JP2003301922A - 車両の発進機構 - Google Patents

車両の発進機構

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JP2003301922A
JP2003301922A JP2002109749A JP2002109749A JP2003301922A JP 2003301922 A JP2003301922 A JP 2003301922A JP 2002109749 A JP2002109749 A JP 2002109749A JP 2002109749 A JP2002109749 A JP 2002109749A JP 2003301922 A JP2003301922 A JP 2003301922A
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piston
rotating body
clutch
wheels
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JP2002109749A
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Yoshikazu Takahashi
良和 高橋
Kazuhiro Takahashi
和浩 高橋
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KYOEI DENSETSU KK
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KYOEI DENSETSU KK
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    • Y02T10/62Hybrid vehicles

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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決課題】車両の発進加速を、弾性手段を有するシリ
ンダ・ピストン機構又は油圧モータにより行い、発進時
の消費エネルギを抑制することにより、長い走行距離を
有する車両を提供することにある。 【解決手段】車両の車輪に対して設けられたクラッチ機
構と、該クラッチ機構に対して動作的に連結されるとと
もにタンクに連通した所定のポンプと、シリンダ及びピ
ストンを有し、前記ポンプ及び前記タンクに連通し、か
つ該ピストンが弾性手段により常時一方向に付勢される
所定のシリンダ・ピストン機構と、前記車輪と前記ピス
トンとの間に設けられた所定のワンウェイクラッチと、
を具備し、前記車両の走行時に、ブレーキ操作に連動し
て前記弾性手段に弾性エネルギが蓄積され、その発進時
に、アクセル操作に連動して、前記弾性手段の蓄積した
弾性エネルギにより前記ワンウェイクラッチを介して前
記車輪を急速に回転駆動して車両を発進させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の発進機構に関
し、特に、その発進時に車両を加速させるための弾性手
段を有するシリンダ・ピストン機構を具備する車両の発
進機構に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車又は自動二輪車等の車両は、その
発進時に多大な駆動力を必要とし、発進時の消費エネル
ギは多大である。
【0003】従って、車両の全体の消費エネルギを抑制
し、車両の走行距離を伸ばすためには、この発進時の消
費エネルギをいかに抑制するかが重要である。特に、電
池駆動型のモータにより回転駆動されて走行する電池駆
動型の前記車両やモータと内燃機関を組み合わせたいわ
ゆるハイブリット型の車両においては、内燃機関により
走行する車両と比較して全体の走行距離が短いため、こ
の問題が顕著である。
【0004】従来は、この問題を軽減するために、車両
の制動時に発生する摩擦エネルギを電気エネルギに変換
してバッテリに回収することにより、全体の走行距離を
伸ばしてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
摩擦エネルギを電気エネルギに変換する際の変換効率
(回収効率)は高くなく、又、モータの駆動力により発
進加速を得るためには多大な電気エネルギを消費し、全
体の走行距離はさほど伸びないという問題があった。
【0006】従って、本発明の目的は、車両の発進加速
を、弾性手段を有するシリンダ・ピストン機構又は流体
圧モータにより行い発進時の消費エネルギを抑制するこ
とにより、長い走行距離を有する車両を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る車両の発進機構は、車輪の制動時にブレ
ーキ操作により車輪にブレーキ力を付与する車両の発進
機構において、車両(10)の車輪(11、12)に対
して設けられたクラッチ機構(22、23、24、2
5、42)と、該クラッチ機構(22、23、24、2
5、42)に対して動作的に連結され、かつ流体を貯蔵
するタンク(28)に連通したポンプ(21)と、シリ
ンダ(31)及びピストン(32)を有し、該シリンダ
(31)のシリンダ室(31a)が前記ポンプ(21)
に連通しかつ前記タンク(28)に対して所定弁(5
1)を介して連通し、かつ該ピストン(32)が弾性手
段(33)により常時一方向に付勢される、シリンダ・
ピストン機構(30)と、前記車輪(12、11)と前
記ピストン(32)との間に設けられ、該ピストンの一
方向移動のときのみオンとなって該車輪を回転駆動する
ワンウェイクラッチ(36)と、を具備し、前記車両
(10)の走行時に、ブレーキ(13)操作に連動して
前記クラッチ機構(22、23、24、25、42)が
オンになることにより、前記ポンプ(21)が該クラッ
チ機構を介して前記車輪(11、12)により連動駆動
され、これにより前記タンク(28)からの流体が前記
シリンダ・ピストン機構(30)の前記シリンダ室(3
1a)内へ導入され、もって、前記ピストン(32)を
前記弾性手段(33)の付勢力に抗して前記一方向とは
