JP2016011077A - アンチロック液圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンプルな構成で且つ軸方向寸法を小さくすることができる二輪車用のアンチロック液圧制御装置を提供する。
【解決手段】本発明は、マスタシリンダ92と車輪ブレーキ96との間に挿入される二輪車用のアンチロック液圧制御装置97であって、車軸941に回転可能に固定され車輪93と一体に回転する大歯車1と、車軸941を中心軸として揺動可能なレバー2と、レバー2の一端部に回転自在に固定され且つ大歯車1と噛み合う小歯車3と、小歯車3と一体に回転するフライホイール4と、レバー2を一方向に付勢する付勢部材5と、レバー2が付勢部材5の付勢力に抗して揺動した際、レバー2の揺動に応じて車輪ブレーキ96の圧力をマスタシリンダ92の圧力よりも低くする圧力制御部6と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、二輪車の車輪ブレーキに適用されるアンチロック液圧制御装置に関する。
車両のブレーキには、アンチロックブレーキシステム(以下、ABSとも称する)が装備されているものがある。例えば、自転車において、ブレーキ操作により前輪がロックしてグリップが失われて自転車が横転することや、前輪制動力が過大になり自転車が前転することを抑制するために、自転車にABSを装備することが考えられる。
昨今では、自動車(四輪)やオートバイに対する電子制御式のABSが普及している。しかしながら、二輪車、特に自転車に対して、電子制御式のABSは、構成が複雑で重量も増えるため、二輪車に適した形での適用が困難である。一方、機械式のABSとしては、例えば特公平1−44539号公報に開示されている。
特公平1−44539号公報
しかしながら、上記機械式のABSは、フライホイールを用いて車輪の軸方向の変位を生じさせて回転減速度を検出する機構になっているため、複雑な構造となり且つABSの軸方向寸法が大きくなることが避けられない。二輪車、特に自転車へのABSの適用にあたり、重量、コスト、及び寸法の観点において改良の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、シンプルな構成で且つ軸方向寸法を小さくすることができる二輪車用のアンチロック液圧制御装置を提供することを目的とする。
本発明の様相1に係るアンチロック液圧制御装置は、マスタシリンダと車輪ブレーキとの間に挿入される二輪車用のアンチロック液圧制御装置であって、車軸に回転可能に固定され車輪と一体に回転する大歯車と、前記車軸を中心軸として揺動可能なレバーと、前記レバーの一端部に回転自在に固定され且つ前記大歯車と噛み合う小歯車と、前記小歯車と一体に回転するフライホイールと、前記レバーを一方向に付勢する付勢部材と、前記レバーが前記付勢部材の付勢力に抗して揺動した際、前記レバーの揺動に応じて前記車輪ブレーキの圧力を前記マスタシリンダの圧力よりも低くする圧力制御部と、を備える。
この構成によれば、ブレーキ操作がなされた際、慣性の法則によるフライホイール及び小歯車の移動に伴い、レバーが車軸を中心軸として揺動する。このレバーの揺動に応じて圧力制御部が作動し、車輪ブレーキの圧力がマスタシリンダの圧力よりも低くなる。つまり、上記様相1によれば、ブレーキ操作時、レバーが車輪の周方向に揺動することに応じて、アンチロック機能が発揮される。
このように、上記様相1では、構成部材が車輪の軸方向へ移動する構成を必要とせず、機械的にアンチロック機能が発揮される。これにより、アンチロック液圧制御装置の軸方向寸法を小さくすることができる。また、車輪の回転方向である周方向の力を利用するため、シンプルな構成でアンチロック液圧制御装置を実現することができる。
本発明の様相2に係るアンチロック液圧制御装置ついては、上記様相1において、前記大歯車が、ブレーキディスクを兼ねている。これにより、部品点数が減り、さらにシンプルな構成でアンチロック液圧制御装置を実現することができ、アンチロック液圧制御装置の軽量化も可能となる。
