JP2016006370A - 潜熱蓄熱材における結晶核形成方法及び蓄熱装置 - Google Patents

潜熱蓄熱材における結晶核形成方法及び蓄熱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】潜熱蓄熱材において、より確実に結晶核を形成する方法を提供する。
【解決手段】
結晶核形成方法は、主成分として水を含む溶媒11bと溶質11aとを含み、過冷却状態で潜熱を保持する潜熱蓄熱材11における結晶核形成方法であって、過冷却状態の潜熱蓄熱材11の一部を加熱または冷却して溶質11aの無水物を析出させるステップ(a)と、無水物又は無水物が析出した潜熱蓄熱材11の表面に水を含む液滴を供給し、潜熱蓄熱材11の過冷却状態を解除して放熱させるステップ(b)と、を備える。
【選択図】図1

Description

本開示は、潜熱蓄熱材における結晶核形成方法及び蓄熱装置に関する。
従来、固相から液相に変化するときに蓄積され、液相から固相に変化するときに放出される潜熱を利用する潜熱蓄熱材に関する検討が行われている。
例えば、特許文献1には、図13に示すように、過冷却可能な蓄熱材701を用いた蓄熱式加熱体700が記載されている。蓄熱式加熱体700は、蓄熱材701、容器702、熱交換器704、外枠705、及び熱電素子706を備えている。容器702は、蓄熱材701を充填するための容器である。熱交換器704は、蓄熱式加熱体700へ熱を供給するための熱交換器である。蓄熱式加熱体700からの熱は外枠705を放熱面として放出される。
熱電素子706は蓄熱材701の過冷却を解消するための手段であり、熱電素子706に電圧を印加すると、熱電素子706の蓄熱材701側の一部分が冷却される。蓄熱材701の一部の温度が過冷却状態で結晶核が生成される温度に達すると、結晶核が生成される。その結晶核の生成をきっかけとして蓄熱材701は凝固を開始し、蓄熱材701の融点の温度の熱が放出される。
特許文献1には、熱電素子706に代えて、圧電素子若しくは電動バイブレーター等の擾乱器、低温流体が通過する管又は電極を、蓄熱材701の過冷却を解消するための手段として用いることが記載されている。蓄熱材701の過冷却を解消するための手段として低温流体が通過する管が用いられる場合、蓄熱材701が過冷却状態において結晶核を生成する温度よりも低い温度の低温流体によって結晶核の形成が引き起こされる。蓄熱材701の過冷却を解消するための手段として擾乱器が用いられる場合、擾乱器によって蓄熱材701の分子の一部の位置を外部から強制的に変更させ、蓄熱材701の結晶化を誘発させる。蓄熱材701の過冷却を解消するための手段として電極が用いられる場合、外部から電圧を印加することによって蓄熱材701の一部に電気力を与えて臨界核半径以上の分子クラスタを形成させる。特許文献1には、火花放電により蓄熱材701の分子の位置を外部から強制的に変更させることより、蓄熱材701の結晶化を誘発させる技術も開示されている。
特許3588630号公報
特許文献1に記載の蓄熱式加熱体は、過冷却状態の蓄熱材701において結晶核を即時かつ確実に形成する観点から改良の余地を有する。そこで、本発明は、潜熱蓄熱材において結晶核を形成する別の方法を提供することを目的とする。
本開示は、主成分として水を含む溶媒と溶質とを含み、過冷却状態で潜熱を保持する潜熱蓄熱材における結晶核形成方法であって、過冷却状態の前記潜熱蓄熱材の一部を加熱または冷却して前記溶質の無水物を析出させるステップ(a)と、前記無水物又は前記無水物が析出した前記潜熱蓄熱材の表面に水を含む液滴を供給し、前記潜熱蓄熱材の過冷却状態を解除して放熱させるステップ(b)と、を備えた、結晶核形成方法を提供する。
上記の結晶核形成方法によれば、潜熱蓄熱材において、より確実に結晶核を形成できる。
本開示の一実施形態に係る結晶核形成方法を概念的に説明する模式図 酢酸ナトリウム三水和物の飽和水溶液における温度及び酢酸ナトリウム無水物の飽和水溶液における温度とそれらの飽和水溶液の濃度との関係を示すグラフ 第1実施形態に係る蓄熱装置を概念的に説明する模式図 第1実施形態に係る蓄熱装置の具体的な構造を説明する断面図 第1変形例に係る蓄熱装置の断面図 第2変形例に係る蓄熱装置の断面図 第3変形例に係る蓄熱装置の断面図 第4変形例に係る蓄熱装置の断面図 第2実施形態に係る蓄熱装置の平面図 図9のX−X線に沿った第2実施形態に係る蓄熱装置の断面図 熱利用システムの構成図 本開示の一実施形態に係る結晶核形成方法を示すフローチャート 従来の蓄熱式加熱体の構造を示す図
潜熱蓄熱材の一例として、酢酸ナトリウム三水和物を含む潜熱蓄熱材を挙げることができる。酢酸ナトリウム三水和物は、凝固点58℃及び潜熱量(凝固熱)250J/gという特性を有する。このため、酢酸ナトリウム三水和物を含む潜熱蓄熱材は、100℃未満の比較的低温の排熱を高密度で蓄熱するのに適しており、例えば、自動車における暖機運転又は暖房の補助熱源として使用することが考えられる。また、酢酸ナトリウム三水和物は、凝固点以上の温度で完全に溶解した後に、凝固点を下回る温度まで冷却されても相変化を起こさずに液相の状態を維持する過冷却状態になる特性を有する。過冷却状態が維持されている限り、潜熱が保持される。すなわち、この様な潜熱蓄熱材は、排熱が与えられることにより、温度が上昇して固相から液相に相変化し、潜熱および顕熱を蓄積する。排熱の供給がストップした後、時間の経過とともに、潜熱蓄熱材から冷たい外気に顕熱が放出される。しかし、潜熱蓄熱材の温度が凝固点よりも低くなっても、過冷却状態が維持されることにより、潜熱が保持される。酢酸ナトリウム三水和物を含む潜熱蓄熱材において、結晶核を形成して結晶を成長させることにより、この過冷却状態を解除できる。潜熱蓄熱材における過冷却状態の解除を適切に制御できれば、断熱材等を使用せずとも熱を長期間蓄えることができ、かつ、潜熱蓄熱材に蓄えられた潜熱を需要に応じた適切な時期に放出できる。このことは、酢酸ナトリウム三水和物を含む潜熱蓄熱材以外の多くの潜熱蓄熱材にもあてはまる。
