JP2016003966A - 放射線撮像装置および放射線撮像システム - Google Patents

放射線撮像装置および放射線撮像システム Download PDF

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【課題】撮像用光電変換素子の飽和線量の拡大とモニタ用光電変換素子の検知精度の向上とを実現するのに有利な放射線撮像装置を提供する。【解決手段】放射線に応じた撮像信号を生成するための、第1電極と第2電極とを有する複数の第1の変換素子と、放射線を検知するための、第3電極と第4電極とを有する複数の第2の変換素子と、前記第1の変換素子の前記第1電極と前記第2電極との間に第1の電位差を印加し、かつ前記第2の変換素子の前記第3電極と前記第4電極との間に前記第1の電位差よりも小さい第2の電位差を印加して、前記第1の変換素子と前記第2の変換素子とをリセットする電源と、前記第2の変換素子からの信号に基づいて前記放射線の照射量の測定を行う測定部とを有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、放射線撮像装置および放射線撮像システムに関するものである。
近年、TFT(薄膜トランジスタ)を用いた液晶パネルの製造技術が進展し、パネルの大型化と共に表示部の大画面化が進んでいる。この製造技術は、半導体によって構成された光電変換素子等の変換素子とTFT等のスイッチ素子を有する大面積エリアセンサ(検出装置)に応用されている。エリアセンサは、X線等の放射線を可視光等の光に波長変換する蛍光体と組み合わせて、医療用X線検出装置のような放射線検出装置の分野で利用されている。最近では、放射線検出装置に以下の2つの機能を内蔵させることが提案されている。
・放射線の自動検出機能
・放射線自動露出制御機能
特許文献1には、1画素内に、TFTを介して信号配線と接続された撮像用光電変換素子と、前記撮像用光電変換素子と同層で配置されたモニタ用(放射線自動露出制御用)光電変換素子において、バイアス線が共通化された構成が提案されている。蛍光体層で可視光に変換された放射線がモニタ用光電変換素子に入射されると、可視光が電荷に変換され、配線を通じてモニタ用信号処理回路部に輸送される。この輸送された電荷量をX線照射量としてリアルタイムで測定し、設定量に到達したところでX線源に信号を送り、X線の照射を停止させる。その後、撮像用光電変換素子に蓄積された電荷を読み取る。それによって、放射線自動露出制御機能を検出装置に内蔵させることを可能としている。
特許第4659337号
しかしながら、特許文献1の構成では、撮像用光電変換素子とモニタ用光電変換素子とのバイアス線が共通化されている。飽和線量拡大のために撮像用光電変換素子に印加される電界を強く設定すると、モニタ用光電変換素子に印加される電界も強くなって検知精度が低下する恐れがある。本発明は、撮像用光電変換素子の飽和線量の拡大とモニタ用光電変換素子の検知精度の向上とを実現するのに有利な放射線撮像装置を提供する。
本発明の一側面は、放射線に応じた撮像信号を生成するための第1電極と第2電極とを有する複数の第1の変換素子と、放射線を検知するための、第3電極と第4電極とを有する複数の第2の変換素子と、前記第1の変換素子の前記第1電極と前記第2電極との間に第1の電位差を印加し、かつ前記第2の変換素子の前記第3電極と前記第4電極との間に前記第1の電位差よりも小さい第2の電位差を印加して、前記第1の変換素子と前記第2の変換素子とをリセットする電源と、前記第2の変換素子からの信号に基づいて前記放射線の照射量の測定を行う測定部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、撮像用光電変換素子の飽和線量の拡大とモニタ用光電変換素子の検知精度の向上とを実現するのに有利な放射線撮像装置を提供することができる。
実施形態1に係る放射線撮像装置の平面図。 実施形態1に係る画素の平面図。 実施形態1に画素の断面図。 撮像用信号処理回路の入力回路例。 実施形態2に係る放射線撮像装置の平面図。 実施形態2に係る画素の平面図。 実施形態2に係る画素の断面図。 実施形態3に係る放射線撮像装置の平面図。 実施形態3に係る画素の平面図。 実施形態4に係る画素の断面図。 実施形態4に係る放射線撮像装置の平面図。 実施形態4に係る画素の平面図。 放射線撮像システムの構成例を示す図。
最初に、本願発明の原理について説明をする。光電変換素子等の変換素子とTFT等のスイッチとを有するエリアセンサは、スイッチにより変換素子からの信号の読み出しが制御される。撮像信号を生成するための撮像用光電変換素子を第1の変換素子と称する。撮像用光電変換素子は、撮像感度の観点からは飽和線量が大きい方がよい。飽和線量を大きくするためには、読み出し時に変換素子の電極間にかかる電圧を高くして、変換素子に加わる電界を高くした方が有利である。