反対の方向へ移動させて該弾性手段(33)に弾性エネ
ルギを蓄積せしめ、前記車両(10)の発進時に、アク
セル(14)操作に連動して、前記所定弁(51)を開
弁させて前記シリンダ室(31a)内の流体を前記タン
ク(28)に対して戻り得る連通状態にすることによ
り、前記ピストン(32)が前記弾性手段(33)の蓄
積した弾性エネルギにより急速に前記一方向へ復帰移動
し、前記ワンウェイクラッチ(36)を介して前記車輪
(12、11)を急速に回転駆動して車両(10)を発
進させる、ことを特徴とする。
【0008】好ましくは、前記ワンウェイクラッチ(3
6)は第一回転体(36a、36b)と該第一回転体に
対して同軸に設けられた第二回転体(36b、36a)
とを具備し、前記車輪(12、11)は回転軸(12
b、11b)を有し、前記ピストン(32)は該ピスト
ンに一体成形若しくは一体固着された第一係合部(3
4)を有し、前記車輪の回転軸(12b、11b)は前
記ワンウェイクラッチの第一回転体(36a、36b)
に対して同軸一体回転するよう取り付けられ、該第一係
合部(34)と係合可能な第二係合部(35)は該ワン
ウェイクラッチの第二回転体(36b、36a)に対し
て同軸一体回転するよう取り付けられる。
【0009】好ましくは、前記ワンウェイクラッチ(3
6)は第一回転体(36a、36b)と該第一回転体に
対して同軸に設けられた第二回転体(36b、36a)
とを具備し、前記車輪(12、11)は回転軸(12
b、11b)を有し、前記ピストン(32)は、その一
の端部を前記ピストン(32)に取り付けられかつその
他端部を前記第二回転体(36b,36a)に取り付け
られ該第二回転体に対して一の回転方向へ巻き付き可能
な連結部(34’)を有し、前記車輪の回転軸(12
b、11b)は前記ワンウェイクラッチの第一回転体
(36a、36b)に対して同軸一体回転するよう取り
付けられ、前記ワンウェイクラッチの第二回転体(36
b、36a)は、前記弾性体(33’)により常時前記
一の回転方向とは反対の他の回転方向へ付勢されてい
る。
【0010】好ましくは、前記弾性手段(33)はバネ
であることを特徴とする。好ましくは、前記弾性手段
(33)は、流体圧の第二のシリンダ・ピストン機構で
ある。
【0011】好ましくは、前記ポンプ(21)と前記シ
リンダ室(31a)との間のラインに安全バルブ(6
1)が設けられている。上記目的を達成するための本発
明に係る車両の発進機構は、車輪の制動時にブレーキ操
作により車輪にブレーキ力を付与する車両の発進機構に
おいて、車両(10)の車輪(11、12)に対して設
けられたクラッチ機構(22、23、24、25、4
2)と、該クラッチ機構(22、23、24、25、4
2)に対して動作的に連結され、かつ流体を貯蔵するタ
ンク(28)に連通したポンプ(21)と、安全バルブ
(61)を介して前記ポンプ(21)に連通しかつ流体
圧モータに対して所定弁(51)を介して連通するアキ
ュムレータ(91)と、前記アキュムレータ(91)と
前記タンク(28)との間に設けられ、回転軸(101
b)を有する前記流体圧モータ(101)と、前記流体
圧モータ(101)と前記車輪(12、11)との間に
設けられ、該流体圧モータの回転軸(101b)の一方
向回転のときのみオンとなって該車輪(12、11)を
回転駆動するワンウェイクラッチ(36)と、を具備
し、前記車両(10)の走行時に、ブレーキ(13)操
作に連動して前記クラッチ機構(22、23、24、2
5、42)がオンになることにより、前記ポンプ(2
1)が該クラッチ機構を介して前記車輪(11、12)
により連動駆動され、これにより前記タンク(28)か
らの流体が前記アキュムレータ(91)へ導入され、も
って、該アキュムレータ(91)にエネルギを蓄積せし
め、前記車両(10)の発進時に、アクセル(14)操
作に連動して、前記所定弁(51)を開弁させて前記ア
キュムレータ(91)内の流体を前記流体圧モータ(1
01)に対して流れ得る連通状態にすることにより、該
流体圧モータの回転軸(101b)は急速回転し、前記
ワンウェイクラッチ(36)を介して前記車輪(12、
11)を急速に回転駆動して車両(10)を発進させ
る、ことを特徴とする。
【0012】好ましくは、前記ワンウェイクラッチ(3
6)は第一回転体(36a、36b)と該第一回転体に
対して同軸に設けられた第二回転体(36b、36a)
とを具備し、前記車輪(12、11)は回転軸(12
b、11b)を有し、前記流体圧モータ(101)は回
転軸(101b)を有し、該車輪の回転軸(12b、1
1b)は該ワンウェイクラッチの第一回転体(36a、
36b)に対して同軸一体回転するよう取り付けられ、
該流体圧モータ(101)の回転軸(101b)は該ワ
ンウェイクラッチの第二回転体(36b、36a)に対
して同軸一体回転するよう取り付けられる。
【0013】好ましくは、前記ポンプ(21)と前記ア
キュムレータ(91)との間のラインに安全バルブ(6
1)が設けられている。好ましくは、前記流体が、油又
はガスである。
【0014】好ましくは、前記クラッチ機構(22、2
3、24、25、42)はクラッチ回転体(23)を有
し、該クラッチ機構のオン時に該クラッチ回転体(2
3)が、前記車輪(11、12)と一体回転するブレー
キ回転体(41)に対して一体回転可能に接続される。
【0015】好ましくは、前記車輪(11、12)が通
常走行時は電池駆動型のモータにより又は電池駆動型の
モータ及び内燃機関の組み合わせにより回転駆動されて
走行する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、2つの実施形態により本
発明に係る車両の発進機構を説明する。これらの実施形
態は、自動車(四輪)に基づいて説明するが、本発明
は、自動二輪車又は自動三輪車、鉄道車両等のその他の
車両においても適用可能であり、本発明はこれらの実施
形態に限定されることがないことは勿論である。 I.第一の実施形態 本発明に係る車両の発進機構を図1乃至図10を使用し
て説明する。
【0017】図1は、本発明の車両の発進機構の一実施
例を適用した自動車10の側面図である。図2は、図1
の自動車10の制動時の構成図である。図3は、図2