第一実施形態の自転車の構成を説明するための説明図である。 第一実施形態のアンチロック液圧制御装置の構成を示す構成図である。 第一実施形態のアンチロック液圧制御装置の構成を説明するための説明図である。 第一実施形態の圧力制御部の構成を示す模式断面図である。 第一実施形態の圧力制御部の液圧制御位置を説明するための模式断面図である。 第二実施形態のアンチロック液圧制御装置の構成を示す構成図である。 第二実施形態の圧力制御部の一例を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。また、説明に用いる各図は概念図であり、各部の形状は必ずしも厳密なものではない場合がある。特に図3については、各構成の関係を一図面で説明するために、複数の方向から見た図(断面図を含む)を合成したような図となっている。図2及び図6は、前輪部分を拡大した構成図である。
本実施形態では、アンチロック液圧制御装置を自転車の前輪に設置したものを例にしている。前輪のブレーキに関係する自転車の前輪部は、図1〜図3に示すように、主に、ブレーキ操作部材91と、マスタシリンダ92と、前輪(「車輪」に相当する)93と、フォーク94と、ハブ95と、車輪ブレーキ96と、アンチロック液圧制御装置97と、を備えている。本実施形態のアンチロック液圧制御装置97以外の構成は、公知の構成であるため簡単に説明する。
ブレーキ操作部材91は、ハンドルグリップ90付近に配置されたブレーキレバーである。マスタシリンダ92は、内部にピストンを備え、ブレーキ操作部材91の操作に応じてピストンが押されて液圧(マスタ圧)を発生させる。フォーク94には、車軸941が固定されている。ハブ95は、前輪93をフォーク94の車軸941に固定する部材である。つまり、前輪93は、ハブ95により、車軸941を中心軸として回転可能にフォーク94に固定されている。車輪ブレーキ96は、配管(例えば流体ホース)及びアンチロック液圧制御装置97を介して供給された液圧により駆動する。車輪ブレーキ96の液圧を、ブレーキ圧と称する。車輪ブレーキ96は、ブレーキキャリパ(96)を備えている。車輪ブレーキ96は、ブレーキキャリパによりブレーキディスク(本実施形態では大歯車1)を挟み込み、前輪93に停止側のトルクを発生させる。
<第一実施形態>
第一実施形態のアンチロック液圧制御装置97は、図2及び図3に示すように、大歯車1と、レバー2と、小歯車3と、フライホイール4と、スプリング(「付勢部材」に相当する)5と、圧力制御部6と、ストッパ7と、を備えている。
大歯車1は、円盤の周面に歯が形成された歯車である。大歯車1は、ハブ95を介して車軸941に回転可能に固定され、前輪93と一体に回転する。大歯車1は、ブレーキ圧の上昇に伴い車輪ブレーキ96のブレーキキャリパにより挟み込まれるように配置されている。つまり、大歯車1は、ブレーキディスクを兼ねている。
レバー2は、棒状部材である。レバー2は、中央より一端側の部位で、車軸941を中心軸(揺動軸)として揺動可能に車軸941に固定されている。つまり、レバー2は、前輪93の周方向に揺動可能に車軸941に固定されている。小歯車3は、大歯車1よりも小さい歯車であって、レバー2の他端部に回転自在に固定されている。小歯車3は、大歯車1と噛み合っている。小歯車3の移動に伴い、レバー2の他端部が周方向に移動する。小歯車3は、レバー2の他端部から軸方向に延びる円柱の棒状部31と、棒状部31から軸方向に延びて大歯車1と噛み合う歯車部32と、で構成されている。
フライホイール4は、円盤状の慣性体であって、小歯車3の棒状部31に固定されている。フライホイール4は、小歯車3と一体に回転する。スプリング5は、付勢部材であって、レバー2の他端部と圧力制御部6との間に配置されている。スプリング5は、レバー2の他端部を一方向に付勢している。第一実施形態における「一方向」とは、圧力制御部6から離れる方向であって、前輪93の前進時の回転方向(周方向前進側:図2における反時計回り)である。ストッパ7は、フォーク94に固定され、レバー2の一端部に当接し、レバー2が周方向前進側に移動することを規制している。レバー2は、スプリング5により周方向前進側に付勢されている状態であるが、ストッパ7との当接により周方向前進側に移動せず、初期位置(図2の状態)で停止している。第一実施形態のレバー2は、初期位置において、後述するロッド65から離間している。