一方、放射線を検出したり放射線量を計測するのに用いるモニタ用光電変換素子が第1の変換素子と一緒にエリアセンサに配置されている。モニタ用光電変換素子を第2の変換素子と称する。第2の変換素子に求められる特性の一つとして、検知精度が高いことが挙げられる。光電変換素子には、入射した光の強度に応じた信号と共に暗電流が流れる。第2の変換素子に印加される電界強度が大きいと暗電流も大きくなる為、暗電流の影響により放射線量の検知精度が悪化する。その為、第2の変換素子に印加される電界強度は、入射光に対して線形性が保たれる範囲内において、可能な限り小さい方が良い。また、第2の変換素子がスイッチを介さずに配線と直接に接続される構成とした場合には、可視光が変換素子に入射すると、発生した電荷は変換素子内に蓄積すること無く、直ちに配線を通じて電荷が輸送される為、変換素子が飽和する事は無い。したがって、第1の変換素子に要求されるような飽和線量拡大の為の強い電界は不要である。以上のことから、撮像用とモニタ用のそれぞれの光電変換素子の動作をそれぞれ良好に行わせるために、変換素子に印加する電圧を適切に設定できる構成について、以下に、添付の図面を参照して説明する。なお、本願明細書において放射線は、放射線崩壊によって放出される粒子(光子を含む)の作るビームであるα線、β線、γ線などの他に、同程度以上のエネルギーを有するビーム、例えばX線や粒子線、宇宙線なども、含まれるものとする。
(実施形態1)
先ず、図1、2を用いて本発明の実施形態1について説明する。図1は本実施形態に係る放射線検出装置の回路構成を示す等価回路図である。ここで、図1には6行6列の画素が設けられている例を示すが、その数はこれに限定されるものではなく、例えば、2000×2000画素が設けられていても良い。
本実施形態において、撮像用光電変換素子15は、スイッチとして動作するTFT(薄膜トランジスタ)16及び信号配線30を介して、撮像用信号処理回路51へ接続されている。又、放射線自動検出及び放射線自動露光制御用のモニタ用光電変換素子17は第1のモニタ用配線31を介して、モニタ用信号処理回路55へ接続されている。本実施形態の放射線撮像装置は、撮像用光電変換素子15とTFT16を有する第1の撮像用画素1及び第1のモニタ用配線31が画素内に引き回されている第2の撮像用画素3とが行列状に配置された撮像領域を有する。モニタ用光電変換素子17が設けられている第1のモニタ用素子2は、撮像領域内において画素の代わりに配置されている。ここで、本実施形態に示す第1の撮像用画素1、第2の撮像用画素3及び第1のモニタ用素子2の配置に関しては、あくまでも一例である為、これに限定されるものではない。
第1の撮像用画素1について説明する。本実施形態では、図1に示すようにゲート配線32が延びる方向に沿った横並びを行と称し、信号配線30に沿った縦並びを列と称する。同じ列に配置された第1の撮像用画素1及び第2の撮像用画素3の光電変換素子15と第1のモニタ用素子2の光電変換素子17の電極の一端は共通のバイアス配線33に接続されている。電極にはバイアス配線33を介してバイアス電源53から一定のバイアス電圧が印加されている。第1の撮像用画素1及び第2の撮像用画素3の光電変換素子15の電極の他端はTFT16に接続されている。各行の同じ列に配置された光電変換素子15は、TFT16のソース電極及びドレイン電極を介して、列毎に配置されている共通の信号配線30に接続されている。所定の行の第1の撮像用画素1及び第2の撮像用画素3に配置されたTFT16のゲート電極は、各行に配置されている共通のゲート配線32に接続されており、ゲート駆動回路52よりTFT16のON/OFFが行毎に制御される。信号配線30は、撮像用信号処理回路51に接続されている。
第1のモニタ用素子2のモニタ用光電変換素子17はPIN型のセンサである。モニタ用光電変換素子17の一方の電極は、第1のモニタ用配線31を介してモニタ用信号処理回路55に接続されており、もう一方の電極は、撮像用光電変換素子15と共通の第1のバイアス配線33を介してバイアス電源53に接続されている。蛍光体により可視光に変換された放射線が第1のモニタ用素子2に設けられたモニタ用光電変換素子17に入射すると、半導体層内に発生した電子及び正孔が、モニタ用光電変換素子17の両端の電極に印加された電圧により発生した電界により読み取られる。つまり、バイアス電源53とモニタ用信号処理回路55とからモニタ用光電変換素子17の両端の電極に印加された電位差により、電子及び正孔がモニタ用光電変換素子17の各電極に輸送される。この電荷をモニタ用信号処理回路55で読み取ることによって、放射線照射のタイミングの検知及び、放射線照射量の測定が可能となる。