中、G部の拡大図である。図4は、図1の自動車10の
発進時の構成図である。図5は、図4中、H部の拡大図
である。
【0018】自動車10は、一対の前輪11、一対の後
輪12、ブレーキペダル13、アクセルペダル14を具
備する。自動車10の運転者が、アクセルペダル14を
踏むことにより、後輪12が電池駆動型のモータ(図示
せず)により駆動(後輪駆動)されて走行する。その運
転者が、ブレーキペダル13を踏むことにより、ブレー
キパッド43aがブレーキ回転体41を両側から挟持的
に押圧し(図3参照)、ブレーキパッド43aとブレー
キ回転体41との間に発生する摩擦力により自動車10
を制動することができる。なお、自動車10は、その車
輪(11、12)が通常走行時は内燃機関(エンジン)
により又は電池駆動型のモータ及び内燃機関の組み合わ
せにより回転駆動されて走行してもよいし、前輪駆動又
は4輪駆動でもよい。
【0019】ポンプ21は、回転軸22及びクラッチ回
転体23(図3、5参照)を介して、前輪11に対して
連結される。ポンプ21は、流体を貯蔵するタンク28
と連通する。好ましくは、この流体は、油であり、ポン
プ21は油圧ポンプである。なお、流体は空気等のガス
(気体)でもよい。この場合は、ポンプ21は、コンプ
レッサーとして機能する。
【0020】シリンダ・ピストン機構30は、シリンダ
31及びピストン32(ピストン部32a、ロッド部3
2b、コイルバネ係止部32c)からなり一対のシリン
ダ室31a、31bのうち一のシリンダ室31aは一方
では安全バルブ61を介してポンプ21に接続され、か
つ他方ではバルブ51を介してタンク28に連通され
る。なお安全バルブ61は更にタンク28にも連通され
る。
【0021】ポンプ21は、公知の油圧ポンプであり、
その両端に夫々パイプ71、72が取り付けられる。回
転軸22は、小径部22a、突起部22b、大径部22
cを有し、小径部22aにはキー22dが設けられる
(図3、5参照)。
【0022】クラッチ回転体23は、回転軸22に対し
て取り付けられる(図3、5参照)。クラッチ回転体2
3は、中央貫通孔23aが、回転軸22の小径部22a
に遊嵌されキー22dにより、回転軸22と一体回転可
能にかつ回転軸22の軸方向に相対的に移動可能に取り
付けられる。
【0023】回転軸保持部24は、クラッチ回転体23
に設けられる(図3、5参照)。回転軸保持部24は、
中空部24a、貫通孔24cを有する。回転軸22の大
径部22cは、貫通孔24cに遊嵌され、クラッチ回転
体23は、回転軸22に対して回転軸22の軸方向に移
動可能である。
【0024】板バネ25は、回転軸突起部22bと回転
軸保持部中空部24aの頂部壁部24bとの間に、少な
くとも1以上配設される(図5参照)。クラッチ回転体
23は、板バネ25の付勢力により矢印C方向に付勢さ
れ、ブレーキ回転体41とは接触しない(図5参照)。
なお、板バネ25は、コイルバネ、ゴム等のその他の弾
性体でもよい。
【0025】ブレーキ回転体41は、前輪11の回転軸
11bに対して一体回転可能に取り付けられ、前輪11
(ホイール11a)と一体回転する(図2乃至5参
照)。なお、本実施形態においては、ブレーキ回転体4
1はブレーキディスクであるが、ブレーキドラム等のそ
の他の回転体でもよい。
【0026】第一キャリパ42は、第一パッド42aを
備え、第一パッド42aが伸長した際にクラッチ回転体
23に当接するように位置決めされる(図3、5参
照)。第一パッド42aは、運転者がブレーキペダル1
3を踏まない場合には収縮しているが(図5参照)、運
転者がブレーキペダル13を踏むことに連動して伸長
し、クラッチ回転体23をブレーキ回転体41に押し付
ける(図3参照)。この押圧力は、クラッチ回転体23
とブレーキ回転体41とがその摩擦力により略一体回転
する程度の強さである。ブレーキペダル13と第一パッ
ド42aの伸長との連動は、油圧により行われるが、勿
論、ワイヤを利用した他の機械的な機構やモータを利用
した電気的なその他の機構により行われてもよい。
【0027】第二キャリパ43は、一対の第二パッド4
3aを備え、第二パッド43aが伸長した際にブレーキ
回転体41の両面に第二パッド43aを押し付けるよう
に位置決めされる(図3、5参照)。第二パッド43a
は、運転者がブレーキペダル13を踏まない場合には収
縮しているが(図5参照)、運転者がブレーキペダル1
3を踏むことに連動して伸長しブレーキ回転体41をそ
の両面から押し付け、その摩擦力によりブレーキ回転体
41の回転を制動する(図3参照)。ブレーキ回転体4
1が制動されることにより前輪11も制動され、ひいて
は自動車10の走行も制動される。
【0028】タンク28は、流体を貯蔵する。タンク2
8は、自動車10の底部中程に設けられがその他の位置
に設けられてもよい。ピニオンギア35は、ワンウェイ
クラッチ36を介して後輪12の回転軸12bに対して
取り付けられる(図2、4、6参照)。回転軸12b
は、ホイール12aに対して取り付けられる(図2、
4、6参照)。
【0029】ワンウェイクラッチ36は、図7に示す如
く、同軸的に配した円筒状の内輪36a及び外輪36b
間に鋼球36cを配した公知のものであり、外輪36b
が内輪36aに対して同図中E方向に回転する場合に
は、鋼球36cが外輪36bカム面のかみ合い位置に進
み、外輪36bカム面と内輪36aとのくさび作用で内
輪36aをE方向に回転させる、すなわち、両輪36
a、bが同方向に一体に回転する(クラッチ・オン状
態)。一方、内輪36aが外輪36bに対して同図中E
方向に回転する場合(すなわち相対的に外輪36bが内
輪36aに対して同図中F方向に回転する場合)には、
外輪36bは停止したままで、内輪36aのみが回転す
る(クラッチ・オフ状態)。すなわち、この場合には、
内輪36aと外輪36bとはワンウェイクラッチ36の
作用により一体回転することはない。なお、ワンウェイ
クラッチ36は、例えば内輪の外周につめ車が設けられ
てあって外輪の内周に内輪のつめ車とかみ合うつめが設
けられているような公知の他の構造(図示せず)でもよ
い。
【0030】シリンダ・ピストン機構30は、シリンダ
31とピストン32とを具備する(図2、4参照)。ピ
ストン32は、ピストン部32a、ロッド部32b、及
