JP2016010956A - 立体形成における付与熱量制御方法並びにそれを用いた立体形成方法、立体形成装置及び立体形成プログラム - Google Patents

立体形成における付与熱量制御方法並びにそれを用いた立体形成方法、立体形成装置及び立体形成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】媒体の水分含有量に応じて最適な発泡状態を得るための付与熱量を制御する付与熱量制御方法並びにそれを用いた立体形成方法、立体形成装置、及び立体形成プログラムを提供する。
【解決手段】制御部21は載置台15上の用紙の重量Wを測定し(S1)、用紙重量Wがしきい値W1以下であれば常温常湿で保管されていた用紙であると判断し、載置台15に対し遅い方の速度V2(mm/s)でハロゲンランプユニット18を移動させ、用紙重量Wがしきい値W1を超えているときは、用紙重量Wがしきい値W2以下であれば常温高湿で保管されていた用紙であると判断し、載置台15に対し速い方の速度V2(mm/s)でハロゲンランプユニット18を移動させ、用紙重量Wがしきい値W2を超えているときは、高温高湿で保管されていて加熱発泡には使用できない状態の用紙であると判断して直ちに処理を終了する。
【選択図】図5

Description

本発明は、媒体に熱を与えてその表面に凸状部を形成する立体形成方法において良好な立体が得られる媒体の単位面積当たりに与える熱量を制御する付与熱量制御方法並びにそれを用いた立体形成方法、立体形成装置、及び立体形成プログラムに関する。
従来、立体形成方法による立体印刷は、点字向け印刷、UVインクによる重ね塗り方式、物理的押し出し法、3次元プリンタなどにより実現されている。例えば、加熱により発泡してその体積を増加させる熱膨張性シートの上に画像を形成し、全面に一様に強い光照射を行ない、光の吸収の差により画像部を選択的に加熱隆起させて画像を立体化させる立体画像の形成方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
しかしながら、特許文献1に示されるような従来の立体画像形成方法は、立体印刷の作成に時間が掛る、工程が多くて手数が掛る、したがって、コストが高くなる等の種々の問題点の他に、画像を先に形成してから熱膨張させて画像面を盛上げるので、膨張後の画面の表面にひび割れができる。したがって、立体画像の画像品質が著しく低下するという課題がある。
この課題を解決するために、画像の所望の部位を立体化させた印刷物を高品位で簡単に低価格で作成できる立体印刷装置、立体印刷システム及び立体印刷方法が提案されている。(例えば特許文献2参照。)
この特許文献2に記載の技術における立体印刷方法は、例えば、図6(a),(b),(c)に示す熱発泡性の記録媒体に立体面を作成する基本概念に基づいて熱発泡性の記録媒体に立体面を作成するための、例えば、図7(a)〜(g)に示す処理工程を備えている。
これを簡単に説明すると、図6(a)は、熱発泡性の記録媒体の構成を示す図、同図(b)は熱発泡性の記録媒体を選択的に発泡させて部分隆起させる加工の原理を説明する図、同図(c)は、加工結果を示す断面図である。
図6(a)に示す記録媒体1は、基材2と、この基材2上にコーティングされた熱発泡剤を含む発泡樹脂層3とから成る。この基材2と発泡樹脂層3とからなる記録媒体1として、既知の市販品が使用可能である。
この記録媒体1の発泡樹脂層3の立体化させたい部分に、例えば、電子写真式の画像形成装置で黒トナーのベタ画像4を印刷する。そして、図6(b)に示すように、黒トナーのベタ画像4を印刷された記録媒体1の発泡樹脂層3の面を、加熱装置5の熱源ヒータ6により加熱する。
加熱装置5は、載置台7の両側端部面に案内溝8が形成され、この案内溝8に沿って、両方向矢印aで示すように往復移動が可能な2本の熱源ヒータ支持柱9が立設され、これら熱源ヒータ支持柱9に両端部を支持された熱源ヒータ6が熱源ヒータ支持柱9と共に、載置台7に対して相対的に移動しながら、記録媒体1の発泡樹脂層3の面に熱輻射線を放射する。
これにより、黒トナーのベタ画像4が熱輻射線を吸収して、その熱を発泡樹脂層3に含まれる熱発泡剤に伝達し、熱発泡剤が熱膨張反応を起こして、図6(c)に示すように、記録媒体1は黒トナーのベタ画像4を印刷された部分Gが膨張して盛り上がる。
このように、熱源ヒータ6によって加熱された記録媒体1は、黒トナーで印刷された部分Gと、印刷されていない部分Hとの熱吸収率の差によって黒トナーで印刷された部分Gの発泡剤のみが発泡して印刷面が立体化する。
図7(a)〜(g)は、熱発泡性の記録媒体に対する立体画像印刷の処理工程を説明する図である。先ず、(a)街路樹11a、11bを背景に停車している自動三輪車12を撮影したデジタル画像を取得する。(b)この画像から街路樹11a、11bと自動三輪車12を切り出す。
