JP2016003661A - 歯車変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】後進用ギヤ列のインターロック構造の配置自由度に有利であり、かつ部品点数が少なくてコスト低廉な歯車変速機を提供する。
【解決手段】複数の前進用ギヤ列と後進用ギヤ列と変速段選択駆動機構とインターロック機構とを備えた歯車変速機であって、変速段選択駆動機構は、揺動して後進用ギヤ列の噛合を成立させる後進操作部材7Aと、後進用ギヤ列が選択されたとき後進操作部材7Aに係合して駆動する後進選択駆動部材8Aとを含み、被操作部613と係止部612とを有する後進インターロック部材6Aは、後進選択駆動部材8Aが後進操作部材7Aに係合していない間は係止部612が後進操作部材7Aを係止したロック状態を維持し、後進選択駆動部材8Aが後進操作部材7Aに係合する動作に並行して被操作部613が操作され、係止部612が後進操作部材7Aの係止を解除して解除状態に移行する。
【選択図】図2
【解決手段】複数の前進用ギヤ列と後進用ギヤ列と変速段選択駆動機構とインターロック機構とを備えた歯車変速機であって、変速段選択駆動機構は、揺動して後進用ギヤ列の噛合を成立させる後進操作部材7Aと、後進用ギヤ列が選択されたとき後進操作部材7Aに係合して駆動する後進選択駆動部材8Aとを含み、被操作部613と係止部612とを有する後進インターロック部材6Aは、後進選択駆動部材8Aが後進操作部材7Aに係合していない間は係止部612が後進操作部材7Aを係止したロック状態を維持し、後進選択駆動部材8Aが後進操作部材7Aに係合する動作に並行して被操作部613が操作され、係止部612が後進操作部材7Aの係止を解除して解除状態に移行する。
【選択図】図2
Description
本発明は車両などに用いられる歯車変速機に関し、より詳細には、後進用ギヤ列のインターロック構造に関する。
車両に搭載される変速機として、平行配置された入力軸と出力軸との間に遊転する複数のギヤ列を備え、同期装置により一つのギヤ列を選択操作して動力を伝達させることで所定変速比の変速段を実現する歯車変速機が知られている。この歯車変速機は、前進4速〜6速程度のギヤ列を有し、一つの同期装置に二つのギヤ列を割り当てるのが一般的である。一方、後進用ギヤ列の選択動作および操作には、同期装置を用いる構成と用いない構成の両方がある。また、通常はインターロック機構が設けられ、複数のギヤ列で並行して動力を伝達することが防止されている。
この種の歯車変速機の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された車両用平行軸式変速機の変速操作機構は、シフトセレクトシャフトと、同期装置を操作する複数のフォークシャフトと、インターロック部材とを含んでいる。そして、インターロック部材は、周方向中立位置に位置するシフトセレクトシャフトに対して作用するインターロック部材の自重による軸心まわりの回転モーメントが所定値以下となるように設けられている。これによれば、回転モーメントが低減されてシフトセレクトシャフトの周方向の位置決めのばらつきを低減でき、セレクト操作量を精度よく検出できる、とされている。
ここで、後進用ギヤ列のインターロック構造に着目すると、2種類の構造が従来から用いられている。第1の構造は、特許文献1に例示されるフォークシャフトのシフトヘッドでのインターロックである。第1の構造では、シフトセレクトシャフトのヘッド選択部にインターロック部材を設け、複数のフォークシャフトの係合凹部(シフトヘッド)の1つを移動可能とし、残りを移動不能に拘束する。第2の構造は、フォークシャフトに形成された被係止部とロックピンとによるインターロックである。第2の構造では、選択されていないフォークシャフトの被係止部をロックピンで係止することにより、フォークシャフトの軸方向の移動を規制する。
ところで、後進用ギヤ列のインターロック構造に関する従来技術では、配置自由度およびコストの2点で問題があった。例えば、車両搭載上の制約により大きさの限定される変速機ケース内で、後進用ギヤ列のシフトヘッドを前進用ギヤ列のシフトヘッドの近傍に配置できない場合がある。この場合には、前述した第1の構造を採用することが難しくなる。それにもかかわらず、離れて配置された複数のシフトヘッドに第1の構造を採用すると、インターロック部材が大型化および複雑化する。加えて、複雑な形状のインターロック部材は、安価なプレス成形工法では製造できず、高価な鋳造工法などで製造することになるため、コストが増加する。
また、前述した第2の構造は、フォークシャフトおよびロックピンの配置の制約に加え、ロックピンを保持および駆動する部品の構造や配置に制約がある。さらには、ロックピンを保持および駆動する部品の点数が増加するため、コストが増加する。
本発明は上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、後進用ギヤ列のインターロック構造の配置自由度に有利であり、かつ部品点数が少なくてコスト低廉な歯車変速機を提供することを解決すべき課題とする。
本発明の歯車変速機は、複数の前進変速段をそれぞれ構成する複数の前進用ギヤ列と、後進変速段を構成する後進用ギヤ列と、前記複数の前進用ギヤ列および前記後進用ギヤ列のうちいずれかを選択操作して動力を伝達させる変速段選択駆動機構と、選択されていないギヤ列による動力の伝達を防止するインターロック機構とを備えた歯車変速機であって、前記変速段選択駆動機構は、支承ピンに支承され揺動して前記後進用ギヤ列の噛合を成立させる後進操作部材と、前記後進用ギヤ列が選択されたとき前記後進操作部材に係合して駆動する後進選択駆動部材と、を含み、前記インターロック機構は、前記後進選択駆動部材に操作される被操作部と、前記後進操作部材を係止する係止部と、を有する後進インターロック部材を含み、前記後進インターロック部材は、前記後進選択駆動部材が前記後進操作部材に係合していない間は前記係止部が前記後進操作部材を係止したロック状態を維持し、前記後進選択駆動部材が前記後進操作部材に係合する動作に並行して前記被操作部が操作され、前記係止部が前記後進操作部材の係止を解除して解除状態に移行する。
