JP2016000698A - シクロアルカンジカルボン酸モノエステルの製造方法 - Google Patents

シクロアルカンジカルボン酸モノエステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】濾過性が高く、高い生産性でシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを製造する方法を提供すること。
【解決手段】工程(1)〜(3)を含む式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルの製造方法。
工程(1):酸と、式(B)で表されるシクロアルカンジカルボン酸ジエステル化合物とを非極性溶媒中で反応する工程
工程(2):得られた反応混合物に塩基を加える工程
工程(3):生成した式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを濾過によって取得する工程

Figure 2016000698

【選択図】なし

Description

本発明は、シクロアルカンジカルボン酸モノエステルの製造方法に関する。
近年、フラットパネル表示装置(FPD)に用いられる、偏光板、位相差板などの光学フィルムに適用され得る液晶材料として、特にシクロアルカンに由来する構造を含む化合物が注目されている。かかる液晶材料を製造する際の中間体として、シクロアルカンジカルボン酸モノエステルが用いられている。
特許文献1には、シクロアルカンジカルボン酸クロリドと、フェノール化合物とを反応させ、その後、生成したシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを析出・濾過するシクロアルカンジカルボン酸モノエステルの製造方法が記載されている。
特開昭62−289545号公報
従来のシクロアルカンジカルボン酸モノエステルの製造方法は、生成したシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを濾過する際の濾過性が悪く、生産性が低いという問題があった。
本発明は、以下の発明を含む。
[1] 工程(1)〜(3)を含む式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルの製造方法。
工程(1):酸と、式(B)で表されるシクロアルカンジカルボン酸ジエステル化合物とを非極性溶媒中で反応する工程
工程(2):得られた反応混合物に塩基を加える工程
工程(3):生成した式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを濾過によって取得する工程

Figure 2016000698

[式中、mは、0〜3の整数を表す。
Zは、メチルスルファニルメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、tert−
ブトキシメチル基、4−ペンテニルオキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、1
−エトキシエチル基、ベンジルオキシメチル基、4−メトキシベンジルオキシメチル基、
2−メトキシベンジルオキシメチル基、4−ニトロベンジルオキシメチル基、1−メチル
−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル基、1−メチル−1−フェノキシエチル基、
1−メチル−1−メトキシエチル基、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル基、2,2
,2−トリクロロエトキシメチル基、1−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]エチル
基、テトラヒドロピラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピ
ラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、tert−ブチル基
、トリチル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、
4−ニトロベンジル基、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル基、2,2,2−トリクロ
ロエチル基、2−フェニル−2−エタノン−1−イル、シクロプロピルメチル基、−CH
−O−SiR又は−SiRを表す。
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素
数1〜8のアルコキシ基、フェニル基又はベンジル基を表す。
pは、0又は1を表す。]
[2] 非極性溶媒が、脂肪族炭化水素である[1]に記載の製造方法。
[3] 脂肪族炭化水素が、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン又は、オクタンである[2]に記載の製造方法。
[4] 酸が、有機ブレンステッド酸である[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 塩基が、有機ブレンステッド塩基である[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] さらに、工程(2)’を含む[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
工程(2)’:中和した混合液に非プロトン性極性溶媒を加えて、式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを非プロトン性極性溶媒層に抽出し、式(B)で表されるシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを非極性溶媒層に抽出する工程
[7] 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又は、N−メチル−2−ピロリドンである[6]に記載の製造方法。
[8] さらに、工程(2)’’を含む[6]又は[7]に記載の製造方法。
工程(2)’’:非プロトン性極性溶媒層に抽出した式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを析出させる工程
本発明の製造方法によれば、濾過性が高く、高い生産性でシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを製造することができる。
本発明の、式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステル(以下、化合物(A)ということがある)の製造方法は、酸と、式(B)で表されるシクロアルカンジカルボン酸ジエステル(以下、化合物(B)ということがある)とを非極性溶媒中で反応する工程(1)と、得られた反応混合物に塩基を加え、前記酸を中和する工程(2)と、生成した化合物(A)を濾過によって取得する工程(3)を含む製造方法である。
Figure 2016000698
mは、好ましくは0である。
pは、好ましくは1である。
Zで表される−CH−O−SiR及び−SiRにおけるR、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基又はベンジル基を表す。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基等が挙げられる。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基及びオクチルオキシ基等が挙げられる。
−CH−O−SiRで表される基としては、具体的には、トリメチルシリルオキシメチル基、イソプロピルジメチルシリルオキシメチル基、tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシメチル基、トリベンジルシリルオキシメチル基、トリイソプロピルシリルオキシメチル基及び、ジ−tert−ブチルメチルシリルオキシメチル基等が挙げられる。
−SiRで表される基としては、具体的には、トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジ−tert−ブチルメチルシリル基等が挙げられる。
Zは好ましくは、メチルスルファニルメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、1−エトキシエチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、テトラヒドロピラニル基又は、テトラヒドロチオピラニル基である。より好ましくは、メチルスルファニルメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基又は、トリイソプロピルシリル基であり、さらに好ましくは、メトキシメチル基又は、エトキシメチル基である。Zがこれらの基であると、化合物(A)の安定性がより高く、化合物(A)の生産性がより高くなるため好ましい。
化合物(B)は、式(E)で表される化合物(以下、化合物(E)ということがある)から製造することができる。