上記の通り、特許文献1には、過冷却可能な蓄熱材701の過冷却を解消する手段がいくつか提案されている。ところが、蓄熱材701の過冷却を解消する手段として熱電素子706又は低温流体が通過する管を用いて蓄熱材701を結晶核が形成される温度まで局所的に冷却したとしても、即時に結晶核が形成されない可能性がある。実際に、本発明者らの実験によれば、過冷却状態の酢酸ナトリウム三水和物を−20℃まで冷却しても、結晶核が形成されるまでに数時間要することがあった。この場合、需要に応じた適切な時期に蓄熱材701に蓄えられた潜熱を放出することが難しい。また、蓄熱材701の過冷却を解消する手段として擾乱器又は電極を用いた場合、結晶核を確実に形成できない可能性がある。実際に、本発明者らは、過冷却状態の酢酸ナトリウム三水和物に対し、超音波振動による振動を加えたり、電極によって数ボルトの交流電圧及び直流電圧を加えたり、又は1000ボルト以上の電圧を印加して火花放電を発生させたりした。しかし、いずれの場合にも、結晶核を確実に形成することはできなかった。すなわち、特許文献1に記載の蓄熱式加熱体は、過冷却状態の蓄熱材701において結晶核を即時かつ確実に形成する観点から改良の余地を有する。
以上の事情に鑑みれば、潜熱蓄熱材において確実かつ即時に結晶核を形成できる別の方法を検討する必要がある。
本開示の第1態様は、
主成分として水を含む溶媒と溶質とを含み、過冷却状態で潜熱を保持する潜熱蓄熱材における結晶核形成方法であって、
過冷却状態の前記潜熱蓄熱材の一部を加熱または冷却して前記溶質の無水物を析出させるステップ(a)と、
前記無水物又は前記無水物が析出した前記潜熱蓄熱材の表面に水を含む液滴を供給し、前記潜熱蓄熱材の過冷却状態を解除して放熱させるステップ(b)と、を備えた、
結晶核形成方法を提供する。
第1態様によれば、ステップ(b)において、ステップ(a)で析出した無水物又は無水物が析出した前記潜熱蓄熱材の表面に水を含む液滴が供給されることによって、無水物が溶解して濃度勾配が発生し、例えば、溶質の水和物の結晶核が形成される。これにより、潜熱蓄熱材において、結晶核が形成されて潜熱蓄熱材における結晶成長が生じ、潜熱蓄熱材に蓄えられた潜熱が放出される。
本開示の第2態様は、第1態様に加えて、
前記潜熱蓄熱材は、前記潜熱蓄熱材の表面に接する空間が容器の内部に形成されるように前記容器に収容されており、
前記ステップ(a)は、前記空間又は前記表面を加熱して前記過冷却状態の潜熱蓄熱材の一部を加熱し、前記溶媒の一部を前記表面から蒸発させて前記溶質の前記無水物を前記表面に析出させるステップであり、
前記ステップ(b)は、前記空間に含まれる水分を凝縮させて前記液滴を形成するステップ(b1)をさらに含む、結晶核形成方法を提供する。
第2態様によれば、ステップ(a)において、溶媒の一部を蒸発させることによって無水物を析出させることができるとともに、ステップ(b)において供給されるべき液滴を容器の内部に形成された潜熱蓄熱材の表面に接する空間に含まれる水分によって形成できる。
本開示の第3態様は、第1態様又は第2態様に加えて、前記溶質が塩であり、前記ステップ(b)において前記溶質の水和物の結晶核が形成される、結晶核形成方法を提供する。
本開示の第4態様は、
主成分として水を含む溶媒と溶質とを含み、過冷却状態で潜熱を保持する潜熱蓄熱材と、
前記潜熱蓄熱材を収容する容器と、
過冷却状態の前記潜熱蓄熱材の一部を加熱して前記溶質の無水物を析出させる加熱器、または過冷却状態の前記潜熱蓄熱材の一部を冷却して前記溶質の無水物を析出させる冷却器と、
前記無水物又は前記無水物が析出した前記潜熱蓄熱材の表面に水を含む液滴を供給し、前記潜熱蓄熱材の過冷却状態を解除して放熱させる液滴供給器と、を備えた、
蓄熱装置を提供する。
第4態様によれば、第1態様〜第3態様のいずれか1つの態様に係る結晶核形成方法の使用に用いられる蓄熱装置を提供できる。
本開示の第5態様は、第4態様に加えて、前記加熱器を有し、
前記潜熱蓄熱材は、前記潜熱蓄熱材の表面に接する空間が前記容器の内部に形成されるように前記容器に収容されており、
前記加熱器は、前記空間又は前記表面を加熱して過冷却状態の前記潜熱蓄熱材の一部を加熱し、前記溶媒の一部を前記表面から蒸発させて前記溶質の無水物を析出させる、蓄熱装置を提供する。第5態様によれば、溶媒の一部を蒸発させて無水物を析出させるために潜熱蓄熱材の表面に接する空間又は潜熱蓄熱材の表面を加熱できる。
本開示の第6態様は、第4態様または第5態様に加えて、前記液滴供給器は、前記空間に含まれる水分を凝縮させて前記液滴を形成するように前記空間を冷却する空間冷却器を含む、蓄熱装置を提供する。第6態様によれば、空間に含まれる水分を凝縮させて、無水物又は無水物の近傍に供給されるべき液滴を形成するために、潜熱蓄熱材の表面に接する空間を冷却できる。
本開示の第7態様は、第4態様〜第6態様のいずれか1つの態様に加えて、前記溶質が塩である、蓄熱装置を提供する。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
《潜熱蓄熱材における結晶核形成方法》
まず、潜熱蓄熱材における結晶核形成方法について説明する。図12は、本開示の一実施形態に係る結晶核形成方法を示すフローチャートである。本実施形態の方法に使用される潜熱蓄熱材11は、溶質11a及び溶媒11bを含み、溶媒11bの主成分として水を含む。本明細書で「主成分」とは、質量基準で最も多く含まれている成分を意味する。溶媒11bは、水以外に、例えば、アルコール、エーテル、又はケトン等の有機溶媒を含んでいてもよい。本実施形態の方法は、ステップS1と、ステップS2とを備える。ステップS1は、潜熱蓄熱材11において、溶質11aの無水物12を析出させるステップである。ステップS2は、無水物12又は無水物12の近傍に水を含む液滴を供給するステップである。ステップS2において供給された液滴によって無水物12が溶解して濃度勾配が発生する。このとき、例えば、溶質11aの水和物の結晶が生成されることによって潜熱蓄熱材11において結晶核が形成される。
図1を参照して、潜熱蓄熱材における結晶核形成方法の一例を説明する。まず、図1の(a)に示すように、容器10の内部に潜熱蓄熱材11を収容する。ここで、潜熱蓄熱材11は、潜熱蓄熱材11の表面Sに接する空間15が容器10の内部に形成されるように容器10に収容されている。容器10は、例えば、密閉容器である。空間15は、例えば、空気、窒素、又は希ガス等の潜熱蓄熱材11と化学反応しない気体で満たされている。また、容器10は、空間15が容器10の外部と連通するように構成されていてもよい。
