JP2016002370A - 横抱き用子守帯 - Google Patents

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真実 池田
藍子 杉田
Aiko Sugita
藍子 杉田
久美子 正木
Kumiko Masaki
久美子 正木
純子 黒石
Junko Kuroishi
純子 黒石
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Abstract

【課題】肩ベルトを斜め掛けする肩の左右を容易に替えることができる横抱き用の子守帯を提供すること。
【解決手段】装着者の正面側で乳児を寝かせて載置するキャリア本体20と、装着者の肩に斜め掛けされ、キャリア本体20を支持するための肩ベルト30と、装着者の腰回りに巻いて装着される腰ベルト40と、を備え、腰ベルト40は、装着状態における装着者の腹側において、キャリア本体20に固定された固定領域40Cを有すると共に、固定領域40Cを間に挟んだ左右に肩ベルト40と着脱自在に連結されるベルト連結手段50,51を有し、肩ベルト30は、装着した際、一方の端部30Aがベルト連結手段50,51のいずれかに連結され、他方の端部30Bがキャリア本体20の腰ベルト40側とは反対の外側20Dに固定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、横抱き用子守帯に関する。
従来から、乳幼児を抱っこする手段として子守帯がよく用いられているが、生後間もない乳児については未だ首がすわっていないため、子守帯は、乳児を寝かした状態、所謂横抱き状態で保持するようになっている。
例えば特許文献1の子守帯では、その図3に示すように、寝かせた乳児を保持するキャリア本体10と、装着者の肩に斜め掛けされるショルダーベルト50と、キャリア本体10を装着者に引き寄せた状態に保持するための腰ベルト60とを有している。
キャリア本体10は、図1及び図2に示すように、幅方向の左右それぞれについて、頭部側及び胴部側にループ21a,21bを有している。そして、このループ21a,21bに腰ベルト60の両端部が取付けられる。なお、腰ベルト60は2本からなっており、互いを着脱可能に接続するためのバックル62a,62bを有している。
ショルダーベルト50は、キャリア本体10の頭部側の幅方向両端から延伸しており、その端部は股当て部14に設けられたバックル52bに着脱可能に接続される。
このような子守帯は次のようにして装着される。
先ず、キャリア本体10の左右どちらかのループ21a,21bに腰ベルト60を取付け、バックル62a,62bは分離しておく。また、ショルダーベルト50の端部もキャリア本体10のバックル52bから分離しておく。そして、キャリア本体10に乳児を載せてから、キャリア本体10を装着者の正面側に位置させるとともに、左右のショルダーベルト50を片方の肩に斜め掛けして、ショルダーベルト50の端部を股当て部14のバックル52bに連結する。さらに、腰ベルト40を装着者の腰に回し、その先端のバックル62a,62bを相互に連結して、腰回りに装着する。
特開2001−204592号公報
ところで、母親等の装着者の利き腕の問題や、装着者の疲れを軽減する等の理由から、肩ベルトを斜め掛けする肩の左右を替えることがある。このような肩の左右を替えるためには、特許文献1では、腰ベルト60のバックル62a,62bを外した上で、腰ベルト60をキャリア本体10のループ21a,21bから取り外し、その後、キャリア本体10の幅方向の反対側にあるループ21a,21bに取付け直しから、同様の装着ステップを踏んでいく必要があり、肩ベルトの斜め掛けする肩の左右の変えることは決して容易ではない。
本発明は以上の課題を解決するものであり、肩ベルトを斜め掛けする肩の左右を容易に替えることができる横抱き用の子守帯を提供することを目的とする。
上記課題は、装着者の正面側で乳児を寝かせて載置するキャリア本体と、前記装着者の肩に斜め掛けされ、前記キャリア本体を支持するための肩ベルトと、前記装着者の腰回りに巻いて装着される腰ベルトと、を備え、前記腰ベルトは、装着状態における前記装着者の腹側において、前記キャリア本体に固定された固定領域を有すると共に、前記固定領域を間に挟んだ左右に前記肩ベルトと着脱自在に連結されるベルト連結手段を有し、前記肩ベルトは、装着した際、一方の端部が前記ベルト連結手段に連結され、他方の端部が前記キャリア本体の前記腰ベルト側とは反対の外側に固定されている横抱き用子守帯により解決される。