Figure 2016000698
[式中、m、p及びZは、上記と同じ意味を表す。]
化合物(B)を製造する方法としては、例えば、塩基存在下で化合物(E)と式(F)で表される化合物(以下、化合物(F)ということがある)とを反応させる方法(第1の方法)、化合物(E)と、式(G)で表される化合物又は式(H)で表される化合物とを反応させる方法(第2の方法)、化合物(E)と式(I)で表される化合物とを反応させる方法(第3の方法)、化合物(E)と塩基とを反応させることにより式(E’)で表される化合物(以下、化合物(E‘)ということがある)を得た後、得られた式化合物(E’)と化合物(F)とを反応させる方法(第4の方法)が挙げられる。
反応条件がより温和であることから、第1の方法、第2の方法及び第4の方法が好ましい。

Z−W (F)

[式中、Zは上記と同じ意味を表す。Wは、ハロゲン原子、トシル基、又はメシチル基を表す。]
Figure 2016000698

[式中、qは、0又は1を表す。Qは−O−又は−S−を表す。]
Figure 2016000698

[式中、RL1は、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基又はトリメチルシリルエチル基を表す。RL2は、水素原子、メチル基又はフッ素原子を表す。Qは−O−又は−S−を表す。]
Z−OH (I)

[式(I)中、Zは上記と同じ意味を表す。]
Figure 2016000698
[式中、Mは、アルカリ金属原子を表す。Z、p及びmは、上記と同じ意味を表す。]
第1の方法は、有機溶媒中で行うのが好ましい。化合物(E)と、化合物(F)との反応によって生じる塩を除去しながら反応を行ってよい。
塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ジメチルアミノピリジン及び、ジメチルアニリン等の有機塩基;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム及び、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩並びに、フッ化セシウム等の無機塩基が挙げられる。塩基が有機塩基の場合、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン及び、ジメチルアミノピリジンが好ましく、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及び、ピリジンがより好ましい。塩基が無機塩基の場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム及び、炭酸セシウムが好ましく、水酸化カリウム及び、炭酸カリウムがより好ましい。また、無機塩基を用いる場合には、18−クラウン−6等のクラウンエーテル又は、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩等の相間移動触媒を併用してもよい。
塩基の添加量は、化合物(E)1モルに対して、通常2〜5モルである。
は、好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が好ましく、塩素原子及び臭素原子がより好ましい。
化合物(F)としては、メチルスルファニルクロロメタン、メチルスルファニルブロモメタン、メトキシクロロメタン、メトキシブロモメタン、クロロメトキシエタン、ブロモメトキシエタン、2−メトキシエトキシメチルクロリド、2−メトキシエトキシメチルブロミド、エトキシエチルクロリド、エトキシエチルブロミド、ベンジルオキシメチルクロリド、ベンジルオキシメチルブロミド、4−メトキシベンジルオキシメチルクロリド、4−ニトロベンジルオキシメチルクロリド、2−メトキシフェニルオキシメチルクロリド、tert−ブトキシメチルクロリド、tert−ブトキシメチルブロミド、4−ペンテニルオキシメチルクロリド、1−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]エチルクロリド、1−クロロメトキシ−2,2,2−トリクロロエタン、1−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]エチルクロリド、1−メチル−1−メトキシエチルクロリド、1−メチル−1−ベンジルオキシエチルクロリド、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチルクロリド、1−メチル−1−フェノキシエチルクロリド、tert−ブチルクロリド、tert−ブチルブロミド、トリチルクロリド、トリチルブロミド、1,3−ベンゾジチオラン−2−クロリド、トリメチルクロロシラン、トリメチルブロモシラン、イソプロピルジメチルクロロシラン、イソプロピルジメチルブロモシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルブロモシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルブロモシラン、トリベンジルクロロシラン、トリベンジルブロモシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリイソプロピルブロモシラン、ジ−tert−ブチルメチルクロロシラン、ジ−tert−ブチルメチルブロモシラン、トリメチルシリルオキシクロロメタン、2−フェニル−2−エタノン−1−イルクロリド、1,1,1,2−テトラクロロエタン及び、クロロメチルシクロプロパン等が挙げられる。これらには、市販されているものを用いることができる。