(c)切り出した画像をベタ黒画像13に変換する。(d)記録媒体1の発泡樹脂面の表面にベタ黒画像13を印刷する。(e)熱源ヒータ6から熱光線14を放射しベタ黒画像部分を膨張させて盛り上げる。(f)記録媒体1の表面前面にベタ白16を印刷する。(g)切り出し前の原画像データに基づいてフルカラー画像を印刷する。
このように形成された立体画像は、図7(g)では定かに見えないが、2本の街路樹11a及び11bと自動三輪車12の画像部分が他の部分よりも盛り上がっている。そして、盛り上がった後から画像を印刷してあるため、盛り上がり部分にひび割れのような割れ目が全く無い、というものである。
特開昭54−089638号公報 特開2012−171317号公報
しかしながら、特許文献2の方法で立体画像を形成すると、同じベタ黒画像と同じ加熱条件でありながら、ときとして、ベタ黒画像の盛り上がりが低く、画像の表面が見た目で容易に分かるほどの荒れが生じるという問題が発生する。
土台となる発泡樹脂面に予定外の高低差ができたり、見た目で容易に分かるほどの荒れが生じたりしていると、この上に白ベタ印刷とカラー印刷を重ねて画像を形成しても、画像の品質が劣って見えるという問題が生じるおそれがある。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、ときとして、ベタ黒画像の盛り上がりが低く、または、画像の表面が見た目で容易に分かるほどの荒れが生じるといった現象が生じることを解消あるいは抑制し、良好な立体が得られる付与熱量制御方法並びにそれを用いた立体形成方法、立体形成装置及び立体形成プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の付与熱量制御方法は、媒体に熱を与えてその表面に凸状部を形成する立体形成方法における前記媒体の単位面積当たりに与える熱量を制御する付与熱量制御方法であって、
前記媒体の表面には該表面よりも熱を吸収しやすい材料が付加され、
前記媒体の前記凸状部を形成する前の水分含有量が多い場合に、前記媒体の表面の単位面積当たりに与える前記熱量を、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が少ない場合よりも低減させる、ことを含んで構成される。
また、この付与熱量制御方法において、上記課題を解決するために、本発明の付与熱量制御方法は、媒体に熱を与えてその表面に凸状部を形成する立体形成方法における前記媒体の単位面積当たりに与える熱量を制御する付与熱量制御方法であって、
前記媒体の表面には該表面よりも熱を吸収しやすい材料が付加され、
前記媒体の前記凸状部を形成する前の水分含有量が少ない場合に、前記媒体の表面の単位面積当たりに与える前記熱量を、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が多い場合よりも増加させる、ことを含んで構成される。
本発明は、媒体に熱を与えてその表面に凸状部を形成する立体形成方法における媒体の単位面積当たりに与える熱量を制御る付与熱量制御方法並びにそれを用いた立体形成方法、立体形成装置、及び立体形成プログラムを提供することができる。
本発明の実施例1に係る加熱装置を示す斜視図である。 実施例1に係る加熱装置の制御装置の機能ブロック図である。 実施例1に係る加熱装置用いて実施した9種類の試験結果を縦横に並べて示す図である。 (a)は常温常湿で保管された用紙の発泡高さ特性を示す図、(b)は常温高湿で保管された用紙の発泡高さ特性を示す図、(c)は高温高湿で保管された用紙の発泡高さ特性を示す図である。 実施例1に係る加熱装置において最適な発泡状態を得るために制御装置の制御部によって処理される加熱処理のフローチャートである。 (a)は従来の熱発泡性の記録媒体の構成を示す図、(b)は熱発泡性の記録媒体を選択的に発泡させて部分隆起させる加工の原理を説明する図、(c)は加工結果を示す断面図である。 (a)〜(g)は従来の熱発泡性の記録媒体に対する立体画像印刷の処理工程を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[実施例1]
図1は、実施例1に係る加熱装置を示す斜視図である。図1に示すように、本例の加熱装置10は、長尺の基台11と、この基台11の長手方向両端部から、それぞれ横左右に張り出す支持部部材12と、これらの支持部部材12の両端に設けられた合計4個のキャスター13を備えている。
支持部部材12には、それぞれ板状の支持柱14が立設されている。支持柱14の上端には、長方形の載置台15が、その長手方向両端の中央部分を固定されて支持されている。載置台15の短手方向の両側面に、それぞれレール16が摺動可能に係合している。
レール16の一方(図の左方)の端部には、保持部材17を介して、ハロゲンランプユニット18が保持されている。なお、図1には、載置台15の上に載置された媒体19も示している。
ハロゲンランプユニット18は、図1に示すホームポジションから、媒体19の上面に沿って、矢印bで示す他方の端部方向へレール16の摺動に伴われて移動可能である。なお、媒体19は、図6(a),(b),(c)に示した記録媒体1と同様の材料で構成されている。