上記構成の子守帯によれば、装着者の正面側で乳児を寝かせて載置するキャリア本体と、装着者の肩に斜め掛けする肩ベルトと、装着者の腰回りに巻いて装着される腰ベルトとを備え、腰ベルトは、装着状態における装着者の腹側において、キャリア本体に固定された固定領域を有すると共に、肩ベルトと着脱自在に連結されるベルト連結手段を有する。そして、肩ベルトは、装着した際、一方の端部がベルト連結手段に連結され、他方の端部がキャリア本体の腰ベルト側とは反対の外側に固定されている。
そうすると、腰ベルトは、装着状態における装着者の腹側に、キャリア本体に固定された固定領域を有するため、腰ベルトを装着者の腰回りに巻いて装着すれば、キャリア本体を装着者側に密着させて、装着者側は腰ベルトでしっかりと支持できる。
そして、このように装着者側が支持されたキャリア本体には、肩ベルトの他方の端部が固定されており、腰ベルトを腰回りに巻いた状態で、肩ベルトを左右の肩のいずれかの上を通って、その一方の端部を腰ベルトの連結手段に連結すれば、肩ベルトはループ状になって肩に斜め掛けされ、キャリア本体における腰ベルト側(装着者側)と反対の外側も支持される。
ここで、腰ベルトは、肩ベルトの一方の端部と連結されるベルト連結手段を、固定領域を間に挟んだ左右(好ましくは、固定領域の近傍)に有している。従って、肩ベルトを斜め掛けする肩の左右を変える場合、肩ベルトの一方の端部をベルト連結手段から外し、この外した一方の端部をもう片方のベルト連結手段に付け替えるだけでよい。なお、ベルト連結手段は装着者の腹側にあるため、肩ベルトの一方の端部の付け替え作業は比較的容易であり、例えば、乳児を横抱きしながらも可能である。例えば、片手でキャリア本体を支持しながら、斜め掛けする肩の左右を替え、そして、肩ベルトの一方の端部をベルト連結手段から外し、その外した一方の端部をもう片方のベルト連結手段に付け替えればよい。
また、好ましくは、前記キャリア本体及び/又は前記腰ベルトの前記固定領域付近に、おくるみを着脱可能な着脱手段が設けられていることを特徴とする。
従って、この着脱手段により、寝かせた乳児の上に掛けたおくるみを落下しないように保持することができる。
さらに、この着脱手段は、腰ベルトで位置が定まっており、かつ、装着者の手元近くの固定領域付近に配置されているため、おくるみを着脱し易く、おくるみを着脱している最中の乳児の落下を有効に防止できる。
なお、「おくるみ」は乳児に掛けて身体を保護する布・織物などであり、ブランケットは勿論、タオルや紙なども含まれる。
また、好ましくは、前記キャリア本体は、乳児が載置される乳児載置領域と、この乳児載置領域から前記外側に向かって延伸した延長部とを有し、前記延長部は、前記外側を頂点とし、かつ、前記乳児載置領域との境界線を底辺とした略三角形状であることを特徴とする。
そうすると、キャリア本体は、乳児載置領域から肩ベルトの他方の端部が固定された外側に向かって延伸した延長部を有するため、乳児載置領域は延長部を介して肩ベルトで支持される。そして、延長部は外側を頂点とし、乳児載置領域との境界線を底辺とした略三角形状であるため、肩ベルトでバランスよく乳児載置領域を吊ることができる。
また、好ましくは、前記腰ベルトと前記キャリア本体とは着脱可能であることを特徴とする。
従って、腰ベルトと前記キャリア本体とを分離させることができるため、腰ベルトを外さずに、あやした後にキャリア本体の上で寝た乳児をそのまま静かに置くことができる。また、乳児がキャリア本体におもらしした際、キャリア本体のみを洗濯することもできる。また、別のキャリア本体を腰ベルトに付け使用することもできるため、例えば、今まで付けていたキャリア本体を洗濯している最中に子守帯を使用したり、柄の違うキャリア本体を付けて楽しんだりすることもできる。また、持ち運びに便利な形状を作り易くすることもできる。
以上より、本発明によれば、肩ベルトを斜め掛けする肩の左右を容易に替えることができる横抱き用の子守帯を提供することができる。