有機溶媒は、好ましくはアルコール以外の親水性溶媒、及び、疎水性溶媒である。
アルコール以外の親水性溶媒としては、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、アセトン等の親水性ケトン溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン及び、エチレングリコールジメチルエーテル等の親水性エーテル溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及び、N−メチルピロリドン等の親水性アミド溶媒、並びに、ジメチルスルホキシド等の親水性スルホキシド溶媒等が挙げられる。
疎水性溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン及び、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン及び、メチルイソブチルケトン等の疎水性ケトン溶媒、ペンタン、ヘキサン及び、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒、乳酸エチル及び、酢酸エチル等のエステル系溶媒、並びに、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。
第1の方法に用いられる有機溶媒は、好ましくは、親水性エーテル溶媒、親水性アミド溶媒、親水性スルホキシド溶媒、芳香族炭化水素溶媒、疎水性ケトン溶媒及び、ハロゲン系溶媒であり、より好ましくはハロゲン系溶媒である。これら有機溶媒は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
化合物(F)の使用量は、化合物(E)1モルに対して、好ましくは1.8〜3モルであり、より好ましくは1.97〜2.7モルであり、さらに好ましくは2〜2.7モルである。
第2の方法は、好ましくは有機溶媒中で行われ、また、好ましくは酸触媒存在下で行われる。
酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸、塩酸水溶液、硫酸及び、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。酸触媒の添加量は、化合物(E)1モルに対して、好ましくは0.005〜0.2モルである。
第2の方法に用いられる有機溶媒は、好ましくは、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ペンタン、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼン及びクロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;テトラヒドロフラン及び、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;乳酸エチル等のエステル系溶媒;並びに、クロロホルム及び、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒である。これらは、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
化合物(G)としては、具体的に、ジヒドロピラン、3−ブロモジヒドロピラン、ジヒドロチオピラン、ジヒドロフラン、ジヒドロチオフラン等が挙げられる。
化合物(H)としては、具体的に、ビニルメチルエーテルビニルエチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、トリメチルシリルエチルビニルエーテル等が挙げられる。
化合物(G)又は化合物(H)の使用量は、化合物(E)1モルに対して、好ましくは1.9〜5モルであり、より好ましくは1.9〜4モルであり、さらに好ましくは2.2〜4モルである。
第3の方法は、有機溶媒中で行うのが好ましい。化合物(E)と化合物(I)とを、脱水縮合反応することにより化合物(B)を得ることができ、かかる脱水縮合反応には、好ましくは縮合剤が用いられる。