また、前記後進インターロック部材は、前記被操作部が操作されると弾性変形して前記ロック状態から前記解除状態に移行してもよい。
さらに、前記後進インターロック部材は、前記支承ピンによって保持される皿ばねまたは板ばね材を用いて構成されていることが好ましい。
また、前記後進インターロック部材は、前記被操作部が操作されると前記ロック状態に相当するロック位置から前記解除状態に相当する解除位置にスライド移動してもよい。
さらに、前記後進インターロック部材は、前記支承ピンが遊嵌してスライド移動可能に支承される長孔をもつことが好ましい。
また、前記後進インターロック部材は、前記被操作部が操作されると前記ロック状態に相当するロック角度位置から前記解除状態に相当する解除角度位置に揺動してもよい。
さらに、前記後進選択駆動部材は、軸周りの回動および軸方向の移動が可能な後進選択駆動軸と、前記後進選択駆動軸に設けられ、前記後進選択駆動軸の前記軸周りの回動および前記軸方向の移動の一方で前記後進操作部材に係合するとともに前記後進インターロック部材を前記ロック状態から前記解除状態に操作し、前記軸周りの回動および前記軸方向の移動の他方で前記後進操作部材の操作を駆動する後進インナーレバーと、を含むことが好ましい。
さらに、前記後進インターロック部材は、プレス成形工法によって製造されることが好ましい。
本発明の歯車変速機では、変速段選択駆動機構は後進操作部材と後進選択駆動部材とを含み、インターロック機構は後進インターロック部材を含む。これによれば、複数の前進用ギヤ列の選択操作を行う部材、例えばフォークシャフトやそのシフトヘッドの形状や配置に制約されずに、後進操作部材の周りに後進用ギヤ列のインターロック構造(以降では、「後進インターロック構造」と略記)を自由に配置できる。したがって、本発明の歯車変速機は、後進インターロック構造の配置自由度に有利である。また、フォークシャフトをロックピンで係止する従来技術のインターロック構造と比較して部品点数を少なくできるので、歯車変速機のコストは低廉になる。
また、後進インターロック部材が弾性変形してロック状態から解除状態に移行する態様では、皿ばねや板ばね材などを利用して後進インターロック部材を形成できる。加えて、皿ばねや板ばね材などは、後進操作部材を支承する支承ピンに保持されるように構成できる。これによれば、支承ピンは複数の部材を支承するので、少ない部品点数で簡易な構造の後進インターロック構造が実現される。したがって、歯車変速機のコストは低廉になる。
また、後進インターロック部材がロック位置から解除位置にスライド移動する態様では、スライド移動するプレート部材などを利用して後進インターロック部材を形成できる。加えて、プレート部材は、後進操作部材を支承する支承ピンが遊嵌する長孔をもつように構成できる。これによれば、支承ピンは複数の部材を支承するので、少ない部品点数で簡易な構造の後進インターロック構造が実現される。したがって、歯車変速機のコストは低廉になる。
また、後進インターロック部材がロック角度位置から解除角度位置に揺動する態様では、揺動するアーム部材などを利用して後進インターロック部材を形成できる。これによれば、簡易な構造の後進インターロック構造が実現され、歯車変速機のコストは低廉になる。
さらに、後進選択駆動部材が後進選択駆動軸および後進インナーレバーを含む態様では、後進選択駆動軸の軸周りの回動および軸方向の移動の一方で解除される後進インターロック構造を構成すればよい。したがって、前進用ギヤ列のインターロック構造に関係なく、後進インターロック構造を後進選択駆動軸または後進インナーレバーの近傍に自由に配置でき、配置自由度が大きい。
さらに、後進インターロック部材がプレス成形工法によって製造される態様では、鋳造工法などの他の製造方法と比較して安価な製造が可能になる。したがって、歯車変速機のコストはさらに一層低廉になる。
まず、本発明を実施する歯車変速機の全体構成の概要について説明する。図1は、本発明の第1〜第3実施形態に共通な歯車変速機1の全体構成を示す斜視図である。第1〜第3実施形態の歯車変速機1は、車両に搭載されており、手動操作方式および自動操作方式のどちらであってもよい。歯車変速機1は、ケース21、入力軸22、出力軸24、複数の前進用ギヤ列3、後進用ギヤ列4、変速段選択駆動機構5、およびインターロック機構などを備えている。
図1に一部が示されたケース21の内部に、入力軸22および出力軸24が平行配置されて回転自在に軸承されている。入力軸22には、複数の前進駆動ギヤ23が軸長方向に列設されている。出力軸24には、複数の前進従動ギヤ25が軸長方向に列設されている。前進駆動ギヤ23および前進従動ギヤ25は、同数配置され一対一で組になって噛合可能とされており、複数の前進用ギヤ列3が構成されている。
各前進用ギヤ列3の前進駆動ギヤ23および前進従動ギヤ25の一方は、軸(入力軸22および出力軸24の一方)に対して遊転可能に設けられる。前進駆動ギヤ23および前進従動ギヤ25の他方は、軸(入力軸22および出力軸24の他方)と一体的に回転する。遊転可能なギヤは、後述の同期装置により選択的に軸に結合されて軸と一体的に回転する。本発明において、前進用ギヤ列3を構成する複数の前進駆動ギヤ23および前進従動ギヤ25は、その組数および列設順序が限定されず、図1には破線の円筒で略示されている。