なお、本実施形態によると、撮像領域内でモニタ用光電変換素子17が配置されている位置からは撮像信号が得られないので、第1のモニタ用素子2の位置は点欠陥になってしまう。又、第2の撮像用画素3のように第1のモニタ用配線31が配置されている画素は、第1の撮像用画素1とは形状が異なる為に、第1の撮像用画素1とでは撮像信号のレベルやSNRが異なるものとなってしまう。したがって、第1のモニタ用素子2による点欠陥の部分と第2の撮像用画素3からの撮像信号に関しては、画像処理によってデータを補正する必要があるが、これに関しては、補完などの画像処理技術で対応が可能である。
次に、撮像用画素及びモニタ用素子の構成について説明する。図2(a)、(b)、(c)はそれぞれ、図1中の第1の撮像用画素1、第1のモニタ用素子2、第2の撮像用画素3の平面図。図3(a)、(b)、(c)はそれぞれ、図2中、A−A’、B−B’、C−C’に対応する断面図である。
本実施形態における第1の撮像用画素1は、撮像用の光電変換素子15と、光電変換素子15の電荷に応じた電気信号を出力するスイッチ素子であるTFT16とを含む。撮像用の光電変換素子15は、ガラス基板等の絶縁性の基板の上に設けられたTFT16の上に、第1の層間絶縁層110を挟んで積層されて配置されている。TFT16は、基板の上に、基板側から順に、制御電極101と、絶縁層102と、半導体層103と、半導体層103よりも不純物濃度の高い不純物半導体層104と、第1主電極105と、第2主電極106とを含む。不純物半導体層104はその一部領域で第1主電極105及び第2主電極106と接しており、その一部領域と接する半導体層103の領域の第1主電極105と第2主電極106との間の領域が、TFTのチャネル領域となる。制御電極101はゲート配線32と電気的に接合されており、第1主電極105は信号配線30と電気的に接合されており、第2主電極106は撮像用光電変換素子15の個別電極111と電気的に接合されている。図2(a)では個別電極111は個別電極20として示されている。
なお、本実施形態では第1主電極105と第2主電極106と信号配線30とは、同じ導電層で一体的に構成されており、第1主電極105が信号配線30の一部をなしている。絶縁層107はTFT、ゲート配線32及び信号配線30を覆うように設けられている。本実施形態では、スイッチ素子として非晶質シリコンを主材料とした半導体層及び不純物半導体層を用いた逆スタガ型のTFTを用いたが、本発明はそれに限定されるものではない。例えば、多結晶シリコンを主材料としたスタガ型のTFTを用いたり、有機TFT、酸化物TFT等を用いたりすることができる。
第1の層間絶縁層110は、TFTを覆うように、基板と後述する複数の個別電極との間に配置されており、コンタクトホール108を有している。撮像用光電変換素子15の個別電極111とTFTの第2主電極106とが、第一の層間絶縁層110に設けられたコンタクトホール108に形成されたコンタクトを介して電気的に接合される。撮像用光電変換素子15は、第1の層間絶縁層110の上に、第1の層間絶縁層110側から順に、個別電極111、第3絶縁層112、第2の不純物半導体層113、第2半導体層114、第3の不純物半導体層115、共通電極116を含んで形成されている。第2の層間絶縁膜120に設けられたコンタクトホール122に形成されたコンタクトを介して共通電極116には、第2の層間絶縁層上120に配置された第1のバイアス配線33が電気的に接合される。そして、第1のバイアス配線33の上には保護膜としての第4絶縁層121が配置されている。
次に、第1のモニタ用素子2について図2(b)、図3(b)により説明する。なお、第1の撮像用画素1と同じ構成には同じ参照番号を付与し、説明は省略する。第1のモニタ用素子2の光電変換素子17は、第1の層間絶縁層110の上に、第1の層間絶縁層110の側から順に、個別電極111、第3絶縁層112、第2の不純物半導体層113を含む。さらに、第2半導体層114、第3の不純物半導体層115、共通電極116を含んで形成されている。共通電極116には第2の層間絶縁層120上に配置された第1のバイアス配線33が電気的に接合される。また、第1の層間絶縁層110に設けられたコンタクトホール108に形成されたコンタクトを介して、個別電極111が第1のモニタ用配線31に接続されている。光電変換素子から信号を読み出すときに、信号配線30、第1のモニタ用配線31は各々、撮像用信号処理回路51、モニタ用信号処理回路55によりそれぞれ異なる基準電位にリセットされる。
次に、第1のモニタ用配線31と撮像用の光電変換素子15とが配置された第2の撮像用画素3について図2(c)、図3(c)により説明する。第2の撮像用画素3は第1の撮像用画素1に対して、第1のモニタ用配線31が絶縁膜102の下に配置されている点で相違し、他の構成は第1の撮像用画素1と同様である。第1のモニタ用配線31はゲート配線32と平行に配置され、画素領域の外で接続されて、モニタ用信号処理回路55に接続されている。