ここで、レバー2の揺動について説明する。ブレーキ操作により車輪ブレーキ96が作動し、前輪93に停止側の高いトルクが生じた場合、自転車の減速度が大きくなる。この際、図2の時計回りに回転しているフライホイール4は、減速前の回転速度を維持しようとする。このため、フライホイール4と一体に回転する小歯車3は、噛合った大歯車1に対して周方向後退側(図2における時計回り)に移動する。これに伴い、小歯車3に固定されたレバー2の他端部は、周方向後退側に力を受けて、スプリング5の付勢力に抗して周方向後退側に揺動する。レバー2は、車軸941に垂直な平面上を揺動するともいえる。
圧力制御部6は、レバー2がスプリング5の付勢力に抗して揺動した際、すなわちレバー2が周方向後退側へ揺動した際、レバー2の当該揺動に応じてブレーキ圧をマスタ圧よりも低くする装置である。圧力制御部6は、レバー2の他端部の周方向後退側でフォーク94に固定されている。具体的に、圧力制御部6は、図4及び図5に示すように、シリンダブロック61と、スリーブ62と、スプール63と、弁部材64と、ロッド65と、ボール弁66と、スプリング67、68と、タンク69と、を備えている。この圧力制御部6は、特開平1−306357号公報で開示されている流量制御切替弁を応用したものであるが、以下でも簡単に説明する。
シリンダブロック61は、一方に底面61aを有し他方に開口部61bを有する有底円筒状のシリンダ部材である。開口部61bの径(内径)は、シリンダブロック61の内径よりも小さい。シリンダブロック61の周面には、内部と外部とを連通させる流路が形成されている。具体的に、シリンダブロック61には、配管Zを介してマスタシリンダ92に連通するマスタ流路611と、配管Yを介して車輪ブレーキ96に連通するブレーキ流路612と、配管Xを介してタンク69に連通するタンク流路613と、が形成されている。マスタ流路611はシリンダブロック61の一方側に設けられ、ブレーキ流路612はシリンダブロック61の中央部に設けられ、タンク流路613はシリンダブロック61の他方側に設けられている。ブレーキ流路612は、スリーブ62の2つの流路と接続できるように、シリンダブロック61内部側で軸方向の流路幅が大きくなっている。
スリーブ62は、シリンダブロック61の内表面に当接して固定される円筒状部材である。スリーブ62は、シリンダブロック61の一方側に配置されている。スリーブ62の周面には、内部と外部とを連通する流路が形成されている。具体的に、スリーブ62には、マスタ流路611に接続された第一流路621と、ブレーキ流路612に接続された第二流路622と、第二流路622から他方側に離間し且つブレーキ流路612に接続された第三流路623と、が形成されている。
スプール63は、スリーブ62の内表面に対して摺動可能に配置される円筒状部材である。スプール63の軸方向の長さは、スリーブ62の軸方向の長さよりも小さい。スプール63は、スプリング67により一方側に付勢され、初期位置において底面61aに当接している。スプール63の周面には、内部と外部とを連通する流路が形成されている。具体的に、スプール63には、第一流路621に接続された第四流路631と、第二流路622に接続された第五流路632と、第六流路633と、が形成されている。第六流路633は、第五流路632から他方側に離間し且つ初期位置においてスリーブ62の内表面により開口が閉鎖されている。
スプール63の内部とマスタシリンダ92とは、初期位置において、マスタ流路611、第一流路621、及び第四流路631を介して連通している。スプール63の内部と車輪ブレーキ96とは、初期位置において、ブレーキ流路612、第二流路622、及び第五流路632を介して連通している。つまり、初期位置において、マスタシリンダ92と車輪ブレーキ96とは、スプール63の内部(以下、内部流路63aとも称する)を介して連通している。なお、内部流路63aには、第五流路632と第六流路633の間に、絞り部Aが形成されている。
弁部材64は、シリンダブロック61の他端部に固定された円筒状部材である。弁部材64は、シリンダブロック61の内表面、開口部61b周囲、及びスリーブ62の他端面に当接している。詳細には、弁部材64は、一方側円筒部641と、中央円筒部642と、他方側円筒部643と、で構成されている。
一方側円筒部641は、弁部材64の一端部である。中央円筒部642は、一方側円筒部641の他端に固定された、弁部材64の中央部である。他方側円筒部643は、中央円筒部642の他端に固定された、弁部材64の他端部である。他方側円筒部643の内径は、中央円筒部642の内径より小さい。他方側円筒部643の周面には、内部と外部とを連通させる流路であって、タンク流路613に接続された第七流路644が形成されている。