潜熱蓄熱材11は、過冷却可能な材料である。潜熱蓄熱材11の溶質11aは、特に制限されないが、例えば塩である。塩である溶質11aとしては、酢酸ナトリウムを挙げることができる。特に説明する場合を除き、溶質11aが酢酸ナトリウムであり、潜熱蓄熱材11が45質量%の酢酸ナトリウム水溶液である場合を例に以下の説明を行う。この場合、潜熱蓄熱材11において、酢酸ナトリウムに対する水分子の割合(水の物質量/酢酸ナトリウムの物質量)は、5〜6である。図1において、溶質11aは、実際には、酢酸イオンとナトリウムイオンとに電離して溶媒11bに分散している。
図1の(b)に示すように、ステップS1において、無水物析出手段20を用いて、溶質11aの無水物12を析出させる。無水物12は、例えば、水分子を含まない、溶質11aによるイオン結晶である。無水物析出手段20として、例えば、空間15又は潜熱蓄熱材11の表面Sを加熱する加熱器20aを用いることができる。この場合、ステップS1は、溶媒11bの一部を潜熱蓄熱材11の表面Sから蒸発させて溶質11aの無水物12を潜熱蓄熱材11の表面Sに析出させるステップである。具体的に、例えば、加熱器20aによって空間15を加熱することによって、空間15の温度が上昇する。これにより、空間15における飽和水蒸気量が増加し、溶媒11bの一部が潜熱蓄熱材11の表面Sから蒸発し、潜熱蓄熱材11の表面Sにおいて溶質11aの濃度が局所的に高まる。また、例えば、加熱器20aは、加熱器20aから放出された電磁波によって潜熱蓄熱材11の表面Sを加熱する。この場合にも、溶媒11bの一部が潜熱蓄熱材11の表面Sから蒸発し、潜熱蓄熱材11の表面Sにおいて溶質11aの濃度が局所的に高まる。
加熱器20aは、空間15を加熱する電気ヒーターであってもよい。また、加熱器20aは、空間15と接触するコンプレッサ出口配管を有するヒートポンプ装置であってもよい。この場合、コンプレッサ出口配管が高温となり、コンプレッサ出口配管を流れる熱媒体と空間15内の気体とが熱交換を行い、空間15が加熱される。また、加熱器20aは、容器10の内壁に空間15と接するように貼り付けられた熱電素子(ペルチェ素子)を備えるものであってもよい。この場合、熱電素子に電流が流れ、熱電素子の空間15側の部分と容器10の内壁側の部分に温度差が発生し、空間15が加熱され、内壁側が冷却される。また、無水物析出手段20は、自動車の排熱などの外部熱源を利用するものであってもよい。無水物析出手段20は、例えば、空間15内に配置され、一時的にエンジン冷却水の一部が流れる配管であってもよい。
ステップS1が開始される前の潜熱蓄熱材11の温度が20℃であると仮定する。この場合、図2に示すように、潜熱蓄熱材11の表面Sは点Aで示す状態にある。図2において、実線は、酢酸ナトリウム無水物の飽和水溶液の温度と濃度との関係を示し、破線は、酢酸ナトリウム三水和物の飽和水溶液の温度と濃度との関係を示している。ステップS1において、潜熱蓄熱材11の表面Sにおいて溶質11aの濃度が局所的に高まると、潜熱蓄熱材11の表面Sにおいて、酢酸ナトリウムの濃度が点Bにおける濃度よりも高くなる。点Bにおける濃度は、20℃における酢酸ナトリウム無水物の飽和水溶液の濃度(51.4質量%)である。これにより、潜熱蓄熱材11の表面Sに酢酸ナトリウムの無水物12が析出する。無水物12が析出した後、加熱器20aによる加熱を停止する。
次に、図1の(c)に示すように、ステップS2において、無水物12又は無水物12の近傍に水を含む液滴を供給する。例えば、液滴は潜熱蓄熱材11の表面Sに供給される。液滴は、例えば、液滴供給手段30によって供給される。液滴供給手段30の構成は特に制限されないが、液滴供給手段30は、例えば、弁を開閉することによって容器に収容された液体から所定量の液滴を滴下できるように構成されている。液滴供給手段30は、例えば、ピペットであってもよい。無水物12又は無水物12の近傍に供給される液滴は、水を主成分としていることが望ましく、水のみを含んでいてもよい。液滴供給手段30は、外部タンクの水を微少量滴下するポンプであってもよい。
ステップS2において供給された液滴によって、図1の(c)に示すように、無水物12を形成する酢酸ナトリウムが溶解して濃度勾配が発生する。これにより、図1の(d)に示すように、酢酸ナトリウム三水和物の結晶核13が生成される。このように、ステップS2において、溶質11aの水和物の結晶核13が形成される。過冷却状態の潜熱蓄熱材11において、結晶核13が形成されると、液相から固相への相変化が始まり、この過程で潜熱蓄熱材11が有する潜熱が放出される。すなわち、潜熱蓄熱材11の過冷却状態が解除される。このとき、溶質11aである酢酸ナトリウムが、溶媒11bの主成分である水と水和した状態で液相から固相へ相変化する。潜熱蓄熱材11が「液相」の状態であるとき、酢酸ナトリウムが酢酸イオンとナトリウムイオンに電離して溶媒11b中に溶解している。潜熱蓄熱材11が「固相」の状態であるとき、潜熱蓄熱材11において酢酸ナトリウム三水和物の結晶が形成されている。
(変形例)
上記の方法は、様々な観点から変更可能である。例えば、ステップS2は、空間15に含まれる水分を凝縮させて液滴を形成するステップ(b1)をさらに含んでいてもよい。これにより、空間15に含まれる水分を凝縮させてステップS2で供給されるべき液滴を形成できる。この場合、空間15を冷却して空間15に含まれる水分を容器10の内面に凝縮させて液滴を形成する。例えば、空間15に接する容器10の内面を冷却する。液滴は、容器10の内面を伝って、無水物12又は無水物12の近傍に供給される。この場合、容器10の内面の一部が液滴供給手段30の一部を構成する。また、冷却された部材を空間15に配置して空間15を冷却し、その部材に空間15に含まれる水分を凝縮させて液滴を生成してもよい。この場合、その部材は、液滴がその部材を伝って無水物12又は無水物12の近傍に供給されるように、空間15に配置されていることが望ましい。ステップS1で用いられる無水物析出手段20が潜熱蓄熱材11の一部を加熱する場合、液滴供給手段30は、加熱により潜熱蓄熱材11から蒸発した水を容器10内部で循環させるものであってもよい。すなわち、液滴供給手段30は、加熱により潜熱蓄熱材11から空間15に放出された水を凝縮して液滴として使用してもよい。