図4は、信号配線30からの信号が入力される撮像用信号処理回路51内の入力部の回路図である。なお、撮像用信号処理回路51の後段部の説明は、割愛する。信号配線30は、オペアンプ162の反転入力端子10に接続される。オペアンプ162の反転入力端子10は、蓄積容量164を介して出力端子11に接続されている。蓄積容量164には並列にスイッチ163が接続されている。非反転入力端子12は、基準電源176に接続されている。また、出力端子11は撮像用信号処理回路51の後段の回路に接続されている。撮像用画素から撮像信号を読み出すときは、まずスイッチ163を短絡して、光電変換素子の個別電極の電位を基準電源176の電位にリセットする。このとき撮像用画素のTFT16もオンにする。オペアンプの作用によって理想的には、信号配線30及び光電変換素子15のTFT16が接続されている電極の電位は基準電源176に固定される。その後、スイッチ163を開くと、オペアンプ162は、信号配線30から読み出された、光電変換素子で可視光によって発生した電流を蓄積容量164で積分し、撮像信号を電圧信号として出力する。同様に、第1のモニタ用配線31も前記基準電源とは、別電圧の基準電源に接続されており、読み出し時に別電圧にリセットされた後、モニタ用信号が出力される。即ち、本実施形態においては、撮像用光電変換素子15とモニタ用光電変換素子17とをリセットする電源は、バイアス電源53と、モニタ用信号処理回路部55の基準電源と、撮像用信号処理回路51の基準電源と、によって構成されている。
続いて、本実施形態に係る放射線検出装置の動作について詳細に説明する。まず、第1の撮像用画素1及び第2の撮像用画素3のTFTに順次ON電圧を印加していき、撮像用光電変換素子15の個別電極111を信号配線30の電位にリセットする。このときオペアンプ162の入出力間に設けられたスイッチ163を短絡してリセットすることは上に述べたとおりである。モニタ用の光電変換素子17は第1のモニタ用配線31と直接接続されており、モニタ用光電変換素子17の個別電極111は第1のモニタ用配線31に接続されている別の基準電源によりリセットされる。また、バイアス電源53からバイアス配線33を介して、撮像用の光電変換素子15及びモニタ用の光電変換素子17の共通電極116に一定電圧のバイアスを印加しておく。この時、撮像用の光電変換素子15には、バイアス電源53の電位と基準電源176でリセットされた個別電極111の電位との電位差、及び、第2半導体層114の膜厚で決定する電界強度E1が印加される。
また、モニタ用の光電変換素子17には、バイアス電源53の電位と第1のモニタ用の配線31に印加されるリセット時の電位との電位差、及び第2半導体層114の膜厚で決定する電界強度E2が印加される。撮像用の光電変換素子15は、飽和線量拡大の為、電界強度E1は大きい方が良い。また、モニタ用の光電変換素子17は、電界強度E2を大きくしてしまうことで暗電流が増加し、検知精度が悪化する恐れがある。その為、電界強度E2は蛍光体層(不図示)で可視光に変換された放射線に対して、光電変換の線形性が確保可能な範囲で、小さく設定するのが良い。以上のことを考慮して、例えば以下の様な関係のE1及びE2を印加する。バイアス電源53の電位、信号配線30の電位、第1のモニタ用配線31の電位、撮像用の光電変換素子15及びモニタ用の光電変換素子17の第二半導体層114の膜厚を考慮して決定するのが良い。
E1≧40000V/cm
20000V/cm≦E2≦40000V/cm
E1≧E2
このような状態で、蛍光体層(不図示)で可視光線に変換された放射線がモニタ用光電変換素子17に入射すると、第2半導体層114で吸収された可視光が電荷に変換される。電界強度E2により第1のモニタ用配線31を通じてモニタ用信号処理回路55へ電荷が輸送される。その為、放射線自動検知や、放射線照射量の測定をリアルタイムに行うことが出来る。即ち、放射線が照射される際に、撮像用光電変換素子15よりもモニタ用光電変換素子17の方が小さい電位差が印加されている。