ハロゲンランプユニット18は、熱膨張性マイクロカプセルを含んだインクが塗布されている媒体19の表面に光を照射して、媒体19を加熱しながら上記のホームポジションから他方の端部方向へ移動して、媒体19のベタ黒印刷部分を図6(c)に示したと同様に発泡させて盛り上げることができる。
図2は、加熱装置10の制御装置の機能ブロック図である。図2に示すように、制御装置20は、制御部21と、この制御部21にバス22で接続された加熱部23、支持部24、計量部25、駆動部26、入力部27、出力部28、及び記憶部29を備えている。
制御部21には、判定部31、加熱制御部32、駆動制御部33が備えられている。また、記憶部29には、RAM(Random Access Memory)34とROM(read only memory)35が備えられている。
制御部21の判定部31は、立体印刷を行うに際し、計量部25の測定結果を用いるか否かを決定し、用いる場合は、測定結果に応じた各制御値を決定する。加熱制御部32は、ハロゲンランプユニット18の熱量を制御し、駆動制御部33は、ハロゲンランプユニット18と載置台15の相対速度を制御する。
加熱部23は、ハロゲンランプユニット18やレール16等を含み、支持部24は、加熱装置10の基台11、支持部部材12、キャスター13、支持柱14、載置台15等を含み、計量部25は、媒体19の重量を測定するために載置台15に設けられた媒体重量計を含む。
駆動部26は、制御部からの指示に基づいてモータ等を回転駆動させる回路である。入力部27は、ユーザが指示入力を操作するためのスイッチやボタンを備えた操作パネル及び各部のセンサからの出力信号の受信回路である。
出力部28は、ディスプレイ等に処理中の内容を表示報知したり、警告灯を点滅表示させる回路である。記憶部29は、ROM35から読み出したプログラムを制御部21に送信し、RAM34には制御部21が処理すべきデータ、演算途中のデータ、演算結果のデータ等を読み書きする回路である。
ここで、発明者は、ときとして、媒体19のベタ黒画像の盛り上がりが低く、画像の表面が見た目で容易に分かるほどの粗面になる原因を、種々の実験を繰り返すことによって究明した。その結果、次のことが判明した。
すなわち、熱膨張性マイクロカプセルを含んだインクが塗布されて熱発泡性の表面構造を備えた媒体19は、保管環境によって発泡特性が変わることが判明した。
図3は、本実施例の図1に示す加熱装置10を用いて実施した9種類の試験結果を縦横に並べて示す図である。図3は上段に常温常湿[m1]の環境で保管された試料に対する3種類の試験結果を横に並べて示している。
また、中段に、常温[m2]高湿の環境で保管された試料に対する3種類の試験結果を横に並べて示し、下段に、高温高湿の環境で保管された試料に対する3種類の試験結果を横に並べて示している。
各温度湿度の試験結果は、試料を発泡させる際に単位面積あたりに与える熱量が大きいものから順に、左から右に並べている。即ち、単位面積あたりに与える熱量[m3]を最も大きくして発泡させた試料を各行の左端に示し、単位面積あたりに与える熱量を次に大きくして発泡させた試料を各行の中央に示し、単位面積あたりに与える熱量を最も小さくして発泡させた試料を各行の右端に示している。
本実施例では、ハロゲンランプユニット18と載置台15の相対速度を変化させることによって、単位面積あたりに与える熱量を制御した。具体的には、図3において、最も左側の列はV1[m4]mm/sec、真ん中の列はV2mm/sec、最も右側の列はV3mm/s(V1<V2<V3)となるように、相対速度を設定した場合の各試験結果を示している。なお、相対速度を変えずに、ハロゲンランプユニット18の出力を変更することで、単位面積あたりに与える熱量を制御することも可能である。
各試料において、一番上の行に小さい複数のパッチ状のベタ黒印刷部分が設けられている。各小さいパッチ状のベタ黒印刷部分は、全てが異なる濃度に設定されていて、一番右側のパッチ状のベタ黒印刷部分は濃度が最も濃く設定され、左に行くほど濃度が薄くなるように設定されている。また、各試料において、上から2行目、3行目に大きい複数のパッチ状のベタ黒印刷部分が設けられている。各大きいパッチ状のベタ黒印刷部分は、全てが異なる濃度に設定されていて、3行目の右端のパッチ状のベタ黒印刷部分は濃度が最も濃く設定され、3行目の右端から2行目の左端の順に、パッチ状のベタ黒印刷部分の濃度が徐々に薄くなるように設定されている。なお、各試験結果において、試験結果の特徴的な部分を分かりやすくするため、パッチ状のベタ黒印刷部分のうちの少なくとも濃度が最も濃く設定された一部のものを提示するようにしたので、一部のものについては、試験結果の写真に含まれていない場合がある。