ステップS1は、潜熱蓄熱材11の表面Sを局所的に冷却することによって溶質11aの無水物12を析出させるステップであってもよい。この場合、例えば、熱電素子等の冷却器によって潜熱蓄熱材11の表面Sが局所的に冷却される。潜熱蓄熱材11が45質量%の酢酸ナトリウム水溶液である場合、潜熱蓄熱材11の表面Sを−10℃以下に冷却すると、潜熱蓄熱材11の状態は図2の点Aから点Cの状態に変化する。図2において、実線は、酢酸ナトリウム無水物の飽和水溶液の温度と濃度との関係を示し、破線は、酢酸ナトリウム三水和物の飽和水溶液の温度と濃度との関係を示している。この場合、酢酸ナトリウム無水物の飽和水溶液の濃度が45質量%を下回り、酢酸ナトリウムの無水物12が析出する。換言すると、ステップS1において、溶質11aの飽和水溶液の濃度がステップS1以前の潜熱蓄熱材11における溶質11aの濃度を下回るように、潜熱蓄熱材11の表面Sが局所的に冷却される。
ステップS1の無水物析出手段20である冷却器は、容器10を介して潜熱蓄熱材11の一部を冷却できるように容器10の外壁に貼り付けられた熱電素子であってもよい。また、無水物析出手段20である冷却器は、容器10と接触する膨張弁出口配管を有するヒートポンプ装置であってもよい。この場合、膨張弁出口配管が低温となり、容器10を介して熱交換が行われ、潜熱蓄熱材11の一部が冷却される。また、無水物析出手段20は、外部冷熱源を利用するものであってもよい。無水物析出手段20は、例えば、冷たい外気を取り込んで容器10に吹き付けるダクトであってもよい。
潜熱蓄熱材11の溶質11aとして、酢酸ナトリウム以外の塩が用いられてもよい。溶質11aとして、例えば、硫酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、塩化カルシウム、炭酸ナトリウム、又はチオ硫酸ナトリウムが用いられてもよい。これらの水溶液は、いずれも過冷却可能であり、水和物の結晶を構成できる。硫酸ナトリウムは、水和により、硫酸ナトリウム十水和物の結晶を形成できる。リン酸水素二ナトリウムは、水和により、リン酸水素二ナトリウム十二水和物の結晶を形成できる。塩化カルシウムは、水和により、塩化カルシウム六水和物の結晶を形成できる。炭酸ナトリウムは、水和により、炭酸ナトリウム十水和物の結晶を形成できる。チオ硫酸ナトリウムは、水和により、チオ硫酸ナトリウム五水和物の結晶を形成できる。潜熱蓄熱材11には、相分離防止剤として、増粘剤又は多糖類が添加されていてもよい。
《蓄熱装置》
次に、上記の潜熱蓄熱材11における結晶核形成方法の使用に用いられる蓄熱装置について説明する。潜熱蓄熱材11に関する上記の説明は技術的に矛盾しない限り、以下の説明についてもあてはまる。
<第1実施形態>
図3に示すように、第1実施形態に係る蓄熱装置100aは、潜熱蓄熱材11と、容器50と、無水物析出手段40と、液滴供給手段60とを備えている。潜熱蓄熱材11は、上記の通り、溶質11a及び溶媒11bを含み、溶媒11bの主成分として水を含む。溶質11aは、例えば、塩である。特に説明する場合を除き、潜熱蓄熱材11が45質量%の酢酸ナトリウム水溶液である場合を例に、以下の説明を行う。
図4に示すように、容器50は、潜熱蓄熱材11を収容している。潜熱蓄熱材11は、潜熱蓄熱材11の表面Sに接する空間35が容器50の内部に形成されるように容器50に収容されている。容器50は、本体部50a及び延伸部50bを備えている。本体部50aは、潜熱蓄熱材11の大部分を収容するための空間を形成している。延伸部50bは、本体部50aから上方に突出するように形成されている。図4に示すように、延伸部50bは、漏斗状の形状を有している。すなわち、延伸部50bは、上方に向かって円柱状の空間から逆円錐台状の空間が広がる内部空間を有する。延伸部50bの円柱状の内部空間に、潜熱蓄熱材11の表面Sが形成されている。延伸部50bにおける、潜熱蓄熱材11の表面Sよりも上方の内部空間によって空間35が形成されている。空間35は、空気、窒素、及び希ガス等の潜熱蓄熱材11と化学反応しない気体で満たされている。延伸部50bの寸法は特に制限されないが、延伸部50bの円柱状の空間を形成する部分の内径は、例えば10mmである。延伸部50bの逆円錐台状の空間を形成する部分は、例えば、高さ5mm及び上部直径400mmを有する逆円錐台状の空間を形成するように構成されている。これにより、空間35は、約644,000mm3の容積を有している。
本体部50aは、アルミ箔に樹脂をラミネートしたフィルム又はアルミニウムを蒸着した樹脂フィルム等の熱伝導性が良好で可撓性を有する材料でできている。これにより、本体部50aは、温度変化に伴う潜熱蓄熱材11の体積変化に追従できる。
無水物析出手段40は、潜熱蓄熱材11において溶質11aの無水物を析出させるための機能を有する。本実施形態では、無水物析出手段40は、潜熱蓄熱材11を局所的に加熱又は冷却するための温度調節器である。具体的に、無水物析出手段40は、空間35又は潜熱蓄熱材11の表面Sを加熱する加熱器41である。加熱器41は、溶媒10bの一部を潜熱蓄熱材11の表面Sから蒸発させるように空間35又は表面Sを加熱する。加熱器41は、例えば、板状の電気ヒーターであり、空間35の温度を90℃程度まで上昇させることができる。加熱器41は、空間35を覆うように延伸部50bの上方に配置されている。これにより、空間35は密閉空間として形成されている。空間35は、逆円錐台状の空間を含んでいるので、加熱器41が潜熱蓄熱材11の表面Sよりも十分に大きい伝熱面積を有する。これにより、加熱器41から多くの熱を空間35に放出でき、空間35を迅速に加熱できる。なお、加熱器41は、潜熱蓄熱材11の表面Sを加熱するための電磁波を表面Sに向かって放射できるように構成されていてもよい。
液滴供給手段60は、無水物析出手段40の働きによって析出した溶質11aの無水物又はその無水物の近傍に、水を含む液滴を供給するための機能を有する。本実施形態では、液滴供給手段60は、延伸部50bにおける空間35を形成する内面60bを含む。さらに、液滴供給手段60は、空間35を冷却する空間冷却器60aを含む。空間冷却器60aは、空間35に含まれる水分を凝縮させて液滴を形成するように空間35を冷却する。空間冷却器60aは、例えば、50Wの出力を有する熱電素子によって構成されており、空間35の温度を約90℃から20℃程度まで低下させることができる。空間冷却器60aの構成及び出力は、空間35における水分を凝縮させて液滴を形成できる限り、特に制限されない。図4に示すように、空間冷却器60aは、延伸部50bの、内面60bと反対側の外面に接触するように配置されている。空間冷却器60aの働きによって内面60bが冷却され、空間35における水分が凝縮して内面60bにおいて液滴が形成される。