その後、モニタ用信号処理回路部に設けられた測定部で測定された放射線照射量が設定値に達すると、放射線源に信号を送り、放射線の照射を停止させる。すると、その直後から、ゲート駆動回路52からTFT16に、各行を選択するON電圧を順次、印加することにより、撮像用光電変換素子15に蓄積された電荷を信号配線30を通じて読み取る。放射線自動検知の場合は、待機中、第1のモニタ用素子2ではリセット動作が繰り返し行われている。その後、モニタ用信号処理回路55で電荷が検出された段階で、リセット動作を停止し、放射線照射期間の間、電荷を蓄積する。一定時間経過後あるいは放射線量が設定値に達すると、ゲート駆動回路52から撮像用画素のTFT16に行を選択するON電圧を順次印加することにより、撮像用光電変換素子15に蓄積された電荷を、信号配線を通じて読み取る。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。図5は本実施形態に係る放射線検出装置の回路構成を示す等価回路図である。ここで、図5には6行6列の画素が設けられている例を示すが、その数はこれに限定されるものではなく、例えば、2000×2000画素が設けられていても良い。実施形態1との差異は、第1のモニタ用配線31を信号配線30と平行に、列に沿って並べて配置した点である。また、撮像用の光電変換素子15とモニタ用の光電変換素子17とを1画素内に配置した撮像用画素を有する点。さらに、画素領域の最外周の外側に配線を接続する接続素子を形成し、列状の第1のモニタ用配線31を接続素子の内部でゲート配線32と平行する方向の第2のモニタ用配線35に引き回した点である。
実施形態1の構成では、先に述べたように、モニタ用光電変換素子17が設けられた第1のモニタ用素子2は点欠陥となる。本実施形態のように、1画素内に撮像用光電変換素子15とモニタ用光電変換素子17の両方を配置すれば点欠陥となること無く、放射線自動検知や、放射線照射量のリアルタイム測定が可能となる。又、撮像領域の最外周の行の外側に設けた接続素子5で第1のモニタ用配線31と第2のモニタ用配線を接続して出力するようにした。第1のモニタ用配線31を、接続素子5を使って第2のモニタ用配線35に接続することによって、実施形態1に比べてモニタ用配線の接続が簡単にできスペースもとらない。このような構成でも、撮像用光電変換素子15とモニタ用光電変換素子17のそれぞれの電極に印加される電圧を調整することにより、第2半導体層114に印加される電界強度をE1≧E2の関係に設定可能である。なお、以下の説明では、第一の実施形態と内容が重複する箇所については説明を割愛する。
本実施形態において、撮像用光電変換素子15は、TFT16及び信号配線30を介して、撮像用信号処理回路51へ接続されている。又、放射線自動検出及び放射線自動露光制御用のモニタ用光電変換素子17は第1のモニタ用配線31と第2のモニタ用配線35とを介して、モニタ用信号処理回路55へ接続されている。具体的には、第1の撮像用画素1には、実施形態1の画素1と同様に撮像用光電変換素子15とTFT16とが設けられている。そして第3の撮像用画素4にはモニタ用光電変換素子17及びTFT16と接続されている撮像用光電変換素子15が設けられている。
第4の撮像用画素6には、第1のモニタ用配線31が引き回されている。第4の撮像用画素6のその他の構成は第1の撮像用画素1と同様である。又、本実施形態においては、撮像領域の画素が配置された最外周の行の外に第1のモニタ用配線31と第2のモニタ用配線35とを接続する接続素子5を形成する。接続素子5において、信号配線30と平行する方向に引き回された第1のモニタ用配線31が別の配線層へと乗り換えられる。別の配線層に乗り換えられた第1のモニタ用配線31は、直交する第2のモニタ用配線35に引き回され、接続される。これによって、複数の列に配置された第1のモニタ用配線31をまとめることができる。なお、画素の並べ方に関しては、あくまでも一例である為、これに限定されるものではない。
次に、画素4、6及び接続素子5の構成について説明する。図6(a)、(b)、(c)は、撮像用とモニタ用の光電変換素子を含む第3の撮像用画素4、第1のモニタ用配線31が引き回されている第4の撮像用画素6、最外周に配置された接続素子5の平面図を示す。図7(a)(b)(c)はそれぞれ、図6中A−A’、B−B’、C−C’に対応する断面図である。第1の撮像用画素1は実施形態1の第1の撮像用画素1と同様なので説明を省略する。
まず、本実施形態における第3の撮像用画素4について図6(a)及び図7(a)を用いて説明する。第3の撮像用画素4は、撮像用の光電変換素子15とモニタ用の光電変換素子17とを有する。図6(a)に示す平面図において個別電極20の部分が撮像用光電変換素子15が配置されている部分であり、個別電極21の部分がモニタ用光電変換装置17が配置されている部分にあたる。
図7(a)は第3の撮像用画素4のモニタ用の光電変換装置17が配置されている、個別電極21に対応した部分での断面である。平面図で示す個別電極21は断面図では個別電極111に相当する。モニタ用光電変換素子17は、ガラス基板等の絶縁性の基板の上の第1の層間絶縁層110の上に積層されて配置されている。第1の層間絶縁層110は、基板と、モニタ用光電変換素子17の個別電極111との間に配置されている。モニタ用光電変換素子17の個別電極111と第1のモニタ用配線31とが、第一の層間絶縁層110に設けられたコンタクトホール108に形成されたコンタクトを介して電気的に接合される。モニタ用光電変換素子17は、第1の層間絶縁層110の上に、第1の層間絶縁層110の側から順に、個別電極111、第3絶縁層112、第2の不純物半導体層113、第2半導体層114、第3の不純物半導体層115、共通電極116とを含んでいる。共通電極116には第2の層間絶縁層120上に配置された第1のバイアス配線33がコンタクトを介して電気的に接合される。絶縁層102と絶縁層107とに挟まれて第1のモニタ用配線31が引き回されている。