びバネ係止部32cを具備する(図2、4参照)。シリ
ンダ31は、シリンダ室31a、31bを具備する(図
2、4参照)。ここで、シリンダ室31aには、パイプ
72b及び73aが接続される(図2、4参照)。
【0031】コイルバネ33は、図2、4の如く、シリ
ンダ31とピストンのバネ係止部32cとの間に介装さ
れ、ピストン32を常時同図中A方向へ付勢する。な
お、コイルバネ33は、板バネ、ゴム等のその他の弾性
手段でもよい。
【0032】ラック34は、ピニオンギア35に嵌合す
べく位置決めされる。ラック34は、図2、4の如く、
ピストン32のロッド部32bの先端に一体形成され
(又は別部材として一体固着してもよい)、ピストン3
2の移動にともない同図中A、B方向に移動する。
【0033】従って、ラック34が取り付けられるピス
トン32、シリンダ31は、ラック34がピニオンギア
35に嵌合すべく位置決めされる。なお、ピストン32
の直線運動を後輪回転軸12bの回転運動へ変換する手
段として、前記ラック・ピニオン34、35は、チェー
ン・スプロケット機構(図示せず)等の他の公知の動力
変換機構により代替されてもよい。
【0034】バルブ51は、公知のバルブであり、パイ
プ73aと73bとの間に配される(図2、4参照)。
バルブ51は、自動車10の運転者がアクセルペダル1
4を踏むことに連動して開弁される(図4参照)が、そ
の運転者がアクセルペダル14を踏まないときは閉弁さ
れている(図2参照)。なお、アクセルペダル14とバ
ルブ51との連動は、ワイヤを利用した機械的な機構に
より行われるが、勿論、油圧を利用した他の機械的な機
構やモータを利用した電気的なその他の機構により行わ
れてもよい。勿論、バルブ51に代替して、三方バルブ
52を使用してもよい。三方バルブ52は、ポンプ2
1、タンク28及びシリンダ室31aに接続され、自動
車10の運転者がアクセルペダル14を踏まないときは
ポンプ21からシリンダ室31aへの流れのみを許容す
るが、その運転者がアクセルペダル14を踏むことに連
動して今度はシリンダ室31aからタンク28への流れ
のみを許容する(図8参照)。
【0035】安全バルブ61は、公知のリリーフ機能付
きの一方向バルブであり、ポンプ21からシリンダ室3
1aへの流れのみを許容し、かつシリンダ室31a内の
油圧が一定以上となったときリリーフ機能が働いてポン
プ21からの油をタンク28へ逃がす。
【0036】次に、本発明の車両の発進機構の作用につ
いて説明する。先ず、自動車10の制動時について説明
する(図2、3参照)。自動車10が通常走行中におい
ては、図4、5に示す如く、第二パッド43aとブレー
キ回転体41、第一パッド42aとクラッチ回転体2
3、クラッチ回転体23とブレーキ回転体41とは、夫
々離間している。
【0037】この状態で、次に自動車10を制動すると
き、自動車10の運転者がブレーキペダル13を踏む
と、図3に示す如く、第一パッド42aが伸長しクラッ
チ回転体23をブレーキ回転体41に押し付けられて一
体回転状態となる(図3参照)。ここで、ブレーキ回転
体41は、その運転者がブレーキペダル13を踏むこと
に連動して、その両面を第二パッド43aにより押圧さ
れその回転は制動されるが、自動車10がその慣性力に
よりしばらく走行するため、ブレーキ回転体41もしば
らく回転駆動される。
【0038】従って、クラッチ回転体23もしばらくブ
レーキ回転体41と一体回転し、その回転が回転軸22
に伝導されポンプ21を駆動する(図2参照)。なお、
クラッチ回転体23は、第一パッド42aが伸長による
のではなく、ブレーキペダル13に連動して、ワイヤ、
ギア等の利用した機械的機構、又はモータを利用した電
気的機構等のその他の機構によりブレーキ回転体41に
当接してもよい。又、クラッチ回転体23は、ブレーキ
回転体41ではなく、タイヤ11、ホイール11a、又
はその他のタイヤ11と一体回転する回転体と当接し自
動車10の前記慣性走行の間回転してもよい。
【0039】ポンプ21の駆動により、タンク28から
油を吸い上げパイプ72aを介して図2中矢印方向へ油
を流す。この油は、パイプ72bを経由してシリンダ室
31aに導入される(図2参照)。自動車10の制動時
においては、この運転者はアクセルペダル14を踏むこ
とはないため、バルブ51は閉弁されている。従って、
ピストン32は、シリンダ室31aに導入された油の油
圧により、コイルバネ33の付勢力に抗して図2中B方
向へ押し下げられる(図2参照)。この際、コイルバネ
33に弾性エネルギが蓄積される。
【0040】ピストン部32aが図2中矢印B方向の限
界位置まで移動して停止すると、シリンダ室31a内の
油圧は所定圧に達する(図2参照)。その時点で、安全
バルブ61のリリーフが作動して、この油は図2中パイ
プ74を経由してタンク28に逃がされる(図2参
照)。
【0041】ラック34はピストン32の図2中B方向
への移動にともない同B方向へ移動し、ラック34と係
合するピニオンギア35は同図中F方向へ回転する(図
2参照)。しかし、この場合は、ワンウェイクラッチ3
6はクラッチ・オフ状態であるため、このピニオンギア
35のF方向への回転が自動車10の後輪回転軸12b
に回転駆動力を与えることはない(図7参照)。
【0042】続いて、自動車10の発進時について説明
する(図4、5参照)。自動車10の発進するときに自
動車10の運転者がアクセルペダル14を踏むと、バル
ブ51は開弁し(図5参照)、シリンダ室31aに導入
された油が図4中パイプ73及びバルブ51を経由して
タンク28へ流れ込むとともに、ピストン32は、コイ
ルバネ33による図4中A方向への付勢力により、同A
方向へ急速に復帰移動する(図4参照)。
【0043】ラック34は、ピストン32のこの急速移
動にともない図4中A方向へ急速に移動し、ラック34
と係合するピニオンギア35は同図中E方向へ急速回転
する(図4参照)。この場合は、ワンウェイクラッチ3
6はクラッチ・オン状態であり、後輪回転軸12bはピ
ニオンギア35と一体回転し図7中E方向へ急速回転す
る(図7参照)。従って、自動車10は、この後輪回転
軸12bの急速回転により発進時の加速力を得ることが
できる。
【0044】その後、ピストン32のこの復帰移動が完