この液滴は、内面60bを伝って潜熱蓄熱材11の表面Sに供給される。内面60bは、液滴が潜熱蓄熱材11の表面Sに流れやすいように、潜熱蓄熱材11の表面Sに対して傾斜を有する傾斜部分を有している。また、内面60bの傾きが変化する部分には、液滴に作用する表面張力が小さくなるように、望ましくは、丸みがつけられている。また、液滴が潜熱蓄熱材11の表面Sへ流れやすいように、エッチング処理、サンドブラスト加工、又は撥水剤によるコーティング等の表面加工によって内面60bに撥水処理が施されていてもよい。内面60bの形状は、内面60bに付着した液滴を潜熱蓄熱材11の表面Sに向かって流すことができる限り、特に制限されない。
空間35の容積は、加熱器41による加熱によって1mm3以上の溶媒11bが、空間35に接する潜熱蓄熱材11の表面Sから蒸発できるように定められていることが望ましい。このような条件を満たす空間35の容積は、加熱器41によって空間35又は潜熱蓄熱材11の表面Sを加熱するときの空間35の温度における飽和水蒸気量と、潜熱蓄熱材11において結晶核が形成されるときの空間35の温度における飽和水蒸気量との差に基づいて定めることができる。
容器50における潜熱蓄熱材11の充填効率を高めるためには、空間35の容積はできるだけ小さいことが望ましい。空間35の容積は、空間35に接する潜熱蓄熱材11の表面Sの面積と比例関係にあるので、容器50における潜熱蓄熱材11の充填効率を高めるために、空間35に接する潜熱蓄熱材11の表面Sができるだけ小さいことが望ましい。
蓄熱装置100aは、断熱材55をさらに備えている。断熱材55は、延伸部50bの外面のうち、加熱器41及び空間冷却器60aと接していない部分を覆っている。これにより、熱損失を低減できる。
次に、加熱器41によって空間35が加熱される場合を例に、蓄熱装置100aの動作の一部を説明する。まず、加熱器41によって空間35を加熱する。酢酸ナトリウム水溶液の沸点は約120℃であるので、加熱器41の目標温度は、潜熱蓄熱材11が沸騰しないように、115℃以下に定められていることが望ましい。例えば、加熱器41による加熱によって、空間35の温度が約20℃から約90℃に上昇する。これにより、溶媒11bの一部が潜熱蓄熱材11の表面Sから蒸発する。例えば、加熱器41による加熱開始から15秒から30秒程度で溶媒11bの蒸発に必要な熱量が加熱器41から供給される。このとき、約0.26g(=約260mm3)の溶媒が蒸発する。これにより、潜熱蓄熱材11の表面Sから深さ10mmの範囲において、酢酸ナトリウム水溶液は、過飽和の状態となる。この範囲における酢酸ナトリウムの実質的な濃度は、65質量%以上に上昇する。このため、潜熱蓄熱材11の表面Sに酢酸ナトリウムの無水物が析出する。
加熱器41の消費電力に基づいて加熱器41から空間35に供給された熱量を積算し、この積算した熱量が所定の閾値を超えたか否かを判断する。これにより、潜熱蓄熱材11の表面Sに酢酸ナトリウムの無水物が析出したか否かを判断できる。所定の閾値は、例えば、空間35の加熱及び溶媒11bの蒸発に必要なエネルギー及び外部への熱損失を考慮して定められる。所定の閾値は、例えば、1.5kJである。この場合、加熱器41による加熱開始から20秒から30秒程度で酢酸ナトリウムの無水物が析出したと判断される。酢酸ナトリウムの無水物が析出したと判断された場合、加熱器41の加熱が停止される。潜熱蓄熱材11の表面Sを観察することによって酢酸ナトリウムの無水物が析出したか否かを判断してもよい。
次に、空間冷却器60aを作動させて、空間35を冷却する。これにより、空間35に含まれる水分が凝縮して、内面60bに水を含む液滴が付着する。空間冷却器60aとして50Wの出力を有する熱電素子を用いる場合、空間冷却器60aの作動開始から15秒から30秒程度で、内面60bに水を含む液滴が付着する。この液滴は、重力の作用により、内面60bを伝って潜熱蓄熱材11の表面Sに供給される。潜熱蓄熱材11の表面Sに析出している無水物が液滴と接触することで溶解し、酢酸ナトリウム三水和物の結晶核が形成される。このとき、潜熱蓄熱材11の温度が過冷却状態の解除に伴って急激に上昇する。この急激な温度上昇を、容器50に接触するように設けた温度センサ(図示省略)によって検出することによって、潜熱蓄熱材11における結晶核の形成の有無を判断できる。潜熱蓄熱材11において結晶核が形成されたと判断された場合には、空間冷却器60aによる冷却が停止される。
内面60bに付着した少なくとも1つの液滴が潜熱蓄熱材11の表面Sに供給されれば、酢酸ナトリウム三水和物の結晶核を形成できる。このため、空間35は、空間冷却器60aによって、加熱器41による加熱を行う以前の空間35の温度まで冷却されなくてもよい。また、空間冷却器60aが熱電素子によって構成されている場合、この熱電素子は、酢酸ナトリウムの無水物を析出させるときに空間35を加熱するために用いられてもよい。
(変形例)
蓄熱装置100aは、様々な観点から変更可能である。例えば、蓄熱装置100aは、図5に示す、第1変形例に係る蓄熱装置100bのように変更されてもよい。蓄熱装置100bは、特に説明する場合を除き、蓄熱装置100aと同様に構成されている。蓄熱装置100aの構成要素と同一又は対応する蓄熱装置100bの構成要素には、蓄熱装置100aの構成要素と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第1実施形態に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、第1変形例にも適用される。このことは、第2変形例〜第4変形例についてもあてはまる。