次に、本実施形態の第4の撮像用画素6について図6(b)及び図7(b)により説明する。本実施形態の第4の撮像用画素6は、第1の撮像用画素1と同様な構造の撮像用光電変換素子15とTFT16とを含む。第4の撮像用画素6には第1のモニタ用配線31が、列に配置された第1のバイアス配線33と平行に配置されている。第1のモニタ用配線31は絶縁膜102と絶縁膜107に挟まれるように形成されている。
次に、本実施形態における接続素子5について図6(c)及び図7(c)により説明する。接続素子5は撮像素子の周辺部に配置され、出力をしないダミーの光電変換素子を有している。図7(a)に示す第1のモニタ用配線31が、バイアス配線33と平行に、列に配置された画素に沿って引き回されて、接続素子5に配置されている。一方、接続素子5には図6(c)に示すように第2のモニタ用配線35が配置される。第1のモニタ用配線31と第2のモニタ用配線35とは、第1の層間絶縁層110のコンタクトホール108、109に形成されたコンタクトよって、ダミーの光電変換素子の個別電極111と接続されている。即ち、第1のモニタ用配線31と第2のモニタ用配線35は電気的に接続されている。したがって接続素子5において第1のモニタ用配線31は直交する第2のモニタ用配線35に乗り換えるように接続される。接続素子5は画素を作成するときに、一緒に作成できる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。図8は本実施形態に係る放射線検出装置の回路構成を示す等価回路図である。ここで、図8には6行6列の画素が設けられている例を示すが、その数はこれに限定されるものではなく、例えば、2000×2000画素が設けられていても良い。実施形態1との差異は、バイアス電源として第1のバイアス電源53と第2のバイアス電源54との2系統を設けた点である。第1のバイアス電源53を撮像用光電変換素子15と接続し、第2のバイアス電源をモニタ用光電変換素子17に接続する。この結果、撮像用光電変換素子15に印加される電界強度と、モニタ用光電変換素子17に印加される電界強度をそれぞれ、バイアス電源によって個別に設定可能にできる。
具体的には、撮像用の光電変換素子15の一方の電極は、TFT16及び信号配線30を介して、撮像用信号処理回路51へ接続される。他方の電極は第1のバイアス電源53に接続される。放射線自動検出及び放射線自動露光制御用のモニタ用の光電変換素子17の一方の電極は第1のモニタ用配線31を介して、モニタ用信号処理回路55へ接続され、他方の電極は第2のバイアス配線34を介して第2のバイアス電源54へ接続されている。
第1の撮像用画素1には、撮像用光電変換素子15とTFT16が設けられており、実施形態1と同様な構成となっている。モニタ用光電変換素子17が設けられた第2のモニタ用素子7は第2のバイアス配線34に接続されている。第2のモニタ用素子7には、第1のバイアス配線33、第2のバイアス配線34、第1のモニタ用配線31、信号配線30が配線されている。なお、画素及びモニタ用素子の並べ方に関しては、あくまでも一例である為、これに限定されるものではない。
次に各素子の構成について説明する。図9(a)(b)はそれぞれモニタ用の光電変換素子17が配置された画素7とモニタ用配線とバイアス用の配線が引き回された第5の撮像用画素8の平面図、図10(a)(b)はそれぞれ、図9中A−A’,B−B’断面図である。
本実施形態では、第2のバイアス配線34と、第1のモニタ用配線31とが層間絶縁層110を挟んで平面視で重なるように配置されている。第2のモニタ用素子7のモニタ用の光電変換素子17は、第1の層間絶縁層110の上に、第1の層間絶縁層側から順に、個別電極111、第3絶縁層112、第2の不純物半導体層113を含む。さらに第2半導体層114、第3の不純物半導体層115、共通電極116とを含んで形成されている。共通電極116には第2のバイアス配線34が電気的に接続される。また個別電極111は第1のモニタ用配線31にコンタクトを介して接続される。ゲート配線32は第1の層間絶縁層110と第3の層間絶縁層123の間に挟まれて形成されている。第2のバイアス配線34と第1のモニタ用配線31とは対向して配置されている。