本発明の実施形態に係る子守帯を展開した正面図。 図1の子守帯を展開した背面図。 図2の着脱手段の部分拡大図。 図2の子守帯の各ベルト等を連結・接続して背面側から視認した斜視図。 図1の子守帯の使用状態図。 図5を装着者の背面側から視認した使用状態図。 本発明の実施形態の変形例に係る子守帯の正面図。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本実施形態に係る子守帯は、目安として、新生児(0か月頃)から首がすわるまでの4か月頃までの乳児に使用されるものであり、寝かせた状態の乳児の姿勢を装着者の正面側で保持して抱っこをする(所謂、横抱きする)ための横抱き専用の子守帯である。
特に、本実施形態の子守帯は、乳児をあやす等のスキンシップを取る際に好適に使用されるものであり、装着者に直接的に抱かれている感覚を乳児に対して与えるように横抱きできるようにしている。
図1〜図6は本発明の実施形態に係る子守帯10である。
なお、図1及び図2では各ベルトを連結ないし接続せずに展開した状態を、図4では各ベルトを連結ないし接続した状態を図示している。また、図4では図2に示す網目模様を省略して図示している。また、図6は装着者を省略して図示している。
これらの図の子守帯10は、使用状態である図5及び図6に示すように、装着者MAの正面側で乳児BYを寝かせて載置する「キャリア本体20」と、装着者MAの肩に斜め掛けされ、キャリア本体20を支持するための「肩ベルト30」と、装着者MAの腰回りに巻いて装着される「腰ベルト40」とを有している。
〔キャリア本体について〕
図5及び図6に示すキャリア本体20は、乳児BYを装着者MAの左右方向Xに沿って寝かせることができる大きさを有している。そして、キャリア本体20は、乳児BYを載置した載置面(図2に示す面)20Aと反対側の面である外面(図1で示す面)20Bを手HD1,HD2で触った際、キャリア本体20を介して、乳児BYの体形が装着者MAに分かる程に可撓性を有している。
具体的には、キャリア本体20には硬度の高い芯材が配設されておらず、外面20B及び載置面20Aは双方ともに可撓性部材で形成されている。本実施形態の場合、外面20Bは布地であり、載置面20Aは多数の空隙17を有する三次元構造体(例えば、樹脂製の糸を網目構造に編成して形成された表編地と裏編地とを連結糸でつないで立体編物にしたもの)である。これにより、キャリア本体20は、可撓性を有しながらも、耐久性、通気性、体圧分散性を発揮することができる。なお、本発明のキャリア本体20はこのような構成に限られず、例えば、載置面20Aを外面20Bと同じ布地にしてもよいし、或いは一枚の布地であってもよい。
キャリア本体20は、その上に寝た乳児BYの幅方向Yにおける一方の端部20Cの全長部が腰ベルト40と固定され、他方の端部20Dが肩ベルト30と固定されている。なお、図の場合のキャリア本体20と腰ベルト40、及びキャリア本体20と肩ベルト30とは、それぞれ一体的に形成され、分離不可能に固定されている。
このようなキャリア本体20は、乳児BYが載置される乳児載置領域21と、この乳児載置領域21から他方の端部20D側に向かって延伸した延長部22とを有している。
乳児載置領域21は、図1及び図2に示すように、正対視が略四角形状であり、載置された乳児の身長方向(装着者の左右方向)Xの寸法X1が、図5に示すように少なくとも乳児BYの膝より先は載置されない長さとされ、図の場合、概ね後頭部から脚の付け根にかけて載置される長さとされている。また、図1に示す乳児載置領域21については、載置された乳児の幅方向Yの寸法Y1が寸法X1と同様であり、略正方形状とされている。
このような乳児載置領域21は、皺等を延ばして展開した図1及び図2の状態では、全体的に平坦なシート状であるが、上述のように高い可撓性を有するため、図5及び図6に示すように、使用状態では乳児BYの少なくとも胴部の両側面と背面を包むように覆うことができる。これにより、硬い部分の存在を極力なくし、乳児BYと素肌でスキンシップしているかのような状態にすることができる。
図1及び図2に示す延長部22は、肩ベルト30と乳児載置領域21とを繋ぐための連結部分であり、かつ、乳児の落下を防止するための部分である。