後進用ギヤ列4は、入力軸22および出力軸24のケース21に近い一端寄りに構成されている。詳述すると、入力軸22の一端寄りに後進駆動ギヤ41が設けられ、出力軸24の一端寄りに後進従動ギヤ42が設けられている。さらに、入力軸22および出力軸24に平行して後進軸26が設けられている。後進軸26には、後進アイドラギヤ43が回転自在に、かつ軸長方向に移動可能に設けられている。3個の後進用ギヤ41〜43からなる後進用ギヤ列4は、公知の選択摺動式の構成とすることができる。
変速段選択駆動機構5は、図略のシフトアンドセレクト軸、前進段選択駆動機構51、および後進段選択駆動機構52からなる。手動操作方式の構成において、ギヤ列の選択は、運転者のシフトレバーの操作によって行われる。シフトアンドセレクト軸は、シフトレバーに駆動されて軸周りに回動し、および軸方向に移動する。自動操作方式の構成において、ギヤ列の選択は、電子制御装置のソフトウェアによって決定され、アクチュエータの制御によって行われる。シフトアンドセレクト軸は、アクチュエータに駆動されて軸周りに回動し、および軸方向に移動する。手動操作方式および自動操作方式のいずれでも、シフトアンドセレクト軸は、インナーレバーおよび前進インターロック部材を有している。
前進段選択駆動機構51は、3本のフォークシャフト511、512、513、および3個の同期装置を含んで構成される。なお、フォークシャフトの本数および同期装置の個数は、適宜変更することができる。3本のフォークシャフト511、512、513はそれぞれ、シフトアンドセレクト軸のインナーレバーに接近するように延在したシフトヘッド514、515、516を有している。シフトアンドセレクト軸は、軸周りの回動および軸方向の移動の一方で、インナーレバーを3個のシフトヘッド514、515、516のいずれかに係合させる。さらに、シフトアンドセレクト軸は、軸周りの回動および軸方向の移動の他方で、インナーレバーが係合したシフトヘッドを軸長方向に操作する。3本のフォークシャフト511、512、513のいずれかは、軸長方向に移動して特定の同期装置を操作する。これにより、複数の前進用ギヤ列3のいずれかが選択操作されて前進変速段が成立し、動力が伝達されるようになる。
後進段選択駆動機構52は、後進操作部材7および後進選択駆動部材8を含んで構成される。後進選択駆動部材8は、後進用ギヤ列が選択されたときにシフトアンドセレクト軸によって操作され、後進操作部材7に係合して駆動する。後進操作部材7は、後進アイドラギヤ43を後進軸26の軸長方向(図1の上に向かう方向)に操作する。すると、後進アイドラギヤ43は、後進駆動ギヤ41および後進従動ギヤ42の両方に噛合する。これにより、後進変速段が成立して動力が伝達されるようになる。後進段選択駆動機構52については、第1〜第3実施形態でそれぞれ詳述する。
インターロック機構は、前進インターロック部材および後進インターロック部材6A、6B、6Cを含んで構成されている。前進インターロック部材は、前述したようにシフトアンドセレクト軸に設けられている。前進インターロック部材は、インナーレバーが係合しなかった残りのシフトヘッドの移動をロックする。前進インターロック部材の構造については、各種の公知技術を応用できるので、詳細な説明は省略する。後進インターロック部材6A、6B、6Cについては、第1〜第3実施形態でそれぞれ詳述する。
図2は、第1実施形態の歯車変速機を説明する後進段選択駆動機構52Aの周りの斜視図である。図2で、後進用ギヤ列4は選択されておらず、後進インターロック部材6Aのロック状態が示されている。図3は、第1実施形態で後進用ギヤ列4が噛合する状況を説明する後進段選択駆動機構52Aの周りの斜視図である。図3には、後進インターロック部材6Aの解除状態が示されている。また、図4は、図3に示されたインターロックの解除状態を軸長方向からみた図である。後進段選択駆動機構52Aは、後進操作部材7Aおよび後進選択駆動部材8Aを含んで構成されている。また、後進段選択駆動機構52Aには、後進インターロック部材6Aが組み込まれている。
後進選択駆動部材8Aは、後進選択駆動軸81に後進インナーレバー82が固設されて形成されている。後進選択駆動軸81は、ケース21に支承されている。後進選択駆動軸81は、後進用ギヤ列が選択されたときにシフトアンドセレクト軸によって操作され、軸周りに回動し、および軸方向に移動する。
後進インナーレバー82は、固定部821および2個の係合凸部822、823により形成されている。固定部821は、環状であり、後進選択駆動軸81の外周を囲んで固定されている。したがって、後進インナーレバー82は、後進選択駆動軸81と一体的に動作する。2個の係合凸部822、823は、角棒状であり、固定部821から径方向外向きに立設されている。2個の係合凸部822、823は軸長方向に離れて並び立っており、間に係合溝部824が形成されている。図2の紙面奥側の係合凸部823の上部は、立設方向に対して傾斜した斜面および立設方向に直交した直交面からなる操作部825になっている。操作部825は、後述するインターロックプレート61の被操作部613を押し上げ操作できるように形成されている。
後進操作部材7Aは、後進アイドラギヤ43を後進軸26の軸長方向に操作する部材である。後進操作部材7Aは、単一の長い部材で形成されており、揺動軸部71、被係合部72、および操作アーム部73からなる。揺動軸部71は、部材の途中に形成されている。揺動軸部71の中央には軸孔が設けられている。