試料に熱量を与える際、相対速度を一定に保持しながら加熱を行った場合、ベタ黒部分の濃度が濃いほど、ベタ黒印刷部分によって吸収される熱量が増大する。つまり、試料表面の一の領域に与えられる熱量は、その一の領域に付加されたベタ黒部分の付加濃度に正の相関がある。従って、小さい複数のパッチ状のベタ黒印刷部分について言うと、どの試料も、右側のパッチ状のベタ黒印刷部分ほど、発泡部の高さが高くなる傾向にある。また、大きい複数のパッチ状のベタ黒印刷部分について言うと、どの試料も、2行目の左側から3行目の右側にかけて、発泡部の高さがより高くなる傾向にある。さらに、図3において、発泡部の表面に、目視で確認できる大きさの粒状の突起が表面に現れる「荒れ」が形成されていたものを円く囲んでいる。
これらの結果を大きく纏めると、常温高湿または高温高湿の保管環境にあって湿気を多く含んだ試料は、単位面積当たりに与える熱量が大きいほど、即ち、ベタ黒印刷部分によって吸収される熱量が大きいほど、「荒れ」の状態が発生しやすいことがわかる。
特に、高温高湿の保管環境にあったものは、単位面積当たりに与える熱量が最も小さくなる、相対速度がV3mm/sに設定された試料であっても、少なくとも一部のパッチ状のベタ黒印刷部分(ベタ黒印刷部分の濃度が最も濃いもの)について、「荒れ」の状態が発生した。これに対して、常温常湿の保管環境にあったものは、加熱される熱量が大きくても、表面に「荒れ」の状態が発生することはなかった。
図4(a)は、常温常湿で保管された用紙(上述の「試料」に相当)の発泡高さ特性を示し、図4(b)は、常温高湿で保管された用紙の発泡高さ特性を示し、図4(c)は、高温高湿で保管された用紙の発泡高さ特性を示している。
各図において、横軸がベタ黒濃度(%)、縦軸が発泡部の高さ(mm)を表している。また、各図に3本の特性曲線が含まれていて、上から順に、前述の相対速度がV1mm/s、V2mm/s、V3mm/sの場合の特性曲線となっている。さらに、各図において、発泡高さ既定値hも示している。発泡の高さがこの既定値hに満たない場合は不良品と判定される。この既定値hは、発泡高さが低いと立体感の表現力も低下してしまうため、立体印刷において一定の品質を保持するための基準として設けたものである。
特性曲線が最も理想的であるのは、図4(a)の相対速度がV2mm/sの場合である。その理由について、図4(a)を参照しながら説明する。どの相対速度であっても、黒濃度がある程度低い場合(例えば50%以下のとき)は黒濃度に比例して発泡高さが高くなるが、黒濃度がある程度以上高くなると(50%を超えるとき)、黒濃度を上げても発泡高さがあまり高くならない飽和状態となる。従って、実際には、発泡高さを効率良く制御できる黒濃度範囲は一部に限られる(例えば0%から50%までの間)こととなり、この範囲で黒濃度を変化させたときに発泡高さの変化量が最も大きくなることが望ましい。なお、ここで説明に用いる上限の閾値である50%は、単に一例であり、用紙の種類や利用条件等によって適宜変更してよい。また、図4において、X軸のKnは5n%を意味する。つまり、K1、K2、K3…、K10はそれぞれ5%、10%、15%…、50%を表している。
図4(a)によれば、0%から50%の間における発泡高さの変化量は、V1mm/s、V2mm/s、V3mm/sの順に小さくなっていくことがわかる。ここで、V1mm/sの場合、黒濃度が0%のときに発泡高さが0より大きい値になっている。これは、単位面積当たりに与える熱量が大きいために、黒濃度が0%、即ち発泡させたくない部分であってもある程度隆起してしまうことを意味する。この点では、V1mm/sの条件はあまり望ましくないと言える。V3mm/sの場合、黒濃度が0%よりもある程度大きい値(発泡閾値)になるまでは発泡高さが0となっている。これは、単位面積当たりに与える熱量が小さいために、黒濃度が0%よりも大きい値、即ち発泡させたい部分であっても、黒濃度が発泡しないことを意味している。その結果、V3mm/sの場合、発泡高さを制御できる黒濃度の範囲が0%より大きい値と50%との間に限られることになり、後述するV2mm/sの場合に比べると、発泡高さを制御できる黒濃度の範囲が狭くなってしまう。この点では、V3mm/sも最良とは言い難い。
一方、V2mm/sの場合、黒濃度が0%のときには発泡高さが0、即ち、原点を通る、または、原点に最も近い曲線となっている。従って、V2mm/sの場合は、発泡させたくない部分は発泡しないか、または、当該部分において3つの相対速度の中では発泡量が最小限に抑えられ、かつ、発泡高さを制御できる黒濃度の範囲も0%と50%との間であり、理論的な最大値、または、3つの相対速度の中では最大値に最も近い値を取ることができる。従って、これら3つの相対速度の中では、V2mm/sが最も好ましい条件であると言える。
なお、原点を通る特性曲線がない場合には、最良の特性曲線を次のように決定できる。即ち、黒濃度が0%のときに発泡高さが0である特性曲線であって、かつ、黒濃度がa%(a>0)のときに発泡高さが0よりも大きくなる特性曲線が複数存在する場合には、aの値が最も小さい特性曲線である条件が最も好ましい条件として選定してよい。また、黒濃度が0%のときに発泡高さが0である特性曲線がなかった場合は、黒濃度が0%のときに発泡高さが最も小さい特性曲線である条件が最も好ましい条件として選定できる。