図の延長部22は、乳児載置領域21と容易に分離しないように、乳児載置領域21と一体的に形成され、乳児載置領域21の他方の端部20D側の一辺(図1の破線で示す部分)21aの全長の部分(即ち、寝た乳児の身長方向に沿った全長部)から他方の端部20D側に向かって延伸して形成されている。
この延長部22は、正対視した場合、他方の端部20D側(即ち、図5及び図6の装着状態におけるキャリア本体20の腰ベルト40側とは反対の外側)を頂点とし、かつ、乳児載置領域21側の一辺(即ち、延長部22と乳児載置領域21との境界線)21aを底辺とした略三角形状、好ましくは二等辺三角形状とされている。これにより、図5及び図6に示すように、一本の肩ベルト30であっても、バランスよく乳児載置領域21を吊ることができる。また、装着者MA及び乳児BYの互いの顔を視認し易くできる。
なお、本実施形態の延長部22と乳児載置領域21とは一体的に形成されているが、本発明はこれに限られず、別々に形成して、それらを接続してもよい。
〔腰ベルトについて〕
腰ベルト40は、装着者の腹側にキャリア本体20を引き寄せると共に、キャリア本体20を支持するベルトである。
腰ベルト40は、図4に示すように環状になって、それ自体で装着者の腰回りに巻き付いて落ちない構成とすることができる。具体的には、腰ベルト40は、図1及び図2に示すように全体が帯状であって、装着者の腰回りに巻くことができる長さを有している。そして、腰ベルト40の両端部40A,40Bどうしがバックル42により着脱可能とされると共に、長さの調整が可能とされている。
この腰ベルト40は、その帯状の幅方向(図1のY方向)について、相対的に、幅の広い幅広部43と、幅の狭い幅狭部44とを有している。
幅広部43は、装着者の正面側であって左右の腰骨の間に配置される。この幅広部43の外面(図1に示す面)と装着者に当接される内面(図2に示す面)の材料はキャリア本体20と同様であるが、その間にクッション材29が収容されている。これにより、幅広部43は、装着者にかかる負担を軽減できると共に、少なくともキャリア本体20に比べて低い可撓性となり、撚れ難い構造とすることができる。クッション材29には、例えば、SBR(スチレンブタジエンラバー)、EVA(エチレン酢酸ビニル)、ウレタンフォーム(低反発もしくは高反発)を用いることができる。
このような幅広部43は、主に下腹部に当接される下腹部分43aの幅寸法Y2が最も大きく、その左右の脇側部分43b,43bの幅寸法Y3は、両端部40A,40Bに向かうに従って除々に小さくなっており、図の場合は台形状である。
脇側部分43b,43bは、好ましくは、装着した際、左右の腰骨の部分(腸骨の出ている部分)に配置可能とされ、そこにクッション材29は配設されていない。従って、脇側部分43b,43bは、下腹部分43aに比べて高い可撓性を有し、腰骨に係止されて、腰ベルト40の位置ずれを有効に防止できる。
なお、脇側部分43b,43bのいずれか一方の外面(装着者に当接される内面と反対側の面)には、幅狭部44に設けられた雄バックル42bが連結可能な雌バックル42aが設けられている。
幅狭部44には、例えば、ポリエステルからなる糸材を織ってテープ状にしたシートベルト素材などが利用され、高い強度と可撓性を有している。図1に示すように、幅狭部44は、一方の端部44aが雌バックル42aのない方の脇側部分43bに縫合され、他方の端部(腰ベルト40の端部と同じ)40Aに雄バックル42bが設けられている。
この雄バックル42bにより幅狭部44の長さが調整できる。
そして、幅狭部44は、雌バックル42a側と反対側の装着者の脇を通って背面に回されから、脇側部分43bの腰骨より若干脇側にある雌バックル42aに連結される。
このような特徴を有する腰ベルト40については、装着状態における装着者の腹側において、キャリア本体20に固定された固定領域40Cを有している。
本実施形態の場合、腰ベルト40とキャリア本体20とは一体的に形成され、固定領域40Cにおける腰ベルト40とキャリア本体20とは分離不可能に固定されている。
具体的には、キャリア本体20は、腰ベルト40のクッション材29が配設された下腹部分43aの全長部分から延伸して形成され、固定領域40Cは下腹部分43aの上部の全長にわたって存在することとなる。