蓄熱装置100bにおいて、加熱器41は、ベース部41a及び突出部41bを含む。ベース部41aは、空間35を覆うように延伸部50bの上方に配置されている。突出部41bは、ベース部41aから下方に向かって突出している。また、蓄熱装置100bは、仕切部材70を備えている。仕切部材70は、空間35に配置されている。仕切部材70は、円筒状の筒部70a及び脚部70bを含む。仕切部材70は、筒部70aが突出部41bを囲み、かつ、脚部70bが内面60bの傾斜部分に接して仕切部材70を支持するように、空間35に配置されている。加熱器41が空間35を加熱するとき、筒部70aの内側では、突出部41bによる加熱によって温度が上昇しやすい。このため、筒部70aの内側では上昇気流が生じやすい。一方、筒部70aの外側では、容器50の外部への放熱が起こるので温度が低下しやすく、下降気流が発生しやすい。このように、筒部70aの内側と外側とにおいて、空間35の空気が循環するように流れるので、潜熱蓄熱材11の表面Sからの溶媒11bの蒸発を促進できる。
蓄熱装置100aは、図6に示す、第2変形例に係る蓄熱装置100cのように変更されてもよい。蓄熱装置100cの加熱器41は、蓄熱装置100bの加熱器41と同様にベース部41a及び突出部41bを備えている。蓄熱装置100cの加熱器41は、さらに、先端部41cを備えている。先端部41cは、突出部41bのベース部41aと反対側の端部に接続されている。先端部41cは、潜熱蓄熱材11と接触している。蓄熱装置100cの加熱器41は、ベース部41a及び突出部41bの設定温度と、先端部41cの設定温度とが個別に変更可能であるように構成されている。蓄熱装置100cの加熱器41は、先端部41cが溶媒11bを気化させるのに必要なエネルギーを供給できる。また、蓄熱装置100cの加熱器41は、ベース部41a及び突出部41bが、蒸発した溶媒11bが空間35で気相の状態を維持するのに必要な熱エネルギーを供給できる。その結果、潜熱蓄熱材11の表面Sからの溶媒11bの蒸発を促進できる。
蓄熱装置100aは、図7に示す、第3変形例に係る蓄熱装置100dのように変更されてもよい。蓄熱装置100dは、蓄熱装置100aにおける空間冷却器60aが省略されている。蓄熱装置100dは、液滴供給手段60として、滴下装置62を備えている。滴下装置62は、所定量の液体を滴下するための装置である。滴下装置62は、収容部62a、ノズル62b、及び弁62cを備えている。溶質11aの無水物又は無水物の近傍に供給すべき液滴を形成するための液体が収容部62aに収容されている。収容部62aに収容されている液体は、溶質11aの無水物の飽和水溶液の濃度よりも低い濃度を有する溶質11aの水溶液又は水である。ノズル62bは、収容部62aから潜熱蓄熱材11の表面Sに向かって下方に延びている。収容部62aに収容されている液体が、ノズル62bを流れて、ノズル62bの先端から潜熱蓄熱材11の表面Sに滴下される。弁62cは、ノズル62bの内部に形成された流路を開閉するための弁である。弁62cの開閉が制御されることによって、滴下される液体の量が調整される。滴下装置62によって、溶質11aの無水物又はこの無水物の近傍に、水を含む液滴を供給できるので、蓄熱装置100aと同様に、潜熱蓄熱材11において、溶質11aの水和により溶質11aの水和物の結晶核が形成される。
蓄熱装置100dにおいて、空間35は密閉空間である。しかし、空間35が容器50の外部に連通していてもよい。このとき、加熱器41による加熱によって潜熱蓄熱材11から蒸発した溶媒11bは、容器50の外部に放出される。この場合、滴下装置62によって滴下されるべき液体の量は、重量測定装置(図示省略)によって計測された容器50の外部に放出された溶媒11bの量に等しい量に定められていてもよい。これにより、潜熱蓄熱材11における溶質11aの濃度の時間的な変化を抑制できる。
また、蓄熱装置100dにおいて、液滴供給手段60として、滴下装置62に代えてピペットが用いられてもよい。
蓄熱装置100aは、図8に示す、第4変形例に係る蓄熱装置100eのように変更されてもよい。蓄熱装置100eは、無水物析出手段40として、潜熱蓄熱材11を局所的に冷却するための温度調節器43(冷却器)を備えている。冷却器43は、例えば、熱電素子によって構成されている。冷却器43は、潜熱蓄熱材11の表面Sに接している。蓄熱装置100eは、液滴供給手段60として、滴下装置62を備えている。蓄熱装置100eにおいて、延伸部50bによって円柱状の内部空間が形成され、その内部空間において冷却器43と潜熱蓄熱材11の表面Sとが接触している。冷却器43は、潜熱蓄熱材11の表面S付近における溶質11aの実質的な濃度が、溶質11aの無水物の飽和水溶液の濃度よりも高くなるように、潜熱蓄熱材11の表面Sを冷却できる。例えば、冷却器43は、潜熱蓄熱材11の表面Sを−10℃以下に冷却できる。これにより、溶質11aの無水物を析出させることができる。また、滴下装置62を用いることによって、溶質11aの無水物又はその無水物の近傍に水を含む液滴が供給されるので、溶質11aの水和により溶質11aの水和物の結晶核が形成される。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る蓄熱装置300aについて説明する。第1実施形態に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、第2実施形態にも適用される。図9及び図10に示すように、蓄熱装置300aは、潜熱蓄熱材11、蓄熱容器350、熱交換容器370、加熱器340、空間冷却器360、外枠380、供給管320a、排出管320b、及び温度センサ390を備えている。蓄熱容器350は、本体部350a及び延伸部350bを有する。蓄熱容器350の内部には潜熱蓄熱材11が収容されている。蓄熱容器350は、金属等の良好な熱伝導性を有する材料でできている。
熱交換容器370は、本体部350aとの間に所定の空間を形成するように、本体部350aを取り囲んでいる。本体部350aの外周面と熱交換容器370の内周面との間の空間は、潜熱蓄熱材11と熱のやり取りをするための熱媒体の貯留空間として機能する。熱交換容器370は、金属又は樹脂で構成されている。熱交換容器370は、例えば、断熱性を有する材料でできている。熱交換容器370には、供給管320a及び排出管320bが接続されている。供給管320aによって形成される流路及び排出管320bによって形成される流路がそれぞれ熱交換容器370の内部の空間につながっている。熱媒体が供給管320aを通って熱交換容器370の内部に供給される。また、熱媒体は、排出管320bを通って熱交換容器370の内部から排出される。熱媒体は、例えば、水又はエチレングリコール等の液体、又は、空気等の気体である。