揺動軸部71から後進インナーレバー82に向かう方向に、被係合部72が延在している。被係合部72の先端は、係合溝部824に係入できるように形成されている。揺動軸部71から被係合部72と逆方向に、操作アーム部73が延在している。操作アーム部7の先端部分は後進アイドラギヤ43の側面に沿っている。操作アーム部73は、後進アイドラギヤ43の図2では隠れている側面を押動操作して、後進アイドラギヤ43を紙面手前側に操作できるように形成されている。後進操作部材7Aの揺動軸部71は、後進ブラケット79によって揺動可能に支承されている。そして、揺動軸部71の一側の操作アーム部73は、揺動軸部71の他側の被係合部72よりも長く形成されている。したがって、操作アーム部73は、被係合部72が駆動される方向と逆方向に揺動する。かつ、操作アーム部73の先端の揺動距離は、被係合部72の揺動距離を増幅したものとなる。
後進ブラケット79は、2個の固定孔791、792を用いてケース21の内壁に固定されている。後進ブラケット79は、図2の上下二股に分かれて平行配置される挟持部793、794を有している。さらに上下の挟持部793、794を貫いて支承ピン795が貫設されている。挟持部793、794は、後進操作部材7の揺動軸部71を上下に挟んで支持している。支承ピン795は、揺動軸部71の軸孔に嵌入しており、後進操作部材7Aを揺動可能に支承している。
後進インターロック部材6Aは、インターロックプレート61および皿ばね62で構成されている。インターロックプレート61は、型取りされた板状の部材に軸孔の孔穿け加工、および湾曲部611の曲げ加工がプレス成形工法により施されて形成されている。インターロックプレート61は、後進操作部材7Aの上側に配設されている。インターロックプレート61に穿設された軸孔には、支承ピン795が嵌入している。
インターロックプレート61の後進インナーレバー82に近い端部寄りには、端部に向かうほど下方に湾曲した湾曲部611が形成されている。湾曲部611は、後進操作部材7の被係合部72と後進ブラケット79との間に挟まるように配置される。湾曲部611の図2の手前側の側面は、被係合部72の奥側の側面に当接可能であり、後進操作部材7Aを操作不能に係止する係止部612となっている。また、湾曲部611の下向きの先端は、後進インナーレバー56の操作部565に押し上げ操作される被操作部613となっている。
皿ばね62は、略環状であり、インターロックプレート61と後進ブラケット79の上側の挟持部793との間に弾性変形可能に配設されている。皿ばね62の中央には、支承ピン795が嵌入している。皿ばね62はインターロックプレート61を下方に付勢しており、これによって湾曲部611が下降する。支承ピン795は、上から順番に上側の挟持部793、皿ばね62、インターロックプレート61、後進操作部材7A、および下側の挟持部794を貫通している。換言すれば、支承ピン795は、後進操作部材7Aを揺動可能に支承しつつ、後進インターロック部材6Aを弾性変形可能に支承している。
次に、第1実施形態の歯車変速機の作用のうち主に後進用ギヤ列4の操作、および後進インターロック機能について説明する。後進用ギヤ列4が選択されていない状態で、インターロックプレート61の湾曲部611は、図2に示されるように下降して、後進操作部材7Aの被係合部72の紙面奥側の側方に位置する。このため、被係合部72は湾曲部611の係止部612に当接して紙面右奥方向に移動できず、後進操作部材7Aは揺動できない。したがって、操作アーム部73も移動できず、後進アイドラギヤ43を紙面手前方向に操作できない。この状態がインターロックプレート61のロック状態であり、後進ギヤ列4の噛合を防止するインターロック機能が働いている。
ここで、後進用ギヤ列4が選択されると、図3の矢印M1に示されるように、まず、後進選択駆動軸81および後進インナーレバー82が図中の反時計回りに回動する。これにより、後進インナーレバー82は、後進操作部材7の被係合部72を係合溝部824に受け入れて係合する。
これと並行して、回動する係合凸部823の上部の操作部825は、インターロックプレート61の被操作部613を押し上げ操作する。インターロックプレート61は、被操作部613が操作部825の斜面により押し上げられて徐々に上昇し、同時に皿ばね62を弾性変形させる。最終的に、インターロックプレート61の被操作部613は、操作部825の直交面で押し上げられる。このとき、インターロックプレート61の係止部612は、後進操作部材7の被係合部72よりも高い位置まで上昇する。係止部612が上昇したときのインターロックプレート61の状態が解除状態であり、図3および図4に示されている。解除状態において、被係合部72は、係止部612に当接しておらず、図3の紙面右奥方向に移動可能となっている。
次に、図3の矢印M2に示されるように、後進選択駆動軸81および後進インナーレバー82が図3の紙面右奥方向に移動する。このとき、後進インナーレバー82は、係合凸部822で後進操作部材7Aの被係合部72を押動操作する。後進操作部材7Aは揺動し、操作アーム部73は、矢印M3に示されるように後進アイドラギヤ43を紙面手前方向に押動操作する。これにより、後進アイドラギヤ43は、後進駆動ギヤ41および後進従動ギヤ42の両方に噛合し、後進変速段が成立する。
後進用ギヤ列4の選択が解除されると、上述した操作と概ね逆の作用が発生する。すなわち、まず、後進選択駆動軸81および後進インナーレバー82が図3の矢印M2の逆方向(紙面左手前方向)に移動する。これに伴い、後進操作部材7Aの操作アーム部73が矢印M3の逆方向(紙面右奥方向)に揺動する。後進アイドラギヤ43は、図略の付勢部材に操作されて紙面右奥方向に戻り、後進駆動ギヤ41および後進従動ギヤ42との噛合が解消される。