了すると、ラック34及びピニオンギア35は停止する
(図4参照)が、引き続いて、後輪回転軸12bは今度
はモータ、内燃機関等の主動力により回転駆動されるた
め、自動車10は停止することなく走行可能である。こ
の場合は、クラッチ36はクラッチ・オフ状態にあるの
で、後輪回転軸12bは、ピニオンギア35の回転停止
に拘束されずに回転可能である(図7参照)。
【0045】一方、自動車10の発進時には、自動車1
0の運転者がブレーキペダル13を踏むことはないた
め、第一パッド42aは収縮した状態にある(図5参
照)。クラッチ回転体23は、板バネ25の付勢力によ
り図5中C方向へ移動し、ブレーキ回転体41との接触
が解除されるため回転軸22は回転しない(図4、5参
照)。そうすると、ポンプ21も機能せず、油が図2中
矢印方向に流れることはない(図4参照)。
【0046】実際の、自動車10の走行時においては、
上述した自動車10の制動、発進が繰り返されることに
なる。なお、前記弾性手段の種類及び配置場所、前記蓄
積された弾性エネルギを後輪12に回転エネルギとして
伝達する手段としては、勿論様々なバリエーションが考
えられる。
【0047】例えば、図9に示す如く、ワイヤ34’を
ピストン端部32cとワンウェイクラッチの外輪36b
との間に張り、渦巻き板バネ(ゼンマイバネ)等の弾性
手段33’の両端を夫々外輪36b及び固定壁81に固
着して常時同図中E方向に付勢(この場合は、ピストン
32は、外輪36b及びワイヤ34’を介して弾性手段
33’により常時同図中A方向に付勢されることにな
る)する機構を採用してもよい。この場合は、自動車1
0の制動時に、ピストン32が同図中B方向へ移動しワ
イヤ34’及び外輪36bを介して弾性手段33’に弾
性エネルギが蓄積される。自動車10の発進時に、弾性
手段33’に蓄積された弾性エネルギがワンウェイクラ
ッチ36を介して回転エネルギに変換され後輪回転軸1
2bに伝達される。
【0048】又、上記実施形態においては、シリンダ・
ピストン機構30の一のシリンダ室31aにポンプ21
からの油を導入・排出したが、図10に示す如く、他の
シリンダ室31bにポンプ21からの油を導入・排出
し、弾性手段33をピストン端部32cと固定壁82と
の間に介装する機構を採用してもよい。 II.第二の実施形態 次に図11乃至14により、本発明の車両の発進機構の
第二の実施形態について説明する。図11乃至14中、
図1、2、4、7(第一の実施形態)と同一の部分には
同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】第二の実施形態は、自動車10の制動時に
クラッチ機構22、23、24、25、42及びポンプ
22により回収されたエネルギを、第一の実施形態中の
弾性手段33に代えてアキュムレータ91により蓄積す
るとともに、そのエネルギにより、第一の実施形態中の
シリンダ・ピストン機構30に代えて油圧モータ101
を回転駆動し、もって発進時に後輪回転軸12bを回転
駆動するものである。
【0050】アキュムレータ91は、パイプ21と油圧
モータ101との間に接続され、自動車10の制動時に
ポンプ21から油が送り込まれることによりエネルギを
蓄積する(図12、13参照)。アキュムレータ91
は、公知のアキュムレータであり、バネ負荷ピストン
式、油及びガスを有するプラダー式、空気だめ式、重力
式等様々な構造のアキュムレータを採用してもよい。こ
こで、安全性確保のため、一方向バルブ62を安全バル
ブ61とアキュムレータ91との間に更に配設してもよ
い(図12、13参照)。
【0051】油圧モータ101は、公知の油圧モータで
あり、アキュムレータ91から送り込まれた油の油圧に
より回転軸101bを回転駆動させる(図12、13、
14参照)。この油はその後パイプ73を経由してタン
ク28へ流れ込む(図12、13参照)。
【0052】油圧モータ101の回転軸101bは、ワ
ンウェイクラッチ36の外輪36bに対して取り付けら
れ、後輪回転軸12bがワンウェイクラッチ36の内輪
36aに対して取り付けられる(図14参照)。油圧モ
ータ101の回転軸101bが、図13中E方向へ回転
するときはクラッチ・オン状態となり、後輪回転軸12
bも回転軸101bと一体回転するが、油圧モータ10
1の回転軸101bが、同図中F方向へ回転するときは
クラッチ・オフ状態となり、後輪回転軸12bは回転軸
101bとは一体回転しないのは第一の実施形態と同様
である。
【0053】次に、本発明の車両の発進機構の作用につ
いて説明する。先ず、自動車10の制動時について説明
する(図12、3参照)。自動車10を制動するとき、
自動車10の運転者がブレーキペダル13を踏むと、ク
ラッチ機構(22、23、24、25、42)の作用に
より自動車10の慣性走行による前輪11の回転エネル
ギが回収される。この回収されたエネルギにより、ポン
プ21が駆動され、タンク28から油を吸い上げパイプ
72aを介して図12中矢印方向へ油を流す(図12参
照)。
【0054】この油は、パイプ72bを経由してアキュ
ムレータ91に導入され、アキュムレータ91にエネル
ギが蓄積される(図12参照)。自動車10の制動時に
おいては、この運転者はアクセルペダル14を踏むこと
はないため、バルブ51は閉弁されている。従って、ア
キュムレータ91に導入された油が逃げることなく、こ
の蓄積エネルギは蓄積されたままである(図12参
照)。
【0055】アキュムレータ91に導入された油が、ア
キュムレータ91の許容容量に達すると、安全バルブ6
1のリリーフが作動して、この油は図2中パイプ74を
経由してタンク28に逃がされる(図12参照)。
【0056】続いて、自動車10の発進時について説明
する(図13、5参照)。自動車10の発進するときに
自動車10の運転者がアクセルペダル14を踏むと、バ
ルブ51は開弁し(図13参照)、アキュムレータ91
から圧油が放出され、その圧油が油圧モータ101に急
速に流れ込む(図13参照)。この圧油により、油圧モ
ータ101の回転軸101bが図13中E方向へ急速回
転する(図14参照)。この場合は、ワンウェイクラッ
チ36はクラッチ・オン状態であり、後輪回転軸12b
は回転軸101bと一体回転し図14中E方向へ急速回