腰ベルト40は以上のように構成され、装着者の腰回りに巻いて長さを調整して、腰回りに密着させれば、図5及び図6に示すように、キャリア本体20を装着者の腹側に引き寄せると共に、固定領域40Cの部分でキャリア本体20を支持できる。そして、このキャリア本体20を支持する固定領域40Cは腰ベルト40の下腹部分43aにあり、この下腹部分43aにはクッション材が配設されて、撚れ等の恐れが少ないため、キャリア本体20はしっかり支持される。
〔肩ベルトについて〕
肩ベルト30は、装着者の肩に斜め掛けされて、キャリア本体20を支持するベルトである。
この肩ベルト30の特徴的な点の一つは、図4及び図6に示すように、一方の端部30Aが腰ベルト40に着脱可能に連結され、他方の端部30Bがキャリア本体20の外側(図5及び図6に示す使用状態において、腰ベルト40とは反対の側)に固定されているところである。
具体的には、肩ベルト30は、装着者MAの肩に掛けられる第1の肩帯部32と、この第1の肩帯部32に接続された第2の肩帯部33とを有している。
第1の肩帯部32は、装着者の肩に当接される部分を有し、腰ベルト40の下腹部分43aと同様、内側にクッション材が収容され、所定のクッション性を有している。この第1の肩帯部32は、キャリア本体20が延伸して形成されており、キャリア本体20と一体的である。
第2の肩帯部33は、装着者の背中を通って、その先端部が腰ベルト40に着脱自在に連結される。第2の肩帯部33には、ポリエステルからなる糸材を織ってテープ状にしたシートベルト素材などを利用できる。
〔肩ベルトと腰ベルトの連結構造〕
ここで、腰ベルト40は、図4及び図6に示すように、装着状態において、固定領域40Cを間に挟んだ左右(腰回り方向の両側)に、肩ベルト30の一方の端部30Aと着脱自在に連結されるベルト連結手段50,51を有している。
本実施形態のベルト連結手段50,51は、下腹部分43aの左右の脇側部分43b,43bに配置され、好ましくは、固定領域40Cの近傍であって、腰骨周辺の上に配置されるようにしている。なお、図の場合のベルト連結手段50,51はバックルであり、このバックルは、図1に示すように、左右の脇側部分43b,43bの夫々に設けられたテープ状部37の自由端に接続され、脇側部分43b,43bの上端部付近に配置されている。
これにより、装着者は、肩ベルト30の一方の端部30Aを、左右のベルト連結手段50,51のいずれにも着脱自在に連結することができる。従って、例えば、図5に示すように、装着者の左肩LSに斜め掛けした状態から、一点鎖線で示すように、右肩RSに斜め掛けするには、図4及び図6に示すように、右側のベルト連結手段51から肩ベルト30の一方の端部30Aを外して、それを左側のベルト連結手段50に連結させればよい。
そして、下腹部分43aの左右にある脇側部分43b,43bは装着者が手を動かし易い領域であり、この領域にベルト連結手段50を配置することで、装着者は一方の端部30Aをベルト連結手段50,51に容易に着脱できる。
また、ベルト連結手段50,51が接続された脇側部分43b,43bは腰骨周辺に配置され、そこは腰骨に係止されて位置ずれし難い部分であるため、連結された一方の端部30Aをしっかりと位置決めできる。
〔その他の特徴〕
図4に示すように、本実施形態の子守帯10は、キャリア本体20及び/又は腰ベルト40の固定領域付近40Cに、おくるみを着脱可能な着脱手段60が設けられている。
すなわち、子守帯10には、その付属品として専用のブランケット・タオル地等のおくるみBKが用意されており、乳児を寒さ等から保護する場合、おくるみBKを着脱手段60に接続して使用できるようになっている。
図4に示す着脱手段60は、寝た乳児の身長方向Xに沿ったファスナーである。ファスナーは周知のものを利用でき、着脱手段60の務歯63に対しておくるみBKの務歯64を合わせ、スライダー62を移動させて、務歯63,64どうしを噛み合わせて、固定領域付近40CにおくるみBKを接続させている。
そして、スキンシップを重視して子守帯10が全体的に高い可撓性を有している中、このように着脱手段60がファスナーであっても、着脱手段60は子守帯100の中でも相対的に可撓性の低い腰ベルト40の下腹部分43aの周辺にあって撚れ難いため、装着者は容易にスライダー62を移動させて、おくるみBKを連結できる。また、着脱手段60が下腹部分43aの周辺にあれば、位置的に、装着者は容易に手を伸ばして、おくるみBKを連結できる。さらに、着脱手段60がファスナーであっても、おくるみBKが外れてしまう恐れを有効に防止できる。