延伸部350bは、熱交換容器370の壁を貫通するように本体部350aから側方に延び、熱交換容器370の外側で上方に延びている。潜熱蓄熱材11の表面Sは、延伸部350bが形成する上方に延びる内部空間に形成されている。また、延伸部350bは、潜熱蓄熱材11の表面Sに接する空間335を、潜熱蓄熱材11の表面Sの上方に形成している。空間335は、空気等の気体で満たされている。延伸部350bは、延伸部350b及び熱交換容器370を平面視したときに、空間335の大部分が熱交換容器370と重なるように形成されている。
加熱器340は、例えば、加熱媒体を流すためのチューブ及び放熱部材によって構成された板状の加熱器である。加熱器340は、板状の電気ヒーターであってもよい。加熱器340は、加熱器340による加熱温度が変更可能であるように構成されている。加熱器340は、空間335を覆うように延伸部350bの上方に配置されている。空間冷却器360は、例えば、板状の熱電素子である。空間冷却器360は、空間335を形成している延伸部350bの底壁に接触するように配置されている。また、空間冷却器360は、空間冷却器360の、空間335と反対側の面が熱交換容器370の上面と接触するように配置されている。これにより、空間335の熱が空間冷却器360を介して熱交換容器370に伝わる。
温度センサ390は、蓄熱容器350の内面に取り付けられており、潜熱蓄熱材11の温度を検出するためのセンサである。
蓄熱装置300aの動作について説明する。まず、蓄熱装置300aに熱を蓄える蓄熱動作について説明する。蓄熱動作が開始されるとき、潜熱蓄熱材11は固相状態である。潜熱蓄熱材11に熱を蓄えるために、潜熱蓄熱材11の融点以上の温度を有する熱媒体が供給管320aを通って、熱交換容器370の内部に供給される。熱交換容器370の内部に供給された熱媒体と潜熱蓄熱材11との間で発生する熱交換により、固相状態の潜熱蓄熱材11の温度が上昇する。これにより、潜熱蓄熱材11に顕熱の形態で熱が蓄えられる。さらに、潜熱蓄熱材11の温度が潜熱蓄熱材11の融点に到達すると、潜熱蓄熱材11の状態は、固相状態から液相状態に変化する。これにより、潜熱蓄熱材11に潜熱の形態で熱が蓄えられる。潜熱蓄熱材11のすべてが液相状態に変化すると、潜熱蓄熱材11の温度がさらに上昇する。熱媒体は、潜熱蓄熱材11の温度が潜熱蓄熱材11の融点に到達してから、潜熱蓄熱材11の全体を液相状態にするために十分な期間供給され続けることが望ましい。潜熱蓄熱材11に熱を蓄えるための熱媒体の供給量又は供給時間は、潜熱蓄熱材11の種類、潜熱蓄熱材11の容積、及び熱媒体の種類等によって適宜決定される。熱交換容器370への熱媒体の供給が停止されることにより、蓄熱動作が停止される。このようにして、蓄熱装置300aに熱が蓄えられる。潜熱蓄熱材11の種類及び周囲の温度にもよるが、蓄熱装置300aに長期間熱を保持できる。
潜熱蓄熱材11に熱を蓄えるときに、潜熱蓄熱材11の空間335の近傍に結晶の種が残ると潜熱蓄熱材11を過冷却状態にすることができない。このため、潜熱蓄熱材11に熱を蓄えるときに、加熱器340を作動させて空間335を加熱することが望ましい。これにより、潜熱蓄熱材11の空間335の近傍に結晶の種が残ることを防止できる。熱の供給がストップした後、時間の経過とともに、冷たい外気に顕熱が放出されて潜熱蓄熱材11の温度が凝固点をよりも低くなる。しかし、潜熱蓄熱材11は、過冷却可能であるので、温度が凝固点をよりも低くなっても相変化を起こさない。潜熱蓄熱材11が過冷却状態を維持することにより、潜熱が保持される。
次に、潜熱蓄熱材11が過冷却状態にあるときに、潜熱蓄熱材11に蓄えられた熱を取り出す動作を説明する。まず、加熱器340によって空間335を加熱し、潜熱蓄熱材11の表面Sから溶媒を蒸発させ、潜熱蓄熱材11の表面Sに溶質の無水物を析出させる。潜熱蓄熱材11の表面Sに溶質の無水物が析出したと判断された後、加熱器340の作動を停止し、空間冷却器360によって空間335を冷却する。これにより、空間335に含まれる水分を凝縮させて液滴を形成させる。この液滴が潜熱蓄熱材11の表面Sに供給される。これにより、溶質の無水物が溶解し、溶質の水和物の結晶核が形成される。この結晶核を起点に、潜熱蓄熱材11の全体で結晶が成長し、潜熱蓄熱材11に潜熱の形態で蓄えられた熱が放出される。
潜熱蓄熱材11で結晶成長が起こると、潜熱蓄熱材11の温度が急激に上昇する。潜熱蓄熱材11の急激な温度変化を温度センサ390で検出することによって、潜熱蓄熱材11における結晶核の形成の有無が判断される。温度センサ390による検出によって、結晶核が形成されたと判断された場合、空間冷却器360の作動が停止される。また、潜熱蓄熱材11の融点未満の温度を有する熱媒体が供給管320aを通って熱交換容器370の内部に供給され始める。熱交換容器370の内部に供給された熱媒体は、潜熱蓄熱材11から放出される熱を受け取って昇温し、排出管320bを通って蓄熱装置300aから排出される。排出された熱媒体の有する熱が様々な機器で利用される。
《熱利用システム》
次に、上記の蓄熱装置を用いた熱利用システムの一例について説明する。図11に示すように、熱利用システム600は、蓄熱装置300b、熱源装置400、及び熱利用装置500を備えている。蓄熱装置300bは、供給管320a及び排出管320bに代えて、第一供給管321a、第二供給管322a、第一排出管321b、及び第二排出管322bを備えている点以外は、上記で説明した蓄熱装置300aと同様に構成されている。第一供給管321a、第二供給管322a、第一排出管321b、及び第二排出管322bによって形成される流路は、それぞれ、熱交換容器370の内部空間につながっている。