転する(図14参照)。従って、自動車10は、この後
輪回転軸12bの急速回転により発進時の加速力を得る
ことができる(図11、13参照)。
【0057】その後、アキュムレータ91の圧油放出が
完了すると、油圧モータ101の回転軸101bの回転
は停止するが、引き続いて、後輪回転軸12bは今度は
モータ、内燃機関等の主動力により回転駆動されるた
め、自動車10は停止することなく走行可能である。こ
の場合は、クラッチ36はクラッチ・オフ状態にあるの
で、後輪回転軸12bは、油圧モータ101の回転軸1
01bの回転停止に拘束されずに回転可能である(図1
4参照)。
【0058】一方、自動車10の発進時には、自動車1
0の運転者がブレーキペダル13を踏むことはないた
め、ポンプ21も機能せず、油が図12中矢印方向に流
れることはない(図13参照)。 III.自動車10の後退発進について適用する場合に
は、例えば後輪回転軸12bとワンウェイクラッチ36
の内輪36aとの間に公知の変速機(図示せず)を配設
し、自動車10の後退発進時には、その変速機の作用に
より、ワンウェイクラッチ36の内輪36aの回転がそ
の回転とは逆方向の回転として後輪回転軸12bに伝達
されるようにしてもよい。
【0059】又、上記実施形態においては、ポンプ21
は前輪11に対して連結され、シリンダ・ピストン機構
30又は油圧モータ101は後輪12に対して連結され
ているが、ポンプ21は後輪12に対して連結され、シ
リンダ・ピストン機構30又は油圧モータ101は前輪
11に対して連結されてもよい。又、ポンプ21及びシ
リンダ・ピストン機構30又は油圧モータ101は、前
輪11又は後輪12の少なくともいずれか一方に対して
連結されてもよい。
【0060】
【本発明の効果】1.本発明の車両の発進機構によれ
ば、車両の車輪に対して設けられたクラッチ機構と、該
クラッチ機構に対して動作的に連結されるとともにタン
クに連通した所定のポンプと、シリンダ及びピストンを
有し、前記ポンプ及び前記タンクに連通し、かつ該ピス
トンが弾性手段により常時一方向に付勢される所定のシ
リンダ・ピストン機構と、前記車輪と前記ピストンとの
間に設けられた所定のワンウェイクラッチと、を具備
し、前記車両の走行時に、ブレーキ操作に連動して前記
弾性手段に弾性エネルギが蓄積され、その発進時に、ア
クセル操作に連動して、前記弾性手段の蓄積した弾性エ
ネルギにより前記ワンウェイクラッチを介して前記車輪
を急速に回転駆動して車両を発進させる、ため次の利点
を有する。
【0061】車両は、その発進時に多大な駆動力を必要
とし発進時の消費エネルギは多大であったが、車両の制
動時に弾性手段に蓄積された弾性エネルギにより車両の
発進加速を得るため、車両の全体の消費エネルギを抑制
しその走行可能距離を伸ばすことができる。
【0062】一般に、摩擦エネルギを弾性手段により弾
性エネルギに変換(回収)する効率は高いため、全体の
エネルギ効率がよい。一般に、弾性手段がその蓄積され
た弾性エネルギを発散する場合には、短時間に行われる
ため、短時間に相当程度のエネルギを得ることができ
る。従って、車両発進時に加速させる用途に適してい
る。
【0063】又、本発明の車両の発進機構は、有害廃棄
物を排出することもないため、環境に悪影響を与えるこ
とがない。更に、本発明の車両の発進機構は、簡易な機
械的な構造であるので、製造コストを上昇させることな
く、その走行可能距離を伸ばすことができる。
【0064】2.シリンダ・ピストン機構のピストンの
復帰移動を車輪の回転移動に変換する機構として、ピス
トンに設けられた第一係合部及びワンウェイクラッチの
第二回転体に対して同軸一体回転するよう取り付けら
れ、第一係合部と係合可能な第二係合部(例えば、ラッ
ク・ピニオン機構)を採用すると、斯かる変換を簡易に
実施でき製造コストを低減し得る。
【0065】3.シリンダ・ピストン機構のピストンの
復帰移動を車輪の回転移動に変換する手段として、その
両端を夫々ピストン、ワンウェイクラッチに取り付けら
れワンウェイクラッチに一の回転方向へ巻き付き可能な
連結部及びワンウェイクラッチの第二回転体に取り付け
られ、その第二回転体を前記一の方向とは反対の他の回
転方向へ常時付勢する弾性手段(例えば、ワイヤ及び渦
巻き板バネ)を採用すると、斯かる変換を簡易に実施で
き製造コストを低減し得る。
【0066】4.弾性手段としてバネを採用すると、バ
ネは慣用技術であり市場で安価に入手できるため、更に
製造コストを低減し得る。 5.弾性手段として、流体圧(液圧又は空圧)の第二の
シリンダ・ピストン機構を採用すると、その流体を交換
することによりこの弾性手段の弾性を半永久的に一定保
持することが可能である。
【0067】6.ポンプとシリンダ室との間のラインに
安全バルブを設けると、シリンダ室に流体が充填された
後にその流体の逃げができるため、本発明の車両の発進
機構の安全性を確保できる。
【0068】7.本発明の車両の発進機構によれば、車
両の車輪に対して設けられたクラッチ機構と、該クラッ
チ機構に対して動作的に連結されるとともにタンクに連
通した所定のポンプと、安全バルブを介して前記ポンプ
に連通しかつ所定弁を介して流体圧モータに連通するア
キュムレータと、前記アキュムレータと前記タンクとの
間に設けられた所定の流体圧モータと、前記アキュムレ
ータと前記車輪との間に設けられた所定のワンウェイク
ラッチと、を具備し、前記車両の走行時に、ブレーキ操
作に連動して前記アキュムレータにエネルギが蓄積さ
れ、その発進時に、アクセル操作に連動して、前記アキ
ュムレータの蓄積したエネルギにより流体圧モータが回
転駆動し、前記ワンウェイクラッチを介して前記車輪を
急速に回転駆動して車両を発進させる、ため、上記と同
様に、車両の全体の消費エネルギの抑制、エネルギ効
率、本用途への適用性、環境問題への配慮、製造コスト
の上昇抑制についての利点を有する。
【0069】8.アキュムレータに蓄積したエネルギを
流体圧モータにより回転運動に変換し、その回転運動に
よりワンウェイクラッチを介して車輪を回転駆動する
と、構造が簡易であり、更に製造コストを低減し得る。
【0070】9.ポンプとアキュムレータとの間のライ
ンに安全バルブを設けると、アキュムレータに流体が充