次に、後進選択駆動軸81および後進インナーレバー82が矢印M1の逆方向(時計回り)に回動する。これにより、後進操作部材7Aの被係合部72は、係合溝部824から抜け出て係合が解消される。また、回動して戻る係合凸部823の上部の操作部825は、インターロックプレート61の被操作部613から離脱する。すると、弾性変形した皿ばね62の付勢作用により、インターロックプレート61の湾曲部611は下降して解除状態からロック状態に戻る。つまり、インターロック機能が復帰する。
第1実施形態の歯車変速機では、変速段選択駆動機構5は後進操作部材7Aと後進選択駆動部材8Aとを含み、インターロック機構は後進インターロック部材6Aを含む。これによれば、複数の前進用ギヤ列3の選択操作を行うフォークシャフト511、512、513やそのシフトヘッド514、515、516の形状や配置に制約されずに、後進操作部材7Aの周りに後進用ギヤ列4のインターロック構造を自由に配置できる。したがって、後進インターロック構造の配置自由度に有利である。また、フォークシャフトをロックピンで係止する従来技術のインターロック構造と比較して部品点数を少なくできるので、歯車変速機1のコストは低廉になる。
さらに、後進選択駆動部材8Aは、後進選択駆動軸81および後進インナーレバー82を含んでいる。したがって、前進用ギヤ列3のインターロックを行う前進インターロック部材に関係なく、後進インターロック構造を後進インナーレバー82の近傍に自由に配置でき、配置自由度が大きい。
また、後進インターロック部材6Aを構成する皿ばね62が弾性変形してロック状態から解除状態に移行する。加えて、皿ばね62は、後進操作部材7Aを支承する支承ピン795によって保持されている。これによれば、少ない部品点数で簡易な構造の後進インターロック構造が実現され、歯車変速機1のコストは低廉になる。
さらに、後進インターロック部材6Aを構成するインターロックプレート61は、プレス成形工法によって製造されるので、鋳造工法などの他の製造方法と比較して安価な製造が可能になる。したがって、歯車変速機1のコストはさらに一層低廉になる。
第2実施形態の歯車変速機の説明に移る。図5は、第2実施形態の歯車変速機を説明する後進段選択駆動機構52Bの周りの斜視図である。図5で、後進用ギヤ列4は選択されておらず、後進インターロック部材6Bはロック状態に相当するロック位置にある。また、図6は、図5に示されたロック位置の状態を軸長方向からみた図である。図7は、第2実施形態で後進用ギヤ列4が選択されたときのインターロックの解除状態を示す後進段選択駆動機構52Bの周りの斜視図である。さらに、図8は、第2実施形態で後進用ギヤ列4が噛合する状況を説明する後進段選択駆動機構52Bの周りの斜視図である。後進段選択駆動機構52Bは、後進操作部材7Bおよび後進選択駆動部材8Bを含んで構成されている。また、後進段選択駆動機構52Bには、後進インターロック部材6Bが組み込まれている。
後進選択駆動部材8Bは、後進選択駆動軸81に後進インナーレバー83が固設されて形成されている。後進選択駆動軸81は、ケース21に支承されている。後進選択駆動軸81は、後進用ギヤ列が選択されたときにシフトアンドセレクト軸によって操作され、軸周りに回動し、および軸方向に移動する。
後進インナーレバー83は、第1実施形態の後進インナーレバー82に類似した形状であり、環状の固定部831および2個の角棒状の係合凸部832、833により形成されている。2個の係合凸部832、833は軸長方向に離れて並び立っており、間に係合溝部834が形成されている。図5の紙面奥側の係合凸部833の一側面(図5の左側の側面)は、操作部835になっている。操作部835は、後述するインターロックプレート63の被操作部633を押し込み操作できるように形成されている。
後進操作部材7Bは、後進アイドラギヤ43を後進軸26の軸長方向に操作する部材である。後進操作部材7Bは、単一の長い部材で形成されており、揺動軸部71、被係合部72、操作アーム部73、および被係止部74からなる。揺動軸部71は、部材の途中に形成されている。揺動軸部71の中央には軸孔が設けられている。揺動軸部71の側面のうち図5の左手前付近に、被係止部74(図8参照)が形成されている。
揺動軸部71から後進インナーレバー82に向かう方向に、被係合部72が延在している。被係合部72の先端は、係合溝部834に係入できるように形成されている。揺動軸部71から被係合部72と逆方向に、操作アーム部73が延在している。操作アーム部73は途中で屈曲しており、屈曲した先の部分は後進アイドラギヤ43の側面に沿っている。操作アーム部73は、後進アイドラギヤ43の図5では隠れている側面を押動操作して、後進アイドラギヤ43を紙面手前側に操作できるように形成されている。後進操作部材7Bの揺動軸部71は、後進ブラケット79によって揺動可能に支承されている。後進ブラケット79および支承ピン795の構成は、第1実施形態に類似するので、説明は省略する。
後進インターロック部材6Bは、インターロックプレート63および図略の付勢ばねなどで構成されている。インターロックプレート63は、型取りされた板状の部材に長孔631の孔穿け加工、および係止部632の曲げ加工がプレス成形工法により施されて形成されている。インターロックプレート63は、後進操作部材7Bの上側に配設されている。インターロックプレート63に穿設された長孔631は、長径方向が後進操作部材7Bの被係合部72と操作アーム部73とを結ぶ方向に概ね一致し、短径方向が後進選択駆動軸81の軸長方向に概ね一致している。長孔631には、支承ピン795が遊嵌している。したがって、インターロックプレート63は、長孔631の長径寸法から支承ピン795の径寸法を差し引いた分だけスライド移動可能となっている。
