金属でもあり、経済性を考慮すれば、意図的に添加しないことが望ましい。建築構造物の柱(コラム)としての角形鋼管においては、その経済性が重視され、そこで本発明においては、これら元素は、それぞれスクラップ等から不可避的に混入するコンタミレベルである0.04%以下、総量でも0.10%以下に抑えることが望ましい。
[鋼板の板厚]
本発明の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板の厚みは、第7の態様として記載したように、9〜60mmの範囲内であることが好ましい。板厚が9mm未満では、鉄骨構造体の構造部材として十分な強度を確保しにくくなり、一方60mmを越えれば、冷間プレス成形によって板厚t(mm)に対し外曲げ半径(mm)4.0t以下を確保することが困難となるおそれがある。
[鋼板製造方法]
以上のような冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板を製造する方法は特に限定されないが、既に述べたように加工熱処理法(TMCP)を適用することが望ましく、適切に条件設定して適切に制御管理された加工熱処理法により、前述のような金属組織、性能を有する厚鋼板を確実かつ安定して製造することができる。
ここで、TMCPを適用した具体的な製造条件は特に限定されないが、通常は、連続鋳造によって得られたスラブを、必要に応じて面削した後、熱間圧延前の加熱として、例えば1100〜1250℃程度に加熱し、熱間粗圧延を、上がり温度850〜1000℃程度で行い、更に仕上げ圧延を、上がり温度700〜850℃程度、各パス圧下率3〜15%程度、パス数10〜30程度で行い、その後、必要に応じてレベラーにより平坦化した後、制御冷却として、冷却開始温度600〜800℃程度で、冷却速度0.1〜30℃/sec、冷却停止温度200〜600℃での水冷もしくは非水冷による冷却を行うことが好ましい。
<角形鋼管(コラム)>
さらに本発明では、上述のような冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板を用いた冷間プレス成形角形鋼管の態様についても、第8〜第10の態様において規定している。これらについて次に説明する。
[角部の外曲げ半径及びシャルピー値]
角形鋼管の角部の外曲げ半径は、元板の板厚t(9〜60mm)に対し、2.0t〜4.0tの範囲内とし、更に角部の靭性(衝撃吸収エネルギー)の指標として、角部の外面表層直下から鋼管長さ方向に採取した2mmVノッチシャルピー値が、−10℃で90J/cm以上であることを、第8の態様で規定している。
これは上記の角部の外曲げ半径は、従来の一般的なコラムとしての角形鋼管と同様である。
また地震による大きな水平力が発生する際には、水平力の方向によっては、角部に大きな曲げモーメントが発生する場合があるが、角部は冷間プレス加工時に大きな加工硬化が生じる箇所であり、その角部の−10℃シャルピー値を90J/cm以上とすることによって、角部の靭性を高いレベルで確保することができる。
なお、上述のように角部は冷間プレス成形によって加工硬化を受けた部分であり、その他の部分(辺部)よりも靭性は低くなっているのが通常である。したがって角部の−10℃シャルピー値を90J/cm以上に設定すれば、当然のことながら、辺部はそれ以上のシャルピー値を確保することができる。
[角部における一様伸び]
角形鋼管の角部における一様伸びは、角形鋼管における長さ方向(元板圧延方向)の値として、4%以上であることを第9の態様で規定している。
ここで、角形鋼管の角部の一様伸びが4%以上であれば、地震などによる急激な衝撃が加わった際の角部のネッキングによる早期の局部的厚み減少を抑え、これにより上記のような母材側に進展した延性破壊による亀裂が裏面に達して最終破壊に至ることを遅れさせることができ、したがって鉄骨構造体の信頼性、安全性を充分に高め得ることが、本発明者等の実験により確認されている。
すなわち、後述する実施例で示すように、実大の角形鋼管−ダイアフラム試験体を製作し、部材の三点曲げ実験を行い、曲げ性能を確認した。また一方、試験体の角形鋼管側の角部長手方向より引張試験片を採取し、一様伸びを算出した。図6に、角部の一様伸びと累積塑性変形倍率の関係を示す。また同図には比較用に従来の角形鋼管の試験結果も併せて示す。