縮合剤としては、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミドメト−パラ−トルエンスルホネート、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(水溶性カルボジイミド:WSCとして市販)、ビス(2、6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミドなどのカルボジイミド、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物、2,2’−カルボニルビス−1H−イミダゾール、1,1’−オキサリルジイミダゾール、ジフェニルホスフォリルアジド、1(4−ニトロベンゼンスルフォニル)−1H−1、2、4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(N−スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボレート、N−(1,2,2,2−テトラクロロエトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−カルボベンゾキシスクシンイミド、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロリド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロホスフェート、2−クロロ−1−メチルピリジニウムアイオダイド、2−クロロ−1−メチルピリジニウム パラートルエンスルホネート、2−フルオロ−1−メチルピリジニウム パラートルエンスルホネート及び、トリクロロ酢酸ペンタクロロフェニルエステル等が挙げられる。
縮合剤の使用量は、化合物(E)1モルに対して、好ましくは1.5〜2.5モルである。
第3の方法に用いられる好ましい有機溶媒としては、前記第1の方法で挙げたものと同じものが挙げられる。
化合物(I)の使用量は、化合物(E)1モルに対して、好ましくは1.8〜3モルであり、より好ましくは1.97〜2.7モルであり、特に好ましくは2〜2.7モルである。
第4の方法における、化合物(E)と塩基との反応は、好ましくは溶媒中で行われる。かかる溶媒としては、水、メタノール及び、エタノール等が挙げられ、好ましくは前記塩基を溶解する溶媒であり、中でもメタノール、エタノールが特に好ましい。
塩基は、好ましくは無機塩基である。無機塩基としては、前記したものと同じものが挙げられる。好ましくは、水酸化ナトリウム及び、水酸化カリウムであり、より好ましくは、水酸化カリウムである。また、塩基との反応は、相間移動触媒の存在下で行ってもよい。相関移動触媒としては、前記したものと同じものが挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(E)1モルに対して、好ましくは2〜3.5モルである。
Mは、好ましくはナトリウム、カリウム及び、セシウムであり、より好ましくはカリウムである。
化合物(E)と塩基との反応終了後、得られた反応混合物を、濃縮又は濾過することによって化合物(E’)を取得することができる。化合物(E’)の貧溶媒と、反応混合物とを混合し、得られた混合物を濾過する方法が好ましい。化合物(E’)の貧溶媒としては、トルエン及び、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;クロロホルム及び、ジクロロメタン等のハロゲン溶媒;並びに、テトラヒドロフラン、ジオキサン及び、ジメトキシエタン等のエーテル溶媒等が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフラン、ジオキサン及び、トルエンである。
得られた化合物(E’)を乾燥してもよい。
化合物(E’)と化合物(F)との反応は、好ましくは有機溶媒中で行われる。化合物(E’)1モルに対する、化合物(F)の使用量は、好ましくは1.8〜3モルであり、より好ましくは1.97〜2.7モルであり、さらに好ましくは2〜2.3モルである。
化合物(E’)と化合物(F)との反応に用いられる好ましい有機溶媒としては、第1の方法で挙げたものと同じものが挙げられる。より好ましくは、芳香族炭化水素溶媒、疎水性ケトン溶媒及び、ハロゲン溶媒等の疎水性溶媒であり、さらに好ましくはトルエン、キシレン、ジクロロメタン及び、クロロホルムである。これらの疎水性溶媒を用いれば、反応系中に水が存在していても、高い収率で、化合物(B)を得ることができる。有機溶媒は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
また、該反応は、相間移動触媒の存在下で行ってもよい。相関移動触媒としては、前記したものと同じものが挙げられる。
化合物(A)は、好ましくは式(L)で表される化合物であり、より好ましくは式(M)で表される化合物であり、さらに好ましくは式(N)で表される化合物である。
Figure 2016000698