ロッド65は、開口部61bの形状に応じた形状の棒状部材であって、シリンダブロック61の他端部において、開口部61bに液密的に摺動可能に配置されている。ロッド65の径は、開口部61bの内径より若干小さい。初期位置において、ロッド65の他端部は、シリンダブロック61の他端から他方に突出し、レバー2の周方向後退側の手前で、レバー2から離間した位置に配置されている。レバー2は、周方向後退側に揺動すると、ロッド65に当接してロッド65を一方側に押す。
ボール弁66は、球状部材であって、ロッド65の一端に固定されている。ボール弁66の径は、中央円筒部642の内径より小さく、他方側円筒部643の内径より大きい。ボール弁66は、中央円筒部642の内部に配置され、スプリング68により他方側に付勢され、初期位置において他方側円筒部643に当接している。他方側円筒部643は、ボール弁66の弁座として機能する。
スプリング67は、スプール63の他端と弁部材64の一端(一方側円筒部641の一端)との間に配置されている。スプリング67は、スプール63を一方側に付勢している。スプリング68は、一方側円筒部641の他端とボール弁66との間に配置されている。スプリング68は、ボール弁66を他方側に付勢している。
タンク69は、排出液の貯槽であって、タンク流路613から流出したブレーキ液が流入するタンクである。タンク69内のブレーキ液は、ブレーキ操作終了後に弁部材64などを介してマスタシリンダ92に戻される。なお、説明において、スプール63の他端と、一方側円筒部641の一端と、スリーブ62の内表面とで囲まれた空間を「第一室6A」と称する。
圧力制御部6の動作について説明する。初期位置において、マスタシリンダ92と車輪ブレーキ96とは、連通しており、マスタ圧とブレーキ圧が同じとなる。ここで、レバー2の揺動によりロッド65が一方側に押されると、ボール弁66が他方側円筒部643から離間し(すなわち開弁し)、第一室6Aとタンク69が連通する。これにより、シリンダブロック61の他端側の圧力が低下し、スプール63がスプリング67に抗して他方側に移動する。そして、図5に示すように、第一流路621と第四流路631とが分断され、第二流路622と第五流路632とが分断され、第三流路623と第六流路633とが接続される。つまり、マスタシリンダ92と内部流路63aが遮断され、車輪ブレーキ96と内部流路63aが第六流路633を介して連通する。図5に示すスプール63の位置を流量制御位置とし、当該状態を流量制御状態と称する。
流量制御状態では、マスタシリンダ92からシリンダブロック61内へのブレーキ液の流入量は一定に保たれる。また、車輪ブレーキ96とタンク69が連通するため、ブレーキ圧が低下する。ブレーキ圧が低下すると、フライホイール4が周方向前進側に移動し、レバー2が周方向前進側に揺動する。その後、レバー2がロッド65から離れ、ボール弁66が弁部材64を閉弁する。この際、ブレーキ圧がマスタ圧と等しくなるまでは、スプール63は流量制御位置に留まる。このため、車輪ブレーキ96へのブレーキ液の流入量は一定に保たれ、ブレーキ圧は比較的緩やかに上昇する。このように、圧力制御部6は、ブレーキ圧の上昇を適切に抑制し、前輪93がロックすることを抑制する。
ここで、アンチロック液圧制御装置97の動作についてまとめると、定速走行の場合、前輪93と一体に回転する大歯車1、及びフライホイール4と一体に回転する小歯車3の何れも定速回転し、軸受摩擦を無視するならば、レバー2を揺動させるトルクは、歯車列からは発生しない。したがって、この場合、レバー2は、スプリング5の付勢力によりストッパ7に当てられ、初期位置が維持され、圧力制御部6(ロッド65)に力を与えない。圧力制御部6は、レバー2から力が加わらない場合には、ブレーキ圧をマスタ圧と同じに保つように構成されている。このため、車輪ブレーキ96のブレーキキャリパにはマスタ圧がそのまま作用する。
一方、前輪93のブレーキ操作が行われ、前輪93に回転減速度が発生すると、大歯車1の周方向前進側(図2における反時計回り)の回転速度が低下するが、フライホイール4は周方向後退側(図2における時計回り)の回転速度を維持しようとする。このため、大歯車1と小歯車3の噛合いにより、レバー2の他端部に周方向後退側のトルクが発生する。