この試験結果から、角部の一様伸びが4%以上である角形鋼管は、非特許文献2で提案されている、柱の塑性化を許容した設計で柱部材に要求される変形性能(累積塑性変形倍率28)を上回る十分な性能を有していることが確認できた。また最終破壊形式が破断となった本発明の試験体においては、HAZ部付近において延性亀裂が発生し、その後母材側に伝播し、母材内を延性破壊として進展した。その際、母材にはネッキングが生じたが、十分な一様伸びを有していることにより、ネッキング発生に起因する早期の局部的厚み減少を抑え、延性破壊による亀裂が裏面に達し、最終破壊に至ることが確認された。
なお、前記したように角部は冷間プレス成形によって加工硬化を受けた部分であり、その他の部分(辺部)よりも一様伸びは小さく低くなっているのが通常である。したがって角部の一様伸びを4%以上に設定すれば、当然のことながら、辺部はそれ以上の一様伸びが確保されていることになる。
[角形鋼管の製造方法]
角形鋼管の製造方法は、要は前述のような厚鋼板を用いて、冷間プレス成形によって断面ロ状もしくはコ状に成形し、サブマージアーク溶接などによって角形閉断面とすればよく、従来公知の方法、条件を適用すればよい。
<溶接継手>
さらに本発明では、第10の態様として記載したように、前述の冷間プレス成形角形鋼管を、鉄骨構造体の柱(コラム)としてダイアフラム(一般には通しダイアフラム)に溶接した溶接継手をも規定している。
この溶接継手は、前述の冷間プレス成形角形鋼管の端部を、鋼板からなるダイアフラムの板面に溶接してなる溶接継手であって、角形鋼管の端部にレ形開先が形成されて、平均入熱7〜40kJ/cmによって角形鋼管のレ形開先とダイアフラムの板面との間が多層溶接によって溶接されており、かつ角形鋼管における角部の外面側溶接熱影響部(HAZ部)の2mmVノッチシャルピー値が、0℃で90J/cm以上であることを規定している。
ここで、角形鋼管の角部は、コラムとして相手材(一般には通しダイアフラム)に溶接した状態での使用時において、地震などにより大きな曲げモーメントが鉄骨構造体に加わった際に応力集中が生じやすく、したがって溶接継手における角形鋼管側の角部のHAZ部も破壊が生じやすい箇所であるが、そのHAZ部について0℃シャルピー値を90J/cm以上とすることによって、溶接継手における角形鋼管側の角部のHAZ部靭性を高いレベルで確保することができる。なお、加工硬化を受けた角部のHAZ靭性は、辺部のHAZ靭性よりも劣っているのが通常であり、したがって角部におけるHAZ靭性指標としての0℃シャルピー値が90J/cm以上であれば、一般には、辺部についても同等以上の0℃シャルピー値が確保されるのが通常である。
[溶接相手材としてのダイアフラム]
ダイアフラムの材質は特に限定されるものではなく、従来から鉄骨構造体に使用されているものと同様な鋼板であればよい。例えば、従来のBCP325及び385N/mm級コラムの規格のものであればよい。一般には、JISのSN490C、大臣認定規格の385N/mm級厚板の板厚方向絞り規定のあるものなどが対象となる。
[溶接条件]
溶接継手形成のための溶接条件も特に限定されるものではなく、基本的には、従来のBCP325などと同様であればよい。すなわち、一般には、溶接電流は、溶接位置が辺部、角部のいずれの場合も200〜400A、溶接電圧は辺部、角部のいずれも22〜40V、溶接速度は辺部、角部のいずれも15〜60cm/min、入熱量は辺部で40kJ/cm以下、角部で30kJ/cm以下、パス間温度は半自動溶接の場合の辺部で350℃以下、半自動溶接の場合の角部、全自動溶接の場合の辺部および角部で250℃以下とすればよい。また、通しダイアフラムとコラムとの完全溶け込み溶接としての多層溶接における積層条件も、一般的な建築鉄骨製作管理に用いられるJASS6に準拠した積層法で溶接施工すればよい。
以下に本発明の実施例を、比較例とともに記す。
表1、表2のNo.1〜No.40、表3のR1〜R11に示す成分組成を有する厚み240mmの連続鋳造スラブのそれぞれに熱間圧延を施して、表4〜表6中に示す板厚の角形鋼管用厚鋼板に仕上げた。熱間圧延−冷却は、いわゆる加工熱処理法(TMCP)として制御圧延、制御冷却を行った。熱間圧延―冷却の諸条件を、表4〜表6中に示す。また、各鋼No.1〜No.40、R1〜R11の成分組成から算出した組成指標値(炭素当量Ceq、溶接割れ感受性組成PCM、溶接熱影響部靭性指標fHAZ)を、表1〜表3中に示す。
得られた各鋼板を金属顕微鏡によって観察し、そのミクロ組織状態として、フェライト分率、フェライト粒径(円相当平均直径)、および第2相組織(ベイナイト及び/又はパーライト)を調べたので、その結果を表7〜表9中に示す。なお表7〜表9において第2相の欄のBはベイナイト、Pはパーライトを示す。