第5の撮像用画素8について説明する。第5の撮像用画素8には第1のモニタ用配線31及び第2のバイアス配線34が配線されている。第1のモニタ用配線31と第2のバイアス配線34とはゲート配線32と容量結合している。モニタ用光電変換素子17から流れる電流によって、第1のモニタ用配線31及び第2のバイアス配線34は電圧降下を起こす。その電圧降下が容量結合しているゲート配線32の電位に影響を与えて、撮像用光電変換素子15から発生する信号へのクロストークの発生の原因になる。または、電流が流れるときに誘導電流が発生する恐れも考えられる。このクロストーク(電流、電圧の変化の影響)を抑制する為に、第1のモニタ用配線31と第2のバイアス配線34を平面視で重なるように配置する。さらに、第1のモニタ用配線31の電圧降下と、第2のバイアス配線34の電圧降下が等しくなるように設計する。第1のモニタ用配線31と第2のバイアス配線34とに流れる電流の向きが反対なので、配線で生じる電流・電圧の変化の影響が打ち消しあうためにクロストークが軽減される。さらに第1のモニタ用配線31と第2のバイアス配線とがそれぞれゲート配線32との間で持つ容量と距離もクロストーク軽減のために考慮するのがよい。
第1のモニタ用配線31と第2のバイアス配線34に流れる電流の変化は同じになる。そこで、第1のモニタ用配線31と第2のバイアス配線34とが重なる部分の配線の抵抗を、第1のモニタ用配線31の配線抵抗をRa、第2のバイアス配線34の配線抵抗をRbとする。また、第1のモニタ用配線31とゲート配線32との間の結合容量をCa、第2のバイアス配線34とゲート配線32との間の結合容量をCbとしたと仮定すると、
Ra=Rb
Ca=Cb
となるように、配線幅、配線層膜厚、各絶縁層の膜厚を設定すれば容量結合または誘導結合による影響を軽減できる。
さらに、本実施形態では、第1のモニタ用配線31と第2のバイアス配線34が光電変換素子の個別電極20と重ならないように配置されている。これも、クロストーク対策のためであり、第1のモニタ用配線31と第2のバイアス配線34とがそれぞれ個別電極20と結合しないように配置されることで、モニタ用光電変換素子に流れる電流の影響を軽減する。本実施形態に係る放射線検出装置の動作、及び電界強度の設定は、実施形態1と同様の為、割愛する。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について説明する。図11は本実施形態に係る放射線検出装置の回路構成を示す等価回路図であり、図12は本実施形態に係る第3のモニタ用素子9の平面図である。実施形態1との差異は、第3のモニタ用素子9のモニタ用光電変換素子17の個別電極が、TFT36を介して第1のモニタ用配線31と接続されている点である。また、TFT36のゲートを駆動する第2ゲート駆動回路56が設けられ、TFT36のゲートと第2ゲート駆動回路との間が第2のゲート配線37で接続されている点でも相違する。さらに、第1のモニタ用配線31が信号配線30と光電変換素子内の同じ層で形成されている点で相違する。
モニタ用の光電変換素子17の個別電極からの信号は、コンタクトとTFT36を介して信号線30と同じ層の導電層に配置されている第1のモニタ用配線31に接続される。図11、図12において、第3のモニタ用素子9のTFT36のゲートは、第2のゲート配線37を介して、第2ゲート駆動回路56と接続されている。本実施形態では、モニタ信号の測定はTFT36を断続的にオン−オフ制御して行うことができる。第2ゲート駆動回路56は行毎にTFT36のゲートを駆動して、TFT36のON/OFFを制御することができる。また全てのTFT36のゲートを同時に駆動して、第3のモニタ用素子9からモニタ信号を一括で読み出すこともできる。
TFT36を制御して断続的にモニタ信号を読み出す場合は、一定時間、電荷をモニタ用光電変換素子に蓄積してからモニタ信号を読み出すことになる。断続的に読み出した信号の積分値の合計が所定の値を超えたことを検出して、放射線の照射を停止し、撮像用光電変換素子15から撮像信号を読み出す。この構成においても、先に述べた実施形態と同様、第1のバイアス電源53,第1のモニタ用配線31等の電位を調整することにより、モニタ用光電変換素子と撮像用光電変換素子に印加される電界強度をそれぞれ個別に設定可能である。それによって、モニタ用光電変換素子に印加される電界強度E2と撮像用光電変換素子に印加される電界強度E1との関係が、E1≧E2に設定すれば、検知精度の低下を防止することが可能である。
(実施形態5)