次に、図4(a)〜(c)の各特性曲線のうち、同じ相対速度(例えばV2mm/s)の発泡特性を比較すると、常温高湿又は高温高湿で保管された試料は、常温常湿で保管された試料に比べて、発泡高さが低くなることが判明した。これは、用紙の保管条件に応じてその用紙が含む水分量が増大して用紙の熱容量が増大すると、単位熱量を与えたときの用紙の温度上昇が小さくなることが原因の一つであると考えられる。特に、高温高湿で保管した用紙を用いて、相対速度をV3mm/sと比較的速く設定した場合は、図4(c)のように、発泡高さが既定値hに満たない結果となった。なお、それ以外の用紙の保管状況及び相対速度の条件下では、発泡高さは既定値hを超える結果が得られた。
以上をまとめると、まず第1に、一定の表現力を保持するために発泡高さが既定値hに満たないもの、つまり、高温高湿で保管した用紙を相対速度を比較的速く(V3mm/s)して加熱して作成された立体印刷物は、不良品として判定される。第2に、立体印刷物の見た目の観点からその表面が荒れているもの、つまり、高温高湿で保管した用紙を用いて作成された立体印刷物、及び常温高湿で保管した用紙を相対速度を比較的遅く(V1mm/s又はV2mm/s)して加熱して作成された立体印刷物は、不良品として判定される。第3に、それ以外の保管状況及び相対速度の条件のうち、各条件に対応する特性曲線が、原点を通る、または、原点に最も近いもの、又は前述の手順によって選定された最も好ましい条件に対応するものが、最も好ましい保管状況及び相対速度の条件であることになる。
以上から、最も好ましい相対速度第条件は、図3及び図4に基づいて、以下のように決定できる。つまり、常温常湿で保管された用紙を用いて立体印刷物を作成する場合は、最適な相対速度条件はV2mm/sであり、常温高湿で保管された用紙を用いて立体印刷物を作成する場合は、V3mm/sである。また、高温高湿で保管された用紙の場合、すべての相対速度条件において不良品判定となってしまうため、この条件で保管された用紙は立体印刷物の作成には用いられない。
なお、上述したように、保管状態によって用紙が含む水分量が変わり、これが立体印刷物の品質を左右する結果となるので、用紙の保管状態ではなく、その用紙が含む水分量に着目して、その用紙を立体印刷物の作成に用いることができるか否かを判定したり、その用紙に対する最適な相対速度条件を求めたりすることができる。
具体的には、用紙の種類が決まれば、そのサイズ(判)によって、常温常湿時の重量はほぼ一定の重量となるので、これを基準重量とする。立体印刷に用いようとする用紙の重量を測定して基準重量と比較して基準重量との差が誤差範囲内であれば、常温常湿で保管された用紙と同等の水分含有量であることが分かり、その用紙については、相対速度V2mm/sが適正であると判定される。また、立体印刷に用いようとする用紙の重量を測定して基準重量と比較して基準重量よりも重くかつその差が誤差を超えている場合は、常温常湿で保管された用紙よりも水分含有量が多いことが分かる。
ここで、あるサイズ(判)における常温常湿保管の用紙の重量をW1g、常温高湿保管の用紙の重量をW2g、高温高湿保管の用紙の重量をW3gとし、立体印刷に供する前に用紙の重量を測定する。その結果、用紙の重量が第1のしきい値Wsh1(W1以上W2未満の値)以下であれば相対速度をV2mm/sに設定し、しきい値1を超え且つ第2のしきい値Wsh2(例えば、W2以上W3未満の値)以下であれば加熱速度をV3mm/sに設定し、それ以外の用紙は使用不可と判定することができる。これにより、用紙の保管状態や含有水分量によらず、各条件の下での最適な発泡状態を得ることができる。
図5は、加熱装置10において最適な発泡状態を得るために、制御装置20の制御部21によって処理される加熱処理のフローチャートである。なお、この処理では、加熱装置10の載置台15に載置される用紙には、図7(d)に示したと同様なベタ黒画像が既に印刷されているものとする。
また、記憶部29のRAM34には、測定した重量の値Wを一時的に記憶する領域、ハロゲンランプユニット18と載置台15に設定される相対速度Vを一時的に記憶する領域、予め決められている第1のしきい値Wsh1と第2のしきい値Wsh2を格納された領域、予め決められている相対速度V2とV3を格納された領域が設けられている。
図5において、制御部21は、載置台15上の用紙の重量Wを測定する(ステップS1)。この測定は、計量部25を介し載置台15に設けられた媒体重量計によって計測されてRAM34の測定値記憶領域に格納される。
次に、制御部21は、測定した用紙の重量Wが、第1のしきい値Wsh1以下であるか否か判別する(ステップS2)。この処理では、RAM34の測定値記憶領域に格納されている用紙の重量Wと、RAM34のしきい値記憶領域に格納されている第1のしきい値Wsh1がそれぞれ読み出されて比較される。