さらに、各鋼板について引張試験を行って、降伏強さ(YP)、引張強さ(TS)、降伏比(YR)、及び一様伸び(uEL)を調べた。ここで、引張試験は、圧延方向に沿ってJIS5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して実施した。
また、各鋼板について、2mmVノッチシャルピー衝撃試験片を圧延方向に沿って切出し、試験温度−40℃、−10℃でJIS Z 2242に準拠してシャルピー衝撃試験を行った。−40℃でのシャルピー値(vE−40)、−10℃でのシャルピー値(vE−10)を、表7〜表9中に示す。
さらに各鋼板を用いて冷間プレス成形角形鋼管を常法に従って製造した。具体的には、各鋼板を冷間プレス成形によって断面コ状に成形し、その断面コ状部材の二つを、断面が矩形状をなすように突き合せ、炭酸ガスアーク溶接、サブマージアーク溶接によるシーム溶接によって内面溶接、外面溶接を行い、角形鋼管とした。なお、得られた角形鋼管の断面は、一辺の長さが500mmの正方形とした。また角部の外曲げ半径r(mm)は、板厚t(mm)に応じて、r=3.5tとなるように設定した。
得られた各角形鋼管の角部から、軸方向に沿ってJIS5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して引張試験を行い、一様伸び(uEL)を調べた。また、図7に示しているように、角形鋼管20における角部20Aの曲げ外側表面から6mmの深さの位置を中心として、2mmVノッチシャルピー衝撃試験片30を管軸方向に沿って切出し、試験温度−10℃でJIS Z 2242に準拠してシャルピー衝撃試験を行った。角部の一様伸び(uEL)及び−10℃でのシャルピー値(vE−10)を表10〜12中に示す。
さらに、各角形鋼管の端部にレ形開先を形成して、ダイアフラムに多層溶接法により溶接し、実大の角形鋼管−ダイアフラム溶接継手を製作した。この際の溶接条件は、開先角度35°、ルートギャップ7mm、入熱30kJ/cm以下、パス数3〜21、パス間温度250℃以下とし、溶接材料としてJIS Z 3312相当の溶接材を用い、下向きのロボット溶接を適用した。
得られた溶接継手の角形鋼管側の角部の外面側溶接熱影響部の0℃での2mmVノッチシャルピー値(HAZ vE)を調べた。シャルピー衝撃試験の試験方法および試験片採取位置は、角形鋼管の角部についてのシャルピー衝撃試験と同様である。
その試験結果(HAZ vE)を、表10〜12中に示す。
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以上の各表に示すように、鋼成分(質量%)から計算される炭素当量Ceqが0.33%以上0.43%以下、溶接割れ感受性組成PCMが0.15%以上0.24%以下、溶接熱影響部靭性指標fHAZが0.30%以上0.47%以下の各条件を満たす本発明例No.1〜No.40の場合は、鋼板について、降伏強さ、引張強さ、降伏比、鋼板元厚ままでの一様伸び、−40℃での2mmVノッチシャルピー値、−10℃での2mmVノッチシャルピー値が、いずれも本発明で規定する水準を確保し得ることが確認された。
さらにこれらのNo.1〜No.40の鋼板では、金属組織条件、すなわちフェライト分率、フェライト粒径(円相当平均直径)、および第2相組織(ベイナイト及び/又はパーライト)の各条件も、請求項2で規定する好ましい条件を満たしていた。
またこれらのNo.1〜No.40の鋼板を用いた角形鋼管では、請求項8で規定する角部についての−10℃での2mmVノッチシャルピー値、および請求項8で規定する角部についての一様伸びの各条件を満たすことが確認された。
さらに、No.1〜No.40の鋼板からなる角形鋼管を用いた角形鋼管−ダイアフラム溶接継手のHAZ部では、請求項10で規定する0℃での2mmVノッチシャルピー値の条件を満たしていることが確認された。
これに対して、鋼板の炭素当量Ceqが低すぎた比較例R1では、鋼板の降伏強さおよび引張強さが本発明の規定を下回ってしまった。
また鋼板の炭素当量Ceqおよび溶接割れ感受性組成PCMが高すぎ、かつフェライト分率が低すぎた比較例R2では、鋼板の降伏強さおよび引張強さは高いが、鋼板元厚ままでの一様伸び、−40℃での2mmVノッチシャルピー値、−10℃での2mmVノッチシャルピー値が、いずれも本発明の規定を下回ってしまった。またこの比較例R2の鋼板を用いた角形鋼管−ダイアフラム溶接継手のHAZ部靭性(0℃での2mmVノッチシャルピー値)が極端に低くなってしまった。
また比較例R3は、鋼板のフェライト粒径が大きすぎた例であるが、この場合、その鋼板を用いた角形鋼管−ダイアフラム溶接継手のHAZ部靭性(0℃での2mmVノッチシャルピー値)が低くなってしまった。