前輪93の回転減速度が所定値(例えば周加速度換算で重力加速度の0.5倍程度)以下であれば、上記レバー2のトルクはスプリング5の付勢力に打ち勝つことなく、レバー2は初期位置に留まる。前輪93の回転減速度が所定値を上回ると、レバー2が周方向後退側に揺動し、圧力制御部6が作動し、ブレーキ圧がマスタ圧より低くなる。車輪ブレーキ96のブレーキキャリパが発生させる制動トルクが低下することにより、前輪93の回転減速度は減少する。そして、前輪93の回転減速度が所定値以下となると、レバー2は初期位置に復帰する。
このような第一実施形態のアンチロック液圧制御装置97によれば、フライホイール4に連動してレバー2が周方向に揺動する。そして、レバー2の揺動に応じて圧力制御部6が作動し、アンチロック機能が発揮される。レバー2は、車軸941の軸方向ではなく、車軸941に垂直な平面方向に揺動する。このため、第一実施形態によれば、軸方向寸法を小さくすることが可能となる。また、アンチロック液圧制御装置97は、フライホイール4を利用し、レバー2の周方向の揺動により圧力を制御する構造であるため、力の方向を軸方向に変換する必要がなく、シンプルな構成で実現可能である。
また、大歯車1がブレーキディスクの機能を兼ねているため、よりシンプルな構成が可能となる。アンチロック液圧制御装置97は、シンプルな構成で実現可能であり且つ軸方向の小型化が可能であるため、軽量化も可能である。このように、アンチロック液圧制御装置97は、二輪車、特に自転車に適した構成である。
<第二実施形態>
第二実施形態のアンチロック液圧制御装置970は、図6に示すように、圧力制御部60がレバー2の他端部の周方向前進側(図6における反時計回り側)に位置している点で、第一実施形態と異なっている。第一実施形態と同様の構成については、同符号を付して説明は省略する。
スプリング50は、レバー2と圧力制御部60との間に配置され、第一実施形態同様、レバー2を周方向前進側に付勢している。第二実施形態では、圧力制御部60がレバー2の一端部の周方向前進側に固定されているため、スプリング50は圧力制御部60に近接する方向にレバー2を付勢している。
レバー2は、初期位置において、ロッド65に当接し、且つロッド65を押して一方側(図6における上方)に移動させている。フライホイール4は、第一実施形態同様、ブレーキ操作があった際、慣性の法則により小歯車3と共に周方向後退側に移動する。これにより、レバー2の一端部は、ロッド65から離れる方向である周方向後退側に揺動する。
圧力制御部60は、第一実施形態とは反対に、レバー2が初期位置にある状態、すなわちロッド65が一方側に押し込まれている状態では、マスタ圧とブレーキ圧が同じになるように構成されている。そして、圧力制御部60は、レバー2の一端部が周方向後退側に揺動すると、ロッド65が他方側に移動し、ブレーキ圧がマスタ圧よりも小さくなるように圧力を制御する。このように、圧力制御部60は、レバー2の周方向への揺動に応じて、ブレーキ圧を制御する。第二実施形態のアンチロック液圧制御装置970によっても、第一実施形態同様の効果が発揮される。また、ストッパ7を省略することができる。
第二実施形態の圧力制御部60は、図7に示すように、シリンダ部材81と、プランジャ82と、を備える。シリンダ部材81は、一方に底面81aを有し他方に開口部81bを有する有底円筒状の金属製シリンダと、シール部材と、で構成されている。具体的に、シリンダ部材81は、シリンダの一方側の部位である一端部811と、シリンダの中間部分である中間部812と、シリンダの他方側の部位である他端部813と、シールバルブ814と、カップリング815と、で構成されている。
一端部811は、一端に底面81aを有する有底円筒形状に形成されている。一端部811の内部を「一端室811a」と称する。一端部811の周面には、配管Yを介して一端室811aと車輪ブレーキ96とを連通させるブレーキ流路811bが形成されている。一端室811aからブレーキ流路811bを介して車輪ブレーキ96にブレーキ圧が導入される。
中間部812の内径は、一端部811の内径よりも大きい。中間部812の内部を「中間室812a」と称する。中間部812の周面には、配管Zを介して中間室812aとマスタシリンダ92とを連通させるマスタ流路812bが形成されている。中間室812aには、マスタ流路812bを介してマスタ圧が導入される。