そして、用紙重量Wが、第1のしきい値Wsh1以下であれば(ステップS2の判別がYes)、相対速度VとしてV2を設定し(ステップS3)、その設定した相対速度V2で載置台15に対してハロゲンランプユニット18を移動させながら、用紙にランプの光を照射して用紙を加熱する(ステップS4)。
一方、上記ステップS2の判別で、用紙重量Wが、第1のしきい値Wsh1を超えていれば(ステップS2の判別がNo)、続いて制御部21は、用紙重量Wが、第2のしきい値Wsh2以下であるか否か判別する(ステップS5)。この処理では、RAM34の測定値記憶領域から既に読み出してある用紙重量Wと、RAM34のしきい値記憶領域から新たに読み出した第2のしきい値Wsh2とが比較される。
そして、用紙重量Wが、第2のしきい値Wsh2以下であれば(ステップS5の判別がYes)、相対速度VとしてV3を設定して(ステップS6)、上述したステップS4の処理を実行する。
また、上記ステップS5の判別で、用紙重量Wが、第2のしきい値Wsh2を超えていれば(ステップS5の判別がNo)、その場合は、制御部21は、使用不可な用紙であると判断し、用紙を加熱するステップS4の処理を実行することなく直ちに処理を終了する。
このように本例の加熱装置10を用いた付与熱量決定方法並びにそれを用いた立体形成方法、立体形成装置、及び立体形成プログラムによれば、媒体の保管状態に応じて最適な発泡状態を得ることができる。
なお、上記の実施例では、ハロゲンランプユニット18と載置台15の相対速度を変更することによって、単位面積あたりに与える熱量を制御しているが、これに限ることなく、相対速度を一定にし、発泡用のベタ黒の印刷濃度を変更することで受ける熱量の調節を行うようにしてもよい。すなわち、加熱処理のフローチャートに沿って判断した結果、相対速度をV3mm/sに設定すべき場合には、印刷に供する用紙へのベタ黒の印刷濃度を、一律に例えば元の濃度の9割に低減してもよい。これによって、ベタ黒の印刷濃度を変更しなかった場合に比べて、単位面積あたりに与える熱量を低減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
媒体に熱を与えてその表面に凸状部を形成する立体形成方法における前記媒体の単位面積当たりに与える熱量を制御する付与熱量制御方法であって、
前記媒体の表面には該表面よりも熱を吸収しやすい材料が付加され、
前記媒体の前記凸状部を形成する前の水分含有量が多い場合に、前記媒体の表面の単位面積当たりに与える前記熱量を、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が少ない場合よりも低減させる、
ことを特徴とする付与熱量制御方法。
[付記2]
媒体に熱を与えてその表面に凸状部を形成する立体形成方法における前記媒体の単位面積当たりに与える熱量を制御する付与熱量制御方法であって、
前記媒体の表面には該表面よりも熱を吸収しやすい材料が付加され、
前記媒体の前記凸状部を形成する前の水分含有量が少ない場合に、前記媒体の表面の単位面積当たりに与える前記熱量を、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が多い場合よりも増加させる、
ことを特徴とする付与熱量制御方法。
[付記3]
前記媒体表面に形成される前記凸状部が所定の高さ以上に形成され、且つ前記媒体の表面に目視で確認できる大きさの粒状の突起が現れず、且つ前記材料が付加されない領域に前記凸状部が形成されないように、前記熱量を制御する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の付与熱量制御方法。
[付記4]
前記媒体表面に形成される前記凸状部が所定の高さ以上に形成され、且つ前記媒体の表面に目視で確認できる大きさの粒状の突起が現れず、且つ前記材料の付加濃度が発泡閾値以下である領域に前記凸状部が形成されず、且つ前記発泡閾値が最も小さくなるように、前記熱量を制御する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の付与熱量制御方法。
[付記5]
前記媒体に与えられる熱量が前記制御した熱量に相当する熱量となるように、前記材料の付加濃度を制御する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の付与熱量制御方法。
[付記6]
熱源からの伝熱によって前記媒体の表面に前記熱量が与えられるように構成され、前記制御した熱量に相当する時間となるように、前記熱源から前記媒体の表面に前記熱量が伝熱する時間を決定する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の付与熱量制御方法。
[付記7]
前記熱源は、前記媒体の表面に沿って移動しながら前記媒体の表面への伝熱を行い、
前記制御した熱量に相当する速度となるように、前記熱源の移動速度を決定する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の付与熱量制御方法。