インターロックプレート63の係止部632(図5の左前側に配置)は、下向きに屈曲して後進操作部材7Bの被係止部74に臨んでいる。係止部632は、被係止部74に当接して、後進操作部材7Bを操作不能に係止できるように形成されている。インターロックプレート63の後進インナーレバー83に向かう端面は、後進インナーレバー83の操作部835に押し込み操作される被操作部633となっている。図略の付勢ばねは、インターロックプレート63を後進インナーレバー83の方向に付勢している。
次に、第2実施形態の歯車変速機の作用のうち主に後進用ギヤ列4の操作、および後進インターロック機能について説明する。後進用ギヤ列4が選択されていない状態で、インターロックプレート63は、図5に示されるように付勢ばねにより後進インナーレバー83に近い位置へと付勢されている。この位置が、ロック状態に相当するロック位置である。ロック位置にあるインターロックプレート63の係止部632は、後進操作部材7Bの被係止部74に当接する。このため、後進操作部材7Bは揺動できない。したがって、操作アーム部73も移動できず、後進アイドラギヤ43を紙面手前方向に操作できない。つまり、後進ギヤ列4の噛合を防止するインターロック機能が働いている。
ここで、後進用ギヤ列4が選択されると、図7の矢印N1に示されるように、まず後進選択駆動軸81および後進インナーレバー83が図中の反時計回りに回動する。これにより、後進インナーレバー83は、後進操作部材7の被係合部72を係合溝部834に受け入れて係合する。
これと並行して、回動する係合凸部833の一側面の操作部835は、インターロックプレート63の被操作部633を押し込み操作する。これにより、インターロックプレート63は、付勢ばねを弾性変形させながら、矢印N2に示されるように操作アーム部73の方向に概ね長孔631の長径方向の遊嵌分だけスライド移動する。スライド移動した後のインターロックプレート63の位置が、解除状態に相当する解除位置である。解除位置にあるインターロックプレート63の係止部632は、後進操作部材7Bの被係止部74から離れている。これにより、後進操作部材7Bは、揺動可能となる。
次に、図8の矢印N3に示されるように、後進選択駆動軸81および後進インナーレバー83が紙面奥方向に移動する。このとき、後進インナーレバー83は、係合凸部832で後進操作部材7Bの被係合部72を押動操作する。後進操作部材7Bは揺動し、操作アーム部73は、矢印N4に示されるように後進アイドラギヤ43を紙面手前方向に押動操作する。これにより、後進アイドラギヤ43は、後進駆動ギヤ41および後進従動ギヤ42の両方に噛合し、後進変速段が成立する。
後進用ギヤ列4の選択が解除されると、上述した操作と概ね逆の作用が発生する。すなわち、まず、後進選択駆動軸81および後進インナーレバー83が図8の矢印N3の逆方向に移動する。これにより、操作アーム部73が矢印N4の逆方向に揺動して、後進アイドラギヤ43は紙面奥方向に戻り、後進駆動ギヤ41および後進従動ギヤ42との噛合が解消される。次に、後進選択駆動軸81および後進インナーレバー83が矢印N1の逆方向に回動すると、後進操作部材7の被係合部72は係合溝部824から抜け出て係合が解消される。また、係合凸部823の回動による後退に伴い、弾性変形した付勢ばねの付勢作用でインターロックプレート63は解除位置からロック位置にスライド移動して戻る。つまり、インターロック機能が復帰する。
第2実施形態の歯車変速機でも、第1実施形態と同様に、後進操作部材7Bの周りに後進用ギヤ列4のインターロック構造を自由に配置できる。したがって、後進インターロック構造の配置自由度に有利である。また、フォークシャフトをロックピンで係止する従来技術のインターロック構造と比較して部品点数を少なくできるので、歯車変速機1のコストは低廉になる。
また、スライド移動するインターロックプレート63を利用して後進インターロック部材6Bを形成できる。加えて、インターロックプレート63は、後進操作部材7Bを支承する支承ピン795が遊嵌する長孔631をもつように構成できる。これによれば、支承ピン795は複数の部材を支承するので、少ない部品点数で簡易な構造の後進インターロック構造が実現される。さらに、インターロックプレート63がプレス成形工法で製造される点は、第1実施形態と同様である。したがって、これらの総合な効果により、歯車変速機1のコストはさらに一層低廉になる。
第3実施形態の歯車変速機の説明に移る。図9は、第3実施形態の歯車変速機を説明する後進段選択駆動機構52Cの周りの斜視図である。図9で、後進用ギヤ列4は選択されておらず、後進インターロック部材6Cを構成するインターロックアーム64はロック状態に相当するロック角度位置に揺動している。また、図10は、図9に示されたロック角度位置の状態を軸長方向からみた図である。図11は、第3実施形態で後進用ギヤ列4が選択されたときのインターロックの解除状態を示す後進段選択駆動機構52Cの周りの斜視図である。さらに、図12は、第3実施形態で後進用ギヤ列4が噛合する状況を説明する後進段選択駆動機構52Cの周りの斜視図である。後進段選択駆動機構52Cは、後進操作部材7Cおよび後進選択駆動部材8Cを含んで構成されている。また、後進段選択駆動機構52Cに近接して、後進インターロック部材6Cが配置されている。
後進選択駆動部材8Cは、後進選択駆動軸81に後進インナーレバー84が固設されて形成されている。後進選択駆動軸81は、ケース21に支承されている。後進選択駆動軸81は、後進用ギヤ列が選択されたときにシフトアンドセレクト軸によって操作され、軸周りに回動および軸方向に移動する。