(式中、m及びZは前記と同じ意味を表す。)
化合物(B)は、好ましくは式(O)で表される化合物であり、より好ましくは式(P)で表される化合物であり、さらに好ましくは式(Q)で表される化合物である。
Figure 2016000698

(式中、m及びZは前記と同じ意味を表す。)
化合物(B)の好ましい例としては、式(B−1)〜式(B−38)で表される化合物が挙げられる。好ましくは式(B−1)〜式(B−5)で表される化合物であり、より好ましくは式(B−2)又は式(B−3)で表される化合物である。化合物(A)の好ましい例としては、例示した化合物(B)が有する2つのエステル構造のうち一方のみをカルボキシ基に置換した化合物が挙げられる。
Figure 2016000698
Figure 2016000698
Figure 2016000698
Figure 2016000698
Figure 2016000698
<工程(1)>
酸としては、ブレンステッド酸及び、ルイス酸が挙げられる。好ましくはブレンステッド酸であり、中でも、有機溶媒への溶解性が高く、有機溶媒中で均一系で反応することができることから、有機ブレンステッド酸がより好ましい。
ブレンステッド酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸及び、硫酸等の無機ブレンステッド酸、並びに、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸及び、トリフロオロメタンスルホン酸等の有機ブレンステッド酸が挙げられる。
好ましい有機ブレンステッド酸は、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸及び、トリフロオロメタンスルホン酸であり、取り扱いが容易であり、反応液からの除去が容易であるという観点から、より好ましくは、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸及び、メタンスルホン酸である。
ルイス酸としては、五フッ化リン、三フッ化ホウ素、三臭化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化チタン、塩化スズ、塩化アンチモン、三塩化鉄、臭化亜鉛及び、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等が挙げられる。取り扱いが容易であることから、塩化アルミニウム、塩化チタン、塩化スズ及び、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体がより好ましく、安価であることから塩化アルミニウム及び、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体がより好ましい。
酸の使用量は、化合物(B)1モルに対して0.5〜3モルが好ましく、0.5〜2モルがより好ましく、0.5〜1.8モルが特に好ましい。
非極性溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン及び、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素、並びに、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及び、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。脂肪族炭化水素は環状でも鎖状でもよく、鎖状の脂肪族炭化水素は直鎖状でも分枝鎖状でもよい。化合物(A)の溶解性が低く、生産性がより高くなる傾向があるため脂肪族炭化水素が好ましい。より好ましくは飽和脂肪族炭化水素であり、さらに好ましくはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン又は、シクロヘキサンであり、さらに好ましくはヘキサン、ヘプタン、オクタン又は、シクロヘキサンであり、さらに好ましくは、ヘプタン、オクタン又は、シクロヘキサンであり特に好ましくはヘプタンである。これらの非極性溶媒は単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いても良い。また、非極性溶媒以外の溶媒を組み合わせて用いてもよい。
このような非極性溶媒を本発明の製造方法に用いることで、化合物(B)の副反応を抑制することができ、濾過性の低下、さらには生産性の低下を防ぐことができる。
非極性溶媒と、非極性溶媒以外の溶媒とを組み合わせる場合、非極性溶媒と非極性溶媒以外の溶媒の合計量100質量部に対する非極性溶媒の含有量は、好ましくは90質量部以上であり、より好ましくは95質量部以上であり、さらに好ましくは97質量部以上である。
非極性溶媒の使用量は、化合物(B)1質量部に対して、好ましくは100〜1200質量部であり、より好ましくは100〜1000質量部であり、特に好ましくは200〜800質量部である。
反応温度は、通常−80〜160℃であり、好ましくは−15〜100℃であり、より好ましくは−15〜60℃であり、さらに好ましくは30〜60℃であり、特に好ましくは35℃〜50℃である。中でも、化合物(B)が溶解している温度で反応するのが好ましい。
工程(1)において、酸と化合物(B)とが反応すると、化合物(B)が有する二つのエステル結合が共に分解されて生成した化合物(E)と、化合物(B)が有する一つのエステル結合のみが分解されて生成した化合物(A)と、未反応の化合物(B)と、酸と、非極性溶媒と、を含む反応混合物が得られる。