他端部813の他端には、開口部81bが形成されている。開口部81bの内径は、一端部811の内径及び中間部812の内径より小さい。他端部813の内周面には、一周に亘り溝813aが形成されている。
シールバルブ814は、弾性体で形成された円筒状のシール部材である。シールバルブ814は、中間部812の一端側に配置されている。シールバルブ814は、主に、一端から他端に向けて拡径した外周部814aと、外周部814aの一端部から径方向内側に突出した内周部814bと、を備えている。シールバルブ814の内周部814bの内径は、一端部811の内径より小さい。シールバルブ814の外周部814aの一端は、一端部811の他端に当接している。
カップリング815は、弾性体で形成された円筒状のシール部材である。カップリング815は、他端部813の溝813aに配置されている。カップリング815の内径は、他端部813の内径より僅かに小さい。
プランジャ82は、シリンダ部材81内に配置され、シリンダ部材81内を軸方向(図7における上下方向)に摺動可能な円柱状の部材である。具体的に、プランジャ82は、第一円柱部821と、第二円柱部822と、第三円柱部823と、第四円柱部824と、で構成されている。
第一円柱部821は、初期位置において、一端室811a内に収容され、且つ一端面が底面81aに当接している。第一円柱部821の軸方向の長さは、一端室811aの軸方向の長さよりも小さい。第一円柱部821の径は、一端部811の内径より小さく、シールバルブ814の内周部814bの内径よりも大きい。第一円柱部821の他端は、初期位置において、シールバルブ814の内周部814bから所定量だけ離間している。
第二円柱部822は、第一円柱部821の他端に同軸的に固定されている。第二円柱部822は、初期位置において、一方側が一端室811aに配置され、他方側が中間室812aに配置されている。第二円柱部822の径は、第一円柱部821の径及びシールバルブ814の内周部814bの内径よりも小さい。第二円柱部822は、初期位置において、シールバルブ814から離間し且つシールバルブ814に対向して配置されている。
第三円柱部823は、第二円柱部822の他端に同軸的に固定されている。第三円柱部823の径は、組立時にシールバルブ814の位置を確定させるために、第二円柱部822及び第一円柱部821の径よりも大きくされている。第三円柱部823は、中間室812a内に配置されている。第三円柱部823の一端は、初期位置において、シールバルブ814の内周部814bから離間している。つまり、プランジャ82は、初期位置において、シールバルブ814に当接しておらず、一端室811aと中間室812aとは連通している。第三円柱部823の他端は、初期位置においてマスタ流路812bより一方側に位置している。
第四円柱部824は、第三円柱部823の他端に同軸的に固定されている。第四円柱部824の径は、第三円柱部823の径より小さく、第一円柱部821の径と同じである。第四円柱部824は、カップリング815の内径に対して僅かに締め代を有し、カップリング815に対して液密的に摺動可能となっている。第四円柱部824の他端は、開口部81bを介して外部に突出している。つまり、第四円柱部824の他端は、開口部81bから大気に解放されている。第四円柱部824の他端は、初期位置においてレバー2に当接している。このように、プランジャ82は、一端が一端室811aに収容され、他端が開口部81bから大気に解放され、中間部分が中間室812aに収容されたピストン部材である。
圧力制御部60の動作について説明する。レバー2は、初期位置において、ロッド65すなわちプランジャ82の他端に当接し、スプリング50の付勢力によりプランジャ82を一方側に押し込んでいる。プランジャ82の一端は、初期位置において底面81aに当接している。プランジャ82は、初期位置において、シールバルブ814と離間し、一端室811aと中間室812aとは連通している。
この開弁状態からブレーキ操作が行われると、マスタ圧Pmが上昇し、中間室812a及び一端室811aを介してブレーキ圧Pbも上昇する(Pm=Pb)。一端室811aでは、底面81aとプランジャ82の一端面との間にブレーキ液が入り込み、プランジャ82の一端面にブレーキ圧が働く。