このようなファスナーからなる着脱手段60は、着脱手段60を拡大した図3に示すように、複数列(図の場合は2列)に設けて、第1及び第2のファスナー60−1,60−2とするのがより好ましい。
その際、第1のファスナー60−1と第2のファスナー60−2とは、図4のおくるみBKの務歯64と図3の務歯63とを連結させるためのスライダー62の移動方向を互いに逆に設定するのがより好ましい。即ち、図4のおくるみBKのピンを差し込む方向を変えるため、図3に示すように、第1のファスナー60−1のボックス58を右側に、第2のファスナー60−2のボックス59を左側にするとよい。
着脱手段60を以上のように構成することで、複数枚のおくるみBKを接続することができ、また、利き手の異なる装着が第1のファスナー60−1と第2のファスナー60−2を選択して利用することができる。
さらに、本実施形態では、図2、図4及び図6に示すように、接続したおくるみBKを上から押えて保持するようにした保持ベルト70が設けられている。保持ベルト70は、着脱手段60より腰ベルト40側(図2の下側)に縫合された第1の保持ベルト70−1と、キャリア本体20の他方の端部20Dの周辺に縫合された第2の保持ベルト70−2とからなり、第1の保持ベルト70−1と第2の保持ベルト70−2とは、バックル69により着脱可能とされている。また、保持ベルト70は、バックル69により長さ調整も可能である。
この保持ベルト70は、キャリア本体20の載置面20Aの上を通るため、おくるみBKだけではなく、載置された乳児を押えることも可能であり、このため、おくるみBKを着脱手段60に接続せずに、ハーネスとして用いてもよい。
〔子守帯の使用方法〕
次に、上述した実施形態に係る子守帯10の好ましい使用方法を説明する。
子守帯10を使用する際は、先ず、図6に示すように腰ベルト40を装着者の腰回りに巻き、図4に示すように雄バックル42bを雌バックル42aに嵌めて、脇側部分43bに連結させる。そして、腰ベルト40の長さ調整をして、腰に位置決めする(以下、「腰ベルト装着ステップ」という)。
次いで、肩ベルト30を左右いずれの肩に斜め掛けして、その一方の端部30Aを、腰ベルト40のベルト連結手段50,51のいずれか(斜め掛けした肩と左右反対側)に連結する(以下、「肩ベルト装着ステップ」という)。例えば、肩ベルト30を図5及び図6に示すように左肩に掛ける場合は右側のベルト連結手段51に連結する。
次いで、乳児をキャリア本体20に載置する(以下、「乳児載置ステップ」という)。この際、肩ベルト30を掛ける左右の肩と同じ左右方向に、乳児BYの頭部を置くとよい。そうすると、乳児BYの頭部とは左右反対側にある第2の肩帯部33(例えばシートベルト素材)が装着者の脇腹に食い込む事態を有効に防止できる。
その後、おくるみBKを掛ける場合は、着脱手段60におくるみBKを接続し、おくるみBKの上で第1の保持ベルト70−1と第2の保持ベルト70−2どうしを接続する。
なお、上記「腰ベルト装着ステップ」の次に、キャリア本体20をテーブル等の上に置き、そして「乳児載置ステップ」を行った後に「肩ベルト装着ステップ」を行ってもよい。
以上のようにして子守帯10を装着した後は、図5に示すように、装着者MAは、腕を乳児BYの後頭部に回すようにして、片方の手HD1でキャリア本体20を押え、もう一方の手HD2及び腕で乳児BYの臀部周辺を支持するのが好ましい。
そして、肩ベルト30を掛ける肩の左右を変えたい場合は、掛け変えたい肩に肩ベルト30を掛けた後、今まで連結していたものとは別のベルト連結手段50,51に連結し直せばよい(以下、「肩ベルト位置変更ステップ」という)。例えば、図5及び図6に示す一点鎖線のように肩ベルト30を掛ける肩を右側に変えたい場合、右側のベルト連結手段51から肩ベルト30の一方の端部30Aを外して、それを左側のベルト連結手段50に連結し直せばよい。
この際、上述のように、乳児BYの頭部は肩ベルト30を掛ける左右の肩と同じ左右方向に置くのが好ましいため、以下のステップを踏んで子守帯10を装着するとよい。