[付記8]
前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が予め定めた値未満であるとき、前記熱源の前記移動速度を第1の移動速度に決定し、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が前記予め定めた値以上であるとき、前記熱源の前記移動速度を第2の移動速度に決定する、
ことを特徴とする付記7記載の付与熱量制御方法。
[付記9]
前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が予め定めた値未満であるとき、前記材料の付加濃度が元の濃度情報と等しくなるように前記媒体の表面に付加し、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が予め定めた値以上であるとき、前記材料の付加濃度が前記元の濃度情報の示す濃度よりも低くなるように前記媒体の表面に付加する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の付与熱量制御方法。
[付記10]
熱源からの伝熱によって媒体に熱を与えてその表面に凸状部を形成する立体形成方法であって、
前記媒体の表面には該表面よりも熱を吸収しやすい材料が付加され、
前記媒体の前記凸状部を形成する前の水分含有量が多い場合に、前記媒体の表面の単位面積当たりに与える前記熱量を、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が少ない場合よりも低減させるように制御して、前記熱源から前記媒体に伝熱させる、
ことを特徴とする立体形成方法。
[付記11]
媒体を載置する台と、前記台に載置された前記媒体に対して熱を与える熱源と、を備える立体形成装置であって、
前記媒体は、該媒体の表面に該表面よりも熱を吸収しやすい材料が付加され、且つ前記熱源から与えられる熱によって該媒体の表面に凸状部が形成され、
前記媒体の前記凸状部を形成する前の水分含有量が多い場合に、前記媒体の表面の単位面積当たりに与える前記熱量を、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が少ない場合よりも低減させるように制御して、前記熱源から前記媒体に伝熱させる、
ことを特徴とする立体形成装置。
[付記12]
熱源からの伝熱によって媒体に熱を与えてその表面に凸状部を形成する立体形成方法をコンピュータにより実現するための立体形成プログラムであって、
前記媒体の表面には該表面よりも熱を吸収しやすい材料が付加され、
該立体形成プログラムは、
前記媒体の前記凸状部を形成する前の水分含有量が多い場合に、前記媒体の表面の単位面積当たりに与える前記熱量を、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が少ない場合よりも低減させるように制御して、前記熱源から前記媒体に伝熱させることを、前記コンピュータにより実行可能とする、
ことを特徴とする立体形成プログラム。
本発明は、媒体に熱を与えてその表面に凸状部を形成する立体形成方法における媒体の単位面積当たりに与える熱量を制御する付与熱量制御方法並びにそれを用いた立体形成方法、立体形成装置及び立体形成プログラムに利用することができる。
1 記録媒体
2 基材
3 発泡樹脂層
4 黒トナーのベタ画像
5 加熱装置
6 熱源ヒータ
7 載置台
8 案内溝
9 熱源ヒータ支持柱
G 黒トナーベタ画像印刷部分
H 黒トナーが印刷されていない部分
10 加熱装置
11 基台
12 支持部部材
13 キャスター
14 支持柱
15 載置台
16 レール
17 保持部材
18 ハロゲンランプユニット
19 媒体
20 制御装置

Claims (12)

  1. 媒体に熱を与えてその表面に凸状部を形成する立体形成方法における前記媒体の単位面積当たりに与える熱量を制御する付与熱量制御方法であって、
    前記媒体の表面には該表面よりも熱を吸収しやすい材料が付加され、
    前記媒体の前記凸状部を形成する前の水分含有量が多い場合に、前記媒体の表面の単位面積当たりに与える前記熱量を、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が少ない場合よりも低減させる、
    ことを特徴とする付与熱量制御方法。
  2. 媒体に熱を与えてその表面に凸状部を形成する立体形成方法における前記媒体の単位面積当たりに与える熱量を制御する付与熱量制御方法であって、
    前記媒体の表面には該表面よりも熱を吸収しやすい材料が付加され、
    前記媒体の前記凸状部を形成する前の水分含有量が少ない場合に、前記媒体の表面の単位面積当たりに与える前記熱量を、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が多い場合よりも増加させる、
    ことを特徴とする付与熱量制御方法。