熱源装置400は、蓄熱装置300bに熱を蓄えるときに熱源となる熱媒体を提供するための装置である。熱源装置400は、排出管410a及び戻り管410bを備える。排出管410aと、第一供給管321aとが配管420aによって接続され、第一排出管321bと、戻り管410bとが配管420bによって接続されている。熱源装置400の内部の熱媒体が、排出管410a、配管420a、及び第一供給管321aを通って蓄熱装置300bに供給される。熱源装置400から蓄熱装置300bに供給された熱媒体は、その熱媒体が有する熱を蓄熱装置300bの潜熱蓄熱材11に与えた後、第一排出管321b、配管420b、及び戻り管410bを通って熱源装置400に戻される。
熱利用装置500は、蓄熱装置300bに蓄えられた熱が利用される装置である。熱利用装置500は、排出管510a及び戻り管510bを備える。排出管510aと、第二供給管322aとが配管520aによって接続され、第二排出管322bと、戻り管510bとが配管520bによって接続されている。熱利用装置500の内部の熱媒体が、排出管510a、配管520a、及び第二供給管322aを通って蓄熱装置300bに供給される。熱利用装置500から蓄熱装置300bに供給された熱媒体は、潜熱蓄熱材11から放出された熱を受け取った後、第二排出管322b、配管520b、及び戻り管510bを通って熱利用装置500に戻される。
熱利用システム600では、例えば、熱源装置400から供給される熱媒体として、風呂の残り湯を利用し、熱利用装置500から供給される熱媒体として、洗濯機又は乾燥機能付き洗濯機に給水されるべき水を利用することが考えられる。この場合、風呂の残り湯が有する熱を蓄熱装置300bに蓄えつつ、潜熱蓄熱材11における結晶核の形成に伴って放出される潜熱蓄熱材11に蓄えられた熱によって洗濯機又は乾燥機能付き洗濯機に給水されるべき水を温めることができる。また、熱利用システム600において、熱利用装置500から供給される熱媒体として、乾燥機能付き洗濯機において衣類を乾燥させるための温風になるべき空気が利用されてもよい。
熱源装置400から供給される熱媒体として、乾燥機能付き食器洗い機又は食器乾燥機からの排水を利用し、熱利用装置500から供給される熱媒体として、乾燥機能付き食器洗い機又は食器乾燥機に供給されるべき水又は空気を利用してもよい。これにより、乾燥機能付き食器洗い機又は食器乾燥機からの排水が有する熱を蓄熱装置300bで蓄え、乾燥機能付き食器洗い機又は食器乾燥機における洗浄用の水又は乾燥用の空気を温めるために利用できる。
熱源装置400から供給される熱媒体として、冷蔵庫のコンプレッサからの排熱を受け取った流体を利用し、熱利用装置500から供給される熱媒体として、冷蔵庫の霜取りを行うための流体を利用してもよい。これにより、冷蔵庫のコンプレッサからの排熱を蓄熱装置300bで蓄えて、冷蔵庫の霜取りに利用できる。
熱源装置400から供給される熱媒体として、乗物用エンジンの排熱を受け取った流体を利用し、熱利用装置500から供給される熱媒体として、乗物用の暖房を行うための空気を利用してもよい。これにより、乗物用エンジンの排熱を蓄熱装置300bで蓄えて、乗物用の暖房に利用できる。
本開示の蓄熱装置によれば、過冷却状態にある潜熱蓄熱材から、需要に応じた適切な時期に熱を取り出すことができる。このため、本開示の蓄熱装置を、例えば、洗濯機、乾燥機能付き洗濯機、暖房機器、乾燥機能付き食器洗い機、食器乾燥機、冷蔵庫、乗物用暖房装置等に搭載するによって、潜熱蓄熱材に蓄えた熱を水又は空気を温めるために有効に利用できる。また、これらの機器の本来の機能及び性能を損なうことなく、エネルギー消費量を低減できる。さらに、本開示の蓄熱装置は、熱の有効利用が望まれるその他の様々な機器において利用できる。
10 容器
11 潜熱蓄熱材
11a 溶質
11b 溶媒
12 無水物
13 溶質の水和物の結晶核
15 空間
35 空間
40 無水物析出手段
41 加熱器
50 容器
60 液滴供給手段
60a 空間冷却器
100a〜100e 蓄熱装置
S 潜熱蓄熱材の表面

Claims (7)

  1. 主成分として水を含む溶媒と溶質とを含み、過冷却状態で潜熱を保持する潜熱蓄熱材における結晶核形成方法であって、
    過冷却状態の前記潜熱蓄熱材の一部を加熱または冷却して前記溶質の無水物を析出させるステップ(a)と、
    前記無水物又は前記無水物が析出した前記潜熱蓄熱材の表面に水を含む液滴を供給し、前記潜熱蓄熱材の過冷却状態を解除して放熱させるステップ(b)と、を備えた、
    結晶核形成方法。
  2. 前記潜熱蓄熱材は、前記潜熱蓄熱材の表面に接する空間が容器の内部に形成されるように前記容器に収容されており、
    前記ステップ(a)は、前記空間又は前記表面を加熱して前記過冷却状態の潜熱蓄熱材の一部を加熱し、前記溶媒の一部を前記表面から蒸発させて前記溶質の前記無水物を前記表面に析出させるステップであり、
    前記ステップ(b)は、前記空間に含まれる水分を凝縮させて前記液滴を形成するステップ(b1)をさらに含む、請求項1に記載の結晶核形成方法。
  3. 前記溶質が塩であり、前記ステップ(b)において前記溶質の水和物の結晶核が形成される、請求項1又は2に記載の結晶核形成方法。
  4. 主成分として水を含む溶媒と溶質とを含み、過冷却状態で潜熱を保持する潜熱蓄熱材と、
    前記潜熱蓄熱材を収容する容器と、
    過冷却状態の前記潜熱蓄熱材の一部を加熱して前記溶質の無水物を析出させる加熱器、または過冷却状態の前記潜熱蓄熱材の一部を冷却して前記溶質の無水物を析出させる冷却器と、
    前記無水物又は前記無水物が析出した前記潜熱蓄熱材の表面に水を含む液滴を供給し、前記潜熱蓄熱材の過冷却状態を解除して放熱させる液滴供給器と、を備えた、
    蓄熱装置。
  5. 前記加熱器を有し、
    前記潜熱蓄熱材は、前記潜熱蓄熱材の表面に接する空間が前記容器の内部に形成されるように前記容器に収容されており、
    前記加熱器は、前記空間又は前記表面を加熱して過冷却状態の前記潜熱蓄熱材の一部を加熱し、前記溶媒の一部を前記表面から蒸発させて前記溶質の無水物を析出させる、請求項4に記載の蓄熱装置。
  6. 前記液滴供給器は、前記空間に含まれる水分を凝縮させて前記液滴を形成するように前記空間を冷却する空間冷却器を含む、請求項4または5に記載の蓄熱装置。
  7. 前記溶質が塩である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の蓄熱装置。
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