次に、図13を用いて、本発明の検出装置を用いた放射線撮像システムを説明する。放射線源であるX線チューブ6050で発生したX線6060は、患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、放射線撮像装置6040に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線が入射すると、放射線撮像装置6040で電荷に変換されて、電気的情報が得られる。この情報はデジタルデータに変換され信号処理手段となるイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室の表示手段となるディスプレイ6080で観察できる。
また、この情報は電話回線6090等の伝送処理手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールームなど表示手段となるディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の記録手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。また記録手段となるフィルムプロセッサ6100により記録媒体となるフィルム6110に記録することもできる。
1:第1の撮像用画素、2:検知用素子、3:第2の撮像用画素、15:撮像用光電変換素子、16:TFT、17:モニタ用光電変換素子、30:信号線、31:第1のモニタ用配線、32:ゲート配線、33:第1のバイアス配線、51:撮像用信号処理回路、52:ゲート駆動回路、53:バイアス電源、55:モニタ用信号処理回路

Claims (8)

  1. 放射線に応じた撮像信号を生成するための、第1電極と第2電極とを有する複数の第1の変換素子と、放射線を検知するための、第3電極と第4電極とを有する複数の第2の変換素子と、
    前記第1の変換素子の前記第1電極と前記第2電極との間に第1の電位差を印加し、かつ前記第2の変換素子の前記第3電極と前記第4電極との間に前記第1の電位差よりも小さい第2の電位差を印加して、前記第1の変換素子と前記第2の変換素子とをリセットする電源と、
    前記第2の変換素子からの信号に基づいて前記放射線の照射量の測定を行う測定部と、
    を有することを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 前記電源は、前記第1の変換素子の第1電極と前記第2の変換素子の第3電極とに共通に接続されるバイアス配線に接続されるバイアス電源を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記電源は、前記第1の変換素子の第1電極に接続される第1のバイアス配線と、前記第2の変換素子の第3電極に接続される第2のバイアス配線と、
    前記第1のバイアス配線に接続される第1のバイアス電源と、前記第2のバイアス配線に接続される第2のバイアス電源と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  4. 前記第4電極に第1のモニタ用配線が接続されており、平面視において前記第2のバイアス配線と前記第1のモニタ用配線とは重なるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の放射線撮像装置。
  5. 前記電源は、
    前記第1の変換素子の前記第1電極及び前記第2電極間に印加される電界強度をE1、前記第2の変換素子の前記第3電極及び前記第4電極に印加される電界強度をE2とした時に、
    E1≧40000V/cm
    20000V/cm≦E2≦40000V/cm
    E1≧E2
    となる、前記第1の電位差と前記第2の電位差とを前記第1電極と前記第2電極との間及び前記第3電極と前記第4電極との間に印加することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  6. 前記第2の変換素子と前記第1のモニタ用配線とはスイッチを介して接続されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記第1の変換素子を含む画素が行列状に配置されており、
    前記第1のモニタ用配線が列に配置された画素に沿って配置され、
    前記行列状に配置された最外周の画素の外側に、前記第1のモニタ用配線と行に配置された画素に沿って配置された第2のモニタ用配線とを接続する接続素子が配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  8. 放射線を発生する放射線源と、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と、
    を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
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