さらに比較例R4は、鋼板の炭素当量Ceq、溶接割れ感受性組成PCM、及び溶接熱影響部靭性指標fHAZが低すぎ、またフェライト粒径も大きすぎた例であり、この場合、鋼板の降伏強さおよび引張強さが低くなってしまった。
また比較例R5は、鋼板の炭素当量Ceqが高すぎ、フェライト分率が低すぎた例であり、この例では、鋼板の降伏強さおよび引張強さは高いが、鋼板元厚ままでの一様伸び、−40℃での2mmVノッチシャルピー値、−10℃での2mmVノッチシャルピー値が本発明の規定を下回ってしまった。またこの比較例R5の鋼板を用いた角形鋼管では、角部の−10℃での2mmVノッチシャルピー値が低くなるとともに、角形鋼管−ダイアフラム溶接継手のHAZ部靭性(0℃での2mmVノッチシャルピー値)が極端に低くなってしまった。
比較例R6は、鋼板の炭素当量Ceq、及び溶接熱影響部靭性指標fHAZが高すぎた例であり、この場合、鋼板の降伏強さおよび引張強さは高いが、−40℃での2mmVノッチシャルピー値、−10℃での2mmVノッチシャルピー値が本発明の規定を下回ってしまった。またこの比較例R6の鋼板を用いた角形鋼管では、角部の−10℃での2mmVノッチシャルピー値が低くなるとともに、角形鋼管−ダイアフラム溶接継手のHAZ部靭性が低くなってしまった。
比較例R7は、鋼板成分のS量を高めとした例であり、炭素当量Ceq、溶接割れ感受性組成PCM、及び溶接熱影響部靭性指標fHAZの値は本発明の範囲内であるが、鋼板での−40℃での2mmVノッチシャルピー値、−10℃での2mmVノッチシャルピー値が本発明の規定を下回ってしまった。またこの比較例R7の鋼板を用いた角形鋼管で、角部の−10℃での2mmVノッチシャルピー値が低くなるとともに、角形鋼管−ダイアフラム溶接継手のHAZ部靭性が低くなってしまった。
比較例R8は、鋼板成分のAl量を高めとした例であり、この場合、炭素当量Ceq、溶接割れ感受性組成PCM、及び溶接熱影響部靭性指標fHAZの値は本発明の範囲内であるが、鋼板での−40℃での2mmVノッチシャルピー値が本発明の規定を下回ってしまった。
比較例R9は、鋼板成分のTi量を低めとした例であり、この場合、鋼板での炭素当量Ceq、溶接割れ感受性組成PCM、及び溶接熱影響部靭性指標fHAZの値は本発明の範囲内であるが、鋼板での降伏比YRが高すぎてしまった。
比較例R10は、鋼板成分のTi量を高めとした結果、鋼板での溶接熱影響部靭性指標fHAZが低すぎてしまった例である。
比較例R11は、鋼板成分のN量が高すぎた例であり、鋼板での炭素当量Ceq、溶接割れ感受性組成PCM、及び溶接熱影響部靭性指標fHAZの値は本発明の範囲内であるが、鋼板での−40℃での2mmVノッチシャルピー値、−10℃での2mmVノッチシャルピー値が本発明の規定を下回ってしまった。またこの比較例R11の鋼板を用いた角形鋼管で、角部の−10℃での2mmVノッチシャルピー値が低くなるとともに、角形鋼管−ダイアフラム溶接継手のHAZ部靭性が低くなってしまった。
以上、本発明の好ましい実施形態および実施例について説明したが、これらの実施形態、実施例は、あくまで本発明の要旨の範囲内の一つの例に過ぎず、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。すなわち本発明は、前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲内で適宜変更可能であることはもちろんである。
11 柱
12 ダイアフラム
14 梁
20 角形鋼管
20A 角部
22 溶接継手部
23 溶接金属
24 HAZ部(溶接熱影響部)
25 母材部
27 亀裂

Claims (10)

  1. 鋼成分(質量%)から計算される炭素当量Ceqが0.33%以上0.43%以下、溶接割れ感受性組成PCMが0.15%以上0.24%以下、溶接熱影響部靭性指標fHAZが0.30%以上0.47%以下の組成を有する鋼からなり、
    鋼板元厚での引張試験における降伏強さが325〜505MPa、引張強さが490〜670MPa、降伏比が80%以下、鋼板元厚ままでの一様伸びが13%以上であり、
    鋼板表裏面から採取した2mmVノッチシャルピー値が、−40℃で90J/cm以上でしかも−10℃で180J/cm以上である
    ことを特徴とする冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板。
    但し炭素当量Ceq、溶接割れ感受性組成PCM、溶接熱影響部靭性指標fHAZは、それぞれ次の通り定義される値である。