<工程(2)>
塩基としては、ブレンステッド塩基及び、ルイス塩基が挙げられる。好ましくはブレンステッド塩基であり、中でも、有機溶媒への溶解性が高く、有機溶媒中で均一系で反応することができることから、有機ブレンステッド塩基がより好ましい。
ブレンステッド塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム及び、炭酸水素カリウム等の無機ブレンステッド塩基、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン及び、N−メチルモルフォリン等の有機ブレンステッド塩基が挙げられる。非極性溶媒への溶解性が高く、安価であることから、好ましくはピリジンである。
塩基の使用量は、前記工程(1)での酸の使用量1モルに対して、通常0.5〜3モルであり、好ましくは0.5〜2モルであり、より好ましくは0.5〜1.8モルである。
塩基を加えた後の反応混合物のpHは、好ましくは3〜10であり、より好ましくは4〜9である。塩基を加えた後の反応混合物のpHは同重量の反応混合物と水を混ぜた液をpHメーターで測定することによって計測することができる。
塩基を加えることによって、化合物(A)及び(B)の副反応を抑制することができ、濾過性の低下及び、生産性の低下を防ぐことができる。
<工程(2)’>
本発明の製造方法は、好ましくは工程(2)と工程(3)との間に工程(2)’を含む。
非プロトン性極性溶媒は、工程(2)における塩基と混合して、工程(1)で得られた反応混合物に加えても良い。抽出は、非プロトン性極性溶媒が加えられた混合物を攪拌することで行われ、攪拌後に静置することによって、化合物(A)を含む非プロトン性極性溶媒層と化合物(B)を含む非極性溶媒層とが分離する。
非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及び、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これら溶媒は単独で用いても、複数を組み合わせて用いても良い。また、非極性溶媒以外の溶媒を組み合わせて用いてもよい。
非プロトン性極性溶媒は水を溶解し易いため、使用環境や保管状態によっては水を含有することがある。ここで用いられる非プロトン性極性溶媒の水の含有量は少ない方が好ましく、非プロトン性極性溶媒の水の含有量は通常1000ppm以下であり、好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは100ppm以下である。
このような非プロトン性の極性溶媒を用いることで、化合物(A)及び(B)の副反応をより抑制することができ、濾過性の低下及び、生産性の低下をより防ぐことができる。
非プロトン性極性溶媒と、非プロトン性極性溶媒以外の溶媒とを組み合わせる場合、非プロトン性極性溶媒と非プロトン性極性溶媒以外の溶媒の合計量100質量部に対する非プロトン性極性溶媒の含有量は、好ましくは50質量部以上であり、より好ましくは70質量部以上であり、さらに好ましくは90質量部以上である。
非プロトン性極性溶媒以外の溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及び、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン及び、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキサン及び、エチレングリコールジメチルエーテル等の水溶性エーテル溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒等が挙げられる。これら溶媒は単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。
<工程(2)’’>
本発明の製造方法は、好ましくは工程(2)’と工程(3)との間に工程(2)’’を含む。
析出させる方法としては、工程(2)’で得られた化合物(A)を含む非プロトン性極性溶媒層を、冷却する方法、濃縮する方法、及び、化合物(A)の貧溶媒と混合する方法等が挙げられる。純度の高い化合物(A)を高い生産性で得ることができるという点で、好ましくは化合物(A)の貧溶媒と混合する方法であり、より好ましくは化合物(A)を含む非プロトン性極性溶媒層を化合物(A)の貧溶媒に滴下して混合する方法である。
化合物(A)の貧溶媒としては、水;アセトン等の水溶性ケトン溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン及び、エチレングリコールジメチルエーテル等の水溶性エーテル溶媒;メタノール、エタノール、2−プロピルアルコール及び、n−ブタノール等のアルコール;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;並びに、乳酸エチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒等が挙げられる。好ましくは、工程(2)’で使用した非プロトン性極性溶媒と混和する溶媒である。また、化合物(A)の溶解度がより低く、収率が向上する傾向があるため、好ましくは水である。これら溶媒は単独で用いても、複数を組み合わせて用いても良い。