填された後にその流体の逃げができるため、本発明の車
両の発進機構の安全性を確保できる。
【0071】10.前記流体に油又はガスを使用する
と、油又はガスは市場で安価に入手できるため、更に製
造コストを低減し得る。 11.クラッチ回転体が、車両に一般に設けられている
ブレーキ回転体と一体回転することにより車両の慣性走
行によるタイヤの回転エネルギを回収すると、それだけ
簡易な機構となり更に製造コストを低減し得る。
【0072】12.特に、電池駆動型のモータによりそ
の車輪が回転駆動されて走行する電池駆動型の車両やモ
ータと内燃機関とを組み合わせたいわゆるハイブリット
型の車両は、一般に、内燃機関のみにより走行する車両
と比較して全体の走行距離が短いため、上記効果が顕著
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の発進機構の第一の実施形態の一
実施例を適用した自動車の側面図である。
【図2】図1の自動車の制動時の構成図である。
【図3】図2中、G部の拡大図である。
【図4】図1の自動車の発進時の構成図である。
【図5】図4中、H部の拡大図である。
【図6】本発明の車両の発進機構の第一の実施形態を構
成するシリンダ・ピストン機構に取り付けられたラック
及びそれに係合するピニオンギアの斜視図である。
【図7】本発明の車両の発進機構の第一の実施形態を構
成するワンウェイクラッチの要部の部分断面図である。
【図8】第一の実施形態の第二実施例であり、図2中の
バルブに代えて三方バルブを使用した図である。
【図9】第一の実施形態の第三実施例であり、図2中の
ラック・ピニオン及びコイルバネに代えてワイヤ及び渦
巻き板バネを使用した図である。
【図10】第一の実施形態の第四実施例であり、図2中
のシリンダ・ピストン機構の一のシリンダ室の使用に代
えて他のシリンダ室を使用した図である。
【図11】本発明の車両の発進機構の第二の実施形態を
適用した自動車の側面図である。
【図12】図11の自動車の制動時の構成図である。
【図13】図11の自動車の発進時の構成図である。
【図14】本発明の車両の発進機構の第二の実施形態を
構成する油圧モータの斜視図である。
【符号の説明】
10…自動車 11…前輪 12…後輪 13…ブレーキペダル 14…アクセルペダル 21…ポンプ 22…回転軸 23…クラッチ回転体 28…タンク 31…シリンダ 32…ピストン 33…コイルバネ 34…ラック 35…ピニオンギア 36…ワンウェイクラッチ 41…ブレーキ回転体 42a…第一パッド 51…バルブ 61…安全バルブ 71、72、73、74…パイプ 91…アキュムレータ 101…油圧モータ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の制動時にブレーキ操作により車輪
    にブレーキ力を付与する車両の発進機構において、 車両(10)の車輪(11、12)に対して設けられた
    クラッチ機構(22、23、24、25、42)と、 該クラッチ機構(22、23、24、25、42)に対
    して動作的に連結され、かつ流体を貯蔵するタンク(2
    8)に連通したポンプ(21)と、 シリンダ(31)及びピストン(32)を有し、該シリ
    ンダ(31)のシリンダ室(31a)が前記ポンプ(2
    1)に連通しかつ前記タンク(28)に対して所定弁
    (51)を介して連通し、かつ該ピストン(32)が弾
    性手段(33)により常時一方向に付勢される、シリン
    ダ・ピストン機構(30)と、 前記車輪(12、11)と前記ピストン(32)との間
    に設けられ、該ピストンの一方向移動のときのみオンと
    なって該車輪を回転駆動するワンウェイクラッチ(3
    6)と、を具備し、 前記車両(10)の走行時に、ブレーキ(13)操作に
    連動して前記クラッチ機構(22、23、24、25、
    42)がオンになることにより、前記ポンプ(21)が
    該クラッチ機構を介して前記車輪(11、12)により
    連動駆動され、これにより前記タンク(28)からの流
    体が前記シリンダ・ピストン機構(30)の前記シリン
    ダ室(31a)内へ導入され、もって、前記ピストン
    (32)を前記弾性手段(33)の付勢力に抗して前記
    一方向とは反対の方向へ移動させて該弾性手段(33)
    に弾性エネルギを蓄積せしめ、 前記車両(10)の発進時に、アクセル(14)操作に
    連動して、前記所定弁(51)を開弁させて前記シリン
    ダ室(31a)内の流体を前記タンク(28)に対して
    戻り得る連通状態にすることにより、前記ピストン(3
    2)が前記弾性手段(33)の蓄積した弾性エネルギに
    より急速に前記一方向へ復帰移動し、前記ワンウェイク
    ラッチ(36)を介して前記車輪(12、11)を急速
    に回転駆動して車両(10)を発進させる、ことを特徴
    とする車両の発進機構。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両の発進機構におい
    て、 前記ワンウェイクラッチ(36)は第一回転体(36
    a、36b)と該第一回転体に対して同軸に設けられた
    第二回転体(36b、36a)とを具備し、前記車輪
    (12、11)は回転軸(12b、11b)を有し、前
    記ピストン(32)は該ピストンに一体成形若しくは一
    体固着された第一係合部(34)を有し、 前記車輪の回転軸(12b、11b)は前記ワンウェイ
    クラッチの第一回転体(36a、36b)に対して同軸
    一体回転するよう取り付けられ、該第一係合部(34)
    と係合可能な第二係合部(35)は該ワンウェイクラッ
    チの第二回転体(36b、36a)に対して同軸一体回
    転するよう取り付けられることを特徴とする車両の発進
    機構。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の車両の発進機構におい
    て、 前記ワンウェイクラッチ(36)は第一回転体(36
    a、36b)と該第一回転体に対して同軸に設けられた