プランジャ82の一端が受けるブレーキ圧と一端面の面積とを乗じて得られる液圧力F1が、プランジャ82の他端がレバー2から受ける外力F2よりも小さい場合は、第一円柱部821とシールバルブ814とは離間しており、一端室811aと中間室812aは連通状態となる。つまり、圧力制御部60は開弁状態であり、マスタ圧Pmとブレーキ圧Pbは等しくなる。プランジャ82の他端が受ける外力は、スプリング50の付勢力から、レバー2に働く周方向後退側の推力を引いた値に相当する。
プランジャ82の一端が受ける液圧力F1とプランジャ82の他端が受ける外力F2との差がプランジャ82の摺動抵抗を超えると、プランジャ82が他方側に変位し、第一円柱部821とシールバルブ814とが当接し、一端室811aと中間室812aとが遮断され、ブレーキ流路811bとマスタ流路812bとが遮断される。この閉弁状態では、ブレーキ圧は、レバー2に働く推力で定まる外力F2に応じた上限値で維持される。液圧力F1と外力F2が等しくなった際のブレーキ圧は、折点液圧Psとも称される。
プランジャ82に働く摺動抵抗を無視すれば、第二実施形態の圧力制御部60では、閉弁状態においてブレーキ圧は、F1=F2となる液圧(上限値)に定まる。外力F2は、レバー2に働く力に応じて変化する。したがって、上限値は、レバー2に発生する推力に応じて決定される。
また、ブレーキ圧が上限値に達した後で、レバー2に生じる推力が大きくなり外力F2が減少した場合、第一円柱部821はシールバルブ814に入り込んでさらに他端側に移動する。これにより、一端室811aの容積が拡大してブレーキ圧が減少し、ブレーキ圧(上限値)が外力F2に比例した値に保たれる。つまり、上限値は、レバー2の推力に応じて変更される。このように、圧力制御部60が閉弁した状態では、F1とF2はつり合っている。
また、レバー2に生じる推力が小さくなり外力F2がF1よりも大きくなると、プランジャ82は初期位置に戻り、マスタ流路812bとブレーキ流路811bは連通する。シールバルブ814は、閉弁状態においては、一端室811aから中間室812aへのブレーキ液の流入のみを許容する構成となっている。この構成では、ポンプは省略可能である。このように、圧力制御部60は、プランジャ82(ロッド65及びスプール63に相当)が他端側に移動することで作動するものでも良い。
<その他>
本発明は上記実施形態に限られない。圧力制御部6、60は、レバー2の周方向への揺動に応じてブレーキ圧を制御するものであれば良い。また、圧力制御部6、60の開閉弁の構造は、ボール弁66等に限らず、レバー2の揺動に応じて駆動(開閉)されるものであれば良い。また、アンチロック液圧制御装置97、970は、車軸941の回転により駆動されてタンク69からマスタシリンダ92側にブレーキ液を還流させるポンプを備えても良い。ただし、二輪車、特に自転車ではABS制御が長時間継続される可能性は低いため、ポンプが設けられなくても十分に機能する。
1:大歯車、 2:レバー、 3:小歯車、 4:フライホイール、
5、50:スプリング(付勢部材)、 6、60:圧力制御部、
61:シリンダブロック、 62:スリーブ、 63:スプール、 64:弁部材、
65:ロッド、 66:ボール弁、 67、68:スプリング、 69:タンク、
7:ストッパ、 91:ブレーキ操作部材、 92:マスタシリンダ、
93:前輪(車輪)、 94:フォーク、 95:ハブ、 96:車輪ブレーキ、
97、970:アンチロック液圧制御装置

Claims (2)

  1. マスタシリンダと車輪ブレーキとの間に挿入される二輪車用のアンチロック液圧制御装置であって、
    車軸に回転可能に固定され車輪と一体に回転する大歯車と、
    前記車軸を中心軸として揺動可能なレバーと、
    前記レバーの一端部に回転自在に固定され且つ前記大歯車と噛み合う小歯車と、
    前記小歯車と一体に回転するフライホイールと、
    前記レバーを一方向に付勢する付勢部材と、
    前記レバーが前記付勢部材の付勢力に抗して揺動した際、前記レバーの揺動に応じて前記車輪ブレーキの圧力を前記マスタシリンダの圧力よりも低くする圧力制御部と、
    を備えるアンチロック液圧制御装置。
  2. 前記大歯車は、ブレーキディスクを兼ねる請求項1に記載のアンチロック液圧制御装置。
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