また、化合物(A)の貧溶媒には、水とその他の溶媒との混合溶媒を用いてもよい。好ましいその他の溶剤としては、化合物(A)の貧溶媒として例示した溶媒のうちの水以外の溶媒と同じものが挙げられる。水とその他の溶媒との混合溶媒100質量部に対する、水の含有量は、通常50質量部以上であり、好ましくは70質量部以上であり、より好ましくは90質量部以上である。
化合物(A)の貧溶媒の使用量は、工程(1)における化合物(B)の使用量1質量部に対して、好ましくは100〜2000質量部であり、より好ましくは600〜1500質量部であり、特に好ましくは600〜1200質量部である。
化合物(A)の貧溶媒を用いて析出させる際の温度は、化合物(A)の分解を抑制するために、より低温であることが好ましい。好ましくは−80〜30℃であり、より好ましくは−15〜20℃であり、特に好ましくは−15〜10℃である。
冷却する方法における冷却温度は、通常−80〜20℃であり、より好ましくは−15〜10℃であり、特に好ましくは−15〜0℃である
濃縮する方法における濃縮方法としては、加熱留去及び、減圧留去等の通常の方法が挙げられる。濃縮は通常、化合物(A)を含む固形物と、溶媒とが共存する状態で終点とする。すなわち、乾固するまでの濃縮は行わない。
非極性溶媒層に抽出された化合物(B)は、化合物(B)を含む非極性溶媒層から回収することができる。回収する方法としては、化合物(B)を含む非極性溶媒層を濃縮する方法等が挙げられる。回収された化合物(B)は、工程(1)で再利用してもよい。
<工程(3)>
濾過時の温度は、好ましくは−80〜30℃であり、より好ましくは−15〜20℃であり、特に好ましくは−15〜10℃である。
酸及び塩基を取り除くために、濾過することによって得られた固形物をさらに水で洗浄するのが好ましい。
水で洗浄する際の温度は、好ましくは−80〜30℃であり、より好ましくは−5〜20℃であり、特に好ましくは0〜10℃である。
洗浄に用いる水の使用量は、工程(1)における化合物(B)の使用量1質量部に対して、好ましくは100〜2000質量部であり、より好ましくは100〜1000質量部であり、特に好ましくは100〜500質量部である。
化合物(A)は、通常、洗浄後の固形物を乾燥することによって得られる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
式(A−3−1)で表される化合物を、下記スキームにしたがって製造した。
Figure 2016000698
参考例1
<工程(1)>
式(B−3−1)で表される化合物80gと、n−ヘプタン706mLとを混合し、n−ヘプタン溶液を得た。得られた溶液を40℃で保温・攪拌しながら、ここへトリフルオロ酢酸15gを滴下して加え、その後27℃で8時間保温した。得られた反応混合物を0℃に冷却し1時間保温することで、式(A−3−1)で表される化合物の一部を析出させた。その後、得られた混合物を15℃で保温・攪拌しながら、さらに、トリフルオロ酢酸21g滴下して加え、その後5℃で8時間保温した。
<工程(2)’>
得られた反応混合物にジメチルアセトアミド(40g)を加え、30分間攪拌した後に静置し、ジメチルアセトアミド層とn−ヘプタン層とに分液した。得られたジメチルアセトアミド層と同重量の水を混合した液のpHは1.8であった。
<工程(2)’’>
得られたジメチルアセトアミド層を、5℃に冷却した水800gに滴下し、白色沈殿を析出させた。
<工程(3)>
析出した白色沈殿を含む混合物を、No.2の濾紙と直径4.7cmのヌッチェを用いて濾過した。濾過が完了するまでの時間をストップウォッチで計測し、濾液及び得られた固形物の重量を計測することによって濾過比抵抗を算出した。結果を表1に示す。得られた固形物を水160mLで洗浄した後、減圧乾燥することによって式(A−3−1)で表される化合物30gを得た。収率は式(B−3−1)で表される化合物を基準として41%であった。
(実施例1)
<工程(1)>
式(B−3−1)で表される化合物80gと、n−ヘプタン706mLを混合し、n−ヘプタン溶液を得た。得られた溶液を40℃で保温・攪拌しながら、ここへトリフルオロ酢酸15g(0.13mmol)を滴下して加え、その後27℃で8時間保温した。得られた反応混合物を0℃に冷却し1時間保温することで式(A−3−1)で表される化合物の一部を析出させた。その後、得られた混合物を15℃で保温・攪拌しながら、さらに、トリフルオロ酢酸21g(0.21mmol)を滴下して加え、その後5℃で8時間保温した。
<工程(2)、(2)’>
得られた反応混合物に、ピリジン31g(0.40mmol)と、ジメチルアセトアミド40gとのの混合液を滴下して加え、30分攪拌した後に静置し、ジメチルアセトアミド層とn−ヘプタン層とに分液した。得られたジメチルアセトアミド層と同重量の水を混合した液のpHは4.9であった。
<工程(2)’’>
得られたジメチルアセトアミド層を、5℃に冷却した水800gに滴下し、白色沈殿を析出させた。
<工程(3)>
析出した白色沈殿を含む混合物を、No.2の濾紙と直径4.7cmのヌッチェを用いて濾過した。濾過が完了するまでの時間をストップウォッチで計測し、濾液及び得られた固形物の重量を計測することによって濾過比抵抗を算出した。結果を表1に示す。得られた固形物を水160mLで洗浄した後、減圧乾燥することによって式(A−3−1)で表される化合物44gを得た。収率は式(B−3−1)で表される化合物を基準として58%であった。
Figure 2016000698
本発明の製造方法は、シクロアルカンジカルボン酸モノエステルを高い生産性で製造することができるため有用である。