即ち、腰ベルト40は外さずに、乳児を載せたキャリア本体20をテーブル等の台の上に載せてから、「肩ベルト位置変更ステップ」を行う。次いで、「乳児載置ステップ」を行い、その後、「肩ベルト装着ステップ」を行うとよい。
〔変形例〕
次に、上述した実施形態の変形について図7を用いて説明する。
図7は本発明の実施形態の変形例に係る子守帯の正面図であり、図1に対応している。
この図で図1〜図6の実施形態で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本変形例の子守帯11は、図1〜図6の子守帯10と比べて、腰ベルト40とキャリア本体20とが着脱可能である点で異なる。
具体的には、腰ベルト40は、下腹部分43aの上端部(固定領域40C)において、キャリア本体20と着脱可能とされている。なお、当該着脱を可能にする手段は、互いを分離する際、容易で、かつ、音の出の少ないファスナー72が好ましいが、本変形例の着脱手段はこれに限られず、例えばスナップや面ファスナー、或いはこれらの組み合わせであってもよい。
これにより、子守帯11は、連結していた腰ベルト40とキャリア本体20とを分離させることができる。
このため、腰ベルト40を外さずに、肩ベルト30の一方の端部30Aをベルト連結手段50,51から外し、ファスナー72を外すだけで、あやした後に寝た乳児を、例えばキャリア本体20の上に寝かしたまま、そっと寝床に置くことができる。
また、例えば乳児がキャリア本体20におもらしした際、キャリア本体20のみを分離して洗濯することができる。また、使用していたキャリア本体20とは別のキャリア本体を腰ベルト40に付けて使用することもできる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
例えば、本実施形態では、おくるみを接続するための着脱手段60は固定領域付近40Cの一箇所のみに配置されているが、本発明はこれに限られず、キャリア本体20の一方の端部20C側との他方の端部20D側の双方に設けてもよい。これにより、保持ベルト70を不要とすることもできる。
また、ベルト連結手段50,51はバックルに限られるものではなく、例えば、係止可能なフックや、ネジのように回し止めするコネクタ等であってもよい。
10,11・・・子守帯、20・・・キャリア本体、21・・・乳児載置領域、22・・・延長部、30・・・肩ベルト、40・・・腰ベルト、40C・・・固定領域、43a・・・下腹部分(腰ベルト)、43b・・・脇側部分(腰ベルト)、50,51・・・ベルト連結手段、60・・・おくるみの着脱手段

Claims (4)

  1. 装着者の正面側で乳児を寝かせて載置するキャリア本体と、
    前記装着者の肩に斜め掛けされ、前記キャリア本体を支持するための肩ベルトと、
    前記装着者の腰回りに巻いて装着される腰ベルトと、
    を備え、
    前記腰ベルトは、装着状態における前記装着者の腹側において、前記キャリア本体に固定された固定領域を有すると共に、前記固定領域を間に挟んだ左右に前記肩ベルトと着脱自在に連結されるベルト連結手段を有し、
    前記肩ベルトは、装着した際、一方の端部が前記ベルト連結手段に連結され、他方の端部が前記キャリア本体の前記腰ベルト側とは反対の外側に固定されている
    ことを特徴とする横抱き用子守帯。
  2. 前記キャリア本体及び/又は前記腰ベルトの前記固定領域付近に、おくるみを着脱可能な着脱手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の横抱き用子守帯。
  3. 前記キャリア本体は、乳児が載置される乳児載置領域と、この乳児載置領域から前記外側に向かって延伸した延長部とを有し、
    前記延長部は、前記外側を頂点とし、かつ、前記乳児載置領域との境界線を底辺とした略三角形状である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の横抱き用子守帯。
  4. 前記腰ベルトと前記キャリア本体とは着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の横抱き用子守帯。
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