  3. 前記媒体表面に形成される前記凸状部が所定の高さ以上に形成され、且つ前記媒体の表面に目視で確認できる大きさの粒状の突起が現れず、且つ前記材料が付加されない領域に前記凸状部が形成されないように、前記熱量を制御する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の付与熱量制御方法。
  4. 前記媒体表面に形成される前記凸状部が所定の高さ以上に形成され、且つ前記媒体の表面に目視で確認できる大きさの粒状の突起が現れず、且つ前記材料の付加濃度が発泡閾値以下である領域に前記凸状部が形成されず、且つ前記発泡閾値が最も小さくなるように、前記熱量を制御する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の付与熱量制御方法。
  5. 前記媒体に与えられる熱量が前記制御した熱量に相当する熱量となるように、前記材料の付加濃度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の付与熱量制御方法。
  6. 熱源からの伝熱によって前記媒体の表面に前記熱量が与えられるように構成され、前記制御した熱量に相当する時間となるように、前記熱源から前記媒体の表面に前記熱量が伝熱する時間を決定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の付与熱量制御方法。
  7. 前記熱源は、前記媒体の表面に沿って移動しながら前記媒体の表面への伝熱を行い、
    前記制御した熱量に相当する速度となるように、前記熱源の移動速度を決定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の付与熱量制御方法。
  8. 前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が予め定めた値未満であるとき、前記熱源の前記移動速度を第1の移動速度に決定し、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が前記予め定めた値以上であるとき、前記熱源の前記移動速度を第2の移動速度に決定する、
    ことを特徴とする請求項7記載の付与熱量制御方法。
  9. 前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が予め定めた値未満であるとき、前記材料の付加濃度が元の濃度情報と等しくなるように前記媒体の表面に付加し、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が予め定めた値以上であるとき、前記材料の付加濃度が前記元の濃度情報の示す濃度よりも低くなるように前記媒体の表面に付加する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の付与熱量制御方法。
  10. 熱源からの伝熱によって媒体に熱を与えてその表面に凸状部を形成する立体形成方法であって、
    前記媒体の表面には該表面よりも熱を吸収しやすい材料が付加され、
    前記媒体の前記凸状部を形成する前の水分含有量が多い場合に、前記媒体の表面の単位面積当たりに与える前記熱量を、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が少ない場合よりも低減させるように制御して、前記熱源から前記媒体に伝熱させる、
    ことを特徴とする立体形成方法。
  11. 媒体を載置する台と、該台に載置された前記媒体に対して熱を与える熱源と、を備える立体形成装置であって、
    前記媒体は、該媒体の表面に該表面よりも熱を吸収しやすい材料が付加され、且つ前記熱源から与えられる熱によって該媒体の表面に凸状部が形成され、
    前記媒体の前記凸状部を形成する前の水分含有量が多い場合に、前記媒体の表面の単位面積当たりに与える前記熱量を、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が少ない場合よりも低減させるように制御して、前記熱源から前記媒体に伝熱させる、
    ことを特徴とする立体形成装置。
  12. 熱源からの伝熱によって媒体に熱を与えてその表面に凸状部を形成する立体形成方法をコンピュータにより実現するための立体形成プログラムであって、
    前記媒体の表面には該表面よりも熱を吸収しやすい材料が付加され、
    該立体形成プログラムは、
    前記媒体の前記凸状部を形成する前の水分含有量が多い場合に、前記媒体の表面の単位面積当たりに与える前記熱量を、前記媒体の前記凸状部を形成する前の前記水分含有量が少ない場合よりも低減させるように制御して、前記熱源から前記媒体に伝熱させることを、前記コンピュータにより実行可能とする、
    ことを特徴とする立体形成プログラム。

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