後進インナーレバー84は、環状の固定部841が後進選択駆動軸81の外周を囲んで固定されており、後進選択駆動軸81と一体的に動作する。固定部841から径方向外向きに2個の角棒状の係合凸部842、843が立設されている。2個の係合凸部842、843は軸長方向に離れて並び立っており、間に係合溝部844が形成されている。図9の紙面奥側の係合凸部863の上端縁の一辺(図9の左側の上端縁)は、操作部845になっている。操作部845は、後述するインターロックアーム64の被操作カム部644を押し上げて、インターロックアーム64を揺動操作できるように形成されている。
後進操作部材7Cは、後進アイドラギヤ43を後進軸26の軸長方向に操作する部材である。後進操作部材7Cは、単一の長い部材で形成されており、揺動軸部71、被係合部72、操作アーム部73、および被係止部75からなる。揺動軸部71は、部材の途中に形成されている。揺動軸部71の中央には軸孔が設けられている。
揺動軸部71から後進インナーレバー82に向かう方向に、被係合部72が延在している。被係合部72の先端は、係合溝部834に係入できるように形成されている。被係合部72の図9の紙面奥側の側面の途中に、被係止部75が形成されている。揺動軸部71から被係合部72と逆方向に、操作アーム部73が延在している。操作アーム部73は途中で屈曲しており、屈曲した先の部分は後進アイドラギヤ43の側面に沿っている。操作アーム部73は、後進アイドラギヤ43の図9では隠れている側面を押動操作して、後進アイドラギヤ43を紙面手前側に操作できるように形成されている。後進操作部材7Cは、後進ブラケット79によって揺動可能に支承されている。後進ブラケット79および後進支承部に相当する支承ピン795の構成は、第1および第2実施形態に類似する。ただし、支承ピン795は、後進インターロック部材6Cを支承していない。
後進インターロック部材6Cは、インターロックアーム64、アーム軸65、および図略の付勢ばねなどで構成されている。アーム軸65は、後進選択駆動軸81に平行してケース21に立設されている。インターロックアーム64は、屈曲した棒状の部材である。インターロックアーム64の基端641は、アーム軸65に揺動可能に支承されている。インターロックアーム64の先端642は、後進操作部材7Cの被係合部72の方向に延びている。先端642の一側面(図9の紙面手前の側面)は、係止部643とされて被係合部72の被係止部75に臨んでいる。係止部643は、被係止部75に当接して、後進操作部材7Cを操作不能に係止できるように形成されている。インターロックアーム64の先端寄りの下面は、傾斜したカム面を有する被操作カム部644となっている。図略の付勢ばねは、インターロックアーム64を図9の反時計回りに付勢している。
次に、第3実施形態の歯車変速機の作用のうち主に後進用ギヤ列4の操作、および後進インターロック機能について説明する。後進用ギヤ列4が選択されていない状態で、インターロックアーム64は、図9に示されるように付勢ばねに付勢されて反時計回りに揺動しており、ロック状態に相当するロック角度位置にある。ロック角度位置にあるインターロックアーム64の係止部643は、後進操作部材7Cの被係止部75に当接している。このため、後進操作部材7Cは揺動できない。したがって、操作アーム部73も移動できず、後進アイドラギヤ43を紙面手前方向に操作できない。つまり、後進ギヤ列4の噛合を防止するインターロック機能が働いている。
ここで、後進用ギヤ列4が選択されると、図11の矢印P1に示されるように、まず後進選択駆動軸81および後進インナーレバー84が図中の反時計回りに回動する。これにより、後進インナーレバー84は、後進操作部材7の被係合部72を係合溝部844に受け入れて係合する。
これと並行して、回動する係合凸部843の操作部845は、インターロックプレート64の被操作カム部644を押し上げ操作する。これにより、インターロックアーム64は、付勢ばねを弾性変形させながら、矢印P2に示される時計回りに揺動する。インターロックアーム64の係止部642は、後進操作部材7Cの被係合部72よりも高い位置まで上昇する。係止部642が上昇した後のインターロックアーム64の位置が、解除状態に相当する解除角度位置である。インターロックアーム64の解除角度位置において、被係止部75は係止部642に当接しておらず、被係合部72は図11の紙面奥方向に移動可能となっている。
次に、図12の矢印P3に示されるように、後進選択駆動軸81および後進インナーレバー84が紙面奥方向に移動する。このとき、後進インナーレバー84は、係合凸部842で後進操作部材7Cの被係合部72を押動操作する。後進操作部材7Cは揺動し、操作アーム部73は、矢印P4に示されるように後進アイドラギヤ43を紙面手前方向に押動操作する。これにより、後進アイドラギヤ43は、後進駆動ギヤ41および後進従動ギヤ42の両方に噛合して、後進変速段が成立する。
後進用ギヤ列4の選択が解除されると、上述した操作と概ね逆の作用が発生する。すなわち、まず、後進選択駆動軸81および後進インナーレバー84が図12の矢印P3の逆方向に移動する。これにより、操作アーム部73が矢印P4の逆方向に揺動して、後進アイドラギヤ43は紙面奥方向に戻り、後進駆動ギヤ41および後進従動ギヤ42との噛合が解消される。次に、後進選択駆動軸81および後進インナーレバー84が矢印P1の逆方向に回動すると、後進操作部材7Cの被係合部72は係合溝部824から抜け出て係合が解消される。また、係合凸部823の回動による後退に伴い、弾性変形した付勢ばねの付勢作用でインターロックアーム64は反時計回りに揺動して解除角度位置からロック角度位置に戻る。つまり、インターロック機能が復帰する。