Claims (8)

  1. 工程(1)〜(3)を含む式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルの製造方法。
    工程(1):酸と、式(B)で表されるシクロアルカンジカルボン酸ジエステル化合物とを非極性溶媒中で反応させる工程
    工程(2):得られた反応混合物に塩基を加える工程
    工程(3):生成した式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを濾過によって取得する工程

    Figure 2016000698

    [式中、mは、0〜3の整数を表す。
    Zは、メチルスルファニルメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、tert−
    ブトキシメチル基、4−ペンテニルオキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、1
    −エトキシエチル基、ベンジルオキシメチル基、4−メトキシベンジルオキシメチル基、
    2−メトキシベンジルオキシメチル基、4−ニトロベンジルオキシメチル基、1−メチル
    −1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル基、1−メチル−1−フェノキシエチル基、
    1−メチル−1−メトキシエチル基、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル基、2,2
    ,2−トリクロロエトキシメチル基、1−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]エチル
    基、テトラヒドロピラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピ
    ラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、tert−ブチル基
    、トリチル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、
    4−ニトロベンジル基、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル基、2,2,2−トリクロ
    ロエチル基、2−フェニル−2−エタノン−1−イル、シクロプロピルメチル基、−CH
    −O−SiR又は−SiRを表す。
    、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素
    数1〜8のアルコキシ基、フェニル基又はベンジル基を表す。
    pは、0又は1を表す。]
  2. 非極性溶媒が、脂肪族炭化水素である請求項1に記載の製造方法。
  3. 脂肪族炭化水素が、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン又は、オクタンである請求項2に記載の製造方法。
  4. 酸が、有機ブレンステッド酸である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 塩基が、有機ブレンステッド塩基である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. さらに、工程(2)と工程(3)との間に工程(2)’を含む請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
    工程(2)’:中和した混合液に非プロトン性極性溶媒を加えて、式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを非プロトン性極性溶媒層に抽出し、式(B)で表されるシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを非極性溶媒層に抽出する工程
  7. 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又は、N−メチル−2−ピロリドンである請求項6に記載の製造方法。
  8. さらに、工程(2)’と工程(3)との間に工程(2)’’を含む請求項6又は7に記載の製造方法。
    工程(2)’’:非プロトン性極性溶媒層に抽出した式(A)で表されるシクロアルカンジカルボン酸モノエステルを析出させる工程
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