    Ceq(%)=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
    CM(%)=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
    HAZ(%)=C+Mn/8+6×(P+S)+12×N−4×Ti
    (但しNはトータル窒素、Ti≦0.005%のとき、Ti=0とする。)
  2. 請求項1に記載の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板において、
    板厚方向断面の1/4板厚位置で光学顕微鏡により観察した金属組織が、フェライト及び残部第2相からなり、かつフェライトの分率が30%以上で、かつ第2相がベイナイト及び/又はパーライトからなり、しかもフェライトの円相当平均直径が12μm以下であることを特徴とする冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板。
  3. 請求項1、請求項2のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板において、
    前記鋼が、質量%で、C:0.06〜0.16%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.90〜2.00%、P:0.015%以下、S:0.006%以下、Al:0.005〜0.060%、Ti:0.005〜0.025%、N:0.001〜0.006%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板。
  4. 請求項3に記載の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板において、
    前記鋼が、質量%で、さらにCa:0.0005〜0.005%を含有し、かつCa/Sの質量比が0.15以上であることを特徴とする冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板。
  5. 請求項3、請求項4のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板において、
    前記鋼が、質量%で、さらにNb:0.005〜0.030%を含有することを特徴とする冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板。
  6. 請求項3〜請求項5のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板において、
    前記鋼が、Cu、Ni、Cr、Moのうちのいずれか1種以上を、質量%で、それぞれ0.04%以下、合計0.10%以下含有することを特徴とする冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板において、
    板厚が9〜60mmの範囲内であることを特徴とする冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形角形鋼管用厚鋼板を元板とした冷間プレス成形角形鋼管であって、
    元板の板厚t(mm)が9〜60mmの範囲内にあり、
    かつ角部の外曲げ半径(mm)が2.0t〜4.0tの範囲内であり、
    さらに角部の曲げ外側表面直下から鋼管長さ方向に沿って採取した2mmVノッチシャルピー試験片によるシャルピー値が、−10℃で90J/cm以上であることを特徴とする冷間プレス成形角形鋼管。
  9. 請求項8に記載の冷間プレス成形角形鋼管において、
    角部における角形鋼管長さ方向の一様伸びが4%以上であることを特徴とする冷間プレス成形角形鋼管。
  10. 請求項8、請求項9のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形角形鋼管の端部を、鋼板からなるダイアフラムの板面に溶接してなる溶接継手であって、
    前記角形鋼管の端部にレ形開先が形成されて、平均入熱7〜40kJ/cmによって角形鋼管のレ形開先とダイアフラムの板面との間が多層溶接によって溶接されており、
    前記角形鋼管における角部の外面側溶接熱影響部の2mmVノッチシャルピー値が、0℃で90J/cm以上であることを特徴とする溶接継手。
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