第3実施形態の歯車変速機でも、第1実施形態と同様に、後進操作部材7Cの周りに後進用ギヤ列4のインターロック構造を自由に配置できる。したがって、後進インターロック構造の配置自由度に有利である。また、ロックピンなどを用いる従来技術のインターロック構造と比較して部品点数を少なくできるので、歯車変速機のコストは低廉になる。
なお、第1実施形態で、後進インターロック部材6Aはインターロックプレート61および皿ばね62で構成されているが、これに限定されない。例えば、単一の板ばね材で後進インターロック部材を形成することも可能である。その他、本発明は様々な応用や変形が可能である。
1:歯車変速機
21:ケース 22:入力軸 24:出力軸 3:前進用ギヤ列
4:後進用ギヤ列
41:後進駆動ギヤ 42:後進従動ギヤ 43:後進アイドラギヤ
5:変速段選択駆動機構 51:前進段選択駆動機構
52、52A、52B、52C:後進段選択駆動機構
6A、6B、6C:後進インターロック部材
61:インターロックプレート 612:係止部 613:被操作部
62:皿ばね 63:インターロックプレート 631:長孔
632:係止部 633:被操作部 64:インターロックアーム
643:係止部 644:被操作カム部 65:アーム軸
7、7A、7B、7C:後進操作部材
71:揺動軸部 72:被係合部 73:操作アーム部 74:被係止部
75:被係止部 79:後進ブラケット 795:支承ピン
8、8A、8B、8C:後進選択駆動部材 81:後進選択駆動軸
82:後進インナーレバー 824:係合溝部 825:操作部
83:後進インナーレバー 834:係合溝部 835:操作部
84:後進インナーレバー 844:係合溝部 845:操作部
21:ケース 22:入力軸 24:出力軸 3:前進用ギヤ列
4:後進用ギヤ列
41:後進駆動ギヤ 42:後進従動ギヤ 43:後進アイドラギヤ
5:変速段選択駆動機構 51:前進段選択駆動機構
52、52A、52B、52C:後進段選択駆動機構
6A、6B、6C:後進インターロック部材
61:インターロックプレート 612:係止部 613:被操作部
62:皿ばね 63:インターロックプレート 631:長孔
632:係止部 633:被操作部 64:インターロックアーム
643:係止部 644:被操作カム部 65:アーム軸
7、7A、7B、7C:後進操作部材
71:揺動軸部 72:被係合部 73:操作アーム部 74:被係止部
75:被係止部 79:後進ブラケット 795:支承ピン
8、8A、8B、8C:後進選択駆動部材 81:後進選択駆動軸
82:後進インナーレバー 824:係合溝部 825:操作部
83:後進インナーレバー 834:係合溝部 835:操作部
84:後進インナーレバー 844:係合溝部 845:操作部
Claims (8)
- 複数の前進変速段をそれぞれ構成する複数の前進用ギヤ列と、後進変速段を構成する後進用ギヤ列と、前記複数の前進用ギヤ列および前記後進用ギヤ列のうちいずれかを選択操作して動力を伝達させる変速段選択駆動機構と、選択されていないギヤ列による動力の伝達を防止するインターロック機構とを備えた歯車変速機であって、
前記変速段選択駆動機構は、支承ピンに支承され揺動して前記後進用ギヤ列の噛合を成立させる後進操作部材と、前記後進用ギヤ列が選択されたとき前記後進操作部材に係合して駆動する後進選択駆動部材と、を含み、
前記インターロック機構は、前記後進選択駆動部材に操作される被操作部と、前記後進操作部材を係止する係止部と、を有する後進インターロック部材を含み、
前記後進インターロック部材は、前記後進選択駆動部材が前記後進操作部材に係合していない間は前記係止部が前記後進操作部材を係止したロック状態を維持し、前記後進選択駆動部材が前記後進操作部材に係合する動作に並行して前記被操作部が操作され、前記係止部が前記後進操作部材の係止を解除して解除状態に移行する歯車変速機。 - 前記後進インターロック部材は、前記被操作部が操作されると弾性変形して前記ロック状態から前記解除状態に移行する請求項1に記載の歯車変速機。
- 前記後進インターロック部材は、前記支承ピンによって保持される皿ばねまたは板ばね材を用いて構成されている請求項2に記載の歯車変速機。
- 前記後進インターロック部材は、前記被操作部が操作されると前記ロック状態に相当するロック位置から前記解除状態に相当する解除位置にスライド移動する請求項1に記載の歯車変速機。
- 前記後進インターロック部材は、前記支承ピンが遊嵌してスライド移動可能に支承される長孔をもつ請求項4に記載の歯車変速機。
- 前記後進インターロック部材は、前記被操作部が操作されると前記ロック状態に相当するロック角度位置から前記解除状態に相当する解除角度位置に揺動する請求項1に記載の歯車変速機。
- 前記後進選択駆動部材は、
軸周りの回動および軸方向の移動が可能な後進選択駆動軸と、
前記後進選択駆動軸に設けられ、前記後進選択駆動軸の前記軸周りの回動および前記軸方向の移動の一方で前記後進操作部材に係合するとともに前記後進インターロック部材を前記ロック状態から前記解除状態に操作し、前記軸周りの回動および前記軸方向の移動の他方で前記後進操作部材の操作を駆動する後進インナーレバーと、
を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の歯車変速機。 - 前記後進インターロック部材は、プレス成形工法によって製造される請求項1〜7のいずれか一項に記載の歯車変速機。
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