    第二回転体(36b、36a)とを具備し、前記車輪
    (12、11)は回転軸(12b、11b)を有し、前
    記ピストン(32)は、その一の端部を前記ピストン
    (32)に取り付けられかつその他端部を前記第二回転
    体(36b,36a)に取り付けられ該第二回転体に対
    して一の回転方向へ巻き付き可能な連結部(34’)を
    有し、 前記車輪の回転軸(12b、11b)は前記ワンウェイ
    クラッチの第一回転体(36a、36b)に対して同軸
    一体回転するよう取り付けられ、前記ワンウェイクラッ
    チの第二回転体(36b、36a)は、前記弾性体(3
    3’)により常時前記一の回転方向とは反対の他の回転
    方向へ付勢されていることを特徴とする車両の発進機
    構。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れか1項に記載の車
    両の発進機構において、 前記弾性手段(33)はバネであることを特徴とする車
    両の発進機構。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか1項に記載の車
    両の発進機構において、 前記弾性手段(33)は、流体圧の第二のシリンダ・ピ
    ストン機構であることを特徴とする車両の発進機構。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか1項に記載の車
    両の発進機構において、 前記ポンプ(21)と前記シリンダ室(31a)との間
    のラインに安全バルブ(61)が設けられていることを
    特徴とする車両の発進機構。
  7. 【請求項7】 車輪の制動時にブレーキ操作により車輪
    にブレーキ力を付与する車両の発進機構において、 車両(10)の車輪(11、12)に対して設けられた
    クラッチ機構(22、23、24、25、42)と、 該クラッチ機構(22、23、24、25、42)に対
    して動作的に連結され、かつ流体を貯蔵するタンク(2
    8)に連通したポンプ(21)と、 安全バルブ(61)を介して前記ポンプ(21)に連通
    しかつ流体圧モータに対して所定弁(51)を介して連
    通するアキュムレータ(91)と、 前記アキュムレータ(91)と前記タンク(28)との
    間に設けられ、回転軸(101b)を有する前記流体圧
    モータ(101)と、 前記流体圧モータ(101)と前記車輪(12、11)
    との間に設けられ、該流体圧モータの回転軸(101
    b)の一方向回転のときのみオンとなって該車輪(1
    2、11)を回転駆動するワンウェイクラッチ(36)
    と、を具備し、 前記車両(10)の走行時に、ブレーキ(13)操作に
    連動して前記クラッチ機構(22、23、24、25、
    42)がオンになることにより、前記ポンプ(21)が
    該クラッチ機構を介して前記車輪(11、12)により
    連動駆動され、これにより前記タンク(28)からの流
    体が前記アキュムレータ(91)へ導入され、もって、
    該アキュムレータ(91)にエネルギを蓄積せしめ、 前記車両(10)の発進時に、アクセル(14)操作に
    連動して、前記所定弁(51)を開弁させて前記アキュ
    ムレータ(91)内の流体を前記流体圧モータ(10
    1)に対して流れ得る連通状態にすることにより、該流
    体圧モータの回転軸(101b)は急速回転し、前記ワ
    ンウェイクラッチ(36)を介して前記車輪(12、1
    1)を急速に回転駆動して車両(10)を発進させる、
    ことを特徴とする車両の発進機構。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の車両の発進機構におい
    て、 前記ワンウェイクラッチ(36)は第一回転体(36
    a、36b)と該第一回転体に対して同軸に設けられた
    第二回転体(36b、36a)とを具備し、前記車輪
    (12、11)は回転軸(12b、11b)を有し、前
    記流体圧モータ(101)は回転軸(101b)を有
    し、該車輪の回転軸(12b、11b)は該ワンウェイ
    クラッチの第一回転体(36a、36b)に対して同軸
    一体回転するよう取り付けられ、該流体圧モータ(10
    1)の回転軸(101b)は該ワンウェイクラッチの第
    二回転体(36b、36a)に対して同軸一体回転する
    よう取り付けられることを特徴とする車両の発進機構。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載の車両の発進機構
    において、 前記ポンプ(21)と前記アキュムレータ(91)との
    間のラインに安全バルブ(61)が設けられていること
    を特徴とする車両の発進機構。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9の何れか1項に記載の
    車両の発進機構において、 前記流体が、油又はガスである車両の発進機構。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10の何れか1項に記載
    の車両の発進機構において、 前記クラッチ機構(22、23、24、25、42)は
    クラッチ回転体(23)を有し、該クラッチ機構のオン
    時に該クラッチ回転体(23)が、前記車輪(11、1
    2)と一体回転するブレーキ回転体(41)に対して一
    体回転可能に接続されることを特徴とする車両の発進機
    構。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11の何れか1項に記載
    の車両の発進機構において、 前記車輪(12、11)が通常走行時は電池駆動型のモ
    ータにより又は電池駆動型のモータ及び内燃機関の組み
    合わせにより回転駆動されて走行する前記車両の発進機
    構。
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