JP2016007162A - コンバイン - Google Patents

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大家 輝光
Terumitsu Oya
輝光 大家
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Abstract

【課題】藁屑を圃場に分散する機能を備えつつ、コストの低減を可能とし、メンテナンスも簡単にしたコンバインを提供する。【解決手段】刈り取った穀稈を脱穀し、脱穀後の穀稈を藁屑Sとして排出するコンバイン100において、排出された藁屑Sを受け流すステージ81と、前記ステージ81の上方で往復するスイープバー82と、を具備し、前記スイープバー82は、前記ステージ81に落ちてくる藁屑Sを散らす、とした。これにより、本コンバイン100は、スプレッダーが不要となるので、コストの低減が可能となる。また、メンテナンスも簡単になる。【選択図】図12

Description

本発明は、コンバインに関する。
従来より、刈り取った穀稈を脱穀し、脱穀後の穀稈を藁屑として排出するコンバインが知られている(例えば特許文献1参照)。このようなコンバインは、藁屑を圃場に分散すべくスプレッダーを備えている。スプレッダーは、藁屑を切断するとともに該藁屑を撒き散らす。
ところで、スプレッダーは、高価な機械であるため、コストが増加する原因になっている。また、スプレッダーは、複雑な機械であるため、メンテナンスに手がかかる原因にもなっている。そのため、藁屑を圃場に分散する機能を備えつつ、コストの低減を可能とし、メンテナンスも簡単にしたコンバインが求められていたのである。
特開2009−27994号公報
本発明は、藁屑を圃場に分散する機能を備えつつ、コストの低減を可能とし、メンテナンスも簡単にしたコンバインを提供することを目的としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1に係る発明は、
刈り取った穀稈を脱穀し、
脱穀後の穀稈を藁屑として排出するコンバインにおいて、
排出された藁屑を受け流すステージと、
前記ステージの上方で往復するスイープバーと、を具備し、
前記スイープバーは、前記ステージに落ちてくる藁屑を散らす、としたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、
穀稈を脱穀するローターと、
前記ローターを動かすベルト機構と、
前記スイープバーを動かすリンク機構と、を具備し、
前記リンク機構は、前記ベルト機構と連動する、としたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のコンバインにおいて、
前記スイープバーは、その中途部から先端側が脱着自在になっている、としたものである。
更に、本願では、以下の発明を開示する。
本願に開示する第4の発明は、
前記ベルト機構は、
回転するプーリーと、
前記プーリーとともに回転するクランクシャフトと、を具備し、
前記クランクシャフトは、前記リンク機構を動かす、としたものである。
本願に開示する第5の発明は、
前記リンク機構は、
前記クランクシャフトによって可動するコネクティングロッドと、
前記コネクティングロッドによって可動するスイングアームと、
前記スイングアームによって可動するコントロールロッドと、を具備し、
前記コントロールロッドは、前記スイープバーを動かす、としたものである。
本願発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、排出された藁屑を受け流すステージと、ステージの上方で往復するスイープバーと、を具備する。そして、スイープバーは、ステージに落ちてくる藁屑を散らす。これにより、本コンバインは、スプレッダーが不要となるので、コストの低減が可能となる。また、メンテナンスも簡単になる。
請求項2に記載の発明によれば、穀稈を脱穀するローターと、ローターを動かすベルト機構と、スイープバーを動かすリンク機構と、を具備する。そして、リンク機構は、ベルト機構と連動する。これにより、本コンバインは、ローターとスイープバーが同時に動くので、確実に藁屑を散らすことが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、スイープバーは、その中途部から先端側が脱着自在になっている。これにより、本コンバインは、スイープバーの破損や変形が生じても、容易に修理を行なうことが可能となる。
更に、本願に開示する発明は、以下の効果を奏する。
本願に開示する第4の発明によれば、ベルト機構は、回転するプーリーと、プーリーとともに回転するクランクシャフトと、を具備する。そして、クランクシャフトは、リンク機構を動かす。これにより、本コンバインは、ベルト機構が簡素な構造になるので、コストの低減とメンテナンスの容易化を実現することが可能となる。
本願に開示する第5の発明によれば、リンク機構は、クランクシャフトによって可動するコネクティングロッドと、コネクティングロッドによって可動するスイングアームと、スイングアームによって可動するコントロールロッドと、を具備する。そして、コントロールロッドは、スイープバーを動かす。これにより、本コンバインは、リンク機構が簡素な構造になるので、コストの低減とメンテナンスの容易化を実現することが可能となる。
コンバインの左側面を示す図。 コンバインの右側面を示す図。 脱穀装置と選別装置を示す図。 選別装置の構造を示す図。 選別装置が穀粒を選別している状況を示す図。 コンバインを斜め後方から見た図。 コンバインの動力伝達機構を示す図。 ベルト機構とリンク機構を示す図。 ベルト機構とリンク機構を示す図。 リンク機構の動作態様を示す図。 リンク機構の動作態様を示す図。 コンバインが藁屑を散らしながら走行している状況を示す図。 スイープバーの脱着構造を示す図。 本コンバインに適用し得るステージを示す図。 本コンバインに適用し得るステージを示す図。 他の実施形態に係るコンバインの動力伝達機構を示す図。 他の実施形態に係るコンバインの動力伝達機構を示す図。
まず、コンバイン100について簡単に説明する。
図1は、コンバイン100の左側面を示している。図2は、コンバイン100の右側面を示している。図中には、コンバイン100の前後方向及び上下方向を表す。
コンバイン100は、主に走行装置1と、刈取装置2と、脱穀装置3と、選別装置4と、貯留装置5と、動力装置6と、で構成されている。
走行装置1は、シャシフレーム10の下方に設けられている。走行装置1は、トランスミッション11と、左右一対のクローラ装置12・12と、で構成されている。トランスミッション11は、後述するディーゼルエンジン61の回転動力をクローラ装置12・12へ伝達する。クローラ装置12・12は、コンバイン100を前後方向に走行させる。また、クローラ装置12・12は、コンバイン100を左右方向に旋回させる。
刈取装置2は、走行装置1の前方に設けられている。刈取装置2は、リール21と、カッター22と、オーガ23と、コンベヤ24と、ビータ25と、で構成されている。リール21は、回転することによって圃場の穀稈をカッター22へ案内する。カッター22は、リール21によって案内された穀稈を切断する。オーガ23は、カッター22によって切断された穀稈を所定の位置に集合させる。コンベヤ24は、オーガ23によって集合させた穀稈をビータ25まで搬送する。ビータ25は、コンベヤ24が搬送してきた穀稈を脱穀装置3へ送り込む。
脱穀装置3は、刈取装置2の後方に設けられている。脱穀装置3は、ローター31と、シーブメッシュ32と、で構成されている。ローター31は、回転することによって穀稈を脱穀する。また、ローター31は、回転することによって穀稈を搬送する。シーブメッシュ32は、ローター31によって搬送される穀稈を支持するとともに脱穀物を選別装置4へ落下させる。なお、脱穀後の穀稈は、後部の排出口3Eから藁屑として排出される。
選別装置4は、脱穀装置3の下方に設けられている。選別装置4は、揺動装置41と、送風装置42と、で構成されている。揺動装置41は、脱穀物をふるいにかけて穀粒を選別する。送風装置42は、揺動装置41の上に残った細かな穀稈(以降「藁屑」とする)を吹き飛ばす。
貯留装置5は、脱穀装置3及び選別装置4の側方に設けられている。貯留装置5は、グレンタンク51と、排出オーガ52と、で構成されている。グレンタンク51は、選別装置4から搬送されてきた穀粒を貯留する。排出オーガ52は、グレンタンク51内の穀粒を排出する際に用いられる。なお、排出オーガ52は、穀粒の排出作業を行なう際に回動され、穀粒を任意の場所に排出できる。
動力装置6は、貯留装置5の前方に設けられている。動力装置6は、ディーゼルエンジン61で構成されている。ディーゼルエンジン61は、燃料を燃焼させて得た熱エネルギーを運動エネルギーに変換する。具体的に説明すると、ディーゼルエンジン61は、燃料を燃焼させて得た熱エネルギーを回転動力に変換する。
次に、脱穀装置3と選別装置4について更に詳しく説明する。なお、以下では、脱穀物を「脱穀物C」、穀粒を「穀粒G」、藁屑を「藁屑S」として説明する。
図3は、脱穀装置3と選別装置4を示している。図4は、選別装置4の構造を示している。また、図5は、選別装置4が穀粒Gを選別している状況を示している。図中には、脱穀物Cである穀粒Gと藁屑Sが移動する方向を表す。また、図中には、ファン421による風が流れる方向を表す。
まず、脱穀装置3について説明する。
上述したように、脱穀装置3は、ローター31と、シーブメッシュ32と、で構成されている。ローター31は、回転することによって穀稈を脱穀する。また、ローター31は、回転することによって穀稈を搬送する。シーブメッシュ32は、ローター31によって搬送される穀稈を支持するとともに、脱穀物Cを選別装置4へ落下させる。
ローター31は、主に、センターシャフト311と、インペラ312と、ツースバー313と、で構成されている。本ローター31においては、センターシャフト311の前端部にインペラ312が配置され、該インペラ312の後方にセンターシャフト311を中心として複数のツースバー313が配置されている。
センターシャフト311は、長く直線状に形成された構造体である。センターシャフト311は、インペラ312やツースバー313を支持する。センターシャフト311は、その前端部でインペラ312を支持し、その中央部から後端部にかけて複数のツースバー313を支持する。なお、センターシャフト311は、その前端部及び後端部がケース314によって回転自在に支持されている。
インペラ312は、螺旋状のブレード312bが形成された構造体である。インペラ312は、ビータ25によって送り込まれてきた穀稈を掻き込む。つまり、インペラ312は、回転することにより、ビータ25によって送り込まれてきた穀稈を取り込んで後方へ送り出すのである。なお、インペラ312は、螺旋状のブレード312bを備えた構造に限定するものではなく、複数のブレードを備えた構造であっても良い。
ツースバー313は、複数の扱ぎ歯313tを所定の間隔をあけて平行に取り付けた構造体である。ツースバー313は、インペラ312が送り出した穀稈を脱穀する。つまり、ツースバー313は、回転することにより、インペラ312が送り出した穀稈を揉み込んで脱穀物Cを落とすのである。なお、ツースバー313は、複数の扱ぎ歯313tを備えた構造に限定するものではなく、螺旋状のブレードを支持する構造であっても良い。また、複数のツースバー313によって円筒状の回転体を構成するのではなく、一の円筒形状の部材に複数の扱ぎ歯313tを備えた構造であっても良い。
シーブメッシュ32は、主に、網体321で構成されている。本シーブメッシュ32においては、複数のツースバー313によって構成される回転体の下方を覆うように網体321が配置されている。
網体321は、複数のワイヤ321wを所定の間隔をあけて平行に張り巡らした構造体である。網体321は、ツースバー313によって揉み込まれる穀稈を支持する。また、網体321は、その隙間から脱穀物Cを選別装置4へ落下させる。なお、網体321は、その左端部及び右端部がケース314によって脱着自在に支持されている。
次に、選別装置4について説明する。
上述したように、選別装置4は、揺動装置41と、送風装置42と、で構成されている。揺動装置41は、脱穀物Cをふるいにかけることによって穀粒Gを選別する。送風装置42は、脱穀物Cに含まれる藁屑Sを吹き飛ばすことによって穀粒Gを選別する。
揺動装置41は、主に、フィードパン411と、チャフシーブ412と、ストローラック413と、セパレータ414と、で構成されている。本揺動装置41においては、フィードパン411の後方にチャフシーブ412が配置され、該チャフシーブ412の後方にストローラック413が配置されている。更に、チャフシーブ412の上方にセパレータ414が配置されている。
フィードパン411は、広く平らに形成された構造体である。フィードパン411は、シーブメッシュ32から落下してきた脱穀物Cを受け止める。また、フィードパン411は、前後に揺動することにより、該フィードパン411上の脱穀物Cを均しながら後方に移動させる。このとき、脱穀物Cは、斜めに取り付けられたフィン411fによって左右方向にも満遍なく広げられる。
チャフシーブ412は、複数のシーブプレート412pを所定の間隔をあけて平行に取り付けた構造体である。チャフシーブ412は、フィードパン411から送られてきた脱穀物Cを濾過する。つまり、チャフシーブ412は、前後に揺動することにより、フィードパン411から送られてきた脱穀物Cをふるいにかけるのである。これにより、脱穀物Cに混入している藁屑Sを浮き上がらせ、穀粒Gと分けることができる。こうして、チャフシーブ412は、脱穀物Cから穀粒Gの選別を行なう。なお、選別後の脱穀物C(穀粒Gのみとなっている)は、ふるい網415を通った後に、第一流穀板431に案内されて一番樋43へ落下する。また、チャフシーブ412の上に残った脱穀物Cは、後方に移動してストローラック413へ送られる。
ストローラック413は、複数のラックプレート413pを所定の間隔をあけて平行に取り付けた構造体である。ストローラック413は、チャフシーブ412から送られてきた脱穀物Cを濾過する。つまり、ストローラック413は、前後に揺動することにより、チャフシーブ412から送られてきた脱穀物Cをふるいにかけるのである。これにより、脱穀物Cに混入している比較的に大きな藁屑Sを支持し、穀粒Gと分けることができる。こうして、ストローラック413は、脱穀物Cから穀粒Gの選別を行なう。なお、選別後の脱穀物C(穀粒Gと少数の小さな藁屑Sとなっている)は、第二流穀板441に案内されて二番樋44へ落下する。また、ストローラック413の上に残った脱穀物Cは、後方に移動して排出口3Eから排出される。
セパレータ414は、広く平らな板材に無数の穴を設けた構造体である。セパレータ414は、シーブメッシュ32から落下してきた脱穀物Cを濾過する。つまり、セパレータ414は、前後に揺動することにより、シーブメッシュ32から落下してきた脱穀物Cをふるいにかけるのである。これにより、脱穀物Cに混入している比較的に大きな藁屑Sを引っ掛け、残りの脱穀物Cと分けることができる。こうして、セパレータ414は、脱穀物Cから比較的に大きな藁屑Sを取り除く。なお、選別後の脱穀物C(穀粒Gと多数の小さな藁屑Sとなっている)は、直接にチャフシーブ412へ落下する。また、セパレータ414の上に残った脱穀物Cは、後方に移動してストローラック413へ落下する。このとき、脱穀物Cは、ふるい線414Sによって更にふるいにかけられる。
その後、チャフシーブ412は、フィードパン411から送られてきた脱穀物Cとともに、セパレータ414から落下してきた脱穀物Cをふるいにかけるのである。上述したように、選別後の脱穀物C(穀粒Gのみとなっている)は、ふるい網415を通った後に、第一流穀板431に案内されて一番樋43へ落下する。また、チャフシーブ412の上に残った脱穀物Cは、後方に移動してストローラック413へ送られる。
加えて、ストローラック413は、チャフシーブ412から送られてきた脱穀物Cとともに、セパレータ414から落下してきた脱穀物Cをふるいにかけるのである。上述したように、選別後の脱穀物C(穀粒Gと少数の小さな藁屑Sとなっている)は、第二流穀板441に案内されて二番樋44へ落下する。また、ストローラック413の上に残った脱穀物Cは、後方に移動して排出口3Eから排出される。
送風装置42は、主に、ファン421と、ファンケース422と、で構成されている。本送風装置42においては、フィードパン411の下方にファン421が配置され、該ファン421を覆うようにファンケース422が配置されている。
ファン421は、複数のファンプレート421pを所定の角度毎に取り付けた構造体である。ファン421は、チャフシーブ412やストローラック413に向けて風を送り、藁屑Sを吹き飛ばす。つまり、ファン421は、回転して風を送り出すことにより、チャフシーブ412上の藁屑Sや該チャフシーブ412から落下してきた藁屑Sを吹き飛ばす。また、ファン421は、回転して風を送り出すことにより、ストローラック413上の藁屑Sや該ストローラック413から落下してきた藁屑Sを吹き飛ばす。これにより、脱穀物Cに混入している比較的に小さな藁屑Sを吹き飛ばし、穀粒Gと分けることができる。こうして、ファン421は、脱穀物Cから穀粒Gの選別を行なう。なお、選別後の脱穀物C(穀粒Gのみとなっている)は、第一流穀板431に案内されて一番樋43へ落下する。若しくは、選別後の脱穀物C(穀粒Gと少数の小さな藁屑Sとなっている)は、第二流穀板441に案内されて二番樋44へ落下する。
ファンケース422は、板材を折り曲げて形成された構造体である。ファンケース422は、ファン421を覆うとともに該ファン421が送り出した風を所定の方向へ案内する。具体的に説明すると、ファンケース422は、ファン421が送り出した風を四つに分岐し、それぞれを所定の方向へ案内する。
ファンケース422は、アッパフローガイド423を備えている。アッパフローガイド423は、ファン421が上方へ送り出した風を分岐し、一方をチャフシーブ412の上面側に向かわせ(図5における矢印Fa参照)、他方をチャフシーブ412の下面側に向かわせる(図5における矢印Fb参照)。これにより、チャフシーブ412やストローラック413上の藁屑Sを吹き飛ばすことができる。また、チャフシーブ412やストローラック413から落下してきた藁屑Sを吹き飛ばすことができる。更に、ふるい網415上の藁屑Sを吹き飛ばすことができる。
加えて、ファンケース422は、ロワフローガイド424を備えている。ロワフローガイド424は、ファン421が後方へ送り出した風を分岐し、一方をふるい網415を介してチャフシーブ412に向かわせ(図5における矢印Fc参照)、他方を第一流穀板431に沿わせてストローラック413に向かわせる(図5における矢印Fd参照)。これにより、チャフシーブ412やストローラック413上の藁屑Sを吹き飛ばすことができる。また、チャフシーブ412やストローラック413から落下してきた藁屑Sを吹き飛ばすことができる。更に、ふるい網415上の藁屑Sを吹き飛ばすことができる。なお、第一流穀板431は、チャフシーブ412の下方に設けられた一番樋43からストローラック413に向けて設置されている。このため、第一流穀板431に沿って流れる風は、徐々に強められてストローラック413に到達する。
次に、本コンバイン100の特徴点について説明する。
図6は、コンバイン100を斜め後方から見た図である。図中には、コンバイン100の前後方向、上下方向及び左右方向を表す。
本コンバイン100は、ステージ81とスイープバー82を具備している。
ステージ81は、広く平らに形成された構造体である。ステージ81は、排出された藁屑Sを受け流す。具体的に説明すると、ステージ81は、排出口3Eの下方に取り付けられており、前端部から後端部にかけて下方へ傾斜している。そのため、ステージ81上に落ちた藁屑Sは、該ステージ81から滑り落ちることとなる(図10及び図11の矢印Fs参照)。なお、ステージ81の詳細な形状について限定するものではない。
スイープバー82は、長く直線状に形成された構造体である。スイープバー82は、ステージ81の上方で往復する。具体的に説明すると、スイープバー82は、ステージ81に沿って回動自在に支持されており、後述するリンク機構8によって往復する。そのため、スイープバー82は、ステージ81に落ちてくる藁屑Sを散らす。なお、スイープバー82の詳細な形状について限定するものではない。
このように、本コンバイン100は、藁屑Sを受け流すステージ81と、ステージ81の上方で往復するスイープバー82と、を具備する。そして、スイープバー82は、ステージ81に落ちてくる藁屑Sを散らす。これにより、本コンバイン100は、スプレッダーが不要となるので、コストの低減が可能となる。また、メンテナンスも簡単になる。
次に、かかる技術的思想を実現した構造について説明する。
図7は、コンバイン100の動力伝達機構を示している。また、図8及び図9は、ベルト機構7とリンク機構8を示している。更に、図10及び図11は、リンク機構8の動作態様を示している。加えて、図12は、コンバイン100が藁屑Sを散らしながら走行している状況を示している。
動力伝達機構は、トランスミッション11のほか、各種の伝達機構で構成されている。ここでは、ベルト機構7とリンク機構8に着目して説明する。ベルト機構7は、選別装置4の側方に配置されている。また、リンク機構8は、選別装置4の下方に配置されている。
ベルト機構7は、ディーゼルエンジン61の回転動力を脱穀装置3や選別装置4へ伝達する。ベルト機構7には、ファン421のセンターシャフト71を介してディーゼルエンジン61の回転動力が入力される。センターシャフト71には、プーリー711が取り付けられており、該プーリー711にベルト712が掛けられている。また、センターシャフト71には、プーリー713が取り付けられており、該プーリー713にベルト714が掛けられている。
ベルト機構7は、ロータリシャフト72を備えている。ロータリシャフト72には、プーリー721が取り付けられており、該プーリー721にベルト712が掛けられている。そのため、ロータリシャフト72は、センターシャフト71の回転に伴って回転される。また、ロータリシャフト72は、ギヤユニット722を介してローター31に連結されている。従って、ローター31は、ロータリシャフト72の回転に伴って回転される。
ベルト機構7は、ロータリシャフト73を備えている。ロータリシャフト73には、プーリー731が取り付けられており、該プーリー731にベルト714が掛けられている。そのため、ロータリシャフト73は、ロータリシャフト71の回転に伴って回転される。また、ロータリシャフト73は、コンベヤ43Cの中心軸である。従って、コンベヤ43Cは、ロータリシャフト73と一体となって回転される。
ベルト機構7は、ロータリシャフト74を備えている。ロータリシャフト74には、プーリー741が取り付けられており、該プーリー741にベルト714が掛けられている。そのため、ロータリシャフト74は、ロータリシャフト71の回転に伴って回転される。また、ロータリシャフト74は、コンベヤ44Cの中心軸である。従って、コンベヤ44Cは、ロータリシャフト74と一体となって回転される。なお、ロータリシャフト74には、プーリー742が取り付けられており、該プーリー742にベルト743が掛けられている。
ベルト機構7は、クランクシャフト75を備えている。クランクシャフト75には、プーリー751が取り付けられており、該プーリー751にベルト743が掛けられている。そのため、クランクシャフト75は、ロータリシャフト74の回転に伴って回転される。また、クランクシャフト75は、揺動装置41の入力軸となる。従って、揺動装置41は、クランクシャフト75の回転に伴って揺動される。なお、クランクシャフト75には、プーリー752が取り付けられており、該プーリー752にベルト753が掛けられている。
ベルト機構7は、クランクシャフト76を備えている。クランクシャフト76には、プーリー761が取り付けられており、該プーリー761にベルト753が掛けられている。そのため、クランクシャフト76は、クランクシャフト75の回転に伴って回転される。また、クランクシャフト76は、リンク機構8の入力軸となる。従って、リンク機構8は、クランクシャフト76の回転に伴って可動される。以下に、リンク機構8について説明する。
リンク機構8は、ディーゼルエンジン61の回転動力をスイープバー82の往復運動に変換する。リンク機構8には、ベルト機構7を介してディーゼルエンジン61の回転動力が入力される。クランクシャフト76には、中心軸に対して平行に偏心軸部76eが形成されている。
リンク機構8は、コネクティングロッド821を備えている。コネクティングロッド821は、コンバイン100の前後方向に沿って配置されている。そして、コネクティングロッド821は、その一端が偏心軸部76eに連結されている。そのため、コネクティングロッド821は、クランクシャフト76の回転に伴って前後方向に往復運動を行なう。なお、図中には、コネクティングロッド821が前方へ移動したときを矢印Daで表している。また、コネクティングロッド821が後方へ移動したときを矢印Deで表している。
リンク機構8は、スイングアーム822を備えている。スイングアーム822は、センターピン83を中心として回動自在に支持されている。そして、スイングアーム822は、その一端がコネクティングロッド821に連結されている。そのため、スイングアーム822は、コネクティングロッド821の往復運動に伴って周方向に往復運動を行なう。なお、図中には、スイングアーム822が一方へ回動したときを矢印Dbで表している。また、スイングアーム822が他方へ回動したときを矢印Dfで表している。
リンク機構8は、コントロールロッド823を備えている。コントロールロッド823は、コンバイン100の左右方向に沿って配置されている。そして、コントロールロッド823は、その一端がスイングアーム822に連結されている。そのため、コントロールロッド823は、スイングアーム822の往復運動に伴って左右方向に往復運動を行なう。なお、図中には、コントロールロッド823が左方に移動したときを矢印Dcで表している。また、コントロールロッド823が右方に移動したときを矢印Dgで表している。
加えて、本コンバイン100は、スイープバー82を備えている。スイープバー82は、センターピン84を中心として回動自在に支持されている。そして、スイープバー82は、その一端がコントロールロッド823に連結されている。そのため、スイープバー82は、コントロールロッド823の往復運動に伴って周方向に往復運動を行なう。なお、図中には、スイープバー82が一方へ回動したときを矢印Ddで表している。また、スイープバー82が他方へ回動したときを矢印Dhで表している。
このように、本コンバイン100は、穀稈を脱穀するローター31と、ローター31を動かすベルト機構7と、スイープバー82を動かすリンク機構8と、を具備する。そして、リンク機構8は、ベルト機構7と連動する。これにより、本コンバイン100は、ローター31とスイープバー82が同時に動くので、確実に藁屑Sを散らすことが可能となる。
また、ベルト機構7は、回転するプーリー761と、プーリー761とともに回転するクランクシャフト76と、を具備する。そして、クランクシャフト76は、リンク機構8を動かす。これにより、本コンバイン100は、ベルト機構7が簡素な構造になるので、コストの低減とメンテナンスの容易化を実現することが可能となる。
更に、リンク機構8は、クランクシャフト76によって可動するコネクティングロッド821と、コネクティングロッド821によって可動するスイングアーム822と、スイングアーム822によって可動するコントロールロッド823と、を具備する。そして、コントロールロッド823は、スイープバー82を動かす。これにより、本コンバイン100は、リンク機構8が簡素な構造になるので、コストの低減とメンテナンスの容易化を実現することが可能となる。
次に、本コンバイン100の他の特徴点について説明する。
図13は、スイープバー82の脱着構造を示している。
スイープバー82は、支点側82Fと作用側82Lで構成されている。支点側82Fと作用側82Lは、互いに一部を重ね合わせた状態でボルトBとナットNによって連結される。換言すると、スイープバー82は、ボルトBとナットNを緩めて取り外すだけで分解することができる。
このように、スイープバー82は、その中途部から先端側が脱着自在になっている。これにより、本コンバイン100は、スイープバー82の破損や変形が生じても、容易に修理を行なうことが可能となる。
次に、藁屑Sを広い範囲に散らすことができる構造について説明する。
図14は、本コンバインに適用し得るステージ81Mを示している。なお、図中の想像線は、上述したステージ81を示している。
ステージ81Mは、前端部から後端部にかけて水平となっている。つまり、ステージ81Mは、該ステージ81Mに落ちてきた藁屑Sが堆積する設計となっている。このような設計により、ステージ81Mに堆積している藁屑Sをスイープバー82によって散らすことができる。ひいては、スイープバー82が藁屑Sを払い、該藁屑Sを広い範囲に散らすことができる。
次に、スイープバー82の破損や変形を防ぐことができる構造について説明する。
図15は、本コンバインに適用し得るステージ81Nを示している。なお、図中の想像線は、上述したステージ81を示している。
ステージ81Nは、前端部から後端部にかけて下方へ傾斜している。つまり、ステージ81Nは、該ステージ81Nに落ちてきた藁屑Sが後方へ滑り落ちる設計となっている(矢印Fs参照)。更に、ステージ81Nは、スイープバー82の上方を覆うように設計されている。このような設計により、ステージ81Nから落ちてきた藁屑Sをスイープバー82が散らすことができる。ひいては、スイープバー82にかかる負担を抑え、該スイープバー82の破損や変形を防ぐことができる。
次に、スイープバー82の作動又は停止を選択できる構造について説明する。
図16は、他の実施形態に係るコンバイン200の動力伝達機構を示している。また、図17は、他の実施形態に係るコンバイン300の動力伝達機構を示している。ここでは、コンバイン100の動力伝達機構と異なる部分についてのみ説明する。
コンバイン200は、クラッチCaを備える点でコンバイン100と異なる。クラッチCaは、リンク機構8にディーゼルエンジン61の回転動力を伝達又は遮断できる。クラッチCaは、いわゆるテンションクラッチであり、オペレータの操作に応じて作動する。クラッチCaが作動しているときは、緩んでいたベルト753が張られるので、リンク機構8にディーゼルエンジン61の回転動力が伝達される。反対に、クラッチCaが作動していないときは、ベルト753が張られないので、リンク機構8にディーゼルエンジン61の回転動力が伝達されることはない。このような構成により、オペレータは、スイープバー82の作動又は停止を選択できる。
コンバイン300は、クラッチCbを備える点でコンバイン100と異なる。クラッチCbは、リンク機構8にディーゼルエンジン61の回転動力を伝達又は遮断できる。クラッチCbは、いわゆるソレノイドクラッチであり、オペレータの操作に応じて作動する。クラッチCbが作動しているときは、分離していたクランクシャフト76が連結されるので、リンク機構8にディーゼルエンジン61の回転動力が伝達される。反対に、クラッチCbが作動していないときは、クランクシャフト76が連結されないので、リンク機構8にディーゼルエンジン61の回転動力が伝達されることはない。このような構成により、オペレータは、スイープバー82の作動又は停止を選択できる。
100 コンバイン
1 走行装置
2 刈取装置
3 脱穀装置
4 選別装置
5 貯留装置
6 動力装置
7 ベルト機構
8 リンク機構
81 ステージ
82 スイープバー
821 コネクティングロッド
822 スイングアーム
823 コントロールロッド
S 藁屑

Claims (3)

  1. 刈り取った穀稈を脱穀し、
    脱穀後の穀稈を藁屑として排出するコンバインにおいて、
    排出された藁屑を受け流すステージと、
    前記ステージの上方で往復するスイープバーと、を具備し、
    前記スイープバーは、前記ステージに落ちてくる藁屑を散らす、ことを特徴とするコンバイン。
  2. 穀稈を脱穀するローターと、
    前記ローターを動かすベルト機構と、
    前記スイープバーを動かすリンク機構と、を具備し、
    前記リンク機構は、前記ベルト機構と連動する、ことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記スイープバーは、その中途部から先端側が脱着自在になっている